JPH0597473A - 結晶化ガラス材およびその製造 - Google Patents

結晶化ガラス材およびその製造

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JPH0597473A
JPH0597473A JP26081491A JP26081491A JPH0597473A JP H0597473 A JPH0597473 A JP H0597473A JP 26081491 A JP26081491 A JP 26081491A JP 26081491 A JP26081491 A JP 26081491A JP H0597473 A JPH0597473 A JP H0597473A
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glass
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nepheline
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crystallized
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Shuichi Yokokura
倉 修 一 横
Hiroshi Hirao
尾 啓 平
Koji Nakamura
村 浩 二 中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人造石として有用な結晶化ガラス材の提供 【構成】 少なくとも表面が実質的にネフェリンからな
る結晶からなるガラス粒子が融合してなり、ネフェリン
含量が2〜40重量%ならびに厚さ2mmの状態において
波長650mμの光線透過率が25〜70%の範囲にあ
る、結晶化ガラス材、ならびにガラス粒子集塊を760
〜960℃の温度に加熱して、該結晶化ガラス材を製造
する方法。 【効果】 ガラス由来の透光性を失なっていない結晶化
ガラス材が、屑ガラス等から安価に製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、人造石として有用な結
晶化ガラス材に関する。本発明は、また、安価な原料た
とえば屑ガラスから結晶化ガラスを容易に製造する方法
に関する。
【0002】本発明による結晶化ガラス材は、ガラス特
有の透明性(深み、立体感)を有し、且つ独特の美観を
呈する結晶をガラス中に析出させて成るものである。こ
の結晶化ガラス材は、従来の天然石(大理石、御影石
等)に比べてより高強度にして、耐化学性、耐候性およ
び耐凍害性に優れているところから、建材用(内、外装
材)として広い利用分野が見込めるものである。
【0003】
【従来の技術】大理石、御影石等の天然石はその外観や
肌触りが独特の風合いを有するところから、従来より建
材として広く用いられている。しかし、これら天然石材
は既に資源的な制約があり、概して高価格である点、強
度が必ずしも十分でない点、耐候性(特に耐酸性)に劣
るため外装材への使用はかなり限定される点、等が指摘
されていた。
【0004】この様なことから、近年、天然石に模した
人造石(建材用結晶化ガラス)が数多く提案されてい
る。例えば、その中でかなり広く市販されている結晶化
ガラス建材としてβ‐ウオラストナイト、フォルステラ
イト等を析出させた人造石(特公昭55−29018
号、特公昭59−92942号各公報等)が挙げられ
る。
【0005】これらの建材用結晶化ガラスはそれなりに
有用なものであるが、これらの結晶化ガラスは、ガラス
中での結晶の含量が40〜50重量%程度となっている
ため、ガラス本来の深みある立体感ないし透明感にかな
り欠けている。好みの多様化に伴ない、これは美観上の
問題点であるということもできる。
【0006】また、利用する結晶がβ‐ウオラストナイ
ト(SiO・CaO)またはフォルステライト(2M
gO・SiO)である場合は、安価なソーダ石灰系ガ
ラスが使用できないか、あるいは結晶化温度が高いか
(たとえば少なくとも1000℃、通常は1050〜1
100℃程度)、の点から、その生産は必ずしも経済的
には行ない得ないという問題もある。
【0007】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の諸問
題を解決して、ガラス本来の深みがある立体感ないし透
明感のある結晶化ガラス材を安価に提供することを目的
とするものである。
【0008】<要 旨>
【課題を解決するための手段】本発明は、利用する結晶
としてネフェリンを選定し、それを特定の方法でガラス
材中に生成させ、しかもその量を比較的少量に設定する
ことによって、この目的を達成したものである。
【0009】従って、本発明による結晶化ガラス材は、
少なくとも表面が実質的にネフェリンのみからなる結晶
からなるガラス粒子が融合してなる結晶化ガラス材であ
って、ネフェリン含量が2〜40重量%の範囲に在るも
のであること、を特徴とするものである。
【0010】また、、本発明による結晶化ガラス材の製
造法は、ガラス粒子の集塊を760〜960℃の範囲の
温度に加熱して、該ガラス粒子の少なくとも表面に実質
的にネフェリンからなる結晶を生成させると共に該ガラ
ス粒子を融合させること、を特徴とするものである。
【0011】<効 果>前記の目的が達成され、下記の
効果が得られる。 (1) 本発明による結晶化ガラスはガラス本来の透光性
(深み)を保持しつつ、結晶をガラス中に浮き上らせた
状態(たとえば「羽毛状」に散在された状態)にして独
特の模様(美観)をかもし出すことに成功したものであ
る。このような羽毛状の美観を発現させることは、β‐
ウオラストナイト、フォルステライト等の針状結晶で
は、また、その場合に慣用されている方法(すなわち、
ガラス成形体(たとえば板)の熱処理によって該ガラス
成形体中に結晶を析出させる)では、技術的に難しい。
【0012】本発明者は結晶化ガラスにこのような独特
の美観並びに透光性を発現させることを目的として検討
を重ねた結果、ガラス中に板状結晶であるネフェリン
(NaO・Al・2SiO)を所定量(2〜
40%)析出させることにより成功をみたものである。
【0013】(2) 本発明による結晶化ガラスは主原料
として市販の壜、窓ガラス等の屑ガラスの使用が可能で
あり、そのことは製壜工場、壜詰め工場等で大量に発生
するカレット(主として擦り傷廃棄壜)の有効利用(高
付加価値化)につながる。
【0014】(3) 本発明による結晶化ガラスの製造法
は、まずネフェリンの析出し易い化学組成から成る粒子
状の原料ガラスを調製し、この粒状ガラスの集塊を加熱
してガラス粒子を融合させると共に少なくとも粒子表面
にネフェリンを所定量(2〜40%)析出させることか
らなるが、その場合の加熱温度は760〜960℃とい
う低いレベルでよく、また960℃を越えてはならな
い。ところで、現行市販の結晶化ガラス建材(例えば上
記のβ‐ウオラストナイト(SiO・CaO)、フォ
ルステライト(2MgO・SiO)等の結晶から成る
結晶化ガラス)では、少くとも1000℃、通常105
0〜1100℃程度、の温度が必要である。本発明によ
る結晶化ガラスでは加熱温度が高々960℃程度で結晶
化が可能ということであるが、加熱温度が960℃と1
100℃では単にエネルギーコストだけでなく、ガラス
焼成用金型材の寿命等に大きな差が出てくる。
【0015】〔発明の具体的説明〕 <結晶化ガラス材>本発明による結晶化ガラス材は、先
ず、少なくとも表面が実質的にネフェリンのみからなる
結晶からなるガラス粒子が融合した構造のものである。
【0016】ここで、ガラス粒子の「少なくとも表面が
実質的にネフェリンからなる結晶からなる」ということ
は、ネフェリン含量が2〜40重量%という枠内(詳細
後記)でガラス粒子の内容も結晶化していてもよいとい
うことを意味するものである。そして、この結晶が「実
質的にネフェリンからなる」ということは、結晶の90
重量%以上がネフェリンであるということを意味するも
のである。
【0017】そして、本発明による結晶化ガラス材は、
このような「ガラス粒子が融合してなる」ものである。
ここでガラス粒子が融合してなるということは、粒子が
相互に融着している場合の外に、粒子がガラスマトリッ
クス中に分散している状態を包含するものである。前者
の融合状態は、ガラス粒子の集塊を加熱するときに加熱
温度が比較的低いときに生じる。後者の融合状態は、加
熱温度が比較的高いときに生じる。すなわち、粒子の一
部が流動状態となって、粒子形状を依然として保持して
いる粒子に対して連続マトリックス相を形成することに
よって生じる。いずれの場合であっても、本発明結晶化
ガラス材中に存在して肉眼で観察されるガラス粒子は、
最大寸法が1〜10mm程度、最小寸法が0.01〜0.
2mm程度、のものである。
【0018】ネフェリン結晶はガラス粒子の表面から発
生するので、ネフェリン層の形状は板状であるといえ
る。本発明結晶化ガラス材の表面を研磨してガラス粒子
の断面が表面に現われている場合に、すなわちネフェリ
ン層が断面として研磨表面に現われている場合に、それ
が顕在化する。一方、ネフェリンが本発明による結晶化
ガラス材中でガラス粒子の表面を覆うものとして観察さ
れるときは、当該ガラス粒子の形状として目に映じるこ
とになる。なお、加熱温度が比較的高いと、このような
板状ないし粒状であるその形状が崩れて羽毛状の外観と
なる傾向がある。本発明による結晶化ガラス材は、上記
の基本的構造に加えて、ネフェリン含量および、光線透
過率、ならびに好ましくは強度に関して特定されたもの
である。
【0019】すなわち、先ず、本発明による結晶化ガラ
ス材は、ネフェリン含量が2〜40重量%、好ましくは
10〜30重量%、の範囲に在る。ネフェリン含量をこ
のような比較的低いレベルに設定したことによって、こ
の結晶化ガラス材は、ガラス由来の透明性を有し、その
中に分散しているネフェリン、特に、ネフェリン被覆ガ
ラス粒子、が立体的に観察されるという立体感を持つも
のとなる。なお、ネフェリン含量をこのレベルにするに
は、加熱温度および(または)加熱時間を制御すればよ
い。結晶化ガラス中のネフェリン結晶が存在結晶中の9
0重量%を占めることならびに含量が2〜40重量%で
あることは、X線回析法によって測定することができ
る。
【0020】本発明による結晶化ガラス材が低ネフェリ
ン含量であることに相当してガラス由来の透明性を有す
ることは前記したところであるが、その透明性を光線透
過率で示せば、非着色ガラスの場合については、厚さ2
mmの状態において波長650mμの光線透過率が25〜
70%の範囲であるということに相当する。光線透過率
が25%未満では肉眼観察上でもはや透光性があるとは
いえず、一方これが70%超過では単なる透明ガラスと
有意な差がほとんど無くなる。ちなみに、現在、市販さ
れている代表的な結晶化ガラス建材の透光性は、本発明
者らの実測したところでは、「ネオパリエ」(日本電気
ガラス社製、商品名)で19%、クリストン(旭硝子社
製、商品名)で2%(いずれも肉厚2mm換算値)であ
る。なお、光線透過率は慣用されたところと同じであっ
て、所与の波長の入射光エネルギー量に対する透過光エ
ネルギー量の比を意味し、具体的には、たとえば島津製
作所製「分光光度計UV−2100S」を使用して測定
することができる。
【0021】そして、本発明による結晶化ガラスは、3
点曲げ試験強度が150Kg/cm 2 以上、好ましくは20
0Kg/cm 2 以上、のものであることが好ましい。この条
件は、ガラス粒子の融合によってなる本発明製品の融合
の程度を示すためのものであり、従って従来品との区別
化のための要件ではない。
【0022】本発明による結晶化ガラス材は、着色され
ていてもよい。ガラスの着色は周知の技術である。本発
明は屑ないし廃ガラスを利用して実施することができる
ところ、そのような屑ないし廃ガラスの供給源の一つと
なりうるビールびん、清酒びん、ウイスキーびん等の分
野においてアンバー色、緑色等の着色は工業的に大規模
に行なわれているものでもある。着色は、粒子毎に異な
っていてもよい。
【0023】<結晶化ガラス材の製造>本発明による結
晶化ガラス材、すなわち少なくとも表面がネフェリンか
らなるガラス粒子の融合体からなるもの、はこの特有の
構造が実現しうる限り任意の方法で製造することができ
る。しかし、好ましい製造法は、所謂「テラゾー方
式」、すなわちガラス粒子の集塊(たとえば浅い容器な
いし型枠に粒子を充填した場合のような集塊)を加熱し
て、粒子表面で結晶の形成および粒子の融合を行なう方
式、が適当である。このようなテラゾー方式は、下記の
通りに実施することができる。
【0024】<原料ガラス>原料ガラスは、生成させる
べき結晶がネフェリンであることに相当して、特殊なガ
ラスである必要はない。しかし、ネフェリンの生成し易
いガラスを選ぶことが好ましいことはいうまでもない。
【0025】本発明に使用するのに適したガラスの一例
は、ソーダ石灰ガラスである。ソーダ石灰ガラスの定義
および組成は周知であって、ソーダ石灰ガラスは、ガラ
スびん、窓ガラス等として大量に生産されているもので
ある。
【0026】結晶生成を促進するため、結晶核の生成促
進物質(たとえば、P、フッ素化合物(CaF
等)、TiO、ZrO等)を添加することができ、
また着色剤(たとえば、Cr、MnO、Ni
O、CoO等)その他を添加することもできる。このよ
うなガラスは、所定原料を所定量融合して融解させるこ
とによって製造してもよく、あるいは屑ないし廃ガラス
のうち適当組成のものを選んで入手することもできる。
後者の屑ないし廃ガラスの利用ができることは、本発明
の利点の一つである。
【0027】テラゾー方式では、ガラスを粒子状で使用
する。粒子状ガラスは、屑ないし廃ガラスを機械的に粉
砕するか、一旦融解させてそれを水中に投入するか、一
旦融解させてそれを噴霧するか、によって製造すること
がふつうである。後二者の場合にあっても、生成物を粉
砕して、所定粒子のものを得るようにすることができ
る。いずれの場合にも、得られた粒子を所定の粒子に選
粒して、原料ガラス粒子とする。
【0028】ガラス粒子の粒度は、得られる結晶化ガラ
ス材に求める外観に対応して任意である。すなわち、大
粒子のガラス粒子を使用すれば、大粒子のネフェリン被
覆粒子が生成、融合し、小粒子のガラス粒子を使用すれ
ば、小粒子のネフェリン被覆粒子が生成、融合する。大
粒子と小粒子とを混合使用すれば、生成結晶化ガラス材
も大小粒子の融合体となる。
【0029】採用した粒状化手段にもよるが、生成、ガ
ラス粒子は不定形をしていることが多いので、ガラス粒
子の大きさはその最大寸法と最小寸法とで示すことが実
用的である。本発明では、最大寸法が1〜10mm、好ま
しくは2〜5mm、最小寸法が0.01〜0.2mm、好ま
しくは0.05〜0.1mmのものが適当である。異径粒
子を組合せることならびに異着色粒子を組合せること、
が可能であることは前記したところである。
【0030】<加熱処理>このようなガラス粒子を所定
形状の型枠に充填して、加熱処理を受けさせる。本発明
による結晶化ガラス材の大きな用途の一つは建材として
のそれであって、その場合は板材として使用されること
が多いから、ガラス粒子を充填すべき型枠は平板状のガ
ラス粒子集塊ができるような形状のものであるあること
が多い。
【0031】このガラス粒子の集塊、いわばプレフォー
ムは、バインダーなしの自己形状保持性の無い、ガラス
粒子集塊であることがふつうであるが、希望するならば
適当なバインダーを使用して自己形状保持性のあるガラ
ス粒子集塊とすることもできる。後者の場合であって
も、加熱時の形状安定性の観点から型枠を使用すること
が好ましい。
【0032】加熱は、ガラス粒子の少なくとも表面がネ
フェリン結晶となり、しかも、ネフェリン以外の結晶が
生成しない温度、そしてガラス粒子が融合して所定強度
の結晶化ガラス材が形成される温度、で行なわれなけれ
ばならない。本発明者らの見出したところによれば、こ
の温度は760〜960℃、好ましくは800〜950
℃、である。加熱時間も所与の温度で所定結晶化ガラス
材が得られるまでの、特にネフェリン含量が2〜40重
量%となるような、時間である。一般に、760℃で1
〜2時間、950℃で0.5〜1時間、である。加熱工
程は、一定温度で行なう必要はなく、経時的に温度を変
化させてもよい。
【0033】加熱工程中にガラス粒子は軟化して、粒子
集塊の自重によって相互の融合(およびその表面からの
結晶化)が生じることがふつうである。しかし、加熱温
度が低くてガラス粒子の軟化が不充分であるとき、ある
いは希望するならば、加熱下のガラス粒子集塊を加圧し
て、粒子の相互の融合を促進することもできる。
【0034】所定のネフェリン生成および所定のガラス
粒子の融合が達成されたならば、生成融合体を徐冷し
て、本発明による結晶化ガラス材を得る。建材等として
使用するに当って表側となる面を研磨、特に鏡面研磨、
すれば、本発明による結晶化ガラス材の美的価値が顕在
化する。
【0035】
【実施例】
実施例1 表1に示す化学組成から成るガラス原料(バッチ)を1
400℃で5時間溶融させた後、水中に注出して破砕物
を作った。この破砕物を粗粉砕し、最大寸法3〜5mm、
最小寸法1〜2mmの範囲に揃えて、原料ガラス粒子を調
製した。この原料ガラス粒子をムライト製の枠(10×
10cm,深さ3cm)に詰めた。なお、生成結晶化ガラス
がムライト枠と融着するのを防ぐために、枠表面に予め
アルミナ微粉末を塗布した。
【0036】この枠を炉に入れて加熱速度200℃/時
間で昇温し、850℃に3時間保持した後、徐冷した。
得られた結晶化ガラス板を鏡面研磨することにより、透
光性(深み)を有し、「羽毛状」のネフェリン結晶がガ
ラス中に浮き上って散在する美しい模様のプレートが得
られた。
【0037】なお、この結晶化ガラス中のネフェリン含
量は、X線回析法により測定した結果、10(重量)%
であった。この結晶化ガラス材(肉厚2mm)の光線透過
率曲線は、図1に示す通りであった。図1より明らかな
ように、本発明による結晶化ガラス材の透光性は市販品
(「ネオパリエ」(日本電気ガラス社製商品名)、「ク
リストン」(旭硝子社製商品名))に比べて格段に高
く、波長650mμにおける光線透過率は49%であっ
た。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2 表2に示す化学組成から成るガラス原料(バッチ)を1
450℃で5時間溶融させた後、水中に注出して破砕物
を作った。この破砕物を粗粉砕し、粒径を実施例1と同
じ範囲に揃えて、原料ガラス粒子を調製した。得られた
結晶化ガラスは、透光性(深み)を有し、「羽毛状」の
ネフェリン結晶がガラス中に浮き上って散在する美しい
模様のプレートであった。なお、この結晶化ガラス中の
ネフェリン含量は、4.0(重量)%であり、650m
μにおける光線透過率は46%であった。
【0040】
【表2】
【0041】実施例3 表3に示す化学組成から成るガラス原料(バッチ)を1
400℃で4時間溶融させた後、水中に注出して破砕物
を作った。この破砕物を粗粉砕し、粒径を実施例1と同
じ範囲に揃えて、原料ガラス粒子を調製した。
【0042】この原料ガラス粒子を実施例1と同様の方
法で加熱し、所定の最高温度で所定時間保持した後、徐
冷した。得られた結晶化ガラスの650mμにおける光
線透過率およびネフェリン含量は、表4に示す通りであ
った。No.1および2は、ネフェリン含量が少なすぎ
て、光線透過率が大きすぎた。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】参考例1 表5に示す化学組成から成るガラス原料(バッチ)を1
450℃で3時間溶融させた後、注出して板状ガラス片
を作った(破砕物ではない)。この板状ガラス片を実施
例1と同様の方法で加熱し、所定の最高温度で所定時間
保持した後、徐冷した。得られた結晶化ガラスの光線透
過率およびネフェリン含量は、表6に示す通りであっ
た。表6から明らかなように、参考例1ではいずれもネ
フェリン含量が50%以上であり、650mμにおける
光線透過率は2〜4%と低く、外観は白色タイルのよう
であって、板内の立体性美観は見られなかった。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】参考例2 表7に示す化学組成から成るガラス原料(バッチ)を1
450℃で3時間溶解させた後、注出して板状ガラス片
を作った(破砕物ではない)。この板状ガラス片を実施
例1と同様の方法で加熱し、所定の最高温度で所定時間
保持した後、徐冷した。得られた結晶化ガラスの光線透
過率、ネフェリン含量、フォルステライト含量は、表8
に示す通りであった。表8から明らかなように、参考例
2ではいずれも650mμにおける光線透過率は2〜3
%と低く、外観は白色タイルのようであって、板内の立
体性美観は見られなかった。
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】各種の結晶化ガラス材の光線透過率を示すグラ
フ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面が実質的にネフェリンから
    なる結晶からなるガラス粒子が融合してなる結晶化ガラ
    ス材であって、ネフェリン含量が2〜40重量%の範囲
    に在るものであることを特徴とする、結晶化ガラス材
  2. 【請求項2】板状であり、少なくとも一面が研磨されて
    いる、請求項1に記載の結晶化ガラス材。
  3. 【請求項3】ガラスがソーダ石灰系ガラスである、請求
    項1または2に記載の結晶化ガラス材。
  4. 【請求項4】ガラス粒子の集塊を760〜960℃の範
    囲の温度に加熱して、該ガラス粒子の少なくとも表面に
    実質的にネフェリンからなる結晶を生成させると共に該
    ガラス粒子を融合させることを特徴とする、結晶化ガラ
    ス材の製造法。
  5. 【請求項5】ガラス粒子が、最大寸法1〜10mm、最小
    寸法0.01〜0.2mmのものである、請求項4に記載
    の結晶化ガラス材の製造法。
  6. 【請求項6】加熱温度が800〜950℃の範囲に在
    る、請求項4または5に記載の結晶化ガラス材の製造
    法。
  7. 【請求項7】加熱を、ガラス粒子集塊の自重による自己
    発生圧力の下に行なう、請求項4〜6のいずれか1項に
    記載の結晶化ガラス材の製造法。
  8. 【請求項8】ガラスがソーダ石灰系ガラスである、請求
    項4〜7のいずれか1項に記載の結晶化ガラス材の製造
    法。
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