JP7259647B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

この発明は、トラクタ等の作業車両に関するものである。
従来、トラクタ等の作業車両におけるエンジンの回転を調節する技術としては、下記の特許文献1、2に記載された作業車両が知られている。
特許文献1には、エンジンからの回転駆動力が変速装置を介して出力される走行変速系を備え、その変速装置における副変速を行う副変速レバーが高速側に切り替えられた状態で路上走行する作業車両において、その副変速レバーの高速側への操作に連動して高速側にセットされているスロットルレバーを低速側に切り替えるとともに、副変速レバーの高速への切替え状態ではスロットルレバーの高速側への操作を規制する連動手段を備えるエンジン回転調整装置を採用した作業車両が記載されている。
また特許文献1には、副変速レバーが高速側に切り替えられた場合はスロットルレバーが連動手段によって低速側に切り替えられるとともに高速側への操作が規制された状態になるので、その状態で路上走行するときは、エンジンの回転調節をスロットルレバーとは別系統であるフートペダルのみで行うことが記載されている。
特許文献2には、エンジンの回転数の設定を保持可能な第1アクセル操作装置としてのアクセルレバーと、操作時に一時的にエンジンの回転数を高回転あるいは低回転に調整する第2アクセル操作装置としてのアクセルペダルを有する作業車両において、一般道や農道などで高速走行するときにはアクセルレバーの設定を解除して、そのアクセルレバーを低速側へ移行させる手段を有するアクセル操作装置を設けた作業車両が記載されている。
特開平08-216718号公報 特開平10-114236号公報
しかしながら、特許文献1に記載された作業車両は、副変速レバーとスロットルレバーを連結する連動手段を新たに設ける必要がある。また特許文献2に記載された作業車両では、アクセルレバー等を低速側に移行させる回転モータ等の手段を新たに設ける必要がある。
このため、これらの作業車両のいずれでも、その新たに設ける手段を構成するための部品により部品の点数が増加し、その分コストを高める原因になっている。
そこで、この発明の課題は、部品点数の増加によるコストアップを抑制して、少なくとも路上走行し得る状態になったときにエンジンの回転数を機械的な制御動作を伴なうことなく適切に制御することができる作業車両を提供することにある。
この発明の上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、回転動力を発生するエンジン(5)と、前記エンジン(5)の回転数を所定の低速回転数から高速回転数までの範囲内で固定するよう手動で操作するスロットル操作手段(15)と、前記エンジン(5)の回転数を任意に変更するよう踏み込み動作で操作するアクセルペダル(16)と、路上走行モードと作業走行モードを切り替えるモード切替え手段(20)と、前記スロットル操作手段(15)の選択された回転数を検出するスロットルセンサ(72)と、前記エンジン(5)の少なくとも回転数を、
前記スロットルセンサ(72)の検出値と前記アクセルペダル(16)の操作量の一方又は双方に応じて制御することが可能な制御手段(70)と、を備え、
前記制御手段(70)は、路上走行し得る状態にあるか否かを判別する判別部(81)を有し、前記判別部(81)が路上走行し得る状態にあると判別した場合、前記スロットルセンサ(72)が前記所定の低速回転数以外の回転数を検出しているとき、前記エンジン(5)の回転数を前記所定の低速回転数にするよう制御するとともに、前記スロットルセンサ(72)が前記所定の低速回転数を検出するまで前記スロットルセンサ(72)の検出値に応じた前記エンジン(5)の回転数の制御を無効にして、前記エンジン(5)の回転数を前記アクセルペダル(16)の操作量に応じて制御することを特徴とする作業車両である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記モード切替え手段(20)の切り替えを検出するモード切替えセンサ(74)を備え、前記制御手段(70)の判別部(81)は、前記モード切替えセンサ(74)が路上走行モードへの切り替えを検出した場合に路上走行し得る状態にあると判別することを特徴とする作業車両である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記エンジン(5)の回転動力を駆動輪(3,4)へ伝達するときの変速比を低速から高速までの範囲内で設定された複数の変速段から選択して切り替えるよう操作する副変速操作手段(21)と、前記副変速操作手段(21)の選択された変速段を検出する副変速操作センサ(75)と、を備え、前記制御手段(70)の判別部(81)は、前記副変速操作センサ(75)が路上走行に適用される高速の変速段への切り替えを検出した場合に路上走行し得る状態にあると判別することを特徴とする作業車両である。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、車体(2)の位置を計測する測位装置(100)を備え、前記制御手段(70)は、前記測位装置(100)で得られる測位情報を少なくとも予め作業走行する圃場の範囲とその周辺に存在する路上に関する位置情報と照合して車体(2)の位置を検出する位置検出部(88)を有し、前記判別部(81)は、前記位置検出部(88)が路上の位置にあることを検出した場合に路上走行し得る状態にあると判別することを特徴とする作業車両である。
請求項1に記載の発明によれば、部品点数の増加によるコストアップを抑制して、少なくとも路上走行し得る状態になったときにエンジンの回転数を機械的な制御動作を伴なうことなく適切に制御することができる。
この発明では、少なくとも路上走行し得る状態になったときに、例えばスロットル操作手段と副変速レバーが連動する動作やスロットル操作手段を特定の位置に移行させる動作が行われることなく、制御手段によりエンジンの回転数がアクセルペダルの操作量に応じて適切に制御されるようになる。
また、請求項1に記載の発明によれば、路上走行し得る状態になったときに、エンジンの回転数がスロットル操作手段の低速回転数以外の高速側の回転数に固定されるよう制御された状態で路上走行することを回避でき、安全な路上走行が可能になる。
なお、この発明では、路上走行し得る状態になった後にスロットル操作手段が低速回転数を一度選択するよう操作されると、エンジンの回転数がアクセルペダルの操作量に応じて制御されることに加えてスロットル操作手段の選択する回転数に応じて制御されることも含まれるようになる。
請求項2に記載の発明によれば、路上走行し得る状態にあることが、モード切替え手段の路上走行モードへの切り替え情報に基づいて容易に判別することができる。
請求項3に記載の発明によれば、路上走行し得る状態にあることが、副変速操作手段の高速の変速段への切り替え情報に基づいて容易に判別することができる。
請求項4に記載の発明によれば、路上走行し得る状態にあることが、測位装置の利用により得られる路上の位置にあるとの検出情報に基づいて容易に判別することができる。
この発明の実施形態に係るトラクタを示す左側面図である。 トラクタの駆動伝達系や制御系の構成を示す平面模式図である。 操縦席の前方側の構成を示す概略斜視図である。 (A)は図3の前方側の一部を示す右側概略斜視図、(B)は(A)の前方側の一部における一部を示す概略拡大図である。 (A)は操縦席の後方側の構成を示す概略斜視図、(B)は(A)の後方側の一部における一部を拡大して示す概略斜視図である。 トラクタの制御系の構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態における路上走行し得る状態であるときの制御処理の一部を示すフローチャート図である。 図7の制御処理の変形例を示すフローチャート図である。 第2の実施形態における路上走行し得る状態であるときの制御処理の一部を示すフローチャート図である。 図9の制御処理の変形例を示すフローチャート図である。 第3の実施形態に係るトラクタの制御系の構成を示す機能ブロック図である。 第3の実施形態における路上走行し得る状態であるときの制御処理の一部を示すフローチャート図である。 図12の制御処理の変形例を示すフローチャート図である。 作業走行する圃場と路上等の位置情報を地図形式に模して示す概要図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1には、この発明の第1の実施形態に係る作業車両の一例であるトラクタ1が示されている。図2には、図1のトラクタ1の一部(駆動伝達系や制御系の構成)が示されている。
以下の説明では、前後とはトラクタ1の前進する方向と後進する方向とする。また同様に、左右(L,R)とはトラクタ1の前進する方向で見たときの左側および右側とし、上下とはトラクタ1の上側および下側とする。
トラクタ1は、図1や図2に示されるように、車体2の前部および後部に左右一対の前輪3(3L,3R)および後輪4(4L,4R)が設けられている。またトラクタ1は、車体2の前部に内に搭載されたエンジン5で発生させる回転動力が、車体2の中間部に配置された主変速部6Aと副変速部6Bからなる変速機構部6(図2参照)において適宜減速された後に後輪4等に伝えられる。
これにより、トラクタ1は、所要の速度で前進および後進することが可能な車両として構成されている。エンジン5については、その前部および上部を含む一部が、開閉するボンネット7で覆われている。
このトラクタ1においては、図2に示されるように、変速機構部6において減速された後の回転動力を前輪3に伝達することを接続又は切断するための前輪駆動クラッチ65が設けられている。
この前輪駆動クラッチ65を接続する状態(入り状態)にしたときは、その回転動力が差動装置の前輪デフ装置31から左右の前輪軸部32L,32Rを通して前輪3に伝わるとともに後輪デフ装置41から左右の後輪軸部42L,42Rを通して後輪4に伝わって、四輪が駆動される。また、前輪駆動クラッチ65を切断する状態(切り状態)にしたときは、回転動力が後輪4のみに伝わって二輪が駆動される。
これにより、トラクタ1は、前輪駆動クラッチ65を切り替えることにより、二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)のいずれかの形態で走行することが可能になっている。
また、トラクタ1は、図1等に示されるように、車体2の後部に、ロータリ耕うん機等の作業機90を連結させて昇降動させる連結昇降装置8や、作業機90で利用される回転動力を出力するPTO軸9が設けられている。
連結昇降装置8は、リンク機構、ロッド、油圧シリンダ等を組み合わせて構成されている。PTO軸9は、エンジン5で発生する回転動力の一部が分配されてPTOクラッチ95およびPTO変速部96(図2参照)を介して伝達されることにより所定の速度および方向に回転するようになっている。図1では、作業機90としてロータリ耕うん機を例示している。このロータリ耕うん機によれば、図1に示されるように圃場に下降させられた状態において、PTO軸9から伝達される回転動力で耕うん爪91を回転させるにより圃場の地面(土壌)を耕すことができる。
さらに、トラクタ1では、図1から図3等に示されるように、車体2の中間部から後部にかけて、トラクタ1の操縦者が座って運転等の操作を行う操縦席10が設けられている。操縦席10は、例えば、操縦者が座るシート部10aと操縦者の足を置く床面部10bとで構成されている。
操縦席10の前方には、図1、図3等に示されるように、床面部10bの左右中央部から立ち上がるハンドルポスト11が設けられている。ハンドルポスト11の上部には、ステアリングホイール(ハンドル)12やメータパネル13が設けられている。
ステアリングホイール12は、前輪3の操舵装置33を作動させて走行するときの向きを調節するよう操作される。メータパネル13は、トラクタ1における走行速度、設定や状態の状況、警告内容等の情報を表示する表示手段等で構成されている。
また、ハンドルポスト11の上部でステアリングホイール12の下方側の周辺部分には、図3等に示されるように、前後進切替えレバー14、スロットルレバー15等が設けられている。
前後進切替えレバー14は、前進走行と後進走行との切り替えを行うように操作される。スロットルレバー(又はアクセルレバー)15は、エンジン5の回転数を所定の範囲内で選択して固定するよう操作するスロットル操作手段の一例である。スロットルレバー15は、例えば、所定の低速回転数と所定の高速回転数の2種類の回転数を選択できるようになっている。このときの所定の低速回転数は、アイドリング状態のときの回転数に設定される。
さらに、ハンドルポスト11の上部には、図4に示されるように、トラクタ1の路上走行モードと作業走行モードを切り替えるモード切替え手段の一例としてのモード切替えスイッチ20が設けられている。
第1の実施形態におけるモード切替えスイッチ20は、図4(B)に拡大して示されるように、ダイヤル式のものであり、路上走行モードとしての「走行」と、作業走行モードとしての「耕うん」とに切り替えることができるように構成されている。
路上走行モードとしての「走行」は、道路走行、圃場の出入り、傾斜地等の場所を走行する際に適した機能や動作が予め選定されており、例えば4WD,2WDの駆動切り替え機能や水平切替え等が実行されるよう設定されている。作業走行モードとしての「耕うん」は、圃場等の作業場において行われる作業に適した機能や動作が予め選定されている。その機能や動作としては、例えば、4WDに固定されること、後進に切り替えたときやステアリングホイール12を切ったときに作業機90を自動で上昇させること、旋回時に内側の後輪4に自動的にブレーキをかけること等の機能や動作であり、これらが実行されるよう設定されている。
また、このモード切替えスイッチ20には、カスタマイズ設定モードとしての「こだわり」も用意されている。このカスタマイズ設定モードとしての「こだわり」は、主に作業時の機能について操縦者が任意に選択して変更することが可能なモードであり、作業走行モードとしての「耕うん」における機能や動作の採用の有無を選択することができる。
操縦席10の床面部10bでハンドルポスト11の下部の周辺部分には、図3等に示されるように、アクセルペダル16、左右のブレーキペダル17L,17R、クラッチペダル18、PTO変速レバー19等が設けられている。
アクセルペダル16は、エンジン5の回転数を任意に変更するよう踏み込み動作により操作されるアクセル操作手段である。左右のブレーキペダル17L,17Rは、左右の後輪4L,4Rにおける図示しないブレーキ装置を作動させるときに踏み込んで操作される。クラッチペダル18は、エンジン5と主変速部6Aの間に配置されてエンジン5の回転動力の伝達を接続又は切断するとともに回転動力を前進および後進用に切り替えて伝達させる前後進クラッチ55を作動させるときに踏み込んで操作される。PTO変速レバー19は、PTO軸9の回転の速度や方向の切り替えが行われるPTO変速部96を作動させるときに操作される。
操縦席10のシート部10aの左脇には、左側操作部が設けられている。この左側操作部には、図5(A)に示されるように副変速部6Bの切り替えを行う副変速レバー21が設けられている。
副変速レバー21は、例えば、副変速ギヤ機構におけるギヤの組み合わせとして低速段、中速段および高速段の3種類の副変速段を選択して切り替えることができるよう構成されている。
操縦席10のシート部10aの右脇には、右側操作部が設けられている。この右側操作部には、図5に示されるように主変速部6Aの切り替えを行う主変速レバー22や、PTOクラッチ95における回転動力の伝達を接続又は切断する状態(入り状態又は切り状態)を切り替えるPTO入切スイッチ23等が設けられている。
主変速レバー22は、例えば、主変速ギヤ機構におけるギヤの組み合わせとして1段(低速側)から15段(高速側)までの複数の主変速段のいずれかに自由に切り替えることができるよう構成されている。
そして、このトラクタ1は、図2や図6に示されるように、エンジン5の動作やトラクタ1の走行動作等の各種の動作について制御するための制御手段70を備えている。
制御手段70は、例えばマイクロコンピュータ等で構成されるものであり、メモリ部70mに格納されている制御用のプログラムやデータに基づいて必要な制御を行うようになっている。
この制御手段70には、エンジン5の動作を制御する際に参考にする指示情報や制御情報を得るためにエンジン回転センサ71、スロットルセンサ72、アクセルセンサ73等が接続されており、その各センサ71,72,73等で検出される検出値(検出結果の情報)が入力される。
エンジン回転センサ71は、エンジン5の回転数(例えばクランクの回転数)を検出する手段である。スロットルセンサ72は、スロットルレバー15の選択したときの回転数の移動位置を検出する手段であり、例えば、スロットルレバー15の可動支点部にその支点部の角度を検出する角度センサが適用される。アクセルセンサ73は、アクセルペダル16の操作量(ペダルの踏み込み量)を検出する手段である。
また、制御手段70は、エンジン5の回転数を実際に調節するときの制御対象になる回転数調節装置51と接続されており、その回転数調節装置51にエンジン5の回転数を制御するための制御信号を送信するようになっている。
回転数調節装置51は、エンジン5がガソリンエンジンである場合には、そのエンジン5におけるスロットルの開度をスロットルセンサ72又はアクセルセンサ73の検出値に応じて調節するようスロットルをワイヤーにより動かす装置として構成される。また、回転数調節装置51は、エンジン5がディーゼルエンジンである場合には、そのエンジン5における燃焼噴射のタイミングをスロットルセンサ72又はアクセルセンサ73の検出値に応じて調節するようセンサアームをリンクにより動かす装置として構成される。
また、回転数調節装置51は、エンジン5の回転数等の状態について安定させるようフィードバック制御等により自動で電子制御する装置(電子ガバナ制御装置:調速機)を具備している。
一方、制御手段70には、トラクタ1の走行動作を制御する際に参考にする制御情報を得るためにモード切替えセンサ74、副変速操作センサ(副変速センサ)75、主変速操作センサ76、走行速度センサ77等が接続されており、その各センサ74,75,76,77等で検出される検出値が入力される。
モード切替えセンサ74は、モード切替えスイッチ20の切り替えたときのモードの選択位置を検出する手段である。副変速操作センサ75は、副変速レバー21の選択したときの副変速段の移動位置を検出する手段であり、例えば、副変速レバー21の可動支点部にその支点部の角度を検出する角度センサが適用される。主変速操作センサ76は、主変速レバー22の選択したときの主変速段の移動位置を検出する手段である。走行速度センサ77は、トラクタ1の走行速度を検出する手段である。
また、制御手段70は、トラクタ1の走行条件を実際に変更するときの制御対象になる副変速駆動装置61、主変速駆動装置62等と接続されており、その副変速駆動装置61、主変速駆動装置62等に対して変速段の変更等の動作を制御するための制御信号を送信するようになっている。
副変速駆動装置61は、副変速操作センサ75の検出値に応じて副変速部6Bにおける副変速段等の変更を行うためのメカリンクや副変速の操作位置を検出する副変速操作センサ75等で構成された装置である。主変速駆動装置62は、主変速操作センサ76の検出値に応じて主変速部6Aにおける主変速段等の変更を行うためのソレノイド、油圧クラッチ等で構成された装置である。
さらに、制御手段70には、トラクタ1のPTO軸9に関する動作を制御するときの動作処理の参考にする制御情報を得るためにPTO入切センサ78、PTO変速センサ79等が接続されており、その各センサ78,79等で検出される検出値が入力される。
PTO入切センサ78は、PTO入切スイッチ23における入り状態および切り状態を検出する手段である。PTO変速センサ79は、PTO変速レバー19の選択したときの移動位置を検出する手段である。
また、制御手段70は、PTO軸9の動作を実際に変更するときの制御対象になるクラッチ駆動装置85、PTO変速駆動装置86等と接続されており、そのクラッチ駆動装置85、PTO変速駆動装置86等に対してその各動作を制御するための制御信号を送信するようになっている。
クラッチ駆動装置85は、PTO入切センサ78の検出値に応じてPTOクラッチ95における接続又は切断の状態の切り替えを行うためのソレノイド、油圧クラッチ等で構成された装置である。PTO変速駆動装置86は、PTO変速センサ79の検出値に応じてPTO変速部96における変速段等の変更を行うためのメカリンクやPTO変速の操作位置を検出するPTO変速センサ79等で構成された装置である。
また、制御手段70は、図6に示されるように、トラクタ1が路上走行し得る状態にあるか否かを判別する判別部81を有している。
第1の実施形態における判別部81は、モード切替えセンサ74が路上走行モードへの切り替えを検出した場合に路上走行し得る状態にあると判別するよう構成されている。つまり、判別部81は、モード切替えスイッチ20が路上走行モードに切り替えられたとの検出情報に基づいて路上走行し得る状態にあると判別するようになっている。
ここで、路上走行し得る状態とは、例えば、トラクタ1が現在の位置に関係なく路上走行するための設定がなされた状態や、トラクタ1が実際に路上にあって路上での走行を行うことが可能な状態をいう。また、判別部81は、例えば、制御プログラムの一部を構成するソフトウェアとして構成されている。
ちなみに、このトラクタ1においては、ハンドルポスト11の上部でステアリングホイール12の下方になる部分にあるエンジン始動停止用のキースイッチ29(図3参照)を操作することによりエンジン5の始動および停止が可能になっている。
特にこのトラクタ1では、エンジン5を始動させるためには、スロットルレバー15が所定の低速回転数(アイドリング状態の回転数)を選択した位置にあることが前提条件にされている。このため、トラクタ1においてエンジン5を始動するときにスロットルレバー15が低速回転数を選択する位置にない場合は、エンジン5を始動させることができない。
そして、このトラクタ1は、エンジン5を始動して路上走行、作業走行等の各種動作を行うときには、モード切替えセンサ74、副変速操作センサ75、主変速操作センサ76、走行速度センサ77等からの検出情報に基づいて制御手段70による各種の制御が行われるようになっている。
特にこのトラクタ1では、図7に示されるように、制御手段70がモード切替えセンサ74の検出情報を入手しながら(ステップ10:S10)、判別部81においてトラクタ1が路上走行し得る状態にあるか否かの判別を行っている(S11)。つまり、このときの制御手段70は、その判別部81において、入手されるモード切替えセンサ74の検出情報のうちから路上走行モードに切り替えられたとの検出情報が得られるか否かを検出している。
ステップ11(S11)において判別部81がモード切替えセンサ74から路上走行モードへの切り替えを検出した情報を得ると、判別部81はトラクタ1が路上走行し得る状態にあると判別する。このときは、制御手段70が、図7に示されるように、スロットルセンサ72の検出値を無効にするよう処理したうえで(S12)、エンジン5の回転数をアクセルセンサ73の検出値に応じて制御するよう処理する(S13)。
これにより、トラクタ1は、操縦者が手動でモード切替えスイッチ20を路上走行モード(走行:図4(B))を選択するように操作すると、その後に走行する際には、電子制御もされる回転数調節装置51がアクセルセンサ73の検出値に応じて調整を行うよう作動することになり、エンジン5の回転数がアクセルペダル16の操作量である踏み込み量に応じて変更されることになる。別の観点からすれば、モード切替えスイッチ20が路上走行モードに切り替えられると、エンジン5の回転数の制御に際してはスロットルセンサ72の検出値が無効にされて用いられることがなく、スロットルレバー15の操作によってエンジン5の回転数を変更することができない。
このため、トラクタ1は、モード切替えスイッチ20が路上走行モードに切り替えられたときには、スロットルレバー15の選択位置にかかわらず、アクセルペダル16の踏み込む操作のみでエンジン5の回転数を任意に変更することができる。一方、スロットルセンサ72の検出値に応じたエンジン5の回転数の制御は無効にされて行われない。
また、このときの制御手段70による制御は、モード切替えセンサ74から路上走行モードに切り替えられたことの検出値が無くなるまで継続され(S14)、その検出値が無くなった段階で、スロットルセンサ72の検出値を無効にする処理が解除された(S15)後に終了する。
したがって、このトラクタ1では、モード切替えセンサ74から路上走行モードへの切り替えの検出情報が得られて判別部81で路上走行し得る状態にあると判別されると、その後においてエンジン5の回転数が機械的な制御動作を伴なうことなく適切に制御される。このときトラクタ1は、その後の走行においてエンジン5の回転数がアクセルペダル16の操作量に応じて適切に制御されるようになる。機械的な制御動作とは、例えばスロットルレバー15の選択位置を移動させる動作等である。
また、このトラクタ1では、機械的な制御動作を行うための部品を新たに追加して設ける必要がないので、部品点数の増加によるコストアップが抑制される。
ちなみに、このトラクタ1では、路上走行中において何かに衝突しそうになってブレーキペダル17を踏んだ場合、操縦者の足がアクセルペダル16から離れてブレーキペダル17を踏むことになる。
これにより、このトラクタ1では、アクセルペダル16から離した際にエンジン5の回転数が低速回転数になるので、エンジン5の回転数が高速回転数を選択しているスロットルレバー15の選択回転数に応じて回転し続けるよう制御している場合に比べて、エンジン5の回転数が低速回転数になる分だけ止まりやすく(制動しやすく)なる。
なお、第1の実施形態に係るトラクタ1では、上記した制御手段70による制御において図7に示すステップ13の制御処理を行う前に、次の処理を追加して行うよう構成してもよい。
すなわち、図7に二点鎖線で示されるように、スロットルセンサ72が低速回転数を選択したという検出情報が得られるか否かを判断し(S16)、そのステップ16においてスロットルセンサ72が低速回転数を選択したという検出情報が得られた後に、ステップ13の制御処理(エンジン5の回転数をアクセルセンサ73の検出値で制御する)を許可して実行するよう構成する。このときの低速回転数は、前述したようにアイドリング時の回転数であり、初期の位置(回転数)でもある。
このように構成した場合は、判別部81で路上走行し得る状態にあると判別されても、(低速回転数以外の回転数が選択されている)スロットルレバー15を低速回転数が選択される位置に移動させない限りは、エンジン5の回転数をアクセルペダル16で増減させることができないことになる。また、このように構成した場合は、モード切替えスイッチ20が路上走行モードから作業走行(耕うん)モードに切り替えられたとき、エンジン5がスロットルレバー15の選択位置(高速回転数)に応じていきなり高速の回転数で回転することを避けることができる。
また、第1の実施形態に係るトラクタ1では、上記した制御手段70による制御において図7に示すステップ13の制御処理を行う前に、次の処理を追加して行うよう構成してもよい。
すなわち、図7や図8に示されるように、PTO入切センサ78から切断の状態(切り状態)であるという検出情報が得られるか否かを判断し(S17)、そのステップ17においてPTO入切センサ78から切断の状態であるという検出情報が得られた後に、ステップ13の制御処理(エンジン5の回転数をアクセルセンサ73の検出値で制御する)を許可して実行するよう構成する。これにより、その後に路上走行する際、PTO軸9が不必要に回転していることを回避できて安全性が確保される。
この場合、ステップ17の判断は、例えば、図7に二点鎖線で示すようにステップ12におけるスロットルセンサ72の検出値を無効にする制御処理の直後の時期(A1)に行うか、あるいは上記変形例で示すステップ16における判断処理(スロットルセンサ72が低速回転数を選択したという検出情報が得られるか否かの判断)を行った直後の時期(A2)に行うようにすればよい。また、ステップ17の判断でYESとの判断結果が得られた場合は、ステップ13の処理が行われる直前の時期(B)に戻されてステップ13の処理が実行される。
またこの場合、ステップ17においてPTO入切センサ78から接続の状態(入り状態)であるという検出情報が得られたときは、制御手段70により、図8に示されるようにメータパネル13における表示部13a(図6参照)にPTO入切スイッチ23を切断の状態にすることを促す警告メッセージを表示するようにするとよい(S18)。警告メッセージとしては、例えば「PTO入切スイッチを切にしてください。」等である。これにより、その後に路上走行する際、PTO軸9が不必要に回転していることを確実に回避することができる。
さらにこの場合、ステップ17においてPTO入切センサ78から接続の状態であるという検出情報が得られたときは、制御手段70により、図8に二点鎖線で示されるように上記ステップ18の処理動作を行う前に又は上記ステップ18の処理動作に代えて、エンジン5の回転数を低速回転数になるよう制御する処理を行うよう構成してもよい(S19)。これにより、その後に路上走行する際、PTO軸9が回転する場合でも高速度で回転することを回避することができる。
さらに、第1の実施形態に係るトラクタ1では、制御手段70においてモード切替えセンサ74から作業走行モード(耕うん:図4(B))に切り替えられたという検出情報が得られた場合、スロットルセンサ72から低速回転数の選択を検出した情報が得られるかを判断し、その低速回転数の検出情報が得られた後に、エンジン5の回転数をスロットルセンサ72の検出値に応じて制御することを有効にする処理を行うよう構成するとよい。
このように構成した場合は、操縦者がモード切替えスイッチ20を作業走行モードに切り替えたとき、エンジン5がスロットルレバー15の選択位置に関係なく低速回転数で回転するようになる。この結果、例えばモード切替えスイッチ20が作業走行モードに切り替えられた際にスロットルレバー15が高速回転数を選択していると、そのスロットルレバー15の選択位置に対応してエンジン5が高速の回転数でいきなり回転し始めることを回避することができ安全性が確保される。
[第2の実施形態]
図9には、この発明の第2の実施形態に係るトラクタの一部(制御の構成例)が示されている。
第2の実施形態に係るトラクタは、制御手段70における判別部81(図6参照)が以下に説明するように異なる制御情報に基づいて制御を行うよう変更された以外は第1の実施形態に係るトラクタ1と同じ構成のものである。
すなわち、第2の実施形態に係るトラクタにおける制御手段70は、図9に示されるように、副変速操作センサ75の検出情報を入手しながら(ステップ20:S20)、判別部81においてトラクタ1が路上走行し得る状態にあるか否かの判別を行っている(S21)。つまり、このときの制御手段70は、その判別部81において、入手される副変速操作センサ75の検出情報のうちから高速の副変速段が選択されたとの検出情報が得られるか否かを検出している。この実施形態では、副変速レバー21における複数の副変速段のうち高速の副変速段のみを路上走行時に適用する変速段として設定している。
ステップ21(S21)において判別部81が副変速操作センサ75から高速の副変速段が選択されたという検出情報を得ると、判別部81はトラクタ1が路上走行し得る状態にあると判別する。このときは、制御手段70が、図9に示されるように、スロットルセンサ72の検出値を無効にするよう処理したうえで(S22)、エンジン5の回転数をアクセルセンサ73の検出値に応じて制御するよう処理する(S23)。
これにより、トラクタ1は、操縦者が手動で副変速レバー21を高速の副変速段を選択するように操作すると、その後に走行する際には、電子制御もされる回転数調整装置51がアクセルセンサ73の検出値に応じて調整を行うよう作動することになり、実施の形態1の場合と同様にエンジン5の回転数がアクセルペダル16の操作量である踏み込み量に応じて変更されることになる。別の観点からすれば、副変速レバー21が高速の副変速段を選択するよう操作されると、エンジン5の回転数の制御に際してはスロットルセンサ72の検出値が無効にされて用いられることがなく、スロットルレバー15の操作によってエンジン5の回転数を変更することができない。
このため、トラクタ1は、副変速レバー21が高速の副変速段を選択するよう操作されたときには、スロットルレバー15の選択位置にかかわらず、アクセルペダル16の踏み込む操作のみでエンジン5の回転数を任意に変更することができる。一方、このときも、スロットルセンサ72の検出値に応じたエンジン5の回転数の制御は無効にされて行われない。
また、このときの制御手段70による制御は、副変速操作センサ75から高速の副変速段が選択されたことの検出値が無くなるまで継続され(S24)、その検出値が無くなった段階で、スロットルセンサ72の検出値を無効にする処理が解除された(S25)後に終了する。
したがって、第2の実施形態に係るトラクタにおいても、副変速操作センサ75から高速の副変速段が選択されたとの検出情報が得られて判別部81で路上走行し得る状態にあると判別されると、その後においてエンジン5の回転数が機械的な制御動作を伴なうことなく適切に制御される。このときトラクタは、その後の走行時にエンジン5の回転数がアクセルペダル16の操作量に応じて適切に制御されるようになる。
また、このトラクタにおいても、機械的な制御動作を行うための部品を新たに追加して設ける必要がないので、部品点数の増加によるコストアップが抑制される。
なお、第2の実施形態に係るトラクタでは、上記した制御手段70による制御において図9に示すステップ22の制御処理を行う前に、次の処理を追加して行うよう構成してもよい。
すなわち、制御手段70が、図9や図10に示されるように、PTO入切センサ78から接続の状態(入り状態)であるという検出情報が得られても、そのPTO入切センサ78からの検出情報が切断の状態(切り状態)として扱うように処理したうえで(S26)、ステップ22の制御処理(スロットルセンサ72の検出値を無効にする処理)を許可して実行するよう構成する。これにより、その後に路上走行する際、PTO軸9が不必要に回転していることを回避できて安全性が確保される。
この場合、ステップ26の処理は、例えば、図9に二点鎖線で示すようにステップ21の判別処理でYESの結果が得られた直後の時期(C)に行うようにすればよい。また、ステップ26の処理が実行された後は、ステップ22の処理を行う直前の時期(D)に戻されてステップ22、23の制御処理が実行される。
また、第2の実施形態に係るトラクタでは、制御手段70による制御において上記したステップ26(図10)の処理を行う前に、次の処理を追加して行うよう構成してもよい。
すなわち、制御手段70が、図10に二点鎖線で示されるように、モード切替えセンサ74から路上走行モードに切り替えられたことの検出情報が得られるか否かを判断し(S27)、そのステップ27で路上走行モードに切り替えられたことの検出情報が得られたときに、ステップ26の制御処理(PTO入切センサ78からの検出情報を常に切り状態の情報として扱う処理)を許可して実行するように構成する。
またこの場合、ステップ27においてモード切替えセンサ74から作業走行モードに切り替えられていることの検出情報が得られたときは(路上走行モードに切り替えされたことの検出情報が得られないときは)、制御手段70により、図10に二点鎖線で示されるようにメータパネル13における表示部13a(図6参照)にモード切替えスイッチ20を路上走行モードに切り替えることを促す警告メッセージを表示するようにするとよい(S28)。警告メッセージとしては、例えば「モード切替えスイッチを走行(路上走行モード)に切り替えてください。」等である。
[第3の実施形態]
図11および図12には、この発明の第3の実施形態に係るトラクタの一部(制御手段と制御処理の構成例)が示されている。
第3の実施形態に係るトラクタは、測位装置100を備え、制御手段70における位置検出部88の検出情報により判別部81が以下に説明するように一部異なる制御を行うよう変更された以外は第1の実施形態に係るトラクタ1と同じ構成のものである。
まず、このトラクタは、図1に示されるように、車体2の位置を計測する測位装置100を備えている。
測位装置100は、測位衛星から送信される測位信号を受信して車体2の現在位置を測定する装置である。この測位装置100は、GPS(Global Positioning System)等の衛生測位システムを使用した装置であり、例えば、測位衛星から送信される測位信号を受信するアンテナ等の受信部101と、受信部101で受信した測位信号から座標位置を算出する計測部102を有している(図11)。
また、このトラクタにおける制御装置70は、図11に示されるように、測位装置100で得られる測位情報を少なくとも予め作業走行する圃場の範囲とその周辺に存在する路上に関する位置情報と照合して車体2の位置を検出する位置検出部88を有している。
位置検出部88は、ソフトウェアからなる機能部分として構成されるものである。少なくとも予め作業走行する圃場の範囲とその周辺に存在する路上に関する位置情報は、測位装置100で得られる測位情報との照合が可能な情報であり、制御手段70におけるメモリ部70mに予め格納される。この位置情報としては、図14に地図形式に模して例示されるように、作業走行する予定の圃場200(A,B,D,F)の位置情報と、その圃場200の周辺に存在する領域(例えば作業走行する予定のない周辺にある圃場200C,200Eや、路上など)の位置情報を含んだ情報が用いられる。
また、位置検出部88は、測位装置100で得られる測位情報と上記圃場と路上等の位置情報との照合から検出される車体2の現在位置が、特に路上の位置であるか否かを判定する機能を備えている。
位置検出部88については、上記照合および検出を行う機能を有する装置等のハードウェアとして構成されるものを適用しても構わない。装置形式の位置検出部88を適用する場合には、その位置検出部88が有するメモリ部に上記位置情報を予め格納すればよい。
そして、第3の実施形態に係るトラクタにおける制御手段70は、図12に示されるように、測位装置100を利用した位置検出部88の検出情報を入手しながら(ステップ30:S30)、判別部81においてトラクタ1が路上走行し得る状態にあるか否かの判別を行っている(S31)。つまり、このときの制御手段70は、その判別部81において、入手される位置検出部88の検出情報のうちから車体2が路上の位置にあるとの検出情報が得られるか否かを検出している。
ステップ31(S31)において判別部81が位置検出部88から路上の位置にあるとの検出情報を得ると、判別部81はトラクタ1が路上走行し得る状態にあると判別する。このときは、制御手段70が、図12に示されるように、スロットルセンサ72の検出値を無効にするよう処理したうえで(S32)、エンジン5の回転数をアクセルセンサ73の検出値に応じて制御するよう処理する(S33)。
これにより、トラクタ1は、位置検出部88において車体2が路上の位置にあると検出されると、その後に走行する際には、電子制御もされる回転数調節装置51がアクセルセンサ73の検出値に応じて調整を行うよう作動することになり、実施の形態1の場合と同様にエンジン5の回転数がアクセルペダル16の操作量である踏み込み量に応じて変更されることになる。別の観点からすれば、車体2が路上の位置にあると検出されると、エンジン5の回転数の制御に際してはスロットルセンサ72の検出値が無効にされて用いられることがなく、スロットルレバー15の操作によってエンジン5の回転数を変更することができない。
このため、トラクタ1は、位置検出部88により車体2が路上の位置にあると検出されたときには、スロットルレバー15の選択位置にかかわらず、アクセルペダル16の踏み込む操作のみでエンジン5の回転数を任意に変更することができる。一方、このときも、スロットルセンサ72の検出値に応じたエンジン5の回転数の制御は無効にされて行われない。
また、このときの制御手段70による制御は、位置検出部88から車体2が路上の位置にあるとの検出情報が無くなるまで継続され(S34)、その検出値が無くなった段階で、スロットルセンサ72の検出値を無効にする処理が解除された(S35)後に終了する。
したがって、第3の実施形態に係るトラクタにおいても、位置検出部88から車体2が路上の位置にあるとの検出情報が得られて判別部81で路上走行し得る状態にあると判別されると、その後においてエンジン5の回転数が機械的な制御動作を伴なうことなく適切に制御される。このときトラクタは、その後の走行時にエンジン5の回転数がアクセルペダル16の操作量に応じて適切に制御されるようになる。
また、このトラクタにおいても、機械的な制御動作を行うための部品を新たに追加して設ける必要がないので、部品点数の増加によるコストアップが抑制される。
なお、第2の実施形態に係るトラクタでは、上記した制御手段70による制御において図12に示すステップ32の制御処理を行う前に、次の処理を追加して行うよう構成してもよい。
すなわち、制御手段70が、図12や図13に示されるように、モード切替えセンサ74から作業走行モード(耕うん)に切り替えられているという検出情報が得られても、そのモード切替えセンサ74からの検出情報が走行モードに切り替えられた検出情報として扱うように処理したうえで(S36)、ステップ32の制御処理(スロットルセンサ72の検出値を無効にする処理)を許可して実行するよう構成する。
この場合、ステップ36の処理は、例えば、図12に二点鎖線で示されるようにステップ31の判別処理でYESの結果が得られた直後の時期(E)に行うようにすればよい。また、ステップ36の処理が実行された後は、ステップ32の処理を行う直前の時期(F)に戻されてステップ32、33の制御処理が実行される。
また、上記ステップ36の処理を行う場合は、制御手段70が、図13に二点鎖線で示されるように、その処理を行う直前(ステップ31の判別処理でYESの結果が得られた直後)に、エンジン5の回転数を所定の短時間(例えば数秒間)だけ低速回転数(アイドリング状態の回転数)に制御する処理(S37)を行うように構成してもよい。
さらに、第3の実施形態に係るトラクタでは、制御手段70が位置検出部88から作業走行する予定の圃場200の出入口に接近したとの検出情報を得たとき、車体2の走行速度を直前の速度よりも低下させる制御を行うように構成してもよい。このときの出入口への接近は、予め定める出入口周辺の範囲内に入ったときとすればよい。また、このときの出入口への接近は、路上側から接近した場合に限定しても構わない。
このように速度を低下させる制御を行うよう構成した場合は、出入口における傾斜地でのトラクタの移動走行を安全に行うことができる。
[変形例等の他の実施形態]
スロットル操作手段としては、第1から第3の実施形態で例示したスロットルレバー15に代えて、例えば段階式又は無段階式のダイヤル形態からなるスロットルダイヤルや、押下方式や接触(タッチ)方式のスロットルボタン等に代表される他の形態からなるものを適用してもよい。
アクセルペダル16については、その操作量(踏み込み量)をアクセルセンサ73で検出してその検出情報を制御手段70に入力する構成を例示したが、それに限定されず、その他の構成を採用してもよい。
その他の構成としては、例えば、アクセルペダル16とエンジン5のスロットル調整部又は回転数調節装置51の作動部との間をワイヤーケーブルで接続し、アクセルペダル16の踏み込み(量)に応じてワイヤーケーブルが移動してそのときの操作量をエンジン5の制御手段70の一部でもあるスロットル調整部又は回転数調節装置51の作動部に直接伝達する構成である。また、アクセルペダル16の踏み込み時の角度を検出する角度センサからなるアクセルセンサ73と、その角度センサに検出角度に応じてエンジン5のスロットル調整部又は回転数調節装置51の作動部と接続されたワイヤーケーブルを巻取る等の手段で移動させて操作量を間接的に伝達する構成である。
また、制御手段70については、判別部81で路上走行し得る状態であると判別されてエンジン5の回転数をアクセルペダル16の操作量に応じて制御するように作動している時期に、スロットルレバー15が低速回転数(アイドリング状態の回転数)を選択する位置にない場合(スロットルセンサ72が低速回転数の選択を検出していない場合)、次のような警告動作を行うよう構成してもよい。
すなわち、制御手段70は、上記の場合に、メータパネル13における表示部13a(図6参照)に警告の表示することと、メータパネル13に付設する音発生部13b(図6参照)で警告の音を発することの一方又はその双方を行うように構成する。また、上記の場合において制御手段70は、エンジン5の回転数をスロットルセンサ72の検出値に応じて制御することを無効にしていることになる。
この場合、警告の表示は、例えば、メータパネル13において表示されるアイコン等の点灯対象を点灯又は点滅させることで行われる。点灯する色は、例えば目立ちやすい赤色などが採用される。
これにより、トラクタ1の操縦者は、路上走行をするときにスロットルレバー15の操作が禁止されていることを知ることができ、無駄な操作を行うことを回避することができる。
また、制御手段70については、上記の場合に、スロットルレバー15が低速回転数を選択する位置にないときの経過時間が所定の閾値時間を越えたときにエンジン5を停止させる制御を行うように構成してもよい。
この発明は、トラクタなどの農作業用の車両に限られず、それ以外の各種作業用の車両にも適用することができる。
1 トラクタ
5 エンジン
15 スロットルレバー
16 アクセルペダル
20 モード切替えスイッチ
21 副変速レバー
70 制御手段
72 スロットルセンサ
74 モード切替えセンサ
75 副変速操作センサ
81 判別部
88 位置検出部
100 測位装置

Claims (4)

  1. 回転動力を発生するエンジン(5)と、
    前記エンジン(5)の回転数を所定の低速回転数から高速回転数までの範囲内で固定するよう手動で操作するスロットル操作手段(15)と、
    前記エンジン(5)の回転数を任意に変更するよう踏み込み動作で操作するアクセルペダル(16)と、
    路上走行モードと作業走行モードを切り替えるモード切替え手段(20)と、
    前記スロットル操作手段(15)の選択された回転数を検出するスロットルセンサ(72)と、
    前記エンジン(5)の少なくとも回転数を、前記スロットルセンサ(72)の検出値と前記アクセルペダル(16)の操作量の一方又は双方に応じて制御することが可能な制御手段(70)と、
    を備え、
    前記制御手段(70)は、路上走行し得る状態にあるか否かを判別する判別部(81)を有し、前記判別部(81)が路上走行し得る状態にあると判別した場合、前記スロットルセンサ(72)が前記所定の低速回転数以外の回転数を検出しているとき、前記エンジン(5)の回転数を前記所定の低速回転数にするよう制御するとともに、前記スロットルセンサ(72)が前記所定の低速回転数を検出するまで前記スロットルセンサ(72)の検出値に応じた前記エンジン(5)の回転数の制御を無効にして、前記エンジン(5)の回転数を前記アクセルペダル(16)の操作量に応じて制御することを特徴とする作業車両。
  2. 前記モード切替え手段(20)の切り替えを検出するモード切替えセンサ(74)を備え、
    前記制御手段(70)の判別部(81)は、前記モード切替えセンサ(74)が路上走行モードへの切り替えを検出した場合に路上走行し得る状態にあると判別することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記エンジン(5)の回転動力を駆動輪(3,4)へ伝達するときの変速比を低速から高速までの範囲内で設定された複数の変速段から選択して切り替えるよう操作する副変速操作手段(21)と、
    前記副変速操作手段(21)の選択された変速段を検出する副変速操作センサ(75)と、
    を備え、
    前記制御手段(70)の判別部(81)は、前記副変速操作センサ(75)が路上走行に適用される高速の変速段への切り替えを検出した場合に路上走行し得る状態にあると判別することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  4. 車体(2)の位置を計測する測位装置(100)を備え、
    前記制御手段(70)は、前記測位装置(100)で得られる測位情報を少なくとも予め作業走行する圃場の範囲とその周辺に存在する路上に関する位置情報と照合して車体(2)の位置を検出する位置検出部(88)を有し、
    前記判別部(81)は、前記位置検出部(88)が路上の位置にあることを検出した場合に路上走行し得る状態にあると判別することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
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