JPH08277145A - 結晶化ガラス材およびその製造法 - Google Patents

結晶化ガラス材およびその製造法

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JPH08277145A
JPH08277145A JP7081488A JP8148895A JPH08277145A JP H08277145 A JPH08277145 A JP H08277145A JP 7081488 A JP7081488 A JP 7081488A JP 8148895 A JP8148895 A JP 8148895A JP H08277145 A JPH08277145 A JP H08277145A
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crystallized glass
glass material
particles
crystallized
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JP7081488A
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Shuichi Yokokura
倉 修 一 横
Shuhei Ito
藤 修 平 伊
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0018Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and monovalent metal oxide as main constituents

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  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶化ガラス材の独特の美的外観を有するガ
ラス材を、短時間で容易に製造する方法の提供。 【構成】 ソーダ石灰系ガラス粒子集積体をガラス粒子
の軟化、融着および結晶化を伴う熱処理に付すことから
なる結晶化ガラス材の製造法において、熱処理の前に、
カリウムおよび/またはナトリウムを成分として含むア
ルミノケイ酸塩鉱物の粉末をガラス粒子の表面に付着さ
せることを特徴とする、結晶化ガラス材の製造法、なら
びに非晶質ガラスからなるマトリックスと、結晶化ガラ
スとカリウムおよび/またはナトリウムを成分として含
むアルミノケイ酸塩鉱物とからなる分散相とが、その境
界部分で相互に融和および/またはマトリックス中に散
在してなることを特徴とする結晶化ガラス材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソーダ石灰系ガラスを
原料に利用した、その美的外観から建築用、インテリア
用として有用な、結晶化ガラス材およびその製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ガラス粒子を溶融一体化させ、その際に
結晶化を生起させて得られる結晶化ガラスは、非晶質ガ
ラスからなるマトリックスと結晶化ガラスからなる分散
相とからなっており、その表面を研磨すると、研磨面に
結晶が視認され、結晶の種類、大きさ、あるいは分布程
度に応じて、種々の美的外観を呈する。例えば、比較的
大きいガラス粉末の溶融一体化および結晶化によってウ
ォラストナイト、デビトライト、ネフェリンあるいはN
2 O・2CaO・3SiO2 結晶を生成させたもの
は、結晶化が原料ガラス粒子の表面に板状または層状に
生じて、研磨した表面から見ると、透明ガラス内にこの
板状ないし樹枝状の結晶が視認されて、美観が得られ
る。また、結晶を多量に析出させてなる結晶化ガラスは
不透明になって、それもまた独特の美的外観を有する。
従って、このような美観を有する結晶化ガラス材は、例
えば板材としたものは建材として現在実用化がなされ、
また将来の発展が大いに期待されるものである。
【0003】ガラスの結晶化については、古くから多く
の研究がなされており、組成と結晶化の関係等について
も数多くの報告がなされている。例えば壜ガラス等、実
用に供されているソーダ石灰系ガラスの大半は下記の組
成を有する(単位:重量%)。 SiO2 74〜69 Na2 O 16〜12 K2 O 0〜 2 MgO 0〜 5 CaO 12〜 5 Al2 3 1〜 3 SO3 0〜 0.4 その他* 0〜 2 (*その他の項目には製造上の不可避成分、または必要
に応じて添加される着色剤等が含まれる)
【0004】このようなソーダ石灰系ガラスの結晶化に
ついても多くの研究がなされ、成書(例えば、成瀬省著
「ガラス工学」(共立出版(株)発行))にまとめられ
ている。
【0005】上記組成範囲のソーダ石灰系ガラスを加熱
した場合、まず生成する結晶は主にデビトライトであ
る。その結晶析出温度は750〜950℃の範囲であ
り、このうち850℃前後で最も多量の結晶が析出す
る。そのため、ガラス粒子小体の集積体を加熱して、7
50〜950℃の焼成温度に一定時間保ち、ガラス粒子
同士の軟化融着および主としてその粒子界面での結晶析
出を行わせることで、結晶を多量に含んだ、美的外観を
有するガラス材を得ることができる。
【0006】しかし、この温度領域ではガラス粒子の軟
化が不十分であるため、ガラス粒子同志を十分に融着さ
せるためには時間がかかってしまうという問題点があ
る。これは、ソーダ石灰系ガラスのようなガラス粒子を
軟化融着させる場合、加熱して温度を上昇させて行く
と、ガラスの粘性がまだ高い状態の温度域からガラス粒
子の界面に集中して結晶が生成するため、個々のガラス
粒体の表面に結晶を密に含んだ部分を形成するが、この
部分は該ガラス粒子より高い粘性を持つために丁度卵の
殻のような働きをすることになって、粒体の形状の変形
が起きにくくなり、結果として粒子の軟化融着が起こり
にくくなるためである。
【0007】逆に加熱時間を短くすると、泡の残留、融
着不良による強度の低下を引き起こすことも多く、それ
に加えて焼成体表面にもとのガラス粒子のおおまかな形
状が残ってしまうために平滑性が不十分となってしま
う。そのため、このようにして得た結晶化ガラス材は表
面の凹凸が激しく、当初の目的であるガラス材とするた
めには表面の研磨にコストと時間を要するという問題点
がある。
【0008】このような問題点を解決するために、加熱
温度をさらに高温にすることが考えられよう。具体的に
は、本発明者らは、焼成温度を950℃以上にして、軟
化融着を促進してガラス材の表面の平滑性を高めようと
した。しかしながら、デビトライトの析出は850℃付
近で焼成した場合に最多であり、その温度を超えると急
激に結晶量が減少してしまい、結晶化ガラス材としての
美的外観が損なわれてしまう。
【0009】950℃以上のさらに高温領域では、例え
ば1000〜1200℃で、ウォラストナイトの結晶が
析出する。しかし、ウォラストナイトの結晶析出量はデ
ビトライトに比べてかなり少ない。結晶化ガラス材の原
料として用いるガラスは、壜ガラスの破砕物や、ガラス
を高温溶融後、水に投入して得る破砕物であることが普
通であって、そのガラス粒子の表面には細かい亀裂があ
る。このようなガラス原料を用いて結晶化ガラスを得る
場合、結晶化はその細かい亀裂などを析出開始点として
起こるが、一般にそれらの亀裂は微細にみた場合、一様
ではない。このため結晶量が少ない場合には界面に析出
する結晶の量にむらができてしまい、目的とする安定的
な美的外観を有する結晶化ガラス材を得ることは困難で
ある。つまり、ウォラストナイト結晶を自然に析出させ
るだけでは充分な美的外観を有する結晶化ガラス材とは
ならない。従って、このような更なる高温領域では目的
とする結晶化ガラス材を得ることは困難である。
【0010】ところで、特開昭52−72714号明細
書には、廃棄ガラス粒子に、それより溶融温度の低いガ
ラス粉をまぶしてから熱処理(例えば750℃)するこ
とにより得られるガラス材が記載されているが、この低
融点ガラス粉はガラス粒子に対して一種の接着剤のよう
な働きをしており、また得られるガラスも結晶を有する
との記載はなく、本願発明の結晶化ガラス材が有するよ
うな美的外観を有するものとは解されない。
【0011】また、特開昭60−151236号明細書
には、塊状ガラスと粉末状ガラスを混ぜて、加熱し、粉
末状ガラスを再溶解し、一部塊状ガラス表面を溶解し
て、両者を融着するガラス材が記載されている。これは
塊状ガラスを同種の微細粉末ガラスで結着させ、粉末ガ
ラスの溶融体が塊状ガラスの境界面を覆うような構成と
なり、それで装飾性を持たせたものである。このような
方法では透明度の違いによる模様はできようが、結晶生
成による上述したような美的外観、すなわち透過、反射
または屈折の僅かな差をもたせて、そのゆらぎ模様から
くる美的外観を発現することは困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、ソーダ
石灰系ガラス粒子のような軟化融着が比較的高い温度で
起こるガラスを用いて結晶化ガラスを製造するに際し
て、比較的大きい粒径のガラス粒子を集積して加熱して
美的外観を有する結晶化ガラス材を作ろうとした場合、
比較的低温(すなわち950℃以下)では軟化融着が進
行し難いために加熱に著しく長時間を必要とするか、得
られる焼成体の表面の凹凸が激しいために表面研磨に時
間またはコストがかかり、一方、比較的高温では軟化融
着は有利に行えるが結晶の生成が少なくなり、目的とす
る美的外観を有するガラス材が得られないという問題が
あった。
【0013】従って、結晶化ガラス材の独特の美的外観
を保ったまま、軟化融着を促進する結晶化ガラス材の製
造法が求められていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要] <要旨>本発明の結晶化ガラス材の製造法は、ソーダ石
灰系ガラス粒子集積体をガラス粒子の軟化、融着および
結晶化を伴う熱処理に付すことからなる結晶化ガラス材
の製造法において、熱処理の前にカリウムおよび/また
はナトリウムを成分として含むアルミノケイ酸塩鉱物の
粉末をガラス粒子に付着させること、を特徴とするもの
である。また、本発明の結晶化ガラス材は、非晶質ガラ
スからなるマトリックスと、結晶化ガラスとカリウムお
よび/またはナトリウムを成分として含むアルミノケイ
酸塩鉱物とからなる分散相とが、その境界部分で相互に
融和および/またはマトリックス中に散在してなるこ
と、を特徴とするものである。
【0015】<効果>本発明は、ソーダ石灰系ガラス粒
子を集積して軟化、融着および結晶化を伴う熱処理を行
う結晶化ガラス材を製造する際に、ガラス粒子の融着軟
化を促進させ、短時間で平滑な表面を得ることと、ガラ
ス粒子界面での均一な結晶化を両立させ、且つ、光の透
過、反射、屈折のわずかなゆらぎの模様のある、独特の
光模様を呈する、意匠性に優れた結晶化ガラス材の製造
法を提供するものである。
【0016】また本発明は、ガラス粒子の粒度の大きい
もの、例えば屑ガラスまたはガラスカレット、を、あら
ためて微粉砕することなく利用することを可能にしなが
ら、研磨加工をほとんど必要としない表面の平滑なガラ
ス材を簡単に得ることのできる結晶化ガラス材の製造法
を提供するものである。
【0017】さらに本発明は、ソーダ石灰系ガラスの界
面近傍にガラス結晶と鉱物粒子を含む、独特の意匠性ま
たは装飾性を有する結晶化ガラス材を提供するものであ
る。
【0018】[発明の具体的説明] <原料ガラス粒子>本発明の結晶化ガラス材の製造に用
いるガラス粒子は、ソーダ石灰系ガラスからなるもので
ある。本発明でいう「ソーダ石灰ガラス」は当業界にお
いてソーダ石灰系ガラスと呼ばれているもの、例えば前
記の組成のもの、の外に、硼珪酸系ガラスを含んでもよ
い。
【0019】また本発明の結晶化ガラス材は、主として
上記のガラス粒子からなる原料から製造されるが、少量
の補助成分、たとえばガラスの成分としてあるいは原料
として使用しうる物質、たとえばアルミナ、ジルコニ
ア、シリカ、アルミニウム塩、ケイ酸塩、ケイ砂、スラ
グ等、を含んでもよい。また、原料ガラス粒子と同一ま
たは異質のガラスの繊維を含んでもよい。
【0020】集積法による結晶化ガラス材の製造では、
ガラスを粒子状で使用する。粒子状ガラスは調合した所
定原料を均一化するため、一旦溶融し、次に溶融ガラス
を水中に投入するか、あるいは一旦冷却後、機械的に粉
砕して得るのが一般的である。いずれの場合にも、得ら
れた粒子を所定の粒子に選粒して、原料ガラス粒子とす
るのが普通である。屑ガラス、ガラスカレットなどを原
料とする場合においては、破砕して、所定の粒子に選粒
して原料ガラスとして用いることもできる。「粒子」は
粉末といえるほどの小粒径のものを包含するものとす
る。
【0021】本発明で用いるソーダ石灰系ガラス粒子の
平均粒子径は、一般的に0.5〜15mm、より好ましく
は2〜10mm、である。破砕及び選粒の方法は特に限定
されない。
【0022】本発明の結晶化ガラスは、着色されたもの
であってもよいことはいうまでもなく、結晶化ガラス材
の建材あるいはインテリア材としての用途を考えれば着
色した方が好ましいとさえいえる。したがって、ガラス
粒子は着色されたものを使用することができて、また着
色はガラス粒子ごとに異なってもよい。
【0023】<ガラス以外の無機物粉末>本発明で用い
る鉱物粉末は、カリウムおよび/またはナトリウムを含
むアルミノケイ酸塩鉱物である。この中で特にK2 O−
Al2 3 −SiO2 系もしくはNa2 O−Al2 3
−SiO2 系の長石が好ましい。この好ましい系の長石
は通常それぞれカリ長石、ソーダ長石と呼ばれることも
ある。また、両者は合わせてアルカリ長石とも呼ばれ
る。純粋のカリ長石はKAlSi3 8 の化学式を有
し、融点が1220℃の単斜晶系結晶であり、ソーダ長
石はNaAlSi3 8の化学式を有し、融点が110
0℃の三斜晶系結晶である。本発明でも鉱物は、かかる
純粋鉱物を含め、天然に産する長石を含むものである。
天然物の場合は、不純物がある程度含まれており、従っ
て融点も一定ではないが、本発明にはこれらの通常市販
されている天然の鉱物を使用することができる。例え
ば、純粋なカリ長石およびソーダ長石、ならびに一般に
市販されているカリ長石およびソーダ長石の化学組成を
参考までに産地別に示せば以下の通りである(吉本文平
著「鉱物工学」技報堂(株)昭和35年5月発行第55
7〜601頁参照)。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】この表から明らかなように、産地によりカ
リ長石またはソーダ長石の化学組成は不純物成分の含量
が微妙に異なり、従って融点も多少異なるが、これらは
いずれも本発明に利用可能なものである。
【0027】また、粉末の粒度は市販の、325 メッシュ
(0.044mm 目開き)以下の微粉砕物が通常利用できる
が、ソーダ石灰ガラス粒子の表面に付着させることがで
きれるならばいかなる粒度のものであってもよい。この
粉末をガラス粒子に付着させるには、粉末状態で直接ふ
りかけてもよいし、あるいは適当な溶媒に分散させて懸
濁液の形態にしてから添加混合してもよい。添加量は、
ソーダ石灰系ガラスに対して、一般に0.3〜5.0重
量%、より好ましくは0.6〜2.0重量%、である。
添加量が0.3重量%未満であると、独特のゆらぎ模様
のある結晶化ガラス材が得られず、一方、5.0重量%
を超えるとガラス粒子の境界面間への鉱物粉末の充填量
が増えすぎて、目的とする結晶化ガラス材の美的外観を
得ることが困難になる。
【0028】<結晶化ガラス材の製造>上記したように
ガラス粒子に鉱物粉末を付着させた後、所定形状の型枠
に充填して集積体として、加熱処理をすることにより結
晶化ガラス材を得る。また、原料ガラス粒子を型枠に充
填した後で鉱物粉末を付着させてもよい。本発明による
結晶化ガラス材の大きな用途の一つは建材としてのそれ
であって、その場合は板材として使用されることが多
い。「板材」は平板状であっても曲面状であってもよ
い。平板状の場合は、ガラス粒子を充填すべき型枠は平
板状のガラス粒子集塊ができるような形状のものである
ことが一般的である。
【0029】このガラス粒子の集積体、すなわち、プレ
フォームは、バインダーなしの自己形状保存性のない、
ガラス粒子集塊であることが普通であるが、必要に応じ
て、適当なバインダーを使用して自己形状保存性のある
プレフォームとすることもできる。また、プレフォーム
を形成する際に、できるだけ内部に残っている空気が少
ないようにすることが望ましい。そのために、振動によ
る細密充填法、加圧による方法、その他を利用すること
ができる。
【0030】次いで、この集積体を加熱焼成する。焼成
温度は、一般的に950℃以上、好ましくは950〜1
100℃、で、一般的に1〜4時間、好ましくは2〜3
時間程度、維持することにより目的の結晶化ガラス材を
得る。
【0031】このようにして得られる結晶化ガラス材
は、ガラス粒子界面に一様な結晶(主にデビトライトと
ウォラストナイト)が析出しており、しかもガラス粒子
が、部分的に溶融したガラス粒子相互とアルカリ長石と
により結着されている。この状態を顕微鏡で観察する
と、結晶のウォラストナイトとデビトライト、並びにガ
ラスに混合されている一部の未溶融状のアルカリ長石
が、ガラス粒体界面の近傍に散在している。このような
構造のものは、光の透過、反射、屈折により、僅かなゆ
らぎ模様を呈し、独特の意匠性もしくは装飾性を持つも
のである。
【0032】
【実施例】 実施例1〜32 市販の無色透明ガラス壜(重量%にてNa2 O 13.5%、
2 O 1.0% 、CaO 10.5%、 Al2 3 2.1% 、
SiO2 71.4%、その他 1.5% )をジョ−クラッシャ−
を用いて破砕し、ふるいを用いて2mm〜5mm径の粒度に
なるよう分級した。これに市販のカリ長石またはソーダ
長石鉱物粉末(市販の天然物)を表3および4に示す量
で添加し、全体を混合してガラス粒子に付着させた。
【0033】これを、ムライト製の枠(500×500
×30mm)にいれて焼成した。なお、ムライト製枠には
予め、焼成ガラス板の剥離を容易にするため、アルミナ
粉末を塗布しておいた。焼成は電気炉で行い、200℃
/hrで昇温させ、所定の最高温度で、2時間維持した
後、降温し、650℃からは徐冷した。結果は表3およ
び表4に示す通りである。
【0034】 表3 実施例No. 長石の種類 長石の添加量% 焼成温度 ℃ 意匠性/装飾性 の評価 1 カリ長石 0.2 1025 ○ 2 〃 0.9 1025 ◎ 3 〃 1.5 1030 ◎ 4 〃 5.5 1040 ○ 5 〃 0.9 940 △ 6 〃 1.5 940 △ 7 〃 0.9 1150 △ 8 〃 0.9 1150 △ 9 ソーダ長石 0.2 1015 ○ 10 〃 0.9 1015 ◎ 11 〃 1.5 1020 ◎ 12 〃 5.5 1030 ○ 13 〃 0.9 940 △ 14 〃 1.5 940 △ 15 〃 0.9 1150 △ 16 〃 0.9 1150 △
【0035】 表4 実施例No. 長石の種類 長石の添加量% 焼成温度 ℃ 意匠性/装飾性 の評価 17 カリ長石 0.2 900 △ 18 〃 0.2 1150 △ 19 〃 5.5 900 △ 20 〃 5.5 1150 ○ 21 ソーダ長石 0.2 900 △ 22 〃 0.2 1150 △ 23 〃 5.5 900 △ 24 〃 5.5 1150 ○ 25 カリ長石 0.4 960 ◎ 26 〃 4.5 960 ◎ 27 〃 0.4 1050 ◎ 28 〃 4.5 1050 ◎ 29 ソーダ長石 0.4 960 ◎ 30 〃 4.5 960 ◎ 31 〃 0.4 1050 ◎ 32 〃 4.5 1050 ◎ ◎ ;光の透過、反射、屈折の僅かなゆらぎ模様のある独特の意匠性 もしくは装飾性のある結晶化ガラス板材が得られた。 ○ ;ガラス粒体界面の結晶と長石とからなる層が薄かったり又は厚 く、意匠性もしくは装飾性がやや劣る。 △ ;長石およびガラス結晶を含むガラス粒子界面での軟化融着が不十分 で、透過性が劣る。あるいは、融着が進みすぎて混合一体化して、 意匠性もしくは装飾性が劣る。
【0036】
【発明の効果】本発明により、結晶化ガラス材製造にお
けるガラス粒子の融着軟化を促進させて、短時間で凹凸
の少ない焼成体を得ることと、ガラス粒子界面での均一
な結晶生成と鉱物の結着を両立させ、且つ、光の透過、
反射、屈折のわずかなゆらぎの模様のある、独特の光模
様を呈する、意匠性に優れた結晶化ガラス材が製造され
ることは、[発明の概要]の項に前記したところであ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソーダ石灰系ガラス粒子集積体をガラス粒
    子の軟化、融着および結晶化を伴う熱処理に付すことか
    らなる結晶化ガラス材の製造法において、熱処理の前
    に、カリウムおよび/またはナトリウムを成分として含
    むアルミノケイ酸塩鉱物の粉末をガラス粒子の表面に付
    着させることを特徴とする、結晶化ガラス材の製造法。
  2. 【請求項2】鉱物が、K2 O−Al2 3 −SiO2
    あるいはNa2 O−Al2 3 −SiO2 系の長石であ
    る、請求項1に記載の結晶化ガラス材の製造法。
  3. 【請求項3】ソーダ石灰系ガラス粒子に対する鉱物の割
    合が0.3〜5.0重量%である、請求項2に記載の結
    晶化ガラス材の製造法。
  4. 【請求項4】熱処理における焼成温度が950〜110
    0℃である、請求項1〜3いずれか1項に記載の結晶化
    ガラス材の製造法。
  5. 【請求項5】非晶質ガラスからなるマトリックスと、結
    晶化ガラスとカリウムおよび/またはナトリウムを成分
    として含むアルミノケイ酸塩鉱物とからなる分散相と
    が、その境界部分で相互に融和および/またはマトリッ
    クス中に散在してなることを特徴とする結晶化ガラス
    材。
  6. 【請求項6】鉱物が、K2 O−Al2 3 −SiO2
    あるいはNa2 O−Al2 3 −SiO2 系の長石であ
    る、請求項5に記載の結晶化ガラス材。
  7. 【請求項7】ソーダ石灰系ガラス粒子に対する鉱物の割
    合が0.3〜5.0重量%である、請求項6に記載の結
    晶化ガラス材。
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