JP2021082051A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
Description
前記制御装置(7)は、前記旋回経路と前記旋回軌跡を比較し、当該旋回経路に対して当該旋回軌跡が所定の距離(α1,β1)以上に逸脱して旋回したことを判別した場合、前記複数の駆動方式のうちから前記逸脱の低減に適した別の駆動形式に切り替える処理を行うことを特徴とする作業車両である。
前記制御装置(7)は、前記登録手段(98)に圃場が畑であるとの情報が登録されていて前記畑を自律走行する場合、前記旋回経路に対して前記旋回軌跡が所定の距離(β1)以上に内側に逸脱して旋回したことを判別したとき、駆動形式を四輪駆動又は前輪増速駆動から二輪駆動に切り替える処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の作業車両である。
このうちエンジン3は、車体フレーム2に対して開閉可能に設けられたボンネットカバー11で覆われて形成されるエンジンルーム内に配置されている。動力伝達装置4は、ミションケース40内に配置される油圧無段変速装置41、副変速装置51等により構成されている。操縦席9は、座席部9a、床面部9b、キャビン部9c等を有している。キャビン部9cは、屋根部、窓部、ドア部、囲い壁部等を組み合わせて操縦席9の空間を形成している。
またトラクタ1は、車体フレーム2や動力伝達装置4の後部に、各種の作業機150を着脱可能に装着して昇降動させる昇降装置49や、作業機150で利用される回転動力を出力するPTO軸59が設けられている。図1に例示される作業機150は、ロータリ耕うん装置である。
アクセルペダル16は、エンジン3の回転数を任意に変更するときに踏み込んで操作される。左右のブレーキペダル17L,17Rは、左右の後輪6L,6Rにおけるブレーキをそれぞれ作動させるときに踏み込んで操作される。ブレーキペダル17L,17Rは、その踏み込み量がブレーキ操作センサ76(図4)で検知され、その検知情報が制御装置7に送信される。クラッチペダル18は、動力伝達装置4に組み込まれるメインクラッチ31(図3)を作動させるときに踏み込んで操作される。PTO変速レバー19は、PTO軸59の回転の速度や方向の切り替えが行われるPTO変速装置58(図3)を作動させるときに操作される。
副変速レバー22は、副変速装置51を例えば低速、中速、高速のいずれかを選択して変速する操作レバーである。副変速レバー22は、その選択した操作位置が副変速操作センサ75(図4)により検知され、その検知情報が制御装置7に送信される。PTOクラッチレバーは、PTO軸59への駆動伝達の有無を切り替える操作レバーである。
可動斜板45の傾きは、図3に示されるように、前後進切換えレバー14、アクセルペダル16等の動きを検出して作動する図示しない油圧シリンダ機構によって変更される。油圧モータ44のモータ出力軸44aの回転は、この可動斜板45の傾きによって変速される。
一方、動力伝達装置4では、油圧無段変速装置41における油圧ポンプ43のポンプ出力軸43aの回転が入力軸42の回転と同じものになるが、この回転がPTO正逆クラッチ56を経てPTO中継軸57へ伝達された後、PTO変速装置58を経てPTO軸59に伝達される。
駆動切替え装置8は、例えば、操縦席9の所定の場所に配置される図示しない駆動方式切替えスイッチの操作に応じて作動し、任意の駆動方式への切り替えを可能にしている。駆動方式切替えスイッチは、その切り替え位置が駆動切替えセンサ77で検知され、その検知情報が制御装置7に送信される。
図5では、隣接する複数例の作業領域1〜4等を順次走行するよう、1列の作業領域220の作業走行(耕うん等)が終了した後に旋回して隣の列の作業領域220に入り込んで作業走行を再開するという自律走行パターンを例示している。また図5において矢付きの実線Tは、自律走行経路に沿って自律走行したときの走行軌跡(詳しくは作業軌跡T1と旋回軌跡T2)を示している。さらに図5における符合r01は旋回経路K2における旋回半径を、符合r02は旋回軌跡T2における旋回半径をそれぞれ示している。
旋回経路K2における旋回半径r01については、隣り合う作業領域220における作業経路K1どうしの間隔W(図5)を算出し、その算出値(1/2の値)から求めてもよい。
この自律走行経路の情報は、トラクタ1のユーザがトラクタ1に装備又は付属された経路作成手段を用いて作成するものであってもよいが、この他にも例えば、その情報をトラクタの販売店やメーカ等において作成し、その作成された情報をトラクタ1のユーザが利用できるようにするものであってもよい。
また自律走行経路の情報は、具体的には、例えば、制御装置7のメモリ部70に予め格納した状態で使用されるか、あるいは、トラクタの販売店やメーカ等が提供する自律走行経路に関する情報を情報通信装置91(図4)で受信しながら制御装置7において利用可能な状態にして使用される。
障害物検知センサ95は、例えば、障害物との距離を検知する超音波センサ等の距離センサや、障害物の存否を画像処理にて検知する撮像カメラ等を用いて構成される。
すなわち、制御装置7は、自律走行経路における旋回経路とその旋回経路を実際に旋回したときの旋回軌跡とを比較して、旋回経路に対して旋回軌跡が所定の距離(α1、β1)以上に逸脱して旋回したか否かを判別し、逸脱して旋回したと判別した場合には、その逸脱を低減するのに適した別の駆動形式に切り替える処理を行う。
また、上記旋回軌跡が逸脱するのは、図6に示されるように、旋回軌跡T2が旋回経路K2に対して外側に逸脱する場合(旋回軌跡T2a)とその内側に逸脱する場合(旋回軌跡T2b)がある。
逸脱の判断基準になる所定の距離α1は旋回経路K2の外側に逸脱するときのずれる距離(α1)であり、同じく所定の距離β1は旋回経路K2の内側に逸脱するときのずれる距離(β1)になる。この所定の距離α1、β1は、例えば、旋回半径rの差や、旋回途中での各旋回軌跡T2a,T2bの旋回経路K2と離間する距離等からなる距離情報を用いて任意の値に設定される。
また、制御装置7においては、この四輪駆動、二輪駆動、前輪増速駆動の旋回半径(特性)が四輪駆動、二輪駆動、前輪増速駆動の順に小さい関係にあるとして扱う制御用データとしてメモリ部70に格納されている。
自律走行時に逸脱してずれるときのずれ量については、自律走行経路の情報と測位装置100における軌跡記録部103から軌跡情報を利用しながらずれ量を算出する自律走行ずれ量算出手段96(図4)で算出される。自律走行ずれ量算出手段96は、旋回時に逸脱してずれるときのずれ量についても算出される。このような自律走行ずれ量算出手段96は、演算処理回路ユニットとして構成されたものであっても、あるいは、ソフトウェアで構成されたものであってもよい。
このステップS11においては、所定の距離以上に逸脱したと判断されると、旋回経路K2の外側に逸脱したのか又はその内側に逸脱したのかが判断される(ステップS12)。しかし、逸脱しないと判断された場合はステップS10に戻る。
このように外側に逸脱するケースとしては、例えば、隣接する作業領域220をその隣接している順番通り走行して作業する場合(図5)に、その旋回領域230における地面の状況、前輪増速駆動以外の駆動方式で旋回していること等の要因で大回りしすぎるというケースが挙げられる。
また、外側に逸脱したときの駆動方式が二輪駆動であった場合は、旋回半径が次に小さい前輪増速駆動に切り替えられる。この場合、駆動切替え装置8では、前方の油圧クラッチ81を接続する動作が実行される。
このように内側に逸脱するケースとしては、例えば、隣接する作業領域220を1列飛ばして走行して作業する場合に、その旋回領域230における地面の状況、前輪増速駆動で旋回していること等の要因で小回りしすぎるというケースが挙げられる。
また、内側に逸脱したときの駆動方式が例えば二輪駆動であった場合は、旋回半径が次に小さい(等速)四輪駆動に切り替えられる。この場合、駆動切替え装置8では、後方の油圧クラッチ82を接続する動作が実行される。
例えば、所定の距離(α1、β1)以上に逸脱して旋回したと判別した時点で実行中の旋回を途中で停止(中断)させる場合(図7に示すステップS21)は、その停止した旋回を再開するとき(図7に示すステップS22)に切り替える。また、逸脱したときの旋回を駆動方式の切り替え以外の対処法(例えば、ステアリングホイール12による切り角の調整や、後進動作を含む切り返し旋回など)で処理して終了させた場合は、次回の旋回をするときに切り替えるようにしてもよい。
したがって、トラクタ1によれば、実際に走行する圃場等の場所の状態(凹凸の有無、地面の硬軟や滑りやすさの違い)などの不確定要素により走行に影響がでる場合であって自律走行経路のうち旋回経路を適切に自律走行することができる。
なお、上記実施形態に係るトラクタ1は、制御装置7において旋回半径が相対的に小さい方の駆動形式に切り替えた後に旋回したときの旋回軌跡T2が旋回経路K2に対して所定の距離α2以上に外側に逸脱して旋回したことを判別した場合、左右のブレーキペダル17L,17Rで作動する左右のブレーキのうち旋回内側になるブレーキの制動力を増大させる処理を行うよう構成してもよい。
またこの場合、所定の距離α2は、外側に逸脱したときに用いる上記所定の距離α1と同じ値でよいが、その距離α1と異なった値(例えば小さい値)に設定してもよい。
ちなみに、旋回時に片ブレーキを作動させる設定になっていない駆動方式がある場合、制御装置7によりその片ブレーキが作動するようON動作の処理を行うよう構成してもよい。
作業する予定の圃場の情報としては、例えば、圃場の種類(水田、畑等)、土壌の硬軟、設定ブレーキ圧等の情報が挙げられる。
図8における符合T2adは切り返し後に再開したときの旋回軌跡を示し、符合T3は後進T4を伴う切り返しの前の予備的な前進を示している。また、図8中の丸で囲む数値は旋回時の走行の順番を示す。
このように構成した場合は、制御装置7の制御条件の設定作業をトラクタ1のユーザが行う必要がなくなって利便性が向上し、例えば、その設定作業に不慣れなユーザにも適切な制御条件が自動で設定変更されることで、旋回経路に沿って適切かつ確実に自律走行することができる。
このように構成した場合は、例えば、作業幅が比較的狭い作業機150を装着して隣接する作業領域220を順次移動して作業するときに旋回経路に沿って適切かつ確実に自律走行することができる。
このように構成した場合は、種類の異なる圃場を自律走行して作業するときには、旋回経路に沿ってより適切に自律走行することが可能になる。つまり、例えば、畑と水田では旋回のしやすさが異なるため、制御装置7において上記所定の距離α1(α2も含む),β1として同じ値のものを適用した場合には、旋回経路に沿って適切に自律走行することが難しくなるおそれがあるが、上記のように構成した場合にはこれを回避することができる。
このように構成した場合は、旋回経路K2に沿って旋回する途中でトラクタ1の傾きが足りないときに片ブレーキが自動で作動するので、その旋回経路K2に沿って適切に自律走行することができる。これにより、圃場の状態によってはステアリングホイール12を操作してもトラクタ1が思う通りに旋回しない場合でも、その旋回が自動で支援されるようになる。
7 …制御装置
8 …駆動切替え装置
88…ブレーキ作動装置
98…メータパネル(登録手段)
103…軌跡記録部(記録手段)
K …自律走行経路
K2…旋回経路
T2…旋回軌跡
α1,α2,β1…所定の距離
Claims (6)
- 予め設定された旋回経路を含む自律走行経路に沿って自律走行することを制御する制御装置(7)と、
旋回半径が異なる複数の駆動形式を切り替える駆動切替え装置(8)と、
前記旋回経路に沿って旋回したときの旋回軌跡を記録する記録手段(103)と、
を備え、
前記制御装置(7)は、前記旋回経路と前記旋回軌跡を比較し、当該旋回経路に対して当該旋回軌跡が所定の距離(α1,β1)以上に逸脱して旋回したことを判別した場合、前記複数の駆動方式のうちから前記逸脱の低減に適した別の駆動形式に切り替える処理を行うことを特徴とする作業車両。 - 前記制御装置(7)は、前記旋回経路に対して前記旋回軌跡が所定の距離(α1)以上に外側に逸脱して旋回したことを判別した場合に旋回半径が相対的に小さい方の駆動形式に切り替える処理を行い、また前記旋回経路に対して前記旋回軌跡が所定の距離(β1)以上に内側に逸脱して旋回したことを判別した場合に旋回半径が相対的に大きい方の駆動形式に切り替える処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
- 旋回時に左右のブレーキ(17L,17R)のうち旋回内側になる片方のブレーキを作動させることが可能なブレーキ作動装置(88)を備え、
前記制御装置(7)は、前記旋回半径が相対的に小さい方の駆動形式に切り替えた後に旋回したときの旋回軌跡が前記旋回経路に対して所定の距離(α2)以上に外側に逸脱して旋回したことを判別した場合、旋回内側になるブレーキの制動力を増大させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の作業車両。 - 前記駆動形式として四輪駆動および前輪増速駆動を有しており、旋回半径は前記四輪駆動よりも前記前輪増速駆動の方が小さい関係にあるとして扱うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作業車両。
- 前記駆動形式として四輪駆動、前輪増速駆動および二輪駆動を有しており、旋回半径は四輪駆動、二輪駆動、前輪増速駆動の順に小さい関係にあるとして扱うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作業車両。
- 前記制御装置(7)は、自律走行して作業する予定の圃場の情報を登録する登録手段(98)を有し、
前記制御装置(7)は、前記登録手段(98)に圃場が畑であるとの情報が登録されていて前記畑を自律走行する場合、前記旋回経路に対して前記旋回軌跡が所定の距離(β1)以上に内側に逸脱して旋回したことを判別したとき、駆動形式を四輪駆動又は前輪増速駆動から二輪駆動に切り替える処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の作業車両。
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