JPH08286293A - ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成システム - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成システム

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JPH08286293A
JPH08286293A JP8555495A JP8555495A JPH08286293A JP H08286293 A JPH08286293 A JP H08286293A JP 8555495 A JP8555495 A JP 8555495A JP 8555495 A JP8555495 A JP 8555495A JP H08286293 A JPH08286293 A JP H08286293A
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silver halide
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emulsion
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JP8555495A
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English (en)
Inventor
Seiji Yamashita
清司 山下
Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】感度及び鮮鋭度を改良する。 【構成】塩化銀含有率20〜100モル%で、全投影面
積の50〜100%がアスペクト比2以上であり、40
0nm以下の吸収極大を持つ物質で分光増感されているハ
ロゲン化銀乳剤を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像の鮮鋭性に優れた
ハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。又、本
発明は、UV光を発光する螢光体との組み合わせで画像
を形成する上記ハロゲン化銀写真感光材料に関するもの
である。又、本発明は、迅速低補充処理において良好な
写真性能を示す、ハロゲン化銀写真感光材料に関するの
である。
【0002】
【従来の技術】塩化銀含量の高い平板状粒子に関して
は、迅速低補充処理に適していることが知られている。
例えば(111)面を主平面に有する平板状粒子の例と
しては、例えば、特公昭64−8326号、同64−8
325号、同64−8324号、特開平1−25094
3号、特公平3−14328号、特公平4−81782
号、特公平5−40298号、同5−39459号、同
5−12696号や特開昭63−213836号、同6
3−218938号、同63−281149号、特開昭
62−218959号が上げられる。又、(100)面
を主平面に有する平板状粒子としては、特開平5−20
4073号、特開昭51−88017号、特開昭63−
24238号等があげられる。特に特開平6−0593
60には、塩化銀含有(100)平板に関する記載があ
る。しかしながら、先に述べた従来技術の高塩化銀含有
平板粒子では、UV光露光において充分な鮮鋭性を有す
る画像形成を実現することはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、UV光露光
での画像形成において、高感度で鮮鋭性に優れたハロゲ
ン化銀感光材料を提供することにある。さらに、本発明
は、迅速、低補充処理適性に優れたハロゲン化銀写真感
光材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、UV光露光域においても光散乱が少なく、かつ
臭化銀に対してもより光透過性の高い塩化銀含率の高い
平板状粒子を用いることが、より画像の鮮鋭性を高める
上で有効であることを見いだした。しかしながら、これ
だけでは、ハレーションや感材両面に感光性層を有する
感材(特に、両面Xレイ感材)の場合には、クロスオー
バー光のために画像がぼけ、鮮鋭性が下がるといった問
題があった。このハレーションやクロスオーバーの光の
効果については、塩化銀含率の高い平板状粒子の方が、
より光吸収係数が小さく、光透過性が高いために、むし
ろ受ける影響が大きいものであった。さらに、塩化銀含
率が高いと紫外光といえども光吸収が低下し、低感化し
てしまった。そこで、本発明者らは、紫外光分光増感物
質(色素)を用いることで高感化するだけでなく、ハレ
ーションおよびクロスオーバー光を低減できるため優れ
た鮮鋭性も得られることを見いだした。又、この様な構
成では、可視域に分光増感色素や、クロスオーバーカッ
ト染料が不要なため、迅速、低補充処理での色素、染料
及びその分解物による処理液の汚れ、感材中への残存に
よる感材の着色等の問題も起こらず、理想の系が組める
ことが見いだされた。
【0005】本発明者らは、以上のような検討の結果、
以下の方法で前記課題を達成できることを見いだした。 (1) 支持体の少なくとも一方の上に少なくとも一層のハ
ロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に
おいて該ハロゲン化銀乳剤が塩化銀を20%以上100
モル%以下含有し、全投影面積の少なくとも50%以上
100%以下がアスペクト比2以上であり、かつ400
nm以下に吸収極大を持つ物質により分光増感されている
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 (2) 支持体の両面に乳剤層を有することを特徴とする
(1) に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (3) 分光増感物質が、該乳剤の化学増感終了前までに添
加されることを特徴とする(1) 又は(2) に記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料。 (4) 紫外領域に発光ピークを有するX線吸収螢光増感紙
と(1) 、(2) 又は(3)に記載のハロゲン化銀写真感光材
料を組み合わせて用いる画像形成システム。
【0006】以下に詳細に本発明について説明する。少
なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を含む本発明のハロ
ゲン化銀乳剤は、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積の5
0%以上100%以下、好ましくは60%〜100%、
より好ましくは70〜100%がアスペクト比(直径/
厚さ)2以上である。アスペクト比とは該ハロゲン化銀
粒子の投影面積の球相当径を厚みで割った値のことであ
り、当業界ではハロゲン化銀粒子の平板性の指標として
一般に用いられている。またこのハロゲン化銀はCl-
含有率20モル%以上100モル%以下であり、好まし
くは30モル%〜100%、より好ましくは40〜10
0モル%、更に好ましくは50〜100モル%である。
アスペクト比が2より大きい粒子は主平面が(100)
又は(111)面である平板状粒子である。主平面は平
板状粒子の最大外表面を指す。該平板状粒子の厚さは
0.35μm以下が好ましく、0.05〜0.3μmが
より好ましく、0.05〜0.25μmが更に好まし
い。アスペクト比は2以上、好ましくは2〜25、より
好ましくは5〜20である。ここで直径とは、該平板状
粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を差し、
厚さは2つの主平面間の距離を指す。
【0007】本発明の乳剤のうち(111)面を主平面
とする乳剤の核形成については、特公昭64−8326
号、同64−8325号、同64−8324号、特開平
1−250943号、特公平3−14328号、特公平
4−81782号、特公平5−40298号、同5−3
9459号、同5−12696号や特開昭63−213
836号、同63−218938号、同63−2811
49号、特開昭62−218959号等に詳しく述べら
れており、又、(100)面を主平面に有する平板状粒
子としては、特開平5−204073号、特開昭51−
88017号、特開昭63−24238号等に述べられ
ている。本発明においては、これらに記載されている核
形成方法を任意に用いることができる。
【0008】本発明のハロゲン化銀微粒子存在下に物理
熟成(微粒子が溶解し、基板粒子が成長する)により結
晶成長する方法が好ましく用いられる。これを以下に記
述する。微粒子乳剤添加法では0.001μm以上0.
15μm径以下、好ましくは0.001μm以上0.1
μm径以下、より好ましくは0.06〜0.006μm
径のAgX微粒子乳剤を添加し、オストワルド熟成によ
り該平板状粒子を成長させる。該微粒子乳剤は連続的に
添加することもできるし、継続的に添加することもでき
る。該微粒子乳剤は反応容器の近傍に設けた混合器でA
gNO3 溶液とX - 塩溶液を供給して連続的に調製し、
ただちに反応容器に連続的に添加することもできるし、
予め別の容器のバッチ式に調製した後に連続的もしくは
継続的に添加することもできる。該微粒子乳剤は液状で
添加することもできるし、乾燥した粉末として添加する
こともできる。該乾燥粉末を添加直前に水と混合し、液
状化して添加することもできる。添加した微粒子は1秒
から20分以内に消失する態様で添加することが好まし
く、10秒〜10分がより好ましい。消失時間が長くな
ると、微粒子間で熟成が生じ、粒子サイズが大きくなる
為に好ましくない。従って一度に全量を添加しない方が
好ましい。該微粒子は多量双晶粒子を実質的に含まない
ことが好ましい。ここで多重双晶粒子とは、1粒子あた
り、双晶面を2枚以上有する粒子を指す。実質的に含ま
ないとは、多重双晶粒子数比率が0%以上5%以下、好
ましくは0%以上1%以下、より好ましくは0%以上
0.1%以下を指す。更には1重双晶粒子をも実質的に
含まないことが好ましい。更にはらせん転位を実質的に
含まないことが好ましい。ここで実質的に含まないとは
前記規定に従う。
【0009】該微粒子のハロゲン組成はAgCl、Ag
BrCl、AgBr、AgBrl(I- 含率は0モル%
以上10モル%以下が好ましく、0モル%以上5モル%
以下がより好ましい。)およびそれらの2種以上の混晶
である。この他の詳細は特開平6−59360号の記載
を参考にすることができる。微粒子の添加総量は、全ハ
ロゲン化銀量の20%以上が必要であり、好ましくは、
40%以上98%以下、さらに好ましくは、50%以上
98%以下である。該微粒子のCl- 含率は、10モル
%以上100モル%以下が好ましく、より好ましくは5
0モル%以上100モル%以下が好ましい。
【0010】核形成時、熟成時および成長時の分散媒と
しては従来公知のAgX乳剤用分散媒を用いることがで
きるが、特にメチオニン含率が好ましくは0〜50μモ
ル/g、より好ましくは0〜30μモル/gのゼラチン
を好ましく用いることができる。該ゼラチンが熟成、成
長時に用いられた場合、直径サイズ分布が揃ったより薄
い平板状粒子が形成され、好ましい。また、特公昭52
−16365号、日本写真学会誌、29巻(1)、1
7、22(1966年)、同30巻(1)、10、19
(1967年)、同30巻(2)、17(1967
年)、同33巻(3)、24(1967年)記載の合成
高分子を分散媒として好ましく用いることができる。微
粒子添加による成長時のpHは、2.0以上が必要であ
るが4以上、10以下が好ましい。さらに好ましくはp
H4以上8以下である。又、pClは1.0以上が必要
であるが、1.6以上が好ましい。さらに好ましくは
2.0以上3.0以下が好ましい。これらの成長条件
は、特に(100)面を主平面とする平板状粒子におい
て特に好ましいものである。ここでpClとは、溶液中
のClイオンの活量〔Cl- 〕に対し pCl=−log〔Cl- 〕 で定義される。T.H.James 著 THE THEORY OF THE RHOTO
GRAPHIC PROCESS 第4版 第1章に詳しく述べられて
いる。
【0011】pHが、2.0以下になってしまうと、例
えば(100)面を主平面にもつ平板状粒子の場合、横
方向の成長が抑制され、アスペクト比が下がり、乳剤の
カバーリングパワーは、低くなりがちで、かつ低感化し
てしまう。pH2.0以上であると、横方向の成長速度
が高くなり、高アスペクト比でカバーリングパワーも高
い乳剤が得られるが、カブリが高く低感化しやすい。p
Clが、1.0以下になるとたて方向の成長が促進さ
れ、アスペクト比が低下し、乳剤のカバーリングパワー
が低く、かつ低感化してしまう。pClが1.6以上に
なると高アスペクト比化してカバーリングパワーが増加
するがカブリが高く低感化しやすい。このとき、ハロゲ
ン化銀微粒子により基板粒子を成長させるとpHが6以
上及び又はpClが1.6以上でもカブリが低く、高感
でしかもより高アスペクト比で高カバーリングパワーと
なる。
【0012】本発明の乳剤の単分散性については、単分
散度について特開昭59−745481に記載の方法で
定義した変動係数をもとに考えると、30%以下が好ま
しく、5%以上25%以下が好ましい。特に硬調な感材
に用いる場合には、5%以上15%以下が好ましい。
【0013】次に本発明の400nm以下に吸収極大を持
つ分光増感剤について述べる。(以下UV増感剤とす
る。) 本発明においては、UV増感剤の吸収極大は、ハロゲン
化銀上において400nm以下であることが必要である
が、特に好ましくは、300nm以上370nm以下のもの
がより好ましい。さらに、その添加量は、ハロゲン化銀
1モルあたり1.0×10-5モルから1.0×10-2
ルが好ましいが、特に好ましくは、1.0×10-4モル
から3×10-3モルの添加量が最も好ましく用いられ
る。さらに、これらのUV増感剤は、乳剤の化学増感終
了前までに添加することが特に好ましい。ここで言う化
学増感の終了とは、以下に定義されるものの少なくとも
1つを満たす状態を言う。
【0014】(1) 化学増感剤(カルコゲン増感剤や金増
感剤など)の添加後化学増感を終了するための抑制物質
を添加し実質的に化学増感の進行が止まった時点。
【0015】(2) 化学増感剤を添加後、化学増感の進行
を実質的に停止する目的で温度および又はpH、pAg
(銀電位)を変化させた時点。 したがって化学増感の終了までの間には、粒子形成中、
終了後ならびに脱塩水洗工程も含まれる。さらにより好
ましくは、化学増感剤の添加前にUV増感剤を添加する
ことが好ましい。次にUV増感剤の具体例を以下に示す
が、本発明は、これに限定されるものでは無い。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】これらUV増感剤については、例えばWO
93/09468、米国特許5,169,748、同
5,275,928等に記載されている。化学増感方法
としてはいわゆる金化合物による金増感法又はイリジウ
ム、白金、ロジウム、パラジウム等の金属による増感法
或いは含硫黄化合物を用いる硫黄増感法、或いはスズ塩
類、ポリアミン等による還元増感法、セレン化合物によ
る増感法、テルル化合物による増感法、或いはこれらの
2つ以上の組あわせを用いることができる。平板状ハロ
ゲン化銀粒子の製法としては、当業界で知られた方法を
適宜、組合せることにより成し得る。
【0023】本発明に好ましい増感方法であるセレン、
テルル増感について述べる。これらは、単独で用いられ
ても併用で用いられても良い。特にこれらの好ましい使
用例や化合物例は、例えば特開平3−116132号、
同5−113635号、同5−165136号、同5−
165137号、同5−134345号等に詳しく述べ
られている通りである。特に好ましく用いられるセレン
増感剤としては、例えば特開平5−165137号の一
般式(I)又は(II)で表わされる化合物及びそこに記
載された化合物例I−1〜I−20、II−1〜II−19
を挙げる事ができる。テルル増感剤に関しては特開平5
−134345号の一般式(IV)及び(V)で表わされ
る化合物及びそこに記載された化合物例IV−1〜IV−2
2及びV−1〜V−16を挙げることができる。
【0024】本発明の塩化銀含有平板状粒子の形成に
は、特開平4−139439、並びに特開平4−139
440、特開平4−139441並びに米国特許5,1
04,786に記載されている多重同軸ノズル等の装置
を用い、ハロゲン水溶液と硝酸銀水溶液の直前混合での
反応容器中への添加によって核形成ならびに成長を好ま
しく行なうことができる。本発明の感光材料を用いて画
像を形成する方法としては、紫外線領域に発光ピークを
有するX線吸収螢光増感紙(以下、螢光体)と組み合せ
て画像形成することが良い。好ましくは400nm以下に
主ピークを持つ螢光体との組み合わせで画像形成する方
法が良い。さらに好ましくは380nm以下に主ピークを
持つ螢光体と組み合わせて画像形成する方法が良い。4
00nm以下に主発光ピークである螢光体(スクリーン)
は特開平6−11804号、WO93/01521号に
記載のスクリーンなどが使われるがこれに限られるもの
ではない。
【0025】以下に好ましい螢光体の態様について詳し
く述べる。代表的な螢光体としては、M’相YTaO4
単独あるいはGd,Bi,Pb,Ce,Sr,Al,R
b,Ca,Cr,Cd,Nbなどを添加した化合物、L
aOBrにGd,Tm,GdおよびTm,GdおよびC
e、Tbを添加した化合物、HfZrの酸化物単独ある
いはGe,Tiアルカリ金属などを添加した化合物、Y
2 3 単独あるいはGd,Euを添加した化合物、Y2
2 SにGdを添加した化合物、各種螢光体の母体にG
d,Tl,Ceを付活剤として用いた化合物などがあ
る。特に好ましい化合物としては、M’相YTaO4
独あるいはGd,Srを添加した化合物、LaOBrに
Gd,Tm,GdおよびTmを添加した化合物、HfZ
rの酸化物あるいはGe,Tiアルカリ金属などを添加
した化合物である。
【0026】螢光体の粒径は1μm以上20μm以下が
よいが、求められる感度や製造上の問題から変更でき
る。塗布量は、400g/mm2 以上2000g/mm2
下が好ましいが、求められる感度や画質に応じて一概に
はいえない。また一枚の増感紙で支持体の近傍から表面
に向かって粒子サイズ分布を付けてもかまわない。この
場合一般的には表面の粒子を大きくすることが知られて
いる。螢光体の空間充填率は40%以上、好ましくは6
0%以上である。
【0027】感光材料の両面に螢光体層を配して撮影す
る場合、X線入射側とその反対側の螢光体塗布量は変え
ることができる。一般にX線入射側の増感紙による遮蔽
のため、特に高感度システムを必要とする場合、X線入
射側の増感紙の塗布量を小さくすることが知られてい
る。
【0028】本発明に使用する支持体は、紙、金属板、
ポリマーシートなどがあげられるが、一般的にはポリエ
チレンテレフタレートなどのフレキシブルなシートが用
いられる。支持体には、必要に応じて、反射剤や光吸収
剤が添加されていても表面に別の層として設けられてい
てもよい。また、必要に応じて、支持体表面に微小に凹
凸を付けたり、螢光体層との密着力増加のための粘着層
や、導電層を下塗りとして設けることができる。反射剤
としては、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウムなどが
あげられるが螢光体の発光波長が短いことから、酸化チ
タン、硫酸バリウムが好ましい。反射剤は、支持体中あ
るいは支持体と螢光体層の間だけでなく、螢光体層中に
存在せしめても良い。螢光体層中に存在せしめる場合、
支持体近傍に遍在させることは好ましい。
【0029】本発明で用いられる結合剤としては、ゼラ
チンなどの蛋白質、デキストラン、コーンスターチなど
のポリサッカライド、アラビアゴムなど天然高分子物
質;ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレ
タン、ポリアルキルアクリレート、塩化ビニリデン、ニ
トロセルロース、フッ素含有ポリマー、ポリエステルな
どの合成高分子物質、またこれらの混合物やコポリマー
があげられる。好ましい結合剤としては、基本的な性能
として、螢光体からの発光に対して透過率が高いことが
あげられる。この点において、ゼラチン、コーンスター
チ、アクリル系ポリマー、フッ素を含むオレフィンポリ
マーやフッ素を含むオレフィンをコポリマー成分として
含有するポリマー、スチレン/アクリルニトリルコポリ
マーなどがあげられる。これらの結合剤は、架橋剤によ
って架橋されるような官能器を有していてもよい。ま
た、求める画質性能によって、結合剤中に螢光体からの
発光に対する吸収剤を添加せしめたり、透過率の低い結
合剤を用いてもよい。吸収剤としては、顔料や染料、紫
外線吸収化合物があげられる。螢光体と結合剤の比率
は、一般的に体積比において1:5ないし50:1、好
ましくは1:1ないし15:1である。螢光体と結合剤
の比率は、均一であっても厚さ方向に不均一であっても
よい。
【0030】螢光体層は、通常、螢光体を結合剤溶液中
に分散させた塗布液を用い、塗布法により形成される。
塗布液の溶剤としては、水あるいはアルコール、塩素含
有炭化水素、ケトン、エステル、エーテル芳香族化合物
などの有機溶剤、およびこれらの混合物があげられる。
塗布液中には、螢光体粒子のフタル酸、ステアリン酸、
カプロン酸、界面活性剤などの分散安定剤や、燐酸エス
テル、フタル酸エステル、グリコール酸エステル、ポリ
エステル、ポリエチレングリコールなどの可塑剤を添加
してもよい。
【0031】螢光体層上には保護層を設けることができ
る。保護層は、螢光体層上に塗布する方法、別途保護層
膜を作製しラミネートする方法が一般的に用いられる。
塗布法においては、螢光体層と同時に塗布してもよい
し、螢光体層を塗布乾燥させた後塗設してもよい。保護
層は、螢光体層の結合剤と同じ物質でもよいし、異種の
物質でもよい。保護層に用いられる物質としては、螢光
体層の結合剤にあげた物質のほか、セルロース誘導体、
ポリ塩化ビニル、メラミン、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂などがあげられる。好ましい物質としては、ゼラチ
ン、コーンスターチ、アクリル系ポリマー、フッ素を含
むオレフィンポリマーやフッ素を含むオレフィンをコポ
リマー成分として含有するポリマー、スチレン/アクリ
ルニトリルコポリマーなどがあげられる。保護層の厚み
は、一般に1μm以上20μm以下で、2μm以上10
μm以下が好ましく、2μm以上6μm以下が更に好ま
しい。本発明の保護層の表面にエンボス加工を施すこと
は好ましい。また保護層中にマット剤を存在せしめても
よいし、求める画像によって発光に対し光散乱性を有し
ている物質、たとえば酸化チタンなどを存在せしめても
よい。保護層中には、表面の滑り性を付与してもよい。
好ましい滑り剤としては、ポリシロキサン骨格含有オリ
ゴマー、パーフルオロアルキル基含有オリゴマーが挙げ
られる。本発明の保護層に導電性を付与してもよい。導
電性付与剤としては、白色および透明な無機導電性物質
や有機帯電防止剤があげられる。好ましい無機導電性物
質としては、ZnO粉末や、ウィスカ、SnO2 、IT
Oなどがあげられる。
【0032】本発明の感光材料として特に効果を発揮す
るのは、支持体の両側に、各々少なくとも1層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有する場合である。本発明をかかる支持
体の両側に乳剤を有する感材に適用すると、前記効果の
他に、高画質で鮮鋭度の高い画像が得られる特徴があ
り、さらに現像処理における処理補充量を減らした時
に、タンクとかローラーを汚染しないという予想外の効
果も奏する事ができる。本発明の感光材料の銀量として
は、好ましくは0.5g/m2〜5g/m2(片面で)より
好ましくは1g/m2〜3.4g/m2(片面で)である。
迅速処理適正としては5g/m2をこえないことが好まし
い。本発明の感光材料の膨潤率としては150%以上が
好ましい。
【0033】本発明の感光材料に用いられる各種添加剤
に関しては特に制限はなく、例えば特開平2−6853
9号公報の以下の該当箇所に記載のものを用いることが
できる。 項 目 該 当 箇 所 1.ハロゲン化銀乳剤と 特開平2−68539号公報第8頁右下欄下から6 その製法 行目から同第10頁右上欄12行目。 2.化学増感方法 同第10頁右上欄13行目から同左下欄16行目。 3.カブリ防止剤・安定 同第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7 剤 行目及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄 。 4.分光増感色素 同第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄。 5.界面活性剤・帯電防 同第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9 止剤 行目。 6.マット剤・滑り剤・ 同第12頁左上欄10行目から同右上欄10行目。 可塑剤 同第14頁左下欄10行目から同右下欄1行目。 7.親水性コロイド 同第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目。 8.硬膜剤 同第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6 行目。 9.支持体 同第13頁右上欄7行目から20行目。 10. 染料・媒染剤 同第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行 目。
【0034】本発明の感光材料は、特に制限は無いが、
一般用白黒並びにカラー撮影材料、白黒及びカラープリ
ント材料、カラー並びに白黒反転写真材料、医療用直接
及び間接撮影X−レイ感材、レーザーイメージャー用感
材等に広く用いられる。本発明の感光材料の好ましい処
理方法を以下に記す。本発明においてはアスコルビン酸
現像液が好ましい。本発明の現像液に用いるアスコルビ
ン酸又はその誘導体としては、特開平5−165161
号公報の一般式(I)で表わされる化合物及びそこに記
載された化合物例I−1〜I−8、II−9〜II−12が
特に好ましい。本発明に使用する現像液に用いられるア
スコルビン酸類は、エンジオール型(Endiol) 、エナミ
ノール型 (Enaminol) 、エンジアミン型 (Endiamin) 、
チオールエノール型 (Thiol-Enol) およびエナミン−チ
オール型 (Enamin-Thiol) が化合物として一般に知られ
ている。これらの化合物の例は米国特許第2,688,
549号、特開昭62−237443号などに記載され
ている。これらのアスコルビン酸類の合成法もよく知ら
れており、例えば野村次男と大村浩久共著「レダクトン
の化学」(内田老鶴圃新社1969年)に記載に述べら
れている。本発明に用いられるアスコルビン酸類はリチ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属
塩の形でも使用できる。これらのアスコルビン酸類は、
現像液1リットル当り1〜100g、好ましくは5〜8
0g用いるのが好ましい。
【0035】本発明では、特にアスコルビン酸類と共に
1−フェニル−3−ピラゾリドン類またはp−アミノフ
ェノール類を併用するのが好ましい。本発明に用いる3
−ピラゾリドン系現像主薬としては、1−フェニル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒド
ロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,
4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェ
ニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−p−アミノ
フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−
p−トリル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1
−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3
−ピラゾリドンなどがある。現像主薬は通常0.001
モル/リットル〜1.2モル/リットルの量で用いられ
るのが好ましい。本発明に用いるp−アミノフェノール
系現像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノー
ル、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチ
ル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフ
ェニル)グリシン、2−メチル−p−アミノフェノー
ル、p−ベンジルアミノフェノール等があるが、なかで
もN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。
【0036】pHの設定のために用いるアルカリ剤には
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリ
ウムのようなpH調節剤を含む。本発明の現像液に用い
る亜硫酸塩の保恒剤としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜
硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウムなどがある。亜
硫酸塩は0.01モル/リットル以上、特に0.02モ
ル/リットル以上が好ましい。また、上限は2.5モル
/リットルまでとするのが好ましい。この他、L.F.A.メ
イソン著「フォトグラフィック・プロセシング・ケミス
トリー」、フォーカル・プレス刊(1966年)の22
6〜229頁、米国特許第2,193,015号、同
2,592,364号、特開昭48−64933号など
に記載のものを用いてもよい。
【0037】一般に、現像液中には、pH緩衝剤等とし
て、ホウ酸化合物(例えばホウ酸、ホウ砂)を用いる事
が多いが、本発明のアスコルビン酸類含有現像液中に
は、ホウ酸化合物を実質的に含有しない事が好ましい。
アスコルビン酸類含有現像液がホウ酸化合物を含有する
と、本発明の酸素透過率の低い包装材料と組合せても本
発明の効果は得られない。本発明の系におけるホウ酸化
合物の存在の有無と効果の関係は全く予想外の事であっ
た。
【0038】本発明に用いる処理剤の調液方法としては
特開昭61−177132号、特開平3−134666
号、特開平3−67258号に記載の方法を用いること
ができる。本発明の処理方法としての現像液の補充方法
としては特開平5−216180号に記載の方法を用い
ることができる。処理液の補充量は0.1〜10ml/4
切以下であることが好ましく、0.1〜5ml/4切以下
がより好ましく、効果が大きく現れる。Dry to Dryで1
00秒以下の現像処理をするときには、迅速処理特有の
現像ムラを防止するために特開昭63−151943号
明細書に記載されているようなゴム材質のローラを現像
タンク出口のローラーに適用することや、特開昭63−
151944号明細書に記載されているように現像液タ
ンク内の現像液攪拌のための吐出流速を10m/分以上
にすることやさらには、特開昭63−264758号明
細書に記載されているように、少なくとも現像処理中は
待機中より強い攪拌をすることがより好ましい。以下に
処理方法において好ましい態様を示す。 1.現像液が1液濃縮現像液である処理方法。 2.全処理時間( Dry to Dry )が20秒〜100秒で
ある処理方法。 3.自動現像処理装置の乾燥部の前段に感光材料が接触
するローラー部分の加熱手段が70℃以上である処理方
法。 4.自動現像処理装置にケミカルミキサーを内蔵する
際、現像液と定着液のカートリッジが同時に使い終わる
機構を有する自動現像処理装置である処理方法。 5.自動現像処理装置の現像タンクの開口率が0.04
cm-1以下である処理方法。 6.現像濃縮液と定着濃縮液が1パーツから成り各濃縮
液と水とが各タンク内で使用液に希釈されて、補充液と
して供給される(直前混合希釈方式)処理方法。 7.現像濃縮液と定着濃縮液の容器が一体型包剤である
処理方法。 8.現像槽と定着槽間および定着槽と水洗槽間にリンス
槽およびリンスローラー(クロスオーバーローラー)を
設置した自動現像機を用いる処理方法。 9.各種水アカ防止剤(防菌剤)が水洗槽およびリンス
槽に供給される水のストック槽が設置された自動現像機
を用いる処理方法。 10. 水洗槽の排水口に電磁弁が設置された自動現像機を
用いる処理方法。 11. 現像液中の全陽イオンの70モル%以上がカリウム
イオンである処理方法。 12. 現像液が粉体である処理方法。 13. 現像液と定着液が使用液型である処理方法。 14. 自動現像処理装置の水洗槽が多室槽および多段向流
水洗方式を有する処理方法。
【0039】
【実施例】
実施例1 (100)平板乳剤Aの調製 反応容器にゼラチン水溶液1582ml(ゼラチン−1
(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 1N液7.
8mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(100ml
中にNaCl 10gを含む)を13ml入れ、温度を4
0℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中にAgNO
3 20gを含む)とX−1液(100ml中にNaCl
7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ
同時混合添加した。3分間攪拌した後、Ag−2液(1
00ml中にAgNO3 2gを含む)とX−2液(100
ml中にKBr 1.4gを含む)を80.6ml/分で2
8.2mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag−
1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同時
混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液20
3ml(ゼラチン−113g、NaCl 1.3g、pH
6.0にするためにNaOH1N液を含む)を加え、p
Clを1.8とした後、温度を75℃に昇温し、pCl
を1.8とした後42分間熟成した。AgCl微粒子乳
剤(平均粒子直径0.1μm)を2.68×10-2モル
/分のAgClの添加速度で20分添加した。添加後1
0分間熟成した後、沈降剤を加え、温度を35℃に下
げ、沈降水洗した。ゼラチン水溶液を加え、60℃でp
H6.0に調節した。該粒子のレプリカの透過型電子顕
微鏡写真像(以下TEMと記す)を観察した。得られた
乳剤は、銀を基準としてAgBrを0.44モル%含む
高塩化銀(100)平板粒子からなり、該粒子の形状特
性値は下記のようであった。 (アスペクト比2より大の平板状粒子の全投影面積/全
AgX粒子の投影面積和)×100=a1 =90% (平板状粒子の平均アスペクト比(平均直径/平均厚
さ))=a2 =9.3 ここで平均アスペクト比とは全平板状粒子のアスペクト
比の平均である。 (平板状粒子の平均直径)=a3 =1.67μm (平均厚さ)=a4 =0.18μm
【0040】(111)平板乳剤Bの調製 純塩化銀平板乳剤を以下のように調製した。 溶液(1) 不活性ゼラチン 30g 晶壁制御剤A 0.8g
【0041】
【化7】
【0042】NaCl 4g H2 O 1750cc 溶液(2) AgNO3 7.6g H2 Oを加えて 30cc 溶液(3) NaCl 2.8g H2 Oを加えて 30cc 溶液(4) AgNO3 24.5g H2 Oを加えて 96cc 溶液(5) NaCl 0.3g H2 Oを加えて 65cc 溶液(6) AgNO3 101.9g H2 Oを加えて 400cc 溶液(7) NaCl 37.6g H2 Oを加えて 400cc
【0043】35℃に保った溶液(1)に、攪拌しなが
ら溶液(2)と溶液(3)を1分間かけて同時に加え、
溶液の温度を15分間かけて50℃に上昇させた。この
時点で全銀量の約5.7%に相当する粒子が形成され
た。次に、溶液(4)と溶液(5)を24分間かけて同
時に加え、さらに溶液(6)液と溶液(7)を40分間
かけて同時に添加し、純塩化銀平板乳剤が得られた。乳
剤を沈降法により水洗・脱塩した後ゼラチン30gとH
2 Oを加え、さらにフェノキシエタノール2.0g及び
増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8
gを添加し、苛性ソーダでpH6.0になるように再分
散した。こうして得られた乳剤は、a1 =90%、a3
=1.55μm、a4 =0.18μm、a2 =8.6、
円相当投影面積径の変動係数19%の(111)面を主
平面とした純塩化銀平板乳剤である。
【0044】平板状乳剤Cの調製 水1リットル中に臭化カリウム6.0g、平均分子量1
万5千の低分子量ゼラチン7.0g、を添加し55℃に
保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸
銀4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液3
8ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。つ
ぎにゼラチン18.6gを添加した後70℃に昇温して
硝酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.80g)を22分間か
けて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7ccを
添加、そのままの温度で10分間物理熟成したのち10
0%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸銀1
53gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5
に保ちながらコントロールダブルジェット法で35分か
けて添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液1
5ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成した
のち35℃に温度を下げた。a1 =95%、平均投影面
積直径a3 =1.50μm、厚みa4 =0.185μ
m、平均アスペクト比a2 =8.1、直径の変動係数1
8.5%の単分散純臭化銀平板状乳剤を得た。この後、
沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温
してゼラチン30gとフェノキシエタノール2.35g
および増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム
0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.
90、pAg8.00に調整した。
【0045】平板状乳剤D、Eの調製 平板状乳剤Cの調整において、pAg8.5に保ちなが
らコントロールダブルジェット法で成長を行なう際に臭
化カリウム溶液を臭化カリウムと塩化カリウムの混合溶
液とし、アスペクト比、粒子サイズ等の粒子形状が平板
状乳剤Cとほぼ同じになる様にして塩化銀含率が17%
と24%になる(111)面を主平面とする塩臭化銀平
板乳剤D、Eを作製した。他の条件は、平板状乳剤Cの
作製と同一条件にした。
【0046】ハロゲン化銀乳剤Fの調製 水1リットルにゼラチン32gを溶解し、53℃に加温
された容器に臭化カリウム0.3g、塩化ナトリウム5
gおよび化合物〔I〕
【0047】
【化8】
【0048】46mgを入れた後、80gの硝酸銀を含む
水溶液444mlと塩化ナトリウム27.5gを含む水
溶液452mlをダブルジェット法により約20分間かけ
て添加し、その後80gの硝酸銀を含む水溶液400ml
と臭化カリウム5.1g、塩化ナトリウム27.5g及
びヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム(10-7
ル/モル銀)を含む水溶液415mlとをダブルジェット
法により約25分間かけて添加して、平均粒子サイズ
(投影面積直径)0.34μmのAgBr含率9%、A
gCl含率91%の立方体単分散塩臭化銀乳剤(投影面
積直径の変動係数10%)を作製した。
【0049】この乳剤を凝集法により脱塩処理後、ゼラ
チン62g、フェノキシエタノール1.75gを加え、
pH6.5、pAg8.5に合わせた。
【0050】化学増感 以上の如く調製した粒子A〜Fを攪拌しながら60℃に
保った状態で化学増感を施した。まず、チオスルホン酸
化合物−Iをハロゲン化銀1モルあたり10-4モル添加
し、つぎに直径0.10μmのAgBr微粒子を全銀量
に対して1.0モル%添加し、さらに二酸化チオ尿素を
1×10-6モル/モルAg添加し、22分間そのまま保
持して還元増感を施した。つぎに4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを3×
10-4モル/モルAgとUV増感剤を表1のごとくそれ
ぞれ添加した。さらに塩化カルシウムを添加した。引き
続きチオ硫酸ナトリウム(6×10-6モル/モルAg)
及びセレン化合物−I(4×10-6モル/モルAg)を
添加した。さらに塩化金酸1×10-5モル/モルAgお
よびチオシアン酸カリウム3.0×10-3モル/モルA
gを添加し、40分後に35℃に冷却した。こうして乳
剤の調製(化学熟成)を終了した。
【0051】
【表1】
【0052】
【化9】
【0053】(乳剤塗布層の調製)化学増感を施した乳
剤に対してハロゲン化銀1モル当たり下記の薬品を添加
して乳剤塗布液とした。 ・ゼラチン(乳剤中のゼラチンも含めて) 111 g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 21.5 g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 5.1 g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.2 g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値になるように添加量を調整 ・化合物−I 42.1 mg ・化合物−II 10.3 g ・化合物−III 0.11g ・化合物−IV 8.5 mg ・化合物−V 0.43g (ハロゲン化銀上の吸収極大は420〜440nm) ・化合物−VI 0.1 g ・化合物−VII 0.1 g NaOHでpH6.1に調整
【0054】
【化10】
【0055】
【化11】
【0056】上記塗布液に対し、紫外線吸収染料−I〜
III が各々片面当たり10mg/m2となるように染料乳化
物Aを添加した試料と添加してない試料を作成した。
【0057】
【化12】
【0058】(染料乳化物Aの調製)上記染料−I〜II
I を各々20gおよび下記高沸点有機溶媒−Iを62.
8g、−IIを62.8g及び酢酸エチル333gを60
℃で溶解した。つぎにドデシルスルホン酸ナトリウムの
5%水溶液65ccとゼラチン94g、水581ccを添加
し、ディゾルバーにて60℃、30分間乳化分散した。
つぎに下記化合物−VIIIを2gおよび水6リットルを加
え、40℃に降温した。つぎに旭化成製限外濾過ラボモ
ジュールACP1050を用いて、全量が2kgとなるま
で濃縮し、前記化合物−VIIIを1g加えて染料乳化物A
とした。
【0059】
【化13】
【0060】(表面保護層塗布液の調製)表面保護層塗
布液を、各成分が下記の塗布量となるように調製した。 ・ゼラチン 0.780g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.035 ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 0.0012 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.040 ・ポリメチルメタクリレート/スチレン/メタクリル酸 =7:2:1の共重合体(平均粒径3.9μm) 0.040 ・塗布助剤−I 0.020 ・塗布助剤−II 0.037 ・塗布助剤−III 0.0080 ・塗布助剤−IV 0.0032 ・塗布助剤−V 0.0025 ・化合物−IX 0.0022 ・ベンゾイソチアゾロン 0.0010 (NaOHでpH6.8に調整)
【0061】
【化14】
【0062】(支持体Aの調製)二軸延伸された厚さ1
75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にコ
ロナ放電を行い、下記の組成より成る第1下塗液を塗布
量が4.9cc/m2と成るようにワイヤーコンバーターに
より塗布し、185℃にて1分間乾燥した。つぎに反対
面にも同様にして第1下塗層を設けた。使用したポリエ
チレンテレフタレートには染料−IVが0.06wt%、
染料−Vが0.06wt%含有されているものを用い
た。
【0063】
【化15】
【0064】 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158 cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム 塩4%溶液 41 cc ・蒸留水 801 cc ※ラテックス溶液中には、乳化分散剤として下記化合物
をラテックス固形分に対し0.4wt%含有
【0065】
【化16】
【0066】(支持体Bの調製)支持体Aとまったく同
様にしてただし染料−Vは含有しない様にして、支持体
Bを作製した。
【0067】
【化17】
【0068】(写真材料の調製)前述のごとく準備した
支持体上に先の乳剤層と表面保護層とを組み合わせ同時
押し出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量
は1.75g/m2とした。この様にして表2の試料を作
製した。
【0069】(写真性能の評価)Du Pont社製の
ウルトラビジョンファーストディテール(UV)を使用
して、両側に密着させ、両側から、0.05秒の露光を
与え、X線センシトメトリーをおこなった。露光量の調
整は、X線管球とカセッテとの距離を変化させることに
より行った。露光後、下記現像液と定着液にて自動現像
機処理を行った。
【0070】(処理) 自動現像機・・・富士フイルム(株)社製CEPROS
−30自動現像機 濃縮液の調製 <現像液> パーツ剤A 水酸化カリウム 330 g 亜硫酸カリウム 630 g 亜硫酸ナトリウム 255 g 炭酸カリウム 90 g ホウ酸 45 g ジエチレングリコール 180 g ジエチレントリアミン五酢酸 30 g 1−(N,N−ジエチルアミン)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.75g ハイドロキノン 450 g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 60 g 水を加えて 4125 ml
【0071】 パーツ剤B ジエチレングリコール 525 g 3,3′ジチオビスヒドロ桂皮酸 3 g 氷酢酸 102.6g 2−ニトロインダゾール 3.75g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 34.5 g 水を加えて 750 ml
【0072】 パーツ剤C 臭化カリウム 15 g メタ重亜硫酸カリウム 105 g 水を加えて 750 ml
【0073】 <定着液> チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol %) 3000 ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45 g 亜硫酸ナトリウム 225 g ホウ酸 60 g 1−(N,N−ジエチルアミン)−エチル−5−メルカプ トテトラゾール 15 g 酒石酸 48 g 氷酢酸 675 g 水酸化ナトリウム 225 g 硫酸(36N) 58.5 g 硫酸アルミニウム 150 g 水を加えて 6000 ml pH 4.68
【0074】(処理液の調製)上記現像液濃度液を下記
の容器に各パーツ剤毎に充填した。この容器はパーツ剤
A、B、Cの各部分容器が容器自身によって一つに連結
されているものである。また、上記定着液濃度も同種の
容器に充填した。まず、現像槽内にスターターとして、
酢酸54gと臭化カリウム55.5gを含む水溶液30
0mlを添加した。上記処理剤入容器を逆さにして自現機
の側面に装着されている処理液ストックタンクの穿孔刃
にさしこんで、キャップの封止膜を破り、容器内の各処
理剤をストックタンクに充填した。これらの各処理剤を
下記の割合で自現機の現像槽、定着槽に、それぞれ自現
機に設置されているポンプを作動して満たした。また、
感材が4切サイズ換算で8枚処理される毎にも、この割
合で、処理剤原液と水とを混合して自現機の処理槽に補
充した。
【0075】現像液 パーツ液A 51 ml パーツ液B 10 ml パーツ液C 10 ml 水 125 ml pH 10.50 定着液 濃縮液 80 ml 水 120 ml pH 4.62 水洗槽には水道水を満たした。
【0076】また、水あか防止剤として、放線菌を平均
粒径100μm、平均孔径3μmのパーライトに担持さ
せたもの0.4gをポリエチレン製のビン(ビン開口部
を300メッシュのナイロン布で覆い、この布より水お
よび菌の流通が可能)に充填したものを3個用意し、そ
のうちの2個を水洗槽の底部に、1個を水洗水のストッ
クタンク(液量0.2リットル)の底部にそれぞれ沈め
た。 センシトメトリーの評価において本発明の感材は、表2
のごとく良好な結果を示した。表2において感材9の感
度を100とした相対感度を用いた。感度は濃度0.3
を与える露光量の逆数を比較した。(内挿値使用)
【0077】
【表2】
【0078】実施例2 実施例1で作成した写真感光材料を下記の様な現像液で
処理を行なった。 〔自動現像機処理〕自動現像機は富士写真フイルム
(株)製の「富士XレイプロセサーCEPROS−3
0〕 現像液処方 PartA 水酸化カリウム 18.0 g 亜硫酸カリウム 30.0 g 炭酸ナトリウム 30.0 g ジエチレングリコール 10.0 g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 g 1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.1 g L−アスコルビン酸 43.2 g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 2.0 g 水を加えて 300 ml
【0079】 PartB トリエチレングリコール 45.0 g 3・3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 0.2 g 氷酢酸 5.0 g 5・ニトロインダゾール 0.3 g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 3.5 g 水を加えて 60 ml
【0080】 PartC 臭化カリウム 4.0 g メタ重亜硫酸カリウム 10.0 g 水を加えて 50 ml PartA 300mlとPartB 60ml とPartC 50m
l に水を加えて1リットルとしてpH10.90に合わ
せる。PartA 4.50リットル、PartB 0.90リ
ットル、PartC 0.75リットルを富士フイルム
(株)社製CE−DF1ボトルに使用液1.5リットル
用として充填して使用した。 現像開始液 前記現像補充液に酢酸を添加してpH=10.20にし
たものを現像開始液とした。
【0081】定着液としては富士写真フイルム(株)社
製CE−F1を使用した。 現像温度………35℃ 定着温度………35℃ 乾燥温度………55℃ 補充量(現像液、定着液ともに)25ml/10×21イ
ンチ(325ml/m2)各試料10×12インチサイズフ
ィルムを600枚ランニング処理を行い良好な性能が得
られた。本発明の感材と現像液の組み合わせはスタート
時とランニング液の感度変化がなく良好であることが判
った。特に塗布試料2〜4及び6〜8が優れていた。
【0082】実施例3 実施例1で得られた本発明の感材を特開平6−1180
4号に記載の蛍光体スクリーンを用いX線露光での画像
形成を行なったところ、良好なX線画像が形成されるこ
とが確認された。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の上に少なくと
    も一層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真
    感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤が塩化銀を20
    モル%以上100モル%以下含有し、全投影面積の50
    %以上100%以下がアスペクト比2以上のハロゲン化
    銀粒子であり、かつ400nm以下に吸収極大を持つ物質
    により分光増感されていることを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 支持体の両面に該乳剤層を有することを
    特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  3. 【請求項3】 該分光増感物質が、該乳剤の化学増感終
    了前までに添加されることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 紫外領域に発光ピークを有するX線吸収
    螢光増感紙と請求項1、2又は3に記載のハロゲン化銀
    写真感光材料とを組み合わせて用いることを特徴とする
    画像形成システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013110796A1 (fr) * 2012-01-26 2013-08-01 Université De Lorraine Dérivés de thiazolidinedione, leur préparation et leur utilisation dans le traitement des cancers

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