JP2007512383A - ヘキサンジオール−1,6の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の対象は、シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスにより酸化させてシクロヘキサノン/シクロヘキサノールを得る際に、反応混合物の水抽出によって得られる、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸及び少量の1,4−シクロヘキサンジオールを含有するカルボン酸混合物から、酸のエステル化及び水素化によってヘキサンジオール−1,6を製造するにあたり、エステル化後及び/又は水素化後に得られるアルコール及び低沸点物からなる混合物から膜系を通じてアルコールを分離し、そしてエステル化に返送する方法である。
Description
本発明は、シクロヘキサンを酸素により酸化させてシクロヘキサノン/シクロヘキサノールを得る際に反応混合物の水抽出によって得られるアジピン酸と6−ヒドロキシカプロン酸を含有するカルボン酸混合物から、酸をC1〜C10−アルコールによりエステル化し、かつ水素化することによってヘキサンジオール−1,6を製造するにあたり、エステル化及び/又は水素化の後に得られるエステル化アルコールと低沸点物とからなる混合物からアルコールを膜系を通して分離し、そしてエステル化に返送する方法に関する。
WO97/31883号から、シクロヘキサンを酸素により酸化させてシクロヘキサノン/シクロヘキサノールを得て、水抽出する際に生ずるカルボン酸の水溶液からヘキサンジオール−1,6を製造するにあたり、
a)水性ジカルボン酸混合物中に含まれるモノカルボン酸及びジカルボン酸と低分子アルコールとを反応させて、相応のカルボン酸エステルを得て、
b)得られたエステル化混合物から第一の蒸留工程において過剰のアルコールと低沸点物を除去し、
c)底部生成物から第二の蒸留工程において実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分と、大部分の1,4−シクロヘキサンジオールを少なくとも含有する留分とに分離を行い、
d)実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分を接触水素化させ、かつ
e)精製蒸留工程において水素化排出物から、自体公知のようにアルコール−低沸点物混合物を分離しながらヘキサンジオール−1,6を得る方法は公知である。
a)水性ジカルボン酸混合物中に含まれるモノカルボン酸及びジカルボン酸と低分子アルコールとを反応させて、相応のカルボン酸エステルを得て、
b)得られたエステル化混合物から第一の蒸留工程において過剰のアルコールと低沸点物を除去し、
c)底部生成物から第二の蒸留工程において実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分と、大部分の1,4−シクロヘキサンジオールを少なくとも含有する留分とに分離を行い、
d)実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分を接触水素化させ、かつ
e)精製蒸留工程において水素化排出物から、自体公知のようにアルコール−低沸点物混合物を分離しながらヘキサンジオール−1,6を得る方法は公知である。
シクロヘキサンを酸化させてシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンを得る(ウールマンの工業化学事典、第5版、1987年、A8巻、第49頁(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5.Ed., 1987, Vol.A8, S.49)を参照)際に副生成物として生ずるカルボン酸の水溶液(以下にジカルボン酸溶液(DCL)と呼ぶ)は、(水を含まず質量%で計算して)、一般に10〜40%のアジピン酸、10〜40%の6−ヒドロキシカプロン酸、1〜10質量%のグルタル酸、1〜10%の5−ヒドロキシ吉草酸、1〜5%の1,2−シクロヘキサンジオール、1〜5%の1,4−シクロヘキサンジオール、2〜10%のギ酸並びに、個々の含量が一般に5%を超過しない多くの更なるモノカルボン酸及びジカルボン酸、エステル、オキソ化合物及びオキサ化合物を含有する。例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、4−ヒドロキシ酪酸及びγ−ブチロラクトンが挙げられる。
WO97/31883号による方法をできる限り経済的に実施するためには、エステル化アルコールROHを回収して、繰り返しエステル化で使用する(つまり少ないアルコール装入回数をもたらす)ことが合理的である。
エステル化アルコールは、該方法の2つの工程で回収され、それぞれ低沸点物との混合物で生ずる。該方法のエステル化の後の工程b)において、一般に約80質量%のエステル化アルコール、10質量%の水及び低沸点エステルとエーテルとからなる残部からなるアルコール−低沸点物混合物が回収される。水素化後に、工程e)において、約80質量%までがエステル化アルコールからなり、かつ5質量%の低沸点エーテル並びに他のアルコールの残部からなるアルコール−低沸点物混合物が得られる。
低沸点エーテル成分は、主に2−メチルテトラヒドロピラン(mTHP)、テトラヒドロピラン(THP)、2−メチルテトラヒドロフラン(mTHF)、2−エチルテトラヒドロフラン(ETHF)、テトラヒドロフラン(THF)及びヘキサメチレンオキシドから構成される。これらの成分をエステル化に返送することは、エステル化アルコール中のエーテル成分の集積をもたらし、これは後続の塔でエネルギー消費の増大に導き、かつ過剰のアルコールを少なくし、従ってエステル化における転化率を悪化させる。
前記のエーテル成分の集積を回避するために、WO9731883号によれば、工程b)及び/又は工程e)からのアルコール−低沸点物混合物の蒸留を塔中で行う。この方法の欠点は、エーテルの分離が不完全であることが判明していることである。従って、特にヘキサンジオールの製造方法の連続実施において、蒸留にも拘わらず、一部の返送されたアルコール(返送アルコール)を排出して、新たなエステル化アルコールと交換する必要がある。返送アルコールの排出される部分は、連続様式では、エステル化に供給される返送アルコールの約2.2質量%である。返送アルコールの排出される部分は、一般に費用をかけて焼却せねばならない。
従って、本発明の課題は、前記の欠点を回避する方法を提供することであった。
前記課題は、本発明によれば、シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスにより酸化させてシクロヘキサノン/シクロヘキサノールを得る際に、反応混合物の水抽出によって得られる、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸及び少量の1,4−シクロヘキサンジオールを含有するカルボン酸混合物から、酸のエステル化及び水素化によってヘキサンジオール−1,6を製造するにあたり、
a)水性ジカルボン酸混合物中に含まれるモノカルボン酸及びジカルボン酸と低分子アルコールとを反応させて、相応のカルボン酸エステルを得て、
b)得られたエステル化混合物から第一の蒸留工程において過剰のアルコール及び低沸点物を除去し、
c)底部生成物から第二の蒸留工程において実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分と、大部分の1,4−シクロヘキサンジオールを少なくとも含有する留分とに分離を行い、
d)実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分を接触水素化させ、かつ
e)精製蒸留工程において水素化排出物から、自体公知のようにアルコール−低沸点物混合物を分離しながらヘキサンジオール−1,6を得る方法において、工程a)のエステル化後及び/又は工程e)の水素化後に得られるアルコール及び低沸点物からなる混合物から膜系によってアルコールを分離し、そしてこれを完全に又は部分的に、有利には完全にエステル化に返送する方法によって解決された。
a)水性ジカルボン酸混合物中に含まれるモノカルボン酸及びジカルボン酸と低分子アルコールとを反応させて、相応のカルボン酸エステルを得て、
b)得られたエステル化混合物から第一の蒸留工程において過剰のアルコール及び低沸点物を除去し、
c)底部生成物から第二の蒸留工程において実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分と、大部分の1,4−シクロヘキサンジオールを少なくとも含有する留分とに分離を行い、
d)実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分を接触水素化させ、かつ
e)精製蒸留工程において水素化排出物から、自体公知のようにアルコール−低沸点物混合物を分離しながらヘキサンジオール−1,6を得る方法において、工程a)のエステル化後及び/又は工程e)の水素化後に得られるアルコール及び低沸点物からなる混合物から膜系によってアルコールを分離し、そしてこれを完全に又は部分的に、有利には完全にエステル化に返送する方法によって解決された。
本発明による膜系を用いたアルコール−低沸点物混合物の分離は、エーテルのより効率的な分離によって、エステル化アルコールの返送に際したエーテル留分の集積の回避を可能にする。アルコールの分離のための返送アルコール排出は、一般に、WO97/31883号で知られる蒸留法による約2.2質量%から0.6質量%にまで低減させることができる。本発明による方法は、エステル化アルコールと焼却コストの節約によって明らかにより経済的であり、これは特に大工業的設備のために極めて有利である。
本発明による方法は、本発明による膜系を用いたアルコール−低沸点物混合物の分離を除いて、WO97/31883号の全ての詳細において記載されているので、この参照により明確に開示されたものとする。前記文献にある全ての記載は、本願でも何等制限なくして通用するべきである。
前記文献に記載される方法を、その変法A(図1)と変法B(図2)をもって本願でもう一度詳説する(その際、頂部を介してという表現あるいは底部物としてという表現は、それぞれ供給部の上方あるいは下方で抜き出すことを意味する):
変法A
図1に表されるように、ジカルボン酸溶液(DCL)を、場合により脱水後に、C1〜C3−アルコール、有利にはメタノールと一緒に、カルボン酸のエステル化がなされるエステル化反応器R1中に供給する。得られたエステル化混合物を次に塔K1に通じ、そこで頂部を介して過剰のアルコール(ROH)、水及び低沸点物(LS)を留去し、そしてエステル混合物(EG)を底部物として抜き出し、これを分留塔K2に供給する。この塔で該混合物を、実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分(EF)と、高沸点物(HS)及び1,4−シクロヘキサンジオール(1,4−CHDO)からなる底部留分とに分留する。該エステル留分(EF)を次いで水素化反応器R2中で接触水素化させ、その水素化混合物を蒸留塔K3においてアルコール(ROH)、低沸点物(LS)及び純粋な1,6−ヘキサンジオールに分離する。
変法A
図1に表されるように、ジカルボン酸溶液(DCL)を、場合により脱水後に、C1〜C3−アルコール、有利にはメタノールと一緒に、カルボン酸のエステル化がなされるエステル化反応器R1中に供給する。得られたエステル化混合物を次に塔K1に通じ、そこで頂部を介して過剰のアルコール(ROH)、水及び低沸点物(LS)を留去し、そしてエステル混合物(EG)を底部物として抜き出し、これを分留塔K2に供給する。この塔で該混合物を、実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分(EF)と、高沸点物(HS)及び1,4−シクロヘキサンジオール(1,4−CHDO)からなる底部留分とに分留する。該エステル留分(EF)を次いで水素化反応器R2中で接触水素化させ、その水素化混合物を蒸留塔K3においてアルコール(ROH)、低沸点物(LS)及び純粋な1,6−ヘキサンジオールに分離する。
変法B
エステル化のために、4個以上の炭素原子を有するアルコール、特にn−ブタノール又はi−ブタノールを使用する場合には、図2による方法は、分留塔K2においてエステル混合物(EG)を、1,4−シクロヘキサンジオール(1,4−CHDO)を含有する低沸点物(NS)の頂部生成物と、実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分(EF)とに分離するにあたり、前記エステル留分を側留として又はエステル留分を含有する底部物として得て、そして水素化工程(R2)に供給することに限って異なっている。
エステル化のために、4個以上の炭素原子を有するアルコール、特にn−ブタノール又はi−ブタノールを使用する場合には、図2による方法は、分留塔K2においてエステル混合物(EG)を、1,4−シクロヘキサンジオール(1,4−CHDO)を含有する低沸点物(NS)の頂部生成物と、実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分(EF)とに分離するにあたり、前記エステル留分を側留として又はエステル留分を含有する底部物として得て、そして水素化工程(R2)に供給することに限って異なっている。
以下に該方法を更に詳細に説明する。加えて、図3によれば、個々の工程段階は、更なる工程に分類されており、その際、工程2、2a、3、4、5、6、7は該方法には必須であり、かつ工程3と4並びに工程6と7はまとめることもできる。工程8、9、10及び11は選択的であるが、該方法の経済性を向上させるためには場合により意義がある。
ジカルボン酸溶液(DCL)は、一般に含水率20〜80%を有する水溶液である。エステル化反応が平衡反応であるので、特に例えばメタノールでのエステル化に際して存在する水を反応前に除去することは、とりわけエステル化反応の間に水を除去できない場合に、例えば共沸的に除去できない場合に大抵は意義がある。工程1における脱水は、例えば膜系をもって実施でき、又は有利には蒸留装置によって実施でき、その場合には、10〜250℃、有利には20〜200℃、特に有利には30〜200℃において、かつ1〜1500ミリバール、有利には5〜1100ミリバール、特に有利には20〜1000ミリバールの圧力において、水は頂部を介して分離され、そして高級モノカルボン酸、ジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジオールは底部を介して分離される。この場合に底部温度は、底部生成物を液状で抜き出すことができるように選択することが好ましい。塔底における含水率は、0.01〜10質量%、有利には0.01〜5質量%、特に有利には0.01〜1質量%であってよい。
水の分離は、水がおおむね酸不含で得られるように実施でき、又はDCL中に含まれる低級モノカルボン酸(主にギ酸)を非常に大部分まで水と一緒に留去させることができ、それによって酸はエステル化においてエステル化アルコールと結合しない。
工程1からのカルボン酸流に1〜10個の炭素原子を有するアルコールを、変法Aによれば1〜3個の炭素原子を有するアルコール、特にメタノール、エタノール、プロパノール又はイソプロパノール、好ましくはメタノールを、変法Bによれば4〜10個の、特に4〜8個の炭素原子を有するアルコール、特に有利にはn−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール及びi−ペンタノールを混加する。
アルコールとカルボン酸流との混合比(質量比)は、0.1〜30、有利には0.2〜20、特に有利には0.5〜10であってよい。
前記混合物は溶融物又は溶液として、カルボン酸とアルコールとがエステル化される工程2の反応器に到達する。そのエステル化反応は、50〜400℃、有利には70〜300℃、特に有利には90〜200℃で実施することができる。外圧をかけることができるが、エステル化は反応系の自圧下に行うことが好ましい。この場合にエステル化装置は、撹拌槽または流管であってよく、又はその都度複数を使用することもできる。エステル化のために必要な滞留時間は、0.3〜10時間、有利には0.5〜5時間である。エステル化反応は、触媒を添加せずに行うことができるが、反応速度向上のために触媒を添加することが好ましい。触媒は、均一系の溶解された触媒又は固体触媒であってよい。均一系触媒としては、例えば硫酸、リン酸、塩酸、スルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸、ヘテロポリ酸、例えばタングストリン酸又はルイス酸、例えばアルミニウム化合物、バナジウム化合物、チタン化合物、ホウ素化合物が挙げられる。鉱酸、特に硫酸が好ましい。均一系触媒とカルボン酸溶融物との質量比は、一般に0.0001〜0.5、有利には0.001〜0.3である。
固体触媒としては、酸性又は超酸性の材料、例えば酸性及び超酸性の金属酸化物、例えばSiO2、Al2O3、SnO2、ZrO2又は層状ケイ酸塩又はゼオライト(これら全ては酸性強化のために鉱酸エステル、例えば硫酸エステル又はリン酸エステルでドープされていてよい)又はスルホン酸基もしくはカルボン酸基を有する有機イオン交換体が適している。それらの固体触媒は、固定床として配置することができ、又は懸濁液として使用することができる。
反応時に形成される水は、適切には、連続的に、例えば膜を通じて又は蒸留によって除去される。
カルボン酸溶融物中に存在する遊離のカルボキシル基の反応の完全性は、反応後に測定される酸価(mgKOH/g)で確認される。酸価は、場合により触媒として添加される酸を差し引いて0.01〜50、有利には0.1〜10である。この場合に、系中に存在する全てのカルボキシル基が使用されるアルコールのエステルとして存在するわけではなく、一部は、例えばヒドロキシカプロン酸のOH末端を有するダイマー又はオリゴマーのエステルの形で存在することがある。
エステル化混合物は、工程3において膜系に又は、有利には蒸留塔に供給される。エステル化反応のために溶解された酸を触媒として使用するのであれば、エステル化混合物は、適切には塩基を用いて中和され、その際、触媒の酸当量あたりに1〜1.5の塩基当量を添加する。塩基としては、一般にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩、水酸化物又はアルコレート又はアミンをそのままで又はエステル化アルコール中に溶解させて使用される。
工程3において1つの塔を使用するのであれば、その塔への供給は頂部流と底部流との間で行うことが好ましい。頂部を介して、1〜1500ミリバール、有利には20〜1000ミリバール、特に有利には40〜800ミリバールの圧力で、かつ0〜150℃、有利には15〜90℃、特に25〜75℃の温度で、過剰のエステル化アルコールROH、水並びに、例えばギ酸、酢酸及びプロピオン酸の相応のエステルが抜き出される。この流は焼却してもよいし、又は有利には工程11で更に後処理してもよい。
底部物としては、主として、使用されるアルコールROHとジカルボン酸、例えばアジピン酸及びグルタル酸、ヒドロキシカルボン酸、例えば6−ヒドロキシカプロン酸及び5−ヒドロキシ吉草酸とのエステル並びにオリゴマー及び遊離のあるいはエステル化された1,4−シクロヘキサンジオールからなるエステル混合物が得られる。残分の水及び/又はアルコールROHをエステル混合物中でそれぞれ10質量%まで可能にすることが合理的なことがある。底部温度は、70〜250℃、有利には80〜220℃、特に有利には100〜190℃である。
十分に水及びエステル化アルコールROHを除去した工程3からの流を工程4に供給する。この工程は蒸留塔であり、そこでは供給は一般に低沸点成分と高沸点成分との間で行われる。該塔は、10〜300℃、有利には20〜270℃、特に有利には30〜250℃の温度で、かつ1〜1000ミリバール、有利には5〜500ミリバール、特に有利には10〜200ミリバールの圧力で稼働される。
変法A、つまりC1〜C3−アルコール、特にメタノールでのエステル化に従うと、工程3からの流は、水素化されるべき頂部留分と1,4−シクロヘキサンジオールを含む底部留分とに分離される。
頂部留分は、主に残留水及び残留アルコールROH、アルコールROHとモノカルボン酸、主にC3〜C6−モノカルボン酸とのエステル、ヒドロキシカルボン酸、例えば6−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシ吉草酸とのエステル並びに、とりわけジカルボン酸、例えばアジピン酸、グルタル酸及びコハク酸とのジエステル、それから1,2−シクロヘキサンジオール、カプロラクトン及びバレロラクトンからなる。
挙げられる成分は、一緒になって頂部から分離され、そして水素化(工程5)に供給でき、又は更なる有利な実施態様では、主として残留水及び残留アルコール並びに前記に挙げたC3〜C5−カルボン酸のエステルを含有する頂部流と、主として前記に挙げたC6−カルボン酸及びジカルボン酸のエステルを含有する水素化に至る側流とに分離することができる。
主として、1,4−シクロヘキサンジオール又はそれらのエステル、ダイマー又はオリゴマーのエステル並びに詳細に記載されていない部分的にポリマーのDCLの成分からなる工程4からの流の高沸点成分は、塔の取出部を介して分離される。これらは一緒に生じてもよく、又は塔の側流を介して取出部において、主に1,4−シクロヘキサンジオールを分離して、底部を介して残りを分離することでも得られる。こうして得られた1,4−シクロヘキサンジオールは、例えば有用物質のための出発材料として使用することができる。1,4−シクロジオールの含分を有するか又は有さない高沸点成分は焼却してもよいし、又は有利な一実施態様では、いわゆるエステル交換反応のために工程8に通じることもできる。
変法B、つまりC4〜C10−アルコール、特にn−又はi−ブタノールでのエステル化に従うと、工程3からの流は工程4において、1,4−シクロヘキサンジオールを含む頂部留分と、主としてC6−エステルを含む水素化に至る側流と、高沸点物を含む場合により工程8に至ることがある底部流とに分離することができる。
頂部留分は、主として、残留アルコールROH、アルコールROHのC1〜C3−モノエステル、バレロラクトン及び1,2−及び1,4−シクロヘキサンジオールからなる。
側流は、主としてコハク酸、グルタル酸及びアジピン酸のジエステル並びに5−ヒドロキシ吉草酸及び6−ヒドロキシカプロン酸のモノエステルを含有する。この側流は塔の供給部の上方でも又は下方でも取り出すことができ、そしてこれを水素化(工程5)に供給することもできる。
オリゴマーのエステル及びその他の高沸点物を有する底部流は、変法Aと同様に焼却しても、又は有利には工程8に至ってもよい。
更なる実施態様によれば、工程4において、C6−エステルを底部流と一緒に分離し、次いでそこから、更なる塔において底部生成物として、主として残留アルコールROH、アルコールROHのC1〜C3−モノエステル、バレロラクトン及び1,2−及び1,4−シクロヘキサンジオールからなる既に記載した頂部留分を分離するか、又は頂部流として高沸点物を分離する。
1,4−シクロヘキサンジオールを含まない又は実質的に含まない工程4の留分、全流又は主にC6−酸のエステルを含有する側流を水素化工程5に導く。
工程3及び4は、特に少量のみが処理される場合には、まとめることができる。それに加えて、例えばバッチ式に実施される分別蒸留においてC6−エステル流を得ることができる一方で、1,4−シクロヘキサンジオールは、水素化に送られる流に至らない。
水素化は触媒的に気相又は液相において実施される。触媒としては、原則的に、カルボニル基の水素化に適した全ての均一系及び不均一系の触媒、例えば金属、金属酸化物、金属化合物又はそれらの混合物が該当する。均一系触媒のための例は、例えばホウベン・ベイル著の有機化学の手法、第IV/1c巻、Georg Thieme出版、シュトゥットガルト(1980)第45〜67頁(Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Band IV/1c, Georg Thieme Verlag Stuttgart, 1980, S.45-67)に記載されており、かつ不均一系触媒のための例は、例えばホウベン・ベイル著の有機化学の手法、第IV/1c巻、第16〜26頁(Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Band IV/1c, S.16 bis 26)に記載されている。
元素の周期律表の第I副族及び第VI副族〜第VIII副族からの1種以上の元素、有利には銅、クロム、モリブデン、マンガン、レニウム、ルテニウム、コバルト、ニッケル及びパラジウム、特に有利には銅、コバルト又はレニウムを含有する触媒を使用することが好ましい。
触媒は、単独で活性成分から構成されてもよく、又は活性成分を担体上に施与することもできる。担体材料としては、Cr2O3、Al2O3、SiO2、ZrO2、ZnO2、BaO及びMgO又はそれらの混合物が適している。
特に、EP0552463号に記載されている触媒が好ましい。これらの触媒は、酸化物形において組成
CuaAlbZrcMndOx
を有する触媒であり、その際、a>0、b>0、c≒0、d>0、a>b/2、b>a/4、a>c、a>dであり、かつxは、単位式あたりの電子的中性の保持に必要な酸素イオンの数を示す。これらの触媒の製造は、例えばEP552463号の記載により難溶性化合物を、相応の金属イオンをそれらの塩の形で含有する溶液から沈殿させることによって実施することができる。好適な塩は、例えばハロゲン化物、硫酸塩及び硝酸塩である。沈殿剤としては、熱処理によって酸化物に変換できる不溶性の中間生成物の形成に導く全ての剤が適している。特に適した中間生成物は、水酸化物及び炭酸塩もしくは炭酸水素塩であるので、特に有利な沈殿剤としてはアルカリ金属炭酸塩又は炭酸アンモニウムが使用される。触媒の製造のために重要なことは、中間生成物を500℃〜1000℃の温度で熱処理を行うことである。これらの触媒のBET表面積は10〜150m2/gである。
CuaAlbZrcMndOx
を有する触媒であり、その際、a>0、b>0、c≒0、d>0、a>b/2、b>a/4、a>c、a>dであり、かつxは、単位式あたりの電子的中性の保持に必要な酸素イオンの数を示す。これらの触媒の製造は、例えばEP552463号の記載により難溶性化合物を、相応の金属イオンをそれらの塩の形で含有する溶液から沈殿させることによって実施することができる。好適な塩は、例えばハロゲン化物、硫酸塩及び硝酸塩である。沈殿剤としては、熱処理によって酸化物に変換できる不溶性の中間生成物の形成に導く全ての剤が適している。特に適した中間生成物は、水酸化物及び炭酸塩もしくは炭酸水素塩であるので、特に有利な沈殿剤としてはアルカリ金属炭酸塩又は炭酸アンモニウムが使用される。触媒の製造のために重要なことは、中間生成物を500℃〜1000℃の温度で熱処理を行うことである。これらの触媒のBET表面積は10〜150m2/gである。
固定配置して又は懸濁液として使用される不均一系触媒を使用することが好ましい。水素化を気相中でかつ固定配置された触媒上で実施するのであれば、一般に1〜100バール、有利には15〜70バールの圧力で150〜300℃の温度が使用される。この場合に、適切には少なくとも、出発材料、中間生成物及び生成物が反応の間に流動性となるほど多くの水素化剤としての水素及びキャリヤガスが使用される。過剰の水素は、有利には循環させ、その際、小部分を排ガスとして不活性成分、例えばメタンの除去のために排出させることができる。この場合に、1つの反応器又は複数の反応器を直列に接続することができる。
水素化を固定配置された又は懸濁された触媒を有する液相中で実施するのであれば、水素化は、一般に100〜350℃、有利には120〜300℃の温度で、かつ30〜350バール、有利には40〜300バールの圧力で実施される。
水素化は、1つの反応器中で、又は複数の直列に接続された反応器中で実施することができる。液相中での固定床上での水素化は、トリクル式でも上昇流式でも実施することができる。有利な一実施態様によれば、複数の反応器が使用され、その際、第一の反応器中で大部分のエステルを水素化し、そして第一の反応器は有利には放熱のために液体循環を伴って、かつ1つ以上の後続の反応器は有利には反応を完全なものにするために循環なく稼働される。
水素化は、断続的に、有利には連続的に実施することができる。
水素化排出物は、主に1,6−ヘキサンジオール及びアルコールROHからなる。他の成分は、とりわけ工程4の全低沸点流が変法Aに従って使用された場合には、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール並びに1〜6個の炭素原子を有する少量のモノアルコール及び水である。
この水素化排出物は、例えば膜系又は有利には蒸留塔である工程6において、大部分の更なる低沸点成分を更に含有するアルコールROHと、主として1,6−ヘキサンジオールを1,5−ペンタンジオールの他に含有し、かつ1,2−シクロヘキサンジオールを含有する流とに分離される。この場合に、10〜1500ミリバール、有利には30〜1200ミリバール、特に有利には50〜1000ミリバールの圧力において、0〜120℃、有利には20〜100℃、特に有利には30〜90℃の頂部温度並びに100〜270℃、有利には140〜260℃、特に有利には160〜250℃の底部温度に調整する。低沸点物質流は、直接的に工程2のエステル化に返送することができ、又は該流は工程8又は工程11に至ることができる。
1,6−ヘキサンジオールを含む物質流は、工程7において1つの塔中で精製される。この場合に、1,5−ペンタンジオール、場合により1,2−シクロヘキサンジオール並びに他の事実上存在する低沸点物を頂部を介して分離する。1,2−シクロヘキサンジオール及び/又は1,5−ペンタンジオールを付加的な有用生成物として得ることが望ましい場合には、これらを更なる塔中で分離することができる。底部を介して、事実上存在する高沸点物が排出される。1,6−ヘキサンジオールは、少なくとも99%の純度で塔の側流から取り出される。この場合に、1〜1000ミリバール、有利には5〜800ミリバール、特に有利には20〜500ミリバールの圧力で、50〜200℃、有利には60〜150℃の頂部温度及び130〜270℃、有利には150〜250℃の底部温度に調整する。
少量だけの1,6−ヘキサンジオールを製造することが望ましい場合には、工程6及び7を断続的な分別蒸留にまとめることもできる。
ヘキサンジオール製造をできる限り経済的に行うためには、エステル化アルコールROHを回収し、そしてそれをエステル化のために繰り返し使用することが合理的である。このために、主としてアルコールROH、例えばメタノールを含有する工程3及び/又は6からの流を工程11で後処理することができる。この目的のために、本発明によれば膜系が使用される。膜分離は、自体公知のように逆浸透、パーベーパレーション又は蒸気透過分離として実施することができ、その際、逆浸透が好ましい。前記の膜分離作業の原理並びに一般的な動作条件は、例えばT. Melin, R. Rautenbach, Membranverfahren - Grundlaegn der Modul- und Anlagenauslegung, Springer-Verlag Berlin Heidelberg, 2.Auflage, 2004又はR. Baker, Membrane Technology and Applications, John Wiley & Sons, 2nd Edition, 2004に記載されている。
本発明により好ましい逆浸透では、分離されるべき混合物を40〜300バールの圧力下で膜に沿って流通させる。透過物は膜を通過する。濃縮物中に最大で達成できる濃度は、残留した種の浸透圧によって規定される。使用される膜は、無孔のポリマー製分離層を有する膜である。この場合に、処理媒体中で所定の分離条件下に安定である全ての膜ポリマーが該当する。膜は、平坦形状、枕状、管状、多溝エレメント形状、キャピラリー形状又はコイル形状で構成されてよく、これらのために、濃縮物と透過物との分離を可能にする圧力ケースが使用できる。更に、これらの複数のエレメントを1つのケース中で1つのモジュールにまとめることができる。モジュール中の流過速度は、0.05〜8m/s、特に有利には0.1〜4m/sである。透過物室と濃縮物室との間の膜間の圧力差は、20〜200バールであり、請求された方法においては40〜100バールが好ましい。膜分離装置への供給流、すなわち主としてアルコールROH、例えばメタノールを含有する工程3及び/又は6からの流の温度は、20〜90℃である。
本発明の更なる有利な実施態様によれば、工程4(変法Aによる)からの高沸点流は、使用されるDCLで使用されるアジピン酸と6−ヒドロキシカプロン酸に対して1,6−ヘキサンジオールの全収率を高めるために使用される。このために、工程8においてアジピン酸もしくはヒドロキシカプロン酸のダイマー及びオリゴマーのエステルの成分と更なる量のアルコールとを触媒の存在下に反応させる。アルコールROHと工程4からの底部流との質量比は、0.1〜20、有利には0.5〜10、特に有利には1〜5である。触媒としては、原則的に、工程2のエステル化について記載された触媒が適している。しかしながらルイス酸を使用することが好ましい。このための例は、アルミニウム、スズ、アンチモン、ジルコニウム又はチタンの化合物又は錯体、例えばジルコニウムアセチルアセトネート又はテトラアルキルチタネート、例えばテトライソプロピルチタネートであり、これらは、エステル交換反応混合物に対して、1〜10000ppm、有利には50〜6000ppm、特に有利には100〜4000ppmの濃度で使用される。この場合には特に、チタン化合物が好ましい。
エステル交換反応は、バッチ式又は連続式に、1つの反応器中、又は複数の反応器中で、直列に接続された撹拌槽又は管形反応器中で、100〜300℃、有利には120〜270℃、特に有利には140〜240℃の温度で、かつこの場合に設定される自圧で実施することができる。必要な滞留時間は0.5〜10時間、有利には1〜4時間である。
工程8からの前記流は、メタノールでエステル化する場合には、工程3に再び供給することができる。とりわけ1,4−シクロヘキサンジオールの集積の回避のために、その際にはバッチ式又は連続式に高沸点物の部分流を工程4から排出させねばならない。別の手法は、工程8からの流を工程3に返送せず、それを、工程3と同様に工程9において、後に工程2、8又は11に至ることができる主としてアルコールROHと、エステルを含有する流とに分離することである。
このエステル流は、原則的に(但し、1,4−シクロヘキサンジオールの集積を回避して)工程4に返送するか、又はC6−酸のエステルと、量的にはむしろ些細であるが、一方で工程4に又は直接的に工程5に供給することができるC5−酸のエステルと、他方で1,4−シクロヘキサンジオールを含有する高沸点物とに分離して、その上で高沸点物を排出することができる。
前記のようにして、1,6−ヘキサンジオールの収率を、99%を超える純度で95%を超過して達成できる。
本発明によるアルコール−低沸点物混合物の分離によって、WO97/31883号による方法を経済的に実施できる。それというのも明らかにより高い割合のエステル化アルコールをエステル化に返送できるからである。
本発明の方法を以下の実施例をもとに詳細に説明するが、これは本発明を何等制限するものではない。
実施例(変法A)
工程1(脱水):
0.1kg/hのジカルボン酸溶液(主に、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、1,4−シクロヘキサンジオール、グルタル酸、5−ヒドロキシ吉草酸、ギ酸、水からなり、残留コバルト含量<1ppmを有する)を、連続的に蒸留装置(3段の泡鐘段塔、該塔は外部の油熱循環を有し、油温度は150℃であり、トレイ容量はそれぞれ25mlであり、泡鐘段を介して供給)に充填塔(約4つの理論分離段、頂部での還流無し)が付属した装置中で蒸留した。頂部生成物として、0.045kg/hが得られ、これは水中のギ酸含量約3%であった。底部流(5.5kg)中で、含水率は約0.4%であった。
工程1(脱水):
0.1kg/hのジカルボン酸溶液(主に、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、1,4−シクロヘキサンジオール、グルタル酸、5−ヒドロキシ吉草酸、ギ酸、水からなり、残留コバルト含量<1ppmを有する)を、連続的に蒸留装置(3段の泡鐘段塔、該塔は外部の油熱循環を有し、油温度は150℃であり、トレイ容量はそれぞれ25mlであり、泡鐘段を介して供給)に充填塔(約4つの理論分離段、頂部での還流無し)が付属した装置中で蒸留した。頂部生成物として、0.045kg/hが得られ、これは水中のギ酸含量約3%であった。底部流(5.5kg)中で、含水率は約0.4%であった。
工程2(エステル化):
工程1からの底部流5.5kg/hと、メタノール8.3kg/h及び硫酸14g/hとを連続的に管形反応器(長さ0.7m、径1.8mcm、滞留時間2.7時間)中で反応させた。排出物の酸価は硫酸を差し引いて約10mgKOH/gであった。
工程1からの底部流5.5kg/hと、メタノール8.3kg/h及び硫酸14g/hとを連続的に管形反応器(長さ0.7m、径1.8mcm、滞留時間2.7時間)中で反応させた。排出物の酸価は硫酸を差し引いて約10mgKOH/gであった。
工程3(過剰なアルコールと水の除去):
20cmの充填塔において、工程2からのエステル化流を蒸留した(1015ミリバール、65℃の頂部温度、125℃までの底部温度)。頂部を介して、7.0kgを抜き出した。底部生成物として6.8kgが得られた。
20cmの充填塔において、工程2からのエステル化流を蒸留した(1015ミリバール、65℃の頂部温度、125℃までの底部温度)。頂部を介して、7.0kgを抜き出した。底部生成物として6.8kgが得られた。
工程4(分留:1,4−シクロヘキサンジオール分離):
50cmの充填塔において、工程3からの底部流を分別蒸留した(1ミリバール、70〜90℃の頂部温度、180℃までの底部温度)。底部物(1.9kg)は実質的に全ての1,4−シクロヘキサンジオールを含有した。
50cmの充填塔において、工程3からの底部流を分別蒸留した(1ミリバール、70〜90℃の頂部温度、180℃までの底部温度)。底部物(1.9kg)は実質的に全ての1,4−シクロヘキサンジオールを含有した。
低沸点物として、0.6kgを留去した(1,2−シクロヘキサンジオール、バレロラクトン、5−ヒドロキシ吉草酸メチルエステル、グルタル酸ジメチルエステル、コハク酸ジメチルエステルなど)。主にアジピン酸ジメチルエステル及び6−ヒドロキシカプロン酸メチルエステルを含有する留分として4.3kgが得られた。
エステル留分である頂部流を水素化工程5に導いた。
工程5(水素化):
工程4からのC6−エステル留分4.3kgを、連続的に25mlの反応器中で、事前に水素流中で180℃において活性化された触媒上で水素化させた(触媒、70質量%のCuO、25質量%のZnO、5質量%のAl2O3)。供給量は20g/hであり、圧力は220バールであり、かつ温度は220℃であった。エステル転化率は99.5%であり、1,6−ヘキサンジオール選択性は99%を上回った。
工程4からのC6−エステル留分4.3kgを、連続的に25mlの反応器中で、事前に水素流中で180℃において活性化された触媒上で水素化させた(触媒、70質量%のCuO、25質量%のZnO、5質量%のAl2O3)。供給量は20g/hであり、圧力は220バールであり、かつ温度は220℃であった。エステル転化率は99.5%であり、1,6−ヘキサンジオール選択性は99%を上回った。
選択的にエステル留分を2段階の反応器カスケード(第一の反応器 触媒2.5l、トリクル式、250バール、生成物返送:供給=10:1、220〜230℃;第二の反応器 触媒0.5l、トリクル式で直通、260バール、220℃)中で連続的に水素化させた。触媒として、事前に180℃で活性化されたCuO(60%)、Al2O3(30%)及びMn2O3(10%)からなる触媒を使用した。供給量は1kg/hであった。99.5%の転化率で、ヘキサンジオール選択性は99%を上回った。
工程6及び7(ヘキサンジオール精製):
4.0kgの工程5からの水素化排出物を分別蒸留した(蒸留がまに70cmの充填塔が付属した装置、還流比2)。1013バールにおいて、1kgの十分にメタノール性の低沸点混合物を留去した。真空を印加(20ミリバール)した後に、主として1,2−シクロヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールを留去した。次いで(沸点146℃)、1,6−ヘキサンジオールが99.8%の純度で留去された(残留含量は主として1,5−ペンタンジオールである)。
4.0kgの工程5からの水素化排出物を分別蒸留した(蒸留がまに70cmの充填塔が付属した装置、還流比2)。1013バールにおいて、1kgの十分にメタノール性の低沸点混合物を留去した。真空を印加(20ミリバール)した後に、主として1,2−シクロヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールを留去した。次いで(沸点146℃)、1,6−ヘキサンジオールが99.8%の純度で留去された(残留含量は主として1,5−ペンタンジオールである)。
工程11
1kgの工程6,7からのメタノール−低沸点物混合物と、工程3からの7kg/hとを混合して、80質量%、約4.9質量%のmTHF、約1.5質量%のTHP及び12.1質量%のmTHPの組成とした。この混合物600gを、約70cm2の自由膜表面を有する平坦膜を取り付けることができ、Desal 3SE(GE Osminics社、ミネトンカ、米国)の逆浸透膜を有する撹拌圧力セルにおいて、窒素の注入により得られる80バールの膜間圧で、約3.6の材料濃縮率(使用されるアルコール−低沸点物混合物の質量:濃縮物質量)だけ温度30℃において濃縮した。膜通過後に得られる透過物及び残留する液体(濃縮物)は以下の組成を有する。
1kgの工程6,7からのメタノール−低沸点物混合物と、工程3からの7kg/hとを混合して、80質量%、約4.9質量%のmTHF、約1.5質量%のTHP及び12.1質量%のmTHPの組成とした。この混合物600gを、約70cm2の自由膜表面を有する平坦膜を取り付けることができ、Desal 3SE(GE Osminics社、ミネトンカ、米国)の逆浸透膜を有する撹拌圧力セルにおいて、窒素の注入により得られる80バールの膜間圧で、約3.6の材料濃縮率(使用されるアルコール−低沸点物混合物の質量:濃縮物質量)だけ温度30℃において濃縮した。膜通過後に得られる透過物及び残留する液体(濃縮物)は以下の組成を有する。
第1表:
430gの透過物が得られ、これを工程2に返送した。濃縮物を廃棄した。
Claims (6)
- シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスにより酸化させてシクロヘキサノン/シクロヘキサノールを得る際に副生成物として、反応混合物の水抽出によって得られる、アジピン酸、6−ヒドロキシカプロン酸及び少量の1,4−シクロヘキサンジオールを含有するカルボン酸混合物から、C1〜C10−アルコールによる酸のエステル化及び水素化によってヘキサンジオール−1,6を製造するにあたり、
a)水性ジカルボン酸混合物中に含まれるモノカルボン酸及びジカルボン酸と低分子アルコールとを反応させて、相応のカルボン酸エステルを得て、
b)得られたエステル化混合物から第一の蒸留工程において過剰のアルコール及び低沸点物を除去し、
c)底部生成物から第二の蒸留工程において実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分と、大部分の1,4−シクロヘキサンジオールを少なくとも含有する留分とに分離を行い、
d)実質的に1,4−シクロヘキサンジオールを含まないエステル留分を接触水素化させ、かつ
e)精製蒸留工程において水素化排出物から、自体公知のようにアルコール−低沸点物混合物を分離しながらヘキサンジオール−1,6を得る方法において、工程b)のエステル化後及び/又は工程e)の水素化後に得られるアルコール及び低沸点物からなる混合物から膜系によってアルコールを分離し、そしてこれをエステル化に返送することを特徴とする方法。 - 工程b)及び工程e)で得られる混合物から膜系によってアルコールを分離する、請求項1記載の方法。
- メタノールを分離する、請求項1又は2記載の方法。
- 膜系が少なくとも1つの膜からなる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 膜間の圧力差が20〜200バールである、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 工程b)及び/又は工程e)で得られる、膜分離の供給流としての混合物の温度が20〜90℃である、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
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