JPH08281006A - 油水分離装置 - Google Patents

油水分離装置

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JPH08281006A
JPH08281006A JP7114104A JP11410495A JPH08281006A JP H08281006 A JPH08281006 A JP H08281006A JP 7114104 A JP7114104 A JP 7114104A JP 11410495 A JP11410495 A JP 11410495A JP H08281006 A JPH08281006 A JP H08281006A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜利用型油水分離手段の透過流束の向上を図
ると共に長寿命化を図り、また膜利用型油水分離手段と
浮上油回収手段と組み合わせた場合における分離性能の
向上を図る。 【構成】 油水の第1循環経路2と、該第1循環経路2
中の前段に設けられた浮上油回収手段3と、前記第1循
環経路2中の後段に設けられた第2循環経路6と、該第
2循環経路5中に設けられた膜利用型油水分離手段4
と、を備えた油水分離装置において、前記第1循環経路
2内に加圧気体を供給する加圧気体供給手段5を設けた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば排水処理、洗浄
液の再利用するために用いられる膜利用型油水分離手段
を有する油水分離装置及び膜利用型油水分離手段と浮上
油回収手段とを組み合わせた油水分離手段に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、膜利用型油水分離手段とし
て、限外ろ過膜を利用したものがある。これは、油滴の
大きさよりずっと小さな口径を有する膜でろ過を行うこ
とで、油と水を分離し、油の含まない水を得るものであ
る。
【0003】この膜利用型油水分離手段を長期間運転す
るために、油水の循環経路中に設け、常に膜に対して平
行の流れをつくって膜表面の汚染を防ぐクロスフローを
行っている。
【0004】しかしながら、繰り返しろ過を行うと循環
経路中の油の濃度が増し、油滴同士がくっつき大きくな
って膜表面に付着しやすくなってしまう。これを防ぐた
めに図7に示すように浮上油回収手段を備えた油水分離
装置がある。
【0005】この油水分離装置100は、油水の第1循
環経路としての油水分離装置100における油水分離装
置循環経路122中において膜利用型油水分離装置とし
ての中空糸膜モジュール101の前段に浮上油回収手段
102を設けたものである。
【0006】中空糸膜モジュール101は、多数本の中
空糸膜101Aを束ねたものを限外ろ過膜として用い、
中空糸膜モジュール101における油水の中空糸膜モジ
ュール循環経路120中に設けられた循環ポンプ103
にて供給された油水を中空糸膜101Aの膜壁の内側表
面に対して平行に流し、そのときの油水の一部が膜壁を
通ることでろ過するクロスフロータイプとなっている。
【0007】このろ過された透過液は透過液配管104
を介して後述する洗浄槽109に供給されて再利用され
る。
【0008】浮上油回収手段102としては、図8に示
すように、滞留槽105内に油滴同士が接触しやすくな
った高濃度の油水を溜めて、水106と油滴107Aの
比重差によって微小な油滴(例えば数〜数十μm)はく
っつき大きな油滴(例えば数百μm)となって上方に浮
上させて水106と油107を分離するものがある。
【0009】または、図7に示すように滞留槽105内
にフィルターとしてのコアレッサーフィルター108を
設けたコアレッサーフィルタータイプがある。これは、
極細繊維構造体のコアレッサーフィルター108に油滴
107A同士が接触しやすくなった高濃度の油水を透過
させることによって油滴107Aを大きくして比重差分
離を促進させている。
【0010】図7において、109は、洗浄液が貯蔵さ
れ、被洗浄物である油等が付着したワーク110が浸さ
れる洗浄槽である。この洗浄槽109と浮上油回収手段
102が配管111にて連結されており、その途中に加
圧ポンプ112が設けられている。この加圧ポンプ11
2にて油で汚れた洗浄液(原液)が浮上油回収手段10
2に供給される。
【0011】そして、浮上油回収手段102にてある程
度油水分離され低濃度となった油水は、配管121を介
して中空糸膜モジュール循環経路120に循環ポンプ1
03にて供給され、中空糸膜モジュール101にてさら
に油水分離される。
【0012】また、浮上油回収手段102の上流側に
は、中空糸膜モジュール循環経路120中の中空糸膜モ
ジュール101からの高濃度の油水が流れる配管113
が、加圧ポンプ112の上流側の配管111を介して連
結されている。そのため、浮上油回収手段102には、
加圧ポンプ112にて原液及び中空糸膜モジュール10
1からの高濃度の油水が供給されることになる。
【0013】そして、浮上油回収手段102によって低
濃度となった油水を再び循環ポンプ103にて中空糸膜
モジュール101に供給され、油水分離される。
【0014】従って、中空糸膜モジュール循環経路12
0と、配管113と、配管111と、配管121にて油
水分離装置100における油水の油水分離装置循環経路
122が構成されている。
【0015】図7中114は、浮上油回収手段102に
高濃度の油水を供給する量を調整するための流量調整弁
である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油水分離装
置100における処理液が、超音波洗浄によって油滴が
非常に小さい(例えば1〜数μm)場合、及び界面活性
剤入り水においては油滴同士が付着しにくくなり微小な
油滴のままとなるため、いずれも安定な乳化油となる。
【0017】このような安定な乳化油の場合、中空糸膜
モジュール101のみで油水分離すると、油水は高濃度
のままであるため、中空糸膜101Aの膜面に付着する
油等の量が増え、目詰まりが生じやすくなり、中空糸膜
モジュール101の透過流束が低下し、寿命が短くなっ
てしまう。
【0018】この場合、上記したように浮上油回収手段
102にて油水分離して低濃度としようとしても、油滴
が微小であることから、たとえコレッサーフィルター1
08に通しても捕捉されず素通りしてしまい、油滴は微
小なままとなるので、浮上しにくくなり、分離に時間が
かかる。
【0019】即ち、分離性能が低くく、油水分離が確実
になされないことから、高濃度の油水が中空糸膜モジュ
ール循環経路120に流れることになり、上記問題を解
決することはできない。
【0020】本発明は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、膜
利用型油水分離手段の透過流束の向上を図ると共に長寿
命化を図り、また膜利用型油水分離手段と浮上油回収手
段と組み合わせた場合における分離性能の向上を図り得
る油水分離装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、油水の循環経路と、該循環経路
中に設けられた膜利用型油水分離手段と、を備えた油水
分離装置において、前記循環経路内に加圧気体を供給す
る加圧気体供給手段を設けたことを特徴とする。
【0022】また、油水の第1循環経路と、該第1循環
経路中の前段に設けられた浮上油回収手段と、前記第1
循環経路中の後段に設けられた第2循環経路と、該第2
循環経路中に設けられた膜利用型油水分離手段と、を備
えた油水分離装置において、前記第1循環経路内に加圧
気体を供給する加圧気体供給手段を設けた構成としても
良い。
【0023】さらに、前記加圧気体供給手段を前記第2
循環経路の上流側に設けることが好適である。
【0024】さらにまた、前記浮上油回収手段はフィル
ターを有するものであっても良い。
【0025】
【作用】上記構成の油水分離装置にあっては、油水の循
環経路内に加圧気体を供給する加圧気体供給手段を設け
たため、供給された圧縮気体は循環経路内において気泡
となり分散される。この気泡によって膜利用型油水分離
手段の膜面に付着した油等をはぎ取ることができること
から、膜面が洗浄されることになり、膜利用型油水分離
手段の透過流束の向上が図れると共に、長寿命化を図る
ことができる。
【0026】また、油水の第1循環経路中において前段
に浮上油回収手段を後段に膜利用型油水分離手段を組み
合わせた場合において、第1循環経路内に加圧気体を供
給すると、供給された圧縮気体は第1循環経路内におい
て気泡となり分散されることから、第1循環経路及び浮
上油回収手段内で、気泡の界面に油滴が吸着することに
なり(起泡分離)、油滴が大きくなる。
【0027】そのため、浮上油回収手段において浮上し
やすくなり、短時間で分離され、分離性能が向上する。
【0028】また、第1循環経路中の後段に設けられた
第2循環経路においては流れる量が多くなるため、その
上流側に加圧気体を供給すると、気泡の分散性及び気泡
と油滴との接触回数を多くとれるため、起泡分離が多く
行われることになり、浮上油回収手段の分離性能がより
向上する。
【0029】さらに、浮上油回収手段にフィルターを設
けることで、起泡分離されて大きくなった油滴が捕捉さ
れやすくなるため、より一層の分離性能の向上が図れ
る。
【0030】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。本発明の一実施例に係る油水分離装置を示す図1
において、1は油水分離装置の全体を示しており、この
油水分離装置1は、油水分離装置1における第1循環経
路としての油水分離装置循環経路(以下、装置循環経路
と略称する。)2中において、前段に浮上油回収手段3
と、後段に膜利用型油水分離手段としての中空糸膜モジ
ュール4とを組み合わせたもので、装置循環経路2中に
圧縮気体を分散させるべく、加圧気体を装置循環経路2
内に供給する加圧気体供給手段5を設けたものである。
【0031】中空糸膜モジュール4は、装置循環経路2
の後段に設けられた第2循環経路としての中空糸膜モジ
ュール循環経路(以下、モジュール循環経路と略称す
る。)6中に設けられている。
【0032】この中空糸膜モジュール4は、多数本の中
空糸膜7を束ねたものを限外ろ過膜として用い、中空糸
膜7の膜壁の内側表面に対して平行に液を通過させる際
に、液の一部が膜壁を通ってろ過するという、いわゆる
クロスフロータイプとなっている。このろ過された透過
液は、中空糸膜モジュール4の透過液配管8を介して後
述する洗浄槽9に供給されて再利用される。
【0033】また、モジュール循環経路6において中空
糸膜モジュール4の上流側に循環ポンプ10が設けてあ
り、この循環ポンプ10にて油水を循環すると共に、中
空糸膜モジュール4に油水を供給している。
【0034】浮上油回収手段3は、図1及び図2に示す
ように静置槽である滞留槽11内にフィルターとして極
細繊維構造体のコアレッサーフィルター12を設けたコ
アレッサーフィルタータイプとなっている。
【0035】このコアレッサーフィルタータイプの浮上
油回収手段3について、図2及び図3に基づいて説明す
る。
【0036】コアレッサーフィルター(以下、フィルタ
ーと略称する。)12は、原液が供給される原液配管1
3と連通して滞留槽11内に設けられている。また、滞
留槽11内の上側の所定位置にフロートスイッチ14が
設けられている。さらに、滞留槽11の底部にはある程
度油水分離された分離液が排出される分離液配管15が
連結されている。さらにまた、滞留槽11の上方には油
水分離された油が排出される排油配管16が連結されて
いる。
【0037】ここで、フィルター12の原理について、
図3に基づいて説明する。尚、図中矢印の方向は液の流
れを示している。
【0038】原液として、通常は、不安定な分散油が原
液配管13よりフィルター12を介して滞留槽11内に
供給される。このとき、油滴30Aがフィルター12内
に捕捉され、微小な油滴(例えば数〜数十μm)30A
が凝集し、大きな油滴(例えば数百μm)30Aとな
り、流れに沿って押出され、水と油との比重差によって
滞留槽11内において浮上する。
【0039】そして、図2に示すように浮上した油滴3
0Aは、滞留槽11の上方に溜っていき、油30と水3
1とが分離され、溜った油30によってフロートスイッ
チ14が作動することで、排油配管16に設けられた排
油弁17が開き、油30が排出される。
【0040】図1において、9は洗浄液が貯蔵され、被
洗浄物である油等が付着したワーク18が浸される洗浄
槽である。この洗浄槽9と浮上油回収手段3とは、配管
19と上記した原液配管13とで加圧ポンプ20を介し
て連結されている。
【0041】また、浮上油回収手段3の上流側には、モ
ジュール循環経路6と連結されている配管21が、加圧
ポンプ20の上流側である配管19を介して連結されて
いる。これにより、浮上油回収手段3には、加圧ポンプ
20にて油で汚れた洗浄液(原液)及びモジュール循環
経路6からの高濃度の油水が供給されることになる。
【0042】即ち、モジュール循環経路6と、配管21
と、配管19と、原液配管13と、分散液配管15にて
装置循環経路2が構成されている。
【0043】図1中22は、浮上油回収手段3に高濃度
の油水を供給する量を調整する流量調整弁である。
【0044】そして、装置循環経路2に加圧気体供給手
段5が接続されている。本実施例では、浮上油回収手段
3とモジュール循環経路6の間に接続されている。つま
り、モジュール循環経路6の上流側である分散液配管1
5に連結されている。
【0045】この加圧気体供給手段5は、図示しない加
圧気体供給源と、分離液配管15に連結される加圧気体
注入ノズル23と、モジュール循環経路6内に加圧気体
を注入する量を調整する加圧気体流量調整弁24とを備
えており、モジュール循環経路6内に微量注入するよう
にしている。
【0046】ここで、上記構成の油水分離装置1の作用
について説明する。
【0047】まず、原液は不安定な分散油であって、加
圧気体供給手段5を作動させていない場合について説明
する。
【0048】洗浄槽9内の油で汚れた洗浄液(原液;不
安定な分散油)は、加圧ポンプ20にて浮上油回収手段
3に供給され、微小な油滴30Aは、フィルター12を
通ることによって、大きな油滴30Aとなって押出さ
れ、油30と水31の比重差によって滞留槽11の上方
に浮上し、ある程度油水分離される(図2参照)。そし
て、浮上し、溜った油30は排油配管16を介して排出
される。
【0049】浮上油回収手段3である程度油水分離さ
れ、低濃度の油水が分離液配管15から循環ポンプ10
にて中空糸膜モジュール4に供給される。そして、中空
糸膜モジュール4によって上記したようにクロスフロー
でろ過され、油が含まない水(透過液)が得られ、この
透過液は透過液配管8を介して洗浄槽9に供給されて再
利用される。
【0050】このとき、モジュール循環経路6と配管1
9の間に連結される配管21に設けられている流量調整
弁22を完全に閉じて運転すると、モジュール循環経路
6内で油水が濃縮され濃度が経時的に上昇し、高濃度の
油水となる。そこで、流量調整弁22の開閉量を調整
し、加圧ポンプ20にて高濃度の油水を浮上油回収手段
3に供給し、上記したようにある程度油水分離して低濃
度となった油水を再び循環ポンプ10にて中空糸膜モジ
ュール4に供給して再度油水分離する。
【0051】このようにして、装置循環経路2にて油水
分離処理を繰り返す。
【0052】しかしながら、原液が超音波洗浄及び界面
活性剤洗浄の場合、油滴30Aが安定な乳化油となるた
め、浮上油回収手段3にて確実に油水分離されず、高濃
度の油水がモジュール循環経路6中に流れてしまい、中
空糸膜モジュール4の中空糸膜7の膜壁の内側表面に油
滴30Aが付着する量が増えて目詰まりが生じやすくな
り、透過流速が低下する。
【0053】また、フィルター12にあっては、超音波
洗浄により水31の中に分散された油滴30Aの場合、
油滴30Aは非常に小さく(例えば1〜数μm)、安定
な乳化油となり図4に示すようにフィルター12を素通
りしてしまい、比重差によって分離しやすい大きな油滴
30Aとすることができず、油水分離することが難し
く、時間がかかってしまい分離されていない高濃度の油
水が中空糸膜モジュール4側に流出することになる。
【0054】また、界面活性剤による洗浄の場合は、油
滴30A同士が付着しにくくなるので、超音波洗浄のと
きと同様に油滴30Aが素通りしてしまい、上記問題が
生じる。
【0055】そこで、上記構成の油水分離装置における
加圧気体供給手段5を作動させる。このときの作用を図
5に基づいて以下に説明する。
【0056】まず、加圧気体供給手段5の加圧気体流量
調整弁24を所定量開き、装置循環経路2途中であるモ
ジュール循環経路6の上流側の分離液配管15に接続さ
れている加圧気体注入ノズル23を介してモジュール循
環経路6内に所定量圧縮気体を注入する。
【0057】注入された圧縮気体は、図5(a)に示す
ように、モジュール循環経路6中において気泡32とな
って油水と共に細かく分散された状態となる。その後、
モジュール循環経路6内にてその分散液が図5(b)に
示すように、気泡32の界面における吸着現象により油
滴30Aが付着する。いわゆる起泡分離される。
【0058】この状態で、循環ポンプ10にてモジュー
ル循環経路6中で中空糸膜モジュール4を介して循環さ
れ、上記したように配管21の流量調整弁22を開くこ
とにより、気泡32に付着した油滴(以下、起泡油滴と
称す。)30Bが加圧ポンプ20にて原液配管13を介
して浮上油回収手段3に供給される。
【0059】起泡油滴30Bは、上記したように気泡3
2に油滴30Aが付着したものであるため、安定な乳化
油滴より大きくなり、浮上しやすくなり(図5(c)参
照)、短時間で油水分離が確実になされ、分離性能の向
上を図ることができる。
【0060】即ち、起泡油滴30Bが滞留槽11の上方
に溜って行き、その下方の低濃度となった処理液が循環
ポンプ10にて再びモジュール循環経路6中に供給され
中空糸膜モジュール4にて油水分離されることになる。
このように、浮上油回収手段3の分離性能が向上するこ
とから、中空糸膜モジュール4の中空糸膜7に対する負
荷が小さくなると共に、膜壁の内側表面に付着する油滴
30A等が減少し、膜透過量が増加することになり、透
過流束の向上を図ることができる。
【0061】一方、滞留槽11の上方に溜った起泡油滴
30Bは破砲され、排油配管16を介して排出される。
このとき、安定な乳化油滴に比べて起泡油滴30Bの方
が浮上する量が多くなるため、排出する油濃度が上昇し
排液量が減少するという効果も奏する。
【0062】加えて、起泡油滴30Bとして作用し得な
かった気泡32によって中空糸膜7の膜壁の内側表面に
付着した油滴30A,粒子等をはぎ取る作用を成すこと
から、中空糸膜7の洗浄を行うことができる。従って、
中空糸膜モジュール4の長寿命化をも図ることができ
る。
【0063】また、本実施例においては、浮上油回収手
段3にフィルター12を設けているので、このフィルタ
ー12にて起泡油滴30Bが捕捉されやすくなるため、
より一層の油水分離の分離性能の向上を図ることができ
る。
【0064】さらに、起泡油滴30Bとして作用し得な
かった気泡32によって油以外の粒子をはぎ取ることに
なり、フィルター12の表面が洗浄される。この洗浄効
果により、フィルター12の寿命を長くすることができ
る。
【0065】さらにまた、上記した効果は加圧気体供給
手段5を設けるだけで良いため、装置構成が複雑になら
ず、コストの低減化も図られる。
【0066】本実施例においては、加圧気体供給手段5
をモジュール循環経路6の上流側に設けているが、これ
は次の理由からである。
【0067】通常、中空糸膜モジュール4に流す流量
(モジュール循環経路6及び装置循環経路2からの流
量)はある程度大きい必要があり、浮上油回収手段3に
はなるべく少ない流量(装置循環経路2からの流量)を
流すのが良いので、モジュール循環経路6の方に圧縮気
体を注入した方が気泡32の分散性と気泡32と油滴3
0Aとの接触回数を多くとれ、起泡分離が多く行われる
からで、上記した各効果が良好に奏することができるか
らである。
【0068】従って、多少、気泡32の分散性及び気泡
32と油滴30Aの接触回数が少なくなるが、モジュー
ル循環経路6の下流側、即ち浮上油回収手段3の上流側
として例えば原液配管13に加圧気体注入ノズル23を
接続して加圧気体供給手段5を設けても良い。このとき
の作用を図6に基づいて説明する。
【0069】まず、加圧気体供給手段5の加圧気体流量
調整弁24を所定量開き、装置循環経路2途中である浮
上油回収手段3の上流側の原液配管13に接続されてい
る加圧気体注入ノズル23を介して装置循環経路2内に
圧縮気体が注入される。
【0070】注入された圧縮気体は、図6(a)に示す
ように、装置循環経路2中において気泡32となって油
水と共に分散された状態となる。その後、配管21を介
してモジュール循環経路6からの処理液を含めた油水が
浮上油回収手段3に加圧ポンプ20にて供給され、図6
(b)に示すように、滞留槽11内にて気泡32の界面
における吸着現象により油滴30Aが付着する。いわゆ
る起泡分離される。
【0071】このように、気泡32に油滴30Aが付着
した起泡油滴30Bは、安定な乳化油滴より大きくな
り、浮上しやすくなるため、短時間で油水分離が確実に
なされ、分離性能の向上を図ることができる。
【0072】その他の作用は、上記した実施例と同一な
ので、その説明は省略する。
【0073】もちろん、上記加圧気体供給手段5の作動
は、安定した乳化油の場合に限るものではなく、不安定
な分散油の場合でも同様に適用することができる。
【0074】さらに、上記実施例では浮上油回収手段3
と膜利用型油水分離手段としての中空糸膜モジュール4
とを組み合わせた油水分離装置を例にとって説明した
が、膜利用型油水分離手段のみの油水分離装置の油水の
循環経路中に加圧気体供給手段を設けるものでも良い。
【0075】この場合の効果は、上記したもののうち膜
利用型油水分離手段に係るものに限る。
【0076】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明にあって
は、油水の循環経路内に加圧気体を供給する加圧気体供
給手段を設けたので、供給された圧縮気体は循環経路内
において気泡となり分散され、この気泡によって膜利用
型油水分離手段の膜面に付着した油等をはぎ取ることが
できることから、膜面が洗浄されることになり、膜利用
型油水分離手段の透過流束の向上を図ることができると
共に、長寿命化を図ることができる。
【0077】また、油水の第1循環経路中の前段に浮上
油回収手段を後段に膜利用型油水分離手段を組み合わせ
た場合において、第1循環経路内に加圧気体を供給する
と、供給された圧縮気体は第1循環経路内において気泡
となり分散されるので、第1循環経路及び浮上油回収手
段内で、気泡の界面に油滴が吸着することになり(起泡
分離)、油滴が大きくなる。
【0078】そのため、浮上油回収手段において浮上し
やすくなり、短時間で分離されることになり、分離性能
の向上を図ることができる。
【0079】これにより、第1循環経路中の後段の膜利
用型油水分離手段には低濃度の油水が流れることになる
ので、膜に対する負荷が小さくなり、より膜利用型油水
分離手段の透過流束の向上を図ることができると共に、
長寿命化を図ることができる。
【0080】また、第1循環経路中の後段に設けられた
第2循環経路においては流れる量が多くなるため、その
上流側に加圧気体を供給すると、気泡の分散性及び気泡
と油滴との接触回数を多くとれるので、起泡分離が多く
行われることになり、浮上油回収手段の分離性能がより
向上する。
【0081】さらに、浮上油回収手段にフィルターを設
けることで、起泡分離されて大きくなった油滴が捕捉さ
れやすくなるので、より一層の分離性能の向上を図るこ
とができる。
【0082】さらにまた、上記した効果は加圧気体供給
手段を設けるだけで良いため、装置構成が複雑になら
ず、コストの低減化も図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る油水分離装置の
概略構成図である。
【図2】図2は浮上油回収手段の概略構成図である。
【図3】図3はコアレッサーフィルターの原理を説明す
る模式図である。
【図4】図4は安定な乳化油の場合のコアレッサーフィ
ルターの作用を説明する模式図である。
【図5】図5はモジュール循環経路の上流側に加圧気体
供給手段を設けた場合の起泡分離の作用を説明する模式
図である。
【図6】図6はモジュール循環経路の下流側に加圧気体
供給手段を設けた場合の起泡分離の作用を説明する模式
図である。
【図7】図7は従来の油水分離装置の概略構成図であ
る。
【図8】図8はフィルターを有していない浮上油回収手
段の作用を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 油水分離装置 2 油水分離装置循環経路(第1循環経路) 3 浮上油回収手段 4 中空糸膜モジュール(膜利用型油水分離手段) 5 加圧気体供給手段 6 中空糸膜モジュール循環経路(第2循環経路) 7 中空糸膜 8 透過液配管 9 洗浄槽 10 循環ポンプ 11 滞留槽 12 コアレッサーフィルター(フィルター) 13 原液配管 14 フロートスイッチ 15 分離液配管 16 排油配管 17 排油弁 18 ワーク 19,21 配管 20 加圧ポンプ 22 流量調整弁 23 加圧気体注入ノズル 24 加圧気体流量調整弁 30 油 30A 油滴 30B 起泡油滴 31 水 32 気泡

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油水の循環経路と、 該循環経路中に設けられた膜利用型油水分離手段と、 を備えた油水分離装置において、 前記循環経路内に加圧気体を供給する加圧気体供給手段
    を設けたことを特徴とする油水分離装置。
  2. 【請求項2】 油水の第1循環経路と、 該第1循環経路中の前段に設けられた浮上油回収手段
    と、 前記第1循環経路中の後段に設けられた第2循環経路
    と、 該第2循環経路中に設けられた膜利用型油水分離手段
    と、 を備えた油水分離装置において、 前記第1循環経路内に加圧気体を供給する加圧気体供給
    手段を設けたことを特徴とする油水分離装置。
  3. 【請求項3】 前記加圧気体供給手段を前記第2循環経
    路の上流側に設けたことを特徴とする請求項2に記載の
    油水分離装置。
  4. 【請求項4】 前記浮上油回収手段はフィルターを有す
    ることを特徴とする請求項2又は3に記載の油水分離装
    置。
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