JP7110363B2 - カプセル封入された光吸収剤のナノ粒子、その調製方法、及びナノ粒子を含む眼鏡用レンズ - Google Patents

カプセル封入された光吸収剤のナノ粒子、その調製方法、及びナノ粒子を含む眼鏡用レンズ Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、眼鏡用レンズの分野に関する。より詳しくは、本発明は、無機酸化物のマトリックス中に分散されている光吸収剤を含む複合材料のナノ粒子、そのようなナノ粒子の調製方法、光吸収剤を含む複合材料のナノ粒子の色相を変更するための前記方法の使用、及びそのようなナノ粒子を含む眼鏡用レンズに関する。
発明の背景
プラスチック製の眼鏡用レンズはよく知られており、一般的な用途を有している。今日、プラスチックレンズには2つの主なカテゴリーが存在する。1つ目は、プラスチックが熱可塑性ポリマーであるカテゴリーであり、2つ目は、プラスチックが、活性化状態で重合することでポリマーを形成できるモノマー及び/又はオリゴマーを含有する重合性組成物の重合により得られる熱硬化性ポリマーであるカテゴリーである。プラスチック製の眼鏡用レンズを製造するために使用されるポリマーの中では、特に、例えばアリルジグリコールカーボネート(CR-39とも呼ばれる)などのポリカーボネートを挙げることができる。これらのポリマーを使用すると、安全性、コスト、製造の容易さ、及び光学品質の点で優れた特性を有する眼鏡用レンズが得られる。プラスチック製の眼鏡用レンズは、そのような優れた特性を示すものの、それらの作製に使用されるポリマー自体がわずかに着色しているため、特にはわずかに黄色味を帯びているため、多くの場合わずかに着色している、特に黄色味を帯びているという欠点を有している。その結果、これはレンズ装着者の審美的な要求に反する影響をもたらす。
眼鏡用レンズのこの審美的な要求に反する色を抑制することが知られている解決手段の1つは、製造プロセス中に使用されるバルク液体原料である重合性配合物(すなわち重合前)の中に着色分子、特に青色染料を配合することで、ポリマーの本来の望ましくない色とのバランスをとり、着色が少ないか無着色の最終レンズを得ることである。しかしながら、この目的のために使用される分子は、バルク液体原料である重合性配合物と常に相溶性があるとは限らず、またこれらが重合プロセス中に分解する可能性がある。
欧州特許第2282713号明細書 欧州特許第2263788号明細書 日本特許第3347140号公報
欧州特許第2282713号明細書、欧州特許第2263788号明細書、及び日本特許第3347140号公報などの特許には、日焼けから保護するための化粧品用途のための無機マトリックス中に封入された紫外線吸収剤が記載されている。しかしながら、ナノ粒子中及び化粧品組成物中に含まれる多量の紫外線吸収剤は、眼鏡用レンズの作製のための液体重合性組成物との相溶性を有していない。したがって、これらの特許で使用されている技術は、眼鏡用レンズの分野に直接転用することができない。
加えて、カプセル封入が所定のポリマー配合物の中に不安定な分子を相溶化するための非常に魅力的な技術である可能性を有する場合、カプセル封入プロセスは、無機マトリックス又は他の要因との相互作用の可能性のため、溶液中の標準的な染料スペクトルと比較して色素スペクトル特性に若干の変化をもたらす可能性もある。これらの変化の結果、カプセル封入された染料のスペクトル特性を予測することは容易ではなく、またそのようなカプセル封入された染料をバルク液体重合性配合物に組み込むことが、レンズポリマーマトリックスの本来の望ましくない色のバランスをとるのに都合がよいかどうかを予測することは容易ではない。
以上のことから、プラスチック製の眼鏡用レンズの製造プロセス中に使用することができ、その色を調整してレンズポリマーの本来の望ましくない色とのバランスをとり、着色が少ないか無着色の最終レンズを得ることができる、着色材料が必要とされている。
出願人は、この要求は、異なる凝集状態を示す特性を有する光吸収剤をカプセル封入するナノ粒子を使用することによって満たすことができることを見出した。
発明の要旨
したがって、本発明の第1の目的は、無機酸化物のマトリックス中に分散されている少なくとも1種の光吸収剤LAを含む複合材料のナノ粒子であって、
- 光吸収剤LAが、異なる凝集状態を示す特性を有し、前記ナノ粒子中にカプセル封入されており、
- 光吸収剤LAが、モノマー形態LA と凝集形態LAの両方でマトリックス中に分散されており、
- 光吸収剤LAが、1.25~10の範囲の吸光度比A=A/Aを有しており、Aは、凝集形態LAの最大吸収波長で測定された光吸収剤LAの吸光度であり、A、モノマー形態LAの最大吸収波長で測定された光吸収剤LAの吸光度である、
ナノ粒子である。
本発明の第2の目的は、本発明の第1の目的に従って定義されるナノ粒子の調製方法であり、前記方法は、
i)無機酸化物のマトリックス中に分散されているモノマー形態LAの少なくとも1種の光吸収剤を含む複合材料のナノ粒子を調製する工程、
ii)工程i)で得られたナノ粒子を80~300℃の範囲の温度で、5分~120時間の範囲の時間アニールする工程。
を少なくとも含む。
本発明の第3の目的は、無機酸化物のマトリックス中に分散されている少なくとも1種の光吸収剤LAを含む複合材料のナノ粒子の色相を変更するための、本発明の第2の目的に従って定義される方法の使用である。
最後に、本発明の第4の目的は、本発明の第1の目的に従って定義されるナノ粒子を含む眼鏡用レンズである。
本発明により、吸光度比Aを変化させて可能な限りニュートラルな残留色を有する眼鏡用レンズをもたらす色バランス剤を得ることで、ナノ粒子の色相を調整することができる。
特に、本発明による方法のアニール工程により、無機酸化物のマトリックス中にカプセル封入された単一の染料材料は、処理条件、すなわちアニール工程の温度及び時間に応じて、所定の間隔内に複数の色相を示すことができ、そのため、同じ基本材料を様々な製品用途のために使用することができる。特に、アニール工程は、ナノ粒子の最終的な色に関与する光吸収剤の凝集レベルを調節するために行われる。
光吸収剤をカプセル封入することは、他の利点も有している。無機粒子は、水溶性の光吸収剤のための優れたカプセル封入材料である。実際、これらの粒子は、モノマーなどの非プロトン性媒体との優れた相溶性を示す。表面修飾により、これらの粒子をほとんどの媒体と相溶性にすることができる。これによって、疎水性溶媒又はマトリックス中で水溶性光吸収剤を使用することが可能になる。
さらに、ナノ粒子は標準化剤とみなすことができる:カプセル封入される光吸収剤が何であろうと、モノマーと相互作用するナノ粒子の外表面は同じにすることができ、そのため配合物の中に同様な基材が既に配合されている場合、異なる光吸収剤を用いても、所定の光吸収剤を配合物の中に容易に配合することができる。
図1aは、ストーバー法によって得た、様々な濃度でメチレンブルーを含むアニール工程の前に測定したナノ粒子(CR-39(著作権)中のナノ粒子0.03重量%)の、波長(nm)の関数としての吸収スペクトルを表すグラフである。図1bは、図1aのナノ粒子を180℃で2時間アニールした後に測定した吸収スペクトルを表すグラフである。 図2a、及び図2bは、それぞれ色相h、及びCと、0.5、1、2、3、又は4重量%のメチレンブルー溶液を用いてストーバー法で調製したシリカナノ粒子との相関関係を表すグラフである。 ストーバー法によって得た、2重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したシリカナノ粒子を含む透明レンズの色相(h)に対するナノ粒子のアニール温度(℃)の影響の結果である。 逆エマルション法によって得た、2重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したシリカナノ粒子を含む透明レンズの色相(h)に対するナノ粒子のアニール温度(℃)の影響の結果である。 2重量%のメチレンブルー溶液を用いて異なるアニール温度で調製した、ストーバー法で得られたシリカナノ粒子を70ppm含むレンズ(図3の四角形で表されるレンズ)の透過スペクトルである。
詳細な説明
好ましい実施形態では、ナノ粒子に含まれる無機酸化物は透明な材料である。特に、無機酸化物は、好ましくは二酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及びそれらの混合物を含む群から選択される。これらの酸化物の中でも二酸化ケイ素が特に好ましい。
好ましい実施形態によれば、ナノ粒子は内側から外側まで均一な組成を有しており、その中で光吸収剤は均一に分布している。この特徴のため、ナノ粒子全体の光学特性を正確に制御することができる。この特徴によれば、光吸収剤はナノ粒子の中にカプセル封入されている、すなわち、光吸収剤は前記ナノ粒子内に含まれているか、前記ナノ粒子にグラフトされている。
別の実施形態では、ナノ粒子は、光吸収添加剤を含むコアと、コアを取り囲むシェルを有する。シェルは、好ましくは、コアをマトリックスから隔離するように選択される。そのため、シェルの性質は、好ましくは対応する粒子の使用が意図されているマトリックスに関連付けられる。
ナノ粒子は、光吸収剤を中で貯蔵及び保護するリザーバのように作用する。光吸収剤は、ナノ粒子中に均一に分散されていても、又はナノ粒子のコアに局在していてもよい。光吸収剤は、ナノ粒子の表面又は空隙内部に局在していてもよい。
実際、本発明によるレンズ組成物からの活性反応物、すなわちラジカル重合に関与するラジカルは、ナノ粒子の内側部分で拡散することができない。ナノ粒子の表面上又は空隙の中に光吸収添加剤が位置する場合、活性な反応物がそれらに到達する可能性があるものの、グラフト化又は捕捉されている添加剤の移動性が妨げられるため、反応の確率が低下し、添加剤も保護される。
ISO 489:1999に従って測定されるナノ粒子の屈折率は、好ましくは1.47~1.74である。より好ましくは、ナノ粒子の屈折率は、ポリマーマトリックスの屈折率と同一である。実際、両者の屈折率が近いほど、レンズ組成物の全体の透過率に対するナノ粒子の影響は小さくなる。
無機物に基づくナノ粒子の屈折率は、ナノ粒子の調製に使用される無機酸化物又は無機酸化物の混合物の種類に依存する。そのため、SiOナノ粒子の屈折率は1.47~1.5であり、SiOとTiOとの混合物、SiOとZrOとの混合物、又はSiOとAlとの混合物を含むナノ粒子の屈折率は、1.56又は1.6に達する場合がある。
本発明によれば、光吸収剤LAは、複数の凝集レベルを有することができる染料又は顔料などの着色剤から選択される。
本発明の意味において、光吸収剤LAは、380nmから780nmまでの可視範囲の光を吸収する。光吸収剤は、380nm未満の紫外範囲に吸収の最大を有する場合もあるものの、それでも依然として可視範囲にかなりの吸収を有する。光吸収剤は、780nmを超える近赤外線範囲に吸収の最大を有する場合もあるものの、それでも依然として可視範囲にかなりの吸収を有する。好ましくは、光吸収剤LAの吸収の最大値は可視範囲に含まれる。
本発明の意味において、複数の凝集レベルを有する着色剤は、モノマー形態(LA)、又は分子間相互作用によって、特にはパイ-スタッキング(π-πスタッキングとも呼ばれる)を介して、一体に積み重ねられた少なくとも2つのモノマーの凝集形態(LA)、のいずれであってもよい着色剤である。
好ましくは、凝集形態LA 光吸収剤LAは、少なくとも2つのモノマー形態LA 光吸収剤LAの凝集体である。
ナノ粒子の複合材料中に含まれる光吸収剤LAの吸光度比A(=A /A は、凝集形態LAの最大吸収波長で測定された光吸収剤LAの吸光度の比であり、 は、凝集形態LA の最大吸収波長で測定された光吸収剤LAの吸光度であり、は、モノマー形態LAの最大吸収波長で測定された光吸収剤LAの吸光度である。この比は、ナノ粒子の複合材料中に含まれる光吸収剤LAのモノマー形態LA と凝集形態LA のそれぞれの比率を直接反映する。
本発明によれば、吸光度測定プロトコルは、0.03重量%の乾燥ナノ粒子を溶媒中に、特にCR-39などの眼鏡用レンズの作製に使用される液体原料モノマー中に分散させ、厚さ2mmのキュベット中の粒子が入っていない溶媒で作られたブランクを参照としてUV-Vis分光光度計(Cary)で吸光度を測定することからなる。上述したように、凝集形態LAの最大吸収波長で光吸収剤LAの吸光度を得るためのものと、モノマー形態LAの最大吸収波長で光吸収剤LAの吸光度を得るためのものの2つの吸光度測定が行われる。
光吸収剤LAは、好ましくは、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ポルフィリン、及びそれらの混合物を含む群から選択される。これらの具体的な光吸収剤の中でも、例えばメチレンブルーやナイルブルーなどの青色染料が特に好ましい。
本発明の特定の好ましい実施形態によれば、マトリックスの無機酸化物はSiOであり、光吸収剤LAはメチレンブルーである。
光吸収剤LAの吸光度比Aは、好ましくは約1.3~5の範囲である。
光吸収剤LAの量は、前記ナノ粒子の総重量に対して、好ましくは約0.001~約10重量%、より好ましくは約0.1~約3重量%の範囲である。
本発明との関係において、「ナノ粒子」という用語は、本明細書に開示の動的光散乱法によりその最も長い方向で測定される、約1nm~約10μmの範囲、好ましくは約5nm~約5000nm、更により好ましくは約100~約200nmの範囲のサイズを有する任意の形状の個別化された粒子を意味することが意図されている。
本発明によるナノ粒子は、好ましくは球形を有する。
本発明の第2の目的は、本発明の第1の目的に従って定義されるナノ粒子の調製方法であり、前記方法は少なくとも、
i)無機酸化物のマトリックス中に分散されているモノマー形態LAの少なくとも1種の光吸収剤を含む複合材料のナノ粒子を調製する工程、
ii)工程i)で得られたナノ粒子を80~300℃の範囲の温度で、5分~120時間の範囲の時間アニールする工程、
を含む。
工程i)の無機酸化物のマトリックス中に分散されているモノマー形態LAの少なくとも1種の光吸収剤を含む複合材料のナノ粒子は、当該技術分野で周知のいくつかの方法によって、特にストーバー合成又は逆マイクロエマルションによって調製することができる。
1つ目の例として、無機酸化物が二酸化ケイ素である場合、シリカナノ粒子は、低モル質量のアルコール(エタノールなど)及びアンモニアを含む過剰の水の中で、テトラエチルオルトシリケートなどの二酸化ケイ素前駆体と光吸収剤とを混合することによるストーバー合成によって調製することができる。ストーバー手法では、光吸収剤は、例えば、従来のシランで、好ましくはアルコキシシランでシリル化されたシリカとの共有結合を作ることができるように官能化されてもよい。ストーバー合成は、制御可能なサイズの単分散SiO粒子を有利に生成する。
2つ目の例として、光吸収剤を含むナノ粒子は、シクロヘキサン及びn-ヘキサノールなどの油相;水;Triton X-100などの界面活性剤;光吸収剤;テトラエチルオルトシリケート及びチタンアルコキシレートなどの1種以上の無機酸化物前駆体;並びに水酸化ナトリウムなどのpH調整剤;を混合することによる逆(油中水)マイクロエマルションによって調製することもできる。逆マイクロエマルション手法では、ストーバー合成でカプセル封入されるものより多量の極性光吸収剤を無機酸化物マトリックスの中にカプセル封入することができる。カプセル封入の収率を非常に高くできるため、高価な光吸収の浪費が回避される。更に、この方法は、特に逆マイクロエマルションの場合に、有利なことには粒子サイズの制御を容易に行うことができる。加えて、この方法では、シリカナノ粒子にTiO又はZrOを添加することができる。
ストーバー合成及び逆(油中水)マイクロエマルションによって得られたナノ粒子は、高度に網状化されて疎水性シリカ基で被覆され、結果としてナノ粒子からの光吸収剤の漏出が防止され、レンズ重合中のナノ粒子内部でのラジカルの移動が防止される。
上述した方法で得られたナノ粒子は、工程ii)で直接使用してもよく、或いは例えば粉砕工程などで最初に前処理してそれらのサイズを小さくしてもよい。
本発明の好ましい実施形態によれば、アニール工程は、80~180℃の範囲の温度で30分間~24時間行われる。
アニール工程ii)は、例えばエアオーブン中で行うことができる。
アニール工程ii)は、必要に応じて吸光度比Aを調整するために、1回のみ、或いは少なくとも2回以上実施することができる。その場合、本発明による方法は、前記比が望まれる値を有するか否か、及びアニールの更なる工程ii)が必要か否かを決定するために、前記ナノ粒子の吸光度比Aを測定する更なる工程iii)を含んでいてもよい。
特に、本発明による方法のアニール工程により、無機酸化物のマトリックス中にカプセル封入された単一の染料材料は、処理条件、すなわちアニール工程の温度及び継続時間に応じて、所定の間隔内に複数の色相を示すことができ、そのため、同じ基本材料を様々な製品用途のために使用することができる。特に、アニール工程は、ナノ粒子の最終的な色に関与する光吸収剤の凝集レベルを調節するために行われる。
したがって、本発明の第3の目的は、無機酸化物のマトリックス中に分散されている少なくとも1種の光吸収剤LAを含む複合材料のナノ粒子の色相を変更するための、本発明の第2の目的に従って定義される方法の使用である。
本発明の第1の目的に従って定義されるナノ粒子は、眼鏡用レンズの製造に使用されるポリマーの本来の望ましくない天然色のバランスをとるために、特に黄色のバランスをとるために有利に使用することができる。
硬化した眼鏡用レンズの黄色度指数(YI)は、ASTM D-1925規格に従って、三刺激値(X,Y,Z)から関係式:YI=(128X-106Z)/Yにより計算することができる。
したがって、本発明の第4の目的は、本発明の第1の目的に従って定義された又は本発明の第2の目的に従って調製されたナノ粒子を含む眼鏡用レンズである。
本発明の眼鏡用レンズは、ポリマーマトリックス及びその中に分散されているナノ粒子を含む。
ポリマーマトリックスは、モノマー又はオリゴマーの重合を開始するための触媒の存在下でモノマー又はオリゴマーを含む重合性液体組成物の重合により得られる。
ポリマーマトリックス及びその中に分散されているナノ粒子は、そのため、複合基材、すなわち最終的な眼鏡用レンズにおいてその前面及び後面に対応する2つの主表面を有する複合材料を一緒に形成する。
ある実施形態では、眼鏡用レンズは、本質的にポリマーマトリックスとその中に分散されているナノ粒子とからなる。
別の実施形態では、眼鏡用レンズは、ポリマーマトリックスとその中に分散されているナノ粒子とのコーティングがその上に堆積されている光学基材を含む。
ポリマーマトリックスは、好ましくは透明マトリックスである。
ポリマーマトリックスは、有利には、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)、セルローストリアセテート、又はこれらのコポリマーなどの熱可塑性樹脂から選択することができ、或いは環状オレフィンコポリマー、アリルエステルのホモポリマー又はコポリマー、直鎖又は分岐の脂肪族又は芳香族ポリオールの炭酸アリルのホモポリマー又はコポリマー、(メタ)アクリル酸及びそのエステルのホモポリマー又はコポリマー、チオ(メタ)アクリル酸及びそのエステルのホモポリマー又はコポリマー、ウレタン及びチオウレタンのホモポリマー又はコポリマー、エポキシのホモポリマー又はコポリマー、スルフィドのホモポリマー又はコポリマー、ジスルフィドのホモポリマー又はコポリマー、エピスルフィドのホモポリマー又はコポリマー、チオール及びイソシアネートのホモポリマー又はコポリマーなどの熱硬化性樹脂、並びにこれらの組み合わせから選択される。
ポリマーマトリックス中の前記ナノ粒子の量は、≦1000ppm、好ましくは≦250ppmであってもよい。
前述したポリマーマトリックスを生成するために使用される重合性液体組成物(以降「重合性組成物」という)は、モノマー又はオリゴマーと、触媒と、本発明の第1の目的に従って定義される光吸収性添加剤を含むナノ粒子とを含有する。前記モノマー又はオリゴマーは、アリル化合物又は非アリル化合物のいずれであってもよい。
モノマー又はオリゴマーは、特に、アリルモノマー又はアリルオリゴマーであってもよい。すなわち、本発明による重合性組成物中に含まれるモノマー又はオリゴマーは、アリル基を含む化合物である。
好適なアリル化合物の例としては、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、エチレングリコールビス(アリルカーボネート)、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)のオリゴマー、エチレングリコールビス(アリルカーボネート)のオリゴマー、ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)、ジアリルフタレート類(ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、及びジアリルテレフタレート等)、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明による重合性組成物中に含まれるモノマー又はオリゴマーは、非アリルモノマー又はオリゴマーの中から選択することもできる。好適な非アリル化合物の例としては、アクリル基又はメタクリル基を有するアクリルモノマーとして知られる熱硬化性材料が挙げられる。(メタ)アクリレートは、一官能性(メタ)アクリレート、又は2~6個の(メタ)アクリル基を有する多官能性(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物であってもよい。限定するものではないが、(メタ)アクリレートモノマーは以下から選択される:
- アルキル(メタ)アクリレート、特にはアダマンチン、ノルボルネン、イソボルネン、シクロペンタジエン、又はジシクロペンタジエンから誘導された(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート及びエチル(メタ)アクリレートなどのC~Cアルキル(メタ)アクリレート;
- ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、又はフルオレン(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;
- ビスフェノールから、特にはビスフェノールAから誘導される(メタ)アクリレート;
- ポリエトキシル化ビスフェノレートジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシル化フェノール(メタ)アクリレートなどのポリアルコキシル化芳香族(メタ)アクリレート;
- ポリチオ(メタ)アクリレート;
- アルキル(メタ)アクリル酸とポリオール又はエポキシとのエステル化生成物;
- 並びにこれらの混合物。
(メタ)アクリレートは、特にハロゲン置換基、エポキシ、チオエポキシ、ヒドロキシル、チオール、スルフィド、カーボネート、ウレタン、又はイソシアネート官能基で更に官能化されていてもよい。
好適な非アリル化合物の他の例としては、ポリウレタン又はポリチオウレタンマトリックス、すなわち少なくとも2つのイソシアネート官能基を有するモノマー又はオリゴマーと少なくとも2つのアルコール、チオール、又はエピチオ官能基を有するモノマー又はオリゴマーとの混合物、を調製するために使用される熱硬化性材料が挙げられる。
少なくとも2つのイソシアネート官能基を有するモノマー又はオリゴマーは、2,2’メチレンジフェニルジイソシアネート(2,2’MDI)、4,4’ジベンジルジイソシアネート(4,4’DBDI)、2,6トルエンジイソシアネート(2,6TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’メチレンジフェニルジイソシアネート(4,4’MDI)などの対称芳香族ジイソシアネート;又は2,4’メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4’MDI)、2,4’ジベンジルジイソシアネート(2,4’DBDI)、2,4トルエンジイソシアネート(2,4TDI)などの非対称芳香族ジイソシアネート;又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,5(又は2,6)-ビス(イソ-シアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NDI)、又は4,4’ジイソシアナト-メチレンジシクロヘキサン(H12MDI)などの脂環式ジイソシアネート;又はヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ジイソシアネート;又はこれらの混合物から選択することができる。
少なくとも2つのチオール官能基を有するモノマー又はオリゴマーは、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、4-メルカプトメチル-3,6-ジチア-1,8-オクタンジチオール、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、2,5-ジメルカプトメチル-1,4-ジチアン、2,5-ビス[(2-メルカプトエチル)チオメチル]-1,4-ジチアン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアンウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアンウンデカン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアンウンデカン、及びこれらの混合物から選択することができる。
少なくとも2つのエピチオ官能基を有するモノマー又はオリゴマーは、ビス(2,3-エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピル)ジスルフィド、及びビス[4-(β-エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(β-エピチオプロピルオキシ)シクロヘキシル]スルフィドから選択することができる。
前述したマトリックスを生成するために使用される重合性液体組成物は、
a)少なくとも1種のモノマー又はオリゴマー
b)前記モノマー又はオリゴマーの重合を開始するための少なくとも1種の触媒、
c)本発明の第1の目的に従って定義される無機酸化物のマトリックス中に分散されている少なくとも1種の光吸収剤LAを含む複合材料のナノ粒子であって、前記モノマー又はオリゴマー中に分散されているナノ粒子、
を含有する。
モノマー又はオリゴマーがアリル型である場合、本発明によるポリマーマトリックスを生成するために使用される重合性組成物中の前記アリルモノマー又はオリゴマーの量は、組成物の総重量を基準として、20~99重量%、特には50~99重量%、より具体的には80~98重量%、更に具体的には90~97重量%であってもよい。特に、ポリマーマトリックスを生成するために使用される重合性組成物は、組成物の総重量を基準として、20~99重量%、特には50~99重量%、より具体的には80~98重量%、更に具体的には90~97重量%のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)のオリゴマー、又はこれらの混合物を含有していてもよい。
特定の実施形態によれば、触媒はジイソプロピルペルオキシジカーボネート(IPP)である。
本発明による重合性組成物の中の触媒の量は、組成物の総重量を基準として、1.0~5.0質量%、特には2.5~4.5質量%、より具体的には3.0~4.0質量%であってもよい。
ポリマーマトリックスを生成するために使用される重合性組成物は、上述したアリルモノマー又はオリゴマーと重合することができる第2のモノマー又はオリゴマーも含有していてもよい。好適な第2のモノマーの例としては:スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、及びジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルキルモノ(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリルオキシプロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリルオキシジエトキシ)フェニル]プロパン、及び2,2-ビス[4-((メタ)-アクリルオキシポリエトキシ)フェニル]プロパンなどのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びテトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート;テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレート;が挙げられる。これらのモノマーは、単独で使用されても2種以上の組み合わせで使用されてもよい。上の記載において、「(メタ)アクリレート」は「メタクリレート」又は「アクリレート」を意味し、「(メタ)アクリルオキシ」は「メタクリルオキシ」又は「アクリルオキシ」を意味する。
本発明によるポリマーマトリックスを生成するために使用される重合性組成物中の第2のモノマー又はオリゴマーの量は、組成物の総重量を基準として、1~80重量%、特には1~50重量%、より具体的には2~20重量%、更に具体的には3~10重量%であってもよい。
モノマー又はオリゴマーが(メタ)アクリル型のものである場合、本発明によるポリマーマトリックスを生成するために使用される重合性組成物中の前記(メタ)アクリルモノマー又はオリゴマーの量は、組成物の総重量を基準として、20~99重量%、特には50~99重量%、より具体的には80~98重量%、更に具体的には90~97重量%である。
(メタ)アクリルのモノマーの例は、上で定義したアルキルモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、又はテトラ(メタ)アクリレートである。これらのモノマーは、単独で使用されても2種以上の組み合わせで使用されてもよい。
ポリマーマトリックスを生成するために使用される重合性組成物は、上述した(メタ)アクリルモノマー又はオリゴマーと重合することができる第2のモノマー又はオリゴマーも含有していてもよい。好適な第2のモノマーの例としては、スチレンなどの芳香族ビニル化合物が挙げられる。これらのモノマーは単独で使用されても2種以上の組み合わせで使用されてもよい。
本発明によるマトリックスを生成するために使用される重合性組成物中の第2のモノマー又はオリゴマーの量は、組成物の総重量を基準として、1~80重量%、特には1~50重量%、より具体的には2~20重量%、更に具体的には3~10重量%であってもよい。
本発明によるポリマーマトリックスがポリウレタン又はポリチオウレタン型のものである場合、少なくとも2つのイソシアネート官能基を有するモノマー又はオリゴマーと、少なくとも2つのアルコール、チオール、又はエピチオ官能基を有するモノマー又はオリゴマーとは、好ましくは全ての重合性官能基が完全に反応するような化学量論比で選択される。
本発明による重合性液体組成物の中に含まれる触媒は、例えば有機過酸化物、有機アゾ化合物、有機スズ化合物、及びこれらの混合物などの、モノマーの重合を開始させるのに適した触媒である。
好適な有機過酸化物の例としては、ジイソプロピルペルオキシド及びジ-t-ブチルペルオキシドなどのジアルキルペルオキシド;メチルエチルケトンペルオキシド、メチルイソプロピルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、メチルイソブチルケトンペルオキシド、及びシクロヘキサンペルオキシド等のケトンペルオキシド;ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルペルオキシジカーボネート、及びイソプロピル-sec-ブチルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネート;t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート及びt-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート等のペルオキシエステル;ベンゾイルペルオキシド、アセチルペルオキシド、及びラウロイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド;2,2-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ブタン、1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、及び1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどのペルオキシケタール;及びこれらの混合物が挙げられる。
好適な有機アゾ化合物の例としては、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)、及びこれらの混合物が挙げられる。
好適な有機スズ化合物の例は、ジメチルスズクロリド、ジブチルスズクロリド、及びこれらの混合物である。
本発明による眼鏡用レンズを調製するために実施されるプロセスは、
a)ポリマーマトリックスを調製することができるモノマー又はオリゴマーを準備する工程;
b)モノマー又はオリゴマーの中に分散可能な粉末の形態であるか、モノマー又はオリゴマーの中に分散可能な液体中のナノ粒子の分散液の形態のいずれかで、本発明の第2の目的で定義された方法により光吸収剤をカプセル封入しているナノ粒子を調製する工程;
c)モノマー又はオリゴマーの重合を開始するための触媒を準備する工程;
d)ナノ粒子が分散されている重合性液体組成物を得るために、モノマー又はオリゴマーと、ナノ粒子と、触媒とを混合する工程;
e)任意選択的に重合性液体組成物を基材上に堆積させる工程;
f)重合性液体組成物を硬化させる工程;
を含む。
好ましくは、硬化は熱硬化である。
本明細書において、基材の表面上に堆積されるとされるコーティングは、(i)基材の上に位置する、(ii)基材と必ずしも接触しない、すなわち1つ以上の中間層が基材と対象の層との間に配置され得る、及び(iii)基材を必ずしも完全に被覆しない、コーティングとして定義される。
コーティングは、湿式処理、気体処理、及びフィルム転写などの様々な方法により堆積又は形成することができる。
好ましい実施形態によれば、重合性液体組成物は均一になるまで撹拌され、その後硬化前に脱気及び/又は濾過されてもよい。
好ましい実施形態によれば、ナノ粒子が液体中の分散液の形態で与えられる場合、分散液はモノマー又はオリゴマー内に分散可能なものであり、特には分散する液体は本発明によるマトリックスを生成するために使用されるモノマー又はオリゴマーである。
上述した重合性液体組成物は、レンズを形成するための注型用のモールドに流し込まれ、40~130℃、特には75~105℃、又は特には100~150℃、又は特には45~95℃の温度で加熱することにより重合されてもよい。好ましい実施形態によれば、加熱は5~24時間、好ましくは7~22時間、より好ましくは15~20時間継続されてもよい。
その後、注型用のモールドは分解することができ、レンズを水、エタノール、又はイソプロパノールで洗浄することができる。
眼鏡用レンズは、その後、耐摩耗コーティング、反射防止コーティング、防汚コーティング、帯電防止コーティング、防曇コーティング、偏光コーティング、着色コーティング、及びフォトクロミックコーティングからなる群から選択される1つ以上の機能性コーティングで被覆されてもよい。
組成物中に分散されているナノ粒子に含まれる光吸収剤LAは、既に上で定義した通りである。
本発明による眼鏡用レンズは、眼を保護する及び/又は視力を矯正するために眼鏡フレームに適合するように設計されたレンズであり、これは、非矯正用眼鏡レンズ(プラノレンズ又はアフォーカルレンズともいう)であっても矯正用眼鏡レンズであってもよい。
矯正レンズは、単焦点、二焦点、三焦点、又は累進レンズであってもよい。
以下の実施例により本発明をより詳しく説明するが、これらの実施例は純粋に例示を目的として与えられており、いかなる形でも本発明の範囲を限定することは意図されていない。
実施例
図面
図1aは、ストーバー法によって得た、様々な濃度でメチレンブルーを含むアニール工程の前に測定したナノ粒子(CR-39(著作権)中のナノ粒子0.03重量%)の、波長(nm)の関数としての吸収スペクトルを表すグラフである。この図では、灰色の点線は1重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したナノ粒子に対応し、灰色の実線は2重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したナノ粒子に対応し、黒い点線は3重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したナノ粒子に対応し、黒い実線は4重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したナノ粒子に対応する。実験プロトコルは、以下の実施例1で詳しく説明されている。
図1bは、図1aのナノ粒子を180℃で2時間アニールした後に測定した吸収スペクトルを表すグラフである。
図2は、h(図2a)及びC(図2b)と、0.5、1、2、3、又は4重量%のメチレンブルー溶液を用いてストーバー法で調製したシリカナノ粒子との相関関係を表すグラフを示す。これらのグラフでは、h、それぞれのC(絶対値)は、メチレンブルー濃度(重量%)の関数である。
図3は、ストーバー法によって得た、2重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したシリカナノ粒子を含む透明レンズの色相(h)に対するナノ粒子のアニール温度(℃)の影響の結果を示す。この図では、ひし形はレンズ中の30ppmのナノ粒子に対応し、四角形はレンズ中の70ppmのナノ粒子に対応し、三角形はレンズ中の150ppmのナノ粒子に対応する。
図4は、逆エマルション法によって得た、2重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したシリカナノ粒子を含む透明レンズの色相(h)に対するナノ粒子のアニール温度(℃)の影響の結果を示す。この図では、ひし形はレンズ中の80ppmのナノ粒子に対応し、四角形はレンズ中の120ppmのナノ粒子に対応し、三角形はレンズ中の200ppmのナノ粒子に対応する。
図5は、2重量%のメチレンブルー溶液を用いて異なるアニール温度(図3の四角形で表されるレンズ)で調製した、ストーバー法で得られたシリカナノ粒子を70ppm含むレンズの透過スペクトルである。この図では、透過率(%T)は波長(nm)の関数であり、灰色の実線の曲線は80℃で2時間のアニールに対応し、破線の曲線は120℃で2時間のアニールに対応し、長破線の曲線は180℃で2時間のアニールに対応する。
材料
以下の実施例では下の表1に記載の化学物質を使用した:
Figure 0007110363000001
特性評価
ナノ粒子の吸光度測定:吸光度測定プロトコルは、CR-39中に0.03重量%の乾燥ナノ粒子を分散し、厚さ2mmのキュベットの中の粒子が入っていないCR-39で作られたブランクを参照として、UV-Vis分光光度計(Cary)で吸光度を測定することからなる。
ナノ粒子の色:本発明のナノ粒子の表色パラメータは、国際表色系CIE Lに従って測定される。すなわち、入射角15°の標準光源D65と観測者(10°の角度)を考慮に入れ、380~780nmで計算する。0.03%の乾燥粒子をCR-39に分散し、そのような材料(2mm厚のキュベット中)を通過する透過光を測定する(ブランクと比較)。この透過光の表色パラメータを計算することで、ナノ粒子の色相(h)及び彩度(C)が得られる。
レンズの色:レンズの色は、中央の厚さが2mmのレンズで測定する以外はナノ粒子と同じ原理に従って測定する。ナノ粒子を含むレンズの透過光を測定し、同じ重合性組成物を使用して得たが粒子を含まないレンズと比較する。この透過光の表色パラメータを計算することで、色相(h)及び彩度(C)が得られる。
ナノ粒子のサイズ:ナノ粒子のサイズは標準的な動的光散乱法によって測定する。この手法は、ランダムなブラウン運動を行っているナノ粒子の懸濁液からの散乱光の強度の時間依存ゆらぎを測定する。これらの強度ゆらぎの分析によって拡散係数を決定することができ、これは、ストークス-アインシュタインの関係を使用して粒子サイズとして表すことができる。
実施例1:ストーバー法による本発明のナノ粒子の調製
調製
この実施例では、光吸収剤としてメチレンブルーを含むシリカナノ粒子をストーバー法により調製した。
24mLのメタノール、6mLの水酸化アンモニウム溶液(30%)、0.4mLのメチレンブルー溶液(それぞれ1、2、3、及び4重量%)、及びTEOS(0.2mL)を約800rpmの速度で2時間混合した。反応が終了した後、ナノ粒子を遠心分離により回収し、メタノールで洗浄した。次いで、一定の重量が得られるまでナノ粒子を室温で乾燥した。次いで、ナノ粒子を80、120、又は180℃で2時間アニールした。
これらのナノ粒子は、その後、CR-39の中に0.3重量%で分散させた後に、眼鏡用レンズの製造に使用することができる(マスターバッチ)。
特性評価
シリカナノ粒子に含まれるメチレンブルーの濃度がその色に及ぼす影響は、アニール工程を行う前(すなわち周囲温度で乾燥したナノ粒子)、及び180℃で2時間アニール工程を行った後に測定されるナノ粒子の吸光度を測定することにより決定した。
アニール工程を行う前に測定した、波長(nm)の関数としてのCR-39中の0.03重量%のナノ粒子の吸収スペクトルを添付の図1aに示す。この図では、灰色の点線は1重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したナノ粒子に対応し、灰色の実線は2重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したナノ粒子に対応し、黒い点線は3重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したナノ粒子に対応し、黒い実線は4重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したナノ粒子に対応する。
図1aから分かるように、ナノ粒子中のメチレンブルー濃度の変化により、カプセル封入された材料の色が変化した。メチレンブルーの吸収ピークは、異なる二量体/単量体比を示す。高濃度のメチレンブルー溶液では608nmの大きな二量体ピーク支配的である一方で、メチレンブルー溶液の濃度を下げた後には670nmのモノマーピークが出現する。
図1bは、180℃で2時間アニールした後の同じ粒子の吸収スペクトルを示している。これらの結果は、メチレンブルーのモノマー形態(650nm超)の吸光度がほぼ消失したことを示している。メチレンブルーは、そのようなアニール工程の後に主に凝集体形態で存在する。
図2は、h(図2a)及びC(図2b)と、0.5、1、2、3、又は4重量%のメチレン溶液を用いて調製したナノ粒子との相関関係を表すグラフを示す。これらのグラフでは、h、それぞれのC(絶対値)は、メチレンブルー濃度(重量%)の関数である。
これらの結果は、Cがメチレンブルーの濃度と共に増加することを示しており、より興味深いことにはhもメチレンブルーの濃度と共にほぼ直線的に増加することを示している。これらの結果は、ナノ粒子無機酸化物マトリックス中の光吸収剤含有量を変化させることで、所定の色相の色の強度(C)を単に増加させるのではなく、光吸収剤の実際の色相を微調整して最適な色に到達させることができることを示している。この効果は、メチレンブルーが粒子中に高濃度でカプセル封入される場合により多く生じる二量化に起因する可能性がある。
実施例2:逆エマルション法による本発明のナノ粒子の調製
調製
この実施例では、光吸収剤としてのメチレンブルーを含むシリカナノ粒子を逆エマルション法によって調製した。
100mlのDuranボトルの中で、7.56gのTriton X-100、5.86gのn-ヘキサノール、及び23.46gのシクロヘキサンを400rpmの速度で15分間、マグネティックスターラーにより混合した。その後、1.6mlの脱塩水を滴下し、更に15分間撹拌を継続した。0.32mlのメチレンブルー溶液(2重量%)を滴下した。撹拌を15分間継続し、その後0.4mlのTEOSを滴下し、撹拌を15分間継続した。最後の添加は、30重量%の水酸化アンモニウム0.24mlの滴下であった。混合物を400rpmの速度で24時間撹拌した。その後、50mlのアセトンを添加し、ナノ粒子を遠心分離によって回収し、アセトンで洗浄し、室温で乾燥した。その後、ナノ粒子を80、120、又は180℃で2時間アニールした。
これらのナノ粒子は、その後、CR-39の中に0.3重量%で分散させた後に、眼鏡用レンズの製造に使用することができる(マスターバッチ)。
実施例3:光吸収剤を含むシリカナノ粒子を含む眼鏡用レンズの作製
2重量%のメチレンブルー溶液を用いた実施例1と上の実施例2(同様に2重量%のメチレンブルー溶液を用いて得たもの)に従って調製したナノ粒子(NP)のマスターバッチ(MB)を使用して、眼鏡用レンズを作製した。
モノマー配合物
様々なモノマー配合物(MF)を調製した。それらの組成(重量%)は以下の表2に詳述されている:
Figure 0007110363000002
各モノマー配合物は、ビーカー中で様々な成分を秤量及び混合することにより調製した。CR-39と、CR-39Eと、ナノ粒子を含むマスターバッチとを最初に混合した。均一になった後、UV9を添加し、その後完全に溶解するまでビーカーの中身を再度混合した。最後にIPPを追加し、混合物を十分に撹拌した後、脱気及び濾過した。
レンズの製造
各モノマー配合物を使用して、注型及び重合プロセスに従って眼鏡用レンズを作製した。
洗浄したシリンジを使用して、プラノガラスモールドに各モノマー配合物を充填し、温度を45℃から85℃に15時間で徐々に上昇させてから85℃で2時間維持する制御されたオーブンの中で重合を行った。その後モールドを分解した。得られたレンズはその中心で2mmの厚さを有していた。
特性評価
図3は、ストーバー法によって得た、2重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したシリカナノ粒子を含む透明レンズの色相(h)に対するナノ粒子のアニール温度(℃)の影響の結果を示している。この図では、ひし形はレンズ中の30ppmのナノ粒子に対応し(MF1、MF4、及びMF7)、四角形はレンズ中の70ppmのナノ粒子に対応し(MF2、MF5、及びMF8)、三角形はレンズ中の150ppmのナノ粒子に対応する(MF3、MF6、及びMF9)。
これらの結果は、アニール温度が高くなるとhが増加することを示している。
図4は、逆エマルション法によって得た、2重量%のメチレンブルー溶液を用いて調製したシリカナノ粒子を含む透明レンズの色相(h)に対するナノ粒子のアニール温度(℃)の影響の結果を示している。この図では、ひし形はレンズ中の80ppmのナノ粒子に対応し(MF10、MF13、及びMF16)、四角形はレンズ中の120ppmのナノ粒子に対応し(MF11、MF14、及びMF17)、三角形はレンズ中の200ppmのナノ粒子に対応する(MF12、MF15、及びMF18)。
これらの結果は、アニール温度が高くなるとhが増加することを示している。
図5は、2重量%のメチレンブルー溶液を用いて異なるアニール温度で調製した、ストーバー法で得られたシリカナノ粒子を70ppm含むレンズ(図3の四角形で表されるレンズ、MF2、MF5、及びMF8)の透過スペクトルである。この図では、透過率(%T)は波長(nm)の関数であり、灰色の実線の曲線は80℃で2時間のアニールに対応し、破線の曲線は120℃で2時間のアニールに対応し、長破線の曲線は180℃で2時間のアニールに対応する。
これらの結果は、80℃の温度でアニール工程を行った後に得られたナノ粒子を添加すると、透過率が低下することを示している。更に、アニール温度を変化させると、吸収スペクトルの変化が促進され、それによりレンズの色調が変化する。
この実施例は、無機酸化物マトリックスにカプセル封入された光吸収剤を含むレンズを、最適な色を得るために調整できることを示している。生成される色は、カプセル封入方法のタイプを選択し、合成工程で様々な量の光吸収剤を添加し、アニール温度を変えることで変更することができる。色は、その後、レンズ製造プロセス中に安定である。

Claims (15)

  1. 無機酸化物のマトリックス中に分散されている少なくとも1種の光吸収剤LAを含む複合材料のナノ粒子であって、
    - 前記光吸収剤LAが、異なる凝集状態を示す特性を有し、前記ナノ粒子中にカプセル封入されており、
    - 前記光吸収剤LAが、モノマー形態LA と凝集形態LAの両方で前記マトリックス中に分散されており、
    - 前記光吸収剤LAが、1.25~10の範囲の吸光度比A=A/Aを有しており、A、前記凝集形態LAの最大吸収波長で測定された前記光吸収剤LAの吸光度であり、A、前記モノマー形態LAの最大吸収波長で測定された前記光吸収剤LAの吸光度である、
    ナノ粒子。
  2. 前記無機酸化物が、二酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化ジルコニウムを含む群から選択される、請求項1に記載のナノ粒子。
  3. 前記凝集形態LA 前記光吸収剤LAが、前記モノマー形態LA 少なくとも2の光吸収剤LAの凝集体である、請求項1又は2に記載のナノ粒子。
  4. 前記光吸収剤LAが、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ポルフィリン、及びそれらの混合物を含む群から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載のナノ粒子。
  5. 前記光吸収剤LAが、メチレンブルー、ナイルブルーを含む群から選択される青色光吸収剤である、請求項1~4のいずれか1項に記載のナノ粒子。
  6. 前記マトリックスの前記無機酸化物がSiOであり、前記光吸収剤LAがメチレンブルーである、請求項1~5のいずれか1項に記載のナノ粒子。
  7. 前記吸光度比Aが1.3~5の範囲である、請求項1~6のいずれか1項に記載のナノ粒子。
  8. 前記ナノ粒子が、5nm~5000nm、好ましくは100~200nmの範囲の平均サイズを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のナノ粒子。
  9. 前記光吸収剤LAの量が、前記ナノ粒子の総重量に対して、0.001~10重量%、より好ましくは0.1~3重量%の範囲である、請求項1~8のいずれか1項に記載のナノ粒子。
  10. i)無機酸化物のマトリックス中に分散されているモノマー形態LAの少なくとも1種の光吸収剤を含む複合材料のナノ粒子を調製する工程、
    ii)工程i)で得られた前記ナノ粒子を80~300℃の範囲の温度で、5分~120時間の範囲の時間アニールする工程、
    を少なくとも含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のナノ粒子の調製方法。
  11. 前記アニールする工程が80~180℃の範囲の温度で30分~24時間行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 無機酸化物のマトリックス中に分散されている少なくとも1種の光吸収剤LAを含む複合材料のナノ粒子の色相を変更するための、請求項10又は11に記載の方法の使用。
  13. 請求項1~9のいずれか1項に記載の前記ナノ粒子を含む眼鏡用レンズ。
  14. 前記ナノ粒子がポリマーマトリックス中に分散されている、請求項13に記載の眼鏡用レンズ。
  15. 前記ポリマーマトリックス中の前記ナノ粒子の量が、≦1000ppm、好ましくは≦250ppmである、請求項14に記載の眼鏡用レンズ。
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