JPH082811B2 - 1,6―ヘキサンジオールの精製方法 - Google Patents

1,6―ヘキサンジオールの精製方法

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JPH082811B2 JP33010590A JP33010590A JPH082811B2 JP H082811 B2 JPH082811 B2 JP H082811B2 JP 33010590 A JP33010590 A JP 33010590A JP 33010590 A JP33010590 A JP 33010590A JP H082811 B2 JPH082811 B2 JP H082811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸
化合物をエステル化し得られた『エステル化物の混合
液』を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させ、そ
の水添反応液を蒸留操作して得られた『エステル価(EV
値)の高い粗1,6−ヘキサンジオール』を、アルカリ水
溶液でケン化して、そのケン化液を濃硫酸などの鉱酸で
中和した後、その中和液をストリッパー塔と蒸発塔とで
低沸物及び高沸物を除去し、最後に、蒸留精製すること
によって、『EV値が低く、高い純度の1,6−ヘキサンジ
オール』を高い収率で工業的に製造する方法に係わる。
〔従来技術の説明〕
従来、1,6−ヘキサンジオールを製造する方法として
は、例えば、特公昭53−33567号公報に記載されている
ように、シクロヘキサンを酸化して、アジピン酸、オキ
シカプロン酸などのカルボン酸化合物を生成し、そのカ
ルボン酸化合物を、エタノール、ブタノール、1,6−ヘ
キサンジオールなどのアルコール類でエステル化し、そ
して、その反応物を分離・精製してエステル化物を製造
し、最後に、得られたエステル化物を水添触媒の存在下
に水素で水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させ、
その水添反応物を蒸留精製して1,6−ヘキサンジオール
を得る方法が知られている。
前記の公知の1,6−ヘキサンジオールの製法において
は、エステル化物の水添反応液中に、通常の蒸留精製に
よって蒸留分離が極めて困難であるエステル化物が僅か
に含有されており、エステル価(EV値)がかなり高い1,
6−ヘキサンジオールしか得られないという問題があっ
た。
〔本発明の解決すべき問題点〕
この発明の目的は、前述の1,6−ヘキサンジオールの
製法において、エステル化物の混合液の水添反応物(例
えば、粗1,6−ヘキサンジオール)中の蒸留操作で分離
が困難なエステル化物を容易に除去することができ、そ
の結果、EV値の低い高純度の1,6−ヘキサンジオールを
工業的に製造することができる精製法を提供することで
ある。
〔問題点を解決する手段〕
この発明は、シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸
化合物をアルコール類でエステル化して得られたエステ
ル化物の混合液を水添して1,6−ヘキサンジオールを生
成させ、 前記水添反応液を蒸留操作によって低沸点物および高
沸点物を除去し、エステル価(EV値)が10〜100mgKOH/g
である粗1,6−ヘキサンジオールを得て、 次いで、該粗1,6−ヘキサンジオールをケン化塔でア
ルカリ水溶液でケン化し、そして、そのケン化液中の1,
6−ヘキサンジオール対して約0.01〜0.30モル倍の酸を
前記ケン化液に添加して中和し、 そして、その中和後の溶液をストリッパー塔に供給し
て低沸物を蒸発して除去し、ストリッパー塔の缶液を蒸
発塔へ供給し高沸物を底部から除去しながらエステル価
(EV値)が5mgKOH/g以下である1,6−ヘキサンジオール
を塔頂から蒸発させて得て、 最後に、前記1,6−ヘキサンジオールを精留塔で蒸留
精製することを特徴とする1,6−ヘキサンジオールの精
製方法に関する。
〔本発明の各要件の詳しい説明〕
以下、この発明の精製法について、図面も参考にし
て、詳しく説明する。
第1図は、この発明の1,6−ヘキサンジオールの精製
方法を実施するための精製フローの一例を概略示すフロ
ー図である。
この発明において使用する粗1,6−ヘキサンジオール
は、シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸化合物をア
ルコール類でエステル化して得られたエステル化物の混
合液を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させて、
その水添反応液を精製して製造するのである。
前記のエステル化物の液状混合物は、例えば、特公昭
53−33567号公報に記載されているように、 シクロヘキサンを、触媒の存在下、約100〜200℃の温
度下、および、約2〜20kg/cm2Gの圧力下に分子状酸素
などで酸化することによって、シクロヘキサノン、シク
ロヘキサノールなどと共に副生する種々のカルボン酸類
(カプロン酸、吉草酸、酢酸などの一価のカルボン酸
類、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸などの二価のカ
ルボン酸類、オキシ吉草酸、オキシカプロン酸などのオ
キシ酸類)を含有するカルボン酸化合物(混合物)を、
前記酸化反応液から適当な手段で分離して得て、 次いで、それらのカルボン酸化合物(混合物)を、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ール、アミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプ
タノールなどの炭素数1〜8個の一価の低級アルコール
類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオールなどの炭素数2〜8個の二価のアルコール
類などのアルコール類からなるエステル化剤の過剰存在
下に、無触媒で約150〜300℃の高温下および常圧又は加
圧下でエステル化するか、あるいは、エステル化触媒の
存在下に50〜150℃の温度下および常圧又は加圧下でエ
ステル化して、 最後に、そのエステル化反応の生成物を適当な手段で
分離・精製して得られたアジピン酸エステル、オキシカ
プロン酸エステルなどを主成分とするエステル化物の液
状混合物であればよい。
この発明において、前記エステル化物の液状混合物
は、アジピン酸エステル、オキシカプロン酸エステル
を、約10〜80重量%、特に50〜70重量%程度含有してい
て、酸価(AV値)が約1.0〜50mgKOH/g程度、特に1.0〜2
0mgKOH/gであることが好ましく、必要であれば、前記の
エステル化物が、約30〜70重量%の濃度で適当な有機溶
媒(特に、後述のカルボン酸化合物を抽出するために使
用する有機溶媒など)に溶解している溶液であってもよ
い。
前述のシクロヘキサンの酸化反応液からカルボン酸類
を分離する方法としては、例えば、 シクロヘキサンの酸化反応液を苛性ソーダなどでケン
化して、その水層を分離して、種々のカルボン酸塩を含
有するアルカリ液を得て、 そのアルカリ液を硫酸などでpH3以下になるように中
和して、芒硝およびカルボン酸類を生成させ、 そして、その中和液から分離された水層の芒硝水溶液
から、前述の種々のカルボン酸を、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、カプロン酸メチル
などのエステル類、ブチルアルコール、イソプロピルア
ルコールなどの低級アルコール類などの有機溶媒で抽出
してカルボン酸化合物(混合物)を得ることができる。
前述のエステル化物の液状混合物を水添触媒の存在下
に水添する方法は、公知の方法で行うことができるが、
特に、触媒の存在下、200〜400℃、特に250〜350℃の温
度で、150〜500kg/cm2G、特に200〜350kg/cm2Gの水素分
圧で行うことが好ましい。
前記の水添触媒としては、例えば、鉄、ニッケル、、
コバルト、銅、銅−クロマイトを主成分とする水素添加
触媒を挙げることができ、その形態としては、粉末状、
又は、タブレット状のものであってもよく、その使用量
は、カルボン酸化合物をエステル化して得られたエステ
ル化物の液状混合物に対して数重量%程度で充分であ
る。
この発明においては、前述のようにして得られた前記
水添反応液を、第1図に示すように、第一蒸留塔1およ
び第二蒸留塔2へ供給して、蒸留操作によって、第一蒸
留塔1の塔頂から水添反応の低沸物を除去し、そして、
第二蒸留塔2の塔底から水添反応液の高沸物を除去し、
第二蒸留塔2の塔頂から『エステル価(EV値)が10〜10
0mgKOH/g、好ましくは10〜50mgKOH/gである粗1,6−ヘキ
サンジオール』を取り出し、冷却して、粗1,6−ヘキサ
ンジオールタンク3へ回収して、粗1,6−ヘキサンジオ
ールを製造するのである。
前記の粗1,6−ヘキサンジオールは、1,6−ヘキサンジ
オールを約60重量%以上、特に70〜90重量%程度含有し
ていることが好ましい。
そして、この発明の精製方法においては、例えば、第
1図に示すように、前述のようにして得られた粗1,6−
ヘキサンジオールを前記タンク3からケン化塔4の底部
へ供給すると共に、好ましくは濃度約2〜20重量%、特
に5〜15重量%の苛性ソーダなどのアルカリ水溶液をケ
ン化塔4の下部へ供給して、ケン化塔4の内部で粗1,6
−ヘキサンジオール中の微量のエステル化合物を好まし
くは50〜200℃の温度および1〜15kg/cm2Gの圧力でケン
化して、 そして、そのケン化液を中和塔5へ供給して、そのケ
ン化塔5で、そのケン化液中の1,6−ヘキサンジオール
に対して約0.01〜0.30モル倍の酸、好ましくは0.02〜0.
25モル倍の酸を前記ケン化液に添加してケン化液を中和
し、 その中和後の中和液をストリッパー塔6へ供給して、
その塔頂から中和液中の水などの低沸物を蒸発して除去
し、 そして、ストリッパー塔6の缶液を薄膜蒸発機などの
蒸発塔7へ供給して、中和液中の有機カルボン酸アルカ
リ塩などの高沸物をその底部から除去しながら、『エス
テル価(EV値)が5mgKOH/g以下、好ましくは1mgKOH/g以
下である1,6−ヘキサンジオール』を塔頂から蒸発さ
せ、その蒸発物を冷却して回収し、『1,6−ヘキサンジ
オールを主として含有する蒸発液』を蒸発液タンク8へ
受け入れ、 最後に、前記1,6−ヘキサンジオールを主として含有
する蒸発液を、多段の精留板が内設された精留塔9へ供
給し、その塔頂から中沸物を除去すると共に、その塔底
から高沸物を除去しながら、蒸留精製された1,6−ヘキ
サンジオールを前記精留塔9の中段から回収して、1,6
−ヘキサンジオール製品タンク10へ受け入れるのであ
る。
前記の粗1,6−ヘキサンジオールのケン化工程におい
て、アルカリ水溶液のケン化塔への供給量は、粗1,6−
ヘキサンジオールの供給量に対して0.01〜1重量倍、特
に0.03〜0.5重量倍程度であることが好ましい。
また、前記のケン化塔は、中空状の内部を有する管状
の塔であれば、サイズおよび形状などが特定されなくて
もよいが、特に、中空状の内部に複数(特に2〜10個)
の邪魔板が交互に配置されて設置されている中空状の塔
型ケン化塔、あるいは、撹拌機を内蔵している中空状の
塔型ケン化塔であることが、ケン化液の撹拌状態が好適
となるので好ましい。
ケン化塔での粗1,6−ヘキサンジオールの滞留時間
は、約5〜200分間、特に10〜100分間程度であることが
好ましい。
この発明では、前述のケン化液の中和工程において使
用する酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸などの鉱
酸、および、パラトルエンスルホン酸などの有機スルホ
ン酸類などの酸を挙げることができ、これら酸の水溶液
の形態で中和塔5へ供給することが好ましい。
前記の中和工程において、酸を使用量が、ケン化液中
の1,6−ヘキサンジオールに対して0.2モル倍より多くな
ると、その後、その中和液をストリッピングおよび蒸発
工程で精製して蒸発塔7の塔頂から得られる蒸発液(1,
6−ヘキサンジオールを主として含有する液)のエステ
ル価が再び増大するので適当ではなく、前記の酸の使用
量が余りに少なくなり過ぎると、1,6−ヘキサンジオー
ルの生産量が低下するので適当ではない。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を示し、この発明の製法を
さらに詳しく説明する。
実施例1 〔エステル化物混合液の製造〕 シクロヘキサンの空気酸化によって得られた液相酸化
反応液を苛性ソーダでケン化して得られるアルカリ液を
硫酸で中和し、その際に、中和液の水層の芒硝水溶液の
比重が1.25となるように水バランスをとり、中和液を水
層と油層とに分離した後、該水層の芒硝水溶液中に含ま
れるアジピン酸、オキシカプロン酸などのカルボン酸化
合物を、メチルイソブチルケトン(MIBK)で抽出し、そ
して、前記抽出液からMIBKを蒸発して除去して、カルボ
ン酸化合物の混合物を得た。
前記カルボン酸混合物の水溶液(濃度63.5重量%)
を、1,6−ヘキサンジオールの水溶液で、常圧下、200〜
260℃の温度でエステル化反応させて、『アジピン酸エ
ステルの含有率が34.7重量%であり、そして、オキシカ
プロン酸エステルの含有率が40.5重量%であるエステル
化物混合液』を得た。
〔水添工程〕
前述のようにして得られたエステル化物混合液に銅−
クロマイト系触媒を0.6重量%添加して、水素圧力290kg
/cm2G、温度260〜290℃で水添反応を行って、1,6−ヘキ
サンジオールを生成させ、1,6−ヘキサンジオールが主
として含有されている水添反応液を得た。
前述のようにして得られた水添反応液は、EV値が25.6
mgKOH/gであり、1,6−ヘキサンジオールの濃度が57.7重
量%であり、そして、アミルアルコール4.1重量%、水
0.8重量%、及び、その他の低沸化合物32.8重量%が含
有されていた。
〔粗1,6−ヘキサンジオールの製造〕 第1図に示す製造フローに従って、まず、前述のよう
にして得られた水添反応液を、1083kg/時の供給速度
で、第一蒸留塔1の中段へ供給して、その塔頂から、ヘ
キサノール、アミルアルコール、水などの低沸物を120k
g/時で蒸発して留去し、次いで、その第一蒸留塔1の缶
液を第二蒸留塔2の中段へ供給し、高沸物15kg/時を第
二蒸留塔2の塔底から排出して、第二蒸留塔2の塔頂か
ら粗1,6−ヘキサンジオールを948kg/時の割合で取り出
して、粗1,6−ヘキサンジオールタンク3に受け入れ
た。
前記の粗1,6−ヘキサンジオールは、1,6−ヘキサンジ
オールの濃度が75.0重量%であり、エステル価が12.1mg
KOH/gであり、そして、アミルアルコール0.7重量%及び
その他の成分10.2重量%が含有されていた。
〔ケン化工程、中和工程および精製工程〕
次いで、粗1,6−ヘキサンジオールタンク3から粗1,6
−ヘキサンジオールを460kg/時で、邪魔板多数が交互に
配置されて内設された中空塔型ケン化塔4の底部へ供給
すると共に、10重量%の苛性ソーダ水溶液86kg/時をケ
ン化塔4の下部へ供給して、ケン化塔での滞留時間30分
間、およびケン化温度90℃で、粗1,6−ヘキサンジオー
ルをケン化し、 そして、そのケン化液を中和塔5へ供給して、その中
和塔5で、そのケン化液中の1,6−ヘキサンジオールに
対して約0.1モル倍の濃硫酸を前記ケン化液に添加し
て、ケン化液を、90℃の温度で30分間滞留させて、中和
し、 さらに、その中和液をストリッパー塔6の中段へ供給
して、そのストリッパー塔6の塔頂から水および低沸物
を蒸発して留去すると共に、ストリッパー塔6の缶液
(缶液中の1,6−ヘキサンジオールの含有率:82.5重量
%、缶液のEV値:2mgKOH/g)を抜き出し、さらに、その
缶液を薄膜蒸発塔7の上部へ供給し、カルボン酸アルカ
リ金属塩などを含有する高沸物を薄膜蒸発塔7の底部か
ら除去しながら、EV値が0.5mgKOH/gである1,6−ヘキサ
ンジオールを薄膜蒸発塔7の塔頂から蒸発させて得て、 最後に、前記1,6−ヘキサンジオールを精留塔9で蒸
留精製して、EV値が0.2mgKOH/gである1,6−ヘキサンジ
オールを303kg/時で連続的に製造して、製品として1,6
−ヘキサンジオールタンク10に受け入れた。
この1,6−ヘキサンジオールの濃度は、99重量%であ
った。
比較例1 前述のケン化液を、濃硫酸で中和することをまったく
行わず、ケン化液をストリッパー塔6の中段へ直接に供
給したほかは、実施例1と同様にして、1,6−ヘキサン
ジオール製品を製造した。
前述の製法において、蒸発塔7から得られた蒸発液の
EV値は0.5mgKOH/gであった。
前述のようにして得られた1,6−ヘキサンジオール製
品の量は、287kg/時であり、その1,6−ヘキサンジオー
ルの濃度は、99重量%であり、そして、1,6−ヘキサン
ジオールのエステル価(EV値)は、0.3mgKOH/gであっ
た。
実施例2 濃硫酸の使用量を、ケン化液中の1,6−ヘキサンジオ
ールに対して約0.05モル倍の割合としたほかは、実施例
1と同様にして、1,6−ヘキサンジオールを製造した。
前述の製法において、蒸発塔7から得られた蒸発液の
EV値は0.5mgKOH/gであった。
前述のようにして得られた1,6−ヘキサンジオール製
品の量は、301kg/時であり、その1,6−ヘキサンジオー
ルの濃度は、99重量%であり、そして、1,6−ヘキサン
ジオールのエステル価(EV値)は、0.2mgKOH/gであっ
た。
実施例3 濃硫酸の代わりに、パラトルエンスルホン酸を使用し
たほかは実施例1と同様にして、1,6−ヘキサンジオー
ルを製造した。
前述の製法において、蒸発塔7から得られた蒸発液の
EV値は0.5mgKOH/gであった。
前述のようにして得られた1,6−ヘキサンジオール製
品の量は、299kg/時であり、その1,6−ヘキサンジオー
ルの濃度は、99重量%であり、そして、1,6−ヘキサン
ジオールのエステル価(EV値)は、0.2mgKOH/gであっ
た。
〔本発明の作用効果〕
この発明によれば、シクロヘキサンの酸化によるカル
ボン酸化合物をエステル化し得られた『エステル化物の
混合液』を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成さ
せ、その水添反応液を蒸留操作して得られた『エステル
価(EV値)の高い粗1,6−ヘキサンジオール』を、ケン
化塔でアルカリ水溶液と接触させてケン化して、そのケ
ン化液を酸で中和した後、その中和液をストリッパー塔
と蒸発塔とで低沸物および高沸物を除去し、最後に、蒸
留精製することによって、『EV値が低く、高い純度の1,
6−ヘキサンジオール』を高収率で製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の1,6−ヘキサンジオールの精製法
を実施するための精製フローの一例を概略示すフロー図
である。 1:第1蒸留塔、2:第2蒸留塔、3:粗1,6−ヘキサンジオ
ールタンク、4:ケン化塔、5:中和塔、6:ストリッパー
塔、7:蒸発塔、8:蒸発液タンク、9:精留塔、10:1,6−ヘ
キサンジオール製品タンク。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸化
    合物をアルコール類でエステル化して得られたエステル
    化物の混合液を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成
    させ、 前記水添反応液を蒸留操作によって低沸点物および高沸
    点物を除去し、エステル価(EV値)が10〜100mgKOH/gで
    ある粗1,6−ヘキサンジオールを得て、 次いで、該粗1,6−ヘキサンジオールをケン化塔でアル
    カリ水溶液でケン化し、そして、そのケン化液中の1,6
    −ヘキサンジオール対して約0.01〜0.30モル倍の酸を前
    記ケン化液に添加して中和し、 そして、その中和後の溶液をストリッパー塔に供給して
    低沸物を蒸発して除去し、ストリッパー塔の缶液を蒸発
    塔へ供給し高沸物を底部から除去しながらエステル価
    (EV値)が5mgKOH/g以下である1,6−ヘキサンジオール
    を塔頂から蒸発させて得て、 最後に、前記1,6−ヘキサンジオールを精留塔で蒸留精
    製することを特徴とする1,6−ヘキサンジオールの精製
    方法。
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