JP2006267594A - レーザー用光重合性組成物、及び、それを用いた平版印刷版 - Google Patents

レーザー用光重合性組成物、及び、それを用いた平版印刷版 Download PDF

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Abstract

【課題】(A)有機硼素酸塩、(B)増感色素を少なくとも含有する感光層を設けたレーザー用光重合性組成物、及び、支持体上に、該光重合性組成物の層が形成されてなる平版印刷版において、画像強度の優れたレーザー用光重合性組成物及びレーザー用平版印刷版を提供する。
【解決手段】(A)有機硼素酸塩、(B)増感色素を少なくとも含有する感光層を設けたレーザー用光重合性組成物、及び、支持体上に、該光重合性組成物の層が形成されてなるレーザー用平版印刷版において、該増感色素の添加量を極大吸収波長が短波長側に8nm以上シフトする添加量にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗料、インキ、平版印刷版の製版、レーザーグラビア製版やプリント配線板製造用の金属エッチングレジスト、プリント配線板、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、カラーフィルター、有機エレクトロニクス、薄型トランジスタ等における導体回路や電極基板等の形成のためのメッキレジスト或いはソルダーレジスト、ホログラフィー、三次元造形、印刷校正用カラープルーフ、大規模集積回路製造用フォトレジスト等に使用される光重合性組成物、及び、それを用いた平版印刷版に関する。
従来より、平版印刷版の製版には、例えば、感光性組成物からなる層をアルミニウム支持体上に形成し、その感光性組成物層表面を画像パターンが描かれた銀塩フィルムを通して画像露光した後、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像処理することによって原稿の画像パターンに対応したレジスト画像をアルミニウム支持体表面に形成する方法が広く用いられている。しかし、この方法は、原稿フィルムを介して画像露光されるので、原稿フィルム作製に手間がかかる上に、位置精度、高解像度が得られ難いという欠点を有していた。
上記の感光性組成物としては、ジアゾ樹脂に高分子化合物を組み合わせたものが広く用いられており、米沢輝彦著、「PS版概論」(印刷学会出版部発行)や、永松元太郎、乾英夫著、「感光性高分子」(講談社発行)、山岡亜夫、松永元太郎著、「フォトポリマーテクノロジー」(日刊工業発行)等に詳しく述べられている。
一方、近年のコンピューターの進歩によりデジタル化された原稿データを、直接レーザービームを用いてフィルムを介在させずに印刷版に直接画像露光を行うCTPシステムが各社から提案されている。例えば、特開平7−20629号公報、特開平7−271029号公報等に挙げられている、赤外線吸収剤が光熱変換し露光部を局部的に高温にし、この際酸発生剤が発生する酸によりレゾール樹脂およびノボラック樹脂が架橋することで画像部を形成する平版印刷版。又、「印刷雑誌」78巻、9頁、1995年等に解説がなされている、重合開始剤、光増感色素、重合性モノマーを含む光重合反応を利用した平版印刷版等がある。
レーザー光は、紫外から赤外領域までの種々の光源が知られ、画像露光に利用できるレーザー光としては、出力、安定性、感光能力、及びコスト等の点から、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、及び半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものが主力となっているが、従来の感光性組成物は、レーザー直描法においては、未だ感度が必ずしも充分とは言えず、又、近年のレーザー技術の著しい進歩により、近赤外領域で安定的に発振できる半導体レーザーも利用できるようになったものの、その出力が他の可視領域等に比して低いこともあって、感光性組成物の、特に近赤外領域における感度の面での改良が要求されている。
感度を高める手段としては、増感色素としては、例えば、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n鎖で結合された構造を基本構造とし、その複素原子が複素環を形成しポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の、具体的には、例えば、キノリン系(シアニン系)、インドール系(インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(チオシアニン系)、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等のシアニン系色素、及び、ポリメチン鎖を介してアミノフェニル基が結合された構造のポリメチン系色素等、並びに、N,N−ジアリールイミニウム骨格を少なくとも1個有するジイミニウム系色素、及び、フタロシアニン系色素等が知られ、又、光重合開始剤としては、例えば、ハロメチル化s−トリアジン誘導体、ハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体、有機硼素酸塩、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、チタノセン化合物、ジアリールヨードニウム塩、カルボニル化合物、及び有機過酸化物等が知られている中で、光重合性組成物のレーザー光に対する感度を高めることを目的として、それらの増感色素と光重合開始剤との組合せとして、特定構造のシアニン系の近赤外染料とヘキサアリールビイミダゾール化合物との組合せが特開平11−149154号公報(特許文献1)、シアニン系色素カチオンと有機硼素アニオンとの塩が特開2000−89455号公報(特許文献2)、及び、特定構造のシアニン系色素とビス(トリハロメチル)−s−トリアジンとの組合せが特開2000−131837号公報(特許文献3)等、が提案されている。
しかしながら、光重合性組成物は、平版印刷版に用いる場合、印刷時にかなりの物理的負荷が加わるため、前記印刷版以外の用途に比べて、優れた画像強度が必要である。特に、新聞印刷のような多量の印刷物を得る用途では、非常に優れた画像強度が要求され、上記公知技術では、印刷版としての十分な画像強度を得ることができない。
特開平11−149154号公報 特開2000−89455号公報 特開2000−131837号公報
本発明の目的は、(A)有機硼素酸塩、(B)増感色素を少なくとも含有する感光層を設けたレーザー用光重合性組成物、及び、支持体上に、該光重合性組成物の層が形成されてなる平版印刷版において、画像強度の優れたレーザー用光重合性組成物及び平版印刷版を提供することにある。
本発明の上記課題は、(A)有機硼素酸塩、(B)増感色素を少なくとも含有する感光層を設けたレーザー用光重合性組成物、及び、支持体上に、該光重合性組成物の層が形成されてなるレーザー用平版印刷版において、該増感色素の添加量を極大吸収波長が短波長側に8nm以上シフトする添加量にすることにより達成された。
本発明によって、(A)有機硼素酸塩、(B)増感色素を少なくとも含有する感光層を設けたレーザー光重合性画像形成組成物、及び、支持体上に、該光重合性画像形成組成物の層が形成されてなる平版印刷版において、画像強度の優れたレーザー用光重合性画像形成組成物及びレーザー用平版印刷版を提供する事ができる。
本発明者等は、(A)有機硼素酸塩、(B)増感色素を少なくとも含有する感光層を設けたレーザー用光重合性組成物において、増感色素を大過剰に用いた場合、画像強度が高めることができることを見出した。
(A)有機硼素酸塩、(B)増感色素を少なくとも含有する感光層を設けたレーザー用光重合性組成物において、増感色素の吸収範囲の光を照射すると、有機硼素酸塩の作用により増感色素が分解し、増感色素の吸光度が低下する。
一方、増感色素を過剰に用いた場合、増感色素のモノマーの吸収波長における吸光度が増大するとともに、増感色素が凝集体を形成することによる吸収領域が、モノマーの極大吸収波長より短波長側に生じる。さらに増感色素量を増加すると、凝集体を形成することによる他の吸収波長の吸光度が増大し、増感色素の極大吸収波長が短波長側にシフトする。本発明者等は、この増感色素の大過剰に添加し、凝集体を多量に生成させ、極大吸収波長が短波長側にシフトする領域になると、増感色素のモノマーの吸収波長領域に光を照射しても、増感色素のモノマーの吸収領域の光吸収能力が低下する代わりに、凝集体を形成したことによる他の吸収領域の光吸収能力が低下することを発見した。つまり、発光波長が単一であるレーザーを用いて露光することにより、光を照射しても光吸収能力は低下しにくいモノマーの吸収領域を有効に利用できることになるので、本発明の画像強度を高める効果は、増感色素の高い光吸収能力を保持したまま画像形成したことによる効果であると考えられる。
以下本発明について詳細に説明する。本発明の増感色素としては、380nm〜1300nmの波長域において重合開始剤の反応を促進するものであり、種々のカチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミン、およびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。さらには近年380〜410nmの範囲に発振波長を有するバイオレット半導体レーザーを搭載した出力機(プレートセッター)が開発されている。この出力機に対応する高感度である感光系としては増感色素としてピリリウム系化合物やチオピリリウム系化合物を含む系が好ましい。本発明に関わる好ましい増感色素の例を以下に示す。
Figure 2006267594
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Figure 2006267594
Figure 2006267594
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750nm以上の近赤外から赤外光の波長領域の光に感光性を持たせる系に於いて増感色素として特に好ましい例を以下に示す。
Figure 2006267594
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前述の如く、画像強度の優れた光重合性組成物を得るためには、増感色素の極大吸収波長を短波長側に8nm以上シフトさせる必要がある。増感色素の極大吸収波長を短波長側に8nm以上シフトさせるには、一般的な増感色素の添加量に比べて、かなり過剰に用いる必要がある。その具体的な添加量としては、増感色素の構造、及びその他の組成物との兼ね合いで変化するが、光重合性組成物のトータル固形分1質量部に対し、0.01質量部以上、好ましくは、0.02〜0.1質量部の範囲である。
また、増感色素の極大吸収波長がシフトしたか否かについては、一般に市販されている反射型のUV、可視分光光度計を用いて容易に測定することができる。市販される反射型UV、可視分光光度計としては、例えば株式会社日立製作所製U−3500が挙げられる。前記反射率の測定にあたり、リファレンスサンプルとしては酸化マグネシウムのペレットを用いる。このペレットは反射型UV、可視分光光度計を市販するメーカーから入手可能である。
さらに具体的な確認方法について詳細に説明する。反射型UV、可視分光光度計を用いて、前記増感色素の光吸収波長領域における波長毎の吸光度を測定し、最も吸光度が高く得ることができる波長を極大吸収とする。
極大吸収波長の短波長側にシフトしたか否かについては、まず、増感色素の添加量が極端に少ない場合の試料を作製し、その極大吸収波長を測定する。次に増感色素の添加量を増加させた試料を作製し、極大吸収波長を測定し、前者との極大吸収波長の違いを比較する。前者と後者に極大吸収波長の違いがない場合には、その波長を極大吸収波長として基準にする。もし、前者と後者に極大吸収波長の違いがある場合には、前者よりさらに増感色素量の少ない試料を作製し、極大吸収波長が一致する最低添加量を求める。
このようにして、極大吸収波長が一致した波長を、その増感色素の極大吸収波長とする。
本発明で用いられる有機硼素塩としては、化9で示される有機硼素アニオンが挙げられる。
Figure 2006267594
化9において、R11、R12、R13およびR14は各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R11、R12、R13およびR14の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
上記の有機硼素塩としては、先に示した化9で表される有機硼素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機硼素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機硼素塩の例を以下に示す。
Figure 2006267594
Figure 2006267594
光重合性組成物中に於ける有機硼素塩の割合については好ましい範囲が存在し、増感色素1質量部において該有機硼素塩は1質量部から10質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
また、有機硼素塩は、光照射によりラジカルを発生し得る重合開始剤として知られているが、さらに他の重合開始剤を併用することができる。例えば、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物として トリアジン化合物およびオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)、ヘキサアリールビスイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらの光重合開始剤の中でも、トリハロアルキル置換化合物が好ましく用いられる。ここで言うトリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 2006267594
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トリハロアルキル置換化合物を用いる場合に於いて、その感光性平版印刷版の感光層中に於ける好ましい範囲が存在し、光重合性組成物トータル100質量部中に於ける割合として0.1質量部から50質量部の範囲で含まれることが好ましい。さらに、これらは前述した有機硼素塩とともに光重合性組成物中に含まれている場合において特に感度が向上するため好ましく、この場合有機硼素塩に対する割合としては、有機硼素塩1質量部に対してトリハロアルキル置換化合物は0.1質量部から50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明の光重合性組成物には、バインダーとしてポリマーが用いられる。そのポリマーとしては、側鎖に重合性二重結合を有し、且つ、カルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーが好ましい。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
上記のポリマー側鎖に重合性二重結合を導入する場合のモノマーとしては、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、1−プロペニル−アクリレート、1−プロペニル−メタクリレート、β−フェニル−ビニル−メタクリレート、β−フェニル−ビニル−アクリレート、ビニルメタクリルアミド、ビニルアクリルアミド、α−クロロ−ビニル−メタクリレート、α−クロロ−ビニル−アクリレート、β−メトキシ−ビニル−メタクリレート、β−メトキシ−ビニル−アクリレート、ビニル−チオ−アクリレート、ビニル−チオ−メタクリレート等が挙げられる。
ポリマーとして特に好ましくは、重合性二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーである。ビニル基が置換したフェニル基は直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基は置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記した側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記化14で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 2006267594
式中、Z1は連結基を表し、R1、R2、及びR3は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R4は置換可能な基または原子を表す。n1は0または1を表し、m1は0〜4の整数を表し、k1は1〜4の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Z1の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R5)−、−C(O)−O−、−C(R6)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記化15で表される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR5及びR6は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 2006267594
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。
化14で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2006267594
Figure 2006267594
Figure 2006267594
Figure 2006267594
上記化14で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R1及びR2が水素原子でR3が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、Z1の連結基としては複素環を含むものが好ましく、k1は1または2であるものが好ましい。
化14で示される基を有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーの例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 2006267594
Figure 2006267594
Figure 2006267594
Figure 2006267594
Figure 2006267594
ポリマーは、更に他のモノマーを共重合体成分として含んでもよい。他のモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマー、が挙げられる。
ポリマーの分子量については好ましい範囲が存在し、質量平均分子量として1000から100万の範囲にあることが好ましく、さらに5000から50万の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の光重合性組成物は、重合性モノマーを含有するのが好ましい。これを組み合わせることによって更に高感度が実現でき、また画像強度に優れた画像形成をすることができる。
重合性モノマーとしては、重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましい重合性モノマーの例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることができる。
重合性モノマーとして、更に好ましい態様は、分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物が挙げられる。該化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度のネガ型感光性平版印刷版を作製する上で極めて好ましい。
分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 2006267594
式中、Z2は連結基を表し、R21、R22及びR23は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R24は置換可能な基または原子を表す。m2は0〜4の整数を表し、k2は2以上の整数を表す。
更に詳細に説明する。Z2の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R25)−、−C(O)−O−、−C(R26)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR25及びR26は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記化25で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R21及びR22は水素原子でR23は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、k2は2〜10の化合物が好ましい。以下に化25で表される化合物の具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2006267594
Figure 2006267594
Figure 2006267594
上記のような重合性モノマーが、光重合性組成物中に占める割合に関しては好ましい範囲が存在し、感光層トータル100質量部中において重合性モノマーは1質量部から60質量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5質量部から50質量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
本発明の光重合性組成物に着色剤を含有する事が好ましい。画像部の視認性を高める為に使用されるものであるが、更に好ましくは、セーフライト性向上の為に、可視光領域に吸収を有するものである。又、画質向上の為に、感光波長域の着色剤を含有する事も好ましい。これら着色剤の例としては、下記のような、無機顔料、有機顔料、色素などが挙げることができる。
無機顔料としては、雲母状酸化鉄、鉛丹、黄鉛、銀朱、群青、二酸化チタン、被覆雲母、ストンチームクロメート、チタニウムイエロー、ジンククロロメート、モリブデン赤、酸化クロム、鉛酸カルシウム等が挙げられる。又、有機顔料としては、カーボンブラック、フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ニッケルアゾ顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、アンスロン顔料、キナクリドン顔料、アンスラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、インダスロン顔料、ピランスロン顔料等が挙げられる。又、色素としては、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素が挙げられる。
上記顔料、色素は、単独で用いてもかまわないが、2種以上を併用して用いてもよい。
光重合性組成物を構成する他の要素として重合禁止剤の添加も好ましく行うことが出来る。例えば、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく使用され、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の化合物が好ましく用いられる。これらの重合禁止剤と先に述べたエチレン性不飽和化合物との好ましい割合は、エチレン性不飽和化合物 質量部に対して0.001から0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明において、支持体上に設けられる光重合性組成物の組成は、詳しくは後述するが、少なくとも、側鎖に重合性二重結合を有し、且つ、カルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマー、有機硼素酸塩、増感色素を含有し、好ましくは更に重合性モノマーを含有する。更に、増感色素、重合禁止剤、界面活性剤、着色顔料等が必要に応じて添加される。従って、感光層の塗工液は、上記したような薬剤が有機溶剤中に溶解あるいは分散された状態で含有する。
塗工液中における上記した全薬剤の濃度は、5〜30質量%程度の濃度で調製される。その中でポリマーの濃度は、1〜25質量%の濃度で含有するのが好ましい。感光層の乾燥膜厚は、0.5〜10μmの範囲で形成するのが好ましく、特に1〜5μmの範囲が好ましい。従って、塗工液の塗布量は、予め設定された感光層の厚み及び塗工液中のポリマー濃度から設定される。
塗布方式としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティングなどが挙げられる。
本発明の塗工液に使用される全有機溶剤の50質量%以上含有する沸点が110℃未満の有機溶剤としては、大気圧下で沸点が110℃未満の有機溶剤であれば特に限定される物ではなく使用できる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。特に好ましい有機溶剤としてテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランが挙げられる。全有機溶剤に対して50質量%以上含有する必要があり、好ましくは、70質量%以上、更に好ましくは、80質量%以上含有する事である。
前記有機溶剤の他に塗工液中の分散体の安定性、塗工面の安定助剤等、種々の目的に応じて、110℃以上の高沸点溶剤を含有する事は好ましい形態の1つで、例えば、N.Nジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテル等が、好ましく用いられる。しかし、感光層中に多量に残存する事は前述した様に、経時保存安定性の悪化、印刷性能としての耐刷性の悪化を引き起こす原因になる為好ましくない。含有量には注意が必要で好ましくは全有機溶剤の30質量%以下、更に好ましくは20%以下である。
本発明の平版印刷版に使用される支持体については、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板であり、一般に平版印刷版に使用されるアルミニウム支持体が使用される。一般に平版印刷版に使用されるアルミニウム支持体とは、印刷時における湿し水に対する濡れ(保水性)を良くするため、また感光層との密着を良くするため、その表面を粗面化することが行われる。この粗面化処理(いわゆるグレイニング)には、ボールグレイニング、ワイヤグレイニング、ブラシグレイニング等の機械的粗面化処理、塩化物、フッ化物等で化学的にアルミニウムを溶解することにより行う化学的粗面化処理、及び電気化学的にアルミニウムを溶解することにより行う電解粗面化処理、及びこれらの方法を併用した粗面化方法が知られている。例えば特開昭48−28123号、特開昭53−123204号、特開昭54−146234号、特開昭55−25381、特開昭55−132294号、特開昭56−55291号、特開昭56−150593号、特開昭56−28893号、特開昭58−167196号、米国特許第2,344,510号、米国特許第3,861,917号、米国特許第4,301,229号などがある。アルミ板の表面形状についても、米国特許第2,344,510号は機械的粗面化と電解粗面化を行い重畳的に複合した砂目構造、米国特許第4,301,229号はピット径の累積度数分布と中心線平均粗さ、米国特許第3,861,917号は粗面の深さ、カナダ特許第955449号は粗面の山の高さと直径、西ドイツ特許第1,813,443号は粗面の高低差についてそれぞれ記載されている。このような粗面化処理を行った後、硫酸、リン酸、硝酸あるいはそれらの混合液などの電解液中で陽極酸化処理が施される。
また、必要に応じて陽極酸化処理後に後処理を行うことができる。後処理の方法としては、例えば、熱水処理する方法、英国特許第1,230,447号に開示されたポリビニルホスホン酸の水溶液中に浸漬処理する方法やケイ酸塩溶液に浸漬処理する方法、親水性高分子の下塗層を設ける方法が知られている。
本発明の現像液としては、pH8以上であれば、任意のアルカリ水溶液を使用することができる。アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸アンモニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウムおよび第3リン酸アンモニウム等の無機アルカリ剤や、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアイミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ剤、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムおよびケイ酸リチウムのようなアルカリ金属ケイ酸塩やケイ酸アンモニウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる現像液にはその他の種々界面活性剤と併用することができ、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。これらの併用する界面活性剤は、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
本発明に用いられる現像液には、種々現像安定化剤が用いる事ができる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩及びジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤又は両性界面活性剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオン性ポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質がある。更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報の酸又はアルコールニ4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
本発明に用いられる現像液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当であり、含有物にもよるが、通常、濃縮液:水=1:0〜1:10程度に濃縮する事ができる。又、容器としてはアルカリ性であることから、炭酸ガスを透過しない、しかも安全上輸送中に破損することのない材料を用いることが好ましく、通常ハードボトル、キュービテナー等の樹脂製容器が好ましく用いられる。
本発明の平版印刷版の処理方法においては、露光後通常自動現像機で処理を行う。自動現像機は、一般に現像部と後処理部とからなり、印刷版を搬送する装置と、各処理液槽及びスプレー槽から成り、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで組み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像及び後処理するものである。又、最近は現像液が満たされた現像槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて現像処理する方法が開発されており、この様な現像方法も本発明に好適に適用できる。この様な自動現像液においては、現像処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
この様な組成の現像液で現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムやデンプン誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明の印刷版の後処理はこれらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば、現像→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理がリンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段処理も好ましい態様である。これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とからなる自動現像機を用いて行われる。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を搬送する方法が用いられる。又、現像後一定量の少量の水性水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。この様な自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することが出来る。また、実質的に未使用の後処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。この様な処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、印刷に用いられる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の部は質量部を示す。
<平版印刷版の作製>
下記処方による感光層を作製し、厚みが0.29mmである砂目立て処理および陽極酸化処理を施したアルミニウム板上に24cc/m2で塗設し、平版印刷版A〜Gを作製した。尚、用いた増感色素の種類及び添加量を表1に示す。
<感光層の塗工液>
ポリマー (P−1;質量平均分子量約9万) 7.2部
ポリマーの溶剤として1,3−ジオキソラン 40.2部
重合開始剤 (BC−5) 0.9部
(BS−1) 0.6部
重合性モノマー (C−5) 1.4部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.7部
増感色素(表1に示す)
重合禁止剤 2,6−ジ−t−ブチルクレゾール 0.2部
22%−フタロシアニン系顔料MEK分散物
(MHI8372M:御国色素(株)製) 4.8部
シクロヘキサノン 3.7部
1,3−ジオキソランを加えてトータル100部にする。
作製した各々の平版印刷版を、反射型UV可視分光光度計(株式会社日立製作所製U−3500)を用いて、分光吸収を測定した。その結果を図1及び図2に示す。
図1及び図2は、反射型UV可視分光光度計を用いた分光吸収測定結果を示し、縦軸は吸光度、横軸は波長を示す。図1において、増感色素の添加量が少ない比較の平版印刷版D、Eは、増感色素の極大吸収波長が同じである。増感色素の添加量を増加させた比較の平版印刷版Bは、増感色素の極大吸収波長が833nmになり、平版印刷版C、Dの増感色素の極大吸収波長である837nmに比べて、増感色素の極大吸収波長が4nm短波長側にシフトしている。さらに増感色素の添加量を増加させた本発明の平版印刷版Aは、増感色素の極大吸収波長が822nmになり、平版印刷版C、Dの増感色素の極大吸収波長である837nmに比べて、増感色素の極大吸収波長が15nm短波長側にシフトしている。
一方、図2において、増感色素の添加量が少ない比較の平版印刷版E、Fは、増感色素の極大吸収波長が同じである。増感色素の添加量を増加させた本発明の平版印刷版Gは、増感色素の極大吸収波長が833nmになり、平版印刷版E、Fの増感色素の極大吸収波長である844nmに比べて、増感色素の極大吸収波長が11nm短波長側にシフトしている。
この結果、増感色素の添加増大させた平版印刷版A、Gは、増感色素の極大吸収波長が短波長側に8nm以上シフトしているのが分かる。
また、各々の平版印刷版を、830nm半導体レーザーを搭載した外面ドラム方式プレートセッター(大日本スクリーン製造株式会社製PT−R4000)を使用して、ドラム回転速度1000rpm解像度2400dpi、レーザー照射エネルギー100mJ/cm2の条件で印刷テストチャート画像の露光を行った。露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社製PS版用自動現像機PD−1310を使用し、下記現像液を使用して現像処理30℃の液温で15秒間処理)を行ない、続いて下記処方のガム液を塗布し、製版した。
<現像液>
35%アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
(花王(株)社製界面活性剤) 30g
KOH 25g
20%珪酸カリ水溶液(SiO2を20%含む) 50g
N−アミノエチルエタノールアミン 30g
水で 1L
<ガム液>
リン酸1カリ 5g
アラビアガム 25g
デヒドロ酢酸 0.5g
EDTA2Na 1g
水で 1L
上記のようにして製版した平版印刷版について、耐刷性を評価した。耐刷試験方法としては、印刷機はハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)を使用し、インキはBEST ONE墨H(T&KTOKA(株)社製)、湿し水はアストロマークIII(株式会社日研化学研究所社製湿し水)の1%水溶液を使用し、各々の結果を下記評価基準にて評価し、表1にまとめた。
耐刷性
○ :30万枚以上
△ :10万〜30万枚
× :10万枚以下
Figure 2006267594
上記結果より、比較の平版印刷版B、C、D、E、Fは、十分な耐刷性を有していないのに対し、増感色素の極大吸収波長が短波長側に8nm以上シフトしている本発明の平版印刷版A、Gは、十分な耐刷性が得られた。
以上の結果より、増感色素の極大吸収波長が短波長側に8nm以上シフトした本発明の平版印刷版は、良好な耐刷性を示す事が判る。
平版印刷版A、B、C、Dの反射型UV可視分光光度計を用いた分光吸収 平版印刷版E、F、Gの反射型UV可視分光光度計を用いた分光吸収

Claims (2)

  1. (A)有機硼素酸塩、(B)増感色素を少なくとも含有する感光層を設けたレーザー用光重合性組成物において、該増感色素の添加量が、極大吸収波長が短波長側に8nm以上シフトする添加量であることを特徴とするレーザー用光重合性組成物。
  2. 支持体上に、光重合性組成物の層が形成されてなるレーザー用平版印刷版において、該光重合性組成物が請求項1記載の光重合性組成物であるレーザー用平版印刷版。

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