JPH08282112A - 記録材料 - Google Patents

記録材料

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JPH08282112A
JPH08282112A JP7113825A JP11382595A JPH08282112A JP H08282112 A JPH08282112 A JP H08282112A JP 7113825 A JP7113825 A JP 7113825A JP 11382595 A JP11382595 A JP 11382595A JP H08282112 A JPH08282112 A JP H08282112A
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智正 宇佐美
Toshiaki Aono
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カーリングが防止された記録材料、特に、保存
性及び混色が防止された多色記録に好適な記録材料を提
供すること。 【構成】支持体の一方の面に、熱記録又は熱現象し得る
少なくとも1層の記録層、及び、必要に応じて下塗り層
並びに中間層を有すると共に、他の面にバックコート層
を有する記録材料であって、少なくとも前記バックコー
ト層に、無機質の層状化合物を含有することを特徴とす
る記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料又は熱現像
記録材料に関し、特に、耐カーリング性、保存性及び混
色防止性に優れた記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上に感熱発色層を設けた感熱記録
材料は、それを用いた記録方法が、(1)現像が不要で
ある、(2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、
(3)取扱が容易である、(4)発色濃度が高い、
(5)記録装置が簡単で安価である、(6)記録時の騒
音が無い等の利点があるためファクシミリやプリンター
の分野、POS等のラベルの分野、多色記録が必要とさ
れる分野等の記録材料として広く使用されている。
【0003】また、熱現像し得る感光層を設けた熱現像
型記録材料も、従来のタイプのものと比べ現像液が不要
であるというメリットがあることから種々の分野で使用
されている。これらの記録材料は、いずれも、支持体上
に、実質的に無色の発色成分と、該発色成分と反応して
発色する実質的に無色の顕色成分を結着剤中に微粒子状
態で分散させたり、発色成分の一方をマイクロカプセル
に内包させると共に、必要に応じて顕色剤を乳化分散し
た塗布液を塗布・乾燥した感熱発色層を設けた記録材料
である。
【0004】このような記録材料には、通常、感熱発色
層を保護するための保護層、支持体からの剥離を防止す
るための下塗り層、或いはカーリングを防止するために
支持体の裏面にバック層が設けられる。ところで、これ
らの記録材料は、湿度変化に伴い、或いは、熱記録によ
って表裏層の伸びのバランスが崩れ、カーリングを生じ
るという欠点があり、この欠点は、特に、発色色相の異
なる感熱記録層を重層して設ける多色感熱記録材料にお
いて顕著であった。
【0005】また、多色感熱記録材料においては、混色
を防止するために、各感熱層間に水溶性バインダー等か
らなる中間層が設けられる。しかしながら、このような
中間層は、物質に対するバリアー性が不十分であるの
で、混色を十分に防止するためには厚くする必要があ
り、また、バリアー性を高めるために顔料等を添加する
と、中間層の透明性が不十分となるという欠点があっ
た。また、感熱記録材料には種々の添加剤が用いられる
が、その中には、保存中に酸化されて性能が劣化するも
のがあるという問題点がある上、形成された(色)画像
が、酸素の関与する反応により退色するという欠点があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、
上記の欠点を解決するために、層の伸縮度及び中間層の
物質及びガスバリアー性について鋭意検討した結果、ア
スペクト比の大きい特定の顔料をいずれかの層に含有さ
せた場合には、記録材料のカーリングを防止することが
できること、及び、多色感熱記録材料において、中間層
及び/又は下塗り層に含有させた場合には、薄い膜厚
で、その透明性を悪化させることなくバリアー性を高め
ることができ、これによって混色及び退色を防止するこ
とができるということを見出し、本発明に到達した。
【0007】従って、本発明の第1の目的は、カーリン
グが防止された熱記録材料又は熱現像記録材料を提供す
ることにある。本発明の第2の目的は、混色が防止され
た多色記録に好適な熱記録材料又は熱現像記録材料を提
供することにある。本発明の第3の目的は、生保存性及
び画像形成後の保存性に優れた、熱記録材料又は熱現像
記録材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、支持体上に、熱記録又は熱現像しうる少なくとも1
層の記録層、及び、必要に応じて下塗り層並びに中間層
を有する記録材料であって、前記記録層、下塗り層及び
中間層から選択される少なくとも一層に、無機質の層状
化合物を含有することを特徴とする記録材料によって達
成された。
【0009】本発明において、熱記録し得る記録層を有
する記録材料とは感熱記録材料であり、熱現像し得る記
録層を有する記録材料とは感光材料を意味する。本発明
の記録材料は、常温において互いに隔離されている無色
又は淡色の発色成分A(発色剤)と、該発色成分Aと反
応して発色する無色又は淡色の発色成分B(顕色剤)と
を、加熱することにより互いに接触させて発色させるこ
とにより画像を記録したり、感光性を有する場合には、
熱現像するものである。このような実質的に無色の発色
成分の組合わせとしては、下記(ア)〜(ス)の組合せ
を挙げることができる。尚、前者が発色剤で後者が顕色
剤である。
【0010】(ア)光分解性ジアゾ化合物とカプラーの
組合せ (イ)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合
せ (ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩とプ
ロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の
還元剤との組合せ (エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第第二鉄等の
長鎖脂肪族塩と没食子酸、サリチル酸アンモニウム等の
フェノール類の組合せ
【0011】(オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸
等の有機酸とニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、
銀等の重金属との有機酸重金属塩と硫化カルシウム、硫
化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ土類金属
硫化物との組合せ、又は上記有機酸重金属塩とs−ジフ
ェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレ
ート剤との組合せ
【0012】(カ)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナ
トリウム等の(重)金属硫化物とNa−テトラチオネー
ト、チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合
せ (キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と3,4
ジヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒド
ロキシ化合物との組合せ (ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機金属塩とポリ
ヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の有
機ポリヒドロキシ化合物との組合せ
【0013】(ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第
二鉄等の脂肪族第二鉄塩とチオセシルカルバミドやイソ
チオセシルカルバミド誘導体との組合せ (コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の
有機酸鉛塩とエチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素
等のチオ尿素誘導体との組合せ (サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂
肪酸重金属塩とジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛との
組合せ (シ)オキサジン染料を形成する、レゾルシンとニトロ
ソ化合物の組合せ及びその他の組合せ (ス)ホルマザン化合物と還元剤及び/又は金属塩との
組合せ
【0014】これらの組合せの中でも、本発明において
は、(ア)光分解性ジアゾ化合物とカプラーの組合せ及
び(イ)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組
合せを使用することが好ましい。前者の組合せを使用し
た場合には、感熱記録材料として使用することも、熱現
像感光材料として使用することもできる。
【0015】次に、本発明における記録材料の代表的な
例として、発色成分として、電子供与性染料前駆体(発
色剤)と電子受容性化合物(顕色剤)の組合せ、及びジ
アゾ化合物(発色剤)とカプラー(顕色剤)の組合せを
用いた感熱記録材料の場合について説明するが、その他
の例として、有機金属塩と還元剤との組合せを用いた場
合についても簡単に説明する。
【0016】本発明で使用する電子供与性染料前駆体は
実質的に無色のものであれば特に限定されるものではな
く、エレクトロンを供与して、或いは酸等のプロトンを
受容して発色する性質を有するものであって、ラクト
ン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、ア
ミド等の部分骨格を有し、顕色剤と接触してこれらの部
分骨格が開環若しくは開裂する、略無色の化合物が用い
られる。
【0017】このような電子供与性染料前駆体として
は、トリフェニルメタンフタリド系化合物、インドリル
フタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジ
ン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラ
クタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリア
ゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化
合物等を挙げることができる。
【0018】フタリド系化合物の具体例は、米国再発行
特許第23,024号、米国特許第3,491,111
号、同第3,491,112号、同第3,491,11
6号及び同第3,509,174号等に、フルオラン系
化合物は、米国特許第3,624,107号、同第3,
627,787号、同第3,641,011号、同第
3,462,828号、同第3,681,390号、同
第3,920,510号、同第3,959,571号等
に、スピロピラン系化合物は米国特許第3,971,8
08号、フルオレン系の化合物は特開昭63−9487
8号公報等に、その他ピリジン系及びピラジン系化合物
は米国特許第3,775,424号、同第3,853,
869号、同第4,246,318号等に各記載されて
いる。
【0019】これらの化合物の中でも、黒発色のものと
しては、2−アリールアミノ−3─H、ハロゲン、アル
キル又はアルコキシ−6−置換アミノフルオランが挙げ
られる。具体的には、2−アニリノ−3−メチル−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラ
ン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
ジオクチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロ
ロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−
N−ドデシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
トキシ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−クロ
ロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン;
【0020】2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6
−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−
o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブ
チルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチ
ル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミ
ノフルオラン;
【0021】2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチ
ル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソア
ミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N
−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシ
プロピルアミノフルオラン等が挙げられる。
【0022】その他の発色色相のものの具体例として
は、例えば、トリアリールメタン系化合物として、3,
3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチ
ルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ
フェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(1,3ジメチルインドール−3−イル)フ
タリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2−メチルインドール−3−イル)フタリド等;ジフ
ェニルメタン系化合物として、4,4' −ビス−ジメチ
ルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフ
ェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロ
ロフェニルロイコオーラミン等;
【0023】キサンテン系化合物として、ローダミン−
B−アニリノラクタム、ローダミン−(p−ニトリノ)
ラクタム等; チアジン系化合物としては、ベンゾイル
ロイコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチ
レンブルー等;スピロ系化合物としては3−メチル−ス
ピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフト
ピラン3,3' −ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、
3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナ
フト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−
プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等を挙げることがで
きる。これらの発色剤は2種以上併用しても良い。
【0024】これらの電子供与性染料前駆体に対する電
子受容性化合物としては、フェノール性化合物、有機酸
若しくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性
物質が用いられる。フェノール性化合物としては、例え
ば2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シ−3’,5’ジクロロフェニル)プロパン;
【0025】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−2−メチル−ペンタン;
【0026】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−ヒド
ロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス(p−
ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−−ヒドロ
キシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェノー
ル類;p−フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフ
ェノール、クミルフェノール、4-ヒドロキシ−4’−イ
ソプロポキシ−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ
−4’−フェノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノ
ール類が挙げられる。
【0027】有機酸若しくはその金属塩及びオキシ安息
香酸エステルの具体例としては、3,5−ジ(α−メチ
ルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(ter−ブチ
ル)サリチル酸、3−α,α−ジメチルベンジルサリチ
ル酸、4−(β−p−メトキシフェノキシエトキシ)サ
リチル酸、5−オクタデシルサリチル酸、5−α−(p
−α−メチルベンジルフェニル)エチルサリチル酸、3
−α−メチルベンジル−5−ter−オクチルサリチル
酸、5−テトラデシルサリチル酸、4−ヘキシルオキシ
サリチル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル酸、4
−デシルオキシサリチル酸、4−ドデシルオキシサリチ
ル酸、4−ペンタデシルオキシサリチル酸、4−オクタ
デシルオキシサリチル酸等のサリチル酸誘導体、及びこ
れらの亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛等の多
価金属塩(これらの中でも特に、亜鉛及びアルミニウム
の金属塩が好ましい);
【0028】p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシルエス
テル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキキシエチル)
エステル等のオキシ安息香酸エステル類等を挙げること
ができる。特に、フェノール性化合物を使用した場合
が、地肌カブリを抑制する効果が著しい。また、発色性
を向上させる場合にはビスフェノール類を使用すること
が好ましい。尚、その他の具体例は特開昭61−291
183号公報等に記載されている。これらの化合物は2
種以上併用してもよい。
【0029】本発明で使用することのできるジアゾ化合
物は、実質的に無色で、後述するカップリング成分と呼
ばれる顕色剤と反応して所望の色相に発色するものであ
って、反応前に特定の波長の光を受けると分解し、もは
やカップリング成分が作用しても発色能力を持たなくな
る光分解性ジアゾ化合物である。この発色系における色
相は、ジアゾ化合物とカップリング成分が反応して生成
したアゾ色素により主に決定される。従って、良く知ら
れているように、ジアゾ化合物の化学構造を変えるか、
カップリング成分の化学構造を変えれば容易に発色色相
を変えることができ、組み合わせ次第で略任意の発色色
相を得ることができる。
【0030】本発明における光分解性のジアゾ化合物と
は主に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には、芳
香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジア
ゾアミノ化合物等の化合物を指す。これらのジアゾ化合
物の詳細は、例えば特開平2−136286号に記載さ
れている。本発明に用いられるジアゾ化合物(ジアゾニ
ウム塩)とカップリングして色素を形成するカップリン
グ成分は、例えば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸ア
ニリドの他、レゾルシンを初めとし特開昭62−146
678号に記載されているものを挙げることができる。
これらのカップリング成分を2種以上併用することによ
って任意の色調の画像を得ることができる。
【0031】これらのジアゾ化合物とカップリング成分
とのカップリング反応は塩基性雰囲気下で起こり易い
為、層内に塩基性物質を添加することが好ましい。塩基
性物質としては、水に不溶又は難溶性の塩基性物質や加
熱によってアルカリを発生する物質が用いられる。この
ような塩基性物質としては、例えば、無機又は有機アン
モニウム塩類、有機アミン類、アミド類、尿素やチオ尿
素及びその誘導体等の尿素類、チアゾール類、ピロール
類、ピリジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インド
ール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾー
ル類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フ
ォリムアジン類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げら
れる。これらの化合物の具体例は特開昭61−2911
83号に記載されている。塩基性物質は2種以上併用し
てもよい。
【0032】発色剤としてジアゾ化合物を使用する場合
には、発色助剤を用いることも可能である。本発明で用
いることのできる発色助剤とは、加熱印字時の発色濃度
を高くする、若しくは最低発色温度を低くする物質であ
り、カップリング成分もしくはジアゾ化合物等の融解点
を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下させる作用によ
り、ジアゾ化合物とカップリング成分が反応し易い状況
を作るためのものである。
【0033】次に、発色成分として、有機金属塩と還元
剤との組合せを用いた場合について説明する。本発明で
使用することができる有機金属塩は、実質的に無色又は
淡色で、加熱することにより還元剤と接触して発色する
ものであれば特に限定されるものではない。
【0034】このような有機金属塩としては、ラウリン
酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸
銀、アラキン酸銀、ベヘン酸銀等の長鎖脂肪族カルボン
酸銀塩、ベンゾトリアゾールの銀塩、ベンズイミダゾー
ルの銀塩、カルバゾールの銀塩、フタラジノン銀塩等の
イミノ基を有する有機化合物の銀塩、s−アルキルチオ
グリコレート等の硫黄含有化合物の銀塩、安息香酸銀、
フタル酸銀等の芳香族カルボン酸の銀塩、エタンスルホ
ン酸銀等のスルホン酸の銀塩、o−トルエンスルフィン
酸銀等のスルフィン酸の銀塩、フェニルリン酸銀等のリ
ン酸の銀塩、バルビツール酸銀、サッカリン酸銀、サリ
チルアルドキシムの銀塩、及びこれらの化合物の混合物
等が挙げられる。これらの中でも、長鎖脂肪族カルボン
酸銀塩が好ましく、特にべヘン酸銀が好ましい。尚、ベ
ヘン酸銀はベヘン酸と併用してもよい。
【0035】有機金属塩に対する好ましい還元剤として
は、モノ、ビス、トリス又はテトラキスフェノール類、
モノ又はビスナフトール類、ジ又はポリヒドロキシナフ
タレン類、ジ又はポリヒドロキシベンゼン類、ヒドロキ
シモノエーテル類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリド
ン類、ピラゾリン類、ピラゾロン類、還元性糖類、フェ
ニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、レダクトン
類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキ
シム類、N−ヒドロキシ尿素類等の他特開昭53−10
20号公報に記載されているものが挙げられる。これら
の中でも、ポリフェノール類、スルホンアミドフェノー
ル類及びナフトール類等の芳香族有機還元剤が特に好ま
しい。
【0036】このような有機金属塩及び還元剤は、感熱
記録層の透明性及び生保存性を良好とする観点から、5
0%体積平均粒子径が1.0μm、好ましくは0.6μ
m以下の微粒子とし、それぞれをアセトン等の適当な溶
剤に溶解したポリビニルブチラール等のバインダー中に
混合・分散した分散物の形で使用することが好ましい。
この場合の感熱記録層中のバインダーの量は、固形分重
量で30〜60重量%であることが好ましい。
【0037】感熱記録材料を用いて多色記録する場合に
は、支持体上に異なる発色色相の感熱記録層が多層に積
層された多色感熱記録材料を使用する。このような多色
感熱記録材料に多色記録を行う場合には、異なる熱エネ
ルギーによる加熱により、各々異なる色相に発色する前
記電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組み合わ
せ及びジアゾ化合物とカップリング成分の組み合わせを
使用することが好ましい。
【0038】この場合、各記録層の発色を独立に行い、
記録する多色画像を良好とするために、少なくとも上層
の感熱記録層は光定着し得るジアゾ系感熱記録層とする
ことが好ましい。また、多色感熱記録材料には、混色を
防止して鮮明な多色画像を得るために、通常、感熱記録
層間に中間層が設けられる。
【0039】本発明における熱現像し得る記録層を有す
る記録材料は熱現像型光記録材料である。熱現像型光記
録材料は、一般に、マイクロカプセルに内包されている
感光性ジアゾ化合物と反応して発色するカップリング成
分を含有する記録層に、画像様に露光を行った後、記録
材料全体を加熱して未露光部のジアゾ化合物とカップリ
ング成分を反応させて画像を記録するものである。感光
性ジアゾ化合物及びカップリング成分については、前述
した感熱記録材料の場合のものと同様のものを使用する
ことができる。
【0040】本発明においては、記録材料の耐カーリン
グ性、保存性、又は混色防止性を良好とする観点から、
記録層、下塗り層、及び、中間層等の中から選択された
少なくとも一つの独立した層に無機質の層状化合物を含
有させる。また、多色感熱記録材料とした場合の混色防
止するためには、特に前記中間層に無機質の層状化合物
を含有させることが好ましい。
【0041】本発明で使用する無機質の層状化合物とし
ては、一般式A(B,C)2-3 4 10 (OH,F,
O)2 〔但し、AはK,Na,Caの何れか、B及びC
は、FeII,FeIII ,Mn,Al,Mg,Vの何れか
であり、DはSi又はAlである〕で表される雲母群、
一般式3MgO・4SiO2 ・H2 Oで表されるタル
ク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘ
クトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
【0042】上記雲母群において、天然雲母としては白
雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母及び鱗雲母が挙げら
れる。又、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg
3 (AlSi3 10 )F2 、カリ四ケイ素雲母KMg
2.5 (Si4 10 )F2 等の非膨潤性雲母、及びNa
テトラシリシックマイカNaMg2.5 (Si4 10
2 、Na又はLiテニオライト(Na,Li)Mg2
Li(Si4 10 )F2、モンモリオナイト系のNa
又はLiヘクトライト(Na,Li)1/3 Mg2/3Li
1/3 (Si4 10 )F2 等の膨潤性雲母が挙げられ
る。更に合成スメクタイトも有用である。本発明におい
ては、上記無機層状化合物の中でも、合成層状化合物で
ある、フッ素系の膨潤性雲母が特に有用である。
【0043】本発明で使用する無機質の層状化合物のア
スペクト比は20以上であり、好ましくは100以上特
に好ましくは200以上である。尚、アスペクト比は粒
子の長径に対する厚さの比である。アスペクト比が大き
い程、得られる効果が大きい。本発明で使用する無機質
の層状化合物の粒子径は、その平均長径が0.3〜20
μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1
〜5μmである。又、該粒子の平均の厚さは0.1μm
以下、好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは
0.01μm以下である。
【0044】このようにアスペクト比が大きい無機質の
層状化合物の粒子を熱記録材料又は熱現像記録材料に含
有させると、これらの粒子を含有した層の弾性率及び強
度が増加するのみならず、熱膨張係数や成形収縮率等
が、二次元方向において等方向性となる上小さくなるた
め、記録材料のカーリングが防止されるものと推定され
る。
【0045】無機質の層状化合物は何れの層に含有させ
ても良いが、その使用量は、該化合物を含有する層に用
いるバインダーの量に対し、重量比で1/100〜55
/100であることが好ましい。1/100未満である
と効果がなく、55/100を超えると、層のひび割れ
や粉落等が発生する。各種の無機質層状化合物を使用し
た場合でも、合計の量が上記の重量比であることが好ま
しい。
【0046】また、多色感熱記録材料において、無機質
の層状化合物を含有させた中間層は、層の透明性を悪化
させることなく発色物質に対するバリアー性能が良好で
あるので、水溶性高分子等のバインダーのみからなる中
間層の厚さの5〜45%で同等のバリアー性能を有す
る。
【0047】無機質の層状化合物は、水溶性ポリマーを
バインダーとする系で特にその効果が大きく、また特に
膨潤性合成雲母が有用である。これは、(1)水溶性バ
インダーは、水分の吸収と脱着により伸縮し、カールを
容易に生ずる因子となっているが、該無機化合物を併用
することによりカールを大巾に改良することができる、
(2)特に膨潤性合成雲母は、水分によって膨潤し、剪
断力をかけることにより容易に劈開し、アスペクト比が
200以上の層状微粒子として安定に分散できるからで
ある。
【0048】本発明における感熱記録材料において、感
熱記録層を透明とするため、及び、常温で発色剤と顕色
剤の接触を防止するといった感熱記録層の生保存性の観
点(カブリ防止)、並びに希望の熱エネルギーで発色さ
せるという発色感度の制御の観点等から、電子供与性染
料前駆体又は光分解性ジアゾ化合物をマイクロカプセル
に内包させて用いることが好ましい。
【0049】このようなマイクロカプセルは、前記熱現
像型光記録材料に用いた場合のものと同様のものであ
る。マイクロカプセルの製造には、界面重合法、内部重
合法、外部重合法の何れの方法をも採用することができ
るが、特に、発色剤を含有した芯物質を、水溶性高分子
を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲に高
分子物質の壁を形成させるという界面重合法を採用する
ことが好ましい。高分子物質を形成するリアクタント
は、油滴の内部及び/又は油滴の外部に添加される。
【0050】高分子物質の具体例としては、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹
脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、
スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。好ま
しい高分子物質はポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネートであり、特に好ま
しくはポリウレタン及びポリウレアである。高分子物質
は2種以上併用することもできる。
【0051】前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。マイクロカプセル複合壁の製造方法の詳
細については、例えば特開昭58─66948号公報に
記載されている。発色剤をマイクロカプセル化する場合
には、発色剤を有機溶剤に溶解させて使用することが好
ましい。
【0052】このような有機溶剤としては、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、四塩化炭素、クロロホルム、メタノー
ル、エタノール、n−ブタノール、ジオキサン、アセト
ン、ベンゼン等の低沸点溶剤、燐酸エステル、フタル酸
エステル等のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アル
キル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パ
ラフィン、アルキルナフタレン、ジアリールエタン等の
高沸点溶媒が挙げられる。このような有機溶剤について
は、特開平4−19778号公報に詳細に記載さてい
る。
【0053】また、マイクロカプセル壁には、必要に応
じて金属含有染料、ニグロシン等の電荷調節剤その他の
添加剤を加えることもできる。これらの添加剤は壁形成
前又は形成時等任意の時点で添加することができる。ま
た、マイクロカプセル壁表面の帯電を調整するために、
ビニルモノマー等を添加してモノマーをグラフト重合さ
せても良い。
【0054】発色剤を内包させるマイクロカプセルに
は、更に、加熱時にマイクロカプセル壁を膨潤させるた
めの固体増感剤を添加することもできる。固体増感剤
は、マイクロカプセル壁として用いるポリマーの可塑剤
と言われるものの中から、融点が50℃以上、好ましく
は120℃以下で常温では固体であるものを選択して用
いることができる。例えば、壁材がポリウレア、ポリウ
レタンから成る場合には、ヒドロキシ化合物、カルバミ
ン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機ス
ルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールア
ミド化合物等が好適に用いられる。
【0055】本発明の記録材料おいては、記録層を透明
にするために、顕色剤を水に難溶性又は不溶性の有機溶
剤に溶解せしめた後、これを、水溶性高分子を保護コロ
イドとして含有すると共に、必要に応じて界面活性剤を
含有する水相と混合し、乳化分散した分散物の形で使用
することが好ましい。
【0056】この場合に使用される有機溶剤は、エステ
ル類等の高沸点オイルの中から適宜選択することもでき
るが、熱感度を高める上からは、沸点が150℃以下
の、水に難溶又は不溶の有機溶剤を使用することが好ま
しい。このような有機溶剤としては、例えば酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロラ
イド等を挙げることができる。
【0057】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子
は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性
高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビニ
ルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好まし
い。また、水相に含有せしめる界面活性剤は、アニオン
性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コロ
イドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選択
して使用することができる。好ましい界面活性剤として
は、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸
ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、
ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができる。
【0058】本発明における乳化分散物は、上記成分を
含有した油相と保護コロイド、及び、必要に応じて更に
界面活性剤を含有する水相を、高速撹拌、超音波分散
等、通常の微粒子乳化に用いられる手段を使用して混合
分散せしめることにより、容易に得ることができる。ま
た、油相の水相に対する比(油相重量/水相重量)は、
0.02〜0.6であることが好ましく、特に0.1〜
0.4であることが好ましい。0.02以下では水相が
多すぎて希薄となり十分な発色性が得られず、0.6以
上では逆に液の粘度が高くなり、取り扱いの不便さや塗
液安定性の低下をもたらす。
【0059】以上の成分を攪拌・混合して調製した記録
層用塗液を支持体上に塗布するに際しては、公知の水系
又は有機溶剤系の塗液を用いる塗布手段が用いられる。
この場合、記録層液を安全かつ均一に塗布すると共に、
塗膜の強度を保持するために、メチルセルロース、ゼラ
チン、ポリビニルアルコール等の公知のバインダーを使
用することができる。
【0060】また、記録層には、必要に応じて、更に、
顔料、金属石鹸、ワックス、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、界面活性剤、消泡剤、導電剤、蛍光塗料等を添加し
ても良い。無機質の層状化合物以外の顔料としては、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、リトポン、カオリン、シ
リカ、非晶質シリカ、水酸化アルミニウムなどが用いら
れる。
【0061】金属石鹸としては、高級脂肪酸金属塩が用
いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウムなどが用いられる。ワックス
としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、カルナバワックス、メチロールステアロアミ
ド、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、脂
肪酸アミド系ワックスなどが、単独あるいは混合して用
いられる。
【0062】界面活性剤としては、スルホコハク酸系の
アルカリ金属塩、及びフッ素含有界面活性剤が用いられ
る。これらの素材を用いた本発明における記録層用塗布
液(記録層液という)は、必要に応じて、ミキサー、デ
ィゾルバー、アトライター、サンドミル等の攪拌、混
合、分散装置によって充分混合分散された後、支持体に
塗布される。記録層の塗布量は特に限定されるものでは
無いが、通常、固形分重量で1〜25g/m2 、好まし
くは2〜8g/m2 の範囲であり、その厚さは1〜25
μmであることが好ましい。
【0063】本発明の記録材料においては、支持体とし
てプラスチックフィルムを使用した場合には、記録層が
剥がれることを防止するために、記録層やバック層を塗
布する前に、支持体上に下塗層を設けることが好まし
い。下塗層の素材としては、アクリル酸エステル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリエステル等
を用いることができる。下塗層の膜厚は0.05〜0.
5μmであることが好ましい。
【0064】下塗層は、記録層がその上に塗布された時
に、記録層中に含まれる水により膨潤して記録層の画質
を悪化させることがあるので、硬膜剤を用いて硬化させ
ることが望ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタル
アルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサ
ン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141
279号公報に記載されるているものを挙げることがで
きる。これらの硬膜剤の添加量は、下塗層の重量に対し
て、0.20重量%から3.0重量%となる範囲で、塗
布方法や希望の硬化度に合わせて適切な添加量を選ぶこ
とができる。
【0065】本発明においては、記録層をスティッキン
グや溶剤等から保護するために、記録層上に顔料を含有
する保護層を設けることが好ましい。保護層に顔料とし
て無機質の層状化合物を使用するとこともできるが、他
の顔料を併用しても良い。このような顔料としては、炭
酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、カオリン、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿素ホル
マリン樹脂粉末等が挙げられるが、これらの中でも特に
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、シリ
カが好ましい。
【0066】本発明に用いる無機質の層状化合物は、最
外層に用いると表面の光沢が失われる場合があるので、
無機質の層状化合物を含有する層の上に、有機バインダ
ーよりなる保護層を更に設けることが好ましい。本発明
における保護層は、顔料を保持すると共に透明性を良好
とする観点から、バインダーとして完全鹸化ポリビニル
アルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シ
リ化変性ポリビニルアルコール等を含有するものである
ことが好ましい。
【0067】本発明における保護層用塗布液(保護層液
という)は、上記バインダーの溶液に顔料を混合して得
られるが、目的に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワ
ックス等の滑剤及び分散剤、蛍光増白剤、架橋剤、紫外
線吸収剤、スルフォこはく酸系のアルカリ金属塩及びフ
ッ素含有界面活性剤等の界面活性剤等の各種助剤を更に
添加してもよい。
【0068】保護層液は、必要に応じて、ミキサー、デ
ィゾルバー、アトライター、サンドミル等の攪拌、混
合、分散装置によって充分混合分散された後に、記録層
上に塗布される。保護層液を記録層上に塗布するに際し
ては、前記感熱記録層液の場合と同様の塗布手段が用い
られる。
【0069】保護層の塗布量は、固形分重量で0.2〜
7g/m2 であることが好ましく、特に1.0〜4.0
g/m2 であることが好ましい。0.2g/m2 未満で
は耐ステッキングの悪化が生ずる。また、2.5g/m
2 を越すと、記録感度が低下する。保護層中のバインダ
ーに対する顔料の重量比は、バインダー100重量部に
対して、顔料を100重量部〜10重量部とすることが
好ましい。100重量部以上とすると、保護層の透明性
が損なわれ、10重量部以下とすると耐スティッキング
性が悪くなる。
【0070】中間層は、高温多湿下の生保存性及び製造
適性を向上させる観点から、バインダーとしては、少な
くとも、ゼラチン及び/又はゼラチン誘導体、並びにポ
リエチレングリコール及び/又はポリエチレングリコー
ル誘導体からなるものであることが好ましい。該中間層
に無機質の層状化合物を含有させることによって層間の
物質移動を抑制・防止することができる。又、酸素の供
給を抑制することによって、生保存性及び色像保存性を
著しく向上させることができる。
【0071】本発明で使用する支持体は透明であっても
不透明であっても良い。透明な支持体としては、例えば
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィ
ルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム
等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、
ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフ
ィルム等の合成高分子フィルムが挙げられ、これらを単
独或いは貼り合わせて用いることができるが、特にポリ
エステルフィルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したも
のが好ましい。
【0072】支持体の厚みとしては25〜250μmの
ものが用いられ、特に50〜200μmのものが好まし
い。合成高分子フィルムは着色されているものであって
もよい。着色されたフィルムは、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹
脂に青色染料を混練して成形されたフィルムに、耐熱、
延伸や帯電防止処理等を施したものを使用することが好
ましい。
【0073】本発明における感熱記録材料を用いて記録
した画像をシャカーステンを用いて観察するような場合
には、透過光により画像が見ずらくなることを防止する
観点から、色度座標(JIS Z8701)上の、A
(x=0.2805,y=0.3005)、B(x=
0.2820,y=0.2970)、C(x=0.28
85,y=0.3015)及びD(x=0.2870,
y=0.3040)の4点で形成される四角形の領域内
にある、青く着色された合成高分子フィルムを使用する
ことが好ましい。
【0074】不透明な支持体としては紙、合成紙、紙に
高分子フイルムをラミネートしたもの、アルミ蒸着ベー
ス、高分子フィルムに白色顔料をコートしたもの、ポリ
エステルに空気を含有させたもの(白色PETベース)
等を挙げることができる。支持体に用いられる紙として
はアルキルケテンダイマー等の中性サイズ剤によりサイ
ジングされた、熱抽出pHが6〜9の中性紙(例えば、
特開昭55−14281号)を用いると経時保存性の点
で有利である。
【0075】本発明の記録材料には、カールバランスを
補正するために、記録層と反対側の支持体表面に保護層
と類似したバック層を設けることが好ましい。この場
合、無機質の層状化合物をバック層に含有させることが
好ましい。透明感熱記録材料とする場合には、上記バッ
ク層を、光反射防止層とすることもできる。
【0076】光反射防止層に含有される微粒子として
は、デンプン微粒子、セルロースファイバー、ポリスチ
レン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホル
マリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチ
ル(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニル
との共重合体樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂等の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、酸化亜鉛等の無機微粒子等を挙げることが
できる。これらの微粒子は2種以上併用しても良い。光
反射防止層は、前記保護層に用いたバインダーに上記微
粒子を混合した塗布液を前記感熱層液の場合と同様にし
て支持体上に塗布・乾燥することによって設けられる。
【0077】次に、本発明の記録材料として多色感熱記
録材料を使用した場合の、良好な多色画像を得るための
方法を説明する。本発明においては、例えば、シアン発
色性電子供与性染料前駆体を内包したマイクロカプセル
(ロイコカプセルという)と顕色剤等を含有したロイコ
系シアン発色層、及びマゼンタ性発色ジアゾ化合物を内
包したマイクロカプセル(マゼンタ発色カプセルとい
う)とカプラー及びイエロー発色性ジアゾ化合物を内包
したマイクロカプセル(イエロー発色カプセルという)
とカプラー等をそれぞれ含有する、実質的に透明なジア
ゾ系マゼンタ発色層及びイエロー発色層を順次設けた多
色感熱記録材料に対して、以下のようにして熱記録を行
う。
【0078】先ず、低熱エネルギーでイエロー発色層を
発色させた後、イエロー発色ジアゾ化合物のみを分解す
る波長の光を照射して光定着し、更に、相対的に前回よ
り高い熱エネルギーで内側にあるマゼンタ発色層を発色
させて熱記録した後マゼンタ発色ジアゾ化合物を分解す
る波長の光を照射して光定着する。次いで、前回よりも
更に大きな熱エネルギーを与えて下層のシアン発色層を
発色させて熱記録する。
【0079】上記の場合においては、少なくともマゼン
タ発色層及びイエロー発色層が実質的に透明であるの
で、シアン、マゼンタ、イエロー、シアン+マゼンタ
(ブルー)、マゼンタ+イエロー(レッド)、シアン+
イエロー(グリーン)、シアン+マゼンタ+イエロー
(ブラック)の計7色がが色分離良く実現される。特
に、中間層に雲母及び/又はタルクを含有させた場合に
は、中間層の透明性を悪化させることなく記録画像の混
色が防止されると共に、耐カーリング性も改善される。
【0080】更に、本発明の記録材料として熱現像型光
記録材料を使用して画像を記録する場合には、原稿に対
応した画像様露光を行って露光部のジアゾ化合物を分解
した後、記録材料全体をヒートローラー等の加熱手段を
用いて未露光部のジアゾ化合物とカップリング成分を反
応させて画像の記録を行う。画像部のジアゾ化合物が残
るように露光した後熱現像しても良いことは当然であ
る。
【0081】
【発明の効果】本発明の記録材料は、記録層及び/又
は、他の独立したいずれかの層に、無機質の層状化合物
を含有させているので、耐カーリング性に優れている。
本発明の、中間層に無機質の層状化合物を含有させた多
色感熱記録材料を使用した場合には、混色のない良好な
多色画像が得られる上、記録後の記録材料はカールが少
ない
【0082】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものでは無
い。又、特に断らない限り、以下に記載する部及び%
は、それぞれ重量部及び重量%を表す。
【0083】実施例1.以下に、イエロー、マゼンタ及
びシアンの3色を独立に熱記録し、フルカラーの画像を
再現することのできる本発明における感熱記録材料の作
製例を示す。
【0084】(1)シアン感熱記録層用塗布液の調製 (電子供与性染料前駆体を含有するカプセル液の調製) 1.A液の調製 3−(o−メチル−p−ジメチルアミノフェニル)−3
−(1’−エチル−2’−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド(電子供与性染料前駆体)3部を酢酸エチ
ル20部に溶解させた後、これにアルキルナフタレン
(高沸点溶媒)20部を添加し、加熱して均一に混合し
た。得られた溶液に、キシリレンジイソシアナート/ト
リメチロールプロパンの1対3の付加物(タケネートD
─110N:武田薬品工業株式会社製の商品名)20部
を添加して均一に攪拌し、A液を調製した。
【0085】2.B液の調製 フタル化ゼラチン6%の水溶液54部中に、ドデシルス
ルホン酸ナトリウム2重量%の水溶液2部を添加してB
液を調製した。B液にA液を加え、ホモジナイザーを用
いて乳化分散し、乳化分散液を得た。得られた乳化分散
液に水68部を加え、混合して均一にした後、該混合液
を攪拌しながら50℃に加熱し、マイクロカプセルの平
均粒子径が1.6μmとなるようにカプセル化反応を3
時間行わせてカプセル液を得た。
【0086】(電子受容性化合物乳化分散液の調製)下
記化1で表される化合物(顕色剤)9部、トリクレジル
ホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1部
を酢酸エチル10部中に溶解させた。得られた溶液を、
フタル化ゼラチン15%の水溶液45部及びドデシルス
ルホン酸ナトリウム10%の水溶液5部を混合した溶液
に投入し、ホモジナイザーを使用して10分間乳化し、
乳化分散液を得た。
【0087】
【化1】 (塗布液の調製)電子供与性染料前駆体を含有するカプ
セル液と電子受容性化合物乳化分散液とを、重量比で1
対4となるように混合して塗布液を得た。
【0088】(2)マゼンタ感熱記録層用塗布液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)4−N−
(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブ
チリル)ピペラジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオ
ロフォスフェート(ジアゾ化合物:365nmの波長の
光で分解)2.0部を、酢酸エチル20部に溶解した後
更にアルキルナフタレン20部を添加し、加熱して均一
に混合した。得られた溶液にタケネートD−110N
(カプセル壁剤)15部を添加し、均一に混合してジア
ゾ化合物の溶液を得た。
【0089】得られたジアゾ化合物の溶液を、ポリビニ
ルアルコール(重合度1700でケンカ度88%のも
の)6%の水溶液54部と、ドデシルスルホン酸ナトリ
ウム2%の水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジ
ナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分散液
に水68部を加えて均一に混合し、攪拌しながら40℃
に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.1μmとなるよ
うに3時間カプセル化反応を行わせてカプセル液を得
た。
【0090】(カプラー乳化分散液の調製)下記化2で
表されるカプラー2部、1,2,3−トリフェニルグア
ニジン2部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマ
レイン酸ジエチル0.1部を、酢酸エチル10部中に溶
解した。得られた溶液を、ゼラチン6重量%の水溶液5
0gとドデシルスルホン酸ナトリウム2%の水溶液2g
を混合した水溶液中に投入した後、ホモジナイザーを用
いて10分間乳化し、乳化分散液を得た。
【化2】 (塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有するカプセル液と
カプラー乳化分散液を重量比で2/3となるように混合
して、塗布液を得た。
【0091】(3)イエロー感熱記録層用塗布液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)2,5−
ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキ
サフルオロフォスフェート(ジアゾ化合物:420nm
の波長の光で分解)3.0部を酢酸エチル20部に溶解
した後、これに高沸点溶媒としてアルキルナフタレン2
0部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液
に、カプセル壁剤としてタケネートD−110Nを15
部添加し、均一に混合してジアゾ化合物の溶液を得た。
【0092】得られたジアゾ化合物の溶液を、フタル化
ゼラチン6%の水溶液54部とドデシルスルホン酸ナト
リウム水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジナイ
ザーを用いて乳化分散した。得られた乳化分散液に水6
8部を加えて均一に混合した溶液を、更に攪拌しながら
40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.3μmと
なるように3時間カプセル化反応を行わせてカプセル液
を得た。
【0093】(カプラー乳化分散液の調製)2−クロロ
−5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェ
ノキシプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部、
1,2,3−トリフェニルグアニジン1部、トリクレジ
ルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1
部を酢酸エチル10部中に溶解し、ゼラチン6%の水溶
液50gとドデシルスルホン酸ナトリウム2%の水溶液
2gを混合した水溶液中に投入した後、ホモジナイザー
を用いて10分間乳化し、乳化分散液を得た。 (塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有するカプセル液と
カプラー乳化分散液とを、重量比で2対3となるように
混合して、塗布液を得た。
【0094】(4)中間層用塗布液の調製 ゼラチン(#750:新田ゼラチン株式会社製の商品
名)15%の水溶液10gに、ポリアクリル酸(商品名
ジュリマーAC−10L:日本純薬株式会社製)の15
%の水溶液3gを加えて均一に混合し、中間層液を得
た。
【0095】(5)保護層用塗布液の調製 イタコン酸変性ポリビニルアルコール(KL−318:
クラレ株式会社製の商品名)6%の水溶液100gと、
エポキシ変性ポリアミド(FL−71:東邦化学株式会
社製の商品名)30%の分散液10gとを混合した液
に、ステアリン酸亜鉛40%の分散液(ハイドリンZ:
中京油脂株式会社製の商品名)15gを添加して保護層
液を得た。
【0096】(6)雲母分散液の調製 ドデシル硫酸ソーダ2gを加えた水188gに合成雲母
(スズライト40H:エムアールアイ(MRI)社製の
商品名)12gを添加し、ホモジナイザーを用いて1
0,000rpmで30分間分散し、更に5.6%ゼラ
チン水溶液200gを加えて雲母分散液を得た。 (7)バック層用塗布液の調製 調製済の雲母分散液55gをゼラチン9%水溶液50g
に添加・混合してバック層用塗布液を得た。
【0097】(8)下塗層を設けた支持体の調製 厚さ175μmの、空気を含有した白色ポリエテレンテ
レフタレートの両面にSBRラテックスを固形分重量で
0.3g/m2 となるように塗布した後、下記の下塗層
用塗布液を片面当たりの固形分重量が0.1g/m2
なるように両面に塗布して下塗層を設けた支持体を得
た。
【0098】(9)下塗層用塗布液の調製 ゼラチン5%水溶液(#810:新田ゼラチン株式会社
製の商品名)200g、粒子径2μmのポリメチルメタ
クリレート樹脂粒子を5%分散したゼラチン分散物0.
5g、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン3%水溶液
1.0g、スルホこはく酸ジ(2─エチル)ヘキシル2
%水溶液10gを混合して下塗り層塗布液を得た。
【0099】(10)感熱記録材料の作製 既に調製した、下塗り層を設けた透明支持体の一方の面
に固形分重量で8g/m2 となるようにバック層用塗布
液を塗布・乾燥した。次いで、他方の面に、スライドタ
イプホッパー式ビード塗布装置を使用して、スライド上
で、支持体側から順にシアン感熱記録層用塗布液、中間
層用塗布液、マゼンタ感熱記録層用塗布液、中間層用塗
布液、イエロー感熱記録層用塗布液及び保護層用塗布液
となるように多層重層塗布し、乾燥して多色感熱記録材
料を得た。塗布量は、乾燥後の固形分換算で、シアン感
熱記録層が6.1g/m2 、マゼンタ感熱記録層が7.
8g/m2 、中間層が3.0g/m2 、イエロー感熱記
録層が7.2g/m2 、及び保護層が2.0g/m2
なるように各塗布液を塗布した。
【0100】(11)熱記録 得られた記録材料を用い、下記のようにして記録した。
サーマルヘッドKST型(京セラ株式会社製の商品名)
を用いて、単位面積当たりの記録熱エネルギーが34m
J/mm2 となるように印加電圧及びパルス幅を調節し
て、得られた記録材料にイエローの画像を記録した。次
いで、発光中心波長420nm及び出力40Wの紫外線
ランプ下に10秒間曝して、イエロー感熱記録層を光定
着した後、サーマルヘッドの記録熱エネルギーを68m
J/mm2 となるように印加電圧及びパルス幅を調節
し、更にマゼンタの画像を記録した。
【0101】次に、発光中心波長が365nmで出力4
0Wの紫外線ランプ下に30秒間曝し、マゼンタ感熱記
録層を光定着した後シアン画像を記録した。シアン画像
形成に必要なサーマルヘッドの記録熱エネルギーは、7
5mJ/mm2 であった。この結果、イエロー、マゼン
タ及びシアンの各発色画像の他に、イエローとマゼンタ
の記録が重複した画像部分は赤色に、マゼンタとシアン
の記録が重複した画像部分は青色に、イエローとシアン
の記録が重複した部分は緑色に、そしてイエロー、マゼ
ンタ及びシアンの記録が重複した画像部分は黒色に発色
した。得られた記録画像は、極めて良好な多色画像であ
った。記録した記録材料はカールもなく極めて良好であ
った。
【0102】実施例2.実施例1の雲母分散液で使用し
た雲母12gを2gに変えた他は実施例1と全く同様に
して感熱記録材料を作製し、実施例1と全く同様にして
画像を記録し、曲率半径を測定してカーリングの評価を
行ったところ、実施例1の場合より曲率半径は小さく、
カール度も高かった。
【0103】実施例3.実施例1の支持体として使用し
た、空気を含有した白色ポリエテレンテレフタレートに
変えて透明のポリエチレンテレフタレートを使用した他
は、実施例1と全く同様にして感熱記録材料を作製し、
実施例1と全く同様にして画像を記録し、曲率半径を測
定してカーリングの評価を行ったところ、実施例1の場
合と同様であり、カールもなく極めて良好であった。
【0104】実施例4.実施例1の雲母分散液で使用し
た雲母をタルク(ミクロンホワイト#5000(A):
林化成株式会社製の商品名)に代えた他は実施例1と全
く同様にして感熱記録材料を作製し、実施例1と全く同
様にして画像を記録し、曲率半径を測定してカーリング
の評価を行ったところ、実施例1の場合と同様であり、
カールもなく極めて良好であった。
【0105】実施例5.実施例1で使用した雲母分散液
を、バック層用塗布液に使用せずに中間層用塗布液に2
0g添加し、その中間層塗布液をマゼンタ感熱記録層と
イエロー感熱記録層との間の中間層用塗布液として使用
すると共に、乾燥後の固形分を0.7g/m2 とした他
は実施例1と全く同様にして感熱記録材料を作製し、実
施例1と全く同様にして画像を記録し、曲率半径を測定
してカーリングの評価を行ったところ、実施例1の場合
と同様であり、カールもなく極めて良好であった。ま
た、得られた記録画像は、イエローとマゼンタにおける
混色がなく、実施例1の場合と比較して極めて良好であ
った。
【0106】実施例6.以下に、本発明における熱現像
型光記録材料の作製例を示す。マイクロカプセル液の調製 下記化3で表されるジアゾ化合物2部、下記化4で表さ
れる化合物1部及び下記化5で表される化合物1部を、
酢酸エチル5部に添加して溶解した。
【化3】
【化4】
【化5】
【0107】このジアゾ化合物等の溶液に、スミジュー
ルFL−2(住友バイエルウレタン株式会社製の商品
名)を3部及びタケネートD−110Nを3部添加し、
攪拌混合した。このようにして得られたジアゾ化合物、
イソシアネート及び前記化4並びに化5で表される化合
物の酢酸エチル溶液を、ポリビニルアルコール(PVA
217E:クラレ株式会社製の商品名)1部が水10部
に溶解している水溶液に混合し、乳化分散して平均粒径
が1.0μmの乳化液を得た。
【0108】得られた乳化液に水10部を加え、攪拌し
ながら40℃に加温して壁形成物質であるイソシアネー
トを3時間反応させ、平均粒径が1μmで、ジアゾ化合
物並びに前記化4及び化5で表される化合物を芯物質と
して含有するマイクロカプセルを得た。上記のカプセル
化反応は、水流ポンプによる400mmHg〜500m
mHgの減圧下で行った。
【0109】カプラー分散液の調製 2─ヒドロキシ─3─ナフトエ酸アニリド5部及びトリ
フェニルグアニジン5部を、ポリビニルアルコール5重
量%水溶液100部に加え、サンドミルで24時間分散
して平均粒径が2μmの分散液を得た。
【0110】塗布液の調整 以上のようにして得られたジアゾ化合物のカプセル液1
0部に、上記カプラー分散液25部、40重量%炭酸カ
ルシウム(白石工業製のユニバー70:100g当たり
のアマニ油吸油量が60ml)分散液10部、ステアリ
ン酸アミド20重量%分散液5部、3,5−ジ−α−メ
チルベンジルサリチル酸亜鉛40重量%分散液2部、及
び小麦デンプン(籠島澱粉製:平均粒子径が5〜10μ
m)50重量%液0.5部を加えて塗布液とした。
【0111】記録材料の作製 既に調製済の塗布液を、コーティングバーを用いて平滑
な上質紙(76g/m2 )上に、固形分重量で5g/m
2 (ステアリン酸アミドとしては0.4g/m2 、小麦
デンプンとしては0.1g/m2 )となるようにバー塗
布し、50℃で3分間乾燥した。次いで、反対の面に実
施例1で使用したバック層用塗布液を乾燥後の厚さが1
0μmとなるように塗布して本発明における熱現像型記
録材料を得た。尚、ステアリン酸アミドの塗布量は0.
4g/m2 、小麦デンプンの塗布量は0.1g/m2
あった。
【0112】カーリングの評価 得られた記録材料に、画像様に露光した後、画像側の面
に100℃に加熱したヒートブロックを2.5秒間押し
当て現像して画像を記録し、実施例1と全く同様にして
曲率半径を測定し、カーリングの評価を行ったところ、
実施例1の場合と同様であり、カールもなく極めて良好
であった。
【0113】実施例7.実施例5において使用した雲母
分散液の代わりに合成スメクタイト分散液を用いた他
は、実施例5と全く同様にして感熱記録材料を得た。
尚、上記合成スメクタイト分散液は、実施例1の雲母分
散液の調整時に使用した合成雲母(スズライト40H)
12gの代わりに、コープケミカル社製の合成スメクタ
イトSWN2gを用いた他は、全く同様にして調整し
た。得られた感熱記録材料について、実施例5と全く同
様にして画像を記載し、曲率半径を測定してカーリング
の評価を行ったところ、実施例5と同様の結果を得た。
【0114】比較例1.実施例1で使用した雲母分散液
を使用しなかった他は実施例1と全く同様にして感熱記
録材料を作製し、実施例1と全く同様にして画像を記録
し、曲率半径を測定してカーリングの評価を行ったとこ
ろ、実施例1の場合より曲率半径は小さく、カール度が
非常に高かった。
【0115】比較例2.実施例6で使用したバック層用
塗布液に雲母分散液を使用しなかった他は実施例6と全
く同様にして感熱記録材料を作製し、実施例6と全く同
様にして画像を記録し、曲率半径を測定してカーリング
の評価を行ったところ、実施例6の場合より曲率半径は
小さく、カール度が非常に高かった。
【0116】比較例3.実施例1における中間層の塗布
量を0.7g/m2 とした他は、実施例1と全く同様に
して感熱記録材料を作製し、実施例1と同様に評価した
ところ、黄及びマゼンタが相互に低熱エネルギー領域で
混ざり合い、層間の素材の移動に伴う混色が生じている
ことが確認された。以上の結果を表1にまとめた。
【0117】
【表1】 尚、表1中の○印は良好、×は不良であることを各示
す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に、熱記録又は熱現象
    し得る少なくとも1層の記録層、及び、必要に応じて下
    塗り層並びに中間層を有すると共に、他の面にバックコ
    ート層を有する記録材料であって、少なくとも前記バッ
    クコート層に、無機質の層状化合物を含有することを特
    徴とする記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体の一方の面に、熱記録又は熱現像
    し得る少なくとも1層の記録層、及び、必要に応じて下
    塗り層並びに中間層を有すると共に、必要に応じて他の
    面にバックコート層を有する記録材料であって、前記記
    録層、下塗り層及び中間層の中から選択される少なくと
    も一層に、無機質の層状化合物を含有することを特徴と
    する記録材料。
  3. 【請求項3】 無機質の層状化合物を含む層の、該無機
    質の層状化合物/バインダーの重量比が、1/100〜
    55/100である請求項1又は2に記載された記録材
    料。
  4. 【請求項4】 無機質の層状化合物のアスペクト比が2
    0以上である、請求項1〜3の何れかに記載された記録
    材料。
  5. 【請求項5】 無機質の層状化合物のアスペクト比が1
    00以上である、請求項4に記載された記録材料。
  6. 【請求項6】 無機質の層状化合物のアスペクト比が2
    00以上である、請求項5に記載された記録材料。
  7. 【請求項7】 無機質の層状化合物が、膨潤性のフッ素
    系合成雲母であることを特徴とする、請求項1〜6の何
    れかに記載された記録材料。
  8. 【請求項8】 無機質の層状化合物を含む層のバインダ
    ーが水溶性ポリマーである、請求項1〜7の何れかに記
    載された記録材料。
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