JPH08276207A - 連続圧延における鋼帯溶接部の強化方法 - Google Patents
連続圧延における鋼帯溶接部の強化方法Info
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- JPH08276207A JPH08276207A JP7780195A JP7780195A JPH08276207A JP H08276207 A JPH08276207 A JP H08276207A JP 7780195 A JP7780195 A JP 7780195A JP 7780195 A JP7780195 A JP 7780195A JP H08276207 A JPH08276207 A JP H08276207A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】連続圧延における鋼帯溶接部の強化方法を提供
する。 【構成】鋼帯を溶接して行う連続圧延における極低炭素
材と一般材(低炭素〜高炭素材)との間の溶接部の強化
方法であって、溶接した後、極低炭素材表面の溶接線か
ら鋼帯長手方向で長さ10mm以上の範囲にレーザビー
ムをスキャンして焼入れし、変態強化させる鋼帯溶接部
の強化方法。 【効果】圧延中の破断率を著しく低減させることができ
る。歩留り向上、ロール原単位低減および鋼板製造コス
ト低減が達成可能である。
する。 【構成】鋼帯を溶接して行う連続圧延における極低炭素
材と一般材(低炭素〜高炭素材)との間の溶接部の強化
方法であって、溶接した後、極低炭素材表面の溶接線か
ら鋼帯長手方向で長さ10mm以上の範囲にレーザビー
ムをスキャンして焼入れし、変態強化させる鋼帯溶接部
の強化方法。 【効果】圧延中の破断率を著しく低減させることができ
る。歩留り向上、ロール原単位低減および鋼板製造コス
ト低減が達成可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続続圧延において圧
延ミル内での鋼帯溶接部の破断を低減させるための溶接
部の強化方法に関する。
延ミル内での鋼帯溶接部の破断を低減させるための溶接
部の強化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼帯の製造設備において、熱延・
酸洗〜冷延を連続化したラインが主流となっている。材
質や厚さ(粗厚および成品厚)の異なる熱延鋼帯同士を
溶接して連続圧延を行う場合には圧延条件が異なるた
め、それらの溶接部が多段の圧延ロールからなるタンデ
ムミルを通過する際に張力や圧下力を連続的に変化させ
る、いわゆる走間変更という制御が行なわれる。
酸洗〜冷延を連続化したラインが主流となっている。材
質や厚さ(粗厚および成品厚)の異なる熱延鋼帯同士を
溶接して連続圧延を行う場合には圧延条件が異なるた
め、それらの溶接部が多段の圧延ロールからなるタンデ
ムミルを通過する際に張力や圧下力を連続的に変化させ
る、いわゆる走間変更という制御が行なわれる。
【0003】鋼帯同士の溶接は、高能率の要求からフラ
ッシュバット溶接(以下、FBWと記す)やレーザ溶接
(以下、LBWと記す)が用いられている。しかし、溶
接部の靱性に関して言えば、前者ではペネトレータ欠陥
や冷接および熱影響による脆化が発生し、溶接部は必ず
しも完全なものではない。
ッシュバット溶接(以下、FBWと記す)やレーザ溶接
(以下、LBWと記す)が用いられている。しかし、溶
接部の靱性に関して言えば、前者ではペネトレータ欠陥
や冷接および熱影響による脆化が発生し、溶接部は必ず
しも完全なものではない。
【0004】溶接ビートは通常、バイトによってトリム
されるが、そのトリム傷も靱性劣下要因の一つである。
他に、熱延鋼帯のトップおよびボトムにはヘゲ傷、トッ
プマーク、形状不良などの欠陥が多い。
されるが、そのトリム傷も靱性劣下要因の一つである。
他に、熱延鋼帯のトップおよびボトムにはヘゲ傷、トッ
プマーク、形状不良などの欠陥が多い。
【0005】図5は溶接部とその近傍とに存在する欠陥
の例を説明する図である。図5 (a)はFBW部の酸化物
排出不良により発生したペネトレータ欠陥およびトリミ
ングの際に発生したノッチ状のトリム傷、図5(b) は、
FBWの場合において、組織が脆化した熱影響部を模式
的に示す横断面図である。このようなペネトレータ欠陥
やトリム傷、または脆化部が破断の起点となって、圧延
中に破断すると言われる。
の例を説明する図である。図5 (a)はFBW部の酸化物
排出不良により発生したペネトレータ欠陥およびトリミ
ングの際に発生したノッチ状のトリム傷、図5(b) は、
FBWの場合において、組織が脆化した熱影響部を模式
的に示す横断面図である。このようなペネトレータ欠陥
やトリム傷、または脆化部が破断の起点となって、圧延
中に破断すると言われる。
【0006】図5(c) は、溶接部の近傍に存在するヘゲ
傷とトップマーク欠陥を示す外観図である。これらの欠
陥は、それ自体が破断の起点となる。または、欠陥箇所
を溶接することで前述の溶接欠陥が発生したりして破断
に至る場合がある。
傷とトップマーク欠陥を示す外観図である。これらの欠
陥は、それ自体が破断の起点となる。または、欠陥箇所
を溶接することで前述の溶接欠陥が発生したりして破断
に至る場合がある。
【0007】連続化圧延ラインでは、溶接部やその近傍
が圧延中に破断すると復旧に多大な時間を要し、稼働率
を著しく悪化させるとともに、ロール替えを要する場合
では更にロール原単位増加によるコスト増大に結びつ
く。
が圧延中に破断すると復旧に多大な時間を要し、稼働率
を著しく悪化させるとともに、ロール替えを要する場合
では更にロール原単位増加によるコスト増大に結びつ
く。
【0008】圧延中の破断のほとんどがコイル継ぎの箇
所で発生することから、その原因は前述のFBWの際に
発生するペネトレータ欠陥などや組織の脆化によると考
えられてきた。
所で発生することから、その原因は前述のFBWの際に
発生するペネトレータ欠陥などや組織の脆化によると考
えられてきた。
【0009】これらの問題点を解決する技術としてLB
Wが実用化されている。LBWは溶融溶接であるため、
本質的にペネトレータ欠陥は生成されず、また入熱量が
小さいため、組織の脆化はFBWの場合よりは小さい。
Wが実用化されている。LBWは溶融溶接であるため、
本質的にペネトレータ欠陥は生成されず、また入熱量が
小さいため、組織の脆化はFBWの場合よりは小さい。
【0010】「鉄と鋼,Vol.71,No.14 ,p.1677〜168
4」には、電磁鋼板またはフェライト系ステンレス鋼板
のコイル溶接において継手強度を確保することができる
LBW設備が報告されている。
4」には、電磁鋼板またはフェライト系ステンレス鋼板
のコイル溶接において継手強度を確保することができる
LBW設備が報告されている。
【0011】LBWでは、前述のように溶接部とその極
く近傍とには欠陥が発生せず、それら自体の靱性は良好
である。しかし、本発明者の調査によれば、極低C(炭
素)材と低C材とを組合せてLBWでコイル継ぎを行っ
て圧延した場合には、コイル溶接部の破断を完全に防止
することができないという問題がある。
く近傍とには欠陥が発生せず、それら自体の靱性は良好
である。しかし、本発明者の調査によれば、極低C(炭
素)材と低C材とを組合せてLBWでコイル継ぎを行っ
て圧延した場合には、コイル溶接部の破断を完全に防止
することができないという問題がある。
【0012】特開平6−73439 号公報には、レーザのよ
うな高密度エネルギー源を照射して高強度化した高加工
性鋼板が示されている。この鋼板では、直線状の焼入れ
部を数本加工して強度を上昇させている。しかし、上記
発明の場合の溶接速度は毎分3mであり、この方法を鋼
帯の連続圧延時のコイル継ぎ溶接に適用して、例えばコ
イル幅1200mmに対して5本のビードを置くとする
ならば、最低でも2分程度の溶接時間を要する。この場
合、溶接終了後さらに2分間以上のダウンタイムを要す
るので、一般的な連続化圧延ミルでは生産性が著しく低
下する。
うな高密度エネルギー源を照射して高強度化した高加工
性鋼板が示されている。この鋼板では、直線状の焼入れ
部を数本加工して強度を上昇させている。しかし、上記
発明の場合の溶接速度は毎分3mであり、この方法を鋼
帯の連続圧延時のコイル継ぎ溶接に適用して、例えばコ
イル幅1200mmに対して5本のビードを置くとする
ならば、最低でも2分程度の溶接時間を要する。この場
合、溶接終了後さらに2分間以上のダウンタイムを要す
るので、一般的な連続化圧延ミルでは生産性が著しく低
下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたようにLB
Wの場合、鋼帯同士の溶接部およびその近傍には、不可
避的に何らかの欠陥が存在している。
Wの場合、鋼帯同士の溶接部およびその近傍には、不可
避的に何らかの欠陥が存在している。
【0014】コイル継ぎ連続圧延において、強度が大き
く異なる鋼帯同士では走間変更の際に荷重と張力を大き
く変化させるが、過渡的現象として低強度材が一瞬過大
な張力を受けることになる。その際、低強度材側に何ら
かの溶接欠陥やコイル表面の欠陥があると、そこを起点
に破断が発生することがわかった。
く異なる鋼帯同士では走間変更の際に荷重と張力を大き
く変化させるが、過渡的現象として低強度材が一瞬過大
な張力を受けることになる。その際、低強度材側に何ら
かの溶接欠陥やコイル表面の欠陥があると、そこを起点
に破断が発生することがわかった。
【0015】前述のLBWによる極低C材と低C材との
コイル継ぎの場合の連続圧延における溶接部の破断も、
必ずしもペネトレータ欠陥や熱脆化範囲の大小にのみ支
配されるものではなく、圧延中における走間変更の際の
極低C材溶接部近傍に負荷される過大張力によることが
判明した。
コイル継ぎの場合の連続圧延における溶接部の破断も、
必ずしもペネトレータ欠陥や熱脆化範囲の大小にのみ支
配されるものではなく、圧延中における走間変更の際の
極低C材溶接部近傍に負荷される過大張力によることが
判明した。
【0016】近年、自動車用深絞り用鋼板や電磁鋼板で
は、C(炭素)含有量を0.01Wt%未満に抑え固溶C
を極力低くした、いわゆるIF鋼が用いられている。こ
れらの極低C材ではT.Sが著しく低く、圧延張力によ
って変形しやすいため、前述の欠陥や走間変更の際の過
大張力による破断が起こりやすい。
は、C(炭素)含有量を0.01Wt%未満に抑え固溶C
を極力低くした、いわゆるIF鋼が用いられている。こ
れらの極低C材ではT.Sが著しく低く、圧延張力によ
って変形しやすいため、前述の欠陥や走間変更の際の過
大張力による破断が起こりやすい。
【0017】本発明の目的は、極低C材鋼帯と一般材
(低C〜高C材)鋼帯との間の溶接において、圧延中の
破断率を低減させることができる溶接部の強化方法を提
供することにある。
(低C〜高C材)鋼帯との間の溶接において、圧延中の
破断率を低減させることができる溶接部の強化方法を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の溶接
部の強化方法にある。
部の強化方法にある。
【0019】鋼帯を溶接して行う連続圧延における極低
炭素材と一般材(低炭素〜高炭素材)との間の溶接部の
強化方法であって、溶接した後、極低炭素材表面の溶接
線から鋼帯長手方向で長さ10mm以上の範囲にレーザ
ビームをスキャンして焼入れし、変態強化させることを
特徴とする鋼帯溶接部の強化方法。
炭素材と一般材(低炭素〜高炭素材)との間の溶接部の
強化方法であって、溶接した後、極低炭素材表面の溶接
線から鋼帯長手方向で長さ10mm以上の範囲にレーザ
ビームをスキャンして焼入れし、変態強化させることを
特徴とする鋼帯溶接部の強化方法。
【0020】上記の「極低炭素材」とは炭素含有量が
0.001〜0.01Wt%程度、「低炭素〜高炭素材」
とは同じく0.02〜1.2Wt%程度のものを指す。
0.001〜0.01Wt%程度、「低炭素〜高炭素材」
とは同じく0.02〜1.2Wt%程度のものを指す。
【0021】スキャン幅(焼入れを施す範囲)の望まし
い上限は50mm程度である。
い上限は50mm程度である。
【0022】
【作用】本発明者は、極低C材側の多くの鋼帯破断は、
溶接部やその近傍に何らかの欠陥があり、過大な張力を
受けると欠陥を起点に亀裂が伝播していく現象によるも
のであることを考慮して、極低C材側を変態強化により
高強度化し、破断を低減させる方法を検討した。
溶接部やその近傍に何らかの欠陥があり、過大な張力を
受けると欠陥を起点に亀裂が伝播していく現象によるも
のであることを考慮して、極低C材側を変態強化により
高強度化し、破断を低減させる方法を検討した。
【0023】この方法が、溶接した後、極低C材表面の
溶接線から鋼帯長手方向で長さ10mm以上の範囲にレ
ーザビームをスキャンして焼入れするものである。
溶接線から鋼帯長手方向で長さ10mm以上の範囲にレ
ーザビームをスキャンして焼入れするものである。
【0024】まず、変態強化の方法としてレーザ焼入を
用いることとした理由を述べる。
用いることとした理由を述べる。
【0025】極低C材は焼入れ性が著しく低いため、熱
処理による強化を得るには、オーステナイト化する温度
まで昇温したのち、概ね1000℃/sec以上の冷却
速度で急冷してやることが必要である。このような大き
な冷却速度は、例えば高周波加熱〜水焼入れでは達成す
ることができないが、レーザや電子ビームなどの高エネ
ルギー密度ビームにより、鋼帯上をスキャンすることに
よって可能となる。しかし、電子ビームでは真空中での
加工が必要となり、またX線に対する安全対策上からチ
ャンバーや排気装置を必要とし、電子ビームを用いる方
法は鋼帯を焼入れするのに適していない。よって、本発
明方法ではレーザー焼入れを用いることとした。
処理による強化を得るには、オーステナイト化する温度
まで昇温したのち、概ね1000℃/sec以上の冷却
速度で急冷してやることが必要である。このような大き
な冷却速度は、例えば高周波加熱〜水焼入れでは達成す
ることができないが、レーザや電子ビームなどの高エネ
ルギー密度ビームにより、鋼帯上をスキャンすることに
よって可能となる。しかし、電子ビームでは真空中での
加工が必要となり、またX線に対する安全対策上からチ
ャンバーや排気装置を必要とし、電子ビームを用いる方
法は鋼帯を焼入れするのに適していない。よって、本発
明方法ではレーザー焼入れを用いることとした。
【0026】次に、スキャン幅、すなわち焼入れ範囲を
溶接線から鋼帯長手方向で長さ10mm以上とした理由
を説明する。
溶接線から鋼帯長手方向で長さ10mm以上とした理由
を説明する。
【0027】本発明者は、適正な焼入れ範囲を明らかに
すべく、C含有量が0.06Wt%の低C材鋼帯とC含有
量が0.002Wt%の極低C鋼帯(ともに板厚2.3m
m)をFBWし、ビートをトリミングした状態で出力1
0kWのCO2 レーザスキャンにより焼入れし、焼入れ
範囲と圧延による溶接部破断率との関連を調査した。
すべく、C含有量が0.06Wt%の低C材鋼帯とC含有
量が0.002Wt%の極低C鋼帯(ともに板厚2.3m
m)をFBWし、ビートをトリミングした状態で出力1
0kWのCO2 レーザスキャンにより焼入れし、焼入れ
範囲と圧延による溶接部破断率との関連を調査した。
【0028】なお、条件は後述する実施例と同じであ
る。
る。
【0029】図1は、このときのスキャン方法を示す図
である。図示するように、レーザ加工ヘッドを鋼帯長手
方向(Y方向)、鋼帯幅方向(X方向)に移動できるよ
うにした装置を用い、溶接線を中心として低C材鋼帯側
の表面で、下記式で表わされる曲線に沿ってレーザビ
ームをスキャンする方法によったものである。
である。図示するように、レーザ加工ヘッドを鋼帯長手
方向(Y方向)、鋼帯幅方向(X方向)に移動できるよ
うにした装置を用い、溶接線を中心として低C材鋼帯側
の表面で、下記式で表わされる曲線に沿ってレーザビ
ームをスキャンする方法によったものである。
【0030】 Y=Asin(40πX/L)・・・ ただし、A:スキャン幅(mm) L:鋼帯幅(mm) 焼入れ後の極低C材鋼帯の焼入れ部のT.Sの範囲は、
340〜360N/mm2 であった。
340〜360N/mm2 であった。
【0031】図2は、このときの破断率評価を行うのに
用いた圧延ラインの装置構成を示す図である。図示する
ように、FBW機、ループカー、張力発生装置およびタ
ンデムミルからなる装置である。
用いた圧延ラインの装置構成を示す図である。図示する
ように、FBW機、ループカー、張力発生装置およびタ
ンデムミルからなる装置である。
【0032】図3は、スキャン幅Aと溶接部破断率rと
の関係を示す図である。図示するようにスキャン幅Aと
溶接部破断率rとの関係には明確な対応が認められ、幅
Aを10mm以上とすると、破断率rを低減させる効果
が顕著に得られることがわかる。よって、スキャン幅
(焼入れを施す範囲)は、溶接線から10mm以上とし
た。スキャン幅の望ましい上限は、ダウンタイム増大に
よる生産性の低下を考慮すると50mm程度である。
の関係を示す図である。図示するようにスキャン幅Aと
溶接部破断率rとの関係には明確な対応が認められ、幅
Aを10mm以上とすると、破断率rを低減させる効果
が顕著に得られることがわかる。よって、スキャン幅
(焼入れを施す範囲)は、溶接線から10mm以上とし
た。スキャン幅の望ましい上限は、ダウンタイム増大に
よる生産性の低下を考慮すると50mm程度である。
【0033】レーザー焼入れの望ましい条件は、次のと
おりである。
おりである。
【0034】焼入れ前にはビードをトリミングする。レ
ーザー発振器出力範囲は3〜10kW程度、ビームのパ
ワー密度は5×105 W/cm2 以上、エネルギー密度
は1×105 J/cm2 以上、スキャン速度範囲は2〜
10m/分程度である。焼入れの際にはArまたはHe
またはN2 ガスシールドを用いる。焼入れ後の極低C材
鋼帯の焼入れ部のT.Sの望ましい範囲は、330〜4
00N/mm2 程度である。
ーザー発振器出力範囲は3〜10kW程度、ビームのパ
ワー密度は5×105 W/cm2 以上、エネルギー密度
は1×105 J/cm2 以上、スキャン速度範囲は2〜
10m/分程度である。焼入れの際にはArまたはHe
またはN2 ガスシールドを用いる。焼入れ後の極低C材
鋼帯の焼入れ部のT.Sの望ましい範囲は、330〜4
00N/mm2 程度である。
【0035】スキャン方法では、図1および図4(a) に
示すようなサイン波以外にも、図4(b) および図4(c)
に示すような矩形波、三角形波等を用いても同様な効果
が得られる。サイン波を用いるときの溶接所要時間は、
例えばスキャン幅を10mmとし、コイル幅1200m
mに対して5本のビードを置く場合ならば、30秒程度
の短時間である。
示すようなサイン波以外にも、図4(b) および図4(c)
に示すような矩形波、三角形波等を用いても同様な効果
が得られる。サイン波を用いるときの溶接所要時間は、
例えばスキャン幅を10mmとし、コイル幅1200m
mに対して5本のビードを置く場合ならば、30秒程度
の短時間である。
【0036】上記のようなスキャン方法で焼入れするこ
とにより、圧延ミルの生産性を大きく損なうことなく、
極低C材鋼帯を強化するこが可能となる。
とにより、圧延ミルの生産性を大きく損なうことなく、
極低C材鋼帯を強化するこが可能となる。
【0037】上記の焼入れ前の溶接方法には、FBW、
LBW、TIG、MIG、マッシュシーム溶接などを適
用することができる。例えば、FBWの場合の望ましい
溶接条件は、電圧範囲8〜20V程度、フラッシュ代範
囲5〜15mm程度、アプセット代範囲1〜5mm程度
である。
LBW、TIG、MIG、マッシュシーム溶接などを適
用することができる。例えば、FBWの場合の望ましい
溶接条件は、電圧範囲8〜20V程度、フラッシュ代範
囲5〜15mm程度、アプセット代範囲1〜5mm程度
である。
【0038】
【実施例】板厚2.3mm、板幅1000mmの極低C
鋼(0.003%C、0.06%Ti、残部Feおよび
不純物)と低C鋼(0.06%C、0.1%Mn、残部
Feおよび不純物)の鋼帯を用いて、電圧15V、フラ
ッシュ代6mm、アプセット代3mmにてFBWを施し
た。
鋼(0.003%C、0.06%Ti、残部Feおよび
不純物)と低C鋼(0.06%C、0.1%Mn、残部
Feおよび不純物)の鋼帯を用いて、電圧15V、フラ
ッシュ代6mm、アプセット代3mmにてFBWを施し
た。
【0039】極低C材側の溶接線から0〜15mmの範
囲をスキャン幅Aとし、出力10kWのレーザ発振器を
用い、図1に示す方法で焼入れした。このとき、レーザ
ー出力8kW、スキャン速度12m/分の条件で、焦点
距離254mmのレンズによりレーザー光を極低C材鋼
帯表面に集光し、Arガスでシールドしながら行なっ
た。
囲をスキャン幅Aとし、出力10kWのレーザ発振器を
用い、図1に示す方法で焼入れした。このとき、レーザ
ー出力8kW、スキャン速度12m/分の条件で、焦点
距離254mmのレンズによりレーザー光を極低C材鋼
帯表面に集光し、Arガスでシールドしながら行なっ
た。
【0040】次いで、図2に示す装置を用いて板厚0.
4mmまで圧延し、溶接部の破断率を求めた。このとき
の張力発生装置の張力は12トン、n数は20とし、破
断率5%以下を良好とした。表1に結果を示す。
4mmまで圧延し、溶接部の破断率を求めた。このとき
の張力発生装置の張力は12トン、n数は20とし、破
断率5%以下を良好とした。表1に結果を示す。
【0041】
【表1】
【0042】No.1はレーザー焼入れをしない比較例であ
り、破断率は25%であった。No.2は、スキャン幅Aを
15mmとした本発明例であり、破断率は5%と良好で
あった。No.3は、スキャン幅Aが7mmで本発明で定め
る条件を満たしておらず、破断率は10%であった。N
o.4は、スキャン幅Aが10mmの本発明例であり、破
断率は5%と良好であった。
り、破断率は25%であった。No.2は、スキャン幅Aを
15mmとした本発明例であり、破断率は5%と良好で
あった。No.3は、スキャン幅Aが7mmで本発明で定め
る条件を満たしておらず、破断率は10%であった。N
o.4は、スキャン幅Aが10mmの本発明例であり、破
断率は5%と良好であった。
【0043】
【発明の効果】本発明方法によれば、連続圧延における
鋼帯の溶接後、破断が発生しやすい極低C材鋼帯を変態
強化することにより、圧延中の破断率を著しく低減させ
ることができる。これにより、歩留り向上、ロール原単
位低減および鋼板製造コスト低減が達成可能である。
鋼帯の溶接後、破断が発生しやすい極低C材鋼帯を変態
強化することにより、圧延中の破断率を著しく低減させ
ることができる。これにより、歩留り向上、ロール原単
位低減および鋼板製造コスト低減が達成可能である。
【図1】本発明方法で用いるスキャン方法の例を示す図
である。
である。
【図2】破断率評価を行うのに用いた圧延ラインの装置
構成を示す図である。
構成を示す図である。
【図3】スキャン幅(焼入範囲)Aと溶接部破断率rと
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図4】本発明方法で許容する焼入れの際のスキャンの
パターンを示す図である。
パターンを示す図である。
【図5】溶接部とその近傍に存在する欠陥の例を説明す
る図である。
る図である。
Claims (1)
- 【請求項1】鋼帯を溶接して行う連続圧延における極低
炭素材と一般材(低炭素〜高炭素材)との間の溶接部の
強化方法であって、溶接した後、極低炭素材表面の溶接
線から鋼帯長手方向で長さ10mm以上の範囲にレーザ
ビームをスキャンして焼入れし、変態強化させることを
特徴とする鋼帯溶接部の強化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7780195A JPH08276207A (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | 連続圧延における鋼帯溶接部の強化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7780195A JPH08276207A (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | 連続圧延における鋼帯溶接部の強化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08276207A true JPH08276207A (ja) | 1996-10-22 |
Family
ID=13644117
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7780195A Pending JPH08276207A (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | 連続圧延における鋼帯溶接部の強化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH08276207A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100711454B1 (ko) * | 2005-12-27 | 2007-04-24 | 주식회사 포스코 | 연속압연을 위한 레이저 용접방법 및 그 장치 |
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JP2011036898A (ja) * | 2009-08-17 | 2011-02-24 | Nippon Steel Corp | 電縫溶接鋼管の製造における帯鋼溶接継目部の破断抑制方法 |
JP2011045901A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 溶接装置、溶接方法 |
JP2013223872A (ja) * | 2012-04-23 | 2013-10-31 | Kyushu Institute Of Technology | 焼入れ硬化性金属板の溶接方法および接合金属板 |
CN110238525A (zh) * | 2019-05-17 | 2019-09-17 | 东莞材料基因高等理工研究院 | 一种低碳钢与铸铁的异种金属焊接方法 |
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1995
- 1995-04-03 JP JP7780195A patent/JPH08276207A/ja active Pending
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