JP2002121479A - 低臭気型自己融着性塗料及び自己融着性エナメル線 - Google Patents

低臭気型自己融着性塗料及び自己融着性エナメル線

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JP2002121479A
JP2002121479A JP2000318243A JP2000318243A JP2002121479A JP 2002121479 A JP2002121479 A JP 2002121479A JP 2000318243 A JP2000318243 A JP 2000318243A JP 2000318243 A JP2000318243 A JP 2000318243A JP 2002121479 A JP2002121479 A JP 2002121479A
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英行 菊池
Eiji Suzuki
英治 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗料安定性とエナメル線塗装作業性とが優れ、
且つ悪臭発生を効果的に抑止することができる低臭気型
自己融着性塗料及びその低臭気型自己融着性塗料をエナ
メル線上に塗布、焼き付けして得られるフェノール系有
機溶剤の残留量が少なく、且つ高温加熱時における臭気
発生がない自己融着性エナメル線を提供すること。 【解決手段】(1)共重合ポリアミド樹脂をフェノール
系有機溶剤を主成分とする混合溶剤に溶解して成る自己
融着性塗料において、前記混合溶剤は前記フェノール系
有機溶剤の内の10〜65重量%分をベンジルアルコー
ルで置換して成る混合溶剤であることを特徴とする低臭
気型自己融着性塗料。(2)導線上にエナメル塗膜層が
設けてあり、且つ該エナメル塗膜層上に共重合ポリアミ
ド樹脂融着層を設けて成る自己融着性エナメル線におい
て、該共重合ポリアミド樹脂融着層は共重合ポリアミド
樹脂をフェノール系有機溶剤の内の10〜65重量%分
をベンジルアルコールで置換して成る混合溶剤に溶解し
て成る低臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き付けして成
るものであることを特徴とする自己融着性エナメル線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低臭気型自己融着性
塗料及び自己融着性エナメル線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管方式のディスプレイには偏向
ヨークコイルが不可欠の部品として装着されている。
【0003】一般に、この偏向ヨークコイルはまず自己
融着姓エナメル線を機械巻線機により巻線することによ
りベースコイルを作成し、それからそのベースコイルを
通電加熱することにより線間を熱融着させて偏向ヨーク
コイルとするようになっている。このベースコイルの線
間を熱融着させるときの通電加熱温度は120〜300
℃になることが知られている。
【0004】このようにして製造された偏向ヨークコイ
ルは他の部品を取り付けてからブラウン管に装着され、
それからディスプレイとして使用されるようになってい
る。このディスプレイとして使用されるときの偏向ヨー
クコイルの運転温度は40〜150℃になることが知ら
れている。
【0005】さて、偏向ヨークコイルの通電加熱時の高
温やディスプレイ運転時の高温にさらされたときに自己
融着性エナメル線から悪臭が発生し、周辺環境を汚染す
ることがある。
【0006】この悪臭は自己融着性エナメル線の塗膜中
に極微量残留するフェノール系有機溶剤、例えばクレゾ
ール、キシレノール等である。即ち、自己融着性エナメ
ル線の製造はまず導線の上にエナメル線用塗料を塗布、
焼き付け、次にその一般エナメル線塗膜上に自己融着性
塗料を塗布、焼き付けして成るものであるが、これらエ
ナメル線用塗料及び自己融着性塗料のどちらにもフェノ
ール系有機溶剤が含まれている。そしてこれらの塗料を
塗布してから高温で焼き付けたときにはそれら塗料中の
フェノール系有機溶剤はその半が揮散するのであるが、
極微量のフェノール系有機溶剤が一般エナメル塗膜や融
着層内に残留してしまうことがある。そしてそれらの極
微量の残留フェノール系有機溶剤が偏向ヨークコイルの
通電加熱時やディスプレー運転時に蒸発し、悪臭を起こ
すのである。
【0007】自己融着性塗料の樹脂材料としてはポリビ
ニルブチラール樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、フェ
ノキシ樹脂、共重合ポリアミド樹脂等がある。
【0008】これらのうち共重合ポリアミド樹脂は偏向
ヨークコイル用自己融着性エナメル線の融着層樹脂材料
として多用されている。これは共重合ポリアミド樹脂が
優れた接着性、耐熱変形性、耐捩れ性化、耐クレージン
グ性、低吸湿性等を有するからである。
【0009】この種の共重合ポリアミド樹脂は高重合度
で、且つ高結晶度のものである。このため共重合ポリア
ミド樹脂を溶解する有機溶剤としてはメタノール、エタ
ノール等の低級脂肪族アルコール、蟻酸等の酸類、トリ
フルオロエタノール、クレゾール等のフェノール系有機
溶剤等がある。
【0010】これらの有機溶剤のうちメタノール、エタ
ノール等の低級脂肪族アルコールは常温でも容易に揮散
してしまい、その結果エナメル線塗装作業性が悪いとい
う難点がある。蟻酸等の酸類ではエナメル線塗装炉の腐
蝕を招くという難点がある。また、トリフルオロエタノ
ールでは非常に高価で、工業的に実用することが困難で
ある。
【0011】なお、水に溶ける共重合ポリアミド樹脂も
あるが、そのものは自己融着性材料としては実用性が乏
しい。
【0012】このような訳で共重合ポリアミド樹脂を樹
脂分とする自己融着性塗料の有機溶剤としてはフェノー
ル系有機溶剤、例えばクレゾール等に限定されているの
が実情である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のように導線の上
にエナメル線用塗料を塗布、焼き付け、それからその一
般エナメル線塗膜上に自己融着性塗料を塗布、焼き付け
るとき、それらの焼き付け温度をかなり高く、且つ焼き
付け時間をかなり長く設定することにより塗料中のクレ
ゾール等を完全に揮散でき、その結果悪臭発生を抑止す
ることができる。
【0014】しかしながら、そのように焼き付け温度を
かなり高く、且つ焼き付け時間をかなり長くして焼き付
けしたときには、得られる自己融着性エナメル線が著し
い酸化劣化を起こし、その結果機械的特性、電気的特
性、化学的特性、線間接着性等が酷く損なわれることに
なる。
【0015】このため適正な焼き付け温度と焼き付け時
間とで製造した自己融着性エナメル線の塗膜中には極微
量のクレゾール等のフェノール系有機溶剤を残存するこ
とが避けられなく、その結果この自己融着性エナメル線
を通電加熱したり、高温にさらしたときにはクレゾール
等のフェノール系有機溶剤に起因する悪臭発生が避けら
れなかった。
【0016】そこで自己融着性塗料中のフェノール系有
機溶剤の量を相対的に低減し、その代わりにフェノール
系有機溶剤より低臭気の有機溶剤、例えばキシレン、ソ
ルベントナフサ等の芳香族炭化水素系有機溶剤やN−メ
チルピロリドン等の極性有機溶剤を併用する試みもため
されてきた。しかし、キシレン、ソルベントナフサ等の
芳香族炭化水素系有機溶剤やN−メチルピロリドン等の
極性有機溶剤は本質的に共重合ポリアミド樹脂の溶解性
が乏しく、それによりフェノール系有機溶剤の置換量も
極めて限られたものとなって悪臭発生を低減することが
できなかった。
【0017】本発明はかかる点に立って為されたもので
あって、その目的とするところは前記した従来技術の欠
点を解消し、塗料安定性とエナメル線塗装作業性とが優
れ、且つ悪臭発生を効果的に抑止することができる低臭
気型自己融着性塗料及びその低臭気型自己融着性塗料を
エナメル線上に塗布、焼き付けして得られるフェノール
系有機溶剤の残留量が少なく、且つ高温加熱時における
臭気発生がない自己融着性エナメル線を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、次の2点にある。
【0019】(1)共重合ポリアミド樹脂をフェノール
系有機溶剤を主成分とする混合溶剤に溶解して成る自己
融着性塗料において、前記混合溶剤は前記フェノール系
有機溶剤の内の10〜65重量%分をベンジルアルコー
ルで置換して成る混合溶剤であることを特徴とする低臭
気型自己融着性塗料。
【0020】(2)導線上にエナメル塗膜層が設けてあ
り、且つ該エナメル塗膜層上に共重合ポリアミド樹脂融
着層を設けて成る自己融着性エナメル線において、該共
重合ポリアミド樹脂融着層は共重合ポリアミド樹脂をフ
ェノール系有機溶剤の内の10〜65重量%分をベンジ
ルアルコールで置換して成る混合溶剤に溶解して成る低
臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き付けして成るもので
あることを特徴とする自己融着性エナメル線。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の低臭気型自己融着
性塗料及び自己融着性エナメル線の実施の形態について
説明する。
【0022】本発明において共重合ポリアミド樹脂とし
ては高結晶性で、且つ低級脂肪族アルコールに不溶性の
低級脂肪族アルコール不溶タイプ共重合ポリアミド樹脂
であることが好ましい。更に、好ましい低級脂肪族アル
コール不溶タイプ共重合ポリアミド樹脂としては熱軟化
点が100〜190℃のものであることが好ましい。
【0023】本発明においてフェノール系有機溶剤の内
の10〜65重量%分をベンジルアルコールで置換して
成る混合溶剤を用いたのは、ベンジルアルコールがアー
モンド様の香気があり、且つフェノール系有機溶剤のよ
うな刺激的悪臭がなく、しかも皮膚等への安全性が高
く、更に代表的なフェノール系有機溶剤であるm−クレ
ゾールと同等な沸点、蒸発特性を有するためである。こ
のベンジルアルコールは単独では共重合ポリアミド樹脂
を溶解することができないが、フェノール系有機溶剤の
内の10〜65重量%分を置換したときには溶解性、自
己融着性塗料としたときにおける相性、塗料粘度、エナ
メル線塗装作業性等がいずれも良好である。
【0024】ここにおいてフェノール系有機溶剤の内の
ベンジルアルコールの置換量を10〜65重量%分に限
定したのは、65重量%以上では溶解性や塗料安定性が
悪化し、逆に10重量%以下では相対的にフェノール系
有機溶剤の量が多くなって臭気を低減することができな
いためである。
【0025】
【実施例】次に、本発明の低臭気型自己融着性塗料及び
自己融着性エナメル線の実施例及び従来の比較例につい
て説明する。
【0026】(自己融着性エナメル線のベースエナメル
線の製造)実施例及び比較例の自己融着性エナメル線の
ベースエナメル線として導体径φ0.16mmの銅線上に
市販のポリエステルイミドエナメル線用塗料(例えば、
東特塗料株式会社のNH−8646)をポリエステルイ
ミドエナメル塗膜層が25μm厚さとなるように塗布、
焼き付けすることによりポリエステルイミドエナメル線
を製造した。
【0027】このポリエステルイミドエナメル線は実施
例及び比較例の自己融着性エナメル線のベースエナメル
線となるものである。
【0028】次に、溶解装置へ日本リルサン工業株式会
社の共重合ポリアミド樹脂MX1178を100重量
部、m−クレゾール144部、ベンジルアルコール16
重量部、ソルベントナフサ(日石三菱石油株式会社の芳
香族炭化水素溶剤のハイゾール150)240重量部を
それぞれ入れた。
【0029】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りMX1178を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度
が20%の実施例1の低臭気型自己融着性塗料を得た。
【0030】(実施例2の低臭気型自己融着性塗料)ま
ず、溶解装置へ日本リルサン工業株式会社の共重合ポリ
アミド樹脂MX1178を100重量部、m−クレゾー
ル134部、ベンジルアルコール66重量部、ソルベン
トナフサ200重量部をそれぞれ入れた。
【0031】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りMX1178を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度
が20%の実施例2の低臭気型自己融着性塗料を得た。
【0032】(実施例3の低臭気型自己融着性塗料)ま
ず、溶解装置へ日本リルサン工業株式会社の共重合ポリ
アミド樹脂MX1178を100重量部、m−クレゾー
ル70部、ベンジルアルコール130重量部、ソルベン
トナフサ200重量部をそれぞれ入れた。
【0033】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りMX1178を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度
が20%の実施例3の低臭気型自己融着性塗料を得た。
【0034】(実施例4の低臭気型自己融着性塗料)ま
ず、溶解装置へダイセルヒュルス株式会社の共重合ポリ
アミド樹脂X7079を100重量部、合成クレゾール
(フェノール/m、p−クレゾール)140部、ベンジ
ルアルコール60重量部、ソルベントナフサ200重量
部をそれぞれ入れた。
【0035】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りX7079を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度が
20%の実施例4の低臭気型自己融着性塗料を得た。
【0036】(実施例5の低臭気型自己融着性塗料)ま
ず、溶解装置へダイセルヒュルス株式会社の共重合ポリ
アミド樹脂X7079を100重量部、合成クレゾール
(フェノール/m、p−クレゾール)120部、ベンジ
ルアルコール80重量部、ソルベントナフサ200重量
部をそれぞれ入れた。
【0037】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りX7079を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度が
20%の実施例5の低臭気型自己融着性塗料を得た。
【0038】(実施例6の低臭気型自己融着性塗料)ま
ず、溶解装置へダイセルヒュルス株式会社の共重合ポリ
アミド樹脂X7079を100重量部、合成クレゾール
(フェノール/m、p−クレゾール)100部、ベンジ
ルアルコール100重量部、ソルベントナフサ160重
量部をそれぞれ入れた。
【0039】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りX7079を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度が
20%の実施例6の低臭気型自己融着性塗料を得た。
【0040】(比較例1の自己融着性塗料)まず、溶解
装置へ日本リルサン工業株式会社の共重合ポリアミド樹
脂MX1178を100重量部、合成クレゾール200
重量部、キシレン200重量部をそれぞれ入れた。
【0041】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りMX1178を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度
が20%の比較例1の自己融着性塗料を得た。
【0042】(比較例2の自己融着性塗料)まず、溶解
装置へ日本リルサン工業株式会社の共重合ポリアミド樹
脂MX1178を100重量部、合成クレゾール140
重量部、オクタノール60重量部、キシレン200重量
部をそれぞれ入れた。
【0043】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りMX1178を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度
が20%の比較例2の自己融着性塗料を得た。
【0044】(比較例3の自己融着性塗料)まず、溶解
装置へ日本リルサン工業株式会社の共重合ポリアミド樹
脂MX1178を100重量部、合成クレゾール160
重量部、オクタノール40重量部、キシレン200重量
部をそれぞれ入れた。
【0045】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りMX1178を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度
が20%の比較例3の自己融着性塗料を得た。
【0046】(比較例4の自己融着性塗料)まず、溶解
装置へダイセルヒュルス株式会社の共重合ポリアミド樹
脂X7079を100重量部、合成クレゾール140重
量部、アニソール60重量部、キシレン200重量部を
それぞれ入れた。
【0047】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りX7079を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度が
20%の比較例4の自己融着性塗料を得た。
【0048】(比較例5の自己融着性塗料)まず、溶解
装置へダイセルヒュルス株式会社の共重合ポリアミド樹
脂X7079を100重量部、合成クレゾール160重
量部、アニソール40重量部、キシレン200重量部を
それぞれ入れた。
【0049】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りX7079を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度が
20%の比較例5の自己融着性塗料を得た。
【0050】(比較例6の自己融着性塗料)まず、溶解
装置へダイセルヒュルス株式会社の共重合ポリアミド樹
脂X7079を100重量部、合成クレゾール160重
量部、メチルカルビトール40重量部、キシレン200
重量部をそれぞれ入れた。
【0051】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りX7079を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度が
20%の比較例6の自己融着性塗料を得た。
【0052】(比較例7の自己融着性塗料)まず、溶解
装置へダイセルヒュルス株式会社の共重合ポリアミド樹
脂X7079を100重量部、合成クレゾール60重量
部、ベンジルアルコール140重量部、キシレン200
重量部をそれぞれ入れた。
【0053】次に、溶解装置を加熱、攪拌することによ
りX7079を溶解し、共重合ポリアミド樹脂分濃度が
20%の比較例7の自己融着性塗料を得た。
【0054】(実施例1の自己融着性エナメル線)先に
用意した自己融着性エナメル線のベースエナメル線であ
るポリエステルイミドエナメル線の上に、同じく先に用
意した実施例1の低臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き
付けすることにより実施例1の自己融着性エナメル線を
得た。
【0055】図1はかくして得られた実施例1の自己融
着性エナメル線の断面図を示したものである。
【0056】図1において1は導体、2はポリエステル
イミドエナメル塗膜層、3は融着層である。
【0057】(実施例2の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、実
施例2の低臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き付けする
ことにより実施例2の自己融着性エナメル線を得た。
【0058】(実施例3の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、実
施例3の低臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き付けする
ことにより実施例3の自己融着性エナメル線を得た。
【0059】(実施例4の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、実
施例4の低臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き付けする
ことにより実施例4の自己融着性エナメル線を得た。
【0060】(実施例5の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、実
施例5の低臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き付けする
ことにより実施例5の自己融着性エナメル線を得た。
【0061】(実施例6の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、実
施例5の低臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き付けする
ことにより実施例6の自己融着性エナメル線を得た。
【0062】(比較例1の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、比
較例1の自己融着性塗料を塗布、焼き付けすることによ
り比較例1の自己融着性エナメル線を得た。(比較例2
の自己融着性エナメル線)実施例1と同様にポリエステ
ルイミドエナメル線の上に、比較例2の自己融着性塗料
を塗布、焼き付けすることにより比較例2の自己融着性
エナメル線を得た。
【0063】(比較例3の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、比
較例3の自己融着性塗料を塗布、焼き付けすることによ
り比較例3の自己融着性エナメル線を得た。
【0064】(比較例4の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、比
較例4の自己融着性塗料を塗布、焼き付けすることによ
り比較例4の自己融着性エナメル線を得た。
【0065】(比較例5の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、比
較例5の自己融着性塗料を塗布、焼き付けすることによ
り比較例5の自己融着性エナメル線を得た。
【0066】(比較例6の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、比
較例6の自己融着性塗料を塗布、焼き付けすることによ
り比較例6の自己融着性エナメル線を得た。
【0067】(比較例7の自己融着性エナメル線)実施
例1と同様にポリエステルイミドエナメル線の上に、比
較例7の自己融着性塗料を塗布、焼き付けすることによ
り比較例7の自己融着性エナメル線を得た。
【0068】(塗料の安定性試験、エナメル線の特性試
験、臭気試験) 塗料の安定性試験 実施例の低臭気型自己融着性塗料、比較例の自己融着性
塗料についてはそれら塗料の安定性を試験した。
【0069】塗料の安定性試験は各塗料を40℃、30
℃、0℃に所定時間置き、塗料の安定性を評価した。
【0070】 自己融着性エナメル線の特性試験 実施例及び比較例の自己融着性エナメル線については寸
法試験、外観検査、接着性試験を行った。
【0071】 エナメル線塗装作業性及び臭気試験 まず、実施例の低臭気型自己融着性塗料及び比較例の自
己融着性塗料については、エナメル線塗装作業性の良否
を評価した。
【0072】次に、実施例の自己融着性エナメル線及び
比較例の自己融着性エナメル線については、それらの融
着層中のフェノール系有機溶剤残留量測定試験と120
℃、48時間加熱したときの臭気評価試験とを行った。
【0073】(試験結果)表1は上記の各種試験結果を
示したものである。
【0074】
【表1】
【0075】比較例1の自己融着性塗料を塗布、焼き付
けして得られた比較例1の自己融着性エナメル線は、フ
ェノール類残留量が多く、且つ120℃、48時間加熱
したときの臭気が酷いという難点がある。
【0076】比較例2の自己融着性塗料は塗料安定性が
悪く、且つエナメル線塗装作業性が悪く、それらにより
その比較例2の自己融着性塗料を塗布、焼き付けして得
られた比較例2の自己融着性エナメルは外観も悪かっ
た。
【0077】比較例3の自己融着性塗料は塗料安定性が
悪く、且つエナメル線塗装作業性が悪く、更にフェノー
ル類残留量が多く、且つ120℃、48時間加熱したと
きの臭気が酷いという難点がある。
【0078】比較例4の自己融着性塗料は塗料安定性が
悪く、且つエナメル線塗装作業性が悪く、それらにより
その比較例4の自己融着性塗料を塗布、焼き付けして得
られた比較例4の自己融着性エナメルは外観も悪かっ
た。
【0079】比較例5の自己融着性塗料は塗料安定性が
悪く、且つエナメル線塗装作業性が悪く、更にフェノー
ル類残留量が多く、且つ120℃、48時間加熱したと
きの臭気が酷いという難点がある。
【0080】比較例6の自己融着性塗料は塗料安定性が
最も悪く、且つエナメル線塗装作業性が悪かった。ま
た、それらによりその比較例6の自己融着性塗料を塗
布、焼き付けして得られた比較例6の自己融着性エナメ
ルは外観が悪く、接着性も悪かった。
【0081】比較例7の自己融着性塗料は塗料安定性が
最も悪く、且つエナメル線塗装作業性が悪かった。ま
た、それらによりその比較例7の自己融着性塗料を塗
布、焼き付けして得られた比較例7の自己融着性エナメ
ルは外観が悪く、接着性も悪かった。
【0082】これらに対して実施例1〜6の低臭気型自
己融着性塗料は塗料の安定性が良好で、且つそれらの低
臭気型自己融着性塗料によるエナメル線塗装作業性も優
れている。
【0083】他方、これら実施例1〜6の低臭気型自己
融着性塗料を塗布、焼き付けして得られた実施例1〜6
の自己融着性エナメルは外観が良好で、且つ接着力も優
れ、フェノール系有機溶剤残留量が少なく、更に120
℃、48時間加熱時の臭気発生がなかった。
【0084】
【発明の効果】本発明の低臭気型自己融着性塗料は塗料
の安定性が良好で、且つそれらの低臭気型自己融着性塗
料によるエナメル線塗装作業性も優れ、またその本発明
の低臭気型自己融着性塗料を塗布、焼き付けして得られ
る自己融着性エナメルは外観が良好で、且つ接着力も優
れ、更にフェノール系有機溶剤の残留量が少なく、それ
により高温加熱時における臭気発生がないという優れた
諸特性を発揮するものであり、工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の自己融着性エナメル線の断
面図を示したものである。
【符号の説明】
1 導体 2 ポリエステルイミドエナメル塗膜層 3 融着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DH001 JA22 JA63 MA06 MA09 NA12 NA21 NA23 NA25 NA27 PA19 PB09 PC08 5G309 NA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共重合ポリアミド樹脂をフェノール系有機
    溶剤を主成分とする混合溶剤に溶解して成る自己融着性
    塗料において、前記混合溶剤は前記フェノール系有機溶
    剤の内の10〜65重量%分をベンジルアルコールで置
    換して成る混合溶剤であることを特徴とする低臭気型自
    己融着性塗料。
  2. 【請求項2】共重合ポリアミド樹脂が、高結晶性で、且
    つ低級脂肪族アルコールに不溶性の低級脂肪族アルコー
    ル不溶タイプ共重合ポリアミド樹脂であることを特徴と
    する請求項1記載の低臭気型自己融着性塗料。
  3. 【請求項3】低級脂肪族アルコール不溶タイプ共重合ポ
    リアミド樹脂が、熱軟化点が100〜190℃のもので
    あることを特徴とする請求項2記載の低臭気型自己融着
    性塗料。
  4. 【請求項4】導線上にエナメル塗膜層が設けてあり、且
    つ該エナメル塗膜層上に共重合ポリアミド樹脂融着層を
    設けて成る自己融着性エナメル線において、該共重合ポ
    リアミド樹脂融着層は共重合ポリアミド樹脂をフェノー
    ル系有機溶剤の内の10〜65重量%分をベンジルアル
    コールで置換して成る混合溶剤に溶解して成る低臭気型
    自己融着性塗料を塗布、焼き付けして成るものであるこ
    とを特徴とする自己融着性エナメル線。
  5. 【請求項5】共重合ポリアミド樹脂が、熱軟化点が10
    0〜190℃の低級脂肪族アルコール不溶タイプ共重合
    ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項4記載の
    自己融着性エナメル線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004032153A1 (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Kaneka Corporation 自己融着性絶縁電線

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WO2004032153A1 (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Kaneka Corporation 自己融着性絶縁電線

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