JP2643079B2 - 自動停止サイフォン式自然ろ過装置 - Google Patents

自動停止サイフォン式自然ろ過装置

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JP2643079B2 JP24798993A JP24798993A JP2643079B2 JP 2643079 B2 JP2643079 B2 JP 2643079B2 JP 24798993 A JP24798993 A JP 24798993A JP 24798993 A JP24798993 A JP 24798993A JP 2643079 B2 JP2643079 B2 JP 2643079B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下水などに含まれる
懸濁浮遊物をろ層によりろ過するとともに、ろ層に予め
増殖担持された鉄バクテリアの作用を利用して、地下水
に含まれる鉄、マンガン成分を除去するための自然ろ過
装置、特に、自動停止サイフォン式自然ろ過装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】地下水
は良好な水資源であるが、その原水には、鉄、マンガン
濃度が高い場合が多く、当該地下水を浄水とするために
は、厚生省の基準値を満足する必要があることも考慮し
て、これらの鉄、マンガン成分を除去する必要がある。
【0003】そのため、従来より、例えば、レプトスリ
ックス(Leptothrix)、スファエロチルス(Sphaerotilus)
など、地下水に多く生息し、かつ、鉄酸化能、マンガン
酸化能を併せ持つ鉄バクテリアの利用が提唱され(「環
境技術」、Vol.21, No.2, 1992) 、種々の自然ろ過装置
が実用化されている(例えば、特開平1−266897
号など)。
【0004】一般的にこの種の装置は、ろ過槽内に配設
した、砂利層、水道用基準ろ砂、及びアンスラサイトな
どの粒状媒体を充填してろ層(ろ材)を形成し、地下水
などの原水をろ過槽上方より下向流で通水することによ
って、原水中に含まれる懸濁浮遊物をろ層上部に懸滞し
除去するとともに、ろ層に予め増殖担持された鉄バクテ
リアの作用によって、原水中に含まれる鉄、マンガン成
分を除去し、ろ層を通過して浮遊懸濁物が除去され、か
つ鉄、マンガン成分が除去された処理水を、ろ過槽下方
より集水するように構成されている。
【0005】ところで、この種の装置を用いて、ろ過を
一定時間行った場合には、ろ過の継続により、原水中に
含まれるバクテリアを主体とする懸濁浮遊物がろ層上部
に懸滞し堆積することによって膜化することとなり、そ
のため、損失水頭が漸次増加するとともに、目詰まりが
発生してろ過効果が低下することとなり好ましくなかっ
た。
【0006】この問題を解消するため、従来より、ろ層
下方より洗浄水若しくは空気をろ層に導入して、ろ層表
面に蓄積した懸濁物を除去することが行われている。し
かしながら、上記濁質はろ層表面に膜化、マッドボール
化し、かつ粘着性を有するために、通常実施されている
逆流洗浄では除去しきれないことがあった。
【0007】そのために、従来より、いわゆる「表面洗
浄」が実施されているが、この方法は、図4に示したよ
うに、ろ過槽の上方の上部フリーボード部に、相互に一
定間隔に離間した複数の排水トラフを架設するととも
に、排水トラフ間において、表面洗浄装置をろ層上方に
配設し、原水を排水トラフの天端まで排出して、ろ層上
部に懸滞した濁質層を表面洗浄装置のノズルより水中に
おいて噴出される水噴射によって破砕し、洗浄すること
が行われている。
【0008】しかしながら、このような水中における水
噴射では、ろ層上部に懸滞した濁質層を破砕し除去する
には、その剪断力が不足して不十分な場合があり、その
ため、懸濁物の粘着性からマッドボールの発生等があ
り、ろ過効果の低下した状態で操業を再開することとな
り好ましくなかった。
【0009】そこで、本発明者等は、ろ過槽より原水を
排出して、ろ層の表面を露出(曝露)することにより、
ろ層上方に配設した表面洗浄装置のノズルより空中にお
いて噴出される水噴射を介して、ろ層上面に懸滞した濁
質層を破砕し、洗浄することが可能なことを知見し、当
該方法をいわゆる「ダイレクト表洗」と称して発明した
ところである。
【0010】ところで、当該方法において、ダイレクト
表洗を実施するために、ろ過槽より原水を排出して、ろ
層の表面を露出する際に、ろ層表面より下方に原水を排
出しすぎた場合、ろ層の内部に空気が混入することとな
る。従って、ダイレクト表洗が終了した後に、再びろ過
工程を実施する場合に、当該残留空気によってろ過効果
を阻害することとなるために、ダイレクト表洗を実施す
る際には、排水を水位がろ層表面下100〜200mm
程度になるように停止することが好ましい。このよう
な、排水手段としては、圧力検知、電極による検知する
ことなどが考えられが、例えば、前者の場合には圧力と
水位が正確に対応せず、また、後者の場合には電極が、
ろ層の表面に懸滞した蓄積した濁質層の膜などのために
短絡することなどがあり、その制御が正確ではなく、排
水水位の停止を完全にモニターすることは困難であっ
た。
【0011】また、ダイレクト表洗を実施するための排
水の際には、排水に従って水位が下がるにつれて、ろ層
の表面に懸滞した蓄積した濁質層の膜などによるろ抗に
より、安定した排水が確保されないことがあるため、こ
のことも排水水位の停止を完全にモニターすることの困
難の一因となっていた。
【0012】本発明は、このような現状に鑑み発明なさ
れたものであって、ダイレクト表洗を実施する際の排水
の際に、ろ層の表面に懸滞した蓄積した濁質層の膜など
によるろ抗の大小にかかわらず、安定的に排水が可能
で、かつ排水後の水位がろ層表面下100〜200mm
程度になるように正確に停止することができる、「ダイ
レクト表洗」を実施するための自然ろ過装置を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術における課題ならびに目的を達成するために発明な
されたものであって、下記の構成をその要旨とする。
【0014】(1)ろ過槽内の底部に配設した支持体で
ある有孔ブロック上方に、砂利層、水道用基準ろ砂、及
びアンスラサイトなどの粒状媒体を充填してろ層を形成
し、原水をろ過槽上方より下向流で通水することによっ
て、原水中に含まれる懸濁浮遊物がろ層上部に懸滞し除
去されるとともに、ろ層に予め増殖担持された鉄バクテ
リアの作用によって、原水中に含まれる鉄、マンガン成
分が除去された処理水を前記有孔ブロックを介してろ過
槽下方より集水するように構成し、前記ろ層上部に懸滞
した濁質層を水噴射によって洗浄するために、表面洗浄
装置をろ層上方に配設した自然ろ過装置において、ろ過
槽内の原水を排出して、前記ろ層上部に懸滞した濁質層
を水噴射によって空気中で直接に破砕・洗浄・除去する
ダイレクト表洗を実施するために、前記ろ過槽底部近傍
にダイレクト表洗水抜用の管路を配設するとともに、当
該ダイレクト表洗水抜用管路にダイレクト表洗水抜用の
サイフォン管を接続したことを特徴とする自然ろ過装
置。
【0015】(2)前記ダイレクト表洗水抜用のサイフ
ォン管の上端位置が、ろ層の上面より下方に位置するこ
とを特徴とする前述の(1)に記載の自然ろ過装置。
【0016】(3)前記ダイレクト表洗水抜用のサイフ
ォン管の上端に、サイフォン管内部に空気を導入して、
前記サイフォン管内を通過する水の流れを停止するため
の空気流入装置を接続したことを特徴とする前述の
(1)又は(2)に記載の自然ろ過装置。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の自然ろ過装置について、添
付図面に基づいてより詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の自然ろ過装置全体の概略
図であり、図2は、左半分が中間平断面図で、右半分が
底部平断面図を示している。
【0019】自然ろ過装置1は、基本的には、いわゆる
「開放型サイフォンろ過装置」であり、ろ過機構及び表
洗機構は、従来の「開放型重力式ろ過池」の機構を採用
し、その操作方法として簡単なサイフォン管を用いて全
自動化したものである。また、自然ろ過装置1は、ろ過
の継続に伴うろ抗(目詰まり抵抗)に応じて、ろ過室の
一次側水位が上昇する自己平衡型の重力式定速ろ過設備
であって、負圧の発生がなく、常に安定したろ過水が得
られる構造となっている。
【0020】具体的には、図1〜図5に示したような下
記の構成となっている。
【0021】図1において、10は流入槽であり、自然
ろ過装置1に供給されて流入する地下水などの原水を整
流し、流入水量を均等分配して、各ろ過室20,20へ
供給するためのものである。そして、この流入槽10よ
り供給管12,12を介して均等分配された原水をろ過
するために、(図1に対して前後方向に)並列的に複数
個、ろ過室20が設けられている(図2参照)。
【0022】また、ろ過室20は、ろ過槽22とガリッ
ト28より構成されており、図1及び図4に示したよう
に、ろ過槽22内の底部には、特公昭60−13724
号公報に開示されるような、いわゆる「有孔ブロック」
を並列的に組み合わせて用いて支持体となした有孔ブロ
ック24が配設され、均一な集配水が行えるようになっ
ている。そして、この有孔ブロック24の上方に、ろ層
26が形成されており、これは、砂利層26a、上質の
水道用基準ろ砂26b、及びアンスラサイト26cなど
の粒状媒体を充填してろ層26を形成したものである。
【0023】さらに、ろ過槽22の上部フリーボード部
には、図3及び図4に示したように、相互に一定間隔離
間して架設された複数の樋状の排水トラフ29,29が
設けられている。この排水トラフ29は、流入水による
衝撃により、ろ層26表面の乱れを防止するための他、
後述するような洗浄排水を均一に集水、排出する機能を
有するものである。
【0024】また、排水トラフ29,29の各間隙に
は、図3及び図4に示したように、それぞれ表面洗浄装
置25の導管25dの分岐管25a,25aが配設され
ており、各分岐管25aには、排水トラフ29の長手方
向に沿って複数個、一定間隔離間して配設され、排水ト
ラフより下方に位置するように、それぞれ一組の表洗ノ
ズル25c,25cが取付けられている。この表洗ノズ
ル25c,25cは、ろ過槽22内の水位をろ層26下
まで下げた状態で行う「ダイレクト表洗」の際に、ろ層
26表面付近を深部まで、均一に全体にわたって洗浄で
きるようにするためのものである。
【0025】さらに、図1及び図2に示したように、ろ
層26を通過してろ過され水は、有孔ブロック24を介
して集水槽30に集水されるようになっている。なお、
集水槽30は、各ろ過槽22に対応して、複数個並列的
に設けられている。この集水槽30において集水された
ろ過水は、集水槽30の上部に接続されたろ過サイフォ
ン管90を介して連通された浄水槽40に流入するよう
になっている。なお、浄水槽40は、全てのろ過槽22
に共通の単独の浄水槽40となっている。そして、各集
水槽30より浄水槽40に集水・合流されたろ過水は、
浄水槽40に設けられた浄水槽出口の堰42を越えて浄
水補助槽43の下方に設けられた浄水回収経路44によ
り回収されて塩素注入の後浄水として使用されることと
なる。
【0026】一方、集水槽30の上部には、逆U字形状
の逆洗サイフォン管100が接続されており、その他端
が、集水槽30の上方に設けられた逆洗水貯槽70内に
配設されている。この逆洗サイフォン管100は、逆洗
水貯槽70内に貯留されている水を利用して、ろ層26
の洗浄を行うために、洗浄水を逆洗水貯槽70から、集
水槽30へ送り込むためのものである。また、この逆洗
サイフォン管100にはその上端部に逆洗流量調節器
(ダンパー)110が接続されており、この逆洗流量調
節器110を調節することによって、通過面積を変える
ことにより逆洗時の流量を調節することが可能なように
なっている。なお、この逆洗水貯槽70は、全てのろ過
槽22に共通の単独の逆洗水貯槽70となっている(図
2参照)。
【0027】また、前述のろ過サイフォン管90から分
岐して、捨水サイフォン管120が設けられ、捨水槽6
0と集水槽30が連通されている。これは、逆洗直後の
不安定な水質のろ過水を、捨水サイフォン管120を介
して、捨水槽60へと排出するためのものである。な
お、この捨水槽60も、全てのろ過槽22に共通の単独
の捨水槽60となっている(図2参照)。
【0028】さらに、前述の浄水槽40内には、補給水
ポンプ170が配設されており、管路172を介して逆
洗水貯槽70に接続されている。これは、逆洗用の逆洗
水を予め逆洗水貯槽70に貯留させておくためのもので
ある。また、浄水槽40内には、表洗ポンプ160が配
設れており、管路162を介して、前述した表面洗浄装
置25の導管25dに接続されており、表洗用の洗浄水
を供給するように構成されている。
【0029】一方、ろ過室20のガリット28の下端に
は、排水弁28aが設けられており、流入槽10の下方
に設けられた排水槽50に、原水などの水が排水される
ようになっている。なお、この排水槽50も、全てのろ
過槽22に共通の単独の排水槽50となっている(図2
参照)。
【0030】また、ろ過槽22の底部には、ダイレクト
表洗水抜用の管路132を配設するとともに、該ダイレ
クト表洗水抜用管路132に、逆U字形状のダイレクト
表洗水抜サイフォン管130が接続されており、その他
端が排水槽50に到っている。このダイレクト表洗水抜
サイフォン管130の上端位置が、ろ層26の上面より
ろ層表面下100〜200mm程度の下方に位置するよ
うにしてある。従って、ダイレクト表洗を実施する際の
排水の際に、ろ層の表面に懸滞した蓄積した濁質層の膜
などによるろ抗の大小にかかわらず、サイフォンにより
ろ過室20の水位と排出槽50の下端との水位差が有効
に利用でき、安定的に排水が可能となるようにしてい
る。また、ダイレクト表洗水抜サイフォン管130の上
端に、サイフォン管内部に、当初サイフォンが切れない
程度少量の空気を導入して、水位差が漸減してサイフォ
ン管内の流速が下がると流入する空気が流速により排除
されなくなり、サイフォン管130内を通過する水の流
れを停止するようにした空気流入装置134を接続して
いる。そのため、排水後の水位がろ層26表面下100
〜200mm程度になるように正確に停止することがで
きるように構成されている。
【0031】このように構成される本発明の自然ろ過装
置の作動について、図5〜図14、特に、図15の作動
状態を示すブロック図に基づいて詳細に説明する。 な
お、図5〜図14では、水の状態を示すために、水が存
在する部分を少し暗く示している。
【0032】(1)ろ過工程(図5参照) 先ず、流入槽10より供給管12,12を介して均等分
配された原水は、ろ過室20内に流入して、上部フリー
ボード部に設けられた排水トラフ29,29を介してろ
過槽22へ流入して、ろ層26を通過する間に、濁度成
分である懸濁浮遊物が除去され、ろ層26上部に懸滞す
るとともに、鉄バクテリアの作用によって、原水中の
鉄、マンガンを酸化除去されるようになっている。
【0033】一方、ろ層26を通過してろ過されたろ過
水は、有孔ブロック24を介して、集水槽30に集水さ
れ、集水槽30の上部に接続されたろ過サイフォン管9
0を介して、浄水槽40に流入し、浄水槽40に設けら
れた浄水槽出口の堰42を越えて浄水補助槽43の下方
に設けられた浄水回収経路44により回収されて、塩素
注入の後、浄水として使用される。
【0034】さらに、ろ過の継続によって、ろ層26上
面に懸濁浮遊物が懸滞して、損失水頭が漸次増加するこ
ととなり、それに伴ってろ過室20内の水位が徐々に上
昇することとなる。そのため、一定期間ろ過を継続した
後には、下記の洗浄工程、特に、「表洗工程」が必要と
なる。
【0035】(2)洗浄工程 ろ過水抜工程(図6参照) 前述のように、ろ過室20内の損失水頭が増加して、一
定のレベルに達した場合に、流入分配弁14を閉じ、ろ
過水抜き、すなわち、ろ過サイフォン管90は作動して
おり、上述のろ過工程は継続されており、前述のろ過だ
けが実施されることとなる。このろ過水抜の目的は、ろ
層26上部に貯留された原水を有効利用することで、排
水量の減少を図るためである。
【0036】 水抜工程(図7参照) 前述のろ過水抜によって、ある程度、ろ層26上部の水
位が降下した後、ろ過サイフォン管90のサイフォンブ
レーク弁91を開いて、ろ過サイフォン管90の水流を
停止(ブレーク)させて、ろ過室20のガリット28の
下端に設けられた排水弁28aを開いて、排水槽50
に、原水を排水し、ろ過室20内の水位を排水トラフ2
9の天端まで水抜を実施する。
【0037】 ダイレクト表洗水抜工程(図8参照) 水抜工程終了後、ろ過槽22の底部のダイレクト表洗水
抜弁133を開いて、ろ層26を介して浄化されたろ過
水を、ダイレクト表洗水抜用の管路132を介して、ダ
イレクト表洗水抜サイフォン管130を経て、排水槽5
0に排水する。
【0038】この際、このダイレクト表洗水抜サイフォ
ン管130の上端位置が、ろ層26の上面よりろ層表面
下100〜200mm程度の下方に位置するようにして
あるために、排水の際に、ろ層の表面に懸滞した蓄積し
た濁質層の膜などによるろ抗の大小にかかわらず、安定
的に排水が可能となる。また、、ダイレクト表洗水抜サ
イフォン管130の上端に設けられた空気流入装置13
4より、サイフォン管内部にサイフォンが切れない程度
少量の空気を導入して、水位差が漸減してサイフォン管
内の流速が下がると流入する空気が流速により排除され
なくなりサイフォンがブレークし、サイフォン管130
内を通過する水の流れを停止し、それによって、排水後
の水位がろ層26表面下100〜200mm程度になる
ように正確に停止される。
【0039】 ダイレクト表洗工程(図9参照) 前述のダイレクト表洗水抜工程が終了した後、浄水槽4
0内に配設された表洗ポンプ160を作動させて、表洗
弁164を開き、管路162を介して、表面洗浄装置2
5の導管25d、各分岐管25aに、表洗用の洗浄水を
供給する。そして、排水トラフ29の長手方向に沿って
複数個、一定間隔離間して配設された表洗ノズル25c
より、洗浄水が噴出されて、ろ層26表面の濁質層を空
中にて、均一に全体にわたって、破砕、洗浄して、濁質
層が除去される。
【0040】 表逆洗工程(図10参照) ダイレクト表洗工程が終了した後、上記表洗工程を継続
した状態で、逆洗サイフォン管100を作動させて、逆
洗水貯槽70内に貯留されている水を逆洗水として、逆
洗水貯槽70から、集水槽30へ送り込み、ろ過槽22
の底部の有孔ブロック24を介して、逆洗水を噴出させ
てろ層26の洗浄を行う。
【0041】このように、上方よりの表洗、下方よりの
逆洗を同時に実施することによって、相乗効果によって
効率良くかつ効果的にろ層26の洗浄(特に、ろ層26
の上面の濁質層膜の除去、及びろ層26の目詰まりの洗
浄)が可能となる。
【0042】なお、この際、ろ過槽22より溢れ出る洗
浄汚水は、排水トラフ29を介して、ろ過室20のガリ
ット28の下端に設けられた排水弁28aを経て、排水
槽50に排水される。
【0043】 逆洗工程(図11参照) 上記表逆洗工程を一定時間実施した後に、表洗弁164
を閉じて、表洗ポンプ160を停止して、逆洗サイフォ
ン管100を作動させた状態にして、逆洗のみを実施す
る。この際、のダイレクト表洗工程、の表逆洗工程
により、ろ砂より完全に剥離した濁質成分が、この工程
によって、ろ過槽22より溢れ出る洗浄汚水として、排
水トラフ29を介して、ろ過室20のガリット28の下
端に設けられた排水弁28aを経て、排水槽50に排水
される。
【0044】 水張工程(図12参照) 前述した一連の洗浄工程の終了後に、排水弁28a、及
び逆洗サイフォン管100を停止するとともに、流入分
配弁14を開いて、流入槽10より供給管12を介し
て、ろ過室20内に原水を供給して、排水トラフ29の
天端まで水張りを実施し、次の工程であるろ過工程に移
行する準備を行う。
【0045】但し、この時には、ろ過サイフォン管90
は非作動状態を維持したままである。
【0046】 捨水工程(図13参照) 洗浄工程の最終段階として、ろ層26中に残存する洗浄
排水がろ過水に混入しないように、捨水サイフォン管1
20を起動させる。これによって、一定時間、逆洗直後
の不安定な水質のろ過水を、捨水サイフォン管120を
介して、捨水槽60へと排出する。
【0047】 補給水工程(図14参照) 洗浄工程は、前述のの捨水工程で終了し、ろ過サイフ
ォン管90を起動させて、集水槽30よりろ過サイフォ
ン管90を介して、浄水槽40に流入し、回収されて塩
素注入の後、浄水として使用される。その後、(1)の
ろ過工程に進み、一連のサイクルが繰り返されるように
なっている。しかし、このろ過工程の間、次回の逆洗用
洗浄水を確保し、予め逆洗水貯槽70に貯留させておく
ために、補給水ポンプ170を作動させて、浄水槽40
内のろ過水の一部を管路172を介して、逆洗水貯槽7
0に供給して、逆洗水貯槽70に洗浄用水が満たされた
状態で補給水ポンプ170を停止する。
【0048】
【発明の作用・効果】本発明の自然ろ過装置において
は、ろ過槽内の原水を排出して、ろ層上部に懸滞した濁
質層を水噴射によって空気中で直接に破砕・洗浄・除去
するダイレクト表洗を実施するために、ろ過槽底部近傍
にダイレクト表洗水抜用の管路を配設するとともに、該
ダイレクト表洗水抜用管路にダイレクト表洗水抜用のサ
イフォン管を接続し、ダイレクト表洗水抜用のサイフォ
ン管の上端位置が、ろ層の上面より下方に位置するよう
にし、さらに、ダイレクト表洗水抜用のサイフォン管の
上端に、サイフォン管内部に空気を導入して、前記サイ
フォン管内を通過する水の流れを停止するための空気流
入装置を接続したので、(1)ダイレクト表洗を実施す
る際の排水の際に、ろ層の表面に懸滞した蓄積した濁質
層の膜などによるろ抗の大小にかかわらず、安定的に排
水が可能である、(2)特に、ダイレクト表洗水抜用の
サイフォン管の上端に、サイフォン管内部に空気を導入
して、前記サイフォン管内を通過する水の流れを停止す
るための空気流入装置を接続したので、排水後の水位が
ろ層表面下100〜200mm程度になるように正確に
停止することができる、(3)そのため、ろ層表面より
下方に原水を排出しすぎず、ろ層の内部に空気が混入す
ることなく、再びろ過工程を実施する場合に、当該残留
空気によってろ過効果を阻害することがない、(4)ろ
過槽より原水を排出して、ろ層の表面を空気中に露出
(曝露)し、ろ層上方に配設した表面洗浄装置のノズル
より空中において噴出される水噴射を介して、ろ層上面
に懸滞した濁質層を破砕し、洗浄することが確実に効率
良く実施できる、等の幾多の作用効果を奏する優れた発
明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の自然ろ過装置全体の概略図
である。
【図2】 図2は、本発明の自然ろ過装置の平断面図で
あり、左半分が中間平断面図で、右半分が底部平断面図
を示している。
【図3】 図3は、本発明の自然ろ過装置のろ過室の上
面図である。
【図4】 図4は、本発明の自然ろ過装置のろ過室の縦
断面図である。
【図5】 図5は、本発明の自然ろ過装置の作動状態の
ろ過工程を示す図1と同様な図である。
【図6】 図6は、本発明の自然ろ過装置の作動状態の
ろ過水抜工程を示す図5と同様な図である。
【図7】 図7は、本発明の自然ろ過装置の作動状態の
水抜工程を示す図5と同様な図である。
【図8】 図8は、本発明の自然ろ過装置の作動状態の
ダイレクト表洗水抜工程を示す図5と同様な図である。
【図9】 図9は、本発明の自然ろ過装置の作動状態の
ダイレクト表洗工程を示す図5と同様な図である。
【図10】 図10は、本発明の自然ろ過装置の作動状
態の表逆洗工程を示す図5と同様な図である。
【図11】 図11は、本発明の自然ろ過装置の作動状
態の逆洗工程を示す図5と同様な図である。
【図12】 図12は、本発明の自然ろ過装置の作動状
態の水張工程を示す図5と同様な図である。
【図13】 図13は、本発明の自然ろ過装置の作動状
態の捨水工程を示す図5と同様な図である。
【図14】 図14は、本発明の自然ろ過装置の作動状
態の補給水工程を示す図5と同様な図である。
【図15】 図15は、本発明の自然ろ過装置の作動状
態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…自然ろ過装置 10…流入槽 12…供給管 14…流入分配弁 20…ろ過室 22…ろ過槽 24…有孔ブロック 25…表面洗浄装置 25a…分岐管 25c…表洗ノズル 25d…導管 26…ろ層 26a…砂利層 26b…水道用基準ろ砂 26c…アンスラサイト 28…ガリット 28a…排水弁 29…排水トラフ 30…集水槽 40…浄水槽 42…堰 43…浄水補助槽 44…浄水回収経路 50…排水槽 60…捨水槽 70…逆洗水貯槽 90…ろ過サイフォン管 91…サイフォンブレーク弁 100…逆洗サイフォン管 110…逆洗流量調節器(ダンパー) 120…捨水サイフォン管 130…ダイレクト表洗水抜サイフォン管 132…ダイレクト表洗水抜用管路 133…ダイレクト表洗水抜弁 134…空気流入装置 160…表洗ポンプ 162…管路 164…表洗弁 170…補給水ポンプ 172…管路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろ過槽内の底部に配設した支持体である
    有孔ブロック上方に、砂利層、水道用基準ろ砂、及びア
    ンスラサイトなどの粒状媒体を充填してろ層を形成し、
    原水をろ過槽上方より下向流で通水することによって、
    原水中に含まれる懸濁浮遊物がろ層上部に懸滞し除去さ
    れるとともに、ろ層に予め増殖担持された鉄バクテリア
    の作用によって、原水中に含まれる鉄、マンガン成分が
    除去された処理水を前記有孔ブロックを介してろ過槽下
    方より集水するように構成し、 前記ろ層上部に懸滞した濁質層を水噴射によって洗浄す
    るために、表面洗浄装置をろ層上方に配設した自然ろ過
    装置において、 ろ過槽内の原水を排出して、前記ろ層上部に懸滞した濁
    質層を水噴射によって空気中で直接に破砕・洗浄・除去
    するダイレクト表洗を実施するために、 前記ろ過槽底部近傍にダイレクト表洗水抜用の管路を配
    設するとともに、当該ダイレクト表洗水抜用管路にダイ
    レクト表洗水抜用のサイフォン管を接続したことを特徴
    とする自然ろ過装置。
  2. 【請求項2】 前記ダイレクト表洗水抜用のサイフォン
    管の上端位置が、ろ層の上面より下方に位置することを
    特徴とする請求項1に記載の自然ろ過装置。
  3. 【請求項3】 前記ダイレクト表洗水抜用のサイフォン
    管の上端に、サイフォン管内部に空気を導入して、前記
    サイフォン管内を通過する水の流れを停止するための空
    気流入装置を接続したことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の自然ろ過装置。
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