JPH0828339A - 内燃機関の燃焼異常検出方法 - Google Patents

内燃機関の燃焼異常検出方法

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JPH0828339A
JPH0828339A JP16651094A JP16651094A JPH0828339A JP H0828339 A JPH0828339 A JP H0828339A JP 16651094 A JP16651094 A JP 16651094A JP 16651094 A JP16651094 A JP 16651094A JP H0828339 A JPH0828339 A JP H0828339A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 失火等に起因する内燃機関の燃焼異常を検出
する燃焼異常検出方法を提供し、もってエンジンの安定
燃焼限界での運転等を可能にする。 【構成】 ECU23は、クランク角センサ18からの
入力信号により、各気筒の燃焼行程における角加速度瞬
時値Amnを算出した後、これと気筒別角加速度平均値A
maveとの偏差、すなわち角加速度変化量ΔAmnを算出す
る。次に、ECU23は、角加速度変化量ΔAmnに対し
て体積効率の補正を行い、気筒別加速度指数Imnacを算
出し、その値が閾値Iacx を超える状態が所定制御周期
中に所定回数以上あったら、当該気筒の空燃比がすでに
安定燃焼限界を超えてリーン側に突入し、燃焼異常が発
生したと判定する。この場合、ECU23は気筒別変動
積算値ΣImに対応する気筒別燃料噴射増量係数Kmを
検索し、当該気筒の燃料噴射弁3の開弁時間TINJ を算
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のリーンバー
ン制御等に用いられる燃焼異常検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用ガソリンエンジン等で
は、HCやCO等の有害排出ガス成分の低減や燃費の向
上等を図るため、混合気の空燃比を理論空燃比(14.7)
より遙かに薄めたリーンバーン(希薄燃焼)エンジンが
提案されている。リーンバーンエンジンでは、点火プラ
グ近傍を流れる混合気をリッチにする層状給気や、燃焼
室内での混合気の乱れを強化するスワールやタンブル等
により、着火・燃焼性能を向上させている。また、希薄
領域においては窒素酸化物(NOX )が三元触媒では還
元できず、その排出量が空燃比16付近で最大となり、こ
れよりリーン側では減少することと、安定燃焼限界(空
燃比22〜23程度)より更にリーン側ではトルク変動が許
容限度を超えることとから、空燃比を安定燃焼限界近傍
の狭い範囲に制御する必要がある。
【0003】そこで、リーンバーンエンジンでは、空燃
比を連続的に検出できる空燃比センサ(LAFS:リニ
アA/Fセンサ)を用い、エンジン回転数と体積効率と
により決定された目標空燃比となるように、燃料噴射量
をフィードバック制御するものが主流となっている。し
かし、空燃比フィードバック制御は、燃料噴射量と吸入
空気量との当量比を制御するものであるため、目標空燃
比を安定燃焼限界近傍に設定した場合、外気温や湿度等
の変動により混合気の燃焼に異常が発生し、断続的な失
火に至ることがある。したがって、燃焼異常や失火に対
する余裕を与えるために目標空燃比を燃焼安定限界より
リッチ側に設定せざるを得ず、NOX 排出量の低減や燃
費の向上を極限まで追求することができなかった。そこ
で、近年では更に、エンジンの回転変動に基づき失火等
の燃焼異常を検出し、燃焼異常がごく低頻度で発生する
ように目標空燃比を制御することにより、安定燃焼限界
近傍でのリーンバーンを実現する技術も提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】燃焼異常の検出装置と
しては、特開平4-109062号公報等に、クランクシャフト
の角加速度を検出し、その値が所定の閾値を越えたこと
をもって、燃焼異常の判定を行うものが記載されてい
る。この種の装置では、エンジンに所定角度毎にパルス
を出力するクランク角センサを取付け、そのパルス出力
の時間間隔に基づき角加速度を連続的に算出している。
クランク角センサとしては、例えば、クランクシャフト
等に固着される検出用ロータに各気筒の燃焼行程等に対
応する扇状のベーンを複数枚形成し、各ベーンの端部が
光学式センサや磁気式センサ等を横切る瞬間に、出力信
号が切り換わるものが用いられている。
【0005】ところで、上述したクランク角センサで
は、各ベーンの角度幅に製造上の誤差があったり、ロー
タとクランクシャフト等との取付部にがたがある場合、
信号出力角度に各気筒間でばらつきが生じる。その結
果、回転変動の評価関数が不安定なものとなり、燃焼異
常を正確に検出できなくなる不具合があった。そのた
め、従来は隣合うベーンの検出角度幅のばらつきを補正
する、いわゆるセグメント補正を行い、このばらつきを
除去する必要があった。ところが、セグメント補正は、
その演算手順が非常に煩雑であるため、制御プログラム
が複雑になることが避けられず、ROM等にも容量の大
きなものが要求される問題もあった。
【0006】本発明は上記状況に鑑みなされたもので、
比較的簡単な演算手順により内燃機関の燃焼異常を正確
に検出する燃焼異常検出方法を提供し、もってエンジン
の安定燃焼限界での運転等を可能にすることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1では、多気筒内燃機関のクランク回転情報から、当該
内燃機関の燃焼異常を検出する燃焼異常検出方法におい
て、前記内燃機関の所定のクランク位置で出力されるク
ランク角信号を検出するステップと、検出したクランク
角信号に基づき、前記内燃機関の所定気筒の燃焼行程に
おける角加速度瞬時値を算出するステップと、前記角加
速度瞬時値の今回値と前記気筒の角加速度平均値の前回
値とに基づき、当該気筒の角加速度平均値の今回値を算
出するステップと、前記角加速度瞬時値の今回値と角加
速度平均値の今回値との偏差が所定の閾値を超えたこと
をもって、前記所定気筒に燃焼異常があったと判定する
ステップとを含む内燃機関の燃焼異常検出方法を提案す
る。
【0008】また、請求項2では、請求項1記載の燃焼
異常検出方法において、それぞれに重み付け定数を乗じ
た前記角加速度瞬時値の今回値と前記角加速度平均値の
前回値とを和することにより、前記角加速度平均値の今
回値を算出する内燃機関の燃焼異常検出方法を提案す
る。また、請求項3では、請求項2記載の燃焼異常検出
方法において、前記角加速度瞬時値の今回値に乗ずる重
み付け定数の値を前記角加速度平均値の前回値に乗ずる
重み付け定数の値より大きくした内燃機関の燃焼異常検
出方法を提案する。
【0009】
【作用】本発明の請求項1の燃焼異常検出方法では、あ
る気筒に失火等の燃焼異常が生じると、その気筒の燃焼
行程における角加速度瞬時値が低下する。その結果、角
加速度瞬時値と角加速度平均値との偏差が所定の閾値を
超え、燃焼異常が判定される。この際、角加速度平均値
を各気筒毎に算出するため、クランク角センサに気筒間
のばらつきがあっても、燃焼異常の判定はこれに影響を
受けない。
【0010】また、請求項2の燃焼異常検出方法では、
角加速度瞬時値の今回値と角加速度平均値の前回値とに
それぞれ重み付け定数を乗じて和することにより、角加
速度平均値の今回値を算出するため、悪路走行やノイズ
等により正負両方向に突出した角加速度瞬時値が検出さ
れても、角加速度平均値はフィルタリングされたものと
なる。
【0011】また、請求項3の燃焼異常検出方法では、
角加速度瞬時値の今回値に乗ずる重み付け定数の値を角
加速度平均値の前回値に乗ずる重み付け定数の値より大
きくしたため、角加速度の変動に対する角加速度平均値
の追従性がよくなり、過渡期における応答性が向上す
る。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例を
詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃焼異常検出方
法を適用したエンジン制御系の概略構成図である。図1
において、1は自動車用のV型6気筒ガソリンエンジン
(以下、単にエンジンと記す)であり、燃焼室を始め吸
気系や点火系等がリーンバーン用に設計されている。
尚、図1では、図が煩雑になることをさけるため、エン
ジン1の片バンクのみ示してある。エンジン1の吸気ポ
ート2には、各気筒毎に燃料噴射弁3が取り付けられた
吸気マニホールド4を介し、エアクリーナ5,エアフロ
ーセンサ6,スロットルバルブ7,ISC(アイドルス
ピードコントローラ)8等を具えた吸気管9が接続して
いる。また、排気ポート10には、排気マニホールド1
1を介し、空燃比センサ12,三元触媒13,図示しな
いマフラー等を具えた排気管14が接続している。エン
ジン1には、燃焼室15に点火プラグ16が配置される
と共に、クランクシャフト25に直付けされたロータプ
レート17の回転を検出するクランク角センサ18が取
り付けられている。
【0013】ロータプレート17には、図2に示したよ
うに、所定角度幅(本実施例では、40°)の3枚のベ
ーン17a,17b,17cが120°間隔で形成され
ており、これらのベーン17a,17b,17cの端が
クランク角センサ18を横切ることにより、クランク角
信号SGTが出力される。尚、クランク角信号SGT
は、各気筒の行程に同期して出力され、本実施例の場合
の出力タイミングは、図3に示したように、BTDC7
5°となっている。また、クランクシャフト25の半分
の回転数で回転するカムシャフト等には、気筒判別信号
SGCを出力する気筒判別センサ(図示せず)が取り付
けられ、クランク角信号SGTがどの気筒のものか判別
されるようになっている。図1中、19はスロットルバ
ルブ7の開度θTHを検出するスロットルセンサ、20は
冷却水温TW を検出する水温センサ、21は大気圧Ta
を検出する大気圧センサ、22は吸気温度Ta を検出す
る吸気温センサである。
【0014】一方、図示しない車室内には、入出力装
置,多数の制御プログラムを内蔵した記憶装置(RO
M,RAM,BURAM等),中央処理装置(CP
U),タイマカウンタ等を具えた、ECU(エンジン制
御ユニット)23が設置されており、エンジン1の総合
的な制御を行う。ECU23の入力側には、上述した各
種センサ類からの検出情報が入力される。ECU23
は、これらの検出情報から燃料噴射量や点火時期等の最
適値を演算し、燃料噴射弁3や点火コイル24等を駆動
する。
【0015】以下、図4〜図7の制御フローチャートお
よび図8〜図14のマップやグラフを用いて、本実施例
における制御の手順を説明する。運転者がイグニッショ
ンキーをONにしてエンジン1がスタートすると、EC
U23は、図4のフローチャートに示した燃料噴射制御
サブルーチンを繰り返し実行する。
【0016】このサブルーチンを開始すると、ECU2
3は先ずステップS1で、上述した各センサからの運転
情報をRAMに読み込む。次に、ECU23は、ステッ
プS2で、スロットル開度θTHやその時間変化率,体積
効率EV ,エンジン始動後の経過時間,冷却水温TW 等
からフィードバック制御を行うべきか否かを判定する。
尚、体積効率EV は、エアフローセンサ6により検出さ
れた空気流量とエンジン回転数Ne から一吸気行程当た
りの吸気量A/N を算出し、これに大気圧Pa ,吸気温度
Ta 等による補正を行うことにより求められる。そし
て、この判定が肯定(Yes)の場合には、ECU23
は、ステップS3で体積効率EV やエンジン回転数Ne
等から、現在の運転状態が所定のリーンバーン制御領域
にあるか否かを判定する。尚、リーンバーン制御は、ア
イドル運転時や定速走行時等の要求トルクの小さい運転
領域で行われる。
【0017】そして、ステップS3の判定がYesである
場合には、ECU23は、ステップS4で、体積効率E
V とエンジン回転数Ne とに基づき、図8のリーン空燃
比マップに基づき目標空燃比OAFを設定する。次に、
ECU23は、ステップS5で、後述する安定燃焼限界
制御サブルーチンにより、燃料噴射弁3の噴射量(開弁
時間TINJ )を制御する。
【0018】一方、ステップS3での判定がNoである
場合、ECU23は、ステップS6で、体積効率EV と
エンジン回転数Ne とに基づき、図9のストイキオ/リ
ッチ空燃比マップに基づき目標空燃比OAFを設定し、
ステップS7で、空燃比センサ12の出力信号に基づい
て燃料噴射弁3の開弁時間TINJ をフィードバック制御
する。また、ステップS2での判定がNoである場合、
ECU23は、ステップS8で、ストイキオ/リッチ空
燃比マップに基づき目標空燃比OAFを設定する。次
に、ECU23は、ステップS9で、目標空燃比OAF
と吸気量A/N とから基本噴射量TINJBを算出した後、加
速時増量や冷機時増量等の補正を行い、ステップS10
で、燃料噴射弁3の開弁時間をオープンループ制御す
る。
【0019】上述した安定燃焼限界制御サブルーチン
は、クランク角信号SGTが入力する毎に、以下の手順
で繰り返し実行される。このサブルーチンを開始する
と、ECU23は、先ず図5のステップS20で、現在
の運転状態が所定の学習領域にあるか否かを判定する。
この判定は、例えば現在の運転状態が図8のリーン空燃
比マップにクロスハッチングで示した学習領域にあるか
否かによって行われ、この判定がNoである場合には、
後述する図6のステップS36に進み、以下のステップ
を実行して燃料噴射弁3を駆動制御する。尚、本実施例
においては、体積効率EV がEVAとEVBとの間で、かつ
エンジン回転数Ne がNeAとNeBとの間の範囲が上述し
た所定の学習領域となっている。
【0020】ステップS20の判定がYesであった場
合、ECU23は、ステップS21で、所定値TCDX
(本実施例では、128)を初期値とするカウントダウ
ンタイマTCDから1を減算した後、ステップS22で、
下式により点火順序でのm番目の気筒のn回目の燃焼行
程における角加速度瞬時値Amnを算出する。尚、本実施
例の場合、TCDX (128サイクル)を1サンプリング
区間としたが、その値は任意に設定可能である。また、
本実施例のエンジン1における、各気筒の点火順序は1
−2−3−4−5−6である。
【0021】 Amn=1/Tmn・(1/Tmn−1/Tm,n-1 ) ここで、Tmnは、m番目の気筒のn回目の燃焼行程にお
けるクランク角信号の入力と、直前のクランク角信号の
入力との間の時間間隔(すなわち、クランクシャフト2
5が120°回転するのに要した時間)を計時したもの
である。ECU23は、角加速度瞬時値Amnの算出を終
えると、ステップS23で、これと前回の気筒別角加速
度平均値Amavelaとを用いて、今回の気筒別角加速度平
均値Amaveを下式により算出する。
【0022】 Amave=KF ・Amn−(1−KF )・Amavela ここで、KF はフィルタリング定数であり、本実施例で
は、今回の角加速度瞬時値Amnの方の重み付けを前回の
気筒別角加速度平均値Amavelaの方の重み付けより大き
くするべく、0.65に設定されている。これにより、
加減速時における、角加速度瞬時値Amnの変動に対する
気筒別角加速度平均値Amavelaの追従性が向上する。
【0023】次に、ECU23は、ステップS24で、
角加速度瞬時値Amnと気筒別角加速度平均値Amaveとの
偏差、すなわち角加速度変化量ΔAmnを下式により算出
する。尚、図10のグラフに示したように、1気筒を完
全に失火させた場合の角加速度変化量ΔAmn(当然に、
負の値である)は、体積効率EV が大きくなるにしたが
って、その絶対値が増大する。これは、失火時には燃焼
による駆動力なしに他気筒の圧縮仕事をする必要があ
り、実圧縮比の高い領域では角加速度が急減するためで
ある。
【0024】ΔAmn=Amn−Amave 角加速度変化量ΔAmnの変化量を算出すると、ECU2
3は次に、ステップS25で、図11のマップから検索
した体積効率補正係数KEVを用いて下式により気筒別加
速度指数Imnacを算出する。 Imnac=KEV・ΔAmn 気筒別加速度指数Imnacを算出したら、ECU23は、
次にステップS26で、これがが所定の閾値Iacxを下
回ったか否かを判定し、この判定がNoである場合に
は、図6のステップS30に進む。尚、失火時の気筒別
加速度指数Imnacは、図12のグラフに示したように、
エンジン回転数Neや体積効率EV によらず一定の値と
なる。したがって、所定の閾値を設けることにより、燃
焼悪化が判定できるのである。また、当然のことなが
ら、閾値Iacxは、ある程度以上の燃焼悪化が生じた場
合にのみ気筒別加速度指数Imnacが下回るように、正常
な燃焼に伴う角加速度変動に対して十分低い値に設定さ
れている。
【0025】一方、ステップS26の判定がYesである
場合には、ステップS27で失火回数カウンタCMFに1
を加算した後、ステップS28で、気筒別変動積算値Σ
Imに今回の気筒別加速度指数Imnacを加算し、図6の
ステップS30に進む。尚、失火回数カウンタCMFおよ
び気筒別変動積算値ΣImは、図13に示した通り、カ
ウントダウンタイマTCDが初期値にリセットされる毎
に、それぞれ初期値0にリセットされる。
【0026】ECU23は、図6のステップS30で、
カウントダウンタイマTCDが0となったか否か、すなわ
ち学習領域内でTCDX (128)サイクルの運転が行わ
れたか否かを判定し、この判定がNoである場合には後
述するステップS36に進む。尚、本実施例において
は、運転状態が学習領域から一旦外れた場合にも、失火
回数カウンタCMF,気筒別変動積算値ΣIm、およびカ
ウントダウンタイマ値TCDはRAMに保存され、再度学
習領域に入った時点でECU23は各値の積算や減算を
継続して行う。
【0027】学習領域でTCDX サイクルの運転が行わ
れ、ステップS30の判定がYesとなった場合、ECU
23は、ステップS31で、失火回数カウンタCMFの値
が0か否かを判定する。そして、この判定がYesである
場合、ECU23は、ステップS32でリーンカウンタ
CLMに1を加算した後、ステップS33でリーンカウン
タCLMの値が2であるか否かを判定する。そして、この
判定がNoである場合には、後述するステップS39に
進んで運転を継続させる。尚、リーンカウンタCLMの初
期値は0である。
【0028】また、ステップS33の判定がYes、すな
わち、2サンプリング区間(256サイクル)に亘って
失火回数カウンタCMFの値が0であった場合、ECU2
3は、当該気筒の空燃比が安定燃焼限界に対して未だリ
ッチ側にあると判断する。そして、ステップS34でリ
ーンカウンタCLMをリセットした後、ステップS35
で、所定の減量補正値KD (本実施例では、0.2%)
を用いて、下式により気筒別燃料補正係数KLmをリーン
側に補正する。尚、本実施例の場合、気筒別燃料補正係
数KLmは、−10%から10%の範囲の値をとり、BU
RAM等の不揮発性メモリーに記憶される。
【0029】KLm=KLm−KD 一方、ステップS31の判定がNoである場合、ECU
23は、ステップS36で、先ずリーンカウンタCLMを
リセットする。これにより、上述した気筒別燃料補正係
数KLmのリーン側への補正は、2サンプリング区間(2
56サイクル)連続して失火回数カウンタCMFの値が0
であった場合にのみ行われることになり、空燃比制御の
安定性が向上する。リーンカウンタCLMのリセットを終
えると、ECU23は、次に、ステップS37で、失火
回数カウンタCMFの値が閾値CMFX (本実施例では3
回)以上であるか否かを判定する。そして、この判定が
Noである場合、ECU23は、当該気筒の空燃比が安
定燃焼限界にあると判断し、燃料噴射弁3の気筒別燃料
補正係数KLmを現状でホールドし、ステップS39に進
んで安定燃焼限界での運転を継続させる。
【0030】また、ステップS37の判定がYesである
場合、ECU23は、当該気筒の空燃比がすでに安定燃
焼限界を超えてリーン側に突入したと判断する。そし
て、ステップS38で、図14のマップに基づき気筒別
変動積算値ΣImに対応する気筒別増量補正値Kamを設
定し、下式により気筒別燃料補正係数KLmをリッチ側に
更新する。すなわち、リッチ側への補正は、1サンプリ
ング区間(128サイクル)における失火回数カウンタ
CMFの値をもって行われるため、燃焼異常に対する空燃
比制御の応答性がよくなるのである。尚、気筒別増量補
正値Kamは、図14に示したように、気筒別変動積算値
ΣImの増加に伴ってリニアに増加する。これにより、
燃焼異常が発生した場合には、リッチ側への補正が一度
に行われ、運転状態が迅速に安定燃焼領域に復帰する。
【0031】KLm=KLm+Kam ステップS35あるいはステップS38で気筒別燃料補
正係数KLmを更新すると、ECU23は、ステップS3
9で、失火回数カウンタCMF,気筒別変動積算値ΣIm
およびカウントダウンタイマTCDの値をリセットする。
ステップS35でのカウンタやタイマ等のリセットが終
了すると、ECU23は、ステップS40で、現在の運
転状態が所定の補正領域にあるか否かを図8のリーン空
燃比マップから判定する。尚、本実施例においては、体
積効率EV がEVCとEVDとの間で、かつエンジン回転数
Ne がNeCとNeDとの間の範囲が上述した所定の補正領
域となっている。補正領域は学習領域より大きく設定さ
れており、EVC<EVA<EVB<EVDで、NeC<NeA<N
eB<NeDとなっている。そして、補正領域を外れる領域
では失火の虞はなく、学習補正を必要としない。
【0032】ステップS40の判定がYesである場合に
は、ECU23は、ステップS41でリーン空燃比マッ
プから検索した目標空燃比基本値OAFBから、下式に
より目標空燃比OAFを算出する。尚、下式において、
ΣKL は各気筒の気筒別燃料補正係数KLmの総和であ
り、Nはエンジン1の気筒数である。 OAF=OAFB・(1+ΣKL /N) 一方、ステップS40の判定がNoである場合には、E
CU23は、ステップS42で目標空燃比基本値OAF
Bをそのまま目標空燃比OAFとする。
【0033】ステップS41あるいはステップS42で
目標空燃比OAFを求めたら、ECU23は、図7のス
テップS43で、空燃比センサ12の出力信号から実空
燃比RAFを算出する。しかる後、ECU23は、ステ
ップS44で目標空燃比OAFと実空燃比RAFとの偏
差ΔAFを算出し、ステップS45で偏差ΔAFに基づ
き公知のPID制御を行ってフィードバック補正係数K
FBを算出する。次に、ECU23は、ステップS46
で、下式により設定空燃比SAFを算出する。
【0034】SAF=OAF・(1+KFB) 設定空燃比SAFを算出したら、ECU23は、ステッ
プS47で、インジェクタゲインα,体積効率EV ,理
論空燃比(14.7)に基づき、下式により燃料噴射弁3の
基本噴射時間TB を算出する。 TB =α・EV ・14.7/SAF 基本噴射時間TB を算出したら、ECU23は、ステッ
プS48で、冷却水温TW ,大気圧Ta ,吸気温度Ta
等に応じた空燃比補正係数KDTと無効噴射時間TD とを
用いて、下式により開弁時間TINJ を算出し、ステップ
S49で燃料噴射弁3を駆動する。
【0035】TINJ =KDT・TB +TD 以上述べたように、補正領域においては、目標空燃比O
AFがリッチ過ぎた場合、2サンプリング周期(256
サイクル)毎に徐々にリーン化され、安定燃焼限界に近
づいてゆく。また、安定燃焼限界を超えてリーン側に突
入した場合には、当該気筒の目標空燃比OAFが1サン
プリング周期(128サイクル)でリッチ化され、失火
が即座に解消される。そして、安定燃焼限界にある場合
には、リーン化もリッチ化も行われず、目標空燃比OA
Fが現状で保持される。したがって、本実施例のエンジ
ンでは、空燃比が常に安定燃焼限界近傍になるように制
御されることになり、燃費の向上と共にNOX 排出量の
大幅な低減を実現できた。尚、上述した制御は各気筒毎
に行われるが、これは安定燃焼限界近傍での空燃比が個
々の気筒で異なるためである。
【0036】以上で、具体的実施例の説明を終えるが、
本発明の態様はこの実施例に限るものではない。例え
ば、上記実施例は本発明をV型6気筒エンジンに適用し
たものであるが、直列4気筒エンジン等、気筒数や気筒
配置の異なるエンジンに適用してもよいし、EGR制御
等に適用してもよい。また、上記制御における各閾値や
各カウンタの初期値等は適宜設定可能であるし、制御手
順についても本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更して
もよい。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1の燃焼異常検出方法で
は、角加速度平均値を各気筒毎に算出するため、クラン
ク角センサに気筒間のばらつきがあっても、燃焼異常の
判定がこれに影響を受けない。したがって、例えばリー
ンバーン制御等に適用した場合、煩雑なセグメント補正
によらず、安定燃焼限界での燃料噴射制御を高精度で行
うことが可能になり、NOX 排出量の低減や燃費の向上
を図ることができる。
【0038】また、請求項2の燃焼異常検出方法では、
角加速度瞬時値の今回値と角加速度平均値の前回値とに
それぞれ重み付け定数を乗じて和することにより、角加
速度平均値の今回値を算出するため、悪路走行やノイズ
等により正負両方向に突出した角加速度瞬時値が検出さ
れても、角加速度平均値はフィルタリングされたものと
なり、安定した制御を実現することができる。
【0039】また、請求項3の燃焼異常検出方法では、
角加速度瞬時値の今回値に乗ずる重み付け定数の値を角
加速度平均値の前回値に乗ずる重み付け定数の値より大
きくしたため、角加速度の変動に対する角加速度平均値
の追従性がよくなり、過渡期における応答性が向上し、
制御精度を更に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼異常検出方法を適用したエン
ジン制御系の一実施例を示した概略構成図である。
【図2】ロータプレートとクランク角センサとを示した
斜視図である。
【図3】クランク角センサの出力信号を示したグラフで
ある。
【図4】燃料噴射制御サブルーチンの手順を示したフロ
ーチャートである。
【図5】安定燃焼限界制御サブルーチンの手順を示した
フローチャートである。
【図6】安定燃焼限界制御サブルーチンの手順を示した
フローチャートである。
【図7】安定燃焼限界制御サブルーチンの手順を示した
フローチャートである。
【図8】体積効率とエンジン回転数とをパラメータとす
るリーン空燃比マップである。
【図9】体積効率とエンジン回転数とをパラメータとす
るストイキオ/リッチ空燃比マップである。
【図10】失火時における角加速度変化量と体積効率と
の関係を示したグラフである。
【図11】体積効率補正係数のマップである。
【図12】失火時の気筒別加速度指数と体積効率との関
係を示したグラフである。
【図13】気筒別加速度指数と燃料噴射量等との関係を
示したグラフである。
【図14】気筒別変動積算値と燃料噴射増量係数との関
係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン 3 燃料噴射弁 12 O2 センサ 17 ロータプレート 18 クランク角センサ 21 ECU 25 クランクシャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平子 廉 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒内燃機関のクランク回転情報か
    ら、当該内燃機関の燃焼異常を検出する燃焼異常検出方
    法において、 前記内燃機関の所定のクランク位置で出力されるクラン
    ク角信号を検出するステップと、 検出したクランク角信号に基づき、前記内燃機関の所定
    気筒の燃焼行程における角加速度瞬時値を算出するステ
    ップと、 前記角加速度瞬時値の今回値と前記気筒の角加速度平均
    値の前回値とに基づき、当該気筒の角加速度平均値の今
    回値を算出するステップと、 前記角加速度瞬時値の今回値と角加速度平均値の今回値
    との偏差が所定の閾値を超えたことをもって、前記所定
    気筒に燃焼異常があったと判定するステップとを含むこ
    とを特徴とする内燃機関の燃焼異常検出方法。
  2. 【請求項2】 それぞれに重み付け定数を乗じた前記角
    加速度瞬時値の今回値と前記角加速度平均値の前回値と
    を和することにより、前記角加速度平均値の今回値を算
    出することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼
    異常検出方法。
  3. 【請求項3】 前記角加速度瞬時値の今回値に乗ずる重
    み付け定数の値を前記角加速度平均値の前回値に乗ずる
    重み付け定数の値より大きくしたことを特徴とする請求
    項2記載の内燃機関の燃焼異常検出方法。
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