JPH08288713A - 高周波機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高周波機器に関するもので、共振器
のＱの低下を防止することを目的とするものである。 【構成】 そしてこの目的を達成するために本発明は、
表面に回路パターン４、裏面にアースパターンを設けた
基板１と、この基板１の表面に実装した共振器２とを備
え、前記共振器２の入出力端子３を接続した回路パター
ン４に対向する基板１裏面のアースパターン部分には、
アースパターンを除去した開口部１６を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＶＣＯ（電圧制御発振
器）などの高周波機器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この高周波機器は表面に回路パターン、
裏面にアースパターンを設けた基板と、この基板の表面
に実装した共振器とを備えた構造となっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記構成において問題
となるのは、共振器のＱが低くなってしまうということ
であった。すなわちこの共振器の入出力端子を接続した
回路パターンに対向する基板裏面には、アースパターン
が存在しこれら両パターン間に浮遊容量が発生してしま
うのである。この浮遊容量は電気的な等価回路で表現す
れば、第１のコンデンサと第１の抵抗の並列回路とな
る。この第１の抵抗は結論として共振器を電気的な等価
回路で表現したコイル、第２のコンデンサ、第２の抵抗
の並列体に並列接続されることとなるのであるが、第１
の抵抗は第２の抵抗よりもその抵抗値ははるかに小さ
く、この結果共振器としての実効的な抵抗値は小さくな
ってしまい、これが原因で上述のごとく共振器のＱが低
くなってしまうのであった。そこで本発明は共振器のＱ
の低下を防止することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そしてこの目的を達成す
るために本発明は、表面に回路パターン、裏面にアース
パターンを設けた基板と、この基板の表面に実装した共
振器とを備え、前記共振器の入出力端子を接続した回路
パターンに対向する基板裏面のアースパターン部分に
は、アースパターンを除去した開口部を設けたものであ
る。

【０００５】

【作用】上記構成とすれば、共振器の入出力端子を接続
した回路パターンに対向する基板裏面のアースパターン
部分には、アースパターンを除去した開口部を設けてい
るのでこの部分で浮遊容量は発生せず、この結果として
共振器としての抵抗値は小さくならず、共振器としての
Ｑの低下も生じなくなるのである。

【０００６】

【実施例】図３において１はガラス−エポキシ樹脂より
成る基板で、この基板の表面には各種回路パターンと誘
電体で形成した同軸タイプの共振器２の入出力端子３用
の回路パターン４と入出力端子５が設けられている。ま
たこの基板１の表面上にはバリキャップダイオード６、
コンデンサ７，８、発振回路９、バッファ回路１０が実
装されており、その電気的な接続は図４のごとく一般的
なＶＣＯ回路を形成している。なお図４の１１はストリ
ップ線路、１２はコンデンサ、１３は電圧制御端子、１
４は共振回路である。更に基板１の裏面には図２のごと
くそのほぼ全面にアースパターン１５が設けられてい
る。そして図１の破線で示すごとく回路パターン４に対
向する部分のアースパターン１５は、四角形に除去され
て開口部１６を形成している。以上の構成において基板
１の表面上には図３に示すごとく金属製のケース１７が
装着され、その開口縁はこの図３に示すごとく基板１の
外周をその裏面側にまで延長され、そしてこの延長部に
おいてハンダによりアースパターン１５と電気的に接続
されている。そしてこの図３に示すごとくこの接続部の
近傍に上記開口部１６を形成することにより開口部１６
においてアースパターン１５がないことによるアース劣
化を補ない強化し、これにより開口部１６を介しての外
来信号の侵入または発信信号の放出を抑制している。な
お図２に示すごとく開口部１６の外周を囲むように複数
のスルーホール１８が形成されている。

【０００７】上記構成において共振器２の入出力端子３
を接続した回路パターン４と対向する、基板１の裏面に
は開口部１６を設けているので、この部分で浮遊容量は
発生せず、この結果として共振器２としての抵抗値は小
さくならず、共振器２としてのＱの低下も生じなくなる
のである。これはＶＣＯの様な安定した発振周波数が要
望される機器においてはきわめて有用な効果となるので
ある。なお開口部１６は図１に示すごとく回路パターン
４よりもはるかに大きくコンデンサ７，８にまで達する
大きさとすることにより、浮遊容量を形成させないよう
にしている。

【０００８】

【発明の効果】以上のように本発明は表面に回路パター
ン、裏面にアースパターンを設けた基板と、この基板の
表面に実装した共振器とを備え、前記共振器の入出力端
子を接続した回路パターンに対向する基板裏面のアース
パターン部分には、アースパターンを除去した開口部を
設けたものである。

【０００９】そして上記構成とすれば、共振器の入出力
端子を接続した回路パターンに対向する基板裏面のアー
スパターン部分には、アースパターンを除去した開口部
を設けているのでこの部分で浮遊容量は発生せず、この
結果として共振器としての抵抗値は小さくならず、共振
器としてのＱの低下も生じなくなるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の基板の平面図

【図２】図１の基板の裏面図

【図３】本発明の一実施例の斜視図

【図４】本発明の一実施例の電気回路図

【符号の説明】

１ 基板 ２ 共振器 ３ 入出力端子 ４ 回路パターン １６ 開口部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に回路パターン、裏面にアースパタ
   ーンを設けた基板と、この基板の表面に実装した共振器
   とを備え、前記共振器の入出力端子を接続した回路パタ
   ーンに対向する基板裏面のアースパターン部分には、ア
   ースパターンを除去した開口部を設けた高周波機器。
2. 【請求項２】 基板の表面上に金属製のケースを装着す
   ると共に、このケースの開口縁を基板の外周部において
   アースパターンと電気的に接続し、この接続部の近傍に
   開口部を設けた請求項１に記載の高周波機器。
3. 【請求項３】 共振器の入出力端子を接続した回路パタ
   ーンよりも開口部を大きくした請求項１または２に記載
   の高周波機器。