JPH08278636A - 光重合性感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

光重合性感光性平版印刷版の処理方法

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JPH08278636A
JPH08278636A JP8133695A JP8133695A JPH08278636A JP H08278636 A JPH08278636 A JP H08278636A JP 8133695 A JP8133695 A JP 8133695A JP 8133695 A JP8133695 A JP 8133695A JP H08278636 A JPH08278636 A JP H08278636A
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photosensitive
weight
solvent
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JP8133695A
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Hironori Sato
裕紀 佐藤
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前処理液中における非感光性水溶性樹脂層成
分の凝析を抑制し、前処理を長期にわたり安定に行うこ
とができる処理方法を提供することである。 【構成】 感光層上に非感光性水溶性樹脂層を有する光
重合性感光性平版印刷版を露光後、現像に先だって有機
溶剤の水溶液で前処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合性感光性平版印
刷版(以下、PS版と称す)を画像露光後、現像に先立
って特定の処理液を用いて処理する方法、及び該処理を
行うための処理槽を有する自動現像機に関する。
【0002】
【従来の技術】作業性改善を目的としたPS版の高感度
化技術として光重合性感光性組成物を用いることが種々
検討されている。しかし、この組成物を用いたPS版は
酸素による重合阻害の影響を受けやすく、感度を安定に
再現するために非感光性水溶性樹脂(例えばポリビニル
アルコール)を用いた酸素遮断層を設けることが行われ
ている。このような感光層上に非感光性水溶性樹脂層を
有するPS版は画像露光を行った後、水を主たる溶剤と
するアルカリ性現像液を使用し自動現像機を用いて現像
し、非感光性水溶性樹脂層および不要な感光層を完全に
溶解あるいは除去することにより画像を形成している。
しかし、こうした現像処理方法においては現像液中に非
感光性水溶性樹脂成分が溶解することにより、従来のP
S版現像処理時に発生する現像液性能の劣化等の問題が
あると共に、非感光性水溶性樹脂成分の現像液中への凝
析や現像浴周辺への固着による現像液循環系統の目詰ま
りやPS版上への異物付着等、処理品質上の問題があ
り、また、処理性能を維持するために現像液をたびたび
交換しなければならない等の欠点がある。かかる感光層
上に非感光性水溶性樹脂層を有するPS版の現像処理の
欠点を解決する手段として、現像処理を行う前に非感光
性水溶性樹脂層を水洗によって除去する前処理工程と、
非感光性水溶性樹脂層を除去後現像液により不要な感光
層を完全に溶解あるいは除去する現像工程とを含んだ当
該PS版の処理方法が知られている。しかし、このよう
な処理方法によっても長期間に及ぶ処理あるいは一度に
多量の処理を行った場合、前処理の水洗廃液中で非感光
性水溶性樹脂層成分がゾル化更には凝析し、水洗水循環
系統の目詰まりや前処理不良による現像液の劣化が生じ
る等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、前処理液中における非感光性水溶性樹脂層成分の凝
析を抑制し、前処理を長期にわたり安定に行うことがで
きる処理方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、第1の目的は感光層
上に非感光性水溶性樹脂層を有する光重合性感光性平版
印刷版を露光後、現像に先だって水溶性有機溶剤の水溶
液で前処理を行うことを特徴とする光重合性感光性平版
印刷版の処理方法により、また、第2の目的は現像液槽
及び該槽の前に前処理液槽を有することを特徴とする光
重合性感光性平版印刷版処理用自動現像機により達成さ
れる。
【0005】以下本発明について詳しく説明する。本発
明において現像に先だって行われる前処理は有機溶剤の
水溶液を用いて実施する。このような前処理を用いて長
期間あるいは多量の処理を行った場合、上記前処理の水
溶液中において、水溶性樹脂が濃厚となりゲル化してい
くが、水のみの場合に比べて樹脂が凝結することなく安
定に分散する。このような有機溶剤としては水溶性の高
いものが好ましく、イソプロピルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルア
ルコール、シクロヘキサノールのようなアルコール類;
フェノール、クレゾールのようなフェノール類;シクロ
ヘキサノンのようなケトン類;ピリジンのようなヘテロ
芳香族炭化水素類などがあり、これらのうち2種以上を
組み合わせて用いることもできる。これら水溶性有機溶
剤の含有量は一般には水溶液の全重量に対して0.1重
量%以上50重量%未満、好ましくは0.5重量%以上
10重量%以下である。この範囲を逸脱、つまり、有機
溶剤が多いと、感光層(画像部)にダメージを与える恐
れがある。
【0006】また、本発明において前処理に使用する水
溶性有機溶剤の水溶液は、必要に応じてカチオン界面活
性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン
界面活性剤、キレート剤、消泡剤、防腐剤等の添加剤を
1種以上併用することができる。例えば、界面活性剤と
消泡剤、界面活性剤とキレート剤と消泡剤等の組み合わ
せで使用しても良い。
【0007】本発明に係わる自動現像機は、現像処理を
行う前に非感光性水溶性樹脂層を有するPS版の該樹脂
層を上記本発明の処理液によって除去する前処理工程と
非感光性水溶性樹脂層を除去した後、現像液により不要
な感光層を完全に溶解あるいは除去する現像処理工程を
備えたものであり、これらの工程の他に水洗工程(流水
あるいは循環水洗)、界面活性剤を含有する水溶液によ
るリンス処理工程、不感脂化処理工程、あるいは水洗工
程とリンス処理工程、リンス処理工程と不感脂化処理工
程との組み合わせを備えたものであっても良い。
【0008】また、本発明に係る自動現像機は従来公知
の任意のもの(例えば富士写真フイルム(株)製プロセ
ッサーPS850NX/PX/PXB)に上記の前処理
工程を付与したものであっても良い。本発明に係る自動
現像機の前処理工程は、版を当該前処理液に浸漬させる
機構を備えており、好ましくは版面に当該前処理液をス
プレーする機構が付与されており、好ましくは当該前処
理液の温度を25〜55℃の任意の温度に制御する機構
が付与されており、好ましくは版面をローラー状のブラ
シにより擦る機構が付与されている。
【0009】本発明に係る自動現像機の現像処理工程
は、好ましくは現像浴に自動的に補充液を必要量補充す
る機構が付与されており、好ましくは一定量を超える現
像液を排出する機構が付与されており、好ましくは現像
浴に自動的に水を必要量補充する機構が付与されてお
り、好ましくは通版を検知する機構が付与されており、
好ましくは通版の検知をもとに版の処理面積を推定する
機構が付与されており、好ましくは通版の検知および/
または処理面積の推定をもとに補充しようとする補充液
および/または水の補充量および/または補充タイミン
グを制御する機構が付与されており、好ましくは現像液
の温度を制御する機構が付与されており、好ましくは現
像液のpHおよび/または電導度を検知する機構が付与
されており、好ましくは現像液のpHおよび/または電
導度をもとに補充しようとする補充液および/または水
の補充量および/または補充タイミングを制御する機構
が付与されている。
【0010】本発明に使用される現像液および現像補充
液は従来公知の任意のものでよく、ポジ型、ネガ型いず
れの現像液および現像補充液も使用できる。例えば特開
昭58−59444号公報に開示された少なくとも1種
の無機リチウム化合物およびメタ珪酸塩からなるポジ型
PS版用現像液、特公昭50−34442号公報に開示
された1〜約36個の炭素原子および少なくとも1個の
酸性水素を有する有機化合物のリチウム塩、両性界面活
性剤もしくはこれらの混合物の水溶液からなる現像剤組
成物、あるいは特開昭55−115045号公報、同5
8−95349号公報、同59−57242号公報、同
59−58431号公報、同61−61165号公報、
同61−61166号公報等に開示されている各現像剤
組成物がいずれも利用でき、特に制限はない。
【0011】すなわち、本発明において使用される現像
液および現像補充液は、PS版に用いる感光性組成物の
種類等により変化しうるが、好ましくはアルカリ剤およ
び有機溶剤の少なくとも一つを含有するものである。本
発明において使用される現像液および現像補充液に含ま
れるアルカリ剤としては珪酸ナトリウム、珪酸カリウ
ム、珪酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、第三燐酸ナ
トリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸カリウム、第
二燐酸カリウム、第三燐酸アンモニウム、第二燐酸アン
モニウム、メタ珪酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等のよ
うな無機アルカリ剤、モノ−、ジ−、またはトリエタノ
ールアミン、モノ−、ジ−、またはトリエチルアミン、
モノ−、またはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミ
ン、モノ−、ジ−、またはトリイソプロパノールアミ
ン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の
有機アルカリ剤が挙げられる。これらのアルカリ剤は単
独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。
【0012】アルカリ剤として珪酸ナトリウム、珪酸カ
リウム、珪酸リチウム等の珪酸アルカリを含有する現像
液は現像階調性が良好なため特に好ましく、珪酸アルカ
リの組成がモル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.5〜
1.5(ここに〔SiO2〕、〔M〕はそれぞれSiO2
のモル濃度と総アルカリ金属のモル濃度を示す。)であ
り、かつSiO2を0.8〜8重量%含有する現像液が
好ましく用いられる。この珪酸アルカリ組成のうち、特
にモル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.5〜0.75で
あり、かつSiO2を0.8〜4重量%含有する現像
液、低濃度のため現像廃液の中和が容易なことから好ま
しく用いられ、一方0.75を超え1.3までのモル比
であり、かつSiO2が1〜8重量%の現像液は緩衝力
が高いことから好適に用いられる。
【0013】本発明において使用される現像液および現
像補充液に含まれる有機溶剤としては、例えば、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、レブリン酸ブチルの
ようなカルボン酸エステル;エチルブチルケトン、ジイ
ソブチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケト
ン類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェ
ニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミ
ルアルコールのようなアルコール類;キシレンのような
アルキル置換芳香族炭化水素;メチレンジクロライド、
エチレンジクロライドのようなハロゲン化炭化水素など
が挙げられる。これらの有機溶剤は1種以上用いてもよ
く、現像液中における含有量は一般に10重量%以下、
好ましくは5重量%以下である。
【0014】また、本発明において使用される現像液お
よび現像補充液は現像性向上のため、両性界面活性剤を
併用することができる。両性界面活性剤としては、ベタ
イン型両性界面活性剤、グリシン型両性界面活性剤、ア
ラニン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活
性剤のいずれを用いてもよく、また2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。
【0015】また、これらの両性界面活性剤の中で最も
好ましく用いられるのはアラニン型両性界面活性剤であ
り、具体例としては、N−オクタデシル−β−アラニン
(ナトリウム塩)、N−ミスチリル−β−アラニン(ナ
トリウム塩)、ラウリルアミノプロピオン酸(ナトリウ
ム塩)、リポミンLA(ライオン(株)製)等が挙げら
れる。
【0016】本発明において適用されるPS版は、基本
的には支持体として陽極酸化被膜を有するアルミ板を用
い、その上に、少なくとも重合可能な不飽和基を有する
重合可能な化合物、光重合開始剤および有機高分子結合
剤を含有する感光性層を有し、該感光性層上に活性光線
に透明な非感光性水溶性樹脂層を有するものである。該
非感光性水溶性樹脂層は、好ましくは酸素遮断性を有す
るポリビニルアルコールの層であり、該層の厚みは0.
1〜100μmが適当であるが、好ましくは0.5〜1
0μm、さらに好ましくは1〜5μmである。
【0017】本発明で適用されるPS版に使用される支
持体としては、純アルミニウム板およびアルミニウム合
金板、さらにはプラスチックフィルム、紙、、および亜
鉛、銅などの金属の上にアルミニウムがラミネートまた
は蒸着された複合支持体が好適に用いられる。このよう
なアルミニウム板の表面には陽極酸化処理による酸化ア
ルミニウムの被膜が設けられるが、その前に砂目立て処
理を施してもよく、また特公昭47−5125号公報に
記載されている様にアルミニウム板を陽極酸化した後
に、アルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したもの好
適に使用される。上記陽極酸化処理は、例えば、燐酸、
クロム酸、硫酸、ほう酸等の無機酸、もしくは、シュウ
酸、スルファミン酸等の有機酸またはこれらの塩の水溶
液または該水溶液の単独または二種以上を組み合わせた
電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すこと
により実施される。また、米国特許第3,658,66
2号明細書に記載されているようなシリケート電着も有
効である。さらには米国特許第4,087,341号明
細書、特公昭46−27481号公報、特開昭52−3
0503号公報に開示されているような電解グレインを
施した支持体を上記のように陽極酸化処理したものも有
効である。さらに米国特許第3,834,998号明細
書に記されているような砂目立てした後に化学的にエッ
チングし、しかるのちに陽極酸化処理したアルミニウム
板も好ましい。これらの親水化処理は、支持体の表面を
親水性とするために施される以外に、その上に設けられ
る感光性組成物との有害な反応を防ぐため、さらには感
光層との密着性を向上させるためなどの種々の目的をも
って施されるものである。
【0018】さらにこれらの処理を行った後に、水溶性
の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、ホスホン酸基を
側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、
水溶性金属塩(例えばほう酸亜鉛)、もしくは黄色染
料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。また上
記の陽極酸化処理を施したアルミニウム板上に、アリル
基等の付加反応性官能基を結合させた支持体も有用であ
る。
【0019】該基板上に設けられる感光層は、少なくと
も重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物と光重合
開始剤および有機高分子結合剤を含有し、必要に応じ、
熱重合禁止剤、着色剤、可塑剤等の種々の化合物が添加
される。重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物
は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも一個、好ま
しくは二個以上有する化合物からの中から任意に選択す
ることができる。例えばモノマー、プレポリマー、すな
わち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの
混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をも
つものである。
【0020】モノマーおよびその共重合体の例として
は、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレ
イン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステ
ル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミンとのアミド等
が挙げられる。光重合開始剤としては、使用する光源の
波長により、特許、文献等で公知である種々の光開始
剤、あるいは2種以上の光開始剤の併用系(光開始系)
を適宜選択して使用することができる。
【0021】例えば400nm以下の紫外線を光源とし
て用いる場合、ベンジル、ベンゾインエーテル、ミヒラ
ーズケトン、アントラキノン、アクリジン、フェナジ
ン、ベンゾフェノン等が広く使用されている。また、4
00nm以上の可視光線、アルゴンレーザー、YAG−
SHGレーザーを光源とする場合にも、種々の光開始系
が提案されており、例えば、米国特許第2,850,4
45号に記載のある種の感光性染料、染料とアミンの複
合開始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリー
ルビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系
(特公昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミ
ダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの
系(特公昭47−2528号、特開昭54−15529
2号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系
(特開昭48−84183号)、置換トリアジンとメロ
シアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3
−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−11268
1号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、
スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−1402
03号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−14
0203号、特開昭59−189340号)、ローダニ
ン骨格の色素とラジカル発生剤の系(特開平2−244
050号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系
(特開昭63−221110号)、チタノセンとキサン
テン色素さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加
重合可能なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系
(特開平4−221958号、特開平4−219756
号)、チタノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開
平6−295061号)等を挙げることができる。
【0022】これら光重合開始剤の使用量には、エチレ
ン性不飽和化合物100重量部に対し0.05から10
0重量部、好ましくは0.1〜70重量部、更に好まし
くは、0.2〜50重量部の範囲で用いることができ
る。該感光層を構成する光重合性組成物には、通常、バ
インダーとして線状有機高分子結合剤を含有するが、こ
のような線状有機高分子結合剤としては、光重合可能な
エチレン性不飽和化合物と相溶性を有している線状有機
高分子重合体である限り、どれを使用してもかまわな
い。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能
とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性であ
る線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子
重合体は、該組成物の皮膜形成剤としてだけではなく、
水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像液としての用途
に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子
重合体を用いると水現像可能となる。このような線状有
機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する
付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭
54−34327号、特公昭58−12577号、特公
昭54−25957号、特開昭54−92723号、特
開昭59−53836号、特開昭59−71048号に
記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合
体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロト
ン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マ
レイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン
酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水
酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたも
のなどが有用である。特にこれらの中で〔ベンジル(メ
タ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じて
その他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および
〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/
必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重
合体が好適である。この他に水溶性線状有機高分子とし
て、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等
が有用である。また硬化皮膜の強度をあげるためにアル
コール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキ
シフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエ
ーテル等も有用である。これら線状有機高分子重合体は
全組成中に任意な量を混和させることができる。しかし
90重量%を越える場合には形成される画像強度等の点
で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85重量
%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と
線状有機高分子重合体は、重量比で1/9〜7/3の範
囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜6
/4である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 厚さ0.3mmのアルミニウム板を10%水酸化ナトリウ
ム水溶液に60℃で25秒間浸漬してエッチングした
後、流水で水洗し、20%硝酸水溶液で中和洗浄し、次
いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1
%硝酸水溶液で300クーロン/dm2 の陽極時電気量
で電解粗面化処理を行った。引き続いて1%水酸化ナト
リウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬した後、30%硫
酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理
した後、20%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2
おいて、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2 になるよ
うに、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定し
たところ、0.3μ(Ra表示)であった。
【0024】このように処理された基板の裏面に下記の
ゾル−ゲル反応液をバーコーターで塗布し80℃で1分
間乾燥し、乾燥後の塗布量が70mg/m2 のバックコー
ト層を設けた。 ゾルーゲル反応液 テトラエチルシリケート 50 重量部 水 20 重量部 メタノール 15 重量部 リン酸 0.05重量部 上記成分を混合、撹拌すると約5分で発熱が開始した。
60分間反応させた後、以下に示す液を加えることによ
りバックコート塗布液を調製した。
【0025】 ○ピロガロールホルムアルデヒド縮合樹脂(M.W.2000) 4 重量部 ○ジメチルフタレート 5 重量部 ○フッ素系界面活性剤(N−ブチルペンタフルオロ 0.7 重量部 オクタンスルホンアミドエチルアクリレート/ポリ オキシエチレンアクリレート共重合体、分子量2万) ○メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製、 50 重量部 メタノール30%) ○メタノール 800 重量部 このように処理されたアルミニウム板上に、下記組成の
感光性組成物を乾燥塗布重量が1.4g/m2 となるよ
うに塗布し、80℃2分間乾燥させ感光層を形成させ
た。
【0026】 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.0g アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 2.0g (共重合モル比80/20) 下記化合物(I) 0.05g 下記化合物(II) 0.12g フッ素系ノニオン界面活性剤 0.03g 熱重合禁止剤 0.01g (N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩) 顔料分散物 2.0g 組成:P.B.15:6 30 重量部 アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 20 重量部 (共重合モル比87/13) シクロヘキサノン 35 重量部 メトキシプロピルアセテート 35 重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 80 重量部 メチルエチルケトン 20g プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
【0027】
【化1】
【0028】この感光層上にポリビニルアルコール(ケ
ン化度98.9モル%、重合度1000)の3重量%の水溶
液を乾燥塗布重量が2g/m2 となるように塗布し、1
20℃2分間乾燥させた。このようにして作成した感光
性平版印刷版に画像露光を行い、富士写真フイルム社製
自動現像機「PS850PXB」に第1図に示す前処理
工程を取り付けた処理装置の前処理槽および現像槽にそ
れぞれ、第1表の組成の前処理液Aおよび第2表の組成
の現像液を仕込み、第2表の組成の現像補充液を1m2
あたり100cc補充しながら処理したところ、一週間連
続処理を行っても前処理槽および現像槽に沈殿の発生や
スプレーの詰まりは見られず、安定した処理を継続する
ことができた。 比較例1 前処理液を水に変更し、他は実施例1と同様の実験を行
ったところ、前処理槽でゲル状の沈殿、およびスプレー
の詰まりが発生した。 実施例2〜4 第1表の組成の前処理液B〜Dを用いて、実施例1と同
様の実験を行ったところ、前処理槽および現像槽に問題
は見られず、安定な処理を継続することができた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の前処理液によれば、非感光性水
溶性樹脂層成分の凝析が抑制され、長期間安定に前処理
を行うことができる。さらに本発明の処理方法および自
動現像機により、感光層上に非感光性水溶性樹脂層を有
するPS版の処理において従来問題となっていた現像液
循環系統の目詰まりや版上への異物付着等の問題点が軽
減でき、現像液の交換頻度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用した自動現像機に
取り付けられた前処理工程の側断面概略図である。
【符号の説明】
1・・・感光性平版印刷版 2,4・・・ガイドロール 3,5・・・搬送ロール 8・・・ ブラシ 9・・・ガイド板 10・・・ 循環ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光層上に非感光性水溶性樹脂層を有す
    る光重合性感光性平版印刷版を露光後、現像に先だって
    有機溶剤の水溶液で前処理を行うことを特徴とする光重
    合性感光性平版印刷版の処理方法。
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