JPH08283181A - アルデヒド化合物からの還元体の製造方法 - Google Patents

アルデヒド化合物からの還元体の製造方法

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JPH08283181A
JPH08283181A JP7089034A JP8903495A JPH08283181A JP H08283181 A JPH08283181 A JP H08283181A JP 7089034 A JP7089034 A JP 7089034A JP 8903495 A JP8903495 A JP 8903495A JP H08283181 A JPH08283181 A JP H08283181A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、アルデヒド化合物にルテニウム錯
体と有機ヒドロペルオキシドを添加して脱カルボニル化
することを特徴とするアルデヒド化合物からの還元体の
製造方法に関する。 【効果】 本発明により、低温で、多量の遷移金属錯体
をもちいることなくしかも高い反応速度で種々のアルデ
ヒド化合物を脱カルボニル化して相当する還元体を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルテニウム錯体の存在
下で種々のアルデヒド化合物を脱カルボニル化して(ア
ルデヒド化合物から一酸化炭素を引き抜いて)相当する
還元体を製造する方法に関する。この方法は、例えばバ
ニリンを製造する際に副生するo−バニリン及びイソバ
ニリンを原料のグアヤコールに変換する手段の一つとし
て有効に利用することができ、更にシクロヘキサンを液
相空気酸化してシクロヘキサノンを製造する際に副生す
るヘキサナールやペンタナール等のアルデヒド化合物を
相当する炭化水素に変換してアルデヒド化合物との縮合
によるシクロヘキサノンの損失を抑えることもできる。
また、ステロイド側鎖のメチル基の立体位置を保持した
ままその側鎖上のアルデヒド基の脱カルボニル化を行う
際にも有用である(J. Am. Chem. Soc., 103, 5261(198
1)参照)。
【0002】
【従来の技術】種々のアルデヒド化合物を遷移金属錯体
の存在下で脱カルボニル化して相当する還元体を得る方
法としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム錯体を
用いる方法が知られている(Synthesis, 1969, 164参
照)。しかしながら、この場合は錯体が一酸化炭素と安
定なカルボニル錯体を形成するために化学量論量の錯体
が必要になるという問題がある。一方、カルボニル錯体
の生成を防ぐためにキレート型ジホスフィンを配位子に
もつカチオン性ロジウム錯体を用いる方法も知られてい
る(J. Am. Chem. Soc.,100, 7083(1978) 参照)。しか
し、この方法においても充分なターンオーバー数を得る
ために高い反応温度が必要とされ、更に多量の触媒も使
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温で、多
量の遷移金属錯体を用いることなくしかも高い反応速度
で、種々のアルデヒド化合物を触媒的に脱カルボニル化
して(アルデヒド化合物から一酸化炭素を引き抜いて)
相当する還元体を製造する方法を提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、アルデ
ヒド化合物に一般式(I)で示されるルテニウム錯体及
び有機ヒドロペルオキシドを添加して脱カルボニル化す
ることを特徴とするアルデヒド化合物からの還元体の製
造方法によって達成される。
【0005】
【化2】 (式中、Xはルテニウム原子に配位できる陰イオン性配
位子、Lはルテニウム原子に配位できる中性配位子を示
し、nは0から3までの整数、mは1から4までの整数
を示し、n+mは4以下の自然数である。)
【0006】以下に本発明を詳しく説明する。アルデヒ
ド化合物の脱カルボニル化は次の反応式で示される。
【化3】 (式中、Rは炭素数2〜20の鎖状アルキル基、炭素数
3〜20の環状アルキル基又は炭素数6〜20のアリー
ル基を示す)
【0007】アルデヒド化合物としては、例えば1−プ
ロパナール、1−ブタナール、1−ペンタナール、1−
ヘキサナール、1−ヘプタナール、1−オクタナール、
1−デカナ−ル、1−ウンデカナール、1−ドデカナー
ル、2−メチルプロパナール、2−メチルブタナール等
の炭素数2〜20の前記鎖状アルキル基を有する鎖状ア
ルキルアルデヒド、シクロプロパンカルボキサアルデヒ
ド、シクロブタンカルボキサアルデヒド、シクロペンタ
ンカルボキサアルデヒド、シクロヘキサンカルボキサア
ルデヒド等の炭素数3〜20の前記環状アルキル基を有
する環状アルキルアルデヒド、及びベンズアルデヒド、
o−クロロベンズアルデヒド、o−アニスアルデヒド、
3,5−ジメトキシベンズアルデヒド、バニリン、o−
バニリン、イソバニリン、ヘリオトロピン等の炭素数6
〜20の前記アリール基を有するアリールアルデヒドが
挙げられる。なお、アリール基は芳香核上にハロゲン
基、アミノ基、アルコキシ基、水酸基等の置換基を有し
ていても差し支えない。
【0008】本発明で用いられるルテニウム錯体は上記
の一般式(I)で示される陰イオン性配位子X、中性配
位子L及びトリフェニルホスフィンを配位子として有す
るルテニウム錯体である。陰イオン性配位子Xとしては
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード等のハライド、及び
ヒドリド、アセタト、シクロペンタジエニルなどの配位
子が挙げられ、中性配位子Lとしてはトリフェニルホス
フィン等のホスフィン類、アセトニトリル及びベンゾニ
トリル等のニトリル類、ベンゼン及びシメン等のアレー
ン類、シクロオクタジエン及びノルボルナジエン等のジ
エン類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類や、
カルボニル、ピリジンなどの配位子が挙げられる。な
お、陰イオン性配位子Xの数は2、中性配位子Lの数は
0から3までの整数、トリフェニルホスフィンの数は1
から4までの整数であって、中性配位子Lとトリフェニ
ルホスフィンの合計は4以下の自然数である。
【0009】このような配位子を有するルテニウム錯体
としては、例えば(1) ジクロロトリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム、ジブロモトリス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウム、ジヨードトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ルテニウム等のXがハライドでLを有し
ないもの、(2) クロロヒドリドトリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム等のXがハライド及びヒドリドで
Lを有しないもの、(3) ジヒドリドテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)ルテニウム等のXがヒドリドでLを
有しないもの、(4) ジクロロジカルボニルビス(トリフ
ェニルホスフィン)ルテニウム等のXがハライドでLが
カルボニルであるもの、(5) クロロヒドリドカルボニル
トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のXが
ハライド及びヒドリドでLがカルボニルであるもの、
(6) ジヒドリドカルボニルビス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム等のXがヒドリドでLがカルボニルであ
るもの、(7) クロロシクロペンタジエニルビス(トリフ
ェニルホスフィン)ルテニウム等のXがハライドでLが
ジエン類であるもの、(8) ジクロロビス(アセトニトリ
ル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のX
がハライドでLがニトリル類であるもの、(9) ジクロロ
(ベンゼン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、
ジクロロ(p−シメン)(トリフェニルホスフィン)ル
テニウム等のXがハライドでLがアレーン類であるも
の、(10)ビス(アセタト)ジカルボニルビス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウム等のXがアセタトでLがカ
ルボニルであるものが挙げられる。
【0010】ルテニウム錯体の使用量は特に制限されな
いが、アルデヒド化合物1モルに対して通常1×10-6
〜1モル、好ましくは5×10-5〜5×10-2モルであ
る。ルテニウム錯体の濃度は高くしても特別な効果は見
られないのでこの範囲が適当である。なお、前記ルテニ
ウム錯体は公知の化合物であり、殆どが三塩化ルテニウ
ムを出発原料として容易に合成することができる。
【0011】本発明で用いられる有機ヒドロペルオキシ
ドは、炭素数4〜20の鎖状アルキル又は環状アルキル
ヒドロペルオキシド及び炭素数7〜20のアリールヒド
ロペルオキシドである。鎖状アルキルヒドロペルオキシ
ドとしては、t−ブチルヒドロペルオキシド、2−メチ
ルブチルヒドロペルオキシド、2−メチルペンチルヒド
ロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−
ジヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルヒドロペルオキシドなどが挙げられ、環状アルキ
ルヒドロペルオキシドとしては、例えばメンチルヒドロ
ペルオキシド、シクロペンチルヒドロペルオキシド、シ
クロヘキシルヒドロペルオキシド、シクロヘプチルヒド
ロペルオキシド、シクロオクチルヒドロペルオキシド、
シクロノニルヒドロペルオキシド、シクロデシルヒドロ
ペルオキシド、シクロドデシルヒドロペルオキシド、シ
クロペンタデシルヒドロペルオキシド、シクロヘキサデ
シルヒドロペルオキシドなどが挙げられる。また、アリ
ールヒドロペルオキシドとしては、クミルヒドロペルオ
キシド、4−クロロクミルヒドロペルオキシドなどが挙
げられる。
【0012】有機ヒドロペルオキシドの使用量はアルデ
ヒド化合物1モルに対して通常0.5〜5モルである。
ヒドロペルオキシドの量がアルデヒド化合物に対して極
めて少ないとアルデヒド化合物の転化率が低下し、大過
剰であればアルデヒド化合物や生成した還元体の新たな
酸化が起こって還元体の選択率が低下するために好まし
くない。
【0013】前記有機ヒドロペルオキシドは、通常、遷
移金属などのヒドロペルオキシドの分解を促進する物質
の非存在下に反応温度80〜180℃、反応圧1〜20
気圧(ゲージ圧)の条件でアルカン又はアロマティック
化合物を空気等の分子状酸素含有ガスと液相接触反応さ
せる公知の方法によって得ることができる。本発明で
は、このようにして得られる有機ヒドロペルオキシド含
有酸化反応液から蒸留又は抽出等により分離される有機
ヒドロペルオキシだけでなく、有機ヒドロペルオキシド
を含有するアルカン又はアロマティック化合物の酸化反
応液をそのまま使用しても、アルデヒド化合物を効率よ
く触媒的に脱カルボニル化して相当する還元体を製造す
ることができる。
【0014】有機ヒドロペルオキシド含有酸化反応液を
そのまま使用する場合には、アルデヒド化合物の脱カル
ボニル化を行う前に必要に応じて水洗又はアルカリ洗浄
により含有されている酸を除去してもよい。このとき、
アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の
水酸化物や炭酸塩が用いられる。
【0015】アルデヒド化合物の脱カルボニル化は、ア
ルデヒド化合物、前記ルテニウム錯体及び有機ヒドロペ
ルオキシドを反応溶媒中に所定量添加して、通常、反応
温度50〜180℃、好ましくは80〜160℃で行わ
れる。反応温度が50℃より低くなると反応速度が遅く
なり、180℃より高くなると還元体の選択率が低下す
る。このようにして得られた還元体は蒸留又は抽出等の
常法により容易に分離精製される。
【0016】なお、反応溶媒としては有機ヒドロペルオ
キシドの原料となるアルカン又はアロマティック化合物
が好適に用いられるが、必要に応じてジクロロメタン、
クロロホルム、エチレンジクロリド等の脂肪族ハロゲン
化炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、アセトニト
リル等のニトリル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ウンデカン、テトラデカン等のハロゲンを含有しない脂
肪族化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類を用いることができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、アルデヒド化合物の転化率及び
還元体の選択率は反応液をガスクロマトグラフィーで分
析して次式により求めた。
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】参考例1 (シクロヘキサンの空気酸化によるシクロヘキシルヒド
ロペルオキシドの合成)内容積500mlの耐圧ガラス
製オートクレーブにシクロヘキサン300gを仕込み、
攪拌下(800rpm)、反応温度160℃、空気圧1
0kg/cm2で60分間空気酸化を行って、反応液1
g当たりシクロヘキシルヒドロペルオキシドを0.27
7mmol含有するシクロヘキサンの酸化反応液を得
た。
【0021】実施例1 〔1−ドデカナールからの相当する還元体の製造〕還流
冷却器、温度計、攪拌装置及び反応液取り出し口を備え
た内容積100mlの耐圧ガラス製オートクレーブに反
応液1g当たりシクロヘキシルヒドロペルオキシドを
0.277mmol含有する前記酸化反応液10gを入
れ、これに1−ドデカナール2.77mmol及びジク
ロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム〔R
uCl2 (PPh3 3 〕2.77×10-4mmolを
添加した。この混合液を攪拌しながら120℃に加熱し
て脱カルボニル化を30分間行った。その結果、1−ド
デカナールの転化率は64%で、相当する還元体(n−
ウンデカン)の選択率は80%であった。
【0022】比較例1 実施例1において、シクロヘキシルヒドロペルオキシド
を含有する前記酸化反応液をシクロヘキサンに代えた
(即ち有機ヒドロペルオキシドを用いなかった)ほか
は、実施例1と同様に脱カルボニル化を行った。その結
果、1−ドデカナールの転化率は0.1%以下で、相当
する還元体(n−ウンデカン)は痕跡程度検出されたの
みであった。
【0023】実施例2 〔1−ドデカナールからの相当する還元体の製造〕実施
例1において、シクロヘキシルヒドロペルオキシドを含
有する前記酸化反応液をt−ブチルヒドロペルオキシド
2.77mmolを含有するシクロヘキサン溶液10g
に代えたほかは、実施例1と同様に脱カルボニル化を行
った。その結果、1−ドデカナールの転化率は98%
で、相当する還元体(n−ウンデカン)の選択率は84
%であった。
【0024】実施例3 〔1−ドデカナールからの相当する還元体の製造〕実施
例1において、シクロヘキシルヒドロペルオキシドを含
有する前記酸化反応液をクミルヒドロペルオキシド2.
77mmolを含有するシクロヘキサン溶液10gに代
えたほかは、実施例1と同様に脱カルボニル化を行っ
た。その結果、1−ドデカナールの転化率は98%で、
相当する還元体(n−ウンデカン)の選択率は84%で
あった。
【0025】実施例4 〔1−ドデカナールからの相当する還元体の製造〕実施
例1において、ルテニウム錯体をクロロヒドリドトリス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム〔RuClH
(PPh3 3 〕2.77×10-4mmolに代えたほ
かは、実施例1と同様に脱カルボニル化を行った。その
結果、1−ドデカナールの転化率は60%で、相当する
還元体(n−ウンデカン)の選択率は82%であった。
【0026】実施例5 〔1−ドデカナールからの相当する還元体の製造〕実施
例1において、ルテニウム錯体をジヒドリドテトラキス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム〔RuH2 (P
Ph3 4 〕2.77×10-4mmolに代えたほか
は、実施例1と同様に脱カルボニル化を行った。その結
果、1−ドデカナールの転化率は65%で、相当する還
元体(n−ウンデカン)の選択率は79%であった。
【0027】実施例6 〔o−バニリンからの相当する還元体の製造〕実施例1
において、アルデヒド化合物をo−バニリンに代えたほ
かは、実施例1と同様に脱カルボニル化を行った。その
結果、o−バニリンの転化率は18%で、相当する還元
体(グアヤコール)の選択率は65%であった。
【0028】実施例7 〔1−ヘキサナールからの相当する還元体の製造〕実施
例1において、アルデヒド化合物を1−ヘキサナールに
代えたほかは、実施例1と同様に脱カルボニル化を行っ
た。その結果、1−ヘキサナールの転化率は60%で、
相当する還元体(n−ペンタン)の選択率は82%であ
った。
【0029】実施例8 〔3,5−ジメトキシベンズアルデヒドからの相当する
還元体の製造〕実施例1において、アルデヒド化合物を
3,5−ジメトキシベンズアルデヒドに代えたほかは、
実施例1と同様に脱カルボニル化を行った。その結果、
3,5−ジメトキシベンズアルデヒドの転化率は31%
で、相当する還元体(m−メトキシベンゼン)の選択率
は69%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明により、低温で、多量の遷移金属
錯体を用いることなくしかも高い反応速度で、種々のア
ルデヒド化合物を触媒的に脱カルボニル化して相当する
還元体を得ることができる。本発明の方法は、種々の有
用化合物の製造においてアルデヒド化合物を含有する反
応液の処理に効果的に利用することができる。特に、バ
ニリンの製造においては副生するo−バニリン及びイソ
バニリンを原料のグアヤコールに変換してバニリンの全
收率を高めることができ、またシクロヘキサンの液相空
気酸化によるシクロヘキサノンの製造においては副生す
るヘキサナールやペンタナール等のアルデヒド化合物を
相当する炭化水素に変換してアルデヒド化合物との縮合
によるシクロヘキサノンの損失を抑えることが可能にな
り、非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 13/02 9546−4H C07C 13/02 15/02 9546−4H 15/02 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 島野 哲郎 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルデヒド化合物に一般式(I)で示さ
    れるルテニウム錯体及び有機ヒドロペルオキシドを添加
    して脱カルボニル化することを特徴とするアルデヒド化
    合物からの還元体の製造方法。 【化1】 (式中、Phはフェニル基、Xはルテニウム原子に配位
    できる陰イオン性配位子、Lはルテニウム原子に配位で
    きる中性配位子を示し、nは0から3までの整数、mは
    1から4までの整数を示し、n+mは4以下の自然数で
    ある。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007537204A (ja) * 2004-05-13 2007-12-20 シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト 不飽和ラクトンの調製方法

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JP2007537204A (ja) * 2004-05-13 2007-12-20 シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト 不飽和ラクトンの調製方法
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