JP2536444B2 - 移動車輌の前車輪回転駆動制御装置 - Google Patents

移動車輌の前車輪回転駆動制御装置

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JP2536444B2
JP2536444B2 JP6065044A JP6504494A JP2536444B2 JP 2536444 B2 JP2536444 B2 JP 2536444B2 JP 6065044 A JP6065044 A JP 6065044A JP 6504494 A JP6504494 A JP 6504494A JP 2536444 B2 JP2536444 B2 JP 2536444B2
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文顕 西川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、移動車輌の前車輪回
転駆動制御装置に関する。移動車輌は、走行車輪の一部
や全部に駆動力を与えて走行しているが、あらかじめ走
行中の圃場表面の状態が、乾燥した硬い表面であるか湿
った軟弱表面であるかを判別し、なるべく表面を荒らさ
ずに走行駆動伝達は効率良く行なおうとするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、四輪駆動車の旋回時
に前車輪の駆動を切って後二輪で旋回を行なう旋回時二
輪駆動のものや、この旋回時に前車輪の平均周速を後車
輪に対して約二倍程度に増速して旋回を行なう旋回時倍
速四輪駆動のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のもの
は、最初に設定した標準的な作動順序に合わせて機械的
に制御を行なうだけであって、地面の状態の変化が生じ
ても無視して標準的な作動を行なっている。このような
従来のものは、標準的な状態の地面上を走行する場合は
問題ないが、泥濘地や凹凸路面や乾燥地面等が混在した
場所での直進走行や旋回走行において標準的な作動を連
続して行なうと、走行性能が悪化したり走行できない場
合が生じる。
【0004】即ち、旋回時に単純に後二輪駆動に切り換
えると、泥濘地であって後輪の一方がスリップすると、
後輪の中間中央部のデファレンシャル装置の働きにより
車体が前進できなくなったり、凹凸路面で旋回時点が下
り坂部になって後輪がスリップすると、車体の重量を支
えるのが後輪だけと成りエンジンブレーキが作用せずに
車体が低地側に暴走する恐れが生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来装置
の、このような不具合を解消しようとするものであっ
て、次のような技術的手段を講じた。即ち、前車輪4の
操舵角が所定角度以上になると前車輪4の回転周速度を
後車輪3の回転周速度よりも速くする「前輪増速四駆状
態D」を有する移動車輌において、前車輪4および後車
輪3の回転数を検出する前後軸回転センサー10,9を
設け、「前輪増速四駆状態D」の制御指令を所定短時間
後に「後輪二駆状態C」に変更して、後車輪3と前車輪
4の回転比を判別する「判別手段I」を設け、この「判
別手段I」の判別結果に基づいて「後輪二駆状態C」と
「前輪増速四駆状態D」とに切り換える制御部13を設
けたことを特徴とする移動車輌の前車輪回転駆動制御装
置の構成とした。
【0006】
【実施例】以下に、図面を参照して、この発明の実施例
をくわしく説明する。ただし、この実施例に記載されて
いる構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、
特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそ
れらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例
にすぎない。
【0007】図例は農用トラクター14であって、この
農用トラクター14の前車輪4,4と後車輪3,3の駆
動部に、この発明を折り込んだものである。農用トラク
ター14である前後四輪駆動式の移動車両は、機体の前
後四隅部に前後車輪4,4、3,3を取付けており、エ
ンジン1の動力を利用して駆動している。
【0008】前後車輪4,4、3,3は、夫れ夫れ前後
の車軸ケース15,16に連結されて外側に突設し、そ
の基端部を前フレーム17や主フレームであるギヤーケ
ース18等に取付けられる。前フレーム17の後端は主
フレーム側に一体に組み付けられた機枠となっており、
この機枠である前フレーム17の前方部にエンジン1が
着脱自在に取付けられている。
【0009】前車軸ケース15の左右方向中央部は、前
フレーム17に対し左右揺動自在に軸着19され、地面
の凹凸により前車輪4,4が上下動する。この前車軸ケ
ース15の左右方向中央部には、左右の前車輪4,4の
周速差を調整する前部デファレンシャル装置20を内装
しており、後述する伝動ケース21から外部に突出する
前駆動軸6を介して入力している。
【0010】22はラジエター、23は冷却ファンであ
って、エンジン1の前方に配設される。12はエンジン
回転センサーであって、図例では冷却ファン23近傍に
設けられてエンジン1の回転数を測定し制御部であるC
PU13に伝えているが、エンジン1と比例的に回転し
ていれば、クランク軸(図示省略)や他の回転部の回転
を測定してもよい。
【0011】24はボンネットであって、エンジン1や
補器類(図示省略)の前方や側方を覆っている。26は
クラッチハウジングであって、内部に主クラッチ27を
内装しておりエンジン1の後部に取付けられ、後部の伝
動ケース21部に駆動力を伝達している28はハンド
ル、29はハンドルポストであって、ハンドルポスト2
9の下端部は機枠に取付けられ、図示しないがハンドル
28を左右回転すると、前車輪4,4が左右に舵取り揺
動する。
【0012】この前車輪4,4の左右操舵角度を舵角セ
ンサー11で読み取って、制御部であるCPU13に伝
えている。左右の後車輪3,3の前方から上方にかけて
フェンダー30,30が取り付けられ、この左右フェン
ダー30,30間に座席31が設けられる。左右の後車
輪3,3は後車軸ケース16で左右連結され、左右中間
部に後部デファレンシャル装置25を設けている。
【0013】後部デファレンシャル装置25を内装する
ギヤーケース18は、前述の伝動ケース21の後部に取
付けられ、伝動ケース21はクラッチハウジング26の
後端部に一体に連結されている。座席31下部の運転者
足元部からハンドルポスト29下部の両側方にかけて、
略平板状のフロア32を取付けている。
【0014】フロア32は、略左右方向平板状でその外
幅は左右のフェンダー30,30の外縁部近傍まで、即
ち、機体全幅に近い広さとしている。エンジン1から主
クラッチ27を経た駆動力は、伝動ケース21の前部か
ら入力する。入力した駆動力は、詳細は図示省略するが
前後進の変速を行なうリバーサー装置33や主変速装置
34や副変速装置35等の、一部または全部から成る変
速機構2を経て後部デファレンシャル装置25に達する
走行車輪駆動系と、伝動ケース21の入り口部で伝動分
岐した外部動力取出であるPTO駆動系36との二系統
に分かれる。
【0015】37はPTO軸であって、ギヤーケース1
8から後方に突出し、この突出部に各種の作業機(図示
省略)への入力軸を着脱自在とする。後部デファレンシ
ャル装置25から左右に出力軸75,75を突出し、こ
の出力軸75中間部に左右のブレーキ76,76を備え
た伝動経路後位に左右の後車輪3,3を取り付けてい
る。
【0016】この左右の後車輪3,3は、図示しないが
独立した左右のブレーキペタルにより夫れ夫れ別個にま
たは同時に制動される。変速機構2から出力し後部デフ
ァレンシャル装置25に入力する間の駆動軸ならどこで
も良いが、この駆動軸である後車輪駆動回転軸5部の駆
動力を出力ギヤー38、カウンターギヤー39を経て主
ギヤー40に伝達する。
【0017】主ギヤー40は、第一クラッチボス41の
スプライン部に係合しており、ボスと一体回転する。ま
た、このスプライン部に係合して別の副ギヤー42が取
付けられ、主副ギヤー40,42は同時回転する。これ
らは図例で二枚のギヤーとしているが、歯数が問題無け
れば主副ギヤー40,42は一枚としても良い。
【0018】副ギヤー42には、カウンター入口ギヤー
43が常時噛み合っており、連結駆動軸44で連結され
たカウンター出口ギヤー45も一体回転可能としてい
る。カウンター出口ギヤー45は第二クラッチギヤー4
6と常時噛み合っており、この第二クラッチギヤー46
と一体の第二クラッチボス47まで同時回転可能として
いる。
【0019】言葉を換えると、主ギヤー40が回転する
と、前駆動クラッチ軸48上に対向して回転自由に設け
た第一クラッチボス41と第二クラッチボス47は同時
に回転し、主ギヤー40が停止すると第一、第二クラッ
チボス41,47は同時に停止する。副ギヤー42によ
りカウンター入口ギヤー43が増速され、さらに、カウ
ンター出口ギヤー45により第二クラッチギヤー46が
増速されており、第一クラッチボス41が一回転する時
第二クラッチボス47は略々二回転する。
【0020】この第一、第二クラッチボス41,47間
には、第一ピストン49と第二ピストン50が配設され
ると共に、複数の摩擦板51,51を内装した駆動ドラ
ム52で外周を覆われている。駆動ドラム52は、仕切
壁53で前後に仕切られており、後部の第一クラッチボ
ス41と摩擦板51と第一ピストン49で直結クラッチ
7を構成し、前部の第二クラッチボス47と摩擦板51
と第二ピストン50で増速クラッチ8を構成している。
【0021】駆動ドラム52は、前駆動クラッチ軸48
のスプライン部に一体に組み付けられている。伝動ケー
ス21内には潤滑油54が保持され、各伝動歯車や軸類
を潤滑している。この潤滑油54の一部をオイルポンプ
55で吸引し加圧すると共に、油路切替弁58を介して
前述の直結クラッチ7の第一ピストン49と仕切壁53
間の第一油室56部、または、増速クラッチ8の第二ピ
ストン50と仕切壁53間の第二油室57部、のいずれ
か一方に供給する。
【0022】図2の油路切替弁58は中立状態を示して
おり、この中立状態では、直結クラッチ7と増速クラッ
チ8は共にOFF状態になっている。次に第一ソレノイ
ド59に通電すると油路切替弁58は弁58a部に切り
替わって高圧油が第一油室56に流入し、直結クラッチ
7が繋がって後車輪駆動回転軸5の回転をそのまま前駆
動クラッチ軸48に伝える。
【0023】第二ソレノイド60に通電すると油路切替
弁58は弁58b部に切り替わって高圧油が第二油室5
7に流入し、増速クラッチ8が繋がって後車輪駆動回転
軸5の回転を略々二倍として前駆動クラッチ軸48に伝
える。この前駆動クラッチ軸48に入力した後車輪駆動
回転軸5の回転は、前述した前駆動軸6に連動連結され
ており、前部デファレンシャル装置20を経て前車輪
4,4を駆動する。
【0024】前記のように、直結クラッチ7がONで増
速クラッチ8がOFFの場合の前駆動軸6の回転は後車
輪3に対し略等速で駆動される「前後四輪駆動状態H」
となり、直結クラッチ7がOFFで増速クラッチ8がO
Nの場合の前駆動軸6の回転は後車輪3に対し略二倍速
で駆動される「前輪増速四駆状態D」となり、両クラッ
チ7,8が共にOFF状態の時は「後輪二駆状態C」と
なって前駆動軸6は単に転輪状態となっている。(転輪
状態とは、前車輪4が機体が移動すれば引かれて回転
し、機体停止時は止まっていることである。)61はド
レン油路であって、油路切替弁58が切り替わると連携
した油路内の圧油を、伝動ケース21に逃がす。
【0025】図例では、伝動ケース21を油溜りとして
使用しているが、別体のオイルタンクを専用に設けても
良い。カウンター出口ギヤー45近傍には後軸回転セン
サー9が配設され、駆動ドラム52近傍には前軸回転セ
ンサー10が配設されて、夫れ夫れの回転部の回転数を
読み取って制御部であるCPU13に伝えている。
【0026】この農用トラクター14は、図5で示すよ
うに、先ず、後車輪3のみを駆動する「後輪二駆状態
C」で走行し、この走行中にハンドル28の操舵角度を
舵角センサー11で検知し、設定角度「α」(仮に5度
とする。)を超えると「旋回制御F」の制御を行ない、
超えないと「直進制御G」の制御を行なう。「旋回制御
F」は、さらに図6で示す条件の全てを満足すると大操
舵角度での制御である「フルターン制御」を行ない、条
件の一部が否定されると小操舵角度での制御である「小
舵角旋回制御」へと換わる。
【0027】「旋回制御F」の大操舵角度での「フルタ
ーン制御」は、この発明の要部であり後で詳述する。小
操舵角度での「小舵角旋回制御」は図8で示すように、
「後輪二駆状態C」で走行中の農用トラクター14が、
前車輪4と後車輪3の速度が略等速度の「前後四輪駆動
状態H」となる4WDフラグがONされていない場合
に、後車輪3の対地スリップを「検出機構E」で検出
し、後車輪3の対地スリップが多ければ第一ソレノイド
59をONして「前後四輪駆動状態H」で走行する「ス
リップ制御」へと移行し、スリップが少なければ「後輪
二駆状態C」のままで継続走行する「直進制御G」は、
図10で示すように各種条件により、上記の「スリップ
制御」または後述する「ブレーキ制御」へと分かれる。
【0028】図11で示す「ブレーキ制御」は、「前後
四輪駆動状態H」で走行中の農用トラクター14の後車
輪3の制動操作回数と前車輪4のオーバラン率を、「後
輪二駆状態C」として「判別手段I」により検出し、前
車輪4のオーバラン率が一定以下に落ちないとき直結ク
ラッチ7をONして「前後四輪駆動状態H」とすること
により、転輪状態の前車輪4を駆動経路出連結しブレー
キ性能を向上させると共に、後車輪3の制動操作回数が
所定回数を超えたとき「前後四輪駆動状態H」に固定し
て、第一ソレノイド59のON;OFF変更による劣化
を防止する。。
【0029】次に、この発明の要部である「フルターン
制御」について、フローチャート図を主体に説明する。
先ず、図6での「旋回制御F」がスタートすると、先ず
初期設定として「直進制御G」でのデータを初期化、即
ち、第一ソレノイド59と第二ソレノイド60をOFF
とし、前車輪4,4への駆動力が切られた「後輪二駆状
態C」での走行を開始する。
【0030】手動でON;OFFする増速旋回スイッチ
64がONとなっているかどうか判断しONの場合は、
後軸回転センサー9により読み取った後車輪3,3の左
右平均した車速が設定車速「V」(4Km/H程度)に
達していないかどうか判断し、設定車速「V」に達せ
ず、しかも、舵角センサー11で読み取った前車輪4,
4の操舵角がγ(直進状態から片側に略40度)を超
え、農用トラクター14の機体端部に上下昇降自在に取
り付けた作業機(図示せず)の昇降位置を操作するポジ
ションレバー66が上げ操作をされている場合、「前輪
増速四駆状態D」で走行することがある「フルターン制
御」を作動させる。
【0031】次に、「前輪増速四駆状態D」で走行する
ことがある「フルターン制御」の作動を、図7のフロー
チャートで説明する。スタートして先ず最初は「フルタ
ーンフラグ」がONになっているかどうか判断し、なっ
ていない場合は「後輪二駆状態C」での走行であるから
「検出機構E」を働かせて、前軸回転センサー10と後
軸回転センサー9の検出値をCPU13に伝え、前車輪
4,4と後車輪3,3の左右車輪の平均周速に差が有る
かどうかを判断する。
【0032】この場合の「検出機構E」は、前車輪4を
転輪状態として機体の移動速を前軸回転センサー10で
検出し、後車輪3の駆動速を後軸回転センサー9で検出
し、両者の速度差の大小を判断している。前提条件の一
つで、「フルターン制御」作動時には必ず前車輪4,4
は操舵角γを超えているから操舵旋回中であるのが判
り、夫れ夫れの車輪の周速は旋回半径の差に伴い後車輪
3,3が駆動時に対地スリップを生じていなければ、直
結クラッチ7と増速クラッチ8を共にOFF状態とした
「後輪二駆状態C」においても前車輪4,4は旋回半径
が大きい分機体に押されて速く(余計に)廻ることとな
り、前輪オーバーラン有りと判断され、次のオーバーラ
ン率の判断へと移る。
【0033】前車輪4のオーバーラン率が所定の数値
「B」(後輪に対し実験値で180%程度)を超える場
合、即ち、後車輪3,3が確実に駆動力を地面に伝えて
いる時前車輪4を増速駆動する「前輪増速四駆状態D」
での旋回は不必要であるから、そのまま「後輪二駆状態
C」のままで旋回を行なう。この直結クラッチ7と増速
クラッチ8を共にOFF状態とした「後輪二駆状態C」
で旋回中に、圃場表面の状態が軟弱地等により後車輪3
が対地スリップして機体を押す力が弱くなると、前車輪
4のオーバーラン率が所定の数値「B」に達しなくな
る。その場合「フルターンフラグ」がONされ、次に第
二ソレノイド60がONされ、増速クラッチ8側の第二
油室57に圧油が流入していくこととなる。
【0034】第二ソレノイド60がONされても、前車
輪4を後車輪3の略二倍で廻す増速クラッチ8が実際に
作動するまで通常0.4〜0.5秒のタイムラグがあ
り、実際に前車輪4,4のオーバーラン率が所定の数値
「B」を超えるまでは「前輪増速四駆状態D」は行なわ
れない。タイムラグが経過すると、増速クラッチ8の伝
動系路により前車輪4は後車輪3の略二倍で強制的に駆
動されるから、必ず前車輪4のオーバーラン率は所定の
数値「B」を超える。
【0035】ここでこの発明の要部の、「判別手段I」
について説明する。「判別手段I」は、「前輪増速四駆
状態D」で走行中の短時間後に増速クラッチ8をOFF
とし、このOFFである「後輪二駆状態C」で旋回中の
前車輪4を転輪状態とし、この前車輪4の回転変動(機
体の推進速度の変化)を前述のとおり「検出機構E」に
より前軸回転センサー10と後軸回転センサー9とで地
表面状態を検出し、この「検出機構E」の作動の回数を
「判別手段I」で判別し「後輪二駆状態C」で走行する
のが良いか「前輪増速四駆状態D」に制御を固定して走
行するのが良いかの制御順序を制御部であるCPU13
で切り換える。
【0036】この「判別手段I」の働きを、図7「フル
ターン制御」のフローチャート図の右半部で作動説明を
している。最初に、「前輪増速四駆状態D」にするため
の増速クラッチ8の第二ソレノイド60への通電が一定
時間保たれたかどうかの確認としてのウェイト処理が処
理中かどうかの判断を行ない、先ず最初は、ウェイト処
理中を行なっていないのでNOとなり、次に直結クラッ
チ7と増速クラッチ8を共にOFF状態としたときの
「後輪二駆状態C」での走行と第二ソレノイド60をO
Nして増速クラッチ8を作動させる「前輪増速四駆状態
D」での走行である「2WDとフルターン」の切り替わ
りの変動の回数である一往復のカウント数が、所定の定
数「N」(仮に3回とする。)を超えたかどうかの判断
を行ない、「2WDとフルターン」の変動回数のカウン
トの合計が4回を超えていない場合は、略1秒間の「T
秒ウェイト処理」を開始する。
【0037】「T秒ウェイト処理」は、T秒の間第二ソ
レノイド60をONし「前輪増速四駆状態D」が保たれ
たと判断されると、「2WDとフルターン」の変動回数
のカウントを目印の為一回だけ加算し、フルターンフラ
グをクリアし「後輪二駆状態C」での走行を継続する。
このカウントの合計数が3回以下までは、その走行圃場
表面は滑りにくいと「判別手段I」で判別され、その都
度「フルターンフラグ」をクリアして制御部であるCP
U13により「後輪二駆状態C」に制御されて旋回走行
する。
【0038】「2WDとフルターン」の変動回数のカウ
ントが4回以上になると、その走行圃場表面は滑りやす
いと「判別手段I」で判別され、制御部であるCPU1
3により「前輪増速四駆状態D」に固定して制御され、
その旋回が完了するまで「前輪増速四駆状態D」で旋回
する。言葉を替えると、農用トラクター14が一度圃場
端で旋回するのに必要な時間は、時速3Km程度で約6
〜8秒を必要とし、この6〜8秒の間を複数回に区切り
この複数回の区切り間に「2WDとフルターン」の変動
回数のカウントが「N」(3回)を超えたかどうかを
「検出機構E」や「判別手段I」で検出判別して「前輪
増速四駆状態D」での旋回継続の必要性の可否を判断し
制御を変更する。
【0039】言葉を替えると、「検出機構E」や「判別
手段I」で旋回中の地表面状態を検出判別し、制御部で
あるCPU13で制御の内容を変更する。即ち、後車輪
3がスリップ状態でオーバーラン率が所定の数値「B」
を超えない、泥濘地等の走行で後車輪3,3が地面に駆
動力をうまく伝達していない時には、「フルターン制
御」のなかの「前輪増速四駆状態D」を行なって、前車
輪4,4と後車輪3,3で機体を強制的に牽引する制御
を行ない、さらにこの「前輪増速四駆状態D」の制御を
実施中にもT秒とタイムラグを合わせた1.5秒に一回
程度「前輪増速四駆状態D」の必要性を再確認し、「後
輪二駆状態C」でオーバーラン率が所定の数値「B」を
超えたら直ちに「前輪増速四駆状態D」での旋回指令を
中止して「後輪二駆状態C」で旋回を行なうものであ
る。
【0040】
【発明の作用効果】この発明は、以上述べた構成によ
り、次のような技術的効果を奏する。即ち、所定以上の
前車輪4の操舵角による旋回を行なっている制御中に、
「前輪増速四駆状態D」としての制御指令が合っても
「判別手段I」により走行圃場面の状態を判別して「前
輪増速四駆状態D」の必要性の可否を確認しながら旋回
するから、地面状態に即応し制御部13により制御内容
を切り換えて選んで実行できるから、旋回性能を最適に
保持しての旋回を図る途中の旋回継続中にも「判別手段
I」により地表の状態を判別して制御内容を素早く変更
実施できるから、走行圃場表面の地面状態の変化に対応
した細かな制御で走行して地面の傷みを最小にできると
共に、最大の走行時の対地駆動伝達性能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
図は、この発明の実施例を示す。
【図1】要部の説明線図である。
【図2】要部の側面断面図である。
【図3】全体側面図である。
【図4】全体を展開した伝動平面線図である。
【図5】自動制御全体のフローチャート図である。
【図6】サブルーチンである、旋回制御Fのフローチャ
ート図である。
【図7】サブルーチンである、フルターン制御のフロー
チャート図である。
【図8】サブルーチンである、小舵角旋回制御のフロー
チャート図である。
【図9】サブルーチンである、スリップ制御のフローチ
ャート図である。
【図10】サブルーチンである、直進制御Gのフローチ
ャート図である。
【図11】サブルーチンである、ブレーキ制御のフロー
チャート図である。
【符号の説明】
3 後車輪 4 前車輪 9 後軸回転センサー 10 前軸回転センサー 13 制御部 C 後輪二駆状態 D 前輪増速四駆状態 I 判別手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前車輪4の操舵角が所定角度以上になる
    と前車輪4の回転周速度を後車輪3の回転周速度よりも
    速くする「前輪増速四駆状態D」を有する移動車輌にお
    いて、前車輪4および後車輪3の回転数を検出する前後
    軸回転センサー10,9を設け、「前輪増速四駆状態
    D」の制御指令を所定短時間後に「後輪二駆状態C」に
    変更して、後車輪3と前車輪4の回転比を判別する「判
    別手段I」を設け、この「判別手段I」の判別結果に基
    づいて「後輪二駆状態C」と「前輪増速四駆状態D」と
    に切り換える制御部13を設けたことを特徴とする移動
    車輌の前車輪回転駆動制御装置。
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