JPH08287728A - 高耐熱ガラス巻線 - Google Patents

高耐熱ガラス巻線

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Publication number
JPH08287728A
JPH08287728A JP7088298A JP8829895A JPH08287728A JP H08287728 A JPH08287728 A JP H08287728A JP 7088298 A JP7088298 A JP 7088298A JP 8829895 A JP8829895 A JP 8829895A JP H08287728 A JPH08287728 A JP H08287728A
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JP
Japan
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resin
heat resistant
glass
heat
silicone resin
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Application number
JP7088298A
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English (en)
Inventor
Sadami Itonaga
貞美 糸永
Toshikatsu Onodera
利勝 小野寺
Kenji Asano
健次 浅野
Kazunori Suzuki
和則 鈴木
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、400℃/20,000時間
以上の耐熱性を発揮でき且つ可撓性や耐曲げ性が優れた
高耐熱ガラス巻線を提供することにある。 【構成】本発明の高耐熱ガラス巻線は、導体上に横巻き
されたガラス糸横巻層に無機化シリコーン樹脂、カルボ
シラン樹脂、カルボシラザン樹脂の中から選ばれた1種
若しくは2種以上の耐熱珪素系樹脂が含浸硬化されてお
り、該耐熱珪素系樹脂上に有機系シリコーン樹脂が塗
布、焼付けされて成ることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高耐熱ガラス巻線に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】導体上にガラス糸を横巻きし、そのガラ
ス糸層に電気絶縁ワニスを含浸硬化して成るガラス巻線
は、古来より用いられてきた耐熱巻線である。
【0003】このガラス巻線はガラス糸の横巻層が主絶
縁層となっていることから耐熱性、電気的特性、化学的
特性、機械的特性等が優れており、高信頼性が要求され
る耐熱電気機器のマグネットワイヤとして広く実用され
ている。
【0004】この種のガラス巻線の耐熱区分は180℃
/20,000時間(H種)〜220℃/20,000
時間であるが、近年の耐熱電気機器、例えば原子力周辺
に使われる電気機器では400℃/20,000時間以
上の耐熱性が要求されるようになってきている。
【0005】前述した従来のガラス巻線ではこのような
400℃/20,000時間以上の耐熱性を発揮させる
ことが困難である。これはガラス糸そのものの軟化温度
が400〜700℃と低いこともあるが、最大の耐熱性
向上阻害要因は含浸硬化させる電気絶縁ワニスの耐熱性
が乏しいためである。
【0006】即ち、従来のガラス巻線含浸硬化用電気絶
縁ワニスとしては耐熱区分130℃/20,000時間
(B種)クラスにアルキッド樹脂ワニス、耐熱区分15
5℃/20,000時間(F種)クラスにエポキシ樹脂
ワニス、耐熱区分180℃/20,000時間(H種)
クラスに有機系シリコーン樹脂ワニス等が用いられてい
る。
【0007】これらの従来のガラス巻線含浸硬化用電気
絶縁ワニスでは最も耐熱性が高い有機系シリコーン樹脂
ワニスでも耐熱区分180℃/20,000時間(H
種)クラスであって、400℃/20,000時間以上
の耐熱性を発揮させることが困難である。
【0008】このような背景のもとに400℃/20,
000時間以上の耐熱性を発揮できるガラス巻線含浸硬
化用電気絶縁ワニスとして無機化シリコーン樹脂、カル
ボシラン樹脂、カルボシラザン樹脂が注目されるように
なってきている。
【0009】しかしながら無機化シリコーン樹脂、カル
ボシラン樹脂、カルボシラザン樹脂は耐熱性が優れてい
るが、その分だけ分子骨格の剛直性が大きく可撓性や耐
曲げ性が劣るという難点があった。このため無機化シリ
コーン樹脂、カルボシラン樹脂、カルボシラザン樹脂等
を含浸硬化させて成るガラス巻線は、可撓性や耐曲げ性
が劣るという難点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる点に立
って為されたものであって、その目的とするところは前
記した従来技術の欠点を解消し、400℃/20,00
0時間以上の耐熱性を発揮でき且つ可撓性や耐曲げ性が
優れた高耐熱ガラス巻線を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、導体上に横巻きされたガラス糸横巻層に無機化シ
リコーン樹脂、カルボシラン樹脂、カルボシラザン樹脂
の中から選ばれた1種若しくは2種以上の耐熱珪素系樹
脂が含浸硬化されており、その耐熱珪素系樹脂上に有機
系シリコーン樹脂が塗布、焼付けされて成ることを特徴
とする高耐熱ガラス巻線にある。
【0012】本発明において導体材料としては400℃
/20,000時間以上の耐熱性を発揮できるものなら
よく、例えば銀線、ニッケル線、クロム線、ステンレス
線、銀メッキ銅線、ニッケルメッキ銅線、クロムメッキ
銅線、ニッケルクラッド銅線、クロムクラット銅線等が
ある。
【0013】本発明においてガラス糸としては電気絶縁
性と耐熱性とがあれば特に限定されなく、市販品として
は電気絶縁用ガラス糸の日東紡績株式会社のECE22
5等がある。
【0014】本発明において耐熱珪素系樹脂としては無
機化シリコーン樹脂、カルボシラン樹脂、カルボシラザ
ン樹脂の3種があるが、材料費からみると最も低廉な無
機化シリコーン樹脂が望ましい。
【0015】ここにおいて無機化シリコーン樹脂とは加
熱により三次元化し、そして更に一段上の高温加熱によ
り無機化できるものであって、市販品としては信越化学
工業株式会社のKR−242A等がある。
【0016】本発明において有機系シリコーン樹脂とは
ジメチルシロキサンポリマー、ジフェニルシロキサンポ
リマー、シリコーンアルキッド樹脂等であって、市販品
としては日立化成工業株式会社のHS−701等があ
る。
【0017】本発明において耐熱珪素系樹脂の含浸量と
有機系シリコーン樹脂量との重量比率は100:20〜
100程度が望ましいが、特に限定されるものではな
い。
【0018】本発明においてガラス糸としては電気絶縁
性と耐熱性とがあれば特に限定されない。
【0019】
【作用】本発明の高耐熱ガラス巻線は、導体上に横巻き
されたガラス糸横巻層に無機化シリコーン樹脂、カルボ
シラン樹脂、カルボシラザン樹脂の中から選ばれた1種
若しくは2種以上の耐熱珪素系樹脂を含浸硬化させるこ
とにより400℃/20,000時間以上の耐熱性を発
揮させ、更に耐熱珪素系樹脂上に有機系シリコーン樹脂
を塗布、焼付けすることにより両層が焼き付け硬化接着
して耐熱珪素系樹脂の欠点である可撓性と耐曲げ性を顕
著に改善することにある。
【0020】そして本発明の高耐熱ガラス巻線は、これ
らの相乗作用により優れた可撓性、耐曲げ性及び400
℃/20,000時間以上の耐熱性を効果的に発揮する
ことができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明の高耐熱ガラス巻線の一実施例
を従来の比較例と共に説明する。 (実施例1)導体サイズ2.0mm×5.0mmの平角ニッ
ケルメッキ銅線上に日東紡績株式会社のECE225ガ
ラス糸を横巻きし、更にその上にもう1回ECE225
ガラス糸を横巻きし、それから無機化シリコーン樹脂で
ある信越化学工業株式会社のKR−242Aを3回繰り
返し含浸してから加熱硬化させた。
【0022】最後にそのKR−242Aの含浸硬化層の
上に日立化成工業株式会社の有機系シリコーン樹脂HS
−701を1回塗布焼き付けすることにより本発明の高
耐熱ガラス巻線の一実施例を得た。
【0023】図1はかくして得られた本発明の高耐熱ガ
ラス巻線の一実施例を示した横断面図であって、1は導
体、2はガラス糸層、3は耐熱珪素系樹脂層、4は有機
系シリコーン樹脂層である。
【0024】(比較例1)導体サイズ2.0mm×5.0
mmの平角ニッケルメッキ銅線上に日東紡績株式会社のE
CE225ガラス糸を横巻きし、更にその上にもう1回
ECE225ガラス糸を横巻きし、それから無機化シリ
コーン樹脂である信越化学工業株式会社のKR−242
Aを4回繰り返し含浸してから加熱硬化させることによ
り比較例1のガラス巻線を得た。
【0025】(比較例2)導体サイズ2.0mm×5.0
mmの平角ニッケルメッキ銅線上に日東紡績株式会社のE
CE225ガラス糸を横巻きし、更にその上にもう1回
ECE225ガラス糸を横巻きし、日立化成工業株式会
社のHS−701を4回塗布焼き付けすることにより比
較例2のガラス巻線を得た。
【0026】(試験方法)次に、かくして得られた実施
例1、比較例1、2のガラス巻線について特性試験を行
った。
【0027】エッジワイズ曲げ試験 実施例1、比較例1、2のガラス巻線をそれぞれエッジ
ワイズに曲げ、ガラス糸層、耐熱珪素系樹脂層、有機系
シリコーン樹脂層の全部又はいずれかに亀裂が発生した
か否かを観察した。結果は亀裂が全く発生しない最小曲
げ径で表示した。
【0028】絶縁破壊電圧 実施例1、比較例1、2のガラス巻線を長さ100mmと
り、それぞれアルミ箔を巻き付け、導体とアルミ箔との
間に交流電圧を印加して上昇させ、その絶縁破壊電圧を
測定した。
【0029】体積固有抵抗 実施例1、比較例1、2のガラス巻線を長さ100mmと
り、それぞれアルミ箔を巻き付け、導体とアルミ箔との
間の絶縁抵抗を測定した。
【0030】(試験方法)これらの試験結果を表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から分かるように比較例1のガラス巻
線はエッジワイズに導体のエッジワイズ厚さの8倍以下
の径で曲げると耐熱珪素系樹脂層に亀裂が入り、それに
引き摺られてガラス糸層も亀裂や切断が発生する。即
ち、亀裂が全く発生しない最小曲げ径は8倍である。
【0033】比較例2のガラス巻線は耐曲げ性は4倍と
良好であるが、400℃・180日熱劣化後の絶縁破壊
電圧が300V以下に低下する難点がある。体積固有抵
抗も同様に低下する。
【0034】これらに対して本発明の実施例1の高耐熱
ガラス巻線は耐曲げ性が5倍と良好で、且つ400℃・
180日熱劣化後の絶縁破壊電圧、体積固有抵抗、45
0℃・180日熱劣化後の絶縁破壊電圧、体積固有抵抗
のいずれもが優れた結果を示した。
【0035】
【発明の効果】本発明の高耐熱ガラス巻線は可撓性、耐
曲げ性が良好で且つ400℃以上の高温熱劣化後におけ
る絶縁破壊電圧特性及び体積固有抵抗特性も優れてお
り、工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高耐熱ガラス巻線の一実施例を示した
横断面図である。
【符号の説明】
1 導体 2 ガラス糸層 3 耐熱珪素系樹脂層 4 有機系シリコーン樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 和則 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体上に横巻きされたガラス糸横巻層に無
    機化シリコーン樹脂、カルボシラン樹脂、カルボシラザ
    ン樹脂の中から選ばれた1種若しくは2種以上の耐熱珪
    素系樹脂が含浸硬化されており、該耐熱珪素系樹脂上に
    有機系シリコーン樹脂が塗布、焼付けされて成ることを
    特徴とする高耐熱ガラス巻線。
  2. 【請求項2】有機系シリコーン樹脂がジメチルシロキサ
    ンポリマー、ジフェニルシロキサンポリマー、シリコー
    ンアルキッド樹脂の中から選ばれた1種であることを特
    徴とする請求項1記載の高耐熱ガラス巻線。
JP7088298A 1995-04-13 1995-04-13 高耐熱ガラス巻線 Pending JPH08287728A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012089359A (ja) * 2010-10-20 2012-05-10 Hitachi Cable Ltd ガラス糸巻銅線及びガラス糸巻銅線の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012089359A (ja) * 2010-10-20 2012-05-10 Hitachi Cable Ltd ガラス糸巻銅線及びガラス糸巻銅線の製造方法

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