JPH08287421A - 磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド

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JPH08287421A
JPH08287421A JP8902195A JP8902195A JPH08287421A JP H08287421 A JPH08287421 A JP H08287421A JP 8902195 A JP8902195 A JP 8902195A JP 8902195 A JP8902195 A JP 8902195A JP H08287421 A JPH08287421 A JP H08287421A
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JP
Japan
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film
thin film
magnetoresistive
soft magnetic
head
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JP8902195A
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Inventor
Katsuro Watanabe
克朗 渡辺
Shigeru Tadokoro
茂 田所
Akira Kumagai
昭 熊谷
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気抵抗効果膜/分離膜/軟磁性薄膜の素子構
成を有する磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、軟磁性薄膜
の飽和磁歪をゼロから+25×10-7の範囲内とするこ
とにより、バルクハウゼンノイズがないヘッドを作製す
る。 【構成】MRヘッドの横方向バイアス磁界を印加するた
めに磁気抵抗効果膜の近傍に、飽和磁歪がゼロから+2
5.0×10-7 の範囲内にある軟磁性薄膜を配置する。
媒体対向面を加工することによって素子高さ方向に引張
り応力が作用するため、センス電流を流したときに軟磁
性薄膜の磁化が素子高さ方向に十分に回転する。これに
より、横バイアス磁界が安定し、バルクハウゼンノイズ
のない磁気抵抗効果型ヘッドが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気的信号の読み取り
に用いられる新規な磁気抵抗効果型ヘッドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、磁気記
録媒体からの磁束に対する応答を線形にするために磁気
抵抗効果膜に横バイアス磁界を印加する必要があり、そ
のためのヘッド構造として、軟磁性薄膜を非磁性分離膜
を介して磁気抵抗効果膜と隣接させる構造が知られてい
る。この構造の場合、磁気抵抗効果膜,非磁性分離膜及
び軟磁性薄膜は電気的には並列の回路を形成するので、
磁気抵抗効果型ヘッドの出力を増大させるためには、非
磁性分離膜及び軟磁性薄膜の電気抵抗を大きくすること
が必要である。
【0003】高い電気抵抗を有する軟磁性薄膜として非
晶質軟磁性薄膜を用いたヘッドが実公平2−6490 号に記
載されている。また、特開平3−116510 号には、軟磁性
薄膜としてNi−Fe−Rh系合金を用いたヘッドが記
載されており、磁気抵抗効果膜の飽和磁束密度と膜厚の
積と軟磁性薄膜の飽和磁束密度と膜厚の積の比、及び軟
磁性薄膜の磁歪について述べられている。
【0004】更に、特開平6−267032 号公報には磁区制
御層を構成する強磁性膜の磁歪を5×10-7〜−5×1
-7にすることが開示されているが、本発明の横バイア
ス磁界を印加するための軟磁性膜については示されてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁気抵抗効果型ヘッド
で大きな再生出力を得るためには、横バイアス磁界を印
加するための軟磁性薄膜は大きな比抵抗と大きな飽和磁
束密度を有することが必要である。また、横バイアス磁
界は磁気抵抗効果型ヘッドの感度、再生波形の線形性を
決定する重要なパラメータであるため、横バイアス磁界
の大きさが変化しないことが重要である。そのために
は、磁気特性の変動が小さい軟磁性薄膜を用い、さら
に、軟磁性薄膜の磁化がセンス電流が作る磁界によって
素子高さ方向に十分に回転している状態を実現すること
が必要である。
【0006】実公平2−6490 号に記載のように、軟磁性
薄膜に非晶質軟磁性薄膜を用いると、ヘッドの再生電圧
は向上する。しかし、非晶質状態が準安定状態であるこ
とから、非晶質薄膜の磁気特性がヘッドの製造プロセス
における強磁界の印加や温度上昇によって変化しやす
く、磁気特性を安定化させることは難しい。
【0007】特開平3−116510 号には、軟磁性薄膜とし
てNi−Fe−Rh系合金を用いたヘッドについて述べ
られているが、主に磁気テープ装置に搭載される素子高
さ9μm,トラック幅190μmの磁気抵抗効果型ヘッ
ドについての記述であり、高記録密度用の素子寸法が小
さい磁気抵抗効果型ヘッドにおける最適な膜特性及び膜
構成とは異なる。
【0008】本発明の目的は、膜特性及び膜構成を選定
することにより、バルクハウゼンノイズがなく、大きな
再生出力が得られる高記録密度用磁気抵抗効果型ヘッド
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】磁気抵抗効果素子の素子
高さ及びトラック幅が小さくなると、媒体対向面を加工
することにより生じる応力の影響を受け易くなる。この
応力は素子高さ方向への引張り応力であるため、軟磁性
薄膜の磁化を素子高さ方向に十分に回転させ、かつバル
クハウゼンノイズを発生させないために、軟磁性薄膜の
飽和磁歪をゼロから+25×10-7の範囲にする。
【0010】軟磁性薄膜の磁歪を上記の範囲とした場
合、適正なバイアス点に設定するために、磁気抵抗効果
膜の飽和磁束密度と膜厚の積と、軟磁性薄膜の飽和磁束
密度と膜厚の積の比を1.43から1.82の範囲とす
る。
【0011】また、磁歪を上記の範囲とした場合には、
磁気抵抗効果膜の膜厚及び比抵抗をそれぞれt1及びρ1
とし、非磁性分離膜の膜厚及び比抵抗をそれぞれt2
びρ2とし、軟磁性薄膜の膜厚及び比抵抗をそれぞれt3
及びρ3としたとき、
【0012】
【数3】
【0013】で定義されるβの値が0.80 以上でも適
正なバイアス点で動作させることができる。なお、βは
センス電流のうち磁気抵抗効果膜に流れる電流の割合を
表す。軟磁性薄膜としては、磁性元素であるFe,N
i,Coの1種以上と、酸化マグネシウム,酸化アルミ
ニウム,酸化チタン,酸化ジルコニウム,酸化ハフニウ
ム,酸化タンタル,希土類酸化物のうちの1種以上の化
合物とから成る薄膜を用いると良い。特に、Feと、N
iと、酸化ジルコニウム,酸化アルミニウム,酸化タン
タルのうち1種以上の化合物とから構成され、化合物の
酸素を除いた原子の割合を
【0014】
【数4】 (NiaFe100-a)100-b(Zr,Al,Ta)b …(数2) と表したとき、aが80〜90で、bが3〜20である
薄膜が望ましい。
【0015】
【作用】横バイアス磁界の大きさの変動を抑えるために
は、センス電流を流したときに軟磁性薄膜の磁化が素
子高さ方向に十分に回転している状態を実現すること、
磁気特性が熱および磁界などの外的な要因に対して安
定な材料を用いて軟磁性薄膜を作製することが必要であ
り、以下において、これら2つの条件を満足させるため
の作用について説明する。
【0016】磁気抵抗効果型ヘッドは、磁気抵抗効果素
子,電極,保護膜等を積層,パターニングし、媒体対向
面を削りだすプロセスを経て作製され、これにより磁気
抵抗効果型ヘッドを構成する各層には様々な応力が作用
する。磁気抵抗効果素子については、主に媒体対向面を
削りだすことにより素子高さ方向に引張り応力が作用す
る。ここで、磁性体には、応力が働くとその磁化の方向
が変化するという性質(磁歪の逆効果)があるので、磁気
抵抗効果素子を構成する軟磁性薄膜の磁歪の符号を正に
すると、その磁化の方向は素子高さ方向に傾く。この状
態でセンス電流を流すと、軟磁性薄膜の磁化を素子高さ
方向に十分に回転させることができる。ところが、磁歪
の値が大きいと軟磁性薄膜の磁化が傾き過ぎて、磁化容
易軸方向に励磁したときの磁化反転に似た挙動を示し、
これによりバルクハウゼンノイズが発生する。種々の検
討を行った結果、飽和磁歪が+25×10-7より大きい
と、バルクハウゼンノイズが発生することが明らかにな
った。
【0017】横バイアス磁界は軟磁性薄膜の飽和磁束密
度と膜厚の積に依存するため、飽和磁歪がゼロから+2
5×10-7の範囲内にあり、磁化が素子高さ方向に十分
に回転する場合の適正な値を定める必要がある。適正な
バイアス点は、磁気抵抗効果膜の飽和磁束密度と膜厚の
積と軟磁性薄膜の飽和磁束密度と膜厚の積の比(磁化
比)が1.43から1.82の範囲にある場合に得られ
た。
【0018】磁気抵抗効果型ヘッドの出力は、磁気抵抗
効果膜に流す電流を増やすと大きくなる。しかし、磁気
抵抗効果膜に流す電流を大きくすると、磁気抵抗効果膜
以外の部分に流れる電流が作る磁界によって磁気抵抗効
果膜に作用するバイアス磁界が減少するため、バイアス
不足になる。このとき、軟磁性薄膜の磁化を磁歪の逆効
果によって素子高さ方向に傾けておくと、(数3)式で
定義されるβの値が0.80以上でもセンス電流により軟磁
性薄膜の磁化が素子高さ方向に十分に回転するため、適
正なバイアス点に設定することが可能になる。
【0019】軟磁性薄膜の材料としては、飽和磁歪が上
記の範囲にあり、比抵抗が高く、しかも熱および磁界な
どの外的な要因に対して安定であることが望ましい。こ
れらを満足する材料としては、磁性元素と酸化物から成
る薄膜が有力であり、なかでも、Feと、Niと、酸化
ジルコニウム,酸化アルミニウム,酸化タンタルのうち
1種以上の化合物とから構成されており、化合物の酸素
を除いた原子の割合を (NiaFe100-a)100-b(Zr,Al,Ta)b と表したとき、aが80〜90で、bが3〜20である
薄膜が望ましい。
【0020】
【実施例】
実施例1 図1は本発明の実施例による磁気抵抗効果型ヘッドの斜
視図である。アルミナなどの絶縁層を薄膜形成し精密研
磨を施した非磁性基板10の上に、下部シールド層11
1としてスパッタリング法によりCoHfTa非晶質薄
膜を形成し、イオンミリングを用いて所定の形状にパタ
ーン化した後、下部ギャップ層121であるアルミナを
成膜した。横方向バイアス磁界を印加するための軟磁性
薄膜13としてNiFeに酸化ジルコニウムを混入させ
た薄膜を用い、さらに非磁性分離膜14であるTaと、
磁気抵抗効果膜15であるパーマロイと、バルクハウゼ
ンノイズを抑制するために磁気抵抗効果膜15に縦バイ
アス磁界を作用させるFeMn合金薄膜からなる反強磁性膜
16(磁区制御層)をスパッタリングにより成膜し、イ
オンミリングにより所定のパターンを形成した。このと
き、軟磁性薄膜の磁歪は主にNiとFeの比率を変える
ことにより調整し、比抵抗は酸化ジルコニウムの混入量
を変えることにより調整した。また、磁化比及びβの値
は、軟磁性薄膜の比抵抗と膜厚、及び非磁性分離膜の膜
厚を変えることにより調整した。電極膜17を成膜した
後、読み取りトラック部分をイオンミリングにより形成
した。アルミナからなる上部ギャップ層122及びNi
Fe薄膜からなる上部シールド層112を作成した後、
保護膜18を被覆した。FeMn薄膜16を着磁するた
め、読み取りトラック幅方向に3kOeの直流磁界を印
加しながら180℃で30分間熱処理を行った後、基板
を切断,スライダーに加工した。作成した磁気抵抗効果
型ヘッドの構成を表1に示す。
【0021】本実施例では、非磁性分離膜14としてT
aを、磁気抵抗効果膜15としてパーマロイを、反強磁
性膜16としてFeMn薄膜を用いたが、特にこれらの
薄膜に限定されるものではない。また、軟磁性薄膜とし
てNiFeに酸化ジルコニウムを混入させた薄膜を用い
たが、酸化ジルコニウムの代わりに酸化アルミニウムや
酸化タンタルあるいはこれらの混合物を混入させても、
軟磁性薄膜の特性は酸化ジルコニウムを混入させた薄膜
と顕著な差異はない。
【0022】以上のように作製した磁気抵抗効果型ヘッ
ドについて、残留磁束密度Brと磁性体膜厚tmagの積B
r・tmagが150G・μmであるCo−Ta−Cr系ス
パッタ媒体に誘導型薄膜磁気ヘッドを用いて5kFCI
で記録した記録パターンを、浮上量0.12μm ,セン
ス電流10mAで再生し、バルクハウゼンノイズの有
無、再生出力及び非対称性を評価した。なお、非対称性
は、再生波形の+側及び−側のピ−ク値V+0P及びV-0P
から、(V+0P−V-0P)/(V+0P+V-0P)を求めて百分
率で表記している。評価結果も表1に示してある。
【0023】
【表1】
【0024】No.1からNo.6は、軟磁性薄膜の飽和磁
歪を変えて作成したヘッドである。再生出力電圧、非対
称性と飽和磁歪の関係をまとめたものが図2である。磁
歪を正にしたヘッドは、負のヘッドに比べ再生出力電圧
が向上しており、これは非対称性が改善されたことによ
るものと思われる。しかし、飽和磁歪を+27.0×1
-7にしたヘッドでは、バルクハウゼンノイズが観測さ
れた。以上のことから、飽和磁歪はゼロから+25.0
×10-7 の範囲が適正であることが分かる。
【0025】No.7からNo.13において、磁化比の影
響を調べた。飽和磁歪の値が正で小さい+0.5×10
-7 の場合は、適正なバイアスに設定するためには軟磁
性薄膜を厚くする必要があるが、軟磁性薄膜を厚くする
と軟磁性薄膜に流れる電流が増加し、磁気抵抗効果膜に
流れる電流が減少する(βが小さくなる)ため、再生出
力は小さくなる。No.7からNo.10の結果を見ると、
適正なバイアスが得られ、出力電圧が向上する磁化比は
1.43 以上であることが分かる。磁歪の値が正で大き
い場合は、軟磁性薄膜の磁化が素子高さ方向に向きやす
くなるため、軟磁性薄膜の厚さを薄くすることができる
が、薄過ぎるとバイアス不足になる。No.11からNo.
13を見ると、磁化比が1.82 までは非対称性が±1
0%以内に入っており、実用上問題は無いが、1.85
になると−11%と適正範囲から外れてしまう。従っ
て、磁化比は、1.43から1.82の範囲が適正である
ことが分かる。
【0026】No.14からNo.19はβの影響を調べた
ものであり、図3及び図4にそれぞれ再生出力電圧及び
非対称性のβ依存性を示した。βを大きくすると、再生
出力電圧は増加するが、バイアス不足になる傾向があ
る。磁歪が負の場合はバイアス不足のため使用できない
が、磁歪が正の場合は軟磁性薄膜の磁化が素子高さ方向
に回転しているため十分なバイアスが得られ、適正な非
対称性の範囲に入っている。
【0027】実施例2 図5は本発明の別の実施例による磁気抵抗効果型ヘッド
の斜視図である。下部ギャップ層121までは実施例1
と同様に作製し、軟磁性薄膜13として種々の飽和磁歪
を有するNiFe−酸化ジルコニウム系薄膜を用い、非
磁性分離膜14であるTaと、磁気抵抗効果膜15であ
るパーマロイを成膜した後、リフトオフ用マスク材を形
成して、イオンミリングにより磁気抵抗効果膜/非磁性
分離膜/軟磁性薄膜を感磁部のみが残るようにパターニ
ングした。磁区制御層であるCoPt系永久磁石薄膜26、
さらに電極膜17を順次成膜した後、リフトオフ用マス
ク材を除去した。上部ギャップ層122,上部シールド
層112の形成は、実施例1と同様に行った。磁区制御
層を着磁するため、トラック幅方向に3kOeの直流磁
界を印加した後、所定の大きさの磁気抵抗効果型ヘッド
に加工した。
【0028】以上のように作製した磁気抵抗効果型ヘッ
ドについて、実施例1と同様の評価を行った。磁化比を
1.67、βを0.80として作成したヘッドの非対称性
と軟磁性薄膜の飽和磁歪の関係を図6に示す。磁歪が負
から正になって、その絶対値が大きくなるに従って、非
対称性がマイナスからプラスへ変化しており、磁歪によ
るバイアス改善の効果があることが分かる。
【0029】実施例3 図7は本発明の磁気記録再生装置において、薄膜磁気ヘ
ッドの全体構成を示す斜視図である。非磁性基板10上
に上部及び下部磁性膜83,84とこれらに起磁力を印
加するコイル41からなる記録ヘッドと、下部シールド
層111を形成し、その後に本発明に係る磁気抵抗効果
素子20及び電極17、そして上部シールド層112を
形成した。すなわち磁気抵抗効果素子、より具体的には
軟磁性薄膜を形成する工程に続く工程の数を少なくする
ことにより、軟磁性薄膜に作用する応力の制御を容易に
し、生産性を向上することができるものである。
【0030】このような構成により、出力の高い磁気抵
抗効果ヘッドを歩留り良く生産することができる。
【0031】実施例4 図8は実施例3に記載の本発明に係る薄膜磁気ヘッドを
適用した磁気ディスク装置200の全体構成である。磁
気ディスク装置200は、等間隔で一軸(スピンドル2
02)上に積層された複数の磁気ディスク204a,2
04b,204c,204d,204eと、スピンドル
202を駆動するモータ203と、リニアアクチュエー
タを構成する移動可能なキャリッジ206と、これを駆
動するボイスコイルモータ213と、これらを支持する
ベース201とを備えて構成される。ボイスコイルモー
タ213は、マグネット208及びボイスコイル207
で構成される。また、磁気ディスク制御装置等の上位装
置212から送出される信号に従ってボイスコイルモー
タ213を制御するボイスコイルモータ制御回路209を
備えている。また、上位装置212から送られてきたデ
ータを、書き込み方式に対応して、磁気ヘッドに流すべ
き電流に変換する機能と、磁気ディスク204a等から送ら
れてきたデータを増幅し、ディジタル信号に変換する機
能とを持つライト/リード回路210と、このライト/
リード回路210のリード回路に接続され、磁気抵抗効
果素子に流れる電流を制御する電流制御回路209、及
び上位装置212を接続するためのインターフェース2
11とを備えている。
【0032】次に、この磁気ディスク装置200の動作
を、読み出しの場合を例として説明する。上位装置21
2から、インターフェース211を介して、ボイスコイ
ルモータ制御回路209に読み出し指示があると、ボイ
スコイルモータ制御回路209からの制御電流によって、
ボイスコイルモータ213がキャリッジ206を動作さ
せ、指示されたデータが記憶されているトラックの位置
に、磁気ヘッド群205a,205b等を高速で移動させ、
正確に位置付けする。この位置付けは、ボイスコイルモ
ータ制御回路209と接続されている位置決め用磁気ヘ
ッド205bが、磁気ディスク204c上の位置を検出
して提供し、データ用磁気ヘッド205a等の位置制御を行
うことによって行われる。また、ベース201に支持さ
れたモータ203は、スピンドル202に取付けた直径
3.5 インチの複数の磁気ディスク204a,204
b,204c,204d,204eを回転させる。
【0033】次に、ライト/リード回路210からの信
号に従って、指示された所定の磁気ヘッドを選択し、指
示された領域の先頭位置を検出後、磁気ディスク上のデ
ータ信号を読み出す。この読み出しは、ライト/リード
回路210に接続されているデータ用磁気ヘッド(例え
ば205a)が、磁気ディスク(例えば204d)との
間で信号の授受を行うことにより行われる。
【0034】本発明では、磁気ヘッド205a等を実施
例1及び実施例2に記載の磁気抵抗効果型ヘッドによっ
て構成している。高性能磁気ディスク装置としては、磁
気ディスク上の面記録密度は1平方インチ当たり50メ
ガビット以上、線記録密度は1インチ当たり25キロビ
ット以上、トラック密度は1インチ当たり2000トラ
ック以上であることが望ましい。上記の本発明に係る磁
気抵抗効果型ヘッドは、バルクハウゼンノイズがなく、
高出力が得られるので、このヘッドを使用して磁気ディ
スク装置を作成することによって、記録密度が1平方セ
ンチ当たり600メガビット以上である磁気ディスク装置
を作成することが出来る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、磁気抵抗効果膜の近傍
に軟磁性薄膜を配置して横バイアスを印加する磁気抵抗
効果型ヘッドにおいて、軟磁性薄膜の飽和磁歪の値をゼ
ロから+25.0×10-7 の範囲とすることにより、軟
磁性薄膜の磁化を素子高さ方向に十分回転させることが
できるため、横バイアス磁界の変動が小さく、バルクハ
ウゼンノイズがない磁気抵抗効果型ヘッドを作製するこ
とができる。また、磁気抵抗効果膜に流れる電流が多い
場合でも適正なバイアス点に設定できるため、再生出力
の大きな磁気抵抗効果型ヘッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気抵抗効果型ヘッドの斜
視図。
【図2】本発明の一実施例の磁気抵抗効果型ヘッドにお
ける再生出力電圧及び非対称性と軟磁性薄膜の飽和磁歪
の関係を示す線図。
【図3】本発明の一実施例の磁気抵抗効果型ヘッドにお
ける再生出力電圧とβの関係を示す線図。
【図4】本発明の一実施例の磁気抵抗効果型ヘッドにお
ける非対称性とβの関係を示す線図。
【図5】本発明の他の実施例の磁気抵抗効果型ヘッドの
斜視図。
【図6】本発明の他の実施例の磁気抵抗効果型ヘッドに
おける非対称性と軟磁性薄膜の飽和磁歪の関係を示す線
図。
【図7】記録ヘッドと磁気抵抗効果型ヘッドを搭載した
全体構成図。
【図8】磁気記録再生装置の全体構成図。
【符号の説明】
10…非磁性基板、111…下部シールド層、112…
上部シールド層、121…下部ギャップ層、122…上部
ギャップ層、13…軟磁性薄膜、14…非磁性分離膜、
15…磁気抵抗効果膜、16…反強磁性薄膜、26…永
久磁石薄膜、17…電極膜、18…保護膜、20…磁気
抵抗効果素子、41…コイル、83…上部磁性膜、84
…下部磁性膜。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜のバ
    ルクハウゼンノイズを抑制する磁区制御層と、前記磁気
    抵抗効果膜にセンス電流を供給する一対の電極と、前記
    磁気抵抗効果膜と非磁性分離膜を介して接する軟磁性薄
    膜とを有する磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記
    軟磁性薄膜の飽和磁歪の値がゼロから+25×10-7
    範囲にあることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】前記磁気抵抗効果膜の飽和磁束密度と膜厚
    の積と、前記軟磁性薄膜の飽和磁束密度と膜厚の積との
    比が、1.43〜1.82であることを特徴とする請求項
    1記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】前記非磁性分離膜が導電性であり、前記磁
    気抵抗効果膜の膜厚及び比抵抗をそれぞれt1及びρ1
    し、前記非磁性分離膜の膜厚及び比抵抗をそれぞれt2
    及びρ2 とし、前記軟磁性薄膜の膜厚及び比抵抗をそれ
    ぞれt3及びρ3としたとき、 【数1】 なる関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の磁気
    抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】前記磁気抵抗効果膜がNiFe合金からな
    り、前記非磁性分離膜がTi,Zr,Hf、またはTa
    からなることを特徴とする請求項3記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  5. 【請求項5】前記軟磁性薄膜が、Fe,Ni,Coの1
    種以上と、酸化マグネシウム,酸化アルミニウム,酸化
    チタン,酸化ジルコニウム,酸化ハフニウム,酸化タン
    タル,希土類酸化物のうちの1種以上の化合物とから成
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁
    気抵抗効果型ヘッド。
  6. 【請求項6】前記軟磁性薄膜がFeと、Niと、酸化ジ
    ルコニウム,酸化アルミニウム,酸化タンタルのうち1
    種以上の化合物とから成り、化合物の酸素を除いた原子
    の割合を、 【数2】 (NiaFe100-a)100-b(Zr,Al,Ta)b …(数2) と表したとき、aが80〜90で、bが3〜20である
    ことを特徴とする請求項5記載の磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
JP8902195A 1995-04-14 1995-04-14 磁気抵抗効果型ヘッド Pending JPH08287421A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7019948B2 (en) 2001-09-26 2006-03-28 Tdk Corporation Thin film magnetic head, magnetic head device and magnetic recording/reproducing device

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