JPH0828624A - 加々速度情報を用いた制振機構 - Google Patents
加々速度情報を用いた制振機構Info
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- JPH0828624A JPH0828624A JP16657694A JP16657694A JPH0828624A JP H0828624 A JPH0828624 A JP H0828624A JP 16657694 A JP16657694 A JP 16657694A JP 16657694 A JP16657694 A JP 16657694A JP H0828624 A JPH0828624 A JP H0828624A
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 振動体から検出した、例えば変位、速度、加
速度、温度、圧力等の状態量を基に振動制御信号を成形
し、前記振動制御信号成形の処理方法を振動状態により
切り替えて用いる前記振動体の制振機構において、前記
振動制御信号成形の処理方法の切り替えに加々速度情報
を用いることを特徴とした制振機構を提供する。 【構成】 能動的動吸振器40は、アクチュエータ1、
付加質量2及び付加質量を設置する際に調節される剛性
成分3、減衰成分4から構成する。制御用コントローラ
31は、検出した信号を基に振動制御信号を成形し、ア
クチュエータ1へ出力する。振動制御信号の成形に当た
っては、予め複数個のフィードバックゲインを決定し、
制御用コントローラ31に記憶させておく。フィードバ
ックゲインの切り換えは、加々速度情報を基に行う。
速度、温度、圧力等の状態量を基に振動制御信号を成形
し、前記振動制御信号成形の処理方法を振動状態により
切り替えて用いる前記振動体の制振機構において、前記
振動制御信号成形の処理方法の切り替えに加々速度情報
を用いることを特徴とした制振機構を提供する。 【構成】 能動的動吸振器40は、アクチュエータ1、
付加質量2及び付加質量を設置する際に調節される剛性
成分3、減衰成分4から構成する。制御用コントローラ
31は、検出した信号を基に振動制御信号を成形し、ア
クチュエータ1へ出力する。振動制御信号の成形に当た
っては、予め複数個のフィードバックゲインを決定し、
制御用コントローラ31に記憶させておく。フィードバ
ックゲインの切り換えは、加々速度情報を基に行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加々速度情報を用いた制
振機構に係り、特に構造物の振動制御に好適な加々速度
情報を用いた制振機構に関する。
振機構に係り、特に構造物の振動制御に好適な加々速度
情報を用いた制振機構に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の制振機構には、付加質量を用い
たいわゆる動吸振器が多く用いられている。動吸振器
は、振動体の共振ピークを低減する効果的な制振装置で
あり、近年、外部から付加質量を強制的に制御して、よ
り大きな制振効果を発生させる能動的動吸振器の研究が
盛んである。一方、能動的動吸振器に対し、付加質量を
制御しない動吸振器を受動的動吸振器という。使用目的
として、地震・強風等により高層建築物や長大橋等に生
じる振動の低減や圧縮機、冷凍機の振動制御に用いられ
る。
たいわゆる動吸振器が多く用いられている。動吸振器
は、振動体の共振ピークを低減する効果的な制振装置で
あり、近年、外部から付加質量を強制的に制御して、よ
り大きな制振効果を発生させる能動的動吸振器の研究が
盛んである。一方、能動的動吸振器に対し、付加質量を
制御しない動吸振器を受動的動吸振器という。使用目的
として、地震・強風等により高層建築物や長大橋等に生
じる振動の低減や圧縮機、冷凍機の振動制御に用いられ
る。
【0003】能動的動吸振器の制御方法は、既に多く研
究、提案がされており、例えば、日本機械学会論文集
(C編)、No.57、vol. 534、pp.345〜354(1991-2)に制御
方法の概略を取り纒めた記載がある。また、LQ(Line
ar Quadratic)制御を適用した能動的動吸振器に関する
記載が特開昭64−29585号公報にある。また、多
自由度振動体に適用できる制御則を用いた能動的動吸振
器に関する記載が特開平2−221568号公報にあ
る。
究、提案がされており、例えば、日本機械学会論文集
(C編)、No.57、vol. 534、pp.345〜354(1991-2)に制御
方法の概略を取り纒めた記載がある。また、LQ(Line
ar Quadratic)制御を適用した能動的動吸振器に関する
記載が特開昭64−29585号公報にある。また、多
自由度振動体に適用できる制御則を用いた能動的動吸振
器に関する記載が特開平2−221568号公報にあ
る。
【0004】また、受動的動吸振器と能動的動吸振器の
性能を合わせ持つ複合形動吸振器の記載が特開平4−6
4743号公報にある。また、振動状態により能動的動
吸振器と受動的動吸振器を切り替えて使用する制振装置
の記載が、日本機械学会論文集(C編)、No.57、vol. 54
3、pp.3532〜3540(1991ー11)にある。また、能動的動吸
振器の付加質量を制御するアクチュエータの能力を有効
に利用するために、複数のフィードバックゲインを予め
用意し、振動状態により振動制御信号成形の処理方法を
切り替えることを特徴とした能動的動吸振器の記載が、
日本機械学会論文集(C編)、No.58、vol. 545、pp.87〜
91(1992-1)や日本機械学会論文集(C編)、No.59、vol.
558、pp.379〜385(1993-2)にある。
性能を合わせ持つ複合形動吸振器の記載が特開平4−6
4743号公報にある。また、振動状態により能動的動
吸振器と受動的動吸振器を切り替えて使用する制振装置
の記載が、日本機械学会論文集(C編)、No.57、vol. 54
3、pp.3532〜3540(1991ー11)にある。また、能動的動吸
振器の付加質量を制御するアクチュエータの能力を有効
に利用するために、複数のフィードバックゲインを予め
用意し、振動状態により振動制御信号成形の処理方法を
切り替えることを特徴とした能動的動吸振器の記載が、
日本機械学会論文集(C編)、No.58、vol. 545、pp.87〜
91(1992-1)や日本機械学会論文集(C編)、No.59、vol.
558、pp.379〜385(1993-2)にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】能動的動吸振器の制御
に当たっては、単一のフィードバックゲインを用いる場
合が多かった。この場合、制振効果が大きいフィードバ
ックゲインを選べば、小さな外力に対しても付加質量の
変動距離が大きくなり、付加質量を制御するアクチュエ
ータが性能限界に達してしまうことが考えられる。逆
に、制振効果が小さいフィードバックゲインでは、小さ
な外力に対してアクチュエータが性能限界に達すること
はないが、大きな外力に対し制振効果が発揮されず制振
仕様が満足できなくなる。
に当たっては、単一のフィードバックゲインを用いる場
合が多かった。この場合、制振効果が大きいフィードバ
ックゲインを選べば、小さな外力に対しても付加質量の
変動距離が大きくなり、付加質量を制御するアクチュエ
ータが性能限界に達してしまうことが考えられる。逆
に、制振効果が小さいフィードバックゲインでは、小さ
な外力に対してアクチュエータが性能限界に達すること
はないが、大きな外力に対し制振効果が発揮されず制振
仕様が満足できなくなる。
【0006】これに対し、現在では、外力の小さい場合
は、制振仕様を満足する範囲内で制振効果の大きなフィ
ードバックゲインを、外力の大きな場合は、アクチュエ
ータの能力限界を越えない範囲で制振効果の大きなフィ
ードバックゲインを、また予め用意したフィードバック
ゲインのうち、制振効果が最小のものであってもアクチ
ュエータが性能限界を越えてしまう場合は、フィードバ
ックゲインを0にする等、複数のフィードバックゲイン
を切り替えて用いることで、上記不具合を回避すること
が可能である。
は、制振仕様を満足する範囲内で制振効果の大きなフィ
ードバックゲインを、外力の大きな場合は、アクチュエ
ータの能力限界を越えない範囲で制振効果の大きなフィ
ードバックゲインを、また予め用意したフィードバック
ゲインのうち、制振効果が最小のものであってもアクチ
ュエータが性能限界を越えてしまう場合は、フィードバ
ックゲインを0にする等、複数のフィードバックゲイン
を切り替えて用いることで、上記不具合を回避すること
が可能である。
【0007】しかしながら、現状では、アクチュエータ
への入力信号が、アクチュエータの性能限界に達する直
前の大きさになった場合、付加質量と付加質量の設置面
との相対変位及び相対速度が規定値を越えた場合、ある
いはアクチュエータが油圧式であれば、油圧の使用圧力
が仕様値を越えた場合等に、フィードバックゲインの切
り替えを行っている。一方、急激な切り替えは、アクチ
ュエータに突発的な力を作用させて、能動的動吸振器の
制振効果を低下させるため、切り替えに当たっては、い
くらかの時間が必要になっている。
への入力信号が、アクチュエータの性能限界に達する直
前の大きさになった場合、付加質量と付加質量の設置面
との相対変位及び相対速度が規定値を越えた場合、ある
いはアクチュエータが油圧式であれば、油圧の使用圧力
が仕様値を越えた場合等に、フィードバックゲインの切
り替えを行っている。一方、急激な切り替えは、アクチ
ュエータに突発的な力を作用させて、能動的動吸振器の
制振効果を低下させるため、切り替えに当たっては、い
くらかの時間が必要になっている。
【0008】すなわち、上記切り替え方法では、制振装
置が性能限界に達する直前にフィードバックゲインの切
り替えを開始し、切り替えにおいて、ある程度の時間が
必ず必要になる。よって、フィードバックゲイン切り替
え時に、制振効果を発揮しない時間帯が生じ、能動的動
吸振器としては重大な欠点となる。
置が性能限界に達する直前にフィードバックゲインの切
り替えを開始し、切り替えにおいて、ある程度の時間が
必ず必要になる。よって、フィードバックゲイン切り替
え時に、制振効果を発揮しない時間帯が生じ、能動的動
吸振器としては重大な欠点となる。
【0009】また、加々速度情報の検出に当たっては、
従来、変位、速度あるいは加速度情報を基に差分などに
より算定しており直接測定ができなかった。差分などの
算定により、元来、加速度情報よりも位相が進んでいる
はずである加々速度情報には、時間遅れが生じ、加々速
度本来の特性を生かすことができなかった。
従来、変位、速度あるいは加速度情報を基に差分などに
より算定しており直接測定ができなかった。差分などの
算定により、元来、加速度情報よりも位相が進んでいる
はずである加々速度情報には、時間遅れが生じ、加々速
度本来の特性を生かすことができなかった。
【0010】本発明の目的は、上記問題を解消し、フィ
ードバックゲインあるいは振動制御信号成形に当たって
の処理方法の切り替えに、加々速度情報を用いること
で、振動体の振動状況や振動体を加振する外力の規模を
早期に判定し、切り替え時期の最適化を図ることのでき
る制振機構を提供することである。
ードバックゲインあるいは振動制御信号成形に当たって
の処理方法の切り替えに、加々速度情報を用いること
で、振動体の振動状況や振動体を加振する外力の規模を
早期に判定し、切り替え時期の最適化を図ることのでき
る制振機構を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、振動体から検出した、変位、速度、加速
度、温度、圧力等の状態量を基に振動制御信号を成形
し、前記振動制御信号成形の処理方法を振動状態により
切り替えて用いる振動体の制振機構において、前記振動
制御信号成形の処理方法の切り替えに、加々速度情報を
用いることを特徴とするものである。
に本発明は、振動体から検出した、変位、速度、加速
度、温度、圧力等の状態量を基に振動制御信号を成形
し、前記振動制御信号成形の処理方法を振動状態により
切り替えて用いる振動体の制振機構において、前記振動
制御信号成形の処理方法の切り替えに、加々速度情報を
用いることを特徴とするものである。
【0012】また、本発明は、振動体に取り付けられ、
アクチュエータ、付加質量、前記付加質量に設けた剛性
成分及び減衰成分などから構成される能動的動吸振器
と、前記振動体から検出した信号を基に、前記振動体の
振動を制御する振動制御信号を成形して、前記能動的動
吸振器の前記アクチュエータへ出力する制御用コントロ
ーラとを備え、前記制御用コントローラに、予め決定し
た複数個のフィードバックゲインを記憶させ、前記フィ
ードバックゲインの切り替えを加々速度情報を基に行う
ことを特徴とするものである。
アクチュエータ、付加質量、前記付加質量に設けた剛性
成分及び減衰成分などから構成される能動的動吸振器
と、前記振動体から検出した信号を基に、前記振動体の
振動を制御する振動制御信号を成形して、前記能動的動
吸振器の前記アクチュエータへ出力する制御用コントロ
ーラとを備え、前記制御用コントローラに、予め決定し
た複数個のフィードバックゲインを記憶させ、前記フィ
ードバックゲインの切り替えを加々速度情報を基に行う
ことを特徴とするものである。
【0013】また、前記制振機構において、前記振動制
御信号成形の処理方法の切り替えに、前記振動体に設け
た複数あるいは1つの振動検出部の加々速度情報を用い
ることを特徴とするものである。また、前記制振機構に
おいて、前記振動制御信号成形の処理方法の切り替え
に、前記振動体を振動させる振動源あるいは外乱源の加
々速度情報を用いることを特徴とするものである。
御信号成形の処理方法の切り替えに、前記振動体に設け
た複数あるいは1つの振動検出部の加々速度情報を用い
ることを特徴とするものである。また、前記制振機構に
おいて、前記振動制御信号成形の処理方法の切り替え
に、前記振動体を振動させる振動源あるいは外乱源の加
々速度情報を用いることを特徴とするものである。
【0014】そして、前記制振機構において、前記加々
速度情報の検出には、前記変位、速度、加速度、温度、
圧力等の状態量によらないで、前記加々速度情報を直接
測定できる加々速度検出器を用いることを特徴とするも
のである。
速度情報の検出には、前記変位、速度、加速度、温度、
圧力等の状態量によらないで、前記加々速度情報を直接
測定できる加々速度検出器を用いることを特徴とするも
のである。
【0015】
【作用】加々速度情報は、変位、速度、加速度情報に比
べ、位相が、270°、180°、90°進んでおり、
物体の動的変化に非常に敏感な物理量である。よって、
上記構成による制振機構によれば、制振対象である振動
体あるいは加振源から加々速度情報を検出することで、
振動体の振動状況や振動体を加振する外力の規模を早期
に判定することができる。早期判定が可能になること
で、フィードバックゲインあるいは振動制御信号成形に
当たっての処理方法の切り替え時期の最適化を図ること
ができる。
べ、位相が、270°、180°、90°進んでおり、
物体の動的変化に非常に敏感な物理量である。よって、
上記構成による制振機構によれば、制振対象である振動
体あるいは加振源から加々速度情報を検出することで、
振動体の振動状況や振動体を加振する外力の規模を早期
に判定することができる。早期判定が可能になること
で、フィードバックゲインあるいは振動制御信号成形に
当たっての処理方法の切り替え時期の最適化を図ること
ができる。
【0016】本出願人は、加々速度情報を、変位、速度
あるいは加速度情報を基に算定することなく、直接検出
する装置を開発した(特願平4−29158号)。加々
速度情報を直接検出して制振機構に用いることにより、
差分などによる算定時間の遅れを解消し、加々速度本来
の特性を生かして、早期にかつ最適な時期に振動制御信
号成形方法の切り替えを行うことができる。
あるいは加速度情報を基に算定することなく、直接検出
する装置を開発した(特願平4−29158号)。加々
速度情報を直接検出して制振機構に用いることにより、
差分などによる算定時間の遅れを解消し、加々速度本来
の特性を生かして、早期にかつ最適な時期に振動制御信
号成形方法の切り替えを行うことができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を、図面を
参照して説明する。本発明の第1の実施例を図1を用い
て説明する。本実施例は、振動体をN階建ての高層建築
物に想定したものであるが、高層建築物以外にもN自由
度の振動モデルに適応できる。
参照して説明する。本発明の第1の実施例を図1を用い
て説明する。本実施例は、振動体をN階建ての高層建築
物に想定したものであるが、高層建築物以外にもN自由
度の振動モデルに適応できる。
【0018】図1において、能動的動吸振器40は、ア
クチュエータ1、付加質量2及び付加質量を設置する際
に調節される剛性成分3、減衰成分4から構成する。能
動的動吸振器40の設置は、最上階に限る必要はなく、
あらゆる階に複数個設置してもよい。N階建て高層建築
物50は、N個の可動質量12-(1),・・・・,12-(N)とN
個の剛性成分13-(1),・・・・,13-(N)と、減衰成分14
-(1),・・・・,14-(N)とから構成する。各階及び能動的動
吸振器40には、変位、速度、加速度、及び加々速度情
報を検出する検出器15-(0),・・・・,15-(N)を設置す
る。これら各階及び能動的動吸振器40から検出した信
号を、制御用コントローラ31に入力する。制御用コン
トローラ31は、検出した信号を基に振動制御信号を成
形し、アクチュエータ1へ出力する。
クチュエータ1、付加質量2及び付加質量を設置する際
に調節される剛性成分3、減衰成分4から構成する。能
動的動吸振器40の設置は、最上階に限る必要はなく、
あらゆる階に複数個設置してもよい。N階建て高層建築
物50は、N個の可動質量12-(1),・・・・,12-(N)とN
個の剛性成分13-(1),・・・・,13-(N)と、減衰成分14
-(1),・・・・,14-(N)とから構成する。各階及び能動的動
吸振器40には、変位、速度、加速度、及び加々速度情
報を検出する検出器15-(0),・・・・,15-(N)を設置す
る。これら各階及び能動的動吸振器40から検出した信
号を、制御用コントローラ31に入力する。制御用コン
トローラ31は、検出した信号を基に振動制御信号を成
形し、アクチュエータ1へ出力する。
【0019】振動制御信号の成形に当たっては、LQ制
御、LQG(Linear Quadratic Gaussian)制御、H∞
制御、PID(Proportional Integral Derivative)制
御などの制御則を用いて予め複数個のフィードバックゲ
インを決定し、制御用コントローラ31に記憶させてお
く。
御、LQG(Linear Quadratic Gaussian)制御、H∞
制御、PID(Proportional Integral Derivative)制
御などの制御則を用いて予め複数個のフィードバックゲ
インを決定し、制御用コントローラ31に記憶させてお
く。
【0020】LQ制御、LQG制御を用いる場合、制御
変数である重み関数を調整することで、制振効果と振動
制御に消費されるエネルギの関係を調節できる。また、
本実施例のように、N自由度の場合、指定した階の振動
を他の階に比べ強く制振する指定が可能となる。よっ
て、LQ制御、LQG制御では、指定階の制振効果の調
節及び振動制御に消費されるエネルギの調整を図ること
が可能なフィードバックゲインを得ることができる。
変数である重み関数を調整することで、制振効果と振動
制御に消費されるエネルギの関係を調節できる。また、
本実施例のように、N自由度の場合、指定した階の振動
を他の階に比べ強く制振する指定が可能となる。よっ
て、LQ制御、LQG制御では、指定階の制振効果の調
節及び振動制御に消費されるエネルギの調整を図ること
が可能なフィードバックゲインを得ることができる。
【0021】H∞制御を用いる場合、制振対象であるN
階建て高層建築物のモデル化誤差を包含できる、いわゆ
るロバスト制御が可能となる。よって、H∞制御では、
制振対象のモデル化が難しい場合や各構成要素の経年変
化などを考慮しなければならない制振対象である場合に
有効なフィードバックゲインを得ることができる。ま
た、PID制御のように、経験を行かしたフィードバッ
クゲインを用いることもできる。
階建て高層建築物のモデル化誤差を包含できる、いわゆ
るロバスト制御が可能となる。よって、H∞制御では、
制振対象のモデル化が難しい場合や各構成要素の経年変
化などを考慮しなければならない制振対象である場合に
有効なフィードバックゲインを得ることができる。ま
た、PID制御のように、経験を行かしたフィードバッ
クゲインを用いることもできる。
【0022】これら各制御則によるフィードバックゲイ
ンを、各階及び能動的動吸振器40から検出した加々速
度情報を基に切り替えて能動的動吸振器40の制御を行
う。切り換え規則として、例えば、各階から検出した加
々速度情報のうち、任意階の加々速度情報が増加傾向に
あると判別した場合、対応する任意階の制振効果を大き
くするフィードバックゲインに切り替えて制御を行う。
ンを、各階及び能動的動吸振器40から検出した加々速
度情報を基に切り替えて能動的動吸振器40の制御を行
う。切り換え規則として、例えば、各階から検出した加
々速度情報のうち、任意階の加々速度情報が増加傾向に
あると判別した場合、対応する任意階の制振効果を大き
くするフィードバックゲインに切り替えて制御を行う。
【0023】また、各階の加々速度情報が減少する傾向
にあれば、制御に消費するエネルギを抑さえるフィード
バックゲインに切り替えて制御を行う。長期間に渡り、
整備が行えない機械構造物であれば、ロバスト性の多い
フィードバックゲインを主に用いて、必要に応じて切り
換えを行う等である。加々速度情報を用いていることか
ら、制振対象の振動状態をいち早く検出でき、フィード
バックゲイン切り換え時期の最適化を図ることができ
る。
にあれば、制御に消費するエネルギを抑さえるフィード
バックゲインに切り替えて制御を行う。長期間に渡り、
整備が行えない機械構造物であれば、ロバスト性の多い
フィードバックゲインを主に用いて、必要に応じて切り
換えを行う等である。加々速度情報を用いていることか
ら、制振対象の振動状態をいち早く検出でき、フィード
バックゲイン切り換え時期の最適化を図ることができ
る。
【0024】本発明の第2の実施例を図2を用いて説明
する。本実施例は、振動体をN階建ての高層建築物に想
定したものであるが、高層建築物以外にもN自由度の振
動モデルに適応できる。
する。本実施例は、振動体をN階建ての高層建築物に想
定したものであるが、高層建築物以外にもN自由度の振
動モデルに適応できる。
【0025】図2において、能動的動吸振器40は、ア
クチュエータ1、付加質量2及び付加質量を設置する際
に調節される剛性成分3、減衰成分4から構成する。能
動的動吸振器40の設置は、最上階に限る必要はなく、
あらゆる階に複数個設置してもよい。N階建て高層建築
物50は、N個の質量12-(1),・・・・,12-(N)とN個の
剛性成分13-(1),・・・・,13-(N)と、減衰成分14-
(1),・・・・,14-(N)とから構成する。各階及び能動的動
吸振器40には、変位、速度、加速度、及び加々速度情
報を検出する検出器15-(0),・・・・,15-(N)を設置す
る。さらに、第1の実施例の構成に加えて、N階建て高
層建築物50の設置面100に変位、速度、加速度、及
び加々速度情報を検出する検出器6を設置する。
クチュエータ1、付加質量2及び付加質量を設置する際
に調節される剛性成分3、減衰成分4から構成する。能
動的動吸振器40の設置は、最上階に限る必要はなく、
あらゆる階に複数個設置してもよい。N階建て高層建築
物50は、N個の質量12-(1),・・・・,12-(N)とN個の
剛性成分13-(1),・・・・,13-(N)と、減衰成分14-
(1),・・・・,14-(N)とから構成する。各階及び能動的動
吸振器40には、変位、速度、加速度、及び加々速度情
報を検出する検出器15-(0),・・・・,15-(N)を設置す
る。さらに、第1の実施例の構成に加えて、N階建て高
層建築物50の設置面100に変位、速度、加速度、及
び加々速度情報を検出する検出器6を設置する。
【0026】これら各階、能動的動吸振器40及び設置
面100から検出した信号を、制御用コントローラ31
に入力する。制御用コントローラ31は、検出した信号
を基に振動制御信号を成形し、アクチュエータ1へ出力
する。振動制御信号の成形に当たっては、LQ制御、L
QG制御、H∞制御、PID制御などの制御則を用いて
予め複数個のフィードバックゲインを決定し、制御用コ
ントローラ31に記憶させておく。LQ制御、LQG制
御を用いる場合、制御変数である重み関数を調整するこ
とで、制振効果と振動制御に消費されるエネルギの関係
を調節できる。
面100から検出した信号を、制御用コントローラ31
に入力する。制御用コントローラ31は、検出した信号
を基に振動制御信号を成形し、アクチュエータ1へ出力
する。振動制御信号の成形に当たっては、LQ制御、L
QG制御、H∞制御、PID制御などの制御則を用いて
予め複数個のフィードバックゲインを決定し、制御用コ
ントローラ31に記憶させておく。LQ制御、LQG制
御を用いる場合、制御変数である重み関数を調整するこ
とで、制振効果と振動制御に消費されるエネルギの関係
を調節できる。
【0027】また、本実施例のように、N自由度の場
合、指定した階の振動を他の階に比べ強く制振する指定
が可能となる。よって、LQ制御、LQG制御では、指
定階の制振効果の調節及び振動制御に消費されるエネル
ギの調整を図ることが可能なフィードバックゲインを得
ることができる。H∞制御を用いる場合、制振対象であ
るN階建て高層建築物のモデル化誤差を包含できる、い
わゆるロバスト制御が可能となる。よって、H∞制御で
は、制振対象のモデル化が難しい場合や各構成要素の経
年変化などを考慮しなければならない制振対象である場
合に有効なフィードバックゲインを得ることができる。
PID制御のように、経験を行かしたフィードバックゲ
インを用いることもできる。
合、指定した階の振動を他の階に比べ強く制振する指定
が可能となる。よって、LQ制御、LQG制御では、指
定階の制振効果の調節及び振動制御に消費されるエネル
ギの調整を図ることが可能なフィードバックゲインを得
ることができる。H∞制御を用いる場合、制振対象であ
るN階建て高層建築物のモデル化誤差を包含できる、い
わゆるロバスト制御が可能となる。よって、H∞制御で
は、制振対象のモデル化が難しい場合や各構成要素の経
年変化などを考慮しなければならない制振対象である場
合に有効なフィードバックゲインを得ることができる。
PID制御のように、経験を行かしたフィードバックゲ
インを用いることもできる。
【0028】これら各制御則によるフィードバックゲイ
ンを、各階、能動的動吸振器40及び設置面100から
検出した加々速度情報を基に切り替えて能動的動吸振器
40の制御を行う。切り換え規則として、例えば、各階
から検出した加々速度情報のうち、任意階の加々速度情
報が増加傾向にあると判別した場合、対応する任意階の
制振効果を大きくするフィードバックゲインに切り替え
て制御を行う。
ンを、各階、能動的動吸振器40及び設置面100から
検出した加々速度情報を基に切り替えて能動的動吸振器
40の制御を行う。切り換え規則として、例えば、各階
から検出した加々速度情報のうち、任意階の加々速度情
報が増加傾向にあると判別した場合、対応する任意階の
制振効果を大きくするフィードバックゲインに切り替え
て制御を行う。
【0029】また、各階の加々速度情報が減少する傾向
にあれば、制御に消費するエネルギを抑さえるフィード
バックゲインに切り替えて制御を行う。長期間に渡り、
整備が行えない機械構造物であれば、ロバスト性の多い
フィードバックゲインを主に用いて、必要に応じて切り
換えを行う等である。加々速度情報を用いていることか
ら、制振対象の振動状態をいち早く検出でき、フィード
バックゲイン切り換え時期の最適化を図ることができ
る。
にあれば、制御に消費するエネルギを抑さえるフィード
バックゲインに切り替えて制御を行う。長期間に渡り、
整備が行えない機械構造物であれば、ロバスト性の多い
フィードバックゲインを主に用いて、必要に応じて切り
換えを行う等である。加々速度情報を用いていることか
ら、制振対象の振動状態をいち早く検出でき、フィード
バックゲイン切り換え時期の最適化を図ることができ
る。
【0030】さらに、第1の実施例に比べて設置面10
0の加々速度情報を測定していることから、加振外乱
が、増大あるいは減少の傾向にあるかを早期に判定でき
る利点がある。この判定にしたがうことで、精度、信頼
性の高いフィードバックゲイン切り替えを行うことがで
きる。本第2の実施例は、設置面の変位、速度、加速度
及び加々速度情報を利用することを特徴としており、外
乱源としては、地震を想定している。この他、外乱源を
台風等の強風にあるとした場合も、風力計などから得た
情報を基にフィードバックゲイン切り換えを行うことで
本実施例と同等の効果を得ることができる。
0の加々速度情報を測定していることから、加振外乱
が、増大あるいは減少の傾向にあるかを早期に判定でき
る利点がある。この判定にしたがうことで、精度、信頼
性の高いフィードバックゲイン切り替えを行うことがで
きる。本第2の実施例は、設置面の変位、速度、加速度
及び加々速度情報を利用することを特徴としており、外
乱源としては、地震を想定している。この他、外乱源を
台風等の強風にあるとした場合も、風力計などから得た
情報を基にフィードバックゲイン切り換えを行うことで
本実施例と同等の効果を得ることができる。
【0031】本発明の第3の実施例を図3を用いて説明
する。本実施例は、振動体にレシプロ形の圧縮機あるい
は冷凍機を想定したものであるが、レシプロ形である以
外にも回転形に適応できる。
する。本実施例は、振動体にレシプロ形の圧縮機あるい
は冷凍機を想定したものであるが、レシプロ形である以
外にも回転形に適応できる。
【0032】図3において、能動的動吸振器40は、ア
クチュエータ1、付加質量2及び付加質量を設置する際
に調節される剛性成分3、減衰成分4から構成する。圧
縮機あるいは冷凍機本体50は、質量12、剛性成分1
3及び減衰成分14から構成する。圧縮部20は、圧縮
用アクチュエータ21、可動質量22及び設置の際に調
節される剛性成分23と減衰成分24から構成する。圧
縮用アクチュエータ21は、圧縮用コントローラ26に
より調整される。圧縮機本体質量12、圧縮部の可動質
量22及び付加質量2には、変位、速度、加速度、及び
加々速度情報を検出する検出器5、15、25を設置す
る。
クチュエータ1、付加質量2及び付加質量を設置する際
に調節される剛性成分3、減衰成分4から構成する。圧
縮機あるいは冷凍機本体50は、質量12、剛性成分1
3及び減衰成分14から構成する。圧縮部20は、圧縮
用アクチュエータ21、可動質量22及び設置の際に調
節される剛性成分23と減衰成分24から構成する。圧
縮用アクチュエータ21は、圧縮用コントローラ26に
より調整される。圧縮機本体質量12、圧縮部の可動質
量22及び付加質量2には、変位、速度、加速度、及び
加々速度情報を検出する検出器5、15、25を設置す
る。
【0033】これら検出した信号を、制御用コントロー
ラ31に入力し、制御用コントローラ31は、検出した
信号を基に振動制御信号を成形し、アクチュエータ1へ
出力する。振動制御信号の成形に当たっては、LQ制
御、LQG制御、H∞制御、PID制御などの制御則を
用いて予め複数個のフィードバックゲインを決定し、制
御用コントローラ31に記憶させておく。
ラ31に入力し、制御用コントローラ31は、検出した
信号を基に振動制御信号を成形し、アクチュエータ1へ
出力する。振動制御信号の成形に当たっては、LQ制
御、LQG制御、H∞制御、PID制御などの制御則を
用いて予め複数個のフィードバックゲインを決定し、制
御用コントローラ31に記憶させておく。
【0034】LQ制御、LQG制御を用いる場合、制御
変数である重み関数を調整することで、制振効果と振動
制御に消費されるエネルギの関係を調節できる。よっ
て、LQ制御、LQG制御では、制振効果と振動制御に
消費されるエネルギの調整を図ることが可能なフィード
バックゲインを得ることができる。H∞制御を用いる場
合、制振対象である圧縮機あるいは冷凍機のモデル化誤
差を包含できる、いわゆるロバスト制御が可能となる。
よって、H∞制御では、制振対象のモデル化が難しい場
合や各構成要素の経年変化などを考慮しなければならな
い制振対象である場合に有効なフィードバックゲインを
得ることができる。PID制御のように、経験を行かし
たフィードバックゲインを用いることもできる。
変数である重み関数を調整することで、制振効果と振動
制御に消費されるエネルギの関係を調節できる。よっ
て、LQ制御、LQG制御では、制振効果と振動制御に
消費されるエネルギの調整を図ることが可能なフィード
バックゲインを得ることができる。H∞制御を用いる場
合、制振対象である圧縮機あるいは冷凍機のモデル化誤
差を包含できる、いわゆるロバスト制御が可能となる。
よって、H∞制御では、制振対象のモデル化が難しい場
合や各構成要素の経年変化などを考慮しなければならな
い制振対象である場合に有効なフィードバックゲインを
得ることができる。PID制御のように、経験を行かし
たフィードバックゲインを用いることもできる。
【0035】これら各制御則によるフィードバックゲイ
ンを、各質量2、12、22から検出した加々速度情報
を基に切り替えて能動的動吸振器40の制御を行う。切
り換え規則として、例えば、各質量2、12、22から
検出した加々速度情報のうち、圧縮機あるいは冷凍機本
体12の加々速度情報が増加傾向にあると判別した場
合、制振効果を大きくするフィードバックゲインに切り
替えて制御を行う。また、圧縮機あるいは冷凍機本体1
2の加々速度情報が減少する傾向にあれば、制御に消費
するエネルギを抑さえるフィードバックゲインに切り替
えて制御を行う。長期間に渡り、整備が行えない圧縮機
あるいは冷凍機であれば、ロバスト性の多いフィードバ
ックゲインを主に用いて、必要に応じて切り換えを行う
等である。加々速度情報を用いていることから、制振対
象の振動状態をいち早く検出でき、フィードバックゲイ
ン切り換え時期の最適化を図ることができる。
ンを、各質量2、12、22から検出した加々速度情報
を基に切り替えて能動的動吸振器40の制御を行う。切
り換え規則として、例えば、各質量2、12、22から
検出した加々速度情報のうち、圧縮機あるいは冷凍機本
体12の加々速度情報が増加傾向にあると判別した場
合、制振効果を大きくするフィードバックゲインに切り
替えて制御を行う。また、圧縮機あるいは冷凍機本体1
2の加々速度情報が減少する傾向にあれば、制御に消費
するエネルギを抑さえるフィードバックゲインに切り替
えて制御を行う。長期間に渡り、整備が行えない圧縮機
あるいは冷凍機であれば、ロバスト性の多いフィードバ
ックゲインを主に用いて、必要に応じて切り換えを行う
等である。加々速度情報を用いていることから、制振対
象の振動状態をいち早く検出でき、フィードバックゲイ
ン切り換え時期の最適化を図ることができる。
【0036】本発明の第4の実施例を図4を用いて説明
する。本実施例は、振動体にレシプロ形の圧縮機あるい
は冷凍機を想定したものであるが、レシプロ形である以
外にも回転形に適応できる。
する。本実施例は、振動体にレシプロ形の圧縮機あるい
は冷凍機を想定したものであるが、レシプロ形である以
外にも回転形に適応できる。
【0037】図4において、能動的動吸振器40は、ア
クチュエータ1、付加質量2及び付加質量を設置する際
に調節される剛性成分3、減衰成分4から構成する。圧
縮機あるいは冷凍機本体50は、質量12、剛性成分1
3及び減衰成分14から構成する。圧縮部20は、圧縮
用アクチュエータ21、可動質量22及び設置の際に調
節される剛性成分23と減衰成分24から構成する。圧
縮用アクチュエータ21は、圧縮用コントローラ26に
より調整される。圧縮機本体質量12、圧縮部の可動質
量22及び付加質量2には、変位、速度、加速度、及び
加々速度情報を検出する検出器5、15、25を設置す
る。さらに第3の実施例の構成に加えて、圧縮機あるい
は冷凍機50の設置面100に変位、速度、加速度、及
び加々速度情報を検出する検出器6を設置する。
クチュエータ1、付加質量2及び付加質量を設置する際
に調節される剛性成分3、減衰成分4から構成する。圧
縮機あるいは冷凍機本体50は、質量12、剛性成分1
3及び減衰成分14から構成する。圧縮部20は、圧縮
用アクチュエータ21、可動質量22及び設置の際に調
節される剛性成分23と減衰成分24から構成する。圧
縮用アクチュエータ21は、圧縮用コントローラ26に
より調整される。圧縮機本体質量12、圧縮部の可動質
量22及び付加質量2には、変位、速度、加速度、及び
加々速度情報を検出する検出器5、15、25を設置す
る。さらに第3の実施例の構成に加えて、圧縮機あるい
は冷凍機50の設置面100に変位、速度、加速度、及
び加々速度情報を検出する検出器6を設置する。
【0038】これら検出した信号を、制御用コントロー
ラ31に入力し、制御用コントローラ31は、検出した
信号を基に振動制御信号を成形し、アクチュエータ1へ
出力する。振動制御信号の成形に当たっては、LQ制
御、LQG制御、H∞制御、PID制御などの制御則を
用いて予め複数個のフィードバックゲインを決定し、制
御用コントローラ31に記憶させておく。LQ制御、L
QG制御を用いる場合、制御変数である重み関数を調整
することで、制振効果と振動制御に消費されるエネルギ
の関係を調節できる。よって、LQ制御、LQG制御で
は、制振効果と振動制御に消費されるエネルギの調整を
図ることが可能なフィードバックゲインを得ることがで
きる。H∞制御を用いる場合、制振対象である圧縮機あ
るいは冷凍機のモデル化誤差を包含できる、いわゆるロ
バスト制御が可能となる。よって、H∞制御では、制振
対象のモデル化が難しい場合や各構成要素の経年変化な
どを考慮しなければならない制振対象である場合に有効
なフィードバックゲインを得ることができる。PID制
御のように、経験を行かしたフィードバックゲインを用
いることもできる。
ラ31に入力し、制御用コントローラ31は、検出した
信号を基に振動制御信号を成形し、アクチュエータ1へ
出力する。振動制御信号の成形に当たっては、LQ制
御、LQG制御、H∞制御、PID制御などの制御則を
用いて予め複数個のフィードバックゲインを決定し、制
御用コントローラ31に記憶させておく。LQ制御、L
QG制御を用いる場合、制御変数である重み関数を調整
することで、制振効果と振動制御に消費されるエネルギ
の関係を調節できる。よって、LQ制御、LQG制御で
は、制振効果と振動制御に消費されるエネルギの調整を
図ることが可能なフィードバックゲインを得ることがで
きる。H∞制御を用いる場合、制振対象である圧縮機あ
るいは冷凍機のモデル化誤差を包含できる、いわゆるロ
バスト制御が可能となる。よって、H∞制御では、制振
対象のモデル化が難しい場合や各構成要素の経年変化な
どを考慮しなければならない制振対象である場合に有効
なフィードバックゲインを得ることができる。PID制
御のように、経験を行かしたフィードバックゲインを用
いることもできる。
【0039】これら各制御則によるフィードバックゲイ
ンを、各質量2、12、22及び設置面100から検出
した加々速度情報を基に切り替えて能動的動吸振器40
の制御を行う。切り換え規則として、例えば、各質量
2、12、22から検出した加々速度情報のうち、圧縮
機あるいは冷凍機本体12の加々速度情報が増加傾向に
あると判別した場合、制振効果を大きくするフィードバ
ックゲインに切り替えて制御を行う。また、圧縮機ある
いは冷凍機本体12の加々速度情報が減少する傾向にあ
れば、制御に消費するエネルギを抑さえるフィードバッ
クゲインに切り替えて制御を行う。長期間に渡り、整備
が行えない圧縮機あるいは冷凍機であれば、ロバスト性
の多いフィードバックゲインを主に用いて、必要に応じ
て切り換えを行う等である。
ンを、各質量2、12、22及び設置面100から検出
した加々速度情報を基に切り替えて能動的動吸振器40
の制御を行う。切り換え規則として、例えば、各質量
2、12、22から検出した加々速度情報のうち、圧縮
機あるいは冷凍機本体12の加々速度情報が増加傾向に
あると判別した場合、制振効果を大きくするフィードバ
ックゲインに切り替えて制御を行う。また、圧縮機ある
いは冷凍機本体12の加々速度情報が減少する傾向にあ
れば、制御に消費するエネルギを抑さえるフィードバッ
クゲインに切り替えて制御を行う。長期間に渡り、整備
が行えない圧縮機あるいは冷凍機であれば、ロバスト性
の多いフィードバックゲインを主に用いて、必要に応じ
て切り換えを行う等である。
【0040】加々速度情報を用いていることから、制振
対象の振動状態をいち早く検出でき、フィードバックゲ
イン切り換え時期の最適化を図ることができる。さら
に、第3の実施例に比べて設置面100の加々速度情報
を測定していることから、設置面100から伝わる加振
外乱が、増大あるいは減少の傾向にあるかを早期に判定
できる利点がある。加振外乱の規模が増大する傾向にあ
れば、制振効果の大きなフィードバックゲインに切り替
えるなど、さらに精度、信頼性の高いフィードバックゲ
イン切り替えを行うことができる。
対象の振動状態をいち早く検出でき、フィードバックゲ
イン切り換え時期の最適化を図ることができる。さら
に、第3の実施例に比べて設置面100の加々速度情報
を測定していることから、設置面100から伝わる加振
外乱が、増大あるいは減少の傾向にあるかを早期に判定
できる利点がある。加振外乱の規模が増大する傾向にあ
れば、制振効果の大きなフィードバックゲインに切り替
えるなど、さらに精度、信頼性の高いフィードバックゲ
イン切り替えを行うことができる。
【0041】
【発明の効果】フィードバックゲインあるいは振動制御
信号成形に当たっての処理方法の切り替えに加々速度情
報を用いることで、振動体の振動状況や振動体を加振す
る外力の規模を早期に判定し、切り換え時期の最適化を
図ることができることから、精度、信頼性、ともに高機
能な制振機構を構築できる。
信号成形に当たっての処理方法の切り替えに加々速度情
報を用いることで、振動体の振動状況や振動体を加振す
る外力の規模を早期に判定し、切り換え時期の最適化を
図ることができることから、精度、信頼性、ともに高機
能な制振機構を構築できる。
【図1】図1は、第1の実施例の構成図を示す。
【図2】図2は、第2の実施例の構成図を示す。
【図3】図3は、第3の実施例の構成図を示す。
【図4】図4は、第4の実施例の構成図を示す。
1、21 アクチュエータ 2 付加質量 12、22 可動質量 3、13、23 剛性成分 4、14、24 減衰成分 5、6、15、25 検出器 20 圧縮部 26 圧縮用コントローラ 31 制御用コントローラ 40 能動的動吸振器 50 振動体 100 振動体の設置面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山門 誠 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内
Claims (12)
- 【請求項1】 振動体から検出した、変位、速度、加速
度、温度、圧力等の状態量を基に振動制御信号を成形
し、前記振動制御信号成形の処理方法を振動状態により
切り替えて用いる振動体の制振機構において、前記振動
制御信号成形の処理方法の切り替えに、加々速度情報を
用いることを特徴とする制振機構。 - 【請求項2】 振動体に取り付けられ、アクチュエー
タ、付加質量、前記付加質量に設けた剛性成分及び減衰
成分などから構成される能動的動吸振器と、前記振動体
から検出した信号を基に、前記振動体の振動を制御する
振動制御信号を成形して、前記能動的動吸振器の前記ア
クチュエータへ出力する制御用コントローラとを備え、
前記制御用コントローラに、予め決定した複数個のフィ
ードバックゲインを記憶させ、前記フィードバックゲイ
ンの切り替えを加々速度情報を基に行うことを特徴とす
る制振機構。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の制振機構におい
て、前記振動制御信号成形の処理方法の切り替えに、前
記振動体に設けた複数あるいは1つの振動検出部の加々
速度情報を用いることを特徴とする制振機構。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の制振機構におい
て、前記振動制御信号成形の処理方法の切り替えに、前
記振動体を振動させる振動源あるいは外乱源の加々速度
情報を用いることを特徴とする制振機構。 - 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の制振機構
において、前記加々速度情報の検出には、前記変位、速
度、加速度、温度、圧力等の状態量によらないで、前記
加々速度情報を直接測定できる加々速度検出器を用いる
ことを特徴とする制振機構。 - 【請求項6】 複数階建ての建築物(50)を構成する複数
個の可動質量(12)とそれぞれの可動質量(12)に設けた剛
性成分(13)及び減衰成分(14)と、前記建築物の1以上の
任意の階に設置され、アクチュエータ(1)、付加質量
(2)、前記付加質量(2)に設けた剛性成分(3)及び減衰成
分(4)などから構成される能動的動吸振器(40)と、前記
建築物(50)の複数個の可動質量(12)及び前記能動的動吸
振器(40)の付加質量(2)に設置され、前記可動質量(12)
及び前記付加質量(2)の、変位、速度、加速度、及び加
々速度情報を検出する検出器(15)と、前記検出信号を基
に前記建築物の振動を制御する振動制御信号を成形して
前記能動的動吸振器(40)のアクチュエータ(1)へ出力す
る制御用コントローラ(31)とからなり、前記制御用コン
トローラ(31)は、予めいくつかの振動制御信号成形処理
方法を基に決定した複数個のフィードバックゲインを記
憶し、前記検出器(15)による加々速度情報に基づいて前
記フィードバックゲインを随時切り替えて前記能動的動
吸振器(40)の制御を行うことを特徴とする加々速度情報
を用いた制振機構。 - 【請求項7】 請求項6記載の加々速度を用いた制振機
構において、前記建築物(50)の設置面(100)の変位、速
度、加速度、及び加々速度情報を検出する検出器(6)を
設け、前記可動質量(12)及び前記付加質量(2)と前記設
置面(100)とから検出した加々速度情報に基づいて、前
記フィードバックゲインを随時切り替えて前記能動的動
吸振器(40)の制御を行うことを特徴とする加々速度情報
を用いた制振機構。 - 【請求項8】 圧縮機あるいは冷凍機の本体(50)を構成
する本体質量(12)、前記本体質量に設けた剛性成分(13)
及び減衰成分(14)と、前記圧縮機あるいは冷凍機の本体
の圧縮部を構成する圧縮用アクチュエータ(21)、可動質
量(22)、前記可動質量に設けた剛性成分(23)及び減衰成
分(24)と、前記本体質量(12)に設けられた能動的動吸振
器(40)を構成するアクチュエータ(1)、付加質量(2)、前
記付加質量に設けた剛性成分(3)及び減衰成分(4)とから
なり、前記本体質量(12)、前記可動質量(22)及び前記付
加質量(2)に設置した変位、速度、加速度、及び加々速
度を検出する検出器(5)、(15)、(25)と、前記検出信号
を基に前記圧縮機あるいは冷凍機の振動を制御する振動
制御信号を成形して前記能動的動吸振器(40)のアクチュ
エータ(1)へ出力する制御用コントローラ(31)とを備
え、前記制御用コントローラ(31)は、予めいくつかの振
動制御信号成形処理方法を基に決定した複数個のフィー
ドバックゲインを記憶し、前記検出器(5)、(15)、(25)
による加々速度情報に基づいて前記フィードバックゲイ
ンを随時切り替えて前記能動的動吸振器の制御を行うこ
とを特徴とする加々速度情報を用いた制振機構。 - 【請求項9】 請求項8記載の加々速度を用いた制振機
構において、前記圧縮機あるいは冷凍機の設置面(100)
の変位、速度、加速度、及び加々速度情報を検出する検
出器(6)を設け、前記検出器(6)及び前記検出器(5)、(1
5)、(25)から検出した加々速度情報に基づいて、前記フ
ィードバックゲインを随時切り替えて前記能動的動吸振
器の制御を行うことを特徴とする加々速度情報を用いた
制振機構。 - 【請求項10】 請求項6、7、8又は9記載の制振機
構において、前記加々速度情報の検出には、前記変位、
速度、加速度、温度、圧力等の状態量によらないで、前
記加々速度情報を直接測定できる加々速度検出器を用い
ることを特徴とする制振機構。 - 【請求項11】 請求項6又は7記載の加々速度を用い
た制振機構を備える建築物。 - 【請求項12】 請求項8又は9記載の加々速度を用い
た制振機構を備える圧縮機又は冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16657694A JPH0828624A (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 加々速度情報を用いた制振機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16657694A JPH0828624A (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 加々速度情報を用いた制振機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0828624A true JPH0828624A (ja) | 1996-02-02 |
Family
ID=15833835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16657694A Pending JPH0828624A (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 加々速度情報を用いた制振機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0828624A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302204A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Toyota Motor Corp | 走行制御装置 |
JP2009175946A (ja) * | 2008-01-23 | 2009-08-06 | Okuma Corp | 位置制御装置 |
-
1994
- 1994-07-19 JP JP16657694A patent/JPH0828624A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302204A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Toyota Motor Corp | 走行制御装置 |
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