JP2006077812A - 多重動吸振器の設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 制振対象構造物の固有周波数が変化しても制振効果が損なわれないようにする。
【解決手段】 それぞれが付加質量体を有する2つの動吸振器が、制振対象構造物に弾性体を介して直列に接続されている多重動吸振器において、制振対象構造物が有する固有周波数の変動幅を設定し、設定した変動幅の範囲内において、制振対象構造物が有する固有周波数に対する制振効果が実質的に同等となるように各動吸振器のパラメータを決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、制振対象構造物の振動を抑制するために用いられる多重動吸振器の設計方法に関する。
動吸振器(DVA:Dynamic Vibration Absorber)は、主系システム(Main system)としての制振対象構造物に付加された付加質量体を有するものであって、主系システムとなるビルや橋梁、機械、車両、船舶などの多くの構造物の振動を抑制するために用いられている。一般に用いられている動吸振器は、主系システムとしての制振対象構造物に、付加系として付加質量体、バネ及びダンパが付加されたものである。
係る動吸振器として、非特許文献1に記載の並列多重動吸振器が知られている。この並列多重動吸振器は、主系システムとしての制振対象構造物に、n(n=2,3,…)個の付加系が並列に設置されたものである。また、別の動吸振器として、非特許文献2には、直列動吸振器が記載されている。この直列動吸振器は、主系システムとしての制振対象構造物に、2個の付加系が直列に設置されたものである。これらの多重動吸振器によると、付加系が1つだけの場合よりも、主系システムである制振対象構造物の振動抑制効果を大きくすることが可能となる。
神谷圭二、外3名、「多重動吸振器の最適設計法」、日本機械学会論文集(C編)、1996年9月、62巻、601号 藤田聡、外5名、「副質量を有する建物制振用マスダンパに関する研究」、日本機械学会論文集(C編)、1995年7月、61巻、587号
このような多重動吸振器においては、経年変化等で制振対象構造物の固有周波数が変化して、制振対象構造物の固有周波数と多重動吸振器が制振対象とする周波数とが一致しなくなったときに、制振対象構造物に対する制振効果が著しく低下することがある。多重動吸振器が制振対象とする周波数を、多重動吸振器における変化後の固有周波数に変更するためには、多重動吸振器の付加質量体をジャッキアップしてバネやダンパを調整したり取り替えたりしなければならない。しかしながら、このような作業が繁雑であるばかりか、多重動吸振器の設置場所によってはこのような作業を実施することできない場合もある。
そこで、本発明の主たる目的は、制振対象構造物の固有周波数が変化しても制振効果を損ないにくい多重動吸振器の設計方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の多重動吸振器の設計方法は、それぞれが付加質量体を有する複数の動吸振器が、制振対象構造物に弾性体を介して直列又は並列に接続される多重動吸振器の設計方法であって、前記制振対象構造物が有する固有周波数の変動幅を設定する変動範囲設定工程、及び、前記変動幅の範囲内において、振動応答に対する制振効果が実質的に同等となるように前記多重動吸振器のパラメータを決定するパラメータ決定工程を備えている。
本発明によると、制振対象構造物の固有周波数が変動した場合でも効率よく制振効果を損ないにくいロバストな多重動吸振器を設計することができる。これにより、制振対象構造物の固有周波数の変動が変動幅の範囲内であれば、多重動吸振器のパラメータを変更する必要がなくなる。
本発明においては、前記パラメータ決定工程において、前記変動幅の範囲の前記固有周波数を取り込んだ前記制振対象構造物及び前記多重動吸振器を含む系の伝達関数を求め、前記伝達関数のコンプライアンス、アクセレランス、及びモビリティの少なくともいずれかの最大値が最も低くなるように前記多重動吸振器のパラメータを決定してもよい。
または、前記パラメータ決定工程において、前記変動幅の範囲の前記固有周波数を取り込んだ前記制振対象構造物及び前記多重動吸振器を含む系における、定常的白色雑音入力に対する応答変位の分散が最小になるように、前記多重動吸振器のパラメータを決定してもよい。
または、前記パラメータ決定工程において、前記変動幅の範囲の前記固有周波数を取り込んだ前記制振対象構造物及び前記多重動吸振器を含む系における、自由振動応答曲線の2乗積分値が最小になるように、前記多重動吸振器のパラメータを決定してもよい。
または、前記パラメータ決定工程において、前記変動幅の範囲の前記固有周波数を取り込んだ前記制振対象構造物及び前記多重動吸振器を含む系の状態方程式を求め、前記状態方程式のシステム行列における固有値の実数部の最大値が最小になるように、前記多重動吸振器のパラメータを決定してもよい。これらによると、様々な系を有する制振システムに対応することができる。
本発明においては、前記パラメータ決定工程において決定される前記多重動吸振器のパラメータが、前記制振対象構造体に対する前記付加質量体の質量比、前記制振対象構造体に対する前記動吸振器の単独系としての固有周波数の比、及び前記動吸振器の単独系としての減衰比であり、前記パラメータ決定工程において、数値解析により前記多重動吸振器のパラメータを決定することが好ましい。これによると、最も制振効果の高いパラメータを決定することができる。
または、本発明においては、前記パラメータ決定工程において決定される前記多重動吸振器のパラメータが、前記制振対象構造体に対する前記付加質量体の質量比、前記制振対象構造体に対する前記動吸振器の単独系としての固有周波数の比、及び前記動吸振器の単独系としての減衰比であり、前記パラメータ設定工程において、前記質量比の総計である総質量比に基づく各パラメータ値の変化を示す近似式を数値解析によって求め、求められた前記近似式に基づいて前記多重動吸振器のパラメータを決定することが好ましい。これによると、必要な条件を近似式に当てはめるという簡単な操作でパラメータを決定することができる。したがって、多重動吸振器の設計時間を大幅に短縮することができる。
以下、本発明に係る実施の形態である多重動吸振器の設計方法であるにロバスト最適設計方法ついて図面を参照しつつ説明する。
多重動吸振器の設計とは、各動吸振器の質量、ばね定数及び減衰係数の値をパラメータとして決定することである。従来、パラメータの最適化を行う際には、これらの値のみが注目されていた。本実施の形態においては、主系システムの固有周波数が変動幅(ロバスト調整幅:Robust range)を有していることを考慮して多重動吸振器の設計、つまりパラメータの最適化を行う。これにより、主系システムの固有周波数の変化に対してロバストな制御系を構築することができる。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態であるロバスト最適設計方法においては、経験則などから予想される主系システムの変動幅を設定し(変動範囲設定工程)、これに基づいて最適化されたパラメータを決定する(パラメータ決定工程)。
以下、パラメータの決定方法について説明する。パラメータを最適化するため、対象となる多重動吸振器の制振特性を評価する評価関数を設定する。この評価関数は、制振システムの伝達関数に基づいて設定される。そこで、一例として、直列二重動吸振器、及び並列多重動吸振器を備えた各主系システムの伝達関数の求め方について説明する。
<直列二重動吸振器:Two-series-mass DVA>
まず、図1を参照して、多重動吸振器の1つである直列二重動吸振器について説明する。図1は、直列二重動吸振器を用いた制振システムの模式図である。図1に示すように、制振対象構造物(質量M)は、鉛直方向(変位x)に振動可能な状態でバネ(ばね定数K)及びダンパ(減衰係数C)を介して地面に支持されている。また、第1の付加質量体(質量m1)は、鉛直方向(変位y1)に振動可能な状態でバネ(ばね定数k1)及びダンパ(減衰係数c1)を介して制振対象構造物に支持されており、第2の付加質量体(質量m2)は、鉛直方向(変位y2)に振動可能な状態でバネ(ばね定数k2)及びダンパ(減衰係数c2)を介して第1の付加質量体に支持されている。つまり、2つの動吸振器(主系システムに近い側の第一動吸振器(First DVA)と、これに接続された第二動吸振器(Second DVA))が制振対象構造物に対して直列2段に接続された構成になっている。また、制振対象構造物と、これを支持しているバネ及びダンパとで構成される主系システムの固有周波数は、所定の変動幅(変動幅b)を有している。
図1に示した制振システムの運動方程式は、主系システムに働く外力をf(=F0sinωt)としたとき、次の式(1)〜(3)のように表される。
Figure 2006077812
さらに、式(1)〜(3)の係数(M、K、C、m1、k1、c1、m2、k2、c2)を無次元化すると、制振システムの運動方程式は次の式(4)〜(6)のように表される。
Figure 2006077812
このとき、uは、総質量比(質量Mに対する付加質量の総計の比)であり、u1、u2(u=u1+u2)は、質量Mに対する質量m1、m2の質量比である。また、Zは主系システムの減衰比であり、p1、p2は第1及び第2の付加質量体の単独系としての鉛直方向の固有周波数fm1、fm2と制振対象構造物の単独系としての鉛直方向の固有周波数fMとの比である。なお、zi(z1、z2)/pi(p1、p2)は、第一動吸振器及び第二動吸振器の減衰比ζi(ζ1、ζ2)に相当する。
そして、主系システムに働く外力を入力とし主系システムの変位を出力とする伝達関数G(s)を、式(4)〜(6)に基づくラプラス変換により求める。伝達関数G(s)は次の式(7)のように表される。
Figure 2006077812
このとき、uは、総質量比(質量Mに対する付加質量の総計の比)であり、u1、u2(u=u1+u2)は、質量Mに対する質量m1、m2の質量比である。また、Zは主系システムの減衰比であり、p1、p2は付加質量体の単独系としての鉛直方向の固有周波数fm1、fm2と制振対象構造物の単独系としての鉛直方向の固有周波数fMとの比である。なお、z1/p1、z2/p2は、動吸振器の減衰比ζ1、ζ2に相当する。
<並列多重動吸振器:multi-parallel-mass DVA>
次に、図2を参照して、多重動吸振器の1つである並列多重動吸振器について説明する。図2は、並列多重動吸振器を用いた制振システムの模式図である。図2に示すように、制振対象構造物(質量M)は、鉛直方向(変位x)に振動可能な状態でバネ(ばね定数K)及びダンパ(減衰係数C)を介して地面に支持されている。また、第iの付加質量体(質量mi)は、鉛直方向(変位yi)に振動可能な状態でバネ(ばね定数ki)及びダンパ(減衰係数ci)を介して制振対象構造物に並列に支持されている。つまり、i個の動吸振器が制振対象構造物に対して並列に接続された構成になっている(但し、iは2以上の自然数)。また、制振対象構造物と、これを支持しているバネ及びダンパとで構成される主系システムの固有周波数は、所定の変動幅(変動幅b)を有している。
図2に示した制振システムの運動方程式は、主系システムに働く外力をf(=F0sinωt)としたとき、次の式(8)、式(9)のように表される。
Figure 2006077812
さらに、式(8)、式(9)の係数(M、K、C、mi、ki、ci)を無次元化し、さらに、これをラプラス変換して、主系システムに働く外力を入力とし主系システムの変位を出力とする伝達関数G(s)を求める。伝達関数G(s)は次の式(10)のように表される。
Figure 2006077812
このとき、uは、総質量比(質量Mに対する付加質量の総計の比)であり、ui(u=u1+・・・+ui)は、質量Mに対する質量miの質量比である。また、Zは主系システムの減衰比であり、piは付加質量体の単独系としての鉛直方向の固有周波数fmiと制振対象構造物の単独系としての鉛直方向の固有周波数fMとの比である。なお、zi/piは、動吸振器の減衰比ζiに相当する。
なお、各質量、ばね定数及び減衰係数の値を無次元化したときには、上述した、総質量比、各動吸振器の質量比、付加質量体の単独系としての鉛直方向の固有周波数と制振対象構造物の単独系としての鉛直方向の固有周波数との比、及び付加質量体の単独系としての減衰比が多重動吸振器のパラメータとなる。
<評価関数の設定:周波数応答関数整形法(定点理論 Fixed Points Theory:FPT)>
パラメータの決定においては、主系システムである制振対象構造物のコンプライアンスの最大値を最小にするパラメータを求めるという手法を用いる(コンプライアンス最小化問題)。伝達関数から周波数成分を導くため、伝達関数を周波数伝達関数(s→jω)にすると共に、角振動数ωと変動幅bとを引数とし、周波数伝達関数の最大コンプライアンスを導出する評価関数を設定する。そして、評価関数の値が最小となるように各パラメータを決定する。この評価関数は、式(11)のように表される。
Figure 2006077812
<直列二重動吸振器におけるパラメータ特性>
総質量比uと変動幅bとが予め与えられるものとすれば、式(8)に基づき数値最適化手法(数値解析)を用いてパラメータの最適化を行うことができる。例えば、上述した、直列二重動吸振器において、総質量比を0.005〜0.20の範囲(単に実用的な範囲として例示する範囲に過ぎない)で、数値最適化手法により最適化されたパラメータの特性を図3に示す。図3(a)は、第1の付加質量体の質量比u1、及び第2の付加質量体の質量比u2の特性を示した図であり、図3(b)は、固有周波数比p1、p2の特性を示した図であり、図3(c)は、減衰比ζ2の特性を示した図である。なお、図3においては、動吸振器の総質量比uを横軸にとり、各動吸振器の最適値を縦軸に示している。また、図中の矢印は変動幅bが0%〜20%に向かって変化したときに、これらのパラメータが変化する方向を示している。
図3(a)に示すように、総質量比uが大きくなるに伴って、質量比u1、u2が共に大きくなっている。また、変動幅bが増加するに伴って、質量比u1が小さくなる傾向を示し、質量比u2が大きくなる傾向を示している。
図3(b)に示すように、総質量比uが大きくなるに伴って、固有周波数の比p1が増加していると共に、固有周波数の比p2が減少している。このとき、固有周波数の比p1は1より若干大きく(p1>1)、固有周波数の比p2は1より若干小さく(p2<1)なっている。また、変動幅bが増加するに伴って、第1の付加質量体の固有周波数の比p1が大きくなる傾向を示し、第2の付加質量体の固有周波数の比p2が小さくなる傾向を示している。
さらに、図3(c)に示すように、総質量比uが大きくなるに伴って、減衰比ζ2が増加している。変動幅bが増加するに伴って、第2の付加質量体の減衰比ζ2が大きくなる傾向を示している。なお、第1の付加質量体の減衰比ζ1は常に0.0001となっており、実質的にゼロであるため、図中に表れていない。
<並列二重動吸振器(Two-parallel-mass DVA)におけるパラメータ特性>
上述した、並列多重動吸振器においては、総質量比uが予め与えられていれば、各付加質量体の質量比を均等と考えてよい。例えば、第一動吸振器(First DVA)と第二動吸振器(Second DVA)とが制振対象構造物に並列に接続されている並列二重動吸振器の場合に、総質量比を0.005〜0.20の範囲で、数値最適化手法により最適化されたパラメータの特性を図4に示す。図4(a)は、第一動吸振器における固有周波数の比p1と減衰比ζ1との特性を示した図であり、図4(b)は、第二動吸振器における固有周波数の比p2と減衰比ζ2との特性を示した図である。なお、図4においては、動吸振器の総質量比uを横軸にとり、各動吸振器の最適値(Optimal parameters)を縦軸に示している。また、図中の矢印は変動幅bが0%〜20%に向かって変化したときに、これらのパラメータが変化する方向を示している。
図4(a)に示すように、総質量比uが大きくなるに伴って、固有周波数の比p1が小さくなっていると共に減衰比ζ1が若干大きくなっている。また、変動幅bが増加するに伴って、固有周波数の比p1が小さくなる傾向を示し、減衰比ζ1が大きくなる傾向を示している。
図4(b)に示すように、総質量比uが大きくなるに伴って、固有周波数の比p2が若干小さくなっていると共に減衰比ζ2が大きくなっている。また、変動幅bが増加するに伴って、固有周波数の比p2及び減衰比ζ2が大きくなる傾向を示している。
<並列四重動吸振器(Four-parallel-mass DVA)におけるパラメータ特性>
さらに、第一動吸振器(First DVA)と第二動吸振器(Second DVA)と第三動吸振器(Third DVA)と第四動吸振器(Forth DVA)とが制振対象構造物に並列に順に接続されている並列四重動吸振器の場合に、総質量比を0.01〜0.20の範囲で、数値最適化手法により最適化された各パラメータ特性を図5に示す。図5(a)は、第一動吸振器における固有周波数の比p1と減衰比ζ1との特性を示した図であり、図5(b)は、第二動吸振器における固有周波数の比p2と減衰比ζ2との特性を示した図であり、図5(c)は、第三動吸振器における固有周波数の比p3と減衰比ζ3との特性を示した図であり、図5(d)は、第四動吸振器における固有周波数の比p4と減衰比ζ4との特性を示した図である。なお、図5においては、動吸振器の総質量比uを横軸にとり、各動吸振器の最適値(Optimal parameters)を縦軸に示している。また、図中の矢印は変動幅bが0%〜20%に向かって変化したときに、これらのパラメータが変化する方向を示している。
図5(a)、図5(b)に示すように、総質量比uが大きくなるに伴って、固有周波数の比p1、p2が小さくなっていると共に減衰比ζ1、ζ2が若干大きくなっている。また、変動幅bが増加するに伴って、固有周波数の比p1、p2が小さくなる傾向を示し、減衰比ζ1、ζ2が大きくなる傾向を示している。
図5(c)、図5(d)に示すように、総質量比uが大きくなるに伴って、固有周波数の比p3、p4が若干小さくなっていると共に減衰比ζ3、ζ4が大きくなっている。また、変動幅bが増加するに伴って、固有周波数の比p3、p4及び減衰比ζ3、ζ4が大きくなる傾向を示している。
このように、式(8)の評価関数に基づいて、数値最適化手法により最適化された各パラメータの値を用いることにより、最も効果的なパラメータを決定することができる。これにより、制振対象構造物の固有周波数が変動した場合でも効率よく制振することができるロバストな多重動吸振器を設計することができる。これにより、主系システムの固有周波数の変動が変動幅の範囲内であれば、多重動吸振器のパラメータを変更する必要がなくなる。
<実用近似式によるパラメータ最適化>
しかしながら、数値最適化手法は膨大な計算時間を必要とする。そこで、数値最適化手法により求められた結果に基づいて、パラメータを決定するための実用式を多項式近似として予め求めておき、求められた実用近似式に条件を当てはめて各パラメータを決定するようにしてもよい。例えば、直列二重動吸振器においては、図3の結果に基づいて求められた、パラメータ(u1、u2、p1、p2、ζ1、ζ2)を決定するための実用近似式が、式(12)〜式(17)のように表される。
Figure 2006077812
また、並列二重動吸振器においては、図4の結果に基づいて求められた、パラメータ(u1、u2、p1、p2、ζ1、ζ2)を決定するための実用近似式が、式(18)〜式(22)のように表される。
Figure 2006077812
さらに、並列四重動吸振器においては、図5の結果に基づいて求められた、パラメータ(u1、u2、u3、u4、p1、p2、p3、p4、ζ1、ζ2、ζ3、ζ4)を決定するための実用近似式が、式(23)〜式(31)のように表される。
Figure 2006077812
このように、実用近似式を用いてパラメータを決定することにより、必要な条件を近似式に当てはめるという簡単な操作でパラメータを決定することができる。したがって、多重動吸振器の設計時間を大幅に短縮することができる。
また、本実施の形態においては、評価関数を運動方程式から導かれる伝達関数に基づいて設定しているため、様々な系を有する制振システムに対応することができる。
<シミュレーション>
以上、説明したロバスト最適設計方法による制振効果をシミュレーションにより検証する。設計対象となる多重動吸振器の総質量比uは5%であり、主系システムの減衰は25%である。そして、主系システムの固有周波数の変動幅を10%に設定した。図6〜図8は、主系システムの固有周波数を、基準周波数であるf0、f0の−5%、f0の5%、f0の−10%、及びf0の10%に変化させ、それぞれにおいてコンプライアンスの周波数特性(Frequency ratio)を示したものである。なお、ロバスト最適設計方法により設計された直列二重動吸振器の制振効果を図6(a)に、並列二重動吸振器の制振効果を図7(a)に、並列四重動吸振器の制振効果を図8(a)に示す。また、比較のため、変動幅を考慮せずにパラメータの最適化を行うコンプライアンス最適設計方法により設計された直列二重動吸振器の制振効果を図6(b)に、並列二重動吸振器の制振効果を図7(b)に、並列四重動吸振器の制振効果を図8(b)に示す。また、図6〜図8に基づいて、直列二重動吸振器、並列二重動吸振器、及び並列四重動吸振器ごとに、ロバスト最適設計方法及びコンプライアンス最適設計方法を用いた場合の固有周波数におけるコンプライアンスの最大値を比較したものを表1に示す。
Figure 2006077812
図6(a)、図7(a)、図8(a)及び表1に示すように、ロバスト最適設計方法を用いた場合においては、主系システムの固有周波数の変動範囲の全てにおいて、安定した制振効果を確認することができる。これに対して、図6(b)、図7(b)、図8(b)及び表1に示すように、コンプライアンス最適設計方法を用いた場合においては、主系システムの固有周波数がf0のときには最も高い制振効果を確認することができるが、固有周波数が変動したときには急激に制振効果が損なわれる。つまり、ロバスト最適設計方法は、基準となる固有周波数f0においては、制振効果が若干損なわれるが、変動範囲においては一定の制振効果を有している。
ロバスト最適設計方法において、設定される変動幅と制振効果とは密接な関係がある。直列二重動吸振器、並列二重動吸振器、及び並列四重動吸振器ごとに、変動幅と制振効果との関係を表2に示す。表2に示すように、変動幅が狭くなるほどコンプライアンスの最大値が小さくなって制振効果が高くなる。そして、変動幅を0%に設定するとコンプライアンス最適設計方法と一致することになる。
Figure 2006077812
<実験>
ロバスト最適設計方法による制振効果を実験結果により検証する。本実験において使用された制振システムの模式図を図9に示す。本制振システムに使用された直列二重動吸振器のパラメータをロバスト最適設計方法により決定した。各パラメータの内容を表3に示す。図9及び表3に示すように、主系システムは、2540kgの常磐(制振対象構造物)3とこれを支持している積層ゴム(layer built rubber)4とで構成されている。この積層ゴム4の積層枚数を変化させることにより主系システムの固有周波数を3.6Hz、4.0Hz、4.4Hzに変化させることができる。常磐3上には、第一及び第二の動吸振器を備える直列二重動吸振器2が支持されている。また、第一及び第二の動吸振器のバネ要素は板バネである。第二の動吸振器の付加質量体を支持している板バネをシリコンオイルに浸漬することにより第一の動吸振器と第二の動吸振器との間のダンパを形成している。
Figure 2006077812
本制振システムのシミュレーション結果を図10に、実験結果を図11に、図10のシミュレーション結果と図11の実験結果とを重ね合わせたものを図12に示す。縦軸は、地面加速度から主系加速度までの伝達率(Transmission)を、横軸は主系システムの振動周波数(Frequency)をそれぞれ示している。図10〜図12に示すように、ロバスト最適設計方法により最適化された直列二重動吸振器は、主系システムの固有周波数が3.6Hz〜4.4Hzの間で変動しても一定の制振効果を維持することができる。また、直列二重動吸振器が取り付けられているときの加速度伝達率の最大値は約15.5dBであり、直列二重動吸振器が取り付けられてないときの加速度伝達率の最大値が約27.1dBであることから、直列二重動吸振器が取り付けることにより加速度伝達率を最大11.6dB低減することを確認できる。さらに、シミュレーションの結果と実測値の結果とが一致していることも確認できる。
<変形例>
このように、本実施の形態においては、コンプライアンスの最大値を最小にするという条件で最適パラメータを決定する構成であるが、各多重動吸振器において、アクセレランス及びモビリティの少なくともいずれかの最大値を最小にするという条件で最適パラメータを決定する構成であってもよい。アクセレランスの最大値を最小にするという条件に基づく評価関数を式(32)に示す。また、モビリティの最大値を最小にするという条件に基づく評価関数を式(33)に示す。なお、この場合にも、コンプライアンスの最大値を最小にするという条件で最適パラメータを決定する場合と同様の結果を得ることができる。また、車などの乗り心地特性のようにコンプライアンスなどの伝達関数に周波数重みをつけた伝達関数を評価関数とすることも本願手法の一部である。
Figure 2006077812
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態のロバスト最適設計方法について説明する。本実施の形態のロバスト最適設計方法においては、経験則などから予想される主系システムの変動幅bを設定し(変動範囲設定工程)、これに基づいて最適化されたパラメータを決定する(パラメータ決定工程)。以下、パラメータ決定方法、特にパラメータを最適化するための評価関数の設定について説明する。なお、対象となる多重動吸振器の構造、運動方程式及び伝達関数などは、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
<評価関数の設定:不規則入力に対する最小分散規範(Minimum Variance Criterion:MVC)>
パラメータの決定においては、主系システムである制振対象構造物に対して定常的白色雑音を入力したときの、変動幅bにおける応答変位の分散が最小になるように、多重動吸振器のパラメータを決定する。つまり、主系システムの定常的白色雑音入力に対する応答変位(自由振動応答曲線)の2乗平均値最小化において、角振動数ωとロバスト調整幅bを引数とする評価関数を設定する。この評価関数は式(34)のように表される。
Figure 2006077812
ここでS0は定常的白色雑音のスペクトル密度を示している。そして、xの分散Iが最小となるようにパラメータを決定する。
<検証>
以上、説明した本実施の形態のロバスト最適設計方法による制振効果を検証する。対象主系システムは直列二重動吸振器を備えたものであり、総質量比は5%、主系減衰比は2.5%である。比較のため、ロバスト調整幅を0%及び10%に設定した場合のそれぞれについてパラメータを決定した。決定された各パラメータ(u1、u2、p1、p2、ζ1、ζ2)を表4に示す。
Figure 2006077812
表4に示したパラメータに基づいて設定された直列二重動吸振器を含む主系システムの制振効果を図13〜図15に示す。図13は、固有周波数がf0の主系システムに対する制振効果を示したものである。図13(a)はロバスト調整幅を0%に設定したとき(コンプライアンス制御と同等)の主系システムの振動特性を、図13(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動特性をそれぞれ示している。なお、参考として直列二重動吸振器を備えていない主系システムの振動特性を重ねて示している。また、図14は、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムに対する制振効果(ロバスト性)を示したものである。図14(a)はロバスト調整幅を0%に設定したときの主系システムの振動特性を、図14(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動特性をそれぞれ示している。図15は、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムに対する制振効果の過渡性能を示したものである。図15(a)は、ロバスト調整幅を0%に設定したときの主系システムの振動の過渡特性を、図15(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動の過渡特性をそれぞれ示している。また、ロバスト調整幅を0%及び10%に設定したときのそれぞれについて、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムにおける定常的白色雑音入力に対する応答変位の2乗平均値(無次元化値)を表5に示す。
Figure 2006077812
図13(a)、図13(b)、図14(a)及び図14(b)に示すように、直列二重動吸振器を備えることにより、ロバスト調整幅を0%に設定したとき、及びロバスト調整幅を10%に設定したときのいずれのときにおいても、主系システムの固有周波数がf0のときには高い制振効果を確認(もちろんロバスト調整幅0%の時の制振効果が優れる。またここで言う制振効果は評価関数とした応答変位(自由振動応答曲線)の2乗平均値で比較した効果を言う)することができる。しかしながら、表5上段に示すように、ロバスト調整幅を0%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0+10%のときに十分な制振効果を得ることができていない。他方、表5下段に示すように、ロバスト調整幅を10%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0、f0+10%で変動しても概略一定の制振効果を得ることができる。つまり、ロバスト調整幅を設定してパラメータを決定することにより、ロバスト性の高い制振効果を確認することができる。
また、図15(a)に示すように、ロバスト調整幅を0%に設定したときは、主系システムの固有周波数がf0−10%の場合は100秒付近においても振動が抑制されない。これに対して、図15(b)に示すように、ロバスト調整幅を10%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0、f0±10%で変動したときのいずれにおいても、30秒付近で制振効果が表れ、100秒付近で振動がほとんど抑制されている。つまり、主系システムの固有周波数がf0、f0±10%で変動したときのいずれにおいても時間領域においてロバスト性の高い制振効果を確認できる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る第3の実施の形態のロバスト最適設計方法について説明する。本実施の形態のロバスト最適設計方法においては、経験則などから予想される主系システムの変動幅bを設定し(変動範囲設定工程)、これに基づいて最適化されたパラメータを決定する(パラメータ決定工程)。以下、パラメータ決定方法、特にパラメータを最適化するための評価関数の設定について説明する。なお、対象となる多重動吸振器の構造、運動方程式及び伝達関数などは、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
<評価関数の設定:線形2乗形式最適制御設計法(Linear Quadratic Optimal Control:LQC)>
パラメータの決定においては、主系システムの自由振動応答曲線の2乗積分値が最小になるように、前記多重動吸振器のパラメータを決定する。つまり、主系システムの応答変位xを、時間tとロバスト調整幅bとを引数とする関数で表し(自由振動応答曲線)、これの2乗積分値を求める評価関数を設定する。この評価関数は式(35)のように表される。
Figure 2006077812
そして、2乗積分値Jfreeが最小となるようにパラメータを決定する。
<検証>
以上、説明した本実施の形態のロバスト最適設計方法による制振効果を検証する。対象主系システムは直列二重動吸振器を備えたものであり、総質量比は5%、主系減衰比は2.5%である。比較のため、ロバスト調整幅を0%及び10%に設定した場合のそれぞれについてパラメータを決定した。決定された各パラメータ(u1、u2、p1、p2、ζ1、ζ2)を表6に示す。
Figure 2006077812
表6に示したパラメータに基づいて設定された直列二重動吸振器を含む主系システムの制振効果を図16〜図18に示す。図16は、固有周波数がf0の主系システムに対する制振効果を示したものである。図16(a)はロバスト調整幅を0%に設定したとき(コンプライアンス制御と同等)の主系システムの振動特性を、図16(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動特性をそれぞれ示している。なお、参考として直列二重動吸振器を備えていない主系システムの振動特性を重ねて示している。また、図17は、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムに対する制振効果(ロバスト性)を示したものである。図17(a)はロバスト調整幅を0%に設定したときの主系システムの振動特性を、図17(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動特性をそれぞれ示している。図18は、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムに対する制振効果の過渡性能を示したものである。図18(a)は、ロバスト調整幅を0%に設定したときの主系システムの振動の過渡特性を、図18(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動の過渡特性をそれぞれ示している。また、ロバスト調整幅を0%及び10%に設定したときのそれぞれについて、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムにおける自由振動応答曲線の2乗積分値(無次元化値)を表7に示す。
Figure 2006077812
図16(a)、図16(b)、図17(a)及び図17(b)に示すように、直列二重動吸振器を備えることにより、ロバスト調整幅を0%に設定したとき、及びロバスト調整幅を10%に設定したときのいずれのときにおいても、主系システムの固有周波数がf0のときには高い制振効果を確認(もちろんロバスト調整幅0%の時の制振効果が優れる。またここで言う制振効果は評価関数とした自由振動応答曲線の2乗積分値で比較した効果を言う)することができる。しかしながら、表7上段に示すように、ロバスト調整幅を0%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0−10%のときに十分な制振効果を得ることができていない。他方、表7下段に示すように、ロバスト調整幅を10%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0、f0±10%で変動しても概略一定の制振効果を得ることができる。つまり、ロバスト調整幅を設定してパラメータを決定することにより、ロバスト性の高い制振効果、特に応答変位量を抑制する効果を確認することができる。
また、図18(a)に示すように、ロバスト調整幅を0%に設定したときは、主系システムの固有周波数がf0−10%の場合は60秒付近においても振動が抑制されない。これに対して、図18(b)に示すように、ロバスト調整幅を10%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0、f0±10%で変動したときのいずれにおいても、30秒付近で制振効果が表れ、60秒付近で振動がほとんど抑制されている。つまり、主系システムの固有周波数がf0、f0±10%で変動したときのいずれにおいても時間領域の制振効果が一定しており、ロバスト性の高い制振効果を確認できる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る第4の実施の形態のロバスト最適設計方法について説明する。本実施の形態のロバスト最適設計方法においては、経験則などから予想される主系システムの変動幅bを設定し(変動範囲設定工程)、これに基づいて最適化されたパラメータを決定する(パラメータ決定工程)。以下、パラメータ決定方法、特にパラメータを最適化するための評価関数の設定について説明する。なお、対象となる多重動吸振器の構造、運動方程式及び伝達関数などは、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
<評価関数の設定:固有値最適配置法(安定度最大化法 Eigenvalue Optimization Criterion:EOC)>
パラメータの決定においては、まず、変動幅bの範囲の固有周波数を取り込んだ主系システムの状態方程式を求める。この状態方程式は式(36)のように表される。
Figure 2006077812
なお、Aはシステム行列であり、Bは入力行列であり、uは制御ベクトルである。そして、システム行列Aの固有値λ(但し、Aυ=λυ:υは固有ベクトル)の実数部の最大値が最小になるように多重動吸振器のパラメータを決定する。つまり、主系システムの固有値λυを複素左半面のより左側に配置することにより、主系システムを安定化させるようなパラメータを決定する。固有値υの実数部の最大値を求める評価関数は式(37)のように表される。
Figure 2006077812
このΛが最小になるようにパラメータを決定する。
<検証>
以上、説明した本実施の形態のロバスト最適設計方法による制振効果を検証する。対象主系システムは直列二重動吸振器を備えたものであり、総質量比は5%、主系減衰比は2.5%である。比較のため、ロバスト調整幅を0%及び10%に設定した場合のそれぞれについてパラメータを決定した。決定された各パラメータ(u1、u2、p1、p2、ζ1、ζ2)を表8に示す。
Figure 2006077812
表6に示したパラメータに基づいて設定された直列二重動吸振器を含む主系システムの制振効果を図19〜図21に示す。図19は、固有周波数がf0の主系システムに対する制振効果を示したものである。図19(a)はロバスト調整幅を0%に設定したとき(コンプライアンス制御と同等)の主系システムの振動特性を、図19(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動特性をそれぞれ示している。なお、参考として直列二重動吸振器を備えていない主系システムの振動特性を重ねて示している。また、図20は、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムに対する制振効果(ロバスト性)を示したものである。図20(a)はロバスト調整幅を0%に設定したときの主系システムの振動特性を、図20(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動特性をそれぞれ示している。図21は、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムに対する制振効果の過渡性能を示したものである。図21(a)は、ロバスト調整幅を0%に設定したときの主系システムの振動の過渡特性を、図21(b)はロバスト調整幅を10%に設定したときの主系システムの振動の過渡特性をそれぞれ示している。また、ロバスト調整幅を0%及び10%に設定したときのそれぞれについて、固有周波数がf0、f0±10%の主系システムにおける固有値の実部の最大値を表9に示す。
Figure 2006077812
図19(a)、図19(b)、図20(a)及び図20(b)に示すように、直列二重動吸振器を備えることにより、ロバスト調整幅を0%に設定したとき、及びロバスト調整幅を10%に設定したときのいずれのときにおいても、主系システムの固有周波数がf0のときには高い制振効果を確認(ここで言う制振効果は評価関数とした固有値λの実数部の最大値で比較した効果を言う)することができる。しかしながら、表9上段に示すように、ロバスト調整幅を0%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0+10%のときに十分な制振効果を得ることができていない。他方、表9下段に示すように、ロバスト調整幅を10%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0、f0±10%で変動しても概略一定の制振効果を得ることができる。つまり、ロバスト調整幅を設定してパラメータを決定することにより、ロバスト性の高い制振効果を確認することができる。
また、図21(a)に示すように、ロバスト調整幅を0%に設定したときは、主系システムの固有周波数がf0−10%の場合は60秒付近においても振動が抑制されない。これに対して、図21(b)に示すように、ロバスト調整幅を10%に設定したときには、主系システムの固有周波数がf0、f0±10%で変動したときのいずれにおいても、50秒付近で振動がほとんど抑制されている。つまり、主系システムの固有周波数がf0、f0±10%で変動したときのいずれにおいても時間領域の制振効果が一定しており、ロバスト性の高い制振効果、特に、主系システムの安定性を高くする効果を確認できる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述した実施の形態においては、直列二重動吸振器や、並列多重動吸振器を含む制振システムについてロバスト最適設計方法を適用した例について説明したが、このような制振システムに限定されるものではなく、動吸振器が3つ以上直列に接続された直列多重動吸振器や、直列多重動吸振器及び並列多重動吸振器が混在する多重動吸振器を含む制振システムにロバスト最適設計方法を適用してもよい。
また、第1の実施の形態においては、制振システムの伝達関数に基づいて制振効果を評価する評価関数を設定する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、所定の条件化での実測値に基づいて制振システムの制振効果を評価する構成でもよい。
本発明に係る第1の実施の形態であるロバスト最適設計方法の設計対象となる直列二重動吸振器を用いた制振システムの模式図である。 第1の実施の形態であるであるロバスト最適設計方法の設計対象となる並列多重動吸振器を用いた制振システムの模式図である。 図1に示す直列二重動吸振器において、数値最適化手法により最適化されたパラメータの特性を示す図である。 図2に示す並列二重動吸振器において、数値最適化手法により最適化されたパラメータの特性を示す図である。 図2に示す並列四重動吸振器において、数値最適化手法により最適化されたパラメータの特性を示す図である。 第1の実施の形態であるロバスト最適設計方法により設計された図1に示す直列二重動吸振器の制振効果を示す図である。 第1の実施の形態であるロバスト最適設計方法により設計された図2に示す並列二重動吸振器の制振効果を示す図である。 第1の実施の形態であるロバスト最適設計方法により設計された図2に示す並列四重動吸振器の制振効果を示す図である。 第1の実施の形態であるロバスト最適設計方法による制振効果を検証するための制振システムの模式図である。 図9に示す制振システムのシミュレーション結果を示す図である。 図9に示す制振システムの実験結果を示す図である。 図10のシミュレーション結果と図11の実験結果とを重ね合わせた図である。 本発明に係る第2の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0のときの制振効果を示したものである。 第2の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0、f0±10%f0のときの制振効果を示したものである。 第2の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0、f0±10%f0のときの制振効果の過渡特性を示したものである。 本発明に係る第3の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0のときの制振効果を示したものである。 第3の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0、f0±10%f0のときの制振効果を示したものである。 第3の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0、f0±10%f0のときの制振効果の過渡特性を示したものである。 本発明に係る第4の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0のときの制振効果を示したものである。 第4の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0、f0±10%f0のときの制振効果を示したものである。 第4の実施の形態であるロバスト最適設計方法より設計された主系システムにおいて、固有周波数がf0、f0±10%f0のときの制振効果の過渡特性を示したものである。
符号の説明
1 制振システム
2 直列二重動吸振器
3 主系質量体
4 積層ゴム

Claims (7)

  1. それぞれが付加質量体を有する複数の動吸振器が、制振対象構造物に弾性体を介して直列又は並列に接続される多重動吸振器の設計方法であって、
    前記制振対象構造物が有する固有周波数の変動幅を設定する変動範囲設定工程、及び、
    前記変動幅の範囲内において、振動応答に対する制振効果が実質的に同等となるように前記多重動吸振器のパラメータを決定するパラメータ決定工程を備えていることを特徴とする多重動吸振器の設計方法。
  2. 前記パラメータ決定工程において、前記変動幅の範囲の前記固有周波数を取り込んだ前記制振対象構造物及び前記多重動吸振器を含む系の伝達関数を求め、前記伝達関数のコンプライアンス、アクセレランス、及びモビリティの少なくともいずれかの最大値が最も低くなるように前記多重動吸振器のパラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の多重動吸振器の設計方法。
  3. 前記パラメータ決定工程において、前記変動幅の範囲の前記固有周波数を取り込んだ前記制振対象構造物及び前記多重動吸振器を含む系における、定常的白色雑音入力に対する応答変位の分散が最小になるように、前記多重動吸振器のパラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の多重動吸振器の設計方法。
  4. 前記パラメータ決定工程において、前記変動幅の範囲の前記固有周波数を取り込んだ前記制振対象構造物及び前記多重動吸振器を含む系における、自由振動応答曲線の2乗積分値が最小になるように、前記多重動吸振器のパラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の多重動吸振器の設計方法。
  5. 前記パラメータ決定工程において、前記変動幅の範囲の前記固有周波数を取り込んだ前記制振対象構造物及び前記多重動吸振器を含む系の状態方程式を求め、前記状態方程式のシステム行列における固有値の実数部の最大値が最小になるように、前記多重動吸振器のパラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の多重動吸振器の設計方法。
  6. 前記パラメータ決定工程において決定される前記多重動吸振器のパラメータが、前記制振対象構造体に対する前記付加質量体の質量比、前記制振対象構造体に対する前記動吸振器の単独系としての固有周波数の比、及び前記動吸振器の単独系としての減衰比であり、
    前記パラメータ決定工程において、数値解析により前記多重動吸振器のパラメータを決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多重動吸振器の設計方法。
  7. 前記パラメータ決定工程において決定される前記多重動吸振器のパラメータが、前記制振対象構造体に対する前記付加質量体の質量比、前記制振対象構造体に対する前記動吸振器の単独系としての固有周波数の比、及び前記動吸振器の単独系としての減衰比であり、
    前記パラメータ設定工程において、前記質量比の総計である総質量比に基づく各パラメータ値の変化を示す近似式を数値解析によって求め、求められた前記近似式に基づいて前記多重動吸振器のパラメータを決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多重動吸振器の設計方法。
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