JP2004137141A - 建築用ガラス物品およびその製造方法 - Google Patents

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益田 紀彰
Takehiro Shibuya
渋谷 武宏
Takashi Ota
太田 貴
Yasuhiro Baba
馬場 康弘
Yoshikazu Seki
関 芳和
Shinkichi Miwa
三和 晋吉
Masahiro Sawada
澤田 正弘
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Abstract

【目的】長期間にわたって建築物の外装材として使用しても表面に曇りが発生することなく外観が損なわれない建築用ガラス物品とその製造方法を提供することである。
【構成】本発明の建築用ガラス物品は、アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスからなることを特徴とする。また、本発明の建築用ガラス物品の製造方法は、アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスからなるガラス粒を複数個用意し、耐火性容器内に充填し、熱処理することによって各ガラス粒を融着一体化することを特徴とする。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用ガラス物品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物の形状や装飾の多様化に伴って、機能性やデザインの面から建築物にガラス物品が使用されるようになってきた。
【0003】
建築用ガラス物品としては、柱、壁、窓、天井、屋根、床などの建築構造物として機能するガラスブロック、パーティション、窓板等の建築用ガラス物品と、建築構造物の表面を装飾するために使用される化粧板やガラスブリック等の建築用ガラス物品とがある。
【0004】
これらの建築用ガラス物品には、安価に作製可能であり、汎用性が高いという理由からアルカリ金属酸化物を多量に含むソーダ石灰ガラスなどが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−229235号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示されているガラスブリックのような建築用ガラス物品は、長期間にわたって建築物の外装材として使用されると、時間が経過するとともに、ガラスに含まれているアルカリ成分が、水分や二酸化炭素と反応してガラス表面に析出しやすいため、ガラス表面に曇りが発生しやすく、外観が損なわれやすいという問題を有していた。
【0007】
また、ガラス表面に曇りが発生することを防止するために、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂のような透明な樹脂を外表面にコートした建築用ガラス物品も有るが、樹脂自体が、紫外線、熱、水分等によって劣化して変色やひび割れを発生しやすく、外観が損なわれやすかった。また、外表面が樹脂でコートされているため、ガラスが本来有する質感を失い、高級感が損なわれたものになっていた。
【0008】
本発明の目的は、長期間にわたって建築物の外装材として使用しても表面に曇りが発生することなく外観が損なわれない建築用ガラス物品とその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の建築用ガラス物品は、アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスからなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の建築用ガラス物品の製造方法は、アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスからなるガラス粒を複数個用意し、耐火性容器内に充填し、熱処理することによって各ガラス粒を融着一体化することを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明の建築用ガラス物品は、アルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO等)の含有量が5質量%以下のガラス、好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないガラスからなるため、長期間にわたって建築物の外装材として使用しても、水分や二酸化炭素と反応してアルカリ成分がガラス表面に析出することがなく、風雨にさらされても、特に酸性雨によっても、ガラス表面からアルカリ成分が溶出しにくく曇りが発生せず、外観が損なわれない。また、外表面に透明な樹脂をコートする必要もないため変色やひび割れが発生することがない。
【0012】
なお、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないガラスとは、アルカリ金属酸化物の含有量が質量%で0.1%以下であることを指す。
【0013】
アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスとしては、質量%でSiO 40〜75%、Al 5〜25%、B 5〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜20%、SrO 0〜20%、BaO 0〜30%、ZnO 0〜10%、LiO+NaO+KO 0〜5%の組成を有するガラスが無色で透明性が高く、耐水性が高いため好ましい。特に好ましいガラスは、SiO 50〜67%、Al 10〜20%、B 5〜15%、MgO0〜4%、CaO 2〜20%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、ZnO 0〜5%、LiO+NaO+KO 0〜5%の組成を有するガラスである。
【0014】
また、紫外線による変色を抑制するためにTiO、化学的耐久性を高めるためにZrOをそれぞれ1%程度まで含有することが可能である。また、Y、La、Nb等の酸化物を合量で最大5.0%まで添加することにより、ガラスの失透性を抑え、成形性を高めることができる。また、As、Sb、SnO、Cl、SOなどの成分をそれぞれ1%以下の範囲で添加すると、ガラスの熔融均質性を高める効果や、清澄剤としてガラス中の直径0.1mm未満の微塵泡を除去する効果を有し、また、成形、加工、その他の建築用ガラス物品の特性に悪影響を与えない。ただし、Asは、環境負荷物質であるためAsの添加量が0.05%以下であることが望ましい。
【0015】
また、本発明の建築用ガラス物品は、Adams−Nickerson色空間のL表色系における色度{(a値)+(b値)1/2が厚さ2mmで0.5以下であるガラスからなると無色で透明性が高いため高級感があり、また、着色顔料を添加した場合には、着色顔料本来の色調を得やすい。
【0016】
本発明の建築用ガラス物品は、Feの含有量が500ppm以下のガラスからなると、厚さ2mmでの色度{(a値)+(b値)1/2が0.5よりも小さくなりやすく、高級感が得られやすい。Feの含有量は、好ましくは200ppm以下、より好ましくは150ppm以下である。
【0017】
本発明の建築用ガラス物品は、30〜380℃における平均熱膨張係数が70×10−7/℃以下、好ましくは50×10−7/℃以下、さらに好ましくは40×10−7/℃以下であると、成形後の冷却工程や激しい気温変化、火災時の火炎や放水による急激な加熱や冷却のために生じる熱衝撃によって破損しにくい。
【0018】
また、本発明の建築用ガラス物品は、歪点が580℃以上であると耐熱性が高く、火災によって熱変形が発生しにくい。
【0019】
本発明の建築用ガラス物品は、100〜1012個/kgの泡を包含すると、奥ゆきのある立体感や重厚感を有し、また、半透明となるため、意匠性やプライバシー性が要求されるパーティション、窓材、化粧板等の用途に好適となる。また、ガラス中に多数の泡を包含してもアルカリ金属酸化物の含有量が少ないため、泡中の水分や二酸化炭素とガラス中のアルカリ成分とが反応することがない。よって、泡のまわりに曇りが発生せず、外観が損なわれることがない。
【0020】
泡数が100個/kgより少ないと、奥ゆきのある立体感や重厚感が得られにくく、1012個/kgより多いと透光性が得られにくく、また、機械的強度が損なわれやすい。なお、この泡は、直径が0.01mm以上のものを指す。
【0021】
建築用ガラス物品の体積に対して、泡の体積が0.2〜10体積%であると好ましい。0.2%体積よりも小さいと、奥ゆきのある立体感や重厚感が得られにくく、10体積%よりも大きいと、機械的強度が損なわれやすい。
【0022】
最大泡の直径は5mm以下であることが好ましい。5mmよりも大きいと機械的強度が損なわれやすい。
【0023】
泡の平均径は、0.1〜3.0mmであると好ましい。泡の平均径が0.1mmより小さいと、奥ゆきのある立体感や重厚感が得られにくく、3.0mmよりも大きいと機械的強度が損なわれやすい。
【0024】
また、厚さ5mmでの波長400〜700nmにおける平均透過率が15〜85%であると好ましい。平均透過率が85%よりも高いと、奥ゆきのある立体感や重厚感が得られにくく、15%よりも低いと、可視光線のほとんどがガラスの表面で反射してしまうためガラスの質感が得られにくく、また、窓材やパーティション等として使用する場合には採光性が乏しくなるため好ましくない。
【0025】
また、本発明の建築用ガラス物品は、バナジウム、クロム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、セリウム、ネオジウムおよびエルビウムからなる群から選ばれた1種類以上の金属元素の酸化物を3質量%まで含有することができる。これらの金属元素の酸化物はガラスへの溶解性が良好であり、イオン発色によってガラスが着色されるため、透明感を有する有色の建築用ガラス物品を作製できる。
【0026】
また、アルミナ、ジルコニア等の白色顔料を0.05〜1質量%含有すると、白色顔料の一部がガラスに溶解せずに溶け残り、白色の三次元網目模様を形成できるため好ましい。
【0027】
本発明の建築用ガラス物品は、一般に知られているガラス成形法、例えば、フロート法、ロールアウト法、プレス法等によって様々な形状に成形して製造することができるが、集積法によって板状やブロック状に成形すると、ガラス中の泡を制御しやすいため好ましい。
【0028】
以下に、本発明の建築用ガラス物品を集積法によって製造する方法を示す。
【0029】
まず、アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下の組成を有するガラスは、具体的には、質量%でSiO 40〜75%、Al 5〜25%、B5〜20%、MgO 0〜10%、CaO 0〜20%、SrO 0〜20%、BaO 0〜30%、ZnO 0〜10%、LiO+NaO+KO 0〜5%の組成になるように調合した原料を1400〜1700℃で15〜30時間熔融し水砕することによって、または、板状もしくは塊状に成形して粉砕することによって平均粒径が0.5〜50mmのガラス粒を作製する。
【0030】
ガラス粒の平均粒径が、50mmよりも大きいと、ガラス物品中に形成される泡の直径が5mmより大きくなりやすく、また泡数が100個/kgよりも少なくなりやすい。また、0.5mmよりも小さいと、粉砕するためのコストが高くなり、また泡の平均径が0.1mmよりも細かくなり、泡数が1012個/kgよりも多くなりやすいため、透光性が損なわれ、ガラスの質感が損なわれやすい。ガラス粒は、粒状、板状、棒状であっても良い。
【0031】
なお、ガラス原料として鉄の含有量の少ない原料を使用する、または、調合された原料から磁石を用いて鉄分を除去するとFeの含有量が500ppm以下のガラスを得やすい。また、ガラス原料中に着色剤としてバナジウム、クロム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、セリウム、ネオジウムおよびエルビウムからなる群から選ばれた1種類以上の金属元素の複酸化物、酸化物、水酸化物または炭酸塩を3質量%まで添加してもよい。
【0032】
次に、耐火性容器を用意し、離型剤として該容器の内表面に沿ってセラミックスファイバーシートを載置する、または、内表面に珪砂、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、もしくは、石膏粉末からなる耐火性セラミックス粉末を付着させる。
【0033】
なお、耐火性容器は、1200℃以下の温度で軟化変形しない材質からなると好ましく、特にムライト、コージェライト、アルミナセラミックスは安価で耐熱性が高いため好ましい。
【0034】
また、セラミックスファイバーシートは、主成分がアルミナ、シリカ、シリカ―アルミナまたはジルコニアであると、熱処理後に離型しやすい。
【0035】
耐火性セラミックス粉末は、エアスプレーまたは刷毛塗りして耐火性容器の内表面に付着させる。
【0036】
続いて、離型剤を内表面に載置した耐火性容器に複数個の前記ガラス粒を充填し、熱処理することでガラス粒を融着一体化し、本発明の建築用ガラス物品が作製される。なお、ガラス粒として2種以上の異色の混合したガラス粒を用いてもよい。
【0037】
この時の熱処理温度は700〜1200℃が好ましい。熱処理温度が700℃よりも低いと表面の平滑性が悪く、また、ガラス粒同士の融着が不完全となるため機械的強度が低くなりやすく、1200℃よりも高いと、ガラスの粘度が低下して泡が外部に放出され、泡数が100個/kgより少なくなりやすい。
【0038】
本発明の建築用ガラス物品の製造方法は、3質量%以下のバナジウム、クロム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、セリウム、ネオジウムおよびエルビウムからなる群から選ばれた1種類以上の金属元素の複酸化物酸化物、水酸化物または炭酸塩の着色顔料を表面に付着させたガラス粒を用いると、ガラス粒間の融着を阻害することないため好ましい。特に、着色顔料を0.001質量%以上0.05質量%未満添加すると、着色顔料がガラスへ熔融拡散し、イオン発色により着色した透明感を有するガラス物品が得られる。また、着色顔料を0.05〜3.0質量%添加すると、一部の着色顔料がガラスに熔融拡散し、熔融拡散しなかった残りの着色顔料がガラス粒界の近傍に存在し三次元網目模様を形成するため意匠上好ましい。
【0039】
また着色顔料のかわりに、着色酸化物(例えば、バナジウム、クロム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、セリウム、ネオジウムおよびエルビウムからなる群から選ばれた1種類以上の金属元素の酸化物)を含有するガラス粉末(着色ガラス粉末)を10質量%まで含有して着色させてもよい。
【0040】
また、0.05〜1質量%のアルミナ、ジルコニア等の白色顔料を付着させたガラス粒を用いると、白色顔料がガラス粒界の近傍に存在し、白色の三次元網目模様を形成することができるため意匠上好ましい。
【0041】
また、着色顔料をガラス粒の表面に均一に分散させるには、着色顔料とガラス粒とをあらかじめ混合するとよいが、その際に着色顔料やガラス粒以外にポリビニルアルコールもしくはアクリル−アルキルスチレン系の接着剤および/または水を添加すると、ガラス粒の表面に着色顔料を均一に付着させることができるため好ましい。特に、着色顔料と平均粒径が5〜500μmのガラス粉末をあらかじめ混合したプレミックスを使用するとさらに着色顔料の分散が均一になるため好ましい。また、ガラス粉末、接着剤、水の添加量の合量が10質量%以下であると外観が損なわれにくいため好ましい。
【0042】
【実施例】
本発明の建築用ガラス物品を実施例と比較例に基づいて詳細に説明する。
【0043】
表1は実施例で使用したガラスの組成(A〜H)および比較例で使用したガラスの組成(I、J)を示す。表2〜5は、本発明の建築用ガラス物品の実施例1〜20を示しており、表6は、比較例1、2を示す。
【0044】
【表1】
Figure 2004137141
【0045】
【表2】
Figure 2004137141
【0046】
【表3】
Figure 2004137141
【0047】
【表4】
Figure 2004137141
【0048】
【表5】
Figure 2004137141
【0049】
【表6】
Figure 2004137141
【0050】
実施例1〜5、19および20は、まず、表の組成となるようにガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1600℃で24時間熔融し、熔融ガラスをカーボン板の上に流し出して、実質的に泡のないガラス板状体を作製した。
【0051】
次に、ガラス板状体を粉砕した平均粒径が3mmの複数個のガラス粒を、離型剤としてアルミナセラミックスファイバーシートを底面と側面に載置したアルミナセラミックス製の耐火性容器に充填し、1100℃で100分間熱処理することによって建築用ガラス物品(100×200×18mm)を作製した。
【0052】
実施例6〜16は、Aの組成を有するガラス板状体を粉砕して平均粒径が3mmのガラス粒と平均粒径が50μmのガラス粉末を作製し、ガラス粒98質量部に対して、熱処理後に表3および4に示す着色顔料の含有量となるようにあらかじめ均一に混合したガラス粉末と着色顔料とのプレミックス2質量部と、水2質量部とを添加して均一に混合したガラス粒と着色顔料を含む混合物を耐火性容器に充填した以外は実施例1と同様にして建築用ガラス物品(100×200×18mm)を作製した。
【0053】
実施例17、18は、Aの組成を有するガラス板状体を粉砕して作製した平均粒径が3mmのガラス粒90質量部に対して、FまたはGの組成を有するガラス板状体を粉砕して平均粒径が25μmの着色ガラス粉末10質量部を添加して均一に混合し、耐火性容器に充填した以外は実施例1と同様にして建築用ガラス物品(100×200×18mm)を作製した。
【0054】
表6に示す比較例1、2は、I、Jの組成を有するガラス粒を用いた以外は実施例1と同様にして建築用ガラス物品(100×200×18mm)を作製した。
【0055】
なお、ガラスの色度{(a値)+(b値)1/2は、上記のガラス板状体を厚さ2mmに加工し、両面を光学研磨して、分光光度計(株式会社島津製作所製 UV−3100PC)を用いて測定したa値およびb値から算出した。
【0056】
Feの含有量は、誘導プラズマ発光分析装置(セイコー電子工業株式会社製 SPS1500VR)を用いて測定した。
【0057】
30〜380℃における平均熱膨張係数は、ディラトメーターを用いて測定した。
【0058】
歪点は、ASTM C336−71に基づいて測定した。
【0059】
アルカリ溶出量は、JIS R 3502に準じて測定した。
【0060】
また、建築用ガラス物品の泡の平均径は、無作為に選んだ100個の泡の直径を平均して求め、泡数は、実体顕微鏡を用いて、10×10×5mmに加工した試料片に含まれる泡数を数え、1kgあたりの泡の個数として算出した。また、波長400〜700nmにおける平均透過率は、上記建築用ガラス物品を厚さ5mmに加工し、両面を光学研磨し、分光光度計(株式会社島津製作所製 UV−3100PC)を用いて測定した。
【0061】
また、色調は、目視で判定し、模様は、建築用ガラス物品の内部に三次元網目模様が形成されている場合は「有」、形成されていない場合は「無」として評価した。
【0062】
また、表面の曇り評価は、上記の建築用ガラス物品を気温65℃、湿度95%の条件に300時間さらし、表面に曇りが発生するか否かを目視で評価し、曇りが発生しなければ「合格」、曇りが発生した場合を「不合格」とした。
【0063】
表2〜5から明らかなように実施例1〜20は、アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスを用いているため、表面に曇りは発生しなかった。また、実施例1〜5で用いたガラス中のFeの含有量は400ppm以下であり、色度{(a値)+(b値)1/2は0.4以下であるため、無色で透明性が高く高級感があり、実施例6〜9および12〜20は着色金属酸化物がガラス中に溶け出し、金属イオン本来の色調が得られた。
【0064】
さらに、実施例9〜16は、着色顔料の一部が溶解せずに溶け残り、三次元網目模様が形成されていた。
【0065】
比較例1、2は、アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%よりも多いガラスを用いているため、表面に曇りが発生した。また、使用したガラス中のFeの含有量は500ppmよりも多く、色度{(a値)+(b値)1/2は、0.5よりも大きかったため薄緑色を呈しており高級感に乏しかった。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の建築用ガラス物品は、アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスを使用し、長期間にわたって建築物の外装材として使用しても、表面にアルカリ成分が析出することがなく、曇りが発生しないため、窓材、パーティション、化粧板等として好適である。

Claims (10)

  1. アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスからなることを特徴とする建築用ガラス物品。
  2. 実質的にアルカリ金属酸化物を含まないガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の建築用ガラス物品。
  3. Adams−Nickerson色空間のL表色系における色度{(a値)+(b値)1/2が厚さ2mmで0.5以下であるガラスからなることを特徴とする請求項1または2に記載の建築用ガラス物品。
  4. Feの含有量が500ppm以下のガラスからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の建築用ガラス物品。
  5. 厚さ5mmでの波長400〜700nmにおける平均透過率が15〜85%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建築用ガラス物品。
  6. 建築用ガラスブロックとして使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建築用ガラス物品。
  7. パーティションとして使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建築用ガラス物品。
  8. 窓材として使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建築用ガラス物品。
  9. 化粧板として使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建築用ガラス物品。
  10. アルカリ金属酸化物の含有量が5質量%以下のガラスからなるガラス粒を複数個用意し、耐火性容器内に充填し、熱処理することによって各ガラス粒を融着一体化することを特徴とする建築用ガラス物品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006135049A1 (ja) * 2005-06-16 2006-12-21 Nippon Electric Glass Co., Ltd 天然大理石様結晶化ガラス及びその製造方法
JP2007077001A (ja) * 2005-06-16 2007-03-29 Nippon Electric Glass Co Ltd 天然大理石様結晶化ガラス及びその製造方法
JP2012087029A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Yasuhiro Yamashita ガラスフリット、該ガラスフリットを用いた顔料入りガラス成形品及び顔料入りガラス層を有する陶磁器質製品

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