JPH08284320A - 鉄筋連結装置及び鉄筋連結方法 - Google Patents

鉄筋連結装置及び鉄筋連結方法

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JPH08284320A
JPH08284320A JP8504995A JP8504995A JPH08284320A JP H08284320 A JPH08284320 A JP H08284320A JP 8504995 A JP8504995 A JP 8504995A JP 8504995 A JP8504995 A JP 8504995A JP H08284320 A JPH08284320 A JP H08284320A
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伸夫 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 異形鉄筋をそのままの状態で連結できる鉄筋
連結装置及び連結方法を提供する。 【構成】 鉄筋連結装置は、両端外側に雄ねじを有する
連結部材10と、雄ねじに螺合するスリーブ20と、ス
リーブ内にて異形鉄筋1,2を係止する係止部材30と
によって構成される。係止部材の内側は節形状3,4を
避けて異形鉄筋を係止でき、係止部材外側にスリーブの
勾配部が密着でき、スリーブと連結部材とが螺合して連
結され、各部材と異形鉄筋との間隙にはグラウト剤が充
填されている。鉄筋連結方法は、スリーブに連結すべき
異形鉄筋1を予め挿入させる。異形鉄筋1を係止片によ
って係止する。係止部材30を覆うようにしながらスリ
ーブ20を異形鉄筋1の先端方向へ移動させ、係止部材
がスリーブ内部の勾配部に当接させ、連結部材の嵌入孔
11内にグラウト剤を流入し、異形鉄筋1の先端を連結
部材の嵌入孔内に嵌入しつつ、連結部材の雄ねじにスリ
ーブの雌ねじを螺合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築構造物等において
用いられている鉄筋を連結するための鉄筋連結装置及び
鉄筋連結方法に関し、特に、表面に節形状を構成させて
なるいわゆる異形鉄筋の連結装置及び連結方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄筋連結装置にあっては、接
続すべき鉄筋の接続端部に設けた雄ねじに、内周に雌ね
じを形成したスリーブを螺合するとともに、この雄ねじ
と雌ねじとの間隙にグラウト剤を圧入充填して硬化せし
めることにより、接続部分に強度及び剛性を有する構成
としたねじ継手(実公昭52−7943号)があった。
また、異形鉄筋の表面に設ける節形状を雄ねじ状に構成
し、グラウト剤がスリーブ両端から漏れるのを防ぐため
のシール部が設けられている連結装置(実公平4−28
968号)があった。さらに、外側表面が傾斜した楔形
の把持部材によって接合すべき2本の異形鉄筋の端部を
把持させるとともに、楔形の外側表面がスリーブの内側
に密着させて異形鉄筋の端部にスリーブを接続させ、こ
のスリーブ外周に設けた雄ねじと接合部材に設けた雌ね
じを螺合させることによって、2本の異形鉄筋を接合す
る接合装置(実開平5−89642号)があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実公昭
52−7943号のねじ継手は、鉄筋に雄ねじを設ける
構成となっており、一般的な異形鉄筋に雄ねじを設ける
とすれば、ねじ溝の部分だけ断面積が縮小することとな
り、強度を著しく低下させるものであった。また、丸棒
鉄筋の表面に雄ねじを設ける構成であるため、異形鉄筋
には採用できないものであった。実公平4−28968
号も同様に鉄筋表面に雄ねじを設ける構成を前提とする
ものであり、また、この雄ねじは異形鉄筋の表面に設け
る節形状そのものによって構成させるものであって、通
常の節形状を有する異形鉄筋を連結させることができな
いものであった。しかも、上記の双方は、鉄筋端部にス
リーブを取り付けた後に、当該スリーブ内にグラウト剤
又は接着剤を注入してなる構成であるため、スリーブの
外方から内部に貫通する注入孔を設けなければならず、
鉄筋及びスリーブに荷重が作用するとき、この注入孔に
応力が集中して強度を低下させるものであった。また、
鉄筋にスリーブを取り付けた後にグラウト剤の注入を失
念することが予想されるものであった。一方、実開平5
−89642号は、雄ねじを設けることなく異形鉄筋を
接合することができるように設けられたものであるが、
異形鉄筋の節形状を除去するために、接合すべき鉄筋の
端部表面に浅いねじ溝を設けるような加工を施さなけら
ばならず、予め工場において、又は、必要に応じて工事
現場において、接合すべき部分には必ずこのような加工
をしなければならないために、非常に煩瑣なものであっ
た。
【0004】本発明は、上記諸点にかんがみ、節形状を
有する異形鉄筋をそのままの状態で使用できるようにす
ることによって、容易に鉄筋を連結でき、また、強度を
低下させずに鉄筋を連結させることのできる鉄筋連結装
置及び連結方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の鉄筋連結装置
は、両端付近表面に雄ねじが刻設され、連結すべき鉄筋
の先端が遊嵌できる嵌入孔が両端から軸線方向に沿って
設けられた連結部材と、鉄筋が緩やかに挿入できる略円
筒形状の一端部に上記連結部材に設けられた雄ねじに螺
合する雌ねじが刻設され、内径が他端部へ向けて小さく
なる勾配部を中央付近に設けられた2つのスリーブと、
このスリーブの勾配部内において鉄筋を係止する係止部
材とからなり、上記連結部材の嵌入孔内に充填したグラ
ウト剤を各部材間に浸透させてなることを特徴とする鉄
筋連結装置を要旨とする。
【0006】上記の連結装置を使用した連結方法は、連
結すべき2本の鉄筋のそれぞれに、雌ねじを刻設した側
を鉄筋先端に向けてスリーブを嵌挿し、両鉄筋の先端付
近の適宜位置にそれぞれ係止部材を係止し、この係止部
材の外表面にそれぞれスリーブの勾配部を当接させ、連
結部材の両端に設けられた嵌入孔内にグラウト剤をそれ
ぞれ充填したのち、この嵌入孔内に1本ずつ鉄筋先端を
嵌入させつつ連結部材の雄ねじにスリーブの雌ねじを螺
合させることを特徴とする鉄筋連結方法を要旨とする。
【0007】また、本発明の鉄筋連結方法は、連結すべ
き鉄筋を連結部材を介して連結する鉄筋連結方法におい
て、鉄筋と連結部材とをグラウト剤で硬化せしめること
によって、鉄筋と連結部材とを直接的に連結するととも
に、鉄筋の一部を強固に挟み、かつ、グラウト剤の硬化
によって鉄筋表面における位置を一定にする挟持部分に
密着するスリーブが、上記連結部材と螺合することによ
って鉄筋と連結部材とを間接的に連結してなることを特
徴とする鉄筋連結方法を要旨とする。
【0008】
【作用】上記のような構成にすれば、鉄筋連結装置につ
いては、連結すべき鉄筋を加工することがなく、しか
も、グラウト剤を注入するための注入孔を連結部材に設
ける必要がないので、引張荷重が作用したときに応力集
中する部分がなく強度を維持することができる。また、
この連結装置を使用する鉄筋連結方法では、鉄筋を係止
させた係止部材を、連結部材とスリーブとで挟むように
することにより、連結すべき鉄筋は、円筒状のスリーブ
の中心に一致しながら連結部材の嵌入孔内へ嵌入させる
ことができる。即ち、連結部材の嵌入孔の中心とその内
に嵌入された鉄筋の中心との位置を注意する必要がない
ので、作業が極めて簡便となる。さらに、連結部材とス
リーブとを螺合させる前に、連結部材の嵌入孔内にグラ
ウト剤を充填しておけば、鉄筋の嵌入に伴って、このグ
ラウト剤が徐々に嵌入孔から外方へ溢れ出し、この溢れ
たグラウト剤が各構成部材間に浸透するので、連結部材
とスリーブとを螺合させた後に、グラウト剤を注入する
必要がなく、よって、このグラウト剤の注入を失念する
ことなどを未然に防止することができる。
【0009】もう一方の連結方法については、鉄筋と連
結部材とを直接に連結するほか、鉄筋と係止部材とが接
続するようにしたうえで、この係止部材と連結部材とを
スリーブを介するようにして連結することによって、鉄
筋と連結部材とが間接的に連結することとなるので、鉄
筋と連結部材とを直接的に連結しただけのものに比較し
て、連結状態がはるかに強固なものとなる。また、グラ
ウト剤のみを頼るものでなく、係止部材による機械的な
連結をも副次的に作用させることができるので安心でき
るものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の連結装置の実施例を図1ない
し図4に基づいて説明する。本実施例は、図1に示すよ
うに、異形鉄筋(以下、実施例の説明においては単に鉄
筋という)1,2を連結するための装置であって、この
鉄筋1,2は、その表面にそれぞれ節形状3,4が構成
されたものである。本実施例の装置は、連結部材10
と、この両端に設けられた雄ねじに螺合するスリーブ2
0と、スリーブ20内において鉄筋1,2を係止する係
止部材30とによって構成されており、係止部材30の
内側が鉄筋1,2の表面の節形状3,4を避けて鉄筋本
体(鉄筋の節形状がない部分)の表面に当接でき、この
係止部材30にスリーブ20が密着して鉄筋1,2とス
リーブ20とが連結され、さらに、このスリーブ20と
連結部材10とが螺合して連結される。各部材と鉄筋と
の間隙にはグラウト剤(図中の細かな点を付した部分)
が充填されている。このグラウト剤の充填は、外部から
注入されるのではなく、連結部材10の両端に設けられ
た嵌入孔11,12内に予め充填しておいたものが、鉄
筋1,2の両端が嵌入することによって、この嵌入孔1
1,12から溢れ出し、結果的に各間隙に浸透するもの
である。従って、鉄筋1,2の両端と連結部材10と
は、嵌入孔11,12の内部でグラウト剤によって直接
的に連結される。また、スリーブ20と鉄筋1,2との
間隙にもグラウト剤が浸透して両者が連結され、さら
に、係止部材30の鉄筋1,2との係止はグラウト剤の
浸透によって固定され、鉄筋1,2とスリーブ20との
連結状態が一層強固なものとなり、このスリーブ20と
連結部材10との螺合によって鉄筋1,2と連結部材1
0とが間接的に連結される。従って、本実施例は、グラ
ウト剤を介してなる直接的な連結と、係止部材30及び
スリーブ20を介してなる間接的な連結との双方によっ
て強固に連結されるものである。
【0011】次に、各部材を個別に説明する。連結部材
10は、図2(a)に示すように、その両端が中央部分
に比較して大径となっており、当該大径部分の外側表面
には雄ねじ13,14が刻設されている。また、連結部
材10の両端には軸線方向に沿って、鉄筋1,2の先端
部分が遊嵌できる程度の内径及び長さを有する嵌入孔1
1,12が設けられている。従って、この嵌入孔11
(12)には、グラウト剤を溜めることができるととも
に、連結すべき鉄筋の先端を嵌入することができるよう
になっている。連結部材10の中央部分は、図2(b)
に示すように、丸棒形状となっており、その直径は連結
すべき鉄筋の節形状を含む直径とほぼ同様に設けられて
いる。
【0012】スリーブ20は、図3に示すように、略円
筒状に構成されており、その一端の内側には、上記連結
部材10の雄ねじ13(14)に螺合する雌ねじ21が
刻設され、他端は鉄筋1(2)が緩やかに貫通できる程
度の内径を有する貫通孔22が設けられている。そし
て、雌ねじ21と貫通孔22との中間部分には、雌ねじ
21から貫通孔22へ向かって内径が縮小するような勾
配部23が設けられている。即ち、スリーブ20の雌ね
じ21に連結部材10の雄ねじ13(14)を螺合させ
たとき、連結部材10から遠ざかるにつれて内径は小さ
くなるようになっており、連結される鉄筋1(2)に引
張荷重が作用するとき、この鉄筋1(2)には、連結部
材10から遠ざかる方向へ移動するように作用するが、
この鉄筋1(2)を係止する係止部材30が勾配部23
によって上記の移動を抑止させることができるのであ
る。それと同時に、軸線方向の力を径方向に変換するこ
とができるので、係止部材30を鉄筋1(2)の表面に
対して強く押し当てられることとなる。
【0013】係止部材30は、図4に示すように、二つ
の係止片30a,30bからなり、両係止片30a,3
0bを対向させることによって略円筒形状を構成させる
ことができるようになっている。この両係止片30a,
30bは、それぞれ一端から他端へ向けて肉厚が徐々に
変化しており、外径が縮小するように勾配が設けられて
いる。そして、上記のスリーブ20内の勾配部23に密
着しつつ内側へ押し付けられ、鉄筋周囲を押圧できるよ
うになっている。また、この係止片30a,30bの内
側には、周方向に複数の突出部31〜35が設けられて
おり、この突出部31〜35は、鉄筋1(2)の節形状
3(4)を避けて鉄筋表面に当接できるようになってい
る。そして、鉄筋1(2)は、図4(a)にも示すよう
に、軸線方向の直線的な節形状5と周方向に節形状3
(4)が設けられており、この周方向の節形状3(4)
は、直線的な節形状5を境にして上下の位置が異なって
おり、そのために、周方向の節形状3(4)の間隔に合
わせて、2つの突出部31,32を有する係止片30a
と、3つの突出部33,34,35を有する係止片30
bとの二種類が設けられている。なお、両係止片30
a,30bを対向させることによって略円筒形状を構成
させるとき、鉄筋1(2)の直線的な節形状5の部分は
隙間を有するようになっている。また、両係止片30
a,30bの外側表面には周方向の溝部36,37が設
けられており、鉄筋1(2)に係止させるとき輪ゴム
(図示せず)などを掛けることができるようになってい
る。
【0014】本実施例は上記のような構成となってお
り、この各構成部材の使用態様とともに異形鉄筋の連結
方法を図5に基づいて説明する。連結部材10は両端が
同じ形状であり、この両端に鉄筋1,2を連結する方法
は同様であるので、一方の連結方法についてのみ説明す
る。まず、スリーブ20に連結すべき鉄筋1を予め挿入
させる。このとき、スリーブ20の雌ねじ21(図3)
を設けた部分が鉄筋1の先端方向を向くようにしてお
く。続いて、鉄筋1の先端から連結部材10の嵌入孔1
1に嵌入する長さ部分を離して係止片30a,30bに
よって係止する。このとき、輪ゴム(図示せず)等によ
ってこの係止を固定させる。そして、この係止部材30
を覆うようにしながらスリーブ20を鉄筋1の先端方向
へ移動させ、係止部材30がスリーブ20内部の勾配部
23(図3)に当接させる。これにより、スリーブ20
の勾配部23が係止部材30の表面を締め付けることと
なり、係止部材30による鉄筋1の係止を強固にするこ
とができる。次に、連結部材10の嵌入孔11内にグラ
ウト剤を流入し、続いて、鉄筋1の先端を連結部材10
の嵌入孔11内に嵌入しつつ、連結部材10の雄ねじ1
3にスリーブ20の雌ねじ21を螺合させる。この螺合
が進に連れて、鉄筋1の先端が連結部材10の嵌入孔1
1内へさらに嵌入され、嵌入孔11内のグラウト剤が溢
れ出し、鉄筋1と係止部材30との間隙、及び、係止部
材30とスリーブ20との間隙、さらに、スリーブ20
と鉄筋1との間隙に浸透することとなる。さらに、上記
の螺合が進行することによって、連結部材10の先端
が、スリーブ20内の係止部材30に当接し、この係止
部材30をスリーブ20内の貫通孔22(図3)方向へ
押しつけることとなり、その結果、スリーブ20の勾配
部23内側と係止部材30の外側とが密着して、スリー
ブ20と係止部材30とが強固に圧着することとなる。
また、これと同時に、係止部材30を構成する係止片3
0a,30bが締め付けられ、鉄筋1を強固に係止する
こととなる。このようにして、鉄筋1と連結部材10と
が連結され、グラウト剤の硬化にともなって連結状態が
強固になり、さらに、連結部材10の他端を同様に鉄筋
2に連結させることによって、2本の鉄筋1,2を連結
することができるのである。
【0015】次に、第二実施例について説明する。本実
施例は、図6に示すように、連結部材110の嵌入孔1
11内部に突出部117を設けたものであって、鉄筋1
01の先端を嵌入したとき、嵌入孔111内のグラウト
剤を介して鉄筋101と連結部材110とが直接的に連
結することとなるが、固化したグラウト剤と連結部材1
10の嵌入孔111との間の摩擦抵抗を増加させるよう
にしたものであって、グラウト剤が嵌入孔111から容
易に脱落しないようにするするができるものである。な
お、このような突出部117は大きなものである必要は
なく、グラウト剤が嵌入孔111内において、程度な抵
抗力を与えられるものであればよい。
【0016】以上に本発明の実施例を説明したが、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々なる実施の態様を取り
得ることは無論である。例えば、上記の実施例に示した
鉄筋連結方法は、2本の鉄筋を連結部材の両端に一度に
連結するもののみを説明しているが、図7に示すよう
に、予め、連結部材10の一端について、係止部材30
及びスリーブ20を用いて鉄筋2を連結した状態にして
おき、作業段階では、他端についての連結作業を行うこ
とにするものであっても良く、そうすれば、より簡便に
現場作業が行えるものである。また、連結部材10に
は、鉄筋の径とほぼ同径の中央部分を設ける構成とした
が、連結部材10の両端付近に設けた雄ねじ13,14
を一体的に構成すれば、連結部材10としての目的を達
成できるものである。さらに、このような中央部分を鉄
筋の径と同じ径にすることは、図8に示すように、連結
した鉄筋1,2に対して直交する鉄筋5が、連結した位
置、若しくは、その周辺で交差するとき、この中央部分
において交差させることによって、他の箇所(通常の鉄
筋部分)で交差する場合の間に鉄筋5の位置が異なるこ
とがなく、良好な鉄筋工事が行なえるものである。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明の鉄筋連結装置
は、両端付近表面に雄ねじが刻設され、連結すべき鉄筋
の先端が遊嵌できる嵌入孔が両端から軸線方向に沿って
設けられた連結部材と、鉄筋が緩やかに挿入できる略円
筒形状の一端部に上記連結部材に設けられた雄ねじに螺
合する雌ねじが刻設され、内径が他端部へ向けて小さく
なる勾配部を中央付近に設けられた2つのスリーブと、
このスリーブの勾配部内において鉄筋を係止する係止部
材とからなり、上記連結部材の嵌入孔内に充填したグラ
ウト剤を各部材間に浸透させてなることを特徴とする鉄
筋連結装置を要旨とするので、連結すべき鉄筋を加工す
る必要がなくなり、丸棒鉄筋のほか異形鉄筋をその形状
のまま連結することが可能である。また、連結部材とス
リーブとを螺合させる前に、連結部材の嵌入孔内にグラ
ウト剤を充填しておけば、鉄筋の嵌入に伴って、このグ
ラウト剤が徐々に嵌入孔から外方へ溢れ出し、この溢れ
たグラウト剤が各構成部材間に浸透するので、連結部材
とスリーブとを螺合させた後に、グラウト剤を注入する
必要がなくなるのである。従って、グラウト剤を注入す
るための注入孔を連結部材に設ける必要がないので、引
張荷重が作用したときに応力集中する部分がなく強度を
維持することができる。
【0018】上記の連結装置を使用した連結方法は、連
結すべき2本の鉄筋のそれぞれに、雌ねじを刻設した側
を鉄筋先端に向けてスリーブを嵌挿し、両鉄筋の先端付
近の適宜位置にそれぞれ係止部材を係止し、この係止部
材の外表面にそれぞれスリーブの勾配部を当接させ、連
結部材の両端に設けられた嵌入孔内にグラウト剤をそれ
ぞれ充填したのち、この嵌入孔内に1本ずつ鉄筋先端を
嵌入させつつ連結部材の雄ねじにスリーブの雌ねじを螺
合させることを特徴とする鉄筋連結方法を要旨とするの
で、鉄筋に係止される係止部材の外表面にスリーブの勾
配部を当接させることによって、この勾配部が係止部材
を締め付けるように作用し、鉄筋と係止部材との係止状
態はかなり強力な状態にすることができる。そして、こ
の状態では、スリーブ内に嵌挿する鉄筋の軸心は、スリ
ーブ内の係止部材の存在によってスリーブの軸心に一致
するようになる。従って、連結部材にスリーブを連結す
るとき、連結すべき鉄筋を連結部材に軸線に沿って、連
結部材の嵌入孔内へ容易に嵌入させることができる。即
ち、連結部材の嵌入孔の中心に連結すべき鉄筋の中心を
合わせることなく嵌入できるので、鉄筋と嵌入孔との中
心との位置を注意する必要がなく、作業効率を向上させ
ることができ、工事期間を短縮することとなるものであ
る。また、グラウト剤は、鉄筋と連結部材との連結前
に、連結部材の嵌入孔内に充填されるので、鉄筋と連結
部材とを連結させた後に、グラウト剤の注入を失念する
ことなどはあり得ず、予定される強度を維持することが
できるのである。
【0019】また、本発明の鉄筋連結方法は、連結すべ
き鉄筋を連結部材を介して連結する鉄筋連結方法におい
て、鉄筋と連結部材とをグラウト剤で硬化せしめること
によって、鉄筋と連結部材とを直接的に連結するととも
に、鉄筋の一部を強固に挟み、かつ、グラウト剤の硬化
によって鉄筋表面における位置を一定にする挟持部分に
密着するスリーブが、上記連結部材と螺合することによ
って鉄筋と連結部材とを間接的に連結してなることを特
徴とする鉄筋連結方法を要旨とするので、グラウト剤に
よる直接的な連結と、係止部材及びスリーブによる間接
的な連結との双方によって鉄筋と連結部材とが連結され
ており、例えば、何らかの思いがけない理由によって、
グラウト剤の浸透状態が不十分となっている場合、又
は、係止部材による係止状態が不十分となっている場合
のように、本来であれば、強度を全く有しない状態であ
っても、相互に補い合うことによって、ある程度の強度
を維持することができるものである。また、仮にそれぞ
れ単独では十分な強度を得ることができない場合であっ
ても、この両者に作用する部位が異なるため、荷重を分
散することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の構成を示す縦断面図である。
【図2】(a)は連結部材の一部断面図、(b)はX−
X断面図である。
【図3】スリーブの一部断面図である。
【図4】(a)は係止部材の説明図、(b)は一方の係
止片の内側を示す平面図、(c)は一方の係止片の内側
を示す平面図である。
【図5】鉄筋連結方法の実施例を示す説明図である。
【図6】第二実施例の構成を示す縦断面図である。
【図7】他の鉄筋連結方法の実施例を示す説明図であ
る。
【図8】鉄筋の交差の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1,2 異形鉄筋 3,4 節形状 10 連結部材 11,12 嵌入孔 13,14 雄ねじ 20 スリーブ 21 雌ねじ 22 貫通孔 23 勾配部 30 係止部材 30a,30b 係止片 31,32,33,34,35 突出部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端付近表面に雄ねじが刻設され、連結
    すべき鉄筋の先端が遊嵌できる嵌入孔が両端から軸線方
    向に沿って設けられた連結部材と、鉄筋が緩やかに挿入
    できる略円筒形状の一端部に上記連結部材に設けられた
    雄ねじに螺合する雌ねじが刻設され、内径が他端部へ向
    けて小さくなる勾配部を中央付近に設けられた2つのス
    リーブと、このスリーブの勾配部内において鉄筋を係止
    する係止部材とからなり、上記連結部材の嵌入孔内に充
    填したグラウト剤を各部材間に浸透させてなることを特
    徴とする鉄筋連結装置。
  2. 【請求項2】 前記連結部材を、その中央付近が両端付
    近よりも小径としてなる請求項1記載の鉄筋連結装置。
  3. 【請求項3】 両端付近表面に雄ねじが刻設され、連結
    すべき鉄筋の先端が遊嵌できる嵌入孔が両端から軸線方
    向に沿って設けられ、中央付近が両端付近よりも小径と
    なる連結部材と、鉄筋が緩やかに挿入できる略円筒形状
    の一端部に上記連結部材に設けられた雄ねじに螺合する
    雌ねじが刻設され、内径が他端部へ向けて小さくなる勾
    配部を中央付近に設けられた2つのスリーブと、このス
    リーブの勾配部内において鉄筋を係止する係止部材とか
    らなり、上記連結部材の嵌入孔内に充填したグラウト剤
    を各部材間に浸透させてなることを特徴とする鉄筋連結
    装置。
  4. 【請求項4】 前記係止部材が、2つの係止片からなる
    請求項1又は4記載の鉄筋連結装置。
  5. 【請求項5】 前記係止部材が、2つの係止片からなる
    とともに、両係止片の内側周方向に複数の突出部が設け
    られ、当該突出部が鉄筋の表面に当接して係止する請求
    項1又は4記載の鉄筋連結装置。
  6. 【請求項6】 両端付近表面に雄ねじが刻設され、連結
    すべき鉄筋の先端が遊嵌できる嵌入孔が両端から軸線方
    向に沿って設けられ、中央付近が両端付近よりも小径と
    なる連結部材と、鉄筋が緩やかに挿入できる略円筒形状
    の一端部に上記連結部材に設けられた雄ねじに螺合する
    雌ねじが刻設され、内径が他端部へ向けて小さくなる勾
    配部を中央付近に設けられた2つのスリーブと、この両
    スリーブのそれぞれの勾配部内において、2つの係止片
    からなるとともに、両係止片の内側周方向に複数の突出
    部が設けられた係止部材とからなり、上記連結部材の嵌
    入孔内に充填したグラウト剤を各部材間に浸透させてな
    ることを特徴とする鉄筋連結装置。
  7. 【請求項7】 両端付近表面に雄ねじが刻設され、連結
    すべき鉄筋の先端が遊嵌できる嵌入孔が両端から軸線方
    向に沿って設けられ、中央付近が両端付近よりも小径と
    なる連結部材と、鉄筋が緩やかに挿入できる略円筒形状
    の一端部に上記連結部材に設けられた雄ねじに螺合する
    雌ねじが刻設され、内径が他端部へ向けて小さくなる勾
    配部を中央付近に設けられた2つのスリーブと、この両
    スリーブのそれぞれの勾配部内において、2つの係止片
    からなるとともに、両係止片の内側周方向に複数の突出
    部が設けられ、かつ、外表面を上記スリーブの勾配部と
    同様の傾斜面とした係止部材とからなり、上記連結部材
    の嵌入孔内に充填したグラウト剤を各部材間に浸透させ
    てなることを特徴とする鉄筋連結装置。
  8. 【請求項8】 前記連結部材の中央付近の軸線方向長さ
    を連結すべき鉄筋の直径よりも大きくしてなる請求項
    3、6、又は、7記載の鉄筋連結装置。
  9. 【請求項9】 連結すべき2本の鉄筋のそれぞれに、雌
    ねじを刻設した側を鉄筋先端に向けてスリーブを嵌挿
    し、両鉄筋の先端付近の適宜位置にそれぞれ係止部材を
    係止し、この係止部材の外表面にそれぞれスリーブの勾
    配部を当接させ、連結部材の両端に設けられた嵌入孔内
    にグラウト剤をそれぞれ充填したのち、この嵌入孔内に
    1本ずつ鉄筋先端を嵌入させつつ連結部材の雄ねじにス
    リーブの雌ねじを螺合させることを特徴とする請求項1
    記載の鉄筋連結装置を使用する鉄筋連結方法。
  10. 【請求項10】 連結すべき鉄筋の両端を連結部材によ
    って連結する鉄筋連結方法において、鉄筋と連結部材と
    をグラウト剤で硬化せしめることによって直接的に連結
    し、一方、鉄筋の一部を強固に挟むとともにグラウト剤
    の硬化によって鉄筋表面に固定された挟持手段を包囲し
    つつ密着するスリーブを、上記連結部材に螺合させるこ
    とによって鉄筋と連結部材とを間接的に連結してなるこ
    とを特徴とする鉄筋連結方法。
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