JPH08287727A - 低臭性自己融着性エナメル線 - Google Patents

低臭性自己融着性エナメル線

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JPH08287727A
JPH08287727A JP7088292A JP8829295A JPH08287727A JP H08287727 A JPH08287727 A JP H08287727A JP 7088292 A JP7088292 A JP 7088292A JP 8829295 A JP8829295 A JP 8829295A JP H08287727 A JPH08287727 A JP H08287727A
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JP
Japan
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self
enameled wire
wire
melt
alcohol
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JP7088292A
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English (en)
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Miyuki Suga
美由樹 菅
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、ボビンに巻き取ったときに表
面粘着性がなく且つ巻線コイルの加熱融着作業では悪臭
を発生しない自己融着性エナメル線を提供することにあ
る。 【構成】本発明の低臭性自己融着性エナメル線は、エナ
メル線の外周に、アルコール可溶性共重合ポリアミド樹
脂と離型性物質とをベンジルアルコールを主成分とした
有機溶剤に溶解して成る自己融着性塗料を塗布焼き付け
して成るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低臭性自己融着性エナメ
ル線に関するものである。更に詳述すれば本発明は従来
のようなクレゾール臭が全く無い低臭性自己融着性エナ
メル線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自己融着性エナメル線はエナメル線の外
周に自己融着性塗料を塗布焼き付けして製造される。
【0003】ここにおいて自己融着性塗料はポリビニル
ブチラール樹脂、共重合ポリアミド樹脂、フェノキシ樹
脂、高分子エポキシ樹脂等の融着性樹脂をクレゾール、
キシレノール等のフェノール系有機溶剤と工業用キシロ
ール、ソルベントナフサ等の炭化水素系有機溶剤との混
合溶剤に溶解して成るものである。
【0004】さて、自己融着性エナメル線はその外周に
融着層を有していることから電気機器コイルを巻線して
から加熱するか、溶剤浸漬すると融着層を介して電気機
器コイルの線間を容易に接着することができる。
【0005】このような訳で自己融着性エナメル線はテ
レビの偏向コイル等のマグネットワイヤとして広く実用
されている。
【0006】ところで自己融着性エナメル線を用いて電
気機器コイルを巻線し、それからその巻線コイルを加熱
融着する作業は高温下で行われるが、この融着速度は当
然ながら温度が高いほど早くなって生産性を向上するこ
とができる。
【0007】ところがより一段の高温融着作業では自己
融着性エナメル線に残留する極微量のクレゾール分が揮
発し、その揮発したクレゾールが作業現場に悪臭を漂わ
せるという問題が発生する。
【0008】そこで臭気の少ない低級アルコール、ベン
ジルアルコール等を溶媒にアルコール可溶性共重合ポリ
アミド樹脂を溶解して成る自己融着性塗料が検討されて
いる。
【0009】しかし低級アルコール、例えばメタノール
にアルコール可溶性共重合ポリアミド樹脂を溶解して成
る自己融着性塗料ではメタノールが簡単に蒸発してしま
い、その結果長時間の塗料安定性が欠けるという難点が
ある。
【0010】また、ベンジルアルコールにアルコール可
溶性共重合ポリアミド樹脂を溶解して成る自己融着性塗
料ではベンジルアルコールとの親和性が大きく、その結
果この自己融着性塗料をエナメル線の上に塗布焼き付け
して得られる自己融着性エナメル線内に微量のベンジル
アルコールが残留して表面粘着性が発生するという難点
がある。
【0011】このような表面粘着性がある自己融着性エ
ナメル線をボビンに巻き取ると、その巻き取った自己融
着性エナメル線の隣接線同志が粘着し、それによりボビ
ンから自己融着性エナメル線を引き出そうとしてもスム
ーズに引き出せないという難点が発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる点に立
って為されたものであって、その目的とするところは前
記した従来技術の欠点を解消し、ボビンに巻き取ったと
きに表面粘着性がなく且つ巻線コイルの加熱融着作業で
は悪臭を発生しない自己融着性エナメル線を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、エナメル線の外周に、アルコール可溶性共重合ポ
リアミド樹脂と離型性物質とをベンジルアルコールを主
成分とした有機溶剤に溶解して成る自己融着性塗料を塗
布焼き付けして成ることを特徴とする低臭性自己融着性
エナメル線にある。
【0014】本発明において離型性物質とは離型性があ
ればよく、例えば低分子ポリエチレン、脂肪酸エステル
などである。
【0015】本発明におけるエナメル線とは、油性エナ
メル線、ホルマール線、ポリウレタンエナメル線、エポ
キシエナメル線、シリコーンエナメル線、ポリエステル
線、ポリアミドイミド線、ポリイミド線、ポリエステル
イミドエナメル線など熱硬化型ワニスを導体上に焼き付
けた、ごく一般的なエナメル線をいう。また、必要に応
じてはこれらを束ねたリッツ線を用いても構わない。と
ころで、自己融着性エナメル線は加熱処理により固着さ
れることから、ここで用いられるエナメル線としても耐
熱性の高いものが好ましい。
【0016】本発明に用いる共重合ポリアミド樹脂は室
温においてベンジルアルコールに溶解するものであれば
良い。共重合ナイロンはナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン11、ナイロン12などのモノマー単位を2つ以
上重合させたもの、およびこの共重合体の一部を変性さ
せたものを含む。
【0017】塗料中の共重合ポリアミド樹脂の割合は、
ベンジルアルコールで溶解できる範囲であれば良いが、
あまり濃度が低い場合には一定の被膜厚を得るために焼
き付け回数を増やす必要があり、逆に濃度が高いと塗料
の取扱い性が悪くなるなどの問題が生じるため、5重量
%以上18重量%以下の濃度が好ましい。
【0018】添加剤の低分子ポリエチレンまたは脂肪酸
エステルは一般に滑剤として用いられているものであ
り、従来の自己融着性エナメル線においても滑性を付与
するために添加されることがある。しかし、本発明はベ
ンジルアルコールに可溶な共重合ポリアミド樹脂を焼き
付けた自己融着性エナメル線の線間粘着の防止を目的と
して検討を行った結果、低分子ポリエチレンおよび脂肪
酸エステルが極めて有効であることを見出だしたもので
あり、従来の滑性付与の目的とは全く異なるものであ
る。但し、本発明により得られる自己融着性エナメル線
は滑性も優れることはいうまでもない。
【0019】低分子ポリエチレンの添加量としては共重
合ポリアミド樹脂100重量部に対して2重量部以上7
重量部以下が好ましい。添加量が2重量部以下では十分
な粘着防止効果が得られないことがある。また添加量が
7重量部より多いと分散不良などの問題が生ずることが
ある。
【0020】また、線間粘着防止には巻き取り前に融着
層を冷却することも多少効果があるが、工程が増える、
設備の増設が必要などの問題があり、好ましくない。
【0021】脂肪酸エステルとしてはミツロウやカルナ
ウバロウなどがあげられる。
【0022】
【作用】本発明の低臭性自己融着性エナメル線は、アル
コール可溶性共重合ポリアミド樹脂と離型性物質とを組
み合わせることにより表面離型性を向上させてボビンに
巻き取ったときにおける表面粘着性を完全になくすこと
ができ、そして自己融着性塗料の有機溶剤をベンジルア
ルコールを主成分とした有機溶剤を用いることにより得
られた低臭性自己融着性エナメル線内に悪臭のクレゾー
ル分を完全に無くすことができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明の低臭性自己融着性エナメル線
の実施例および従来の比較例について説明する。
【0024】(実施例1)アルコール可溶ナイロンCM
−4000(東レ株式会社製)をベンジルアルコールで
溶解し、17重量%の濃度とした。これに低分子ポリエ
チレンを4重量部添加した塗料を、ポリエステルイミド
線に塗布焼き付けした後、ボビンに巻き取った。
【0025】図1はかくして得られた本発明の実施例1
の自己融着性エナメル線の横断面図を示したものであっ
て、1は導体、2はエナメル被膜層、3は自己融着層で
ある。
【0026】(実施例2)アルコール可溶ナイロンCM
−4000をベンジルアルコールで溶解し、17重量%
の濃度とした。これにミツロウを3重量部添加した塗料
を、ポリエステルイミド線に塗布焼き付けした後、ボビ
ンに巻き取った。
【0027】(実施例3)アルコール可溶ナイロンCM
−4000をベンジルアルコールで溶解し、17重量%
の濃度とした。これにカルナウバロウを3重量部添加し
た塗料を、ポリエステルイミド線に塗布焼き付けした
後、ボビンに巻き取った。
【0028】(比較例1)アルコール可溶ナイロンCM
−4000をベンジルアルコールで溶解し、17重量%
の濃度とした。この塗料をポリエステルイミド線に塗布
焼き付けした後、ボビンに巻き取った。
【0029】(比較例2)アルコール可溶ナイロンCM
−4000をクレゾールで溶解し、17重量%の濃度と
した。この塗料をポリエステルイミド線に塗布焼き付け
した後、ボビンに巻き取った。
【0030】(比較例3)12ナイロンモノマー単位と
6ナイロンモノマー単位を85/15の比率とした2元
共重合ナイロン(融点151℃)を10重量%の濃度と
なるようにベンジルアルコール中に入れ、加熱しながら
攪拌した後、室温まで徐冷した。
【0031】(比較例4)12ナイロンモノマー単位と
6ナイロンモノマー単位を85/15の比率とした2元
共重合ナイロン(融点151℃)をクレゾールで溶解
し、17重量%の濃度とした。この塗料をエステルイミ
ド線に塗布焼き付けした後、ボビンに巻き取った。
【0032】比較例3の自己融着性塗料は、徐冷後に溶
液がゲル化し、安定性のよい塗料が得られなかった。そ
の他の実施例1〜3および比較例1、2、4から得られ
た自己融着性エナメル線はそれぞれボビンから引き出
し、コイル巻後に通電加熱して融着した。線間粘着性お
よび通電加熱時のクレゾール臭の評価結果を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】表1からわかる通り比較例1、2ではボビ
ン上で線間粘着があり、安定して引き出せなかった。そ
の上比較例2、4では通電加熱時に被膜中に残留するク
レゾールが臭気を発した。これらに対して、本発明の実
施例1〜3ではいずれも線間粘着は生じず、また通電加
熱時も被膜に残留するベンジルアルコールがわずかに芳
香を放つほかに、臭気は生じなかった。
【0035】以上のように、本発明では刺激臭をもつク
レゾールやフェノール等の溶剤を使わないため、通電加
熱時に刺激臭を発することがなく、また低分子ポリエチ
レンまたは脂肪酸エステルを塗料中に配合することによ
り、巻き取り時の線間粘着が生じない低臭性自己融着性
エナメル線を与えるものである。
【0036】なお、本発明では溶剤としてベンジルアル
コールを用いたが、この他に低級脂肪族アルコール、例
えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール等も同様の効果が得られる。また、必要に
応じてこれらの混合溶媒を用いても構わない。さらに、
溶解性を損なわない範囲で臭気の少ない他の溶剤を一部
併用することもできる。
【0037】
【発明の効果】本発明の自己融着性エナメル線は表面粘
着性がないのでボビンからの引き出し作業性が優れ、且
つこのボビンから引き出した自己融着性エナメル線を用
いて巻線した巻線コイルには悪臭のクレゾール、フェノ
ールなどがないから加熱融着作業を行っても作業環境を
悪臭で悪化させることが全く無いものであり、工業上有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の自己融着性エナメル線の横
断面図を示したものである。
【符号の説明】
1 導体 2 エナメル被膜層 3 自己融着層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エナメル線の外周に、アルコール可溶性共
    重合ポリアミド樹脂と離型性物質とをベンジルアルコー
    ルを主成分とした有機溶剤に溶解して成る自己融着性塗
    料を塗布焼き付けして成ることを特徴とする低臭性自己
    融着性エナメル線。
  2. 【請求項2】離型性物質が低分子ポリエチレンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の低臭性自己融着性エナメ
    ル線。
  3. 【請求項3】離型性物質が脂肪酸エステルであることを
    特徴とする請求項1記載の低臭性自己融着性エナメル
    線。
  4. 【請求項4】アルコール可溶性共重合ポリアミド樹脂が
    ナイロン6モノマー単位、ナイロン66モノマー単位、
    ナイロン610モノマー単位、ナイロン11モノマー単
    位、ナイロン12モノマー単位の中から選ばれた少なく
    とも2種以上を含むものであることを特徴とする請求項
    1記載の低臭性自己融着性エナメル線。
JP7088292A 1995-04-13 1995-04-13 低臭性自己融着性エナメル線 Pending JPH08287727A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004032153A1 (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Kaneka Corporation 自己融着性絶縁電線
CN109473207A (zh) * 2018-11-24 2019-03-15 宁波鑫健新材料科技有限公司 汽车密封继电器低挥发有机气体用漆包线

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WO2004032153A1 (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Kaneka Corporation 自己融着性絶縁電線
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