JP4486538B2 - 平版印刷版の作成方法 - Google Patents

平版印刷版の作成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4486538B2
JP4486538B2 JP2005098358A JP2005098358A JP4486538B2 JP 4486538 B2 JP4486538 B2 JP 4486538B2 JP 2005098358 A JP2005098358 A JP 2005098358A JP 2005098358 A JP2005098358 A JP 2005098358A JP 4486538 B2 JP4486538 B2 JP 4486538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ring
acrylate
meth
exposure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005098358A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006276684A5 (ja
JP2006276684A (ja
Inventor
智英 砂川
弘之 石倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2005098358A priority Critical patent/JP4486538B2/ja
Publication of JP2006276684A publication Critical patent/JP2006276684A/ja
Publication of JP2006276684A5 publication Critical patent/JP2006276684A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4486538B2 publication Critical patent/JP4486538B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Description

本発明はレーザー等の走査露光装置を用いた画像形成方法に関し、更にこれを利用した平版印刷版の作成方法に関する。
紫外光露光により感光し、画像形成を行う従来からの平版印刷版に加えて、可視光領域の光に対する感度を大幅に向上させた高感度の感光性樹脂系が開発され、アルゴンイオンレーザー(488nm)やFD−YAG(532nm)等の光源を利用し、これらレーザーによる直接描画、製版が可能な系が実用化されている。また露光光源として可視光レーザー以外にも、750nm以上の領域に発光する高出力半導体レーザーやYAGレーザー等が光源として利用されるようになり、これら光源の出力に合わせた感光材料およびこれを利用した印刷版の開発が盛んに行われるようになってきた。
これらの画像形成方式としては、830nm付近に発光する高出力の半導体レーザーを使用し、レーザー照射部において光熱変換色素の作用により高熱を発生させ、熱による画像形成方式を利用した感熱タイプの方式(例えば、特開平7−20629号、特開平7−271029号公報等)と光重合開始剤と色素増感剤および重合性化合物を有し、色素増感剤が吸収した光エネルギーを光重合開始剤のラジカル開裂に利用し、発生するラジカルによる重合性化合物の重合を利用して画像形成を行う感光タイプの方式(例えば、特許文献1参照)がある。
上記の感光タイプの光重合系を構成する光重合開始剤と増感剤の具体的な組み合わせについては、例えば有機ホウ素アニオンとカチオン色素の組み合わせが特開昭62−143044号、同62−150242号、特開平5−5988号、特開2000−89455号公報等に記載されている。光重合開始剤の他の例としては、チタノセン化合物と増感剤の組み合わせについて特開昭63−221110号公報などに見られる。さらに、トリハロアルキル置換トリアジン化合物とシアニン色素の組み合わせについては特開平2−189548号公報等に見られ、ヘキサアリールビイミダゾール化合物と色素の組み合わせについては特開平1−279903号公報などに記載されている。
感光タイプの光重合性組成物を利用する利点は、感熱タイプの画像形成方法で必要とされる現像処理前のプレヒート工程が不要であることが挙げられる。しかしながら、感光タイプの画像形成方法の場合、画像形成を行う露光量の閾値が存在しないため、低露光量であっても部分的にも画像が形成される場合があり、かぶりやすいという問題があった。特に露光光源としてレーザーを用いる場合、レーザー出力を安定させるため、描画中、非露光部でレーザー発光を完全にオフするのではなく、若干の発光(漏れ光)を持たせる場合がある。そのような露光光源を使用する場合には、高感度な光重合系では非画像部にかぶりを生じる場合があり問題となっていた。このようなレーザーの漏れ光により生じる筋状のかぶりをバンディングと称し、これを防止するために増感色素の添加量を特定の範囲に限定する方法が特開2002−214776号公報(特許文献2)に開示されているが、この方法は光重合系の感度を単に調節し、低感度化してバンディングを軽減しているにすぎず、高感度を維持したままでバンディングを解消するには十分な効果が得られていない。
漏れ光によるかぶりはレーザー出力に概ね比例する傾向があり、光重合性組成物の感度が低い場合、レーザー出力を増加させなければならないため漏れ光によるかぶりも顕著になる。逆に、光重合性組成物の感度が高い場合には、レーザー出力を低下させて露光を行うことが可能ではあるが、感度が高い光重合性組成物は漏れ光によるかぶりも生じやすい。また光重合性組成物を平版印刷版に使用する場合、形成される画像に強靱な耐刷性が求められるため、光重合組成物には十分な露光エネルギーを与えることが好ましい。前述の特許文献2ではかぶりを抑えるために、「バンディング抑制剤」として増感色素自身の添加量を多くする等の方法が開示されている。しかしながら、増感色素の添加量が増えるにつれ耐刷性が低下していくため、バンディング抑制効果とのバランスを取るのが難しい。
特開2001−290271号公報 特開2002−214776号公報
本発明の目的はレーザーを光源とする走査型露光装置を用いて、バンディングを生じずに耐刷性の高い製版物を得ることができる平版印刷版の作成方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下に示す手段によって達成された。
1.少なくとも重合性ポリマー、光重合開始剤、及び380nmから1300nmの波長域において増感する増感色素を含有する感光性組成物からなる感光層を支持体上に塗設した感光性平版印刷版を、一旦走査露光を行った部分に対して同じ箇所を、先に露光した波長を変更することなく繰り返し走査露光する多重露光した後、現像処理することを特徴とする画像形成方法を用いた平版印刷版の作成方法
本発明により、レーザーを光源とする走査型露光装置を用いて、バンディングが生じずに耐刷性の高い製版物が得ることができる平版印刷版の作成方法を提供することが出来る。

以下、本発明を詳細に説明する。光重合性組成物の露光には現在実用化されている可視光〜近赤外領域に発光する様々なレーザーを光源とする走査露光用装置を使用することができる。特に830nm付近の近赤外領域で発光する半導体レーザーが安定的に高出力で動作するため走査露光用の光源として好んで用いられる。また露光される対象物(感光性組成物)に与える露光エネルギーとしては一般に100〜200mJ/cm2程度になるよう設計されている。この範囲の露光エネルギーを使用する場合、装置によっては非露光部での漏れ光は比較的強く、その漏れ光によるかぶり、即ちバンディングが発生することがある。レーザーの出力を低下させると、相対的に漏れ光は弱くなり、漏れ光によるバンディングは消失するが、光重合性組成物の十分な重合、硬化が得られず、印刷版としての耐刷性は不十分である。本発明の画像形成方法を用いること、即ち、多重露光を行うことにより、光重合組成物の重合を進行させ、バンディングを生ずることなく耐刷力の強い画像を形成することが出来る。多重露光とは一旦走査露光を行った部分を繰り返し走査露光する事である。
多重露光の具体的方法としては次に示すような方法が好ましい。通常は走査露光装置で原稿を版に露光し版を排出するが、多重露光の方法としては、露光後に版を排出せず露光ドラムに巻き付けたまま、再度同一原稿を繰り返し露光する。あるいは主走査方向あるいは副走査方向に露光ヘッドを複数個並列させ、各露光ヘッドで同一原稿を露光する等の方法が好ましい。一回当たりの露光エネルギーとしては50mJ/cm2以上であるのが好ましく、50〜90mJ/cm2が特に好ましい。多重露光の回数は2〜3回が好ましく、CTPシステム(データ入稿、出力、製版処理)としての効率を考えると、多重露光は2回で行うのが最も好ましい。1回目と2回目あるいは3回目の露光エネルギーは好ましい範囲の中で任意に選ぶことができるが、同一の露光量で多重露光を行う方が、光量変更の操作も要らず最も好ましい。
本発明に使用される、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有しかつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーについて説明する。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
上記のポリマー側鎖にエチレン性不飽和二重結合を導入する場合のモノマーとしては、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、1−プロペニル−アクリレート、1−プロペニル−メタクリレート、β−フェニル−ビニル−メタクリレート、β−フェニル−ビニル−アクリレート、ビニルメタクリルアミド、ビニルアクリルアミド、α−クロロ−ビニル−メタクリレート、α−クロロ−ビニル−アクリレート、β−メトキシ−ビニル−メタクリレート、β−メトキシ−ビニル−アクリレート、ビニル−チオ−アクリレート、ビニル−チオ−メタクリレート等が挙げられる。
本発明に用いられるポリマーとして特に好ましくは、エチレン性不飽和二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーである。ビニル基が置換したフェニル基は直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基は置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記した側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記化1で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 0004486538
式中、Z1は連結基を表し、R1、R2、及びR3は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R4は置換可能な基または原子を表す。n1は0または1を表し、m1は0〜4の整数を表し、k1は1〜4の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Z1の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R5)−、−C(O)−O−、−C(R6)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記化2で表される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR5及びR6は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 0004486538
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。
化1で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
上記化1で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R1及びR2が水素原子でR3が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、Z1の連結基としては複素環を含むものが好ましく、k1は1または2であるものが好ましい。
化1で示される基を有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーの例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
本発明のポリマーは、更に他のモノマーを共重合体成分として含んでもよい。他のモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマー、が挙げられる。
本発明に係わるポリマーの分子量については好ましい範囲が存在し、質量平均分子量として1000から100万の範囲にあることが好ましく、さらに5000から50万の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の感光性組成物は、光重合開始剤として有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物としてs−トリアジン化合物およびオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)を含有する。
本発明に用いられる有機ホウ素塩としては、下記一般式で示される有機ホウ素アニオンを有する化合物を用いることが好ましい。
Figure 0004486538
式中、R21,R22,R23およびR24は各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R21,R22,R23およびR24の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
上記の有機ホウ素塩としては、先に示した一般式で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を以下に示す。
Figure 0004486538
Figure 0004486538
感光性組成物中に於ける有機ホウ素塩の割合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100質量部において該有機ホウ素塩は0.1質量部から50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明において、有機ホウ素塩と併用し使用する、トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 0004486538
Figure 0004486538
感光性組成物中に於けるトリハロアルキル置換化合物には好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100質量部中に於ける割合として0.1質量部から50質量部の範囲で含まれることが好ましい。さらに、これらは前述した有機ホウ素塩とともに感光性組成物中に含まれている場合において特に感度が向上するため好ましく、この場合有機ホウ素塩に対する割合としては、有機ホウ素塩1質量部に対してトリハロアルキル置換化合物は0.1質量部から50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明に用いられる増感色素については、380nm〜1300nmの波長域において光重合開始剤の分解を増感するものであり、種々のカチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミン、およびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。さらには近年380〜410nmの範囲に発振波長を有するバイオレット半導体レーザーを搭載した出力機(プレートセッター)が開発されている。この出力機に対応する高感度である感光系としては増感色素としてピリリウム系化合物やチオピリリウム系化合物を含む系が好ましい。本発明に関わる好ましい増感色素の例を以下に示す。
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
上記の増感色素の内で、特に本発明の課題の一つである750nm以上の近赤外から赤外光の波長領域の光に感光性を持たせる系に於いては、増感色素としてこうした波長領域に吸収を有することが必要であり、こうした目的で使用される特に好ましい例を以下に示す。
Figure 0004486538
Figure 0004486538
上記のような増感色素と光重合開始剤との量的な比率に於いて好ましい範囲が存在する。増感色素1重量部に対して光重合開始剤は0.01重量部から100重量部の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは光重合開始剤は0.1重量部から50重量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の感光性組成物は、更にエチレン性不飽和化合物を含有するのが好ましい。これを組み合わせることによって更に高感度が実現でき、また印刷性能に優れた平版印刷版を得ることができる。
本発明に用いることができるエチレン性不飽和化合物としては、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることができる。
エチレン性不飽和化合物として、更に好ましい態様は、分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上を有する重合性化合物が挙げられる。該化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度の感光性平版印刷版を作成する上で極めて好ましい。
分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 0004486538
式中、Z2は連結基を表し、R11、R12及びR13は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R14は置換可能な基または原子を表す。m2は0〜4の整数を表し、k2は2以上の整数を表す。
更に詳細に説明する。Z2の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R15)−、−C(O)−O−、−C(R16)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR15及びR16は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記一般式で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R11及びR12は水素原子でR13は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、k2は2〜10の化合物が好ましい。以下にビニルフェニル基を有するエチレン性不飽和化合物の具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 0004486538
Figure 0004486538
Figure 0004486538
上記のようなエチレン性不飽和化合物が、感光性平版印刷版の感光性組成物中に占める割合に関しては好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100質量部中においてエチレン性不飽和化合物は1質量部から60質量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5質量部から50質量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
本発明の感光性組成物は、更に単官能重合性モノマーを含有することができる。かかる化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等のビニルモノマー;イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー;N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の感光性組成物は着色剤を含有することが好ましい。画像部の視認性を高める為に使用されるものであるが、更に好ましくは、セーフライト性向上の為に、可視光領域に吸収を有するものである。これら着色剤の例としては、下記のような、無機顔料、有機顔料、色素などが挙げることができる。
無機顔料としては、雲母状酸化鉄、鉛丹、黄鉛、銀朱、群青、二酸化チタン、被覆雲母、ストンチームクロメート、チタニウムイエロー、ジンククロロメート、モリブデン赤、酸化クロム、鉛酸カルシウム等が挙げられる。又、有機顔料としては、カーボンブラック、フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ニッケルアゾ顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、アンスロン顔料、キナクリドン顔料、アンスラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、インダスロン顔料、ピランスロン顔料等が挙げられる。又、色素としては、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素が挙げられる。
上記顔料、色素は、単独で用いてもかまわないが、2種以上を併用して用いてもかまわない。
上記顔料は、ペイントコンディショナー、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー等の分散機で有機溶剤に分散した状態で平版印刷版の感光性組成物に添加する事が好ましく、色素については有機溶剤に溶解した状態で添加することが好ましい。
感光性平版印刷版の感光性組成物を構成する他の要素として重合禁止剤の添加も好ましく行うことが出来る。例えば、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく使用され、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の化合物が好ましく用いられる。これらの重合禁止剤と先に述べたエチレン性不飽和化合物との好ましい割合は、エチレン性不飽和化合物1質量部に対して0.001から0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
感光性平版印刷版を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することも出来る。例えばブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
本発明の感光性平版印刷版は上述した感光性組成物からなる感光層を支持体上に塗設されて製造される。感光層の厚みは、0.5ミクロンから10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1ミクロンから5ミクロンの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体については、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
塗布方式としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティングなどが挙げられる。
本発明の現像液としては、pH8以上であれば、任意のアルカリ水溶液を使用することができる。アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸アンモニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウムおよび第3リン酸アンモニウム等の無機アルカリ剤や、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアイミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ剤、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムおよびケイ酸リチウムのようなアルカリ金属ケイ酸塩やケイ酸アンモニウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の好ましい実施態様としてケイ酸塩を含有せず、無機アルカリ剤および有機アルカリ剤の内1種または2種を組み合わせによって形成されたpHが12.5未満の現像液である。さらに好ましくは、pHが10以上で12.5未満の現像液である。
本発明に用いられる現像液にはその他の種々界面活性剤と併用することができ、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。これらの併用する界面活性剤は、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
本発明に用いられる現像液には、種々現像安定化剤を用いる事ができる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩及びジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤又は両性界面活性剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオン性ポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質がある。更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報の酸又はアルコールニ4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
本発明に用いられる現像液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当であり、含有物にもよるが、通常、濃縮液:水=1:0〜1:10程度に濃縮する事ができる。又、容器としてはアルカリ性であることから、炭酸ガスを透過しない、しかも安全上輸送中に破損することのない材料を用いることが好ましく、通常ハードボトル、キュービテナー等の樹脂製容器が好ましく用いられる。
本発明の処理方法においては、露光後通常自動現像機で処理を行う。自動現像機は、一般に現像部と後処理部とからなり、印刷版を搬送する装置と、各処理液槽及びスプレー槽から成り、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで組み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像及び後処理するものである。又、最近は現像液が満たされた現像槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて現像処理する方法が開発されており、この様な現像方法も本発明に好適に適用できる。この様な自動現像液においては、現像処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
この様な組成の現像液で現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムやデンプン誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明の印刷版の後処理はこれらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば、現像→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理がリンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段処理も好ましい態様である。これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とからなる自動現像機を用いて行われる。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を搬送する方法が用いられる。又、現像後一定量の少量の水性水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。この様な自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することが出来る。また、実質的に未使用の後処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。この様な処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、印刷に用いられる。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。尚、記載中%は特にことわりのない限り質量%を表す。
以下のポリマーを用意した。
<ポリマー>
P−1(前記に例示);特開2000−290271号公報に記載した方法に従い、クロロメチルスチレンとビスムチオールを等モル反応させて得たモノマーとメタクリル酸をトリエチルアミンで中和してエタノール中で重合を行い、重合終了後クロロメチルスチレンを付加することにより合成した。質量平均分子量は約9万である。
下記の処方の感光性組成物の塗布液を作製した後、ワイヤドクターコーターで厚みが0.30mmである砂目立て処理および陽極酸化処理を施したアルミ板上に乾燥膜厚が3ミクロンになるよう塗設し、100℃の温風で乾燥させ、感光性組成物が塗布された試料を作製した。
<感光性組成物の塗布液>
ポリマー(P−1)の10%ジオキサン溶液 100質量部
光重合開始剤 (BC−6) 2質量部
(T−4) 1質量部
エチレン性不飽和化合物 (C−5) 5質量部
増感色素 (S−33) 0.3質量部
重合禁止剤 2,6−ジ−t−ブチルクレゾール 0.1質量部
溶媒 1,3−ジオキソラン 70質量部
シクロヘキサノン 20質量部
平均粒径185nmのカーボンブラック
25%メチルエチルケトン溶液 0.1質量部
得られた感光材料をCreo社製トレンドセッター(830nmのレーザーを搭載した描画装置)を使用して露光を行った。多重露光の場合、露光終了後に版の排出を行わず、ドラムに装填したまま、繰り返し露光を実施した。各試験の1回の露光エネルギー及び露光回数は表1に示す通りである。露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社製PS版用自動現像機PD−912を使用し、下記現像液を使用して30℃の液温で15秒間現像を行ない、続いて下記処方のガム液を塗布した。
<現像液>
35%アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
(花王(株)製界面活性剤) 60g
KOH 15g
20%珪酸カリ水溶液(SiO2を20%含む) 10g
ベンジルアルコール 10g
水で 1L
<ガム液>
リン酸1カリ 5g
アラビアガム 30g
デヒドロ酢酸 0.5g
EDTA2Na 1g
水で 1L
上記のようにして作製した平版印刷版についてバンディングならびに耐刷性を評価した。バンディング(筋状のかぶり)の発生の程度を目視にて発生の程度を下記基準にて評価し、結果を表1にまとめた。耐刷性の評価は、印刷機はハイデルベルグTOK(Haidelberg社製オフセット印刷機の商標)を使用し、インキはBEST ONE墨H(T&KTOKA(株)社製)、湿し水はアストロマークIII(株式会社日研化学研究所社製湿し水)の1%水溶液を使用し、画像部が欠落し印刷ができなくなった枚数で評価した。耐刷性は、下記評価基準にて評価し、その結果を表1に示した。
バンディング
○ :全く発生していない
△ :わずかに残存している
× :明瞭に認められる
耐刷性
○ :20万枚以上
○△:13万枚〜20万枚未満
△ :8万枚〜13万枚未満
× :8万枚未満
Figure 0004486538
上記結果から明らかなように、本発明と比較例にて総露光エネルギーが同じであっても、本発明の画像形成方法、即ち多重露光を行うことによってバンディングを発生させることなく、より耐刷性の高い画像を得ることができた。

Claims (1)

  1. 少なくとも重合性ポリマー、光重合開始剤、及び380nmから1300nmの波長域において増感する増感色素を含有する感光性組成物からなる感光層を支持体上に塗設した感光性平版印刷版を、一旦走査露光を行った部分に対して同じ箇所を、先に露光した波長を変更することなく繰り返し走査露光する多重露光した後、現像処理することを特徴とする画像形成方法を用いた平版印刷版の作成方法
JP2005098358A 2005-03-30 2005-03-30 平版印刷版の作成方法 Expired - Fee Related JP4486538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005098358A JP4486538B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 平版印刷版の作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005098358A JP4486538B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 平版印刷版の作成方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006276684A JP2006276684A (ja) 2006-10-12
JP2006276684A5 JP2006276684A5 (ja) 2007-11-08
JP4486538B2 true JP4486538B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=37211487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005098358A Expired - Fee Related JP4486538B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 平版印刷版の作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4486538B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006276684A (ja) 2006-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2322655T5 (es) Método para fabricar una plancha de impresión litográfica
KR101363347B1 (ko) 평판 인쇄판의 제판방법
JP2010504543A (ja) 平版印刷版を現像し、シーリングする方法
JP4526346B2 (ja) 感光性平版印刷版材料
JP4667219B2 (ja) ネガ型感光性平版印刷材料
JP4486538B2 (ja) 平版印刷版の作成方法
JP2005275032A (ja) 感光性平版印刷版
JP5036586B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP4290347B2 (ja) 感光性平版印刷版用現像液
JP4895893B2 (ja) 現像液組成物
JP2006276520A (ja) 感光性組成物および感光性平版印刷版材料
JP4787567B2 (ja) 感光性平版印刷版の処理方法
JP2005275031A (ja) 感光性平版印刷版
BR112020007514A2 (pt) um precursor de placa de impressão litográfico
JP2006267594A (ja) レーザー用光重合性組成物、及び、それを用いた平版印刷版
JP4526425B2 (ja) 感光性組成物及び感光性平版印刷版の製造方法
JP2005265890A (ja) 感光性平版印刷版材料
JP4799219B2 (ja) 感光性平版印刷版用の製版方法
JP2006267188A (ja) ネガ型平版印刷版
JP4679109B2 (ja) ネガ型感光性平版印刷版の製造方法
JP2007156164A (ja) ネガ型感光性平版印刷版の製造方法および製版方法
JP2007264495A (ja) 感光性平版印刷版
JP2004301986A (ja) 平版印刷版及び平版印刷版の処理方法
JP4679410B2 (ja) 感光性平版印刷版の現像処理方法
JP2004151408A (ja) 感光性平版印刷版の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees