JPH082791B2 - 健忘症治療剤 - Google Patents

健忘症治療剤

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JPH082791B2
JPH082791B2 JP19074989A JP19074989A JPH082791B2 JP H082791 B2 JPH082791 B2 JP H082791B2 JP 19074989 A JP19074989 A JP 19074989A JP 19074989 A JP19074989 A JP 19074989A JP H082791 B2 JPH082791 B2 JP H082791B2
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淳 古川
忠 芳本
大典 鶴
幸義 味澤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は健忘症治療剤に関するものである。
さらに詳しく述べれば、本発明はプロリルエンドペプ
チターゼ(Prolyl Endopeptidase、以下PEPという)阻
害活性を有する一般式 (式中のArはフェニル基またはフェノキシ基であり、n
は1〜5の整数であり、Xは−0−または−NH−であ
り、Rは窒素原子、硫黄原子または酸素原子のうち1つ
ないし2つを含んでいる5員環の飽和または不飽和異項
環基)で表されるチアゾリジン化合物またはその薬理学
的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴
とする健忘症治療剤を提供するものである。
〔従来の技術〕
人工の高齢化に伴って老人医療の問題が重要視されて
きている。なかでも老人性痴呆は社会的にも深刻な問題
であることから効果的な治療剤の早急な開発が望まれて
いる。
これまで健忘症や痴呆等の治療剤としては、脳血管拡
張作用などによる脳循環改善剤、脳細胞酸素消費量亢進
作用などによる脳代謝賦活剤等が用いられている。しか
しながら、これらの薬剤は脳血管障害による痴呆には有
効であるが、その他の原因による痴呆には効果が確実で
ないことが難点とされていた。
PEPはプロリンを含む生理活性ペプチドや合成基質に
作用し、プロリンのカルボキシル側を特異的に切断する
酵素として知られている。この酵素は記憶と関係がある
とされているバゾプレシン(Vasopressin)やサイロト
ロピン放出ホルモン(Thyrotropin Releasing Hormone,
TRH)等を分解することから、この酵素の阻害活性と抗
健忘効果の関連性について種々検討が行われ、その結
果、PEP阻害剤は痴呆や健忘の治療剤となり得ることが
示唆されている(生化学、55巻、8号、831ページ、198
3年)。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来より健忘症や痴呆症治療剤として用いられている
脳循環改善剤や脳代謝賦活剤はあまり効果が確実でない
ことから、新しい作用による健忘症治療剤の開発が望ま
れていた。
本発明者らは従来の治療剤とは別の作用による健忘症
治療剤を見出すべく検討した結果、ある種のチアゾリジ
ン誘導体が強いPEP阻害活性を示し、目的が達成できる
ことを見出した。
本発明はこれらの知見に基づくものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の前記一般式(I)で表されるチアゾリジン化
合物は強いPEP阻害活性を示し、毒性も低く、健忘症治
療剤として有用である。
本発明の前記一般式(I)においてRは窒素原子、酸
素原子、硫黄原子のうち1つないし2つを含んでいる5
員環の飽和または不飽和異項環基であり、例えば2−ピ
ロリジニル、4−チアゾリジニル、2−オキソ、−5−
ピロリジニル、2−チエニル、2−フリル基などをあげ
ることができる。
本発明の前記一般式(I)の化合物は以下のようにし
て製造することができる。例えば、一般式 R−COOH (II) (式中のRは前記と同じ意味をもつ)で表されるカルボ
ン酸またはその反応性官能的誘導体と、一般式 (式中のAr、n、Xは前記と同じ意味をもつ)で表され
る化合物を反応させることにより製造することができ
る。
ここで、一般式(II)で表される化合物において、ア
ミノ基を保護しておく必要がある場合は、常法に従って
そのアミノ基を適当なアミノ保護基、例えばt−ブトキ
シカルボニル基で保護した後、一般式(III)の化合物
と反応させ、ついでアミノ保護基を除去して目的の化合
物(I)を得る。
本発明の製造方法において、出発の原料として用いら
れる一般式(II)および(III)の化合物は、市販品と
して入手できるかあるいは文献記載の方法により容易に
製造することができる。
本発明の一般式(I)の化合物を製造するにあたり、
一般式(II)のカルボン酸と一般式(III)で表される
化合物とを反応させる場合は縮合剤および塩基の存在下
に反応を行うが、このとき使用される縮合剤としては、
ペプチド合成において一般に用いられる縮合剤、例えば
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−エトキ
シカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジハイドロキノリ
ンなどがあげられ、塩基としてはトリエチルアミンなど
があげられる。
本発明の一般式(I)の化合物の製造方法にあたり、
一般式(II)で表されるカルボン酸の反応性官的能誘導
体と一般式(III)で表される化合物とを反応させる場
合は、塩基の存在下で反応を行うが、一般式(II)の化
合物の反応性官能的誘導体としては、酸ハロゲン化物、
酸無水物、混合酸無水物、活性エステル等をあげること
ができ、このとき使用される塩基としては、ピリジン、
トリエチルアミンなどの塩基をあげることができる。
本発明の一般式(I)の化合物の製造方法を好適に実
施するには、例えば、一般式(II)で表されるカルボン
酸または必要があればそのN−保護体とこれと等モルの
一般式(III)で表される化合物とを、不活性有機溶
媒、例えば、塩化メチレン、エタノールなどに溶解し、
必要量の塩基および縮合剤を加えて、氷冷〜室温下、10
〜20時間撹拌し、常法に従って処理、精製して目的物を
得る。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物は常法に
従い、薬理学的に許容される酸付加塩とすることがで
き、これらの塩としては塩酸塩、スルホン酸塩、p−ト
ルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、フマール酸塩などをあ
げることができる。
本発明の一般式(I)の化合物はチアゾリジン−4−
カルボン酸部分を含め1〜2個の不斉炭素を有するが、
本発明においては、それぞれの不斉炭素上の置換基の配
置がR、Sのいずれでも、またそれらの混合物であって
もよい。それぞれの光学活性化合物は光学活性な化合物
を出発原料として用い、立体保持的に縮合することによ
って得ることができる。
本発明の一般式(I)の化合物は常法に従い、種々の
医薬品製剤とすることができる。すなわち、必要に応じ
て賦形剤、崩壊剤、縮合剤、滑沢剤等の医薬品添加物を
加え、常法に従って調剤することにより種々の製剤、例
えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等とすることが
できる。
本発明の一般式(I)の化合物を健忘症治療剤として
使用する場合、その投与量は患者の年令、体重、性別、
症状の度合等により適宜決定されるが、概ね成人一日当
たり経口投与の場合50〜1000mg、非経口投与の場合1〜
500mgの範囲で使用される。
〔発明の効果〕
本発明の前記一般式(I)の化合物は、N−カルボベ
ンゾオキシ−L−グリシル−L−プロリル−β−ナフチ
ルアミド(以下Z−Gly−Pro−β−NAという)を基質と
した牛脳由来プロリルエンドペプチターゼに対する阻害
活性測定試験において、概ね5×10-4〜3×10-6モル濃
度で50%阻害活性を示す。
好ましくは、(R)−(−)−N−(2−フロイル)
−チアゾリジン−4−カルボン酸ベンジルまたは(R)
−(−)−(2−チエノイル)−チアゾリジン−4−カ
ルボン酸ベンジルであり、それらのIC50値はそれぞれ2.
8×10-6、4.3×10-6モルである。このように、本発明の
前記一般式(I)の化合物は強いPEP阻害活性を示し、
しかも毒性も低いので、安全で優れた健忘症治療剤とし
て有用な化合物である。
〔実施例〕
本発明をさらに詳細に説明するために以下の参考例お
よび実施例をあげる。なお、各参考例および実施例中の
化合物の融点はすべて未補正である。
参考例 1 (R)−(−)−N−t−ブトキシカルボニル−チア
ゾリジン−4−カルボン酸 (R)−(−)−チアゾリン−4−カルボン酸13.3g
およびトリエチルアミン14mlをジオキサン50mlおよび水
50mlの混合溶媒に溶解し、氷冷下でジ−t−ブチル−ジ
カーボネート24gを加え、室温で20時間撹拌した。反応
液に水100mlを加え、酢酸エチルで洗浄し、氷冷下、水
層がpH2になるまで10%クエン酸水溶液を加えた。酢酸
エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗い、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し
て目的物21.6g(93%)を得た。
IR(KBr):νCO 1745,1630cm-1 NMR(CDCl3) δ:1.48(s,9H),3.30(s,2H),4.35〜4.95(m,3H),1
0.10(br−s,1H) 参考例 2 (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジル・塩酸塩 (R)−(−)−N−t−ブトキシカルボニル−チア
ゾリジン−4−カルボン酸5.0gをN,N−ジメチルホルム
アミド20mlに溶解し、炭酸水素ナトリウム2.7gおよびベ
ンジルブロマイド2.8mlを加えて40℃で21時間撹拌し
た。反応終了後、不溶物をろ去し、減圧下に溶媒を留去
した。残渣に酢酸エチルを加え、水、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、有機層を減圧下に溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
溶媒:ベンゼン/クロロホルム=2/1)で精製し、5.7g
の(R)−(−)−N−t−ブトシキカルボニル−チア
ゾリジン−4−カルボン酸ベンジルを得た。
IR(KBr):νCO 1750,1700cm-1 NMR(CDCl3) δ:1.36,1.47(s,s,9H,異性体),3.10〜3.40(m,2H),
4.35〜5.30(m,5H),7.20〜7.45(m,5H) 上記のベンジルエステル5.7gを酢酸エチル40mlに溶解
し、冷却下で塩化水素ガスを10分間吹き込み、室温で1
時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、アセトン−酢酸
エチルで再結晶して、目的物2.3gを得た。
IR(KBr):νCO 1740cm-1 NMR(DMSO) δ:3.29(dd,1H),3.41(dd,1H),4.25〜4.36(m,2H),
4.83(t,1H),5.26(s,2H),7.30〜7.50(m,5H),7.90
〜11.50(br,2H) 参考例 3 ベンジルブロマイドの代わりに相当するハロゲン化物
を用いて、参考例1と同様の方法で以下の化合物を製造
した。
(R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸フェ
ノキシエチル・塩酸塩 IR(KBr):νCO 1735cm-1 NMR(DMSO) δ:3.22(dd,1H),3.36(dd,1H),4.10〜4.35(m,4H),
4.52(dd,2H),4.75(t,1H),6.90〜7.05(m,3H),7.25
〜7.40(m,2H) (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸フェ
ネチル・塩酸塩 IR(KBr):νCO 1740cm-1 NMR(CDCl3) δ:3.00(t,2H),3.20〜3.45(m,2H),4.30〜4.60(m,4
H),4.85〜4.95(s,1H),7.15〜7.40(m,5H) (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸フェ
ニルプロピル・塩酸塩 IR(KBr):νCO 1730cm-1 NMR(DMSO) δ:1.85〜2.00(m,2H),2.68(t,2H),3.26(dd,1H),
3.37(dd,1H),4.10〜4.25(m,2H),4.31(q,2H),4.77
(t,1H),7.15〜7.35(m,5H),7.70〜11.30(br,1H) 参考例 4 (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸フェ
ニルプロピルアミド・塩酸塩 フェニルプロピルアミン0.53gおよび(R)−(−)
−N−t−ブトキシカルボニル−チアゾリジン−4−カ
ルボン酸1.0gを乾燥N,N−ジメチルホルムアミド10mlに
溶解し、氷冷下、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1
水和物0.98gおよびN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド0.97gを加えて、室温で16時間撹拌した。減圧下に
溶媒を留去し、残渣に酢酸エチルを加えた。不溶物をろ
去した後、ろ液を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、(R)−(−)−
N−t−ブトキシカルボニル−チアゾリジン−4−カル
ボン酸フェニルプロピルアミドを得た。
IR(KBr):νCO 1700,1655cm-1 NMR(CDCl3) δ:1.48(s,9H),1.80〜1.95(m,2H),2.65(t,2H),3.
10〜3.55(m,4H),4.32(d,1H),4.60〜4.75(m,2H),
5.90〜6.70(br−s,1H),7.15〜7.35(m,5H),6.20〜6.
90(br−s,1H),7.10〜7.30(m,5H) 上記のプロピルアミドを酢酸エチル20mlに溶解し、氷
冷下で飽和状態になるまで塩化ガスを吹き込み、室温で
1時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をク
ロロホルム−メタノール−エーテル系から再結晶し、目
的物0.86gを得た。
IR(KBr):νCO 1660cm-1 NMR(DMSO) δ:1.75(q,2H),2.60(t,2H),3.00〜3.20(m,3H),3.
40〜3.50(m,1H),4.30(dd,2H),4.39(t,1H),7.15〜
7.35(m,5H),8.65〜8.75(m,1H),9.00〜10.60(br,2
H) 参考例 5 フェニルプロピルアミンの代わりに相当するアミン化
合物を用いて、参考例4と同様の方法で以下の化合物を
製造した。
(R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジルアミド・塩酸塩 IR(KBr):νCO 1665cm-1 NMR(DMSO) δ:3.15(dd,1H),3.50(dd,1H),4.20〜4.40(m,4H),
4.51(t,1H),7.20〜7.50(m,5H),9.20〜9.40(m,1
H),9.60〜10.80(br−s,2H) 融点:176〜180℃(分解) 元素分析値:(C11H15OSClN2として) C% H% N% 計算値 50.58 5.98 10.70 実測値 51.06 5.84 10.83 (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸フェ
ネチルアミド・塩酸塩 IR(KBr):νCO 1660cm-1 NMR(DMSO) δ:2.77(t,2H),2.96(dd,1H),3.36(dd,1H),3.40〜
3.50(m,2H),4.27(dd,2H),4.34(t,1H),7.20〜7.35
(m,5H),8.65〜8.75(m,1H),8.90〜10.90(br,2H) 実施例 1 (R)−(−)−N−{(R)−(−)−チアゾリジ
ン−4−カルボニル}−チアゾリジン−4−カルボン酸
ベンジル・塩酸塩(化合物A) (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジル・塩酸塩1g、(R)−(−)−N−t−ブトキシカ
ルボニル−チアゾリジン−4−カルボン酸0.9gおよびト
リエチルアミン0.54mlを乾燥塩化メチレン10mlに加え、
氷冷下で撹拌しながら、さらに、1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール1水和物0.88gおよびN,N′−ジシクロヘキ
シルカルボジイミド0.87gを加え、室温で16時間撹拌し
た。減圧下に溶媒を留去し、酢酸エチルを加えて不溶物
をろ去した。ろ液を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロ
ホルム/ベンゼン=3/1)で精製して0.74gの(R)−
(−)−N−{(R)−(−)−N−t−ブトキシカル
ボニル−チアゾリジン−4−カルボニル}−チアゾリジ
ン−4−カルボン酸−ベンジルを得た。
NMR(CDCl3) δ:1.48(s,9H),2.85〜2.92(m,1H),3.27(dd,1H),
3.40〜3.60(m,2H),3.91(t,1H),4.12(d,1H),4.39
(d,1H),4.50〜4.75(m,2H),4.90〜5.00(s,1H),5.2
2(s,2H),7.37(s,5H) 上記のベンジルエステル0.74gを酢酸エチルに溶解
し、氷冷下で塩化水素ガスを飽和状態になるまで吹き込
み、室温で4時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、0.
20gの目的物を得た。
MS:MH+−HCl,339 IR(KBr):νCO 1745,1655cm-1 融点:159.5〜161.5℃ 実施例 2 (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジル・塩酸塩の代わりに、相当するエステル誘導体の塩
酸塩を用いて、実施例1と同様の方法で以下の化合物を
製造した。
(R)−(−)−N−{(R)−(−)−チアゾリン
−4−カルボニル}−チアゾリジン−4−カルボン酸フ
ェネチル・塩酸塩(化合物B) MS:MH+−HCl,353 IR(KBr):νCO 1745,1665cm-1 融点:170〜171.5℃ (R)−(−)−N−{(R)−(−)−チアゾリジ
ン−4−カルボニル}−チアゾリジン−4−カルボン酸
フェニルプロピル・塩酸塩(化合物C) MS:MH+−HCl,367 IR(neat):νCO 1740,1660cm-1 (R)−(−)−N−{(R)−(−)チアゾリジン
−4−カルボニル}−チアゾリジン−4−カルボン酸フ
ェノキシエチル・塩酸塩(化合物D) MS:MH+−HCl,369 IR(KBr):νCO 1750,1650cm-1 融点:158.5〜161.5℃ (R)−(−)−N−{(L)−プロリル}−チアゾ
リジン−4−カルボン酸ベンジル・塩酸塩(化合物E) MS:MH+−HCl,321 IR(KBr):νCO 1750,1655cm-1 融点:170〜175℃ 実施例 3 (R)−(−)−N−{(R)−(−)チアゾリジン
−4−カルボニル}−チアゾリジン−4−カルボン酸フ
ェネチルアミド・塩酸塩(化合物F) (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジルアミド・塩酸塩0.3g、(R)−(−)−N−t−ブ
トキシカルボニル−チアゾリジン−4−カルボン酸0.26
gおよびトリエチルアミン0.15mlを乾燥塩化メチレン5ml
に加え、氷冷下で攪拌しながら、さらに1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール1水和物0.25gおよびN,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド0.25gを加え、室温で一夜撹
拌した。減圧下に溶媒を留去し、残渣に酢酸エチルを加
え、不溶物をろ去した。ろ液を1規定塩酸、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒:クロロホルム/ベンゼン=3/1)で精製
し、(R)−(−)−N−{(R)−(−)−N−t−
ブトキシカルボニル−チアゾリジン−4−カルボニル}
−チアゾリジン−4−カルボン酸を得た。
NMR(CDCl3) δ:1.47(s,9H),2.70〜3.80(m,8H),4.20〜4.85(m,6
H),6.10〜6.80(br−s,1H),7.15〜7.35(m,5H) 上記のカルボン酸を酢酸エチルに溶解し、氷冷下で塩
化水素ガスを飽和状態になるまで吹き込み、室温で2時
間30分攪拌した。減圧下に溶媒を留去し、塩化メチレン
−メタノール−エーテル系で再結晶し、0.13gの目的物
を得た。
MS:MH+−HCl,352 IR(KBr):νCO 1670,1650cm-1 融点:175〜177℃ 実施例 4 (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジルアミド・塩酸塩の代わりに相当するアミド誘導体を
用いて、実施例3と同様の方法で以下の化合物を製造し
た。
(R)−(−)−N−{(R)−(−)−チアゾリジ
ン−4−カルボニル}−チアゾリジン−4−カルボン酸
ベンジルアミド・塩酸塩(化合物G) MS:MH+−HCl,338 IR(KBr):νCO 1680,1650cm-1 融点:156〜159℃ (R)−(−)−N−{(R)−(−)−チアゾリジ
ン−4−カルボニル}−チアゾリジン−4−カルボン酸
フェニルプロピルアミド・塩酸塩(化合物H) MS:MH+−HCl,366 IR(KBr):νCO 1675,1655cm-1 融点:173〜177℃ 実施例 5 (R)−(−)−N−(2−オキソ−プロリジン−5
−カルボニル)−(R)−(−)−チアゾリジン−4−
カルボン酸ベンジル(化合物I) (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジル塩酸塩0.3g、ピログルタミン酸0.15gおよびトリエ
チルアミン0.16mlをエタノール6mlに溶解し、N−エト
キシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジハイドロキノ
リン0.280を加えて、室温で15時間攪拌した。減圧下に
溶媒を留去し、酢酸エチルを加えて、不溶物をろ去し
た。ろ液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶
媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出溶媒:クロロホルム/エタノール=10/1)で
精製して、46mgの目的物を得た。
IR(KBr):νCO 1740,1690,1670cm-1 NMR(CDCl3) δ:1.90〜2.60(m,4H),3.10〜3.40(m,2H),4.10〜4.9
5(m,4H),5.05〜5.30(m,2H),6.14(s,1H),6.36(s,
1H),7.30〜7.45(m,5H) 実施例 6 (R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジルの代わりに、相当するベンジルアミドを用いて、実
施例5と同様の方法で以下の化合物を製造した。
(R)−(−)−N−(2−オキソ−ピロリジン−5
−カルボニル)チアゾリジン−4−カルボン酸ベンジル
アミド(化合物J) MS:MH+,334 Rf値:0.40(展開溶媒:クロロホルム/エタノール=5/
1) IR(KBr):νCO 1660cm-1 NMR(CDCl3) δ:1.80〜2.50(m,4H),3.10〜3.25(m,1H),3.40〜3.6
0(m,2H),4.30〜5.05(m,6H),6.20〜6.30(m,1H),6.
50〜6.75(m,1H),7.20〜7.40(m,5H) 実施例 7 (R)−(−)−N−(2−チエノイル)−チアゾリ
ジン−4−カルボン酸ベンジル(化合物K) 2−チオフェンカルボン酸0.26gをベンゼン20mlと少
量のN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、塩化チオニ
ル0.27gを加えて、2時間還流した。減圧下に溶媒を留
去し、0.36gの2−チエノイルクロライドを得た。
(R)−(−)−チアゾリジン−4−カルボン酸ベン
ジル・塩酸塩0.29gと炭酸カリウム0.14gを水10mlとジオ
キサン5mlの混合溶媒に溶解した。氷冷下、この溶媒
に、先に得た2−チエノイルクロライド0.16gのジオキ
サン5ml溶液を加え、17時間攪拌した。反応液に、水50m
lを加え、酢酸エチルで抽出し、1規定塩酸、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去
して0.22gの目的物を得た。
IR(KBr):νCO 1725,1620cm-1 NMR(CDCl3) δ:3.25〜3.40(m,2H),4.80(d,1H),5.02(d,1H),5.
23(s,2H),5.35(t,1H),7.06(t,1H),7.35(s,5H),
7.46(br−s,1H),7.52(d,1H) 融点:49〜49℃ 元素分析値:(C16H15NO3S2として) C% H% N% 計算値 57.64 4.53 4.20 実測値 57.86 4.64 4.02 実施例 8 2−チオフェンカルボン酸の代わりに、2−フランカ
ルボン酸を用いて、実施例7と同様の方法で以下の化合
物を製造した。
(R)−(−)−N−(2−フロイル)−チアゾリジ
ン−4−カルボン酸ベンジンル(化合物L) IR(neat):νCO 1745,1625cm-1 NMR(CDCl3) δ:3.10〜3.60(br,2H),4.50〜5.70(m,5H),6.49(br
−s,1H),7.10〜7.50(m,6H) 元素分析値:(C16H15NO4Sとして) C% H% N% 計算値 60.55 4.76 4.41 実測値 60.21 4.86 4.46 実施例 9 PEP阻害活性測定実験 Z−Gly−Pro−β−NAを基質として用い、牛脳由来PE
Pに対する阻害活性を測定した。
(測定方法) 10mMのEDTAと10mMの2−メルカプトエタノールを含む
20mMトリス塩酸緩衝液(20mM−Tris HCl Buffer,pH=7.
0)0.7mlにPEP(約0.14u/ml)100μおよび各濃度
(0、10-9〜10-4M)に調整した被試験化合物の溶液100
μを加え、37℃で5分間プレインキュベーション(Pr
eincubation)した。次いでこれに100μの40%ジオキ
サンに溶かした各々の濃度(5.0、2.5、1.25、0.625、
0.3125mM)の基質を加え、再び37℃で15分間インキュベ
ーションを行い、酵素反応を進行させた。25%トルクロ
ル酢酸で反応を停止させ、3000r.p.m.で10分間遠心分離
を行い、上清0.5mlを分取し、これに0.5mlの0.1%亜硝
酸を加え、さらに、3分後、0.05%のN−(1−ナフチ
ル)エチレンジアミンジヒドロクロリドエタノール溶液
を加えた。混合液を37℃で25分放置した後、570nmでの
吸光度を測定し、次式によって各濃度での酸素活性を試
算し、それぞれの活性値から50%阻害濃度(IC50値)を
求めた。
酵素活性単位(μmol/min/ml)=Δ0D×0.42×希釈率 (結 果) 化合物 IC50値 化合物 F 400μM 化合物 G 500μM 化合物 H 260μM 化合物 K 4.3μM 化合物 L 2.8μM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 417/06 333 (56)参考文献 特開 平2−250896(JP,A) 特開 昭62−155267(JP,A) Journal of Chemica l Society D No.11 (1971)P.577−578

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中のArはフェニル基またはフェノキシ基であり、n
    は1〜5の整数であり、Xは−0−または−NH−であ
    り、Rは窒素原子、硫黄原子または酸素原子のうち1つ
    ないし2つを含んでいる5員環の飽和または不飽和異項
    環基)で表されるチアゾリジン化合物またはその薬理学
    的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴
    とする健忘症治療剤。
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