JPH08282339A - トラクタの走行制御装置 - Google Patents

トラクタの走行制御装置

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JPH08282339A
JPH08282339A JP11797195A JP11797195A JPH08282339A JP H08282339 A JPH08282339 A JP H08282339A JP 11797195 A JP11797195 A JP 11797195A JP 11797195 A JP11797195 A JP 11797195A JP H08282339 A JPH08282339 A JP H08282339A
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JP
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rear wheel
wheel
wheels
turning
clutch
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Application number
JP11797195A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Ono
弘喜 小野
Mitsuhiko Ikeda
光彦 池田
Junichi Oshita
淳一 大下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラクタを圃場状況に合った走行方式で旋回
させる。 【構成】 旋回時に前後車輪の駆動形態を後輪二駆状態
及び前輪増速四駆状態に切換可能で、かつ旋回内行側の
後輪を制動する後輪ブレーキ装置を設けたトラクタの走
行制御装置であって、前輪の周速を検出する前輪回転セ
ンサ10と、後輪の周速を検出する後輪回転センサ9
と、これらセンサの検出結果に基づいて旋回直前の前輪
と後輪の周速比を算出すると共に、その周速比に応じ旋
回時における前後車輪の駆動形態と後輪ブレーキの制動
力を決定する制御部13とを具備する構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圃場状況に合った旋回
を可能とするトラクタの走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋回内行側の後輪にブレーキをかけ、そ
の後輪を支点にしてトラクタを旋回させる際、前輪の駆
動を切って後輪だけを駆動する後輪二駆状態か、或は前
輪の平均周速を後輪の平均周速に対して約2倍に増速し
た前輪増速四駆状態にし、前輪と後輪の周速差を調整し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】湿田等の軟弱な圃場を
後輪二駆状態で旋回すると、後輪がスリップし走行が困
難になることがある。したがって、軟弱な圃場では、前
輪増速四駆状態とするのが良い。一方、畑地等の地面の
硬い圃場では、後輪二駆状態でも旋回が容易であり、む
しろ後輪二駆状態の方が前輪で圃場を荒らすことがない
ので好ましい。このように、圃場状況によって好ましい
駆動形態は異なっている。
【0004】また、軟弱な圃場を前輪増速四駆状態で旋
回する場合、旋回内行側の後輪を完全に固定すると、そ
の内行側の後輪が向きを変える際に土壌を大きくえぐっ
てしまうが、後輪ブレーキの制動力を弱め、内行側の後
輪が少し回転する状態で旋回すれば、圃場の荒れを少な
くすることができる。
【0005】そこで本発明は、圃場状況に応じて駆動形
態と後輪ブレーキの制動力を好ましい状態に変えること
により、圃場状況に合った旋回をさせようとするもの
で、これを達成するために次のように構成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明にかか
るトラクタの走行制御装置は、旋回時に前後車輪の駆動
形態を後輪二駆状態及び前輪増速四駆状態に切換可能
で、かつ旋回内行側の後輪を制動する後輪ブレーキ装置
を設けたトラクタの走行制御装置であって、前輪の周速
を検出する前輪回転センサと、後輪の周速を検出する後
輪回転センサと、これらセンサの検出結果に基づいて旋
回直前の前輪と後輪の周速比を算出すると共に、その周
速比に応じ旋回時における前後車輪の駆動形態と後輪ブ
レーキの制動力を決定する制御部とを具備することを特
徴としている。
【0007】
【作用】前輪の周速を前輪回転センサで検出するととも
に、後輪の周速を後輪回転センサで検出し、これらセン
サの検出結果に基づいて算出される旋回直前の前輪と後
輪の周速比より圃場状況を判断する。そして、その周速
比に応じて旋回時の駆動形態と後輪ブレーキの制動力を
決定する。
【0008】
【実施例】まず、図1乃至図3に示す本発明の走行制御
装置を搭載したトラクタについて説明する。図例のトラ
クタは1例であり、これに限定されるものではない。
【0009】このトラクタ14は、前後四輪駆動車両で
あって、機体の四隅部に前輪4,4と後輪3,3を備え
ている。前輪4,4の車軸を支持する前車軸ケース15
と後輪3,3を支持する後車軸ケース16,16は、前
フレーム17とギヤケース18にそれぞれ取り付けられ
ている。そして、前フレーム17の中央上側に、これら
車輪4,4,3,3を駆動するエンジン1が着脱自在に
搭載されている。
【0010】前車軸ケース15はその左右方向中央部で
前フレーム17に対し左右揺動自在に軸着19され、地
面の凹凸により前輪4,4が上下動するようになってい
る。この前車軸ケース15の左右方向中央部には、前部
デファレンシャル装置20が内装されている。前車軸ケ
ース15へは、後記伝動ケース21から前駆動軸6を介
して入力される。
【0011】22はラジエター、23は冷却ファンであ
って、これらはエンジン1の前方に配設されている。冷
却ファン23の近傍には、エンジン1の回転数を検出す
るエンジン回転センサ12が設けられ、該センサの検出
結果を制御部であるコントローラ13に送信している。
【0012】24はボンネットであって、エンジン1や
補器類(図示省略)の前方や側方を覆っている。26は
クラッチハウジングであって、内部に主クラッチ27を
内装している。この主クラッチ27はエンジン1の後部
に取り付けられ、伝動ケース21内に駆動力を伝達して
いる。
【0013】28はハンドル、29はハンドルポストで
あって、ハンドルポスト29の下端部は機枠に取り付け
られ、ハンドル28を左右回転させると、前輪4,4が
左右に舵取り揺動するようになっている。この前輪4,
4の操舵角をステアリング切れ角センサ11で検出し、
その検出結果をコントローラ13に送信している。
【0014】左右の後輪3,3は後車軸ケース16,1
6とギヤケース18内の伝動機構で連結されており、そ
の左右中間部に後部デファレンシャル装置25が設けら
れている。後部デファレンシャル装置25を内装するギ
ヤケース18は、前述の伝動ケース21の後部に取り付
けられ、さらに伝動ケース21はクラッチハウジング2
6の後端部に一体に連結されている。
【0015】左右の後輪3,3の前方から上方にかけて
フェンダー30,30が取り付けられ、この左右フェン
ダー30,30の間に座席31が設けられている。座席
31の下部の運転者足元部からハンドルポスト29の下
部の両側方にかけて、略平板状のフロア32が設けられ
ている。
【0016】トラクタ14の後部にはトラクタが具備す
る油圧装置(図示省略)で上下回動させるリフトアーム
80が設けられている。必要に応じて取り付けられる作
業機装着用のリンクにこのリフトアーム80を連結し、
該リフトアームを上げ作動及び下げ作動させることによ
り、リンクに装着した作業機が昇降するようになってい
る。リフトアーム80の基部には該アームの角度を検出
するリフトアームセンサ81が設けられ、その検出結果
がコントローラ13に送信されている。また、座席31
の側方部には、作業機の位置を操作決定するコントロー
ルレバー82が設けられている。
【0017】エンジン1の回転動力は、主クラッチ27
を経て伝動ケース21に入力され、その入り口部で、前
輪及び後輪を駆動する走行駆動力と外部動力取出のPT
O駆動の二系統に伝動分岐される。走行駆動力は、前進
と後進に切り替えるリバーサー装置33、4段変速の主
変速装置34、低速、中速、高速のシフト位置を有する
副変速装置35等からなる変速機構2を経て、後輪駆動
回転軸5により前記後部デファレンシャル装置25に伝
動される。また、PTO駆動力は、PTO変速装置36
を経て、ギヤケース18から後方に突出するPTO軸3
7に取り出される。PTO軸37の突出部に、各種作業
機(図示省略)への伝動軸が着脱自在に伝動連結するよ
うになっている。
【0018】前記リバーサー装置33、主変速装置34
及び副変速装置35のシフト位置は、前後進シフト位置
センサ83、主変速シフト位置センサ84、及び副変速
シフト位置センサ85でそれぞれ検出され、その検出結
果がコントローラ13に送信されている。
【0019】後部デファレンシャル装置25から出力軸
75,75が左右に突出し、その出力軸75,75の駆
動力が後車軸ケース16,16内の伝動機構に伝えら
れ、左右の後輪3,3を駆動している。左右の出力軸7
5,75には図示を省略した左右のブレーキペダルで操
作する後輪ブレーキ76,76が設けられていて、左右
の後輪3,3がそれぞれ別個または同時に制動できるよ
うになっている。この後輪ブレーキ76,76には、制
動圧力を減圧する減圧機構が設けられており、その減圧
機構を後記右ブレーキ減圧ソレノイド86と左ブレーキ
減圧ソレノイド87により適宜作動させられるようにな
っている。
【0020】また、前記後輪駆動回転軸5の駆動力が、
該軸に取り付けた出力ギヤ38からカウンタギヤ39を
経て主ギヤ40に伝動される。主ギヤ40は、第一クラ
ッチボス41のスプライン部に係合しており、ボス41
と一体回転する。また、このスプライン部に係合して別
の副ギヤ42が設けられ、これら主・副ギヤ40,42
は同時回転する。副ギヤ42にはカウンタ入口ギヤ43
が常時噛み合っており、該カウンタ入口ギヤと連結伝動
軸44で連結されたカウンタ出口ギヤ45も一体回転可
能である。さらに、カウンタ出口ギヤ45は第二クラッ
チギヤ46と常時噛み合っており、該第二クラッチギヤ
と一体の第二クラッチボス47も同時回転可能である。
【0021】これにより、主ギヤ40が回転すると、第
一クラッチボス41と第二クラッチボス47は同時に回
転し、主ギヤ40が停止すると第一・第二クラッチボス
41,47は同時に停止する。副ギヤ42によってカウ
ンタ入口ギヤ43が増速され、さらに、カウンタ入口ギ
ヤ45により第二クラッチギヤ46が増速され、第一ク
ラッチボス41が1回転する間に第二クラッチボス47
は約2回転する。
【0022】第一クラッチボス41と第二クラッチボス
47は前駆動クラッチ軸48上に対向して回転自在に設
けられ、第一クラッチボス41と前駆動クラッチ軸48
が直結クラッチ7で伝動入切可能となっていると共に、
第二クラッチボス47と前駆動クラッチ軸48が増速ク
ラッチ8で伝動入切可能となっている。直結クラッチ7
及び増速クラッチ8は下記の構成となっている。
【0023】第一クラッチボス41と第二クラッチボス
47の間に、複数の摩擦板51,…,51,…を内装し
た駆動ドラム52が、前駆動クラッチ軸48のスプライ
ン部に一体に組み付けられており、その駆動ドラム52
の仕切壁53の両側に直結クラッチ入切用第一ピストン
49と増速クラッチ入切用第二ピストン50が配設され
ている。そして、伝動ケース21内に充填されている潤
滑油54の一部をオイルポンプ55で吸引加圧し、それ
を油路切替弁58を介して、第一ピストン49と仕切壁
53の間の第一油室56、または増速クラッチ8の第二
ピストン50と仕切壁53の間の第二油室57のいずれ
か一方に供給することにより、第一ピストン49または
第二ピストン50を作動させるようになっている。
【0024】図3は油路切替弁58が中立の状態を示し
ており、この中立状態では直結クラッチ7と増速クラッ
チ8は共に切状態となり、後輪駆動回転軸5の回転を前
駆動クラッチ軸48に伝えない。
【0025】油路切替弁58の第一ソレノイド59に通
電すると、油路切替弁58は弁位置58aに切り替わっ
て高圧油が第一油室56に流入し、直結クラッチ7が繋
がって後輪駆動回転軸5の回転を前駆動クラッチ軸48
に伝える。
【0026】油路切替弁58の第二ソレノイド60に通
電すると、油路切替弁58は弁位置58bに切り替わっ
て高圧油が第二油57に流入し、増速クラッチ8が繋が
って後輪駆動回転軸5の回転を約2倍にして前駆動クラ
ッチ軸48に伝える。
【0027】前駆動クラッチ軸8は前駆動軸6に連動連
結されており、上述のようにして後輪駆動回転軸5から
前駆動クラッチ軸8に伝えられた回転は、前部デファレ
ンシャル装置20を経て前輪4,4を駆動する。
【0028】よって、直結クラッチ7が「入」かつ増速
クラッチ8が「切」の時は、後輪3,3と前輪4,4の
平均周速度がほぼ等速である「前後輪等速四駆状態」と
なり、直結クラッチ7が「切」かつ増速クラッチ8が
「入」の時は、前輪4,4の周速度が後輪3,3の周速
度のほぼ2倍である「前輪増速四駆状態」となり、両ク
ラッチ7,8が共に「切」の時は、後輪3,3のみを駆
動する「後輪二駆状態」となる。このような駆動形態の
変更は第一、第二ソレノイド59,60によって行わ
れ、第一ソレノイド59が前後輪等速四駆ソレノイド、
第二ソレノイド60が前輪増速四駆ソレノイドとなって
いる。
【0029】カウンタ出口ギヤ45の近傍には後輪回転
センサ9が設けられ、また駆動ドラム52の近傍には前
輪回転センサ10が設けられ、それぞれの回転部の回転
数を読み取るようになっている。これらのセンサによっ
て前輪及び後輪の周速度が検出される。その検出結果は
コントローラ13に送信される。
【0030】このトラクタ14は走行制御装置によって
走行を制御する。走行制御としては、圃場状況に応じて
前後車輪の駆動形態を切り替える制御と、圃場状況に応
じて変速のシフト位置を切り替える制御とがあり、実際
にはこれらの制御は共通の制御部(コントローラ)13
によって一括に行うが、ここでは便宜上両制御を個別に
説明する。
【0031】まず、駆動形態を切り替える制御に関して
は、ブロック図で示すと図4のようになる。コントロー
ラ13は走行コントローラ13aと作業機位置コントロ
ーラ13bに分かれており、作業機位置コントローラ1
3bから走行コントローラ13aへ、リフトアーム80
の上げ指令があったことを示すリフト上昇信号と、その
時のリフトアーム80の上下位置を示すリフト上下位置
信号が送信されている。また、各センサ9,10,11
の検出信号とモード切替スイッチ90の制御モードを示
す信号が走行コントローラ13aへ送られている。そし
て、これらの信号によって入力されるデータに基づい
て、走行コントローラ13aが図5及び図6に示す制御
を行ない、各ソレノイド59,60,86,87を出力
するようになっている。なお、作業機位置コントローラ
13bは、コントロールレバー82とリフトアームセン
サ81からの入力信号に基づいて前記作業機昇降油圧装
置の上昇用ソレノイド91或は下降用ソレノイド92に
出力信号を出す。
【0032】モード切替スイッチ90で設定される制御
モードには、「前後輪等速四駆状態」に保持する「4W
Dモード」と、通常の路上走行に適した「走行モード」
と、圃場内作業に適した「作業モード」とがあり、「走
行モード」と「作業モード」が選択された時は以下のよ
うに制御する。
【0033】「走行モード」では、通常は「後輪二駆状
態」で走行し、圃場状況等に応じ適宜「前後輪等速四駆
状態」に切り替えるよう制御する。その時の走行状態が
適正であるか否かは、「後輪二駆状態」における前輪と
後輪の周速度比(前輪周速度/後輪周速度)より判定す
る。前輪と後輪の周速度が同期している場合は、圃場状
況に合った適正な走行状態であるので、「後輪二駆状
態」のまま保持する。前輪よりも後輪の方が周速度が大
きい場合は、例えば地面が軟弱で駆動輪である後輪がス
リップして状態であるから、「前後輪等速四駆状態」に
して推進力を増大させる。また、前輪の方が後輪よりも
周速度が大きい場合は、例えば地面の凹凸が激しく前輪
が地面から跳ねてオーバーランしている状態であるか
ら、「前後輪等速四駆状態」にして走行の安定を図る。
【0034】さらに、「前後輪等速四駆状態」で走行中
は、一定時間ごとに一旦「後輪二駆状態」に切り替え、
上記方法で走行状態の適否を判定し、それに応じて走行
駆動形態を選択する。
【0035】「作業モード」においては、直進時には前
記「走行モード」と同様に制御し、旋回時には下記の旋
回制御を行う。但し、作業機が下降位置にある場合及び
車速が規定速度以上である場合は、旋回制御を行うと危
険であるので、直進時の制御を行う。
【0036】旋回制御は、圃場状況等に合わせて、
(A)走行駆動形態が「後輪二駆状態」で、かつ後輪ブ
レーキをいっぱいに強くして内行側後輪を固定しての旋
回と、(B)走行駆動形態が「前輪増速四駆状態」で、
かつ後輪ブレーキを緩めて内行側後輪をある程度回転さ
せながらの旋回とを選択する制御である。
【0037】まず、旋回開始段階では、旋回に伴う作業
機上昇直前の直進時の走行状態を判断し、前輪と後輪が
同期或は前輪がオーバーランしている場合は(A)の旋
回を選択し、後輪がスリップしている場合は(B)の旋
回を選択する。(B)の旋回をする際、そのときの後輪
ブレーキのブレーキ圧は上記走行状態判断時の後輪のス
リップ率より算出し、スリップ率が大きいほどブレーキ
圧を弱めにし、スリップ率が小さいほどブレーキ圧を強
めにする。
【0038】前記スリップ率は、「後輪二駆状態」にお
いて前輪と後輪の周速度が同期している状態から後輪が
スリップ状態になるまでの時間、換言すれば一旦「後輪
二駆状態」に切り替わってから「前後輪等速四駆状態」
に戻るまでの2WD保持時間S(図7参照)によって決
定する。地面が柔らかい圃場ほど周速比の降下が急激で
あるから、2WD保持時間が短いほどスリップ率が大き
いと言える。
【0039】ところで、スリップ率は正確には周速比の
推移等を調べることによって求められるが、実際には周
速比の変動はあまり大きくないため、精度の高いスリッ
プ率を計測しようとすればスリップ状態やオーバーラン
状態を長く継続させる必要がある。そこで、スリップ率
の代用として、2WD保持時間を計測することで地面が
どの程度の硬さであるかを類推する方法がとられている
のである。
【0040】また、「前輪増速四駆状態」で旋回中は、
一定時間ごとに一旦「後輪二駆状態」に切り替えて走行
状態を判断し、前輪がオーバーランしている場合は
(A)の旋回を選択し、前輪と後輪が同期或は後輪がス
リップしている場合は(B)の旋回を選択する。(B)
の旋回をする際、そのときの後輪ブレーキのブレーキ圧
は、前輪と後輪の周速度が同期している状態から後輪が
スリップ状態になるまでの2WD保持時間TA ,TB
…に応じて算出する。
【0041】この例では、1回のデータで走行状態を判
断しているが、過去数回のデータの平均から走行状態を
判定するように構成してもよい。
【0042】このように、旋回動作に入る直前の走行状
態を前輪と後輪の周速比より判断し、それに応じて前後
車輪の駆動形態と後輪ブレーキのブレーキ圧を変更する
ことにより、圃場状況に合った最適の条件で旋回を行う
ようにしている。例えば、硬い圃場であれば、「後輪二
駆状態」で旋回し、前輪によって圃場を荒らすことがな
いようにする。また、柔らかい圃場であれば、「前輪増
速四駆状態」にして後輪がスリップしないようにすると
共に、圃場の硬軟度に応じて内行側後輪のブレーキ圧を
弱めて、内行側後輪がある程度回転しながら旋回するよ
うにし、該内行側後輪が圃場をあまり荒さないようにし
ている。
【0043】次に、変速のシフトを切り替える制御に関
しては、ブロック図で示すと図8のようになる。図の各
センサ、スイッチ類からの信号がコントローラ13に入
力し、これらのデータに基づいて、コントローラ13が
図9乃至図13に示す制御を行ない、リバーサー33、
主変速装置34及び副変速装置35の各ソレノイドを出
力するようになっている。増速操作スイッチ95及び減
速操作スイッチ96は、ボタン操作で主変速装置34を
現在シフト位置から1段シフトアップまたはシフトダウ
ンするスイッチである。
【0044】この制御の全体の流れは図9に示す如く
で、各センサや操作スイッチ類を読み込み、イニシャル
処理を行った後、変速スイッチ処理、旋回処理、シフト
変更処理、前後進処理を順に行い、その処理結果に基づ
き出力する。
【0045】変速ボタン処理は、図10に示す如く、増
速操作スイッチ95または減速操作スイッチ96が操作
されている場合は、その操作を優先して主変速装置34
を現在シフト位置から1段シフトアップまたはシフトダ
ウンするように制御する。
【0046】旋回処理は、図11に示す如く、作業機上
昇操作が出されると主変速装置34のシフト位置を1段
シフトダウンすると共に、作業機が降下してから一定時
間経過すると主変速装置34のシフト位置を1段シフト
アップして元のシフト位置に戻すように制御する。これ
により、旋回中の車速が遅くなり、安全に旋回すること
ができる。旋回に要する時間はほぼ決まっている(時速
3kmで約6〜8秒)から、シフトダウンから一定時間後
にシフト位置を元に戻すようにすれば、旋回が終了した
時点で旋回前の車速に戻して作業を再開できる。
【0047】或は、図12にように旋回処理を行っても
よい。この旋回処理は、作業機上昇操作が出されると主
変速装置34のシフト位置を1段シフトダウンすると共
に、エンジン負荷が作業機上昇の直前の負荷まで復帰し
たならば主変速装置34のシフト位置を1段シフトアッ
プして元のシフト位置に戻すように制御する。なお、フ
ローチャート中では、作業機上昇の直前のエンジン回転
数Em 、シフトダウンによるエンジン回転数減少分をα
とし、エンジン回転数がEm −α以上になったならば、
エンジン負荷が作業機上昇の直前の負荷まで復帰したと
判断している。作業機を上げ位置から下降させ作業機が
接地する時にエンジン負荷が急激に大きくなるので、旋
回終了時、作業機下降と同時に増速すると、駆動力が不
足し走行が不安定になるばかりが、時にはエンストする
こともある。そこで、エンジン負荷が作業機上昇の直前
の負荷まで復帰してから増速するようにし、旋回終了後
安定した作業を行えるのである。
【0048】また、この旋回処理では、作業機副変速装
置35のシフト位置が「高速」である場合は上記自動減
速を行わないようにしている。これにより、路上走行中
に自動変速されるのを防止している。
【0049】シフト変更処理は、図13に示す如く、上
記変速スイッチ処理と旋回処理で決定されたシフト目標
と実際のシフト位置を比較し、シフト目標に基づいて出
力する。
【0050】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかるト
ラクタの走行制御装置は、旋回動作に入る直前の走行状
態を前輪と後輪の周速比より判断し、それに応じて前後
車輪の駆動形態と後輪ブレーキの制動力を変更すること
により、圃場状況に合った最適の条件で旋回を行うよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】トラクタの伝動系統図である。
【図3】トラクタの要部を示す断面図である。
【図4】駆動形態を制御する走行制御装置のブロック図
である。
【図5】駆動形態を制御する走行制御のフローチャート
その1である。
【図6】駆動形態を制御する走行制御のフローチャート
その2である。
【図7】周速比と4WD出力のタイムチャートである。
【図8】変速シフト位置を制御する走行制御装置のブロ
ック図である。
【図9】変速シフト位置を制御する走行制御のフローチ
ャートである。
【図10】変速スイッチ処理のフローチャートである。
【図11】旋回処理の第一例のフローチャートである。
【図12】旋回処理の第二例のフローチャートである。
【図13】シフト変更処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 9 後輪回転センサ 10 前輪回転センサ 11 ステアリン切れ角センサ 13 コントローラ(制御部) 59 前後輪等速四駆ソレノイド 60 前輪増速四駆ソレノイド 86 右ブレーキ減圧ソレノイド 87 左ブレーキ減圧ソレノイド 90 モード切替スイッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回時に前後車輪の駆動形態を後輪二駆
    状態及び前輪増速四駆状態に切換可能で、かつ旋回内行
    側の後輪を制動する後輪ブレーキ装置を設けたトラクタ
    の走行制御装置であって、前輪の周速を検出する前輪回
    転センサと、後輪の周速を検出する後輪回転センサと、
    これらセンサの検出結果に基づいて旋回直前の前輪と後
    輪の周速比を算出すると共に、その周速比に応じ旋回時
    における前後車輪の駆動形態と後輪ブレーキの制動力を
    決定する制御部とを具備することを特徴とするトラクタ
    の走行制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010285147A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Robert Bosch Gmbh ブレーキシステムを制御する方法
JP2012162248A (ja) * 2011-01-20 2012-08-30 Kubota Corp 変速制御システム
JP2015110423A (ja) * 2011-01-20 2015-06-18 株式会社クボタ 変速制御システム
JP2021082051A (ja) * 2019-11-20 2021-05-27 井関農機株式会社 作業車両

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