JPH05255361A - ジホスフィン及びその製造方法 - Google Patents

ジホスフィン及びその製造方法

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JPH05255361A
JPH05255361A JP5534292A JP5534292A JPH05255361A JP H05255361 A JPH05255361 A JP H05255361A JP 5534292 A JP5534292 A JP 5534292A JP 5534292 A JP5534292 A JP 5534292A JP H05255361 A JPH05255361 A JP H05255361A
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JP
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diphosphine
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bicyclo
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octane
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JP5534292A
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English (en)
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Kyoji Yamamoto
經二 山本
Masahiro Miyazawa
眞宏 宮澤
Satoshi Ebata
敏 江端
Nobumasa Arashiba
伸正 荒柴
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビシクロ[2.2.2]オクタン骨格を有す
る新規ジホスフィン並びにこれらを配位子とする金属錯
体及びその製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 endo,endo−2,5−ビスヒドロキ
シメチルビシクロ[2.2.2]オクタンを、常套法に
よりendo,endo−2,5−ビス((ジフェニル
ホスフィノ)メチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン
に変換するにあたり、変換反応後一旦酸化処理し、ビシ
クロ[2.2.2]オクタン骨格を有する新規ジホスフ
ィンオキシドとし、これをトリクロロシラン等で還元す
ることにより、より高純度のジホスフィンを得る。又、
ロジウム錯体へ変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、式(1)[化4]
【0002】
【化4】 (式中R1,R2,R3及びR4は炭素数1〜8個のアルキ
ル基、炭素数6〜18個のアリール基および炭素数6〜
18個のアラルキル基の中から選ばれた一種の基であ
り、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
く、また、R1とR2及び/又はR3とR4はリン原子以外
の結合によってもつながっていても良いアルキル基、ア
リール基若しくはアラルキル基を示す)で表されるビシ
クロ[2.2.2]オクタン骨格を有する新規なジホス
フィン及びその製造方法並びに式(1)で表されるビシ
クロ[2.2.2]オクタン骨格を有するジホスフィン
を配位子とする金属錯体に関する。
【0003】
【従来の技術】ホスフィンは多くの金属に安定に配位
し、液相中の多くの金属触媒反応に於いて有効な配位子
として広く用いられている。最も多用される代表的なホ
スフィンとしてはトリフェニルホスフィンを挙げること
ができる。しかし、反応活性及び選択性と言った触媒性
能の改良、向上を図るため、特に二座配位能を有する新
しいジホスフィンの開発が盛んに検討されてきた。特に
最近は、すぐれた触媒性能を得ることを目的とし立体化
学が高度に制御された新規金属錯体を得るべく、二座配
位能を有する新しい型のジホスフィンの合成が試みられ
ている。その新しい例として近年発表されたC.P.C
aseyら(J.Org.Chem.,1990,5
5,1394−96)の合成例と、本発明者ら(Syn
let,1990,711−712)によるビシクロ
[2.2.1]ヘプタン骨格を有するジホスフィンの合
成例がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来知られ
ていなかった二座配位能を有する全く新規なジホスフィ
ン及びその金属錯体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新しい概
念に基づいたジホスフィンの設計を鋭意行い、永きにわ
たってその製造方法の検討を行い、ここに新規なジホス
フィンの製造及び独自の製造ルートを確立し本発明を完
成するに至った。本発明のジホスフィンは、ビシクロ
[2.2.2]オクタン骨格を基本とし、その2,5−
位に二つのメチレン基がendo,endoに分岐し、
さらにリンの置換基が結合した極めて精密に設計された
配位子である。このビシクロ[2.2.2]オクタン骨
格を有するジホスフィン配位子及びその金属錯体に関す
る詳細な構造解析は未だできていない。しかし、ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有するジホスフィン配
位子に関するC.P.Caseyらの計算結果の類推か
ら、金属に配位する場合のP−金属−Pのなす角度が約
120゜前後となる配位が、本配位子にかかる歪みのエ
ネルギーが最も小さく、最も安定な配位となることが期
待される。一方、従来から良く知られている二座配位能
を有するDIOP等の多くのジホスフィン配位子につい
てはその立体構造の解析がなされており、金属に配位す
る場合のP−金属−Pのなす角度が、ほぼ90゜又は9
0゜以下の配位が最も安定な配位角となることが実験事
実から確認されている。また、C.P.Caseyらに
よる同上の計算からは、それらが120゜という大きな
配位角がとれないという結果が得られている。従ってこ
のビシクロ[2.2.2]オクタン骨格を有するジホス
フィン配位子は、従来より知られている多くの二座配位
子とは全く異なり、新規な配位設計がなされたジホスフ
ィンである。
【0006】本発明は、この様な新しい考えの下に設計
された新規なジホスフィンを提供すると共に、その独自
の製造ルート及びこれを配位子とする新規な金属錯体を
提供するものである。即ち、本発明は式(1)[化5]
【0007】
【化5】 (式中R1,R2,R3及びR4は炭素数1〜8個のアルキ
ル基、炭素数6〜18個のアリール基および炭素数6〜
18個のアラルキル基の中から選ばれた一種の基であ
り、それらは互いに同一であっても又は、異なっていて
もよく、また、R1とR2及び/又はR3とR4はリン原子
以外の結合によってもつながっていても良いアルキル
基、アリール基若しくはアラルキル基を示す)で表され
るビシクロ[2.2.2]オクタン骨格を有するジホス
フィンであり、式(2)[化6]
【0008】
【化6】 で表されるビシクロ[2.2.2]オクタン骨格を有す
るジホスフィンオキシドであり、式(1)で表されるジ
ホスフィンを配位子とすることを特徴とする金属錯体で
あり、式(3)[化7]
【0009】
【化7】 で表されるビシクロ[2.2.2]オクタン骨格を有す
るジオールを原料としてジホスフィンに変換することを
特徴とする式(1)表されるビシクロ[2.2.2]オ
クタン骨格を有するジホスフィンの製造方法であり、式
(3)で表されるビシクロ[2.2.2]オクタン骨格
を有するジオールを原料とするジホスフィンの製造に於
いて、一旦式(1)で表されるジホスフィンを製造し、
更に酸化処理して式(2)で表されるジホスフィンオキ
シドとした後、再び還元することを特徴とする式(1)
で表されるジホスフィンの製造方法について提示するも
のである。なお、上記「R3 とR4 はリン原子以外の結
合によってもつながっていても良いアルキル基、アリー
ル基若しくはアラルキル基を示す」とは、式(4)〔化
8〕
【0010】
【化8】 (ここで、Yは酸素、窒素、金属などの原子若しくはC
1 〜C3 の炭素鎖などの原子団を示す)のようにYを介
して若しくは直接にR3 とR4 とが結合するようなもの
である。本発明について、さらに詳しく説明する。本発
明では新規な配位設計を施した配位子であるビシクロ
[2.2.2]オクタン骨格を有するジホスフィンを得
るために、独自の製造ルートを発明した。即ち、式
(3)で表わされるendo,endo−2,5−ビス
ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.2]オクタンを製
造原料とし、常套に従ってこのジオールをジトシラート
に変換し、所望のホスフィン類との置換反応にてジホス
フィンとする。例えば、式(5)[化9]に示される様
【0011】
【化9】 (ここで、R’、R”はR1〜R4に同じ)ジオールをジ
トシラートに変換し、所望のホスフィン類との置換反応
にて製造することができる。アルコールのトシラートへ
の変換は、未反応の原料アルコールを極力少なくする為
に、通常化学量論量よりも多いトシル化剤を用いる。但
し、化学量論量の2倍量を越えて用いると未反応のトシ
ル化剤の分離回収が困難となり、又目的トシラートとの
分離も煩雑になり好ましくない。従って、1.1倍〜
1.8倍量程度のトシル化剤を用いるのが望ましい。反
応温度は、アルコールの種類等によって多少異なるが、
温和な温度条件下で実施するのが良い。通常、−20℃
ないし50℃にて実施し、積極的な加熱を避けることが
望まれる。反応溶媒としては、トシル化剤として通常塩
化パラトルエンスルホニルを用いるため、反応で生成し
てくる塩酸の中和捕捉を兼ねて、塩基性の溶媒を用いる
のが望まれる。このような代表的な反応溶媒の例として
反応に不活性なピリジンやキノリンといったアミン類が
挙げられる。又、これらの塩基性溶媒を含む混合溶媒と
しても使用可能である。又、アルコールからホスフィン
化合物への変換方法に於いて、トシラートを経ないその
他の既知の方法でも製造可能である。しかし、反応の容
易さ及び選択性から本法が好まれる方法である。
【0012】次に、本発明では変換可能な製造方法にて
一旦ジホスフィンを製造するが、得られたジホスフィン
を更に酸化処理してジホスフィンオキシドとし、これを
単離精製した後、改めて還元処理して再びジホスフィン
とする。即ち、まず最初にジオールからジトシラート等
を経て得られるジホスフィンは、分離可能な反応試薬や
副生成物を除去した後、過酸化水素水又は、tert−
ブチルハイドロパーオキシド等の酸化剤にて実質的に完
全に酸化し、一旦ジホスフィンオキシドとする。ここ
で、再結晶法もしくは溶出クロマトグラフィー等で単離
精製する。更に、このジホスフィンオキシドを、トリエ
チルアミン等のアミンの存在下トリクロロシランによる
還元、若しくはヘキサクロロジシラン等による還元な
ど、従来より既知の各種還元方法にて再びジホスフィン
とする。こうすることにより、最終的に得られたジホス
フィンを取扱い易くすることができるようになり、結果
として純度の良い目的ジホスフィンを得ることができ
る。この工程を経ないで、最初に得たジホスフィンを取
りだそうとすると、精製段階で返って量を損失したり若
しくは純度良く取り出したりすることが不可能となるこ
とさえある。尚、本発明製造方法の基本出発物質である
endo,endo−2,5−ビスヒドロキシメチルビ
シクロ[2.2.2]オクタンは、例えば製造方法既知
の式(6)[化10]
【0013】
【化10】 (ここでRはH若しくはアルキル基等を示す。)で表さ
れるジカルボン酸若しくはジエステルをLiAlH4
により還元することにより容易に得ることができる。こ
のジカルボン酸又はジエステルの製造は、例えばM.T
ichyらの方法(テトラヘドロンレターズ(Tetr
ahedron Letters)、1969年、第5
3号、第4609〜4613頁)により製造することが
できるが、この方法に限定されるものではない。
【0014】本発明のジホスフィンが配位子として利用
可能となるリンの置換基としては、ジメチルホスフィ
ン、ジエチルホスフィン、ジプロピルホスフィン、ジブ
チルホスフィン、ジオクチルホスフィン若しくはジシク
ロヘキシルホスフィン等のアルキルホスフィン類であ
り、ジフェニルホスフィン、ジナフチルホスフィン、ジ
−m−トリルホスフィン、ジ−o−トリルホスフィン若
しくはジ(m−スルフォフェニル)ホスフィン等のアリ
ールホスフィン類であり、ジベンジルホスフィン、ビス
(ナフチルメチル)ホスフィン等のアラルキルホスフィ
ン若しくはジフェニレンホスフィン基等の環式のホスフ
ィン等が有効なホスフィンとして挙げられるが、これら
には限定されない。また、メチルフェニルホスフィン、
エチルフェニルホスフィン、t−ブチルフェニルホスフ
ィン若しくはシクロヘキシルフェニルホスフィン等の異
種の置換基を有するホスフィン類であっても良い。本発
明のジホスフィンを配位子とする各種金属錯体に変換す
ると、例えば各種液相反応の触媒に利用することが可能
である。金属錯体への変換方法は用いる金属の種類によ
り特定されるものではなく、従来より既知の各種製造方
法により変換させることができる。配位させるべき中心
金属としては、一般にはルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、オスミウム、イリジウム、白金といった白金族元
素に配位させることができるが、鉄、コバルト、ニッケ
ルといった遷移金属類に配位させて用いることもでき
る。利用できる反応は、用いる中心金属の種類によって
も異なり、特に限定されない。例えば、ヒドロホルミル
化反応等に用いることが可能である。この反応では、ロ
ジウムに配位したものを代表的に示す。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。 実施例1 endo,endo−2,5−ビス(トルエンスルホニ
ルオキシメチル)ビシクロ[2.2.2]オクタンの製
造 0.49mlのピリジン及び5mlのクロロホルムの混
合溶媒に0.17gのendo,endo−2,5−ビ
スヒドロキシメチルビシクロ[2.2.2]オクタン
(1.0mmol)を溶解し、0.572gのパラトル
エンスルホン酸クロリド(3.0mmol)を加えて室
温で17時間攪拌した。続いて、氷水と3N−HClを
加えて、水層からエーテル抽出し、有機層を合わせて飽
和重曹水及び飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムにて乾燥した。濃縮後、残渣をフラッシュクロマト
グラフィー(シリカゲル,酢酸エチル/ヘキサン=1/
4)にて精製し、0.45gの白色のジトシラートを得
た(収率94%)。1 H NMR(500MHz、CDCl3);0.81
−1.94(12H),2.46(s,6H),3.7
9(2H),3.81(2H)7.35(d,4H),
7.77(d,4H)。
【0016】実施例2 endo,endo−2,5−ビス((ジフェニルホス
フィノ)メチル)ビシクロ[2.2.2]オクタンの製
造 乾燥アルゴン気流中、シュレンク管に290mgのカリ
ウム(7.4mmol)及び90mgのナトリウム
(3.9mmol)の合金を採り、10mlの乾燥ジオ
キサンと660mgのトリフェニルホスフィン(2.5
mmol)を加えて、室温で3時間激しく攪拌した。こ
こに5mlの乾燥トルエンに300mgのendo,e
ndo−2,5ビス(トルエンスルホニルオキシメチ
ル)ビシクロ[2.2.2]オクタン(0.63mmo
l)を溶解した溶液を入れて、室温で、11時間攪拌し
た。続いて、反応液を氷−エタノールで処理し、30m
lの塩化メチレンと5mlの3N塩酸水溶液で希釈し、
水層から塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせて、
飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥し、濃縮して標記の粗生成物を得た。これを
以下に示すように、酸化して一旦ジホスフィンオキシド
とし、再度還元することにより精製、高純度化した。5
mlのクロロホルムに上記粗製ジホスフィンを溶解し、
1.1mlの30%過酸化水素水を加えて、室温で10
時間攪拌した後、0℃で飽和Na2 2 3水溶液を加
えて処理し、20mlのクロロホルムで希釈した。水層
からクロロホルムで抽出し、有機層を合わせて、飽和重
曹水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥した。これを濃縮して、残渣をフラッシュクロ
マトグラフィー(シリカゲル、2%MeOH/クロロホ
ルム)にて精製し301mgの無色の結晶を得た。収率
は、88.8%であった。ジホスフィンオキシドの機器
分析データーを以下に示す。1 H NMR(500MHz、CDCl3);1.25
−2.05(12H),2.29(2H),2.31
(2H),7.38−7.64(20H) IR(KBr);3052,2932,2860,15
89,1435,1185,1117,739,71
7,696cm-1。 次に、乾燥アセトニトリルに300mgの上記ジホスフ
ィンオキシド(0.56mmol)を溶解し、0.77
mlのトリエチルアミンと758mgのトリクロロシラ
ン(5.6mmol)を加えて、一日間80〜90℃に
て加熱攪拌した。続いて、12mlの25%NaOH水
溶液にて処理し、アセトニトリルを減圧除去し、トルエ
ンにて抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濃
縮後カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、エーテル
/ヘキサン=1/50)にて精製し、270mgの標記
ジホスフィンを得た。分析結果を示す。31 P NMR(200MHz,CDCl3,exter
nal H3 PO4 );−20.43。
【0017】実施例3 金属錯体の製造 0.03mlの70%HClO4 と0.4mlの蒸留T
HFの混合溶液に、5.4mlの乾燥THFに88mg
のノルボルナジエン(アセチルアセトナト)Rh(I)
(0.30mmol)を溶解した溶液を入れ、この混合
液を室温にて40分間攪拌した。ここに、1mlの乾燥
THFに150mgのendo,endo−2,5−ビ
ス((ジフェニルホスフィノ)メチル)ビシクロ[2.
2.2]オクタン(0.30mmol)を溶解した溶液
を加えて、室温で更に1.5時間攪拌した。次に、7m
lのエーテルを加えて室温で更に20時間攪拌すると結
晶が生成し、193mgの(ノルボルナジエン)[en
do,endo−2,5−ビス((ジフェニルホスフィ
ノ)メチル)ビシクロ[2.2.2]オクタン]Rh
(I)パークロレートの黄色結晶をろ過回収した(収率
79%)。31 P NMR(200MHz,CDCl3,exter
nal H3 PO4 );21.1(d,J=164.4
Hz)。
【0018】比較例1 金属錯体の製造を、実施例2に於いて酸化処理および再
還元処理を行わないで得たendo,endo−2,5
−ビス((ジフェニルホスフィノ)メチル)ビシクロ
[2.2.2]オクタンを使用して、実施例3と全く同
様に行った。しかし、純粋な黄色結晶が得られず、精製
を繰り返す過程で量も少なくなり目的の錯体をうまく取
り出すことができなかった。
【0019】
【発明の効果】以上、本発明は基本骨格がビシクロ環を
有する新規なジホスフィンを提供するものであり、その
有用な製造方法を提供するものである。又、従来より知
られている製造方法を応用することにより、このジホス
フィンを配位子とする金属錯体を極めて容易に製造する
ことができ、ヒドロホルミル化反応への応用が可能であ
り、産業上極めて有益な触媒技術を提供するものであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)[化1] 【化1】 (式中R1,R2,R3及びR4は炭素数1〜8個のアルキ
    ル基、炭素数6〜18個のアリール基および炭素数6〜
    18個のアラルキル基の中から選ばれた一種の基であ
    り、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、また、R1 とR2及び/又はR3とR4はリン原子以
    外の結合によってつながっていても良 いアルキル基、
    アリール基若しくはアラルキル基を示す)で表されるビ
    シクロ[2.2.2]オクタン骨格を有するジホスフィ
    ン。
  2. 【請求項2】 式(2)[化2] 【化2】 (式中R1,R2,R3及びR4は炭素数1〜8個のアルキ
    ル基、炭素数6〜18個のアリール基および炭素数6〜
    18個のアラルキル基の中から選ばれた一種の基であ
    り、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、また、R1 とR2及び/又はR3とR4はリン原子以
    外の結合によってつながっていても良いアルキル基、ア
    リール基若しくはアラルキル基を示す)で表されるビシ
    クロ[2.2.2]オクタン骨格を有するジホスフィン
    オキシド。
  3. 【請求項3】 式(1)で表されるビシクロ[2.2.
    2]オクタン骨格を有するジホスフィンを配位子とする
    ことを特徴とする金属錯体。
  4. 【請求項4】 式(3)[化3] 【化3】 で表されるビシクロ[2.2.2]オクタン骨格を有す
    るジオールを原料としてジホスフィンに変換することを
    特徴とする式(1)で表されるビシクロ[2.2.2]
    オクタン骨格を有するジホスフィンの製造方法。
  5. 【請求項5】 式(3)で表されるビシクロ[2.2.
    2]オクタン骨格を有するジオールを原料とするジホス
    フィンの製造に於いて、一旦式(1)で表されるジホス
    フィンを製造し、更に酸化処理して式(2)で表される
    ジホスフィンオキシドとした後、再び還元することを特
    徴とする式(1)で表されるジホスフィンの製造方法。
JP5534292A 1992-03-13 1992-03-13 ジホスフィン及びその製造方法 Pending JPH05255361A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170019470A (ko) 2014-07-25 2017-02-21 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 고강도 용융 아연 도금 강판 및 그 제조 방법

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