JPH082810B2 - 1,6―ヘキサンジオールの回収法 - Google Patents
1,6―ヘキサンジオールの回収法Info
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- JPH082810B2 JPH082810B2 JP33010090A JP33010090A JPH082810B2 JP H082810 B2 JPH082810 B2 JP H082810B2 JP 33010090 A JP33010090 A JP 33010090A JP 33010090 A JP33010090 A JP 33010090A JP H082810 B2 JPH082810 B2 JP H082810B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸
化合物をエステル化し得られた『エステル化物の混合
液』を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させ、そ
の水添反応液を蒸留操作して得られた『粗1,6−ヘキサ
ンジオール』をケン化して、そのケン化液からストリッ
パー塔で低沸物を除去し、そして、ストリッパー塔の缶
液から蒸発塔で高沸物を除去して、1,6−ヘキサンジオ
ールを工業的に製造する方法において、前述の蒸発塔で
得られた高温の高沸物をバッチ蒸留塔へ供給して熱水と
混合しさらに加熱して、減圧下にバッチ蒸留によって、
高沸物中の1,6−ヘキサンジオールを回収する方法に係
わる。
化合物をエステル化し得られた『エステル化物の混合
液』を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させ、そ
の水添反応液を蒸留操作して得られた『粗1,6−ヘキサ
ンジオール』をケン化して、そのケン化液からストリッ
パー塔で低沸物を除去し、そして、ストリッパー塔の缶
液から蒸発塔で高沸物を除去して、1,6−ヘキサンジオ
ールを工業的に製造する方法において、前述の蒸発塔で
得られた高温の高沸物をバッチ蒸留塔へ供給して熱水と
混合しさらに加熱して、減圧下にバッチ蒸留によって、
高沸物中の1,6−ヘキサンジオールを回収する方法に係
わる。
従来、1,6−ヘキサンジオールを製造する方法として
は、例えば、特公昭53−33567号公報に記載されている
ように、シクロヘキサンを酸化して、アジピン酸、オキ
シカプロン酸などのカルボン酸化合物を生成し、そのカ
ルボン酸化合物を、エタノール、ブタノール、1,6−ヘ
キサンジオールなどのアルコール類でエステル化し、そ
して、その反応物を分離・精製してエステル化物の混合
液を製造し、最後に、得られたエステル化物の混合液を
水添触媒の存在下に水素で水添して1,6−ヘキサンジオ
ールを生成させ、その水添反応物を蒸留精製して1,6−
ヘキサンジオールを得る方法が知られている。
は、例えば、特公昭53−33567号公報に記載されている
ように、シクロヘキサンを酸化して、アジピン酸、オキ
シカプロン酸などのカルボン酸化合物を生成し、そのカ
ルボン酸化合物を、エタノール、ブタノール、1,6−ヘ
キサンジオールなどのアルコール類でエステル化し、そ
して、その反応物を分離・精製してエステル化物の混合
液を製造し、最後に、得られたエステル化物の混合液を
水添触媒の存在下に水素で水添して1,6−ヘキサンジオ
ールを生成させ、その水添反応物を蒸留精製して1,6−
ヘキサンジオールを得る方法が知られている。
前記の公知の1,6−ヘキサンジオールの製法において
は、エステル化物の水添反応液中に、通常の蒸留精製に
よって蒸留分離が極めて困難であるエステル化物がわず
かに含有されており、エステル価(EV値)がかなり高い
1,6−ヘキサンジオールしか得られないという問題があ
った。
は、エステル化物の水添反応液中に、通常の蒸留精製に
よって蒸留分離が極めて困難であるエステル化物がわず
かに含有されており、エステル価(EV値)がかなり高い
1,6−ヘキサンジオールしか得られないという問題があ
った。
この発明者らは、前記を問題を解決する手段として、
水添反応液から低沸物および高沸物を除去した後の粗1,
6−ヘキサンジオールを、アルカリ水溶液でケン化する
ことによって、エステル価がかなり低い1,6−ヘキサン
ジオールを得ることができることを見出し、すでに、特
許出願した(特願平1−251978号)。
水添反応液から低沸物および高沸物を除去した後の粗1,
6−ヘキサンジオールを、アルカリ水溶液でケン化する
ことによって、エステル価がかなり低い1,6−ヘキサン
ジオールを得ることができることを見出し、すでに、特
許出願した(特願平1−251978号)。
しかし、前記の出願の方法では、ケン化液からストリ
ッパー塔で低沸物を除去し、さらに、蒸発塔において、
ケン化反応の際に増加した『1,6−ヘキサンジオール縮
合物、オキシカプロン酸ポリマー、有機カルボン酸アル
カリ塩などの高沸物』を除去して精製する必要がある
が、その際にケン化液高沸物中に1,6−ヘキサンジオー
ルが同伴してしまい、1,6−ヘキサンジオールの収率が
低下するという問題があった。
ッパー塔で低沸物を除去し、さらに、蒸発塔において、
ケン化反応の際に増加した『1,6−ヘキサンジオール縮
合物、オキシカプロン酸ポリマー、有機カルボン酸アル
カリ塩などの高沸物』を除去して精製する必要がある
が、その際にケン化液高沸物中に1,6−ヘキサンジオー
ルが同伴してしまい、1,6−ヘキサンジオールの収率が
低下するという問題があった。
前記の蒸発塔のケン化液高沸物中の1,6−ヘキサンジ
オールを回収することは、高沸物が極めて粘度が高く、
しかも揮発分が一部除去されると容易に固化してしまう
ので、極めて困難であった。
オールを回収することは、高沸物が極めて粘度が高く、
しかも揮発分が一部除去されると容易に固化してしまう
ので、極めて困難であった。
この発明の目的は、アジピン酸、オキシカプロン酸な
どのカルボン酸化合物をアルコールでエステル化してエ
ステル化物混合液を製造し、そのエステル化物混合液を
水素添加して得られた水添反応液を蒸留して『粗1,6−
ヘキサンジオール』を製造し、その『粗1,6−ヘキサン
ジオール』をアルカリ水溶液でケン化して得られたケン
化液の精製に際して、ケン化液から低沸物をストリッピ
ングした後に、蒸発塔で1,6−ヘキサンジオールを蒸発
させて得た際に該蒸発塔の塔底から得られた『1,6−ヘ
キサンジオール縮合物、オキシカプロン酸ポリマー、有
機カルボン酸アルカリ塩などの高沸物』から、混入して
いた1,6−ヘキサンジオールを容易に回収し、1,6−ヘキ
サンジオールの回収率を向上させる方法を提供すること
である。
どのカルボン酸化合物をアルコールでエステル化してエ
ステル化物混合液を製造し、そのエステル化物混合液を
水素添加して得られた水添反応液を蒸留して『粗1,6−
ヘキサンジオール』を製造し、その『粗1,6−ヘキサン
ジオール』をアルカリ水溶液でケン化して得られたケン
化液の精製に際して、ケン化液から低沸物をストリッピ
ングした後に、蒸発塔で1,6−ヘキサンジオールを蒸発
させて得た際に該蒸発塔の塔底から得られた『1,6−ヘ
キサンジオール縮合物、オキシカプロン酸ポリマー、有
機カルボン酸アルカリ塩などの高沸物』から、混入して
いた1,6−ヘキサンジオールを容易に回収し、1,6−ヘキ
サンジオールの回収率を向上させる方法を提供すること
である。
この発明は、シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸
化合物をアルコール類でエステル化して得られたエステ
ル化物の混合液を水添して1,6−ヘキサンジオールを生
成させ、 前記水添反応液を蒸留操作することによって低沸点物
および高沸点物を除去して得られた粗1,6−ヘキサンジ
オールをケン化塔でケン化し、 そのケン化液をストリッパー塔に供給して低沸物を蒸
発して除去し、該ストリッパー塔の缶液を蒸発塔へ供給
して、1,6−ヘキサンジオールを蒸発塔の塔頂から蒸発
させ、高沸物を蒸発塔の底部から100℃以上の温度で取
り出し、 前記の高沸物と70℃以上の熱水とをバッチ蒸留塔へ供
給して、バッチ蒸留塔の缶液を200℃以上の温度に加熱
し、200Torr以下の減圧として、バッチ蒸留することを
特徴とする1,6−ヘキサンジオールの回収法に関する。
化合物をアルコール類でエステル化して得られたエステ
ル化物の混合液を水添して1,6−ヘキサンジオールを生
成させ、 前記水添反応液を蒸留操作することによって低沸点物
および高沸点物を除去して得られた粗1,6−ヘキサンジ
オールをケン化塔でケン化し、 そのケン化液をストリッパー塔に供給して低沸物を蒸
発して除去し、該ストリッパー塔の缶液を蒸発塔へ供給
して、1,6−ヘキサンジオールを蒸発塔の塔頂から蒸発
させ、高沸物を蒸発塔の底部から100℃以上の温度で取
り出し、 前記の高沸物と70℃以上の熱水とをバッチ蒸留塔へ供
給して、バッチ蒸留塔の缶液を200℃以上の温度に加熱
し、200Torr以下の減圧として、バッチ蒸留することを
特徴とする1,6−ヘキサンジオールの回収法に関する。
以下、この発明の精製法について、図面も参考にし
て、詳しく説明する。
て、詳しく説明する。
第1図は、この発明に関連する「エステル化物の混合
液を水添して得られた水添反応液から、粗1,6−ヘキサ
ンジオールを経て、ケン化、精製された1,6−ヘキサン
ジオールを得る工程」の一例を概略示すフロー図であ
る。
液を水添して得られた水添反応液から、粗1,6−ヘキサ
ンジオールを経て、ケン化、精製された1,6−ヘキサン
ジオールを得る工程」の一例を概略示すフロー図であ
る。
この発明において使用する粗1,6−ヘキサンジオール
は、シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸化合物をア
ルコール類でエステル化して得られたエステル化物の混
合液を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させ、次
いで、前記水添反応液を蒸留操作することによって低沸
点物および高沸点物を除去して粗1,6−ヘキサンジオー
ルを製造するのである。
は、シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸化合物をア
ルコール類でエステル化して得られたエステル化物の混
合液を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させ、次
いで、前記水添反応液を蒸留操作することによって低沸
点物および高沸点物を除去して粗1,6−ヘキサンジオー
ルを製造するのである。
前記のエステル化物の混合液は、例えば、特公昭53−
33567号公報に記載されているように、シクロヘキサン
を、触媒の存在下、約100〜200℃の温度および約2〜20
kg/cm2Gの圧力下に分子状酸素などで酸化することによ
って、シクロヘキサノン、シクロヘキサノールなどと共
に副生する種々のカルボン酸類(カプロン酸、吉草酸な
どの一価のカルボン酸類、アジピン酸、グルタル酸、コ
ハク酸などの二価のカルボン酸類、オキシ吉草酸、オキ
シカプロン酸などのオキシ酸類)を含有するカルボン酸
化合物を、前記酸化反応液から適当な分離手段で分離し
て得て、 次いで、それらのカルボン酸化合物を、n−ブタノー
ル、n−ヘキサノールなどの炭素数1〜8個の一価の低
級アルコール類、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオールなどの炭素数2〜8個の二価のアルコール類な
どのアルコール類の存在下に、無触媒で約150〜300℃の
温度および常圧又は加圧下でエステル化するか、あるい
は、エステル化触媒の存在下に50〜150℃の温度および
常圧又は加圧下でエステル化して、そのエステル化反応
の生成物を適当な手段で分離・精製して得られた『アジ
ピン酸エステル、オキシカプロン酸エステル、オキシカ
プロン酸ポリマーなどを主成分とするエステル化物の混
合液』であればよい。
33567号公報に記載されているように、シクロヘキサン
を、触媒の存在下、約100〜200℃の温度および約2〜20
kg/cm2Gの圧力下に分子状酸素などで酸化することによ
って、シクロヘキサノン、シクロヘキサノールなどと共
に副生する種々のカルボン酸類(カプロン酸、吉草酸な
どの一価のカルボン酸類、アジピン酸、グルタル酸、コ
ハク酸などの二価のカルボン酸類、オキシ吉草酸、オキ
シカプロン酸などのオキシ酸類)を含有するカルボン酸
化合物を、前記酸化反応液から適当な分離手段で分離し
て得て、 次いで、それらのカルボン酸化合物を、n−ブタノー
ル、n−ヘキサノールなどの炭素数1〜8個の一価の低
級アルコール類、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオールなどの炭素数2〜8個の二価のアルコール類な
どのアルコール類の存在下に、無触媒で約150〜300℃の
温度および常圧又は加圧下でエステル化するか、あるい
は、エステル化触媒の存在下に50〜150℃の温度および
常圧又は加圧下でエステル化して、そのエステル化反応
の生成物を適当な手段で分離・精製して得られた『アジ
ピン酸エステル、オキシカプロン酸エステル、オキシカ
プロン酸ポリマーなどを主成分とするエステル化物の混
合液』であればよい。
前述のシクロヘキサンの酸化反応液からカルボン酸類
を分離する方法としては、例えば、シクロヘキサンの酸
化反応液を苛性ソーダなどでケン化して、その水層を分
離して、種々のカルボン酸塩を含有するアルカリ液を得
て、そのアルカリ液を硫酸などでpH3以下になるように
中和して、芒硝などの塩およびカルボン酸類を生成さ
せ、そして、その中和液から分離された水層の芒硝など
の水溶液から、前述の種々のカルボン酸を、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、カプロン酸
メチルなどのエステル類、ブチルアルコール、イソプロ
ピルアルコールなどの低級アルコール類などの有機溶媒
で抽出して、カルボン酸化合物の混合物を得ることがで
きる。
を分離する方法としては、例えば、シクロヘキサンの酸
化反応液を苛性ソーダなどでケン化して、その水層を分
離して、種々のカルボン酸塩を含有するアルカリ液を得
て、そのアルカリ液を硫酸などでpH3以下になるように
中和して、芒硝などの塩およびカルボン酸類を生成さ
せ、そして、その中和液から分離された水層の芒硝など
の水溶液から、前述の種々のカルボン酸を、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、カプロン酸
メチルなどのエステル類、ブチルアルコール、イソプロ
ピルアルコールなどの低級アルコール類などの有機溶媒
で抽出して、カルボン酸化合物の混合物を得ることがで
きる。
この発明において使用するエステル化物の混合液は、
アジピン酸エステル、オキシカプロン酸エステルを、10
〜80重量%、特に50〜70重量%程度含有していて、酸価
(AV値)が1.0〜50mgKOH/g程度であることが好ましく、
必要であれば、前記のエステル化物が、約30〜70重量%
の濃度で適当な有機溶媒(特に、前述のカルボン酸化合
物を抽出するために使用する有機溶媒など)に溶解して
いる溶液であってもよい。
アジピン酸エステル、オキシカプロン酸エステルを、10
〜80重量%、特に50〜70重量%程度含有していて、酸価
(AV値)が1.0〜50mgKOH/g程度であることが好ましく、
必要であれば、前記のエステル化物が、約30〜70重量%
の濃度で適当な有機溶媒(特に、前述のカルボン酸化合
物を抽出するために使用する有機溶媒など)に溶解して
いる溶液であってもよい。
前述のエステル化物の混合液を水添する方法は公知の
水添方法で行うことができるが、水添触媒の存在下、20
0〜400℃の温度及び150〜500kg/cm2Gの水素分圧で行う
ことが好ましい。
水添方法で行うことができるが、水添触媒の存在下、20
0〜400℃の温度及び150〜500kg/cm2Gの水素分圧で行う
ことが好ましい。
前記の水添触媒としては、例えば、鉄、ニッケル、コ
バルト、銅、銅−クロマイトを主成分とする水素添加触
媒を挙げることができ、その形態としては、粉末状、又
は、タブレット状のものであってもよく、その使用量
は、前述のエステル化物の混合液に対して数重量%程度
で充分である。
バルト、銅、銅−クロマイトを主成分とする水素添加触
媒を挙げることができ、その形態としては、粉末状、又
は、タブレット状のものであってもよく、その使用量
は、前述のエステル化物の混合液に対して数重量%程度
で充分である。
この発明においては、前述のようにして得られた前記
水添反応液を、第1図に示すように、第一蒸留塔1およ
び第二蒸留塔2へ供給して、蒸留操作によって、第一蒸
留塔1の塔頂から水添反応の低沸物を除去し、そして、
第二蒸留塔2の塔底から水添反応液の高沸物を除去し、
第二蒸留塔2の塔頂から『エステル価(EV値)が10〜10
0mgKOH/gである粗1,6−ヘキサンジオール』を取り出
し、冷却して、粗1,6−ヘキサンジオールタンク3へ回
収して、粗1,6−ヘキサンジオールを製造するのであ
る。
水添反応液を、第1図に示すように、第一蒸留塔1およ
び第二蒸留塔2へ供給して、蒸留操作によって、第一蒸
留塔1の塔頂から水添反応の低沸物を除去し、そして、
第二蒸留塔2の塔底から水添反応液の高沸物を除去し、
第二蒸留塔2の塔頂から『エステル価(EV値)が10〜10
0mgKOH/gである粗1,6−ヘキサンジオール』を取り出
し、冷却して、粗1,6−ヘキサンジオールタンク3へ回
収して、粗1,6−ヘキサンジオールを製造するのであ
る。
前記の粗1,6−ヘキサンジオールは、1,6−ヘキサンジ
オールを約60重量%以上、特に70〜90重量%程度含有し
ていることが好ましい。
オールを約60重量%以上、特に70〜90重量%程度含有し
ていることが好ましい。
そして、この発明の回収法においては、例えば、第1
図に示すように、前述のようにして得られた粗1,6−ヘ
キサンジオールを前記タンク3からケン化塔4の底部へ
供給すると共に、濃度2〜20重量%の苛性ソーダなどの
アルカリ水溶液をケン化塔4の下部へ供給して、ケン化
塔4の内部で粗1,6−ヘキサンジオール中の微量のエス
テル化合物を50〜200℃の温度および1〜15kg/cm2Gの圧
力でケン化して、 そして、そのケン化液をストリッパー塔5へ供給し
て、その塔頂からケン化液中の水などの低沸物を蒸発し
て除去し、ストリッパー塔5の缶液を、薄膜蒸発機など
の蒸発塔6へ供給して、1,6−ヘキサンジオールなどを
塔頂から蒸発させ、その蒸発物を冷却して回収して、
『1,6−ヘキサンジオールを主として含有する蒸発液』
を蒸発液タンク7へ受け入れ、一方、1,6−ヘキサンジ
オール縮合物、オキシカプロン酸ポリマー、有機カルボ
ン酸アルカリ塩などの高沸物をその底部から除去するの
である。
図に示すように、前述のようにして得られた粗1,6−ヘ
キサンジオールを前記タンク3からケン化塔4の底部へ
供給すると共に、濃度2〜20重量%の苛性ソーダなどの
アルカリ水溶液をケン化塔4の下部へ供給して、ケン化
塔4の内部で粗1,6−ヘキサンジオール中の微量のエス
テル化合物を50〜200℃の温度および1〜15kg/cm2Gの圧
力でケン化して、 そして、そのケン化液をストリッパー塔5へ供給し
て、その塔頂からケン化液中の水などの低沸物を蒸発し
て除去し、ストリッパー塔5の缶液を、薄膜蒸発機など
の蒸発塔6へ供給して、1,6−ヘキサンジオールなどを
塔頂から蒸発させ、その蒸発物を冷却して回収して、
『1,6−ヘキサンジオールを主として含有する蒸発液』
を蒸発液タンク7へ受け入れ、一方、1,6−ヘキサンジ
オール縮合物、オキシカプロン酸ポリマー、有機カルボ
ン酸アルカリ塩などの高沸物をその底部から除去するの
である。
前記1,6−ヘキサンジオールを主として含有する蒸発
液は、多段の精留板が内設された精留塔8へ供給し、そ
の塔頂から中沸物を除去すると共に、その塔底から高沸
物を除去しながら、蒸留精製された1,6−ヘキサンジオ
ールを前記精留塔8の中段から回収して、1,6−ヘキサ
ンジオール製品タンク9へ受け入れるのである。
液は、多段の精留板が内設された精留塔8へ供給し、そ
の塔頂から中沸物を除去すると共に、その塔底から高沸
物を除去しながら、蒸留精製された1,6−ヘキサンジオ
ールを前記精留塔8の中段から回収して、1,6−ヘキサ
ンジオール製品タンク9へ受け入れるのである。
前記の粗1,6−ヘキサンジオールのケン化工程におい
て、アルカリ水溶液のケン化塔への供給量は、粗1,6−
ヘキサンジオールの供給量に対して0.01〜1重量倍程度
であることが好ましく、また、ケン化塔での粗1,6−ヘ
キサンジオールの滞留時間は、約5〜200分間程度であ
ることが好ましい。
て、アルカリ水溶液のケン化塔への供給量は、粗1,6−
ヘキサンジオールの供給量に対して0.01〜1重量倍程度
であることが好ましく、また、ケン化塔での粗1,6−ヘ
キサンジオールの滞留時間は、約5〜200分間程度であ
ることが好ましい。
なお、前記のケン化塔は、中空状の内部を有する管状
の塔であれば、サイズおよび形状などが特定されなくて
もよいが、特に、中空状の内部に複数(特に2〜10個)
の邪魔板が交互に配置されて設置されている中空状の塔
型ケン化塔、あるいは、撹拌機を内蔵している中空状の
塔型ケン化塔であることが、ケン化液の撹拌状態が好適
となるので好ましい。
の塔であれば、サイズおよび形状などが特定されなくて
もよいが、特に、中空状の内部に複数(特に2〜10個)
の邪魔板が交互に配置されて設置されている中空状の塔
型ケン化塔、あるいは、撹拌機を内蔵している中空状の
塔型ケン化塔であることが、ケン化液の撹拌状態が好適
となるので好ましい。
前述の蒸発機から取り出されたケン化液高沸物は、1,
6−ヘキサンジオールを3〜30重量%含有していると共
に、1,6−ヘキサンジオール縮合物を約20〜30重量%、
オキシカプロン酸ポリマーを約20〜30重量%、アジピン
酸ソーダ、カプロン酸ソーダなどのカルボン酸アルカリ
金属塩を10〜57重量%程度含有していて、100℃未満、
特に80℃では極めて粘稠となるか、あるいは固化してし
まうものである。
6−ヘキサンジオールを3〜30重量%含有していると共
に、1,6−ヘキサンジオール縮合物を約20〜30重量%、
オキシカプロン酸ポリマーを約20〜30重量%、アジピン
酸ソーダ、カプロン酸ソーダなどのカルボン酸アルカリ
金属塩を10〜57重量%程度含有していて、100℃未満、
特に80℃では極めて粘稠となるか、あるいは固化してし
まうものである。
この発明においては、前述のようにして蒸発機から取
り出された高沸物は、例えば、多数の精留板を有するバ
ッチ蒸留塔の底部へ供給し、さらに、70℃以上、好まし
くは75〜100℃の熱水を加えた後、バッチ蒸留塔の缶液
を150℃以上、好ましくは150〜300℃の温度に加熱し、
しかも、バッチ蒸留塔の内部を200Torr以下、好ましく
は100Torr以下の減圧として、高沸物と熱水との混合液
をバッチ蒸留して、1,6−ヘキサンジオールおよび水の
蒸気をバッチ蒸留塔の塔頂から取り出し、冷却して、回
収するのである。
り出された高沸物は、例えば、多数の精留板を有するバ
ッチ蒸留塔の底部へ供給し、さらに、70℃以上、好まし
くは75〜100℃の熱水を加えた後、バッチ蒸留塔の缶液
を150℃以上、好ましくは150〜300℃の温度に加熱し、
しかも、バッチ蒸留塔の内部を200Torr以下、好ましく
は100Torr以下の減圧として、高沸物と熱水との混合液
をバッチ蒸留して、1,6−ヘキサンジオールおよび水の
蒸気をバッチ蒸留塔の塔頂から取り出し、冷却して、回
収するのである。
前述のようにして得られた1,6−ヘキサンジオールお
よび水の混合液は、さらに、適当な方法で蒸留精製し
て、水を除去することによって1,6−ヘキサンジオール
とすることができる。
よび水の混合液は、さらに、適当な方法で蒸留精製し
て、水を除去することによって1,6−ヘキサンジオール
とすることができる。
工業的には、前記の1,6−ヘキサンジオールおよび水
の混合液は、前記精留塔8へ供給して、他の1,6−ヘキ
サンジオールと共に精製された1,6−ヘキサンジオール
として得ることもできる。
の混合液は、前記精留塔8へ供給して、他の1,6−ヘキ
サンジオールと共に精製された1,6−ヘキサンジオール
として得ることもできる。
前述のバッチ蒸留において、高沸物に加える熱水の量
は、高沸物100kgに対して5〜50、特に10〜30程度
であることが好ましい。
は、高沸物100kgに対して5〜50、特に10〜30程度
であることが好ましい。
この発明においては、バッチ蒸留の際に、缶液の高沸
物に水を添加して行うことが極めて重要であり、もし、
高沸物に水を加えないでバッチ蒸留を行っても、すぐ
に、バッチ蒸留塔の底部の缶液が固まってしまって、1,
6−ヘキサンジオールを充分に回収することが実質的に
できなくなってしまうのである。
物に水を添加して行うことが極めて重要であり、もし、
高沸物に水を加えないでバッチ蒸留を行っても、すぐ
に、バッチ蒸留塔の底部の缶液が固まってしまって、1,
6−ヘキサンジオールを充分に回収することが実質的に
できなくなってしまうのである。
以下、参考例および実施例を示し、この発明の製法を
さらに詳しく説明する。
さらに詳しく説明する。
参考例 〔エステル化物混合液の製造〕 シクロヘキサンの空気酸化によって得られた液相酸化
反応液を苛性ソーダでケン化して得られるアルカリ液を
硫酸で中和し、その際に、中和液の水層の芒硝水溶液の
比重が1.25となるように水バランスをとり、中和液を水
層と油層とに分離した後、該水層の芒硝水溶液中に含ま
れるアジピン酸、オキシカプロン酸などのカルボン酸化
合物を、メチルイソブチルケトン(MIBK)で抽出し、そ
して、前記抽出液からMIBKを蒸発して除去して、カルボ
ン酸化合物の混合物を得た。
反応液を苛性ソーダでケン化して得られるアルカリ液を
硫酸で中和し、その際に、中和液の水層の芒硝水溶液の
比重が1.25となるように水バランスをとり、中和液を水
層と油層とに分離した後、該水層の芒硝水溶液中に含ま
れるアジピン酸、オキシカプロン酸などのカルボン酸化
合物を、メチルイソブチルケトン(MIBK)で抽出し、そ
して、前記抽出液からMIBKを蒸発して除去して、カルボ
ン酸化合物の混合物を得た。
前記カルボン酸混合物の水溶液(濃度63.5重量%)
に、1,6−ヘキサンジオールの水溶液を加えて、常圧
下、200〜260℃の温度でエステル化反応を行って、『ア
ジピン酸エステル、オキシカプロン酸エステルなどを含
有するエステル化物混合液』を得た。
に、1,6−ヘキサンジオールの水溶液を加えて、常圧
下、200〜260℃の温度でエステル化反応を行って、『ア
ジピン酸エステル、オキシカプロン酸エステルなどを含
有するエステル化物混合液』を得た。
前述のようにして得られたエステル化物混合液に銅−
クロマイト系触媒を0.6重量%添加して、水素圧力290kg
/cm2G、温度260〜290℃で水添反応を行って、1,6−ヘキ
サンジオールを生成させ、1,6−ヘキサンジオールが主
として含有されている水添反応液を得た。
クロマイト系触媒を0.6重量%添加して、水素圧力290kg
/cm2G、温度260〜290℃で水添反応を行って、1,6−ヘキ
サンジオールを生成させ、1,6−ヘキサンジオールが主
として含有されている水添反応液を得た。
前述のようにして得られた水添反応液は、EV値が25.6
mgKOH/gであり、1,6−ヘキサンジオールの濃度が57.7重
量%であり、そして、アミルアルコール4.1重量%、水
0.8重量%、及び、その他の低沸化合物32.8重量%が含
有されていた。
mgKOH/gであり、1,6−ヘキサンジオールの濃度が57.7重
量%であり、そして、アミルアルコール4.1重量%、水
0.8重量%、及び、その他の低沸化合物32.8重量%が含
有されていた。
〔粗1,6−ヘキサンジオールの製造〕 第1図に示す製造フローに従って、まず、前述のよう
にして得られた水添反応液を、1083kg/時の供給速度
で、第一蒸留塔1の中段へ供給して、その塔頂から低沸
物を120kg/時で蒸発して留去し、次いで、その第一蒸留
塔1の缶液を第二蒸留塔2の中段へ供給し、高沸物15kg
/時を第二蒸留塔2の塔底から排出して、第二蒸留塔2
の塔頂から粗1,6−ヘキサンジオールのを948kg/時の割
合で取り出して、粗1,6−ヘキサンジオールタンク3に
受け入れた。
にして得られた水添反応液を、1083kg/時の供給速度
で、第一蒸留塔1の中段へ供給して、その塔頂から低沸
物を120kg/時で蒸発して留去し、次いで、その第一蒸留
塔1の缶液を第二蒸留塔2の中段へ供給し、高沸物15kg
/時を第二蒸留塔2の塔底から排出して、第二蒸留塔2
の塔頂から粗1,6−ヘキサンジオールのを948kg/時の割
合で取り出して、粗1,6−ヘキサンジオールタンク3に
受け入れた。
前記の粗1,6−ヘキサンジオールは、1,6−ヘキサンジ
オールの濃度が75.0重量%であり、エステル価が12.1mg
KOH/gであり、そして、アミルアルコール0.7重量%及び
その他の成分10.2重量%が含有されていた。
オールの濃度が75.0重量%であり、エステル価が12.1mg
KOH/gであり、そして、アミルアルコール0.7重量%及び
その他の成分10.2重量%が含有されていた。
次いで、粗1,6−ヘキサンジオールタンク3から粗1,6
−ヘキサンジオールを460kg/時で、邪魔板多数が交互に
配置されて内設された中空塔型ケン化塔4の底部へ供給
すると共に、10重量%の苛性ソーダ水溶液86kg/時をケ
ン化塔4の下部へ供給して、ケン化塔での滞留時間30分
間、およびケン化温度90℃で、粗1,6−ヘキサンジオー
ルをケン化し、 そして、そのケン化液をストリッパー塔5の中段へ供
給してそのストリッパー塔5の塔頂から水および低沸物
を蒸発して留去すると共に、ストリッパー塔5の缶液
(缶液中の1,6−ヘキサンジオールの含有率:82.5重量
%)を抜き出し、さらに、その缶液を薄膜蒸発塔6の上
部へ供給し、EV値が0.5mgKOH/gである1,6−ヘキサンジ
オールを薄膜蒸発塔6の塔頂から蒸発させて得て、カル
ボン酸アルカリ金属塩などを含有するケン化液高沸物を
薄膜蒸発塔6の底部から取り出した。
−ヘキサンジオールを460kg/時で、邪魔板多数が交互に
配置されて内設された中空塔型ケン化塔4の底部へ供給
すると共に、10重量%の苛性ソーダ水溶液86kg/時をケ
ン化塔4の下部へ供給して、ケン化塔での滞留時間30分
間、およびケン化温度90℃で、粗1,6−ヘキサンジオー
ルをケン化し、 そして、そのケン化液をストリッパー塔5の中段へ供
給してそのストリッパー塔5の塔頂から水および低沸物
を蒸発して留去すると共に、ストリッパー塔5の缶液
(缶液中の1,6−ヘキサンジオールの含有率:82.5重量
%)を抜き出し、さらに、その缶液を薄膜蒸発塔6の上
部へ供給し、EV値が0.5mgKOH/gである1,6−ヘキサンジ
オールを薄膜蒸発塔6の塔頂から蒸発させて得て、カル
ボン酸アルカリ金属塩などを含有するケン化液高沸物を
薄膜蒸発塔6の底部から取り出した。
前記1,6−ヘキサンジオールの蒸発液は、1,6−ヘキサ
ンジオール蒸発液タンク7に受け入れた後、さらに、精
留塔8で蒸留精製して、EV値が0.2mgKOH/gである1,6−
ヘキサンジオールを298kg/時で連続的に製造して、製品
として1,6−ヘキサンジオールタンク9に受け入れた。
ンジオール蒸発液タンク7に受け入れた後、さらに、精
留塔8で蒸留精製して、EV値が0.2mgKOH/gである1,6−
ヘキサンジオールを298kg/時で連続的に製造して、製品
として1,6−ヘキサンジオールタンク9に受け入れた。
前記製品の1,6−ヘキサンジオール濃度は、99重量%
であった。
であった。
実施例1 前述の参考例において蒸発塔6で取り出された高沸物
は、1,6−ヘキサンジオールを20重量%含有しており、
さらに、1,6−ヘキサンジオール縮合物を25重量%、オ
キシカプロン酸ポリマーを31重量%、アジピン酸ソー
ダ、カプロン酸ソーダなどの有機酸ソーダ塩を12.5重量
%、アジピン酸のヘキサンジオールエステル類11.5重量
%などを主として含有していた。
は、1,6−ヘキサンジオールを20重量%含有しており、
さらに、1,6−ヘキサンジオール縮合物を25重量%、オ
キシカプロン酸ポリマーを31重量%、アジピン酸ソー
ダ、カプロン酸ソーダなどの有機酸ソーダ塩を12.5重量
%、アジピン酸のヘキサンジオールエステル類11.5重量
%などを主として含有していた。
前記の蒸発塔6で取り出された150℃のケン化液高沸
物400kgを、バッチ蒸留塔の底部へ供給し、バッチ蒸留
塔の塔頂と連結している真空ポンプでバッチ蒸留塔の内
部を50Torrに減圧し、そして、約90℃の熱水50をバッ
チ蒸留塔の底部に加えて、バッチ蒸留塔の底部の周囲を
覆っているジャケット部に熱媒(スチーム)を供給し
て、バッチ蒸留塔の底部の缶液温度を260℃に昇温し
て、バッチ蒸留塔の塔頂から、1,6−ヘキサンジオール
と水との混合蒸気を取り出し、バッチ蒸留塔の塔頂と連
結している冷却器において前記混合蒸気を冷却して凝縮
するバッチ蒸留を、3時間行って、1,6−ヘキサンジオ
ールを80重量%含有する留出液(水の含有率:20重量
%)120kgを回収した。
物400kgを、バッチ蒸留塔の底部へ供給し、バッチ蒸留
塔の塔頂と連結している真空ポンプでバッチ蒸留塔の内
部を50Torrに減圧し、そして、約90℃の熱水50をバッ
チ蒸留塔の底部に加えて、バッチ蒸留塔の底部の周囲を
覆っているジャケット部に熱媒(スチーム)を供給し
て、バッチ蒸留塔の底部の缶液温度を260℃に昇温し
て、バッチ蒸留塔の塔頂から、1,6−ヘキサンジオール
と水との混合蒸気を取り出し、バッチ蒸留塔の塔頂と連
結している冷却器において前記混合蒸気を冷却して凝縮
するバッチ蒸留を、3時間行って、1,6−ヘキサンジオ
ールを80重量%含有する留出液(水の含有率:20重量
%)120kgを回収した。
前記のバッチ蒸留塔の缶液は、1,6−ヘキサンジオー
ルが蒸発して除去されると、固まるので、その時点で熱
媒の供給を停止し、缶液固化物の温度を下げた後、熱水
200を缶液固化物に加えて溶解し、バッチ蒸留塔の底
部から排出した。
ルが蒸発して除去されると、固まるので、その時点で熱
媒の供給を停止し、缶液固化物の温度を下げた後、熱水
200を缶液固化物に加えて溶解し、バッチ蒸留塔の底
部から排出した。
この発明は、シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸
化合物をエステル化し得られた『エステル化物の混合
液』を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させ、そ
の水添反応液を蒸留操作して得られた『粗1,6−ヘキサ
ンジオール』を、ケン化塔でアルカリ水溶液と接触させ
てケン化して、そのケン化液をストリッパー塔と蒸発塔
とで低沸物および高沸物を除去し、最後に、蒸留精製す
ることによって、1,6−ヘキサンジオールを製造する際
に、前記蒸発塔から取り出されたケン化液高沸物中の1,
6−ヘキサンジオールを熱水の添加によって容易に回収
することができる方法であり、前記ケン化液高沸物から
1,6−ヘキサンジオールを効率的に回収することによっ
て、1,6−ヘキサンジオールの収率を向上させることが
できるのである。
化合物をエステル化し得られた『エステル化物の混合
液』を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成させ、そ
の水添反応液を蒸留操作して得られた『粗1,6−ヘキサ
ンジオール』を、ケン化塔でアルカリ水溶液と接触させ
てケン化して、そのケン化液をストリッパー塔と蒸発塔
とで低沸物および高沸物を除去し、最後に、蒸留精製す
ることによって、1,6−ヘキサンジオールを製造する際
に、前記蒸発塔から取り出されたケン化液高沸物中の1,
6−ヘキサンジオールを熱水の添加によって容易に回収
することができる方法であり、前記ケン化液高沸物から
1,6−ヘキサンジオールを効率的に回収することによっ
て、1,6−ヘキサンジオールの収率を向上させることが
できるのである。
第1図は、この発明に関連する「エステル化物の混合液
を水添して得られた水添反応液から、粗1,6−ヘキサン
ジオールを経て、ケン化、精製された1,6−ヘキサンジ
オールを得る工程」の一例を概略示すフロー図である。 1:第1蒸留塔、2:第2蒸留塔、3:粗1,6−ヘキサンジオ
ールタンク、4:ケン化塔、5:ストリッパー塔、6:蒸発
塔、7:蒸発液タンク、8:精留塔、9:1,6−ヘキサンジオ
ール製品タンク。
を水添して得られた水添反応液から、粗1,6−ヘキサン
ジオールを経て、ケン化、精製された1,6−ヘキサンジ
オールを得る工程」の一例を概略示すフロー図である。 1:第1蒸留塔、2:第2蒸留塔、3:粗1,6−ヘキサンジオ
ールタンク、4:ケン化塔、5:ストリッパー塔、6:蒸発
塔、7:蒸発液タンク、8:精留塔、9:1,6−ヘキサンジオ
ール製品タンク。
Claims (1)
- 【請求項1】シクロヘキサンの酸化によるカルボン酸化
合物をアルコール類でエステル化して得られたエステル
化物の混合液を水添して1,6−ヘキサンジオールを生成
させ、 前記水添反応液を蒸留操作することによって低沸点物お
よび高沸点物を除去して得られた粗1,6−ヘキサンジオ
ールをケン化塔でケン化し、 そのケン化液をストリッパー塔に供給して低沸物を蒸発
して除去し、該ストリッパー塔の缶液を蒸発塔へ供給し
て、1,6−ヘキサンジオールを蒸発塔の塔頂から蒸発さ
せ、高沸物を蒸発塔の底部から100℃以上の温度で取り
出し、 前記の高沸物と70℃以上の熱水とをバッチ蒸留塔へ供給
して、バッチ蒸留塔の缶液を200℃以上の温度に加熱
し、200Torr以下の減圧として、バッチ蒸留することを
特徴とする1,6−ヘキサンジオールの回収法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33010090A JPH082810B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 1,6―ヘキサンジオールの回収法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33010090A JPH082810B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 1,6―ヘキサンジオールの回収法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04202150A JPH04202150A (ja) | 1992-07-22 |
JPH082810B2 true JPH082810B2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=18228795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33010090A Expired - Lifetime JPH082810B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 1,6―ヘキサンジオールの回収法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH082810B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110776029A (zh) * | 2019-10-28 | 2020-02-11 | 天津农学院 | 低沸点油脂类含盐废水多效蒸发处理系统及工艺 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP33010090A patent/JPH082810B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04202150A (ja) | 1992-07-22 |
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