JPH0827595A - キャンエンド用アルミニウム合金板の表面処理方法 - Google Patents

キャンエンド用アルミニウム合金板の表面処理方法

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JPH0827595A
JPH0827595A JP16120994A JP16120994A JPH0827595A JP H0827595 A JPH0827595 A JP H0827595A JP 16120994 A JP16120994 A JP 16120994A JP 16120994 A JP16120994 A JP 16120994A JP H0827595 A JPH0827595 A JP H0827595A
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JP
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aluminum alloy
alloy sheet
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electrolytic
alloy plate
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Yoshinori Kato
良則 加藤
Hideo Fujimoto
日出男 藤本
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有害なクロムを使用しないと共に、低コスト
であり、リン酸クロメート処理による場合と同等以上の
高耐食性及び強固な塗膜密着性を有するアルミニウム合
金板を得る。 【構成】 先ず、0.5乃至5重量%のリン酸塩、0.
5乃至10重量%の水溶性樹脂及び0.01乃至5重量
%の界面活性剤を含有し、温度が40乃至80℃の電解
液中にアルミニウム合金板を浸漬する。次に、前記アル
ミニウム合金板をカソードとして電解電圧を例えば5V
印加して電解処理する。これにより、アルミニウム合金
板表面が脱脂される。次いで、前記アルミニウム合金板
をアノードとして電解電圧を15乃至60V印加してア
ノード電解処理し、前記アルミニウム合金板表面に樹脂
を含有した酸化皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲料缶蓋用アルミニウ
ム合金板の表面処理に好適なキャンエンド用アルミニウ
ム合金板の表面処理方法に関し、特に塗装下地として優
れた塗膜密着性を有するキャンエンド用アルミニウム合
金板を製造することができる表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金は、表面に保護力が強い酸化皮膜が形成され、実
用上優れた耐食性を示すため、日用品及び建材等の分野
に幅広く使用されている。また、アルミニウム又はアル
ミニウム合金は耐食性が優れているほかに、軽量である
と共に、成形性及び開缶性に優れており、ビール並びに
炭酸飲料、果汁飲料及びコーヒー飲料等の清涼飲料並び
に缶詰等のイージーオープンエンド又はフルオープンエ
ンドの缶材としての有用性が認められ、その使用量は年
々増加する傾向にある。缶は、有底筒状の本体(ボデ
ィ)と、その本体の上端部に結合される蓋部(キャンエ
ンド)とを有し、蓋部には、開缶するための切り欠きが
形成されたスコア部が設けられている。
【0003】キャンエンド材としては、通常JIS50
52,5082,5182合金板等が使用されている。
これらのアルミニウム合金板材は、耐食性をもたせるた
めその表面が化成処理され、溶剤系塗料で塗装された
後、蓋(キャンエンド)の形状に加工される。また、こ
の場合に、キャンエンド材には開缶用のスコア部が形成
される。
【0004】化成処理には、リン酸クロメート処理が一
般的に使用されている。このリン酸クロメート処理によ
り得られるリン酸クロメート皮膜は、アルミニウム又は
アルミニウム合金の耐食性を向上させると共に、塗膜密
着性を向上させる下地としての役割を担っており、キャ
ンエンド用の下地として、優れた特性を有している。し
かしながら、リン酸クロメート処理では、処理液として
有害なCrを含有した溶液を使用しており、廃液処理が
高コストであるという問題点がある。また、近年の環境
問題に対する関心の高まりから、リン酸クロメート処理
に替わるノンクロム系の処理液による環境問題を生じな
いキャンエンド用アルミニウム合金塗装下地処理方法が
強く要望されている。更に、リン酸クロメート処理は、
通常、脱脂、水洗、アルカリエッチング、水洗、リン酸
クロメート処理、水洗及び乾燥の各工程を順次実施して
おり、現在のように大量生産されるキャンエンド材の表
面処理工程において、僅かでも工程が少ない表面処理方
法が開発されれば、処理コストを著しく低減することが
できる。
【0005】一方、アルミニウム合金に対するノンクロ
ム系の表面処理方法としては、Zr系の化成処理方法及
び陽極酸化処理方法等が挙げられる。このZr系の化成
処理皮膜は、成形加工後に表面処理を施すキャンボディ
ー材の表面処理皮膜として実用化されているが、表面処
理後に成形加工を施すキャンエンド材の場合は、Zr系
の化成処理皮膜は成形加工により化成処理皮膜自体に割
れが発生したり、塗装された塗膜が剥離したりする等の
問題点がある。また、Zr系の化成処理皮膜は、現行の
リン酸クロメート処理皮膜より耐食性が劣っている。特
に、スコア部は化成処理皮膜に傷が付き易いため、腐食
し易い。
【0006】また、アルマイト皮膜のような陽極酸化皮
膜は、加工により容易に割れが発生すると共に、塗膜と
の密着性も低い。従って、キャンエンド材として使用す
るために十分な耐食性が得られないという難点がある。
【0007】この場合に、ナトリウム、カリウム、アン
モニウム又は有機窒素系化合物を使用したアルカリ性電
解浴で陽極酸化処理することにより、樹脂を含有するア
ルマイト皮膜を形成する方法が公知である(特公昭51
−46742号)。樹脂を含有したアルマイト皮膜は、
樹脂を含有していないものに比して耐食性等が優れてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のア
ルマイト皮膜中に樹脂を含有させる方法においては、陽
極酸化処理の前に別の浴で前処理することが必要であ
り、キャンエンド用の下地処理方法としては処理費用が
高く、実用性が低い。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、有害なクロムを使用しないと共に、低コス
トであり、リン酸クロメート処理による場合と同等以上
の高耐食性及び強固な塗膜密着性を有するアルミニウム
合金板を得ることができるキャンエンド用アルミニウム
合金板の表面処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明に係るキ
ャンエンド用アルミニウム合金板の表面処理方法は、
0.5乃至5重量%のリン酸塩、0.5乃至10重量%
の水溶性樹脂及び0.01乃至5重量%の界面活性剤を
含有し、温度が40乃至80℃の電解液により、アルミ
ニウム合金板を15乃至60Vの電解電圧でアノード電
解処理し、前記アルミニウム合金板表面に樹脂を含有し
た酸化皮膜を形成することを特徴とする。
【0011】本願の第2発明に係るキャンエンド用アル
ミニウム合金板の表面処理方法は、0.5乃至5重量%
のリン酸塩、0.5乃至10重量%の水溶性樹脂及び
0.01乃至5重量%の界面活性剤を含有し、温度が4
0乃至80℃の電解液中にアルミニウム合金板を浸漬
し、このアルミニウム合金板を間に挟んで1対の電極を
配置し、前記アルミニウム合金板を移動させつつ前記電
極に電解電圧を15乃至60V印加して電解処理し、前
記アルミニウム合金板表面に樹脂を含有した酸化皮膜を
形成することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明においては、リン酸塩、水溶性樹脂及び
界面活性剤を含有する電解液によりアルミニウム合金板
を処理する。そうすると、先ず、リン酸塩及び界面活性
剤によりアルミニウム合金板が脱脂される。従来、カセ
イソーダ、炭酸ソーダ、各種のリン酸塩又はケイ酸塩等
のアルカリを使用するアルカリ脱脂は、植物油又は脂肪
酸であればケン化し、中和して除去できるが、鉱油の場
合はケン化できない。また、界面活性剤は、単独でも汚
れの洗浄に有効であるが、アルカリ脱脂に用いられるよ
うなアルカリ性の無機塩をビルダーとして加えると、単
独の場合よりもより一層有効に、且つ低コストでアルミ
ニウム板を脱脂することができる。
【0013】また、脱脂の際にアルカリ性ビルダーとし
て使用することができるリン酸塩は、その水溶液中で、
アルミニウム合金を陽極酸化するとその表面に緻密な陽
極酸化皮膜を形成することができる。このような陽極酸
化皮膜は、リン酸アルマイト皮膜とも呼ばれ、アルミニ
ウム合金に耐食性及び装飾性等の優れた特性をもたらす
ことができる。
【0014】このように、リン酸塩系アルカリ性ビルダ
ーと界面活性剤を含有した水溶液では、アルミニウム合
金に対して優れた脱脂性を有すると共に、アルミニウム
合金表面に陽極酸化皮膜を形成することが可能である
が、この溶液に水溶性樹脂を加えた水溶液中でアルミニ
ウム合金を陽極酸化した際に形成される陽極酸化皮膜
は、酸化皮膜中に水溶性樹脂を含有した皮膜となる。
【0015】水溶性樹脂を含有した陽極酸化皮膜は、加
工による割れが生じ難くなり、また、塗装塗膜との密着
性も良好となる。このような効果は、主として、陽極酸
化皮膜に含有された水溶性樹脂による。つまり、水溶性
樹脂は酸化皮膜より加工性が優れているため、酸化皮膜
中に樹脂を含有することにより酸化皮膜の加工性の悪さ
を補い、加工時に割れを生じ難くする。また、塗膜との
密着性も、水溶性樹脂と塗膜との接着力の方が、陽極酸
化皮膜と塗膜との接着力よりも優れているため、水溶性
樹脂を含有した陽極酸化皮膜の塗膜密着性は強固なもの
となる。
【0016】本発明のように、洗浄効果を有するリン酸
塩系アルカリ性ビルダーと、界面活性剤を含有した水溶
液に水溶性樹脂を加えた溶液を電解液として使用する
と、アルミニウムの脱脂と塗膜密着性に優れた陽極酸化
皮膜の形成処理とが同じ浴でできることになる。リン酸
塩系アルカリ性ビルダーの種類は、洗浄の助剤と陽極酸
化の電解液として作用するものであれば良いが、例え
ば、トリポリリン酸ナトリウム及びリン酸2ナトリウム
等をあげることができる。
【0017】また、界面活性剤は、脱脂のために添加さ
れるが、その種類は脱脂性があれば特に制限はない。更
に、水溶性樹脂としては、ウレタン樹脂又はアクリル樹
脂等が有効である。
【0018】本発明の電解液にアルミニウム合金板を浸
漬すると、浸漬直後から表面の脱脂及び洗浄が開始され
る。しかし、更に一層表面の脱脂時間及び洗浄時間を短
縮し、更に洗浄効果をあげるためには、アルミニウム合
金板をカソード電解すればよい。アルミニウム合金板を
水溶液中でカソード電解すると、アルミニウム合金板表
面から水素が発生するため、表面近傍のpH上昇と溶液
の拡散効果により更に脱脂効果を高めることができる。
カソード電解による脱脂後は、電圧を反転させてアノー
ド電解すれば良好な酸化皮膜を得ることができる。コイ
ルフォームで処理する場合には、給電方式を液−液給電
とし、対極の配置のみで連続処理が可能となる。このよ
うな処理を施すキャンエンド用表面処理アルミニウム合
金板は、前処理の脱脂洗浄と皮膜の生成を同一組成の浴
中で行うため、工程の簡素化が可能となりまたその生産
も現有設備の改造で生産可能となるため、処理コストの
低減効果が大きい次に、電解液の各成分の組成限定理由
について説明する。
【0019】リン酸塩;0.5乃至5重量% リン酸塩の濃度が5重量%を超えると、良好なアルマイ
ト皮膜が形成できなくなる。また、リン酸塩の濃度が
0.5重量%未満になると、脱脂の効果が悪化する。従
って、同一浴での脱脂及びアルマイト皮膜の形成が困難
になる。従って、リン酸塩の濃度は0.5〜5重量%と
する。
【0020】水溶性樹脂;0.5乃至10重量% 水溶性樹脂の濃度が0.5重量%未満になると、アルマ
イト皮膜中に取り込まれる樹脂の量が少なくなり、塗膜
密着性が低下する。水溶性樹脂の濃度が10重量%を超
えると、陽極酸化皮膜の形成を妨げるため好ましくな
い。従って、水溶性樹脂の濃度は0.5乃至10重量%
とする。
【0021】界面活性剤;0.01乃至5重量% 界面活性剤の濃度が0.01重量%未満になると、脱脂
性が得られなくなり、界面活性剤の濃度が5重量%を超
えると、アルマイト皮膜の形成を妨げるため好ましくな
い。従って、界面活性剤の濃度は0.01乃至5重量%
とする。
【0022】次いで、電解液温度及び電解電圧の影響に
ついて説明する。
【0023】電解液温度;40乃至80℃ 電解液の温度については、電解液の脱脂効果、陽極酸化
皮膜の生成効果、電解電圧等によって、最適温度が得ら
れるが、温度が40℃より低いと、アルマイト皮膜形成
速度が遅く、コストが上昇する。また、温度が80℃を
超えると皮膜の溶解が進み良好なアルマイト皮膜が得ら
れない。従って、電解液温度は40乃至80℃とする。
【0024】電解電圧;15乃至60V 電解電圧が15V未満であると、アルマイト皮膜が生成
しない。また、電解電圧が60Vを超えるとアルミニウ
ムの溶解が生じ、皮膜が形成されない可能性がある。更
に、電解電圧が15乃至60Vであれば、装置としての
危険性も少なく、十分な耐食性及び塗膜密着性が得られ
る。従って、電解電圧は15乃至60Vとする。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例について、具体的に説
明する。キャンエンド用アルミニウム合金として使用さ
れているJIS5182合金板の厚さが0.26mmの
ものを用意し、本発明の実施例に係るキャンエンド用ア
ルミニウム合金板の表面処理方法により、アルミニウム
合金板を表面処理してその表面に酸化皮膜を形成し、そ
の特性を調べた。その結果について、比較例と比較して
説明する。先ず、下記表1に示す組成及び温度の電解液
にアルミニウム合金板を浸漬し、次に、同じく下記表1
に併せて示す電解電圧及び処理時間でアルミニウム合金
板に対し、カソード電解処理及びアノード電解処理を順
次施してその表面に酸化皮膜を形成した。実施例1〜
4、実施例7〜12及び実施例16〜19は、本願の特
許請求の範囲第1項の規定を満たす条件で酸化皮膜を形
成したものであり、比較例13〜15は従来の表面処理
方法により酸化皮膜を形成したもの、比較例20〜25
は本願の特許請求の範囲第1項の規定から外れた条件で
酸化皮膜を形成したものである。
【0026】
【表1】
【0027】次に、このようにして酸化皮膜が形成され
たアルミニウム合金板に対し、その酸化皮膜の耐食性、
塗膜密着性及び塗装後のスコア部の耐食性を調べ、その
結果を下記表2に示す。以下、試験方法及び評価方法に
ついて説明する。
【0028】耐食性試験1 各実施例及び各比較例について、JIS2371に準ず
る塩水噴霧試験で、連続して100時間試験した後、孔
食発生状況を調べ、JIS2371に規定されているレ
イティングナンバー法により評価した。なお、レイティ
ングナンバー10が最も腐食が少ないことを示し、レイ
ティングナンバーが小さくなるにつれて腐食が多くなる
ことを示す。
【0029】塗膜密着性試験 各実施例及び各比較例のアルミニウム合金板の表面に、
キャンエンド用溶剤系塗料(塩ビオルガノゾル)をその
面密度を100mg/dm2 で、200℃の温度で20
分間焼き付け塗装した。その後、塗装したアルミニウム
合金板の塗膜密着性を碁盤目剥離試験で調べた。即ち、
塗膜に1mm間隔で傷をマス目状にいれた後、塗膜に粘
着テープを密着させ、そのテープを剥がした際に、塗膜
が剥がれたマス目の割合を数えた。
【0030】耐食性試験2 各実施例及び各比較例について、上述した塗膜密着性試
験において施した塗装と同じようにアルミニウム合金板
の表面を塗装し、得られたアルミニウム合金板をキャン
エンドに成形した。そして、このキャンエンドを5重量
%のクエン酸及び1重量%の食塩を含み、そのpHをク
エン酸ナトリウムで調整して4.0とし、温度を30℃
とした混合溶液に20日間浸漬した。その後、キャンエ
ンドの腐食状況を目視観察した。特にキャンエンドのス
コア部の腐食状況に評価点を付けて評価した。即ち、ス
コア部の全面に腐食発生を1点、スコア部の3/4に腐
食発生を2点、スコア部の1/2に腐食発生を3点、ス
コア部の1/4に腐食発生を4点、スコア部の腐食なし
を5点とした。
【0031】
【表2】
【0032】表2から明らかなように、いずれの実施例
も耐食性が優れ、特に、腐食しやすいスコア部も腐食せ
ず、更に塗膜密着性も優れている。
【0033】一方、樹脂を含有しない電解液を使用して
酸化皮膜を形成した比較例5においては、塗膜密着性及
びスコア部の耐食性が劣っており、界面活性剤を含有し
ない電解液を使用して酸化皮膜を形成した比較例6にお
いては、耐食性及び塗膜密着性が劣っている。また、従
来の酸化皮膜の形成方法である比較例13〜15はいず
れも塗膜密着性が劣っており、電解液に硫酸を使用した
比較例13は、特にスコア部の耐食性が劣っており、脱
脂液の市販リン酸クロメートで洗浄後アルカリエッチン
グ処理した比較例14,15は耐食性が劣っていると共
に、Crを含有した廃水の処理等の問題点もある。更
に、電解液の温度が低い比較例20、電解液の温度が高
い比較例21、アノード電解処理時の電解電圧が低い比
較例22及びアノード電解処理時の電解電圧が高い比較
例はいずれも酸化皮膜及びスコア部の耐食性並びに塗膜
密着性が劣っている。更にまた、電解液中の界面活性剤
が少ない比較例24及び電解液中の活性剤が多い比較例
25は、塗膜密着性及びスコア部の耐食性が劣ってい
る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
0.5乃至5重量%のリン酸塩、0.5乃至10重量%
の水溶性樹脂及び0.01乃至5重量%の界面活性剤を
含有し、温度が40乃至80℃の電解液によりアルミニ
ウム合金板を処理するから、この電解液により、アルミ
ニウム合金板は脱脂され、その後、電解電圧が15乃至
60Vの条件でアノード電解処理することにより前記ア
ルミニウム合金板表面に樹脂を含有した酸化皮膜が形成
されるので、耐食性及び塗膜密着性が優れたアルミニウ
ム合金板を得ることができる。これにより、脱脂、洗浄
及び陽極酸化皮膜の形成を同一浴又は同一の組成を有す
る浴で実施できるので、処理コストを著しく低減でき
る。更に、本発明は既存の洗浄装置を改修して実施する
ことができ、設備コストも低い。更にまた、有害なクロ
ムを使用しないため、廃液の処理等に要するコストも低
減できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.5乃至5重量%のリン酸塩、0.5
    乃至10重量%の水溶性樹脂及び0.01乃至5重量%
    の界面活性剤を含有し、温度が40乃至80℃の電解液
    により、アルミニウム合金板を15乃至60Vの電解電
    圧でアノード電解処理し、前記アルミニウム合金板表面
    に樹脂を含有した酸化皮膜を形成することを特徴とする
    キャンエンド用アルミニウム合金板の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記アノード電解処理の前に、前記電解
    液により前記アルミニウム合金板をカソード電解処理す
    ることを特徴とする請求項1に記載のキャンエンド用ア
    ルミニウム合金板の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 0.5乃至5重量%のリン酸塩、0.5
    乃至10重量%の水溶性樹脂及び0.01乃至5重量%
    の界面活性剤を含有し、温度が40乃至80℃の電解液
    中にアルミニウム合金板を浸漬し、このアルミニウム合
    金板を間に挟んで1対の電極を配置し、前記アルミニウ
    ム合金板を移動させつつ前記電極に電解電圧を15乃至
    60V印加して電解処理し、前記アルミニウム合金板表
    面に樹脂を含有した酸化皮膜を形成することを特徴とす
    るキャンエンド用アルミニウム合金板の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記電解処理の前に、前記電解液と同一
    の組成の電解液中で、前記アルミニウム合金板を間に挟
    んで配置された1対の電極に所定の電圧を印加して前記
    アルミニウム合金板を移動させつつ脱脂処理することを
    特徴とする請求項3に記載のキャンエンド用アルミニウ
    ム合金板の表面処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103572302A (zh) * 2013-10-28 2014-02-12 任静儿 一种铝合金的耐腐蚀处理方法

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