JP2003206979A - 振動制御方法 - Google Patents

振動制御方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なロバスト性を得られるようにする。 【解決手段】 所要の駆動力fdrivにて動吸振器2の駆
動マスmを駆動して振動させる場合の運動方程式が、
上記駆動マスが任意の周波数gωに同調するときの運動
方程式に等価となるための駆動力fdrivを算出する。駆
動マスmの取付位置における主構造1の主マスm
速度に比例した力G・(d/dt)xを、駆動力f
drivに加算してなる力を制御力として、駆動マスm
作用させて振動させることにより、主構造1の振動を抑
制させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は吊り橋のタワーや高
層ビルディング等の構造物に設置した動吸振器を駆動し
て振動させることにより上記構造物の振動を抑制する振
動制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】たとえば、吊り橋の主塔や高層ビルディ
ング等の構造物では、風荷重や地震等により振動が発生
した場合に、振動制御を行ってその振動を抑制すること
が望まれる。このような振動制御を行うための手段の1
つとしては、制振対象となる構造物(主構造)の上部に
動吸振器を設置して、該動吸振器の質量(駆動マス)
を、上記主構造の揺れに対して所要位相ずらして振動さ
せることにより、上記主構造の振動を抑制させるものが
ある。 【0003】この場合、図6にマス−ばね構造のモデル
を示す如く、主構造1の質量(主マス)、ばね定数、減
衰係数をそれぞれm、k、cとし、且つ動吸振器
2の駆動マス、ばね定数、減衰係数をそれぞれm、k
、cとし、更に、上記主マスの絶対変位をx、駆
動マスの絶対変位をxとして、駆動マスの主マスに対
する相対変位をz、すなわち、 z=x−x とすると、上記動吸振器2の運動方程式は、 ここで、 となり、このことから、上記動吸振器2は、固有振動数
(上記運動方程式の変位の項の係数の平方根)ωを有
することが明らかとなる。したがって、主構造1の制振
を行うために動吸振器2を単に設置しただけでは、主構
造1と動吸振器2との同調周波数は、上記動吸振器2の
固定した固有振動数ωの近くの帯域のみとなり、この
帯域でしか制振効果が得られないため、主構造1に広帯
域の外乱が作用する場合、その帯域全体に亘ってよい制
振効果を発揮できないという問題がある。 【0004】そのために、従来、上記と同様にして主構
造1の上部に設置した動吸振器2の駆動マスを、所要の
駆動力にて駆動することにより、上記主構造1の振動低
減をより能動的に達成する手法が開発されてきている。
この種の動吸振器2における駆動マスの駆動方法として
は、各種のアクティブ制御理論に従った方法や、主構造
1の振動制御のロバスト性(制御対象となる主構造のモ
デル化誤差、固有振動数等のパラメータの変動があって
も制御効果が劣化しない性質)を改善すべくH無限大制
御理論を用いた方法を採ることが提案されている。 【0005】従来提案されている上記アクティブ制御理
論としては、LQR最適制御(背戸・光田、日本機械学
会論文集,57-542,C(1991),3393-3399.)や、準最適
制御(渡辺・吉田、日本機械学会論文集,58-546,C(19
92),394-400.)や、出力フィードバック制御(Tanida,
K.,Koike,Y.,Mutaguchi,M.,Kakutani,T.,Tachiban
a,T.,and Arai,Y.“Control of Bending-Torsion Stru
ctural Vibration Using a Pair of Hybrid Mass Dampe
rs,”Proc. First Int. Conf. MOVIC, 1992, pp.237-24
2.)等の制御理論に従って動吸振器の駆動マスを駆動す
る方法、及び、Franchek, M.A., Ryan, M.W., and Bern
hard, R.J., 1995,“Adaptive PassiveVibration Contr
ol,”J. of Sound and Vibration, 189, PP.565-585.に
て示される如く、動吸振器の固有振動数を変えたときの
応答の変化から該動吸振器のパラメータの最適値を見出
す方法、或いは、Yuan, J., 2000,“Hybrid VibrationA
bsorption by Zero/Pole-Assignment,”ASME J. of Vib
ration and Acoustics,122, pp.466-469.にて示される
如く、制御則の伝達関数を未定定数を含む形に表し、そ
れらの値を振動系の極やゼロ点が希望する値になるよう
に決める方法、更には、Jalili, N. and Olgac, N., 20
00,“A Sensitivity Study on OptimumDelayed Feedbac
k Vibration Absorber,” ASME J. of Dynamic System
s, Measurement, and Control, 122, pp.314-321.に示
された如き動吸振器をむだ時間要素により遅らせて作動
させる方法等がある。 【0006】一方、H無限大制御理論を用いた動吸振器
の駆動マスの駆動方法として従来提案されているものと
しては、たとえば、西村・野波他2名、日本機械学会論
文集,59-559,C(1993),714-720.にて示された方法
や、小池・野波・西村・佐塚・谷田・鈴木、日本機械学
会、No.95-28、第4回「運動と振動の制御」シンポジウ
ム講演論文集、pp.209-212.に示された方法等がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところが、動吸振器2
の駆動マスを、上記従来の各種アクティブ制御理論に従
った方法によりアクティブ制御したとしても、高いロバ
スト性を得ることはできず、又、動吸振器2の駆動マス
の駆動方法として、H無限大制御理論を用いた場合であ
っても、制御対象となる主構造1のモデル化誤差の許容
範囲を設定する必要があるため、あまり高いロバスト性
を得ることができないという問題がある。 【0008】そこで、本発明は、動吸振器の駆動マスを
駆動して主構造の振動制御を行う場合に、広帯域に亘っ
て良好なロバスト制御が行えるようにする振動制御方法
を提供しようとするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、主構造に設置した動吸振器の駆動マスを
振動させることにより上記主構造の振動を抑制するよう
にする振動制御方法において、上記駆動マスを所要の駆
動力で駆動するときの動吸振器の運動方程式が、該駆動
マスが任意の周波数に同調するときの運動方程式と等価
になるようにするための駆動力を算出し、更に、該算出
された駆動力に、駆動マス取付位置における主構造の速
度に比例した力を加算してなる力を、上記動吸振器の駆
動マスの駆動力として作用させるようにする。 【0010】動吸振器の駆動マスに作用させる力の一成
分となる駆動力は、該動吸振器を任意の周波数に同調さ
せることができるように設定されるため、制振対象とな
る主構造の広帯域の振動に対して吸振作用を発揮するよ
うになる。又、上記主構造の固有振動数が変化した場合
にも、良好なロバスト制御が行われる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 【0012】図1は本発明の振動制御方法の実施の一形
態を説明するためのマス−ばね構造を示すもので、図6
と同様の構成としてあるマス−ばね構造において、駆動
マスに対して主マス上から所要の力を駆動力fdrivとし
て作用させるようにしたものである。なお、主構造1及
び動吸振器2の各種のパラメータに関して、図6に示し
たものと同一のものには同一符号が付してある。 【0013】この場合、主マスは上記駆動マスに作用さ
せる駆動力fdrivの反作用を受けるので、本系の運動方
程式は、一般に以下のようになる。 【0014】ここで、fは主構造に作用する外乱を示
す。なお、数式内にて上に・を付したパラメータは、該
パラメータの時間微分:d/dtを表し、又、上に・・を
付したパラメータは、該パラメータの2回時間微分:d
/dtを表すものとしてある(以下、本明細書の各
式中においても同様とする)。 【0015】次に、上記式(1)、(2)を辺々加えて
drivを消去し、 を用いると、 となる。一方、式(2)は、式(3)を用いてxを消
去し、mで割ると以下のように変形できる。 【0016】上記式(5)において、 である。 【0017】今ここで、動吸振器のマス駆動力を、制御
対象となる主マスの速度に比例する力とする場合を考え
てみる。 【0018】すなわち、 と仮定して、微分方程式系の式(4)、(5)の特性方
程式を導くと、 ここで、 である。したがって、フルビッツの行列式に基づく安定
条件は、 となる。 【0019】上記式(9)より、特性方程式の係数のう
ちaのみが速度比例ゲインGに依存し、aのGに関
する微分は正であるから、速度比例ゲインGの増大に伴
い式(10)の第2式の安定条件が成立しなくなること
がわかる。このため、主マスの速度に比例する力で動吸
振器2を駆動する方法は、速度比例ゲインGの増大によ
り不安定になる。 【0020】そこで、本発明の振動制御方法では、駆動
マスの運動方程式(5)が と等価になるような制御を導入するようにする。式(1
1)は、駆動マスが任意の同調周波数gωを有する場合
の運動方程式となっており(gは同調周波数の外乱周波
数ωに対する比を調整する定数である)、式(5)が固
定した同調周波数ωを有するのとは対照的である。 【0021】すなわち、式(5)と式(11)の残差が
0となるように式(5)中のfdrivを決め、速度比例の
駆動力、G・dx/dtを加算すると、動吸振器2のマ
ス駆動力は、 となる。 【0022】このとき式(5)は、 となり、系を記述する微分方程式系(4)、(13)の
特性方程式を、先ずωをsに無関係な定数とみなして導
いてみると以下のようになる。 ここで、 【0023】しかしながら、上記ωは任意周波数である
から、よく知られた関係s=iωによりa、a中の
ωは−sによって置き換えられるべきであり、その
結果、特性方程式は以下のようになる。 ここで 【0024】したがって、gを、 の範囲に選んでa>0、a>0となるようにしてお
けば、式(15)と異なりa=0であるため、フルビ
ッツの行列式に基づく安定条件は、速度比例ゲインGを
大きくしても不成立となる虞はなく、したがって制御が
不安定にならないことがわかる。 【0025】以上より、多周波数同時同調のマス駆動
力、すなわち、式(12)右辺第1項が、速度比例のマ
ス駆動による制御、すなわち、式(12)右辺第2項を
安定化させる機能を持つことがわかる。 【0026】なお、上記式(12)から明らかなよう
に、多周波数同時同調のマス駆動力の実装には2回時間
微分までが必要になるので、微分演算を広帯域で精度よ
く実行でき、且つ演算時間も少なくてすむように、以下
のアルゴリズムを導いた。 【0027】微分の伝達関数sをローパスフィルタp/
(s+p)(pは遮断周波数)を取り込んだ形として のように変形する。この第1項は比例演算で、第2項は
そのラプラス逆変換を用いて表した入力yと出力uの関
により実装する。この形では、あるデジタルサンプリン
グ時刻tでの値u(t )を決定するために過去の時
系列y(ti−j)(j=1、2、3…)が多数必要にな
り、演算上不利なので、1サンプリング周期だけ前の入
力と出力のみしか必要としない次の形に変形する。 【0028】ここで、y(ti−1)は、ti−1≦τ
≦tで一定であるという0次ホールドのデジタル近似
を用いている。ここで提案した微分演算は、位相の精度
がよく、ゲインが理想値ωより小さくなるのを補正する
係数を乗じるのみでよい精度が得られる。 【0029】このように、上記本発明の振動制御方法に
よれば、動吸振器2の運動方程式が、任意の周波数gω
に同調した形となるようにして動吸振器2のマス駆動力
dr ivを算出してあるため、動吸振器2により広帯域で
吸振作用を発揮させることができる。又、同調周波数固
定の動吸振器において制御対象となる主構造1の速度に
比例する力で動吸振器2を駆動する場合には速度比例ゲ
インの増大により制御が不安定になっていたが、本発明
の振動制御方法においては、速度比例ゲインが増大して
も制御が不安定になる虞はなく、したがって、速度比例
ゲインを大きく取ることが可能になる。更に、動吸振器
2のマス駆動力の算出に際して、制御対象となる主構造
1の運動特性を用いず、動吸振器2の同調周波数を任意
とする制御入力を加えるのみである。よって、これらの
相乗効果により、広帯域に亘って良好なロバスト制御を
行うことができる。 【0030】次に、図2及び図3は本発明の実施の他の
形態を示すもので、本発明の振動制御方法を、より複雑
な構造の主構造に適用する例として、振動制御対象とな
る主構造1を、N層からなるマス−ばね階層構造とした
ものである。図2に示したマス−ばね階層構造の各階層
は、x方向の並進変位の自由度に加え、z軸周りの回転
変位の自由度を持つ。 【0031】ここで、m及びIは、第i層の質量及
び慣性モーメントをそれぞれ示し、又、k及びK
は、第i層のi−1層に対する相対的並進・回転変位
に対するばね定数をそれぞれ示す。又、制振用として2
基の動吸振器2を用いると共に、該各動吸振器2の駆動
マスma1,ma2は、第j層に、z方向から見て図3
に示す如く設置してあるものとする。 【0032】先ず、上記マス−ばね階層構造における各
階層の運動方程式は以下のように表される。 【0033】ここで、x及びθは、それぞれ第i層
の並進変位及び回転変位(いずれも基礎に対する相対変
位)である。又、fdiは第i層に働く外乱力、mdi
は第i層に働くトルク、x及びθはそれぞれ基礎の
並進の強制変位及び回転の強制変位である。この際、回
転中心は(x,y,z)=(0,l,0)としてある。
δijはクロネッカのデルタ記号で、動吸振器2の設置
される第j層にのみ上記動吸振器2との相互作用により
[ ]の中の式で表される力とトルクが作用することを
表す。更に、z及びzは、駆動マスma1及びm
a2のそれぞれのストローク(第j層に対する相対変
位)を示し、fdriv,1及びfdriv,2は、第j層から駆動
マスma1及びma2にそれぞれ作用させる駆動力(制
御力)である。 【0034】駆動マスma1,ma2の運動方程式は、
該各駆動マスma1,ma2の基礎に対するx方向の絶
対変位が、 によって与えられるので、以下のようになる。すなわち、 ここで、 である。 【0035】式(19)で、駆動マスの設置された第j
層については、式(22)の各式をfdriv,1,fdriv,2
について解いた結果を式(19)に代入することにより
dr iv,1,fdriv,2を消去した、以下の式を用いるよう
にする。 【0036】次に、制御演算式の導出を行う。この場
合、制御則を導くために、先ず、以下のような時間変数
νとφをそれぞれ定義する。 【0037】上記ν,φはそれぞれ並進運動、回転運動
の制振のための駆動マスの運動に対応する。式(22)
を時間変数ν,φに関する方程式に変換するため、式
(25)よりz,zを、ν,φで と表し、式(26)を式(22)に代入する。この結果
より得られる2つの式より(d/dt)φを消去し
た式 と、(d/dt)νを消去した式 を導く。 【0038】並進運動、回転運動に関する動吸振器が任
意の周波数gωに対して同調する条件を課すため、式
(27a)、(27b)がそれぞれ と等価となるようにfdriv,1とfdriv,2を決定する。こ
の際、βtrans,βrotは主構造との連成を調節する係数
であるが、以下では1として調節しない場合を考える。
すなわち、式(27a),(28a)を辺々引いた式
と、式(27b),(28b)を辺々引いた式とを制御
力fdriv,1とfdriv,2に関する連立一次方程式として解
く。次に、各駆動マスma1及びma2の取り付け位置
の速度に比例する力 をそれぞれ加算して制御力fdriv,1とfdriv,2を決定
し、次式を得る。 【0039】上記式(29)の{ }中の第2項及び第
4項のωを含む部分は、s=iωの関係に基づきω
=−sであるので、ν及びφの2回時間微分により決
定できる。したがって、z及びzを検出し、これを
用いて式(25)よりν及びφを算定すれば、図1の実
施の形態におけるアルゴリズムと同様のアルゴリズムに
基づく時間微分演算によって右辺{ }中の第1項から
第4項までを決定できる。その他の項は、第j層の各駆
動マスma1及びma2の各々の取り付け位置における
加速度 を、図示しない加速度計等を用いてそれぞれ検出し、該
各加速度の積分演算により速度を求めることにより定め
られる。なお、上記式(28a),(28b)で導入し
たgは、主構造が多自由度系となっているため、図1の
実施の形態の場合に用いた式(18)で算出されるよう
に厳密に定まることはないが、0.9付近にて試行錯誤
により探すことで限界値を求めることができる。 【0040】本実施の形態における振動制御方法によれ
ば、後述する実施例の図4及び図5に示す如き数値実験
の結果から明らかなように、制御対象となる主構造1に
対して多数モードの広い周波数範囲で良い振動制御効果
を得ることができると共に、主構造1を、その階層構造
を変化させて固有振動数が大きく変化した全く別の構造
物とした場合にも、制御演算に用いるハード系及び演算
系の各パラメータを変更させることなくよい制御効果を
得ることができ、マス−ばね階層構造の主構造1の振動
制御に関して良好なロバスト性を達成することができ
る。したがって、このようなロバスト性検証が得られる
ことにより、ビル、橋の主塔を下から積み上げるように
建造する際に、建造が進行して制御対象の固有振動数等
のパラメータが著しく変動するような場合でも、制御の
ハード系、演算系のパラメータを全く変更することなく
良好な制御を行えることが示唆される。 【0041】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、動吸振器2を設置して制振を行う
ものであれば、振動を制御すべき対象としてはいかなる
構造物であってもよいこと、図1の実施の形態では主構
造1の一軸方向に関する振動制御を、又、図2及び図3
の実施の形態では主構造1の水平一軸方向及び回転方向
に関する振動制御を行うものとして示したが、振動を制
御する方向は、主構造1となる構造物の抑制すべき振動
の発生する方向に応じて任意に設定でき、この場合、主
構造1に設置する動吸振器2の数及びその方向は制御す
べき振動の方向に対応して自在に設定してよいこと、そ
の他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変
更を加え得ることは勿論である。 【0042】 【実施例】図2及び図3に示したマス−ばね階層構造モ
デルにおいて、各階層のパラメータが表1で与えられる
6層構造(N=6)で、且つ駆動マスma1及びma2
を最上階(j=6)に設置し、最上階に作用する力とモ
ーメントの外乱を、fdN=mdN=100sinωt
として、この場合に上記各駆動マスma1とma2にそ
れぞれ作用させるべき駆動力fdriv,1とfdriv,2を式
(29)に基づいて算出し、該算出された各駆動力f
driv,1及びfdriv,2にて上記各駆動マスma1及びm
a2をそれぞれ制御したときの周波数応答を求めた。 【表1】 その他のパラメータは、ma1=ma2=15kg、ω
a1=ωa2=3.14rad/s、ζa1=ζa2
0.1、l=l=0.75m、ζtrans=ζrot
0.1、ωtrans=ωrot=12rad/s、g=0.9
4、モード減衰比0.01としてある。 【0043】その結果、図4に実線Aで示す如く、多数
モードの広い周波数範囲でよい制御効果を得ることがで
きた。なお、図4中の破線Bは、比較として無制御、す
なわち、各駆動マスma1及びma2を第6層に固定し
た場合の周波数応答を示すものである。 【0044】次に、ロバスト性の検証のため、第3層か
ら第6層を取り外して2層構造(N=2)とし、且つ駆
動マスma1、ma2を第2層(j=2)に設置した階
層構造モデルに対して、他の制御のハード系、演算系の
各パラメータを上記と全く変更することなく制御演算を
行ってfdriv,1及びfdriv,2を算出し、該算出された各
駆動力fdriv,1、fdriv,2にて各駆動マスma1、m
a2を制御した場合の周波数応答を求めた。 【0045】その結果を図5に実線Cで示す。図5中の
破線Dは、各駆動マスma1、m を第2層に固定し
た無制御の場合の周波数応答を示す。制御対象は、6層
構造から2層構造へと全く別の構造物として、固有振動
数が4倍程度と大きく変動したにもかかわらず、よい制
御効果が得られていることが判明した。このことから、
良好なロバスト性が達成されていることが明らかとなっ
た。 【0046】 【発明の効果】以上述べた如く、本発明の振動制御方法
によれば、主構造に設置した動吸振器の駆動マスを振動
させることにより上記主構造の振動を抑制するようにす
る振動制御方法において、上記駆動マスを所要の駆動力
で駆動するときの動吸振器の運動方程式が、該駆動マス
が任意の周波数に同調するときの運動方程式と等価にな
るようにするための駆動力を算出し、更に、該算出され
た駆動力に、駆動マス取付位置における主構造の速度に
比例した力を加算してなる力を、上記動吸振器の駆動マ
スの駆動力として作用させるようにしてあるので、動吸
振器により広帯域で吸振作用を発揮させることができ、
又、速度比例ゲインが増大しても制御が不安定になる虞
はなく、したがって、速度比例ゲインを大きく取ること
が可能になり、更に、動吸振器のマス駆動力の算出に際
して、制御対象となる主構造の運動特性を用いず、動吸
振器の同調周波数を任意とする制御入力を加えるのみで
あることから、広帯域に亘って良好なロバスト制御を行
うことができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の振動制御方法の実施の一形態を説明す
るために用いるマス−ばね構造のモデル図である。 【図2】本発明の実施の他の形態を説明するために用い
るマス−ばね階層構造のモデル図である。 【図3】図2のマス−ばね階層構造の第j層に設置する
動吸振器の配置を示す概略平面図である。 【図4】図2のマス−ばね階層構造を6層構造として本
発明の振動制御方法による振動制御を行った場合の周波
数応答の数値実験結果を示すグラフである。 【図5】図2のマス−ばね階層構造を2層構造として本
発明の振動制御方法による振動制御を行った場合の周波
数応答の数値実験結果を示すグラフである。 【図6】主構造に動吸振器を設置した状態のマス−ばね
構造を示すモデル図である。 【符号の説明】 1 主構造 2 動吸振器 m,ma1,ma2 駆動マス fdriv,fdriv,1,fdriv,2 駆動力

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 主構造に設置した動吸振器の駆動マスを
    振動させることにより上記主構造の振動を抑制するよう
    にする振動制御方法において、上記駆動マスを所要の駆
    動力で駆動するときの動吸振器の運動方程式が、該駆動
    マスが任意の周波数に同調するときの運動方程式と等価
    になるようにするための駆動力を算出し、更に、該算出
    された駆動力に、駆動マス取付位置における主構造の速
    度に比例した力を加算してなる力を、上記動吸振器の駆
    動マスの駆動力として作用させることを特徴とする振動
    制御方法。
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