JP2517814B2 - 高珪素鋼の溶接方法 - Google Patents
高珪素鋼の溶接方法Info
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Description
製品加工時に高珪素鋼を溶接するにあたって、溶接部の
低温での割れ発生を防止し、良好な継ぎ手特性を得る溶
接方法に関するものである。
溶接,レーザ溶接、また、特に珪素鋼製造時のコイル継
ぎ溶接ではフラッシュバット溶接、などが用いられてき
た。例えば、特開昭56−19994号公報に開示の溶
接方法では、3.5 wt%以下のSiを含有する珪素鋼、
または、さらに1 wt%までのA1(アルミニュ-ム)を含
有する珪素鋼、の帯材を突き合わせ溶接するに当たり、
高エネルギ密度の熱源を用いて溶接入熱を10000 J/cm
2以下に制限するとしている。しかし、珪素鋼は高磁気
特性を求めて珪素濃度を上げる方向で商品開発が進めら
れて珪素濃度が3.5 wt%を超え7 wt%程度のものま
で開発されてきており、このような高珪素鋼の場合には
溶接が困難になってきている。これは珪素濃度が3.5
wt%をこえると、室温でほとんど塑性伸びを示さなく
なり、このため溶接に際して上に述べたような従来の溶
接技術を適用すると、溶接時に発生する歪によって溶接
部に割れが発生してしまうからである。ここで溶接部と
は溶接による熱影響部及び溶融後再凝固した部分をい
う。
発生を防止することはしばしば試みられる。例えば特開
昭61−79729号公報に開示のレーザ溶接方法によ
れば、溶接割れを起こしやすい鋼板を突き合わせ溶接す
るに当たり、突き合わせる鋼板の各端部を溶接前から溶
接終了直後までの間、連続的もしくは間欠的に加熱し、
溶接直後における溶接部及びその近傍の温度が80℃〜
400℃になるように保持し、その後焼戻し熱処理を行
うとしている。
の溶接方法では、レーザビームエネルギーの一部を用い
て溶接前に絶緑被覆を除去するとともに、溶接後にレー
ザビーム溶接のエネルギーの55〜75%を用いて突き
合わせ溶接部を照射し、溶接部の割れを防止するととも
に曲げ強度の向上を図るとしている。
79729号公報に開示の溶接方法での、溶接部特性を
改善させるために必要な後熱温度は、通常予熱温度より
ずいぶん高く、該公報に記載されているように700℃
程度となってしまう。このような高温での後熱を行うた
めには専用の後熱装置が必要となるばかりか、後熱にと
もなう熱歪が生じてしまい、溶接後そのまま使用する製
品加工では、寸法精度が悪くなり使用できなくなる。ま
た700℃程度の後熱を施すと、溶接部で結晶粒が不必
要に成長してしまい、溶接部の機械的特性が劣化してし
まうなどの問題点があった。
の溶接方法では、溶接後のレーザ照射だけでは珪素濃度
が3.5 wt%を越え、7 wt%以下である高珪素鋼の溶
接では、入熱が不十分なため溶接部の割れ発生を制御す
ることはできなかった。
れたものであり、高珪素鋼の溶接に際し、溶接部に発生
する歪による割れ発生を制御するとともに、溶接熱影響
部を狭くして母材特性に近い溶接部を得る、経済的に優
れ、また溶接による熱歪が問題となる製品加工にも適用
できる溶接方法を提供することを目的とする。
接に際して、再結晶温度以上、該鋼材の靭性遷移温度を
50℃以上越える予熱温度に昇温し保定して溶接を行う
とともに、溶接終了後も100℃以上、予熱温度領域に
近い領域で一定時間保定し、その後冷却することを特徴
とする高珪素鋼の溶接方法である。本発明においては、
溶接熱源としてレーザ光束を用いれば継ぎ手特性をより
一層向上する事が出来る。
り試験における鋼材伸びが急激に変化する温度範囲の中
央値を言い、例えば4 wt%から6.5 wt%Si 鋼での
遷移温度は約150℃で、3.5 wt%Si 鋼の遷移温
度は室温程度である。また、高珪素鋼の再結晶温度は6
00℃程度である。
溶接終了後の前記保持の時間を短くすることが出来る。
また、前記冷却を急冷する場合には前記保持時間を長く
とることによって、略同様の効果が得られる。
ルテンサイト変態などがなく、フェライト単相となるた
め、予熱,後熱などの熱処理は溶接部の割れ発生防止に
は役立たないと考えられるが、本発明者らが鋭意検討を
重ねた結果、高珪素鋼の溶接に際して、該鋼材の靭性遷
移温度を越える予熱温度に昇温し保定して溶接を行い、
溶接終了後も予熱温度以下に一定時間保持する事にすれ
ば、格段高温の後熱処理を施さなくても割れのない良好
な継ぎ手が得られることを発見した。
の塑性伸びは少ないが、高珪素鋼板を溶接するとき、予
め伸びが十分に期待できる靭性遷移温度以上に加熱して
おけば、溶接による局所入熱と引き続いて起こる溶融金
属の凝固にともなう応力によって、鋼材は割れることな
く変形できると期待できる。この時、溶接部の靭性遷移
は鋼材のそれより高くなるため、溶接に必要な予熱温度
は鋼材の靭性遷移温度より50℃以上高くしなければな
らない。また予熱温度が再結晶温度を越えると、予熱に
必要な熱量が大きくなり、不経済になるばかりか、溶接
部の結晶粒が粗大化して溶接品質が劣化してしまう。
温度以下に一定時間保持することにより、格段後熱処理
を施さなくても機械的特性に優れた健全な継ぎ手を形成
することができるので、高温での後熱処理による熱歪の
発生を防止することができる。ここで、溶接後の保定温
度が急速に100℃以下になると割れ発生を防止する事
が出来ず、また溶接後予熱温度以上に昇温して保定する
ためには専用の後熱装置が必要となるばかりか、後熱に
より熱歪が生じてしまう。
集中度の高い熱源を用いることにすれば、溶接部の結晶
粒粗大化が防止できて更に効果が高まる。
い熱源を利用すれば、高珪素鋼で生産される部品の溶接
熱影響による磁気特性劣化、ならびに溶接入熱による熱
歪の発生を防ぐことにも有効である。
実施例を説明する。 〔実施例1〕供試材とした高珪素熱延鋼板の珪素含有量
は6.5 wt%で、板厚1.8mmの鋼板を2枚突き合わ
せて溶接を施した。溶接熱源には定格出力5kWの炭酸ガ
スレーザ発振器を用いた。溶接に際しては、鋼板温度を
ホットプレートにより200℃に昇温l保定した後、溶接を
行った。
接速度3m/minで、Ar 7.5l/minによるセンターガスシ
ールドを行っている。溶接終了後もこの温度をホットプ
レートにより保持して2min間保定を行い、その後放冷
により冷却して割れ発生の無いことを確認した。この放
冷時の冷却速度は33℃/secであった。
予熱の無い場合、および予熱のみ行い溶接後予熱温度で
の保定を実施しなかった場合の割れ発生状況を示した。
本発明による溶接方法を採用することにより、高珪素鋼
の溶接において格段後熱処理を施さなくても割れ発生を
抑制できることが分かる。
度を50℃以上越えないと、溶接部の割れを防止するこ
とは出来ない。例えば実施例1で示した鋼材で、予熱温
度を変えた実験結果を表2に示す。溶接は実施例1と同
じ条件で行い、溶接後表2中に記載の温度、時間で保定
後、放冷を行った。この放冷時の冷却速度は33℃/sec
であった。
を行い、予熱温度に保定後急冷される場合には保定時間
を上記実施例1よりも長くとる必要がある。例えば実施
例1と同じ条件で溶接を行い水冷する場合に、同様の効
果を得るために必要な溶接後保定時間は200℃で10
分以上であった。
得ることができると共に、後熱処理装置が不必要なので
設備コスト面で有利であり、溶接作業能率向上および歩
留まり向上を図ることができ、磁気特性に優れた鋼材を
安価に製造できる。また、モーターコアの組み付けなど
製品加工において利用すれば、能率よく品質の優れた部
品もしくは組立製品を生産できるなど、本発明の工業的
価値は非常に高いものである。
Claims (2)
- 【請求項1】高珪素鋼の溶接に際して、溶接部を再結晶
温度以下、該鋼材の靭性遷移温度を50℃以上超える予
熱温度に昇温し保定して溶接を行うとともに、溶接終了
後も100℃以上、予熱温度領域に近い温度領域で一定
時間保定して冷却する事を特徴とする高珪素鋼の溶接方
法。 - 【請求項2】溶接熱源としてレーザ光束を用いることを
特徴とする請求項1記載の高珪素鋼の溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4088672A JP2517814B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 高珪素鋼の溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4088672A JP2517814B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 高珪素鋼の溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05293684A JPH05293684A (ja) | 1993-11-09 |
JP2517814B2 true JP2517814B2 (ja) | 1996-07-24 |
Family
ID=13949315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4088672A Expired - Lifetime JP2517814B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 高珪素鋼の溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2517814B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101242688B1 (ko) * | 2005-12-21 | 2013-03-12 | 주식회사 포스코 | 규소 강판의 레이저 용접 방법 |
-
1992
- 1992-04-09 JP JP4088672A patent/JP2517814B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05293684A (ja) | 1993-11-09 |
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