JPH08274693A - Mlse型等化器及びmlse型等化器を用いた復調装置 - Google Patents

Mlse型等化器及びmlse型等化器を用いた復調装置

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JPH08274693A
JPH08274693A JP7076964A JP7696495A JPH08274693A JP H08274693 A JPH08274693 A JP H08274693A JP 7076964 A JP7076964 A JP 7076964A JP 7696495 A JP7696495 A JP 7696495A JP H08274693 A JPH08274693 A JP H08274693A
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寿男 成田
Mitsuo Kobayashi
三夫 小林
Ryoichi Minowa
良一 箕輪
Hiroyuki Oniyanagi
広幸 鬼柳
Shingo Sakamoto
真吾 坂本
Isamu Unno
勇 海野
Takeetsu Furuki
健悦 古木
Kenji Suzuki
賢治 鈴木
Tomoyuki Suzuki
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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  • Error Detection And Correction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高速処理が可能なMLSE型等化
器,受信信号のビット誤り率持性を劣化させることなく
受信データ,バースト受信信号を再生することのできる
MLSE型等化器を用いた復調装置を提供することを目
的とする。 【構成】 レプリカ生成部1,誤差算出部2,ブランチ
メトリック部3,加算・比較・選択処理部4,インパル
ス応答演算部5,パスメモリ部6が独立した演算器を有
するように構成され、且つ、インパルス応答演算部5か
らの演算結果の書き込みとレプリカ生成部1へのインパ
ルス応答演算部5からの演算結果の読み出しとを同時に
行なうためのインパルス応答メモリ部7を介装するとと
もに、前時点のパスメトリックの読み出しと、加算・比
較・選択処理部4で選択された現時点の選択パスメトリ
ックの書き込みとを同時に行なうためのパスメトリック
メモリ部を設けるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 産業上の利用分野 従来の技術(図45〜図55) 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段(図1〜図6) 作用(図1〜図6) 実施例 (a)第1実施例の説明(図7〜図26) (b)第2実施例の説明(図27〜図39) (c)第3実施例の説明(図40〜図44) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、MLSE型等化器及び
MLSE型等化器を用いた復調装置に関する。MLSE
(Maximum Likelihood Sequence Estimation)とは、空間
上で遅延やフェージングなどを受けて伝搬される送信信
号のすべての系列のうちから確率的に最も確からしい送
信信号の系列を、ビタビアルゴリズムを用いて推定する
最尤系列推定法であり、MLSE型等化器は、この最尤
系列推定法を用いて送信信号の系列を推定することによ
って、伝送路(空間)から遅延やフェージングなどを受
けて送信されてくる信号を高精度に等化することのでき
る等化器である。
【0003】また、近年、移動体無線通信などにおい
て、将来加入者数の増加に伴い、周波数利用効率の向上
が求められてきているが、移動体無線通信では、受信信
号に対するマルチパスフェージングなどの影響が大きい
ため、単純にシンボルのクロッククレートを上げたり、
多相位相変調をかける等の対策を容易に行なうことがで
きない。
【0004】このため、マルチパスフェージング状況下
でも安定に動作して高速にデータ伝送を行なうことが可
能な復調装置が要求されてきており、これに伴い、近年
では、上述のMLSE型等化器を用いた復調装置の開発
が盛んに行なわれてきている。
【0005】
【従来の技術】
(1)MLSE型等化器の説明 図45は一般的なMLSE型等化器の構成を示すブロッ
ク図で、この図45において、201はレプリカ生成
部、202はCIR計算部程、203は誤差演算部、2
04はブランチメトリック計算部、205はACS部、
206はパスメモリである。
【0006】ここで、レプリカ生成部201は、トレー
ニング系列と呼ばれる既知のPN系列と、後述するCI
R計算部202で計算されるCIR推定値とを基に、伝
送路(空間)を通ることにより遅延やフェージングなど
を受けて受信される受信信号の元の状態、つまり送信信
号の状態を推定したレプリカと呼ばれる推定受信信号を
生成するものであり、CIR計算部202は、LMS(L
east-Mean-Square:最小2乗法) アルゴリズムなどを用
いて、受信信号の通ってきた伝送路のCIR(Channel
Impulse Response: インパルス応答) を計算して、この
演算結果を、送信信号推定用のレプリカを生成するため
の情報としてレプリカ生成部201へ出力するものであ
る。
【0007】また、誤差演算部203は、上述のレプリ
カ生成部201で生成されるレプリカ信号と実際の受信
信号とに対して負加算(減算)処理を施すことによっ
て、レプリカ信号と受信信号との誤差情報を得るもので
あり、ブランチメトリック計算部204は、この誤差演
算部203で得られるレプリカ信号と受信信号との誤差
情報の絶対値の2乗を計算して、ブランチメトリックと
呼ばれる値を得るものである。
【0008】さらに、ACS(Add Compare & Select)部
205は、ブランチメトリック計算部204で得られた
ブランチメトリックを、後述する受信信号の信号点の状
態遷移に応じて、その前の時点までに得られるブランチ
メトリックの積算値(パスメトリック)と加算し(Add)
、その結果を比較し(Compare) 、最も加算結果の小さ
い信号点の遷移を選択する(Select)ものであり、パスメ
モリ206は、このACS部205によって上述のごと
く選択された信号点の遷移情報を記憶してゆき、最も確
からしいパスをトレースバックして出力することによっ
て等化受信信号を出力するものである。
【0009】このような構成により、上述のMLSE型
等化器では、図47に示すごとくトレーニングデータ部
(トレーニング系列)207及びデータ部(実際の信号
データ)208からなる信号が入力されると、まず、C
IR計算部202によって、伝送路のCIRの推定値が
トレーニングデータ部207のトレーニング系列を用い
て計算され、これにより得られたCIRの推定値を基
に、レプリカ生成部201によって、送信信号を推定す
るレプリカが生成される。
【0010】さらに、このレプリカは誤差演算部203
へ入力されることにより、レプリカとトレーニング系列
の受信信号との信号誤差が演算され、これが上述のCI
R計算部202でのCIRの推定値計算用の誤差情報と
して出力される。そして、トレーニング系列が終了する
まで上述の処理が繰り返されることによって、伝送路の
CIRの推定値が更新・収束されてゆく。
【0011】つまり、上述のMLSE型等化器では、上
述のごとく処理を行なうことで、レプリカ生成部201
でレプリカを生成するに際して十分なデータが得られて
いない初期の段階では、既知系列であるトレーニング系
列を用いて伝送路のCIRを計算することによって、ト
レーニング系列の受信状態を把握して伝送路の状態をあ
る程度推定しておくのである。
【0012】そして、上述のごとく伝送路のCIRを推
定した後、実際の受信信号(データ部208)が誤差演
算部203に入力されると、図46に示すように、この
誤差演算部203によって、この受信信号とレプリカ生
成部201で生成されたレプリカとの誤差が演算され、
ブランチメトリック計算部204によって、この誤差の
絶対値の2乗が計算されブランチメトリックとしてAC
S部205へ出力される。
【0013】さらに、ACS部205では、ブランチメ
トリック計算部204で計算されたブランチメトリック
が、後述するごとく信号点の状態遷移に応じて、その前
の時点までに得られているブランチメトリックの積算値
であるパスメトリックと加算され、その結果が比較さ
れ、最も加算結果の小さい遷移(パス)が選択されて、
パスメモリ206へ出力され、パスメモリ206は、こ
の最も加算結果の小さいパスを記憶しておく。
【0014】そして、上述のごとく処理を受信信号の1
シンボル毎に繰り返し、バーストの終端が認識された時
点で、パスメモリ206に記憶されたパスをトレースバ
ックして出力することにより、最も確からしいパスが受
信信号の等化出力として出力される。なお、上述のレプ
リカ生成部201,CIR計算部202,誤差演算部2
03,ブランチメトリック計算部204,ACS部20
5及びパスメモリ206の各機能は、実際には、1つの
CPUもしくは、演算用のプロセッサとしてDSP(Dig
ital Signal Processor)を用いて、ソフトウェアにより
実現されている。
【0015】ここで、上述のMLSE型等化器による受
信信号の等化処理について、さらに具体的に述べる。な
お、以下では、送信信号の変調方式をQPSK(Quadrip
hasePhase Shift Keying:4相位相変調)、送信信号が
伝送路から遅延を受けて受信されることによって図48
(a),(b)に示すごとく生じる遅延波及び先行波に
おける遅延波の最大遅延時間を1シンボル(A)長とす
る。
【0016】まず、伝送路で生じている現象を考える。
図49はQPSKにおける信号点配置を示す図であり、
例えば、信号点が「1」,「3」の順に送信されたとす
る。遅延波が存在している場合、受信信号は、図50に
示すごとく、フェージングによる振幅変動と位相回転を
受けた信号点「3」に対応する信号に、同じくフェージ
ングを受けた「1」に対応する信号を加えたものにな
る。
【0017】なお、ここでは、遅延波の最大遅延時間を
1シンボル長としたため、現在の信号点「3」への影響
は、1シンボル前の信号点「1」からの影響に限られる
が、最大遅延時間を延ばせばそれだけ影響を及ぼすシン
ボル数が増える。この先行波に対するフェージングの影
響と、遅延波に対するフェージングの影響を表す複素値
が、前述の伝送路のインパルス応答(CIR)である。
【0018】そして、図45及び図46にて前述したM
LSE型等化器において、トレーニング系列を用いる段
階では、どのような系列が送られているのかがわかって
いるので、これを用いてレプリカ生成部201でレプリ
カを計算することによって、例えば、この場合の信号点
の状態遷移は、図51に示すごとく1本のパスで表され
る。なお、この図51では、トレーニング系列のシンボ
ル数を「K」としている。
【0019】ここで、信号点X(X=0〜3)及び信号
点Y(Y=0〜3)の送信信号点をそれぞれDX
Y 、状態Xの時点tにおける先行波に対する推定CI
RをC0, X,t 、1シンボル遅延波に対する推定CIRを
-1,X,tとすると、レプリカ生成部201で生成される
状態Xから状態Yへの信号点の状態遷移に対応するレプ
リカRX,Y,t は以下のように表される。
【0020】 RX,Y,t =DY ・C0,X,t-1 +DX ・C-1,X,t-1 ・・・(1) 従って、時点tにおける受信信号をSt とすると、誤差
演算部203で得られる誤差信号EX,Y,t は、 EX,Y,t =St −RX,Y,t ・・・(2) で表される。そして、CIR計算部202が、この誤差
X,Y,t を用いてC0,X, t ,C-1,X,tを更新していく操
作をトレーニング系列のシンボル数K回だけ繰り返すこ
とによって、上述のごとくCIRの推定値を収束させ
る。
【0021】その後、実際の受信信号が入力されると、
MLSE型等化器は、トレーニング系列を用いて最終的
に得られたCIRを用いて等化処理を図45及び図46
にて前述したごとく開始する。具体的には、ブランチメ
トリック計算部204でのブランチメトリックの計算に
より、例えば、図52(a)に示すごとく、時点K(ト
レーニング系列の最終シンボル)から時点K+1(受信
信号データの最初のシンボル)にパスが伸ばされる。な
お、このとき、時点Kでの信号点は「0」なので、信号
点「0」から信号点「0」,「1」,「2」,「3」へ
の4本のパスが考えられる。
【0022】ここで、誤差演算部203によって得られ
る誤差E0 Y,K+1 の絶対値の2乗(|E0 Y,K+1 2
が、信号点「0」から信号点「Y」へのブランチメトリ
ックであり、ACS部205によるこのブランチメトリ
ックのある時点までの積算値が、その時点のパスメトリ
ックである。そして、例えば、時点K+1を考える場
合、時点Kが持っているパスメトリックを「0」と定義
すれば、ブランチメトリックがそのままパスメトリック
になる。そして、CIR計算部202では、この時に式
(2)をにより誤差演算部203で得られる誤差を用い
て、状態「Y」に対応するCIRが計算される。
【0023】さらに、その後、時点K+1での信号点は
分からないので、時点K+2への信号点の状態遷移は、
図52(b)に示すごとく16本のパスが考えられる。
このとき、各パスに対して式(2)より誤差演算部20
3で誤差EX,Y,K+2 が求まり、ブランチメトリック計算
部204で、その絶対値の2乗(|EX Y,K+2 2 )と
してブランチメトリックが求まる。
【0024】ここで、時点K+1における各信号点「0
〜3」から時点K+2における信号点「0」に至るパス
は4本あるが、このとき、ACS部205により各パス
の持っているブランチメトリックと、その出発点の信号
点(この場合、時点K+1の信号点)が持っているパス
メトリックとがそれぞれ加算され、新たなパスメトリッ
クが得られ、このうち最も加算結果が最小となるパスメ
トリックをもったパスのみを残して、このパスを時点K
+1における各信号点「0〜3」から時点K+2におけ
る信号点「0」に至る最も確からしいパスとする。
【0025】なお、時点時点K+1における各信号点
「0〜3」から時点K+2における各信号点「1〜3」
に至るパスも同様に、ACS部205での加算結果の最
も小さいパスが最も確からしいパスとして残される。こ
れにより、図52(b)において時点K+1から時点K
+2へ至る16通りあったパスが、例えば、図52
(c)に示すごとく4通りになり、順次、残ったパスが
パスメモリ206に記憶されてゆく。
【0026】その後は、受信信号データの長さがNであ
れば、上述のごとく処理が時点K+Nまで繰り返され、
図53(a),(b)に示すごとくパスが決定されてゆ
き、最終的に、パス時点K+N−1から時点K+Nに至
るパスのうち最もパスメトリックの小さいパスからパス
メモリ206に記憶されたパスをトレースバックして出
力することにより、図54の太実線で示すごとくパスが
等化出力として出力される。
【0027】(2)復調装置の説明 図55は一般的な復調装置の構成を示すブロック図で、
この図55において、301はミキサ、302は局部発
振器、303はバンドパスフィルタ(BPF)、304
はAGCアンプ(Automatic Gain Control AMP)、305
はハイブリッド、306,307はそれぞれミキサ、3
08,309はそれぞれベースバンド信号用のアンプ
(AMP)、310,311はそれぞれローパスフィル
タ(LPF)、312,313はA/D変換器、314
はパラレル/シリアルデータ変換器(P/S変換器)で
ある。
【0028】さらに、315,316はそれぞれ乗算
器、317は加算器、318はクロック再生用の電圧制
御発振器(CLK VCO) 、319はクロック再生用のループ
フィルタ(Loop Filter) 、320はクロック再生用の位
相器比較器(P.D:Phase Detector)、321は直交
ハイブリッド(H)、322はキャリア再生用の電圧制
御局部発振器(Lo VCO)、323はキャリア再生用のルー
プフィルタ、324はキャリア再生用の位相比較器であ
る。
【0029】ここで、ミキサ301は、局部発振器30
2からの所定の周波数を受けて、RF帯(高周波帯)の
受信信号をIF帯(中間周波数帯)の信号にダウンコン
バート(周波数変換)するものであり、バンドパスフィ
ルタ303は、ミキサ301から出力されるIF帯の信
号の高周波成分などの不要成分を取り除くものであり、
AGCアンプ304は、ハイブリッド305への入力信
号のゲインを適正な値に保ちつつバンドパスフィルタ3
03の出力を所要のレベルに増幅するものである。
【0030】また、ハイブリッド305は、AGCアン
プ304から入力されるIF帯域の信号を分波して、そ
れぞれをIch信号,Qch信号として出力するもので
あり、各ミキサ306,307は、後述する直交ハイブ
リッド321で互いに90°位相の異なる信号に分岐し
たキャリア再生用の電圧制御発振器322からの所要の
周波数信号に応じて、IF帯のIch,Qch信号をそ
れぞれベースバンド信号にダウンコンバートするもので
あり、各アンプ308,309は、それぞれミキサ30
6,307からのIch,Qchのベースバンド信号を
所要の信号レベルに増幅するものである。
【0031】さらに、各ローパスフィルタ310,31
1は、それぞれIch,Qchのベースバンド信号の中
間周波数成分などの不要成分を取り除くものであり、各
A/D変換器312,313は、後述するクロック再生
用の電圧制御発振器318からのA/D変換用クロック
に応じて、各Ich,Qchのベースバンド信号をA/
D変換してIch,Qchのディジタル復調信号を得る
ものであり、P/S変換部314は、各A/D変換器3
12,313で得られたIch,Qchのディジタル復
調信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して
順次出力するものである。
【0032】また、各乗算器315,316は、それぞ
れ各A/D変換器312,313でA/D変換される前
のIch,Qchのベースバンド信号を自乗するもので
あり、加算器317は、これらの各乗算器315,31
6でそれぞれ自乗を施されたされたIch,Qchのベ
ースバンド信号を加算するもので、これらの乗算器31
5,316及び加算器317によって、各A/D変換器
312,313のためのA/D変換用クロックの位相が
検出されるようになっている。
【0033】さらに、位相比較器320は、上述の加算
器317から出力されるA/D変換用クロックの位相
と、過去に各A/D変換器312,313へ供給したA
/D変換用クロックの位相とを比較して、その位相差分
を後述する電圧制御発振器318の発振周波数を制御す
るための制御情報として出力するものであり、ループフ
ィルタ319は、この位相比較器320の出力の不要成
分を除去するものであり、電圧制御発振器318は、ル
ープフィルタ319を介して入力される位相比較器32
0からの制御情報に応じて、発振周波数を調整して位相
ずれを補正したA/D変換用クロックを各A/D変換器
312,313及び位相比較器320へ供給するもので
ある。
【0034】つまり、これら位相比較器320,ループ
フィルタ319及び電圧制御発振器318は、いわゆる
PLL(Phase-Locked-Loop) 回路を構成しており、この
PLL回路によって、各A/D変換器312,313の
ためのA/D変換用クロックの位相が、常に最適な位相
に追従するようになっているのである。さらに、キャリ
ア再生用の位相比較器324は、各A/D変換器31
2,313からのIch,Qchの各ディジタル復調信
号の位相を比較して、その位相差分を後述する電圧制御
発振器322の発振周波数を制御するための制御情報と
して出力するものであり、ループフィルタ323は、こ
の位相比較器324の出力の不要成分を除去するもので
ある。
【0035】また、電圧制御局部発振器322は、ルー
プフィルタ323を介して入力される位相比較器324
からの制御情報に応じて、発振周波数を調整して位相ず
れを補正した信号を各ミキサ306,307におけるダ
ウンコンバート用の制御信号として出力するものであ
り、ハイブリッド321は、このダウンコンバート用の
制御信号を互いに90°位相の異なる信号に分岐して、
それぞれを各ミキサ306,307へ供給するものであ
る。
【0036】上述のごとく構成された復調装置では、R
F帯の受信信号をミキサ301でIF帯の信号にダウン
コンバートし、ハイブリッド部305及びミキサ30
6,307でIch,Qchのベースバンド信号を得、
それぞれをA/D変換器312,313でA/D変換し
てディジタル復調信号を得る際、各A/D変換器31
2,313のそれぞれの出力をキャリア再生用の位相比
較器324で位相比較して、その位相ずれを局部発振器
322の発振周波数の制御情報として用いることによ
り、ハイブリッド305及びミキサ306,307によ
る検波の同期(キャリア同期)が取られるようになって
いる。
【0037】また、他に、バースト受信信号を再生する
復調装置には、一般的に、遅延検波方式が用いられてい
る。この遅延検波方式の復調装置では、1サイクル分の
遅延を作り、信号と1サイクル前の信号の位相を比較す
ることよってバースト受信信号の再生が行なわれるよう
になっている。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
図45〜図54にて前述したMLSE型等化器は、k相
PSK無線通信(kは通常2以上の偶数であり、前述の
QPSKは4相PSKである)で、1シンボル遅延干渉
波から送信信号を推定する場合、例えば、レプリカ生成
部201では、1シンボルにつき少なくとも「k×k」
個のレプリカを生成しなければならず、データ系列の受
信シンボル長を「n」としたとき、最終的に必要とする
レプリカは「k×k×n」個となる。
【0039】ここで、このレプリカ生成部201では、
乗算処理4段,加算処理2段からなる複素乗算処理が2
段、加算処理が2段という具合に、少なくとも演算処理
が16段必要であるので、DSPを使用して1演算処理
を1クロック周期で行なうと想定しても全てのレプリカ
を生成するまでに要するクロック数は、「16×k×k
×n」クロックとなる。
【0040】従って、複素演算を行なうCIR計算部2
02,誤差演算部203及びブランチメトリック計算部
204を、同様に、DSPを用いて実現した場合、等化
処理に膨大な演算処理時間が必要になるので、複数のシ
ンボルからなる受信フレームデータの等化処理が極めて
困難になってしまうという課題がある。また、図55に
て前述した復調装置は、例えば、移動体無線通信システ
ムの受信部などに適用することを考えた場合、キャリア
再生のループゲインが高いため、受信信号が伝送路から
受けるフェージングなどの影響で、キャリアの同期が外
れると、キャリア再生用の局部発振器322の周波数が
大きくずれてしまい、上述のごとくMLSE等化器を使
用して受信信号の等化を行なっても、この局部発振器3
22の急峻な周波数変化に追従できなくなってしまうと
いう課題がある。
【0041】また、遅延検波方式を用いた復調装置で
は、受信信号が遅延やフェージングなどを受けることに
より符号間干渉が大きくなってくると、急速にビットエ
ラー率が増加してしまう。この符号間干渉の影響を受け
にくくし、回線の品質を保つためには、復調装置にML
SE型等化器を用いることが有効であるが、MLSE型
等化器を使用するためには受信信号の振幅情報が必要で
ある。しかし、遅延検波方式を用いた復調装置では、こ
の振幅情報を得ることができないため、単純に、MLS
E型等化器を遅延検波方式を用いた復調装置に適用する
ことはできない。
【0042】そこで、この振幅情報が得られる同期検波
方式(変調波信号と局部発振器との周波数と位相を同期
させる)を用いた復調装置にMLSE型等化器を適用し
て、バースト信号を再生することが考えられるが、実際
には、バースト信号に対して上述の同期を維持すること
は非常に困難であるので、バースト信号の再生に同期検
波を用いることは有効ではない。
【0043】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、レプリカ生成部,ブランチメトリック部,イ
ンパルス応答演算部などの各演算部をそれぞれ独立した
演算器を有するように構成し、且つ、データ書き込み及
び読み出しを同時に行なうことのできるメモリを設ける
ことによって、高速処理が可能なMLSE型等化器を提
供することを第1の目的とする。
【0044】また、本発明は、移動体無線通信などにお
いて、フェージング周波数が高くなっても、受信データ
のビット誤り率持性を劣化させることなくデータを再生
することのできる、MLSE型等化器を用いた復調装置
を提供することを第2の目的とする。さらに、本発明
は、バースト信号の復調を行なう場合にも、MLSE型
等化器を用いて受信データのビット誤り率持性を劣化さ
せることなくデータを再生し、回線品質を向上させるこ
とのできる、MLSE型等化器を用いた復調装置を提供
することを第3の目的とする。
【0045】
【課題を解決するための手段】図1は第1の発明の原理
ブロック図で、この図1において、1はレプリカ生成
部、2は誤差演算部、3はブランチメトリック部、4は
加算・比較・選択処理部、5はインパルス応答演算部、
6はパスメモリ部、7はインパルス応答メモリ部で、こ
れらの各部でMLSE型等化器が構成されている。
【0046】ここで、レプリカ生成部1は、k相PSK
無線通信での送信信号推定用レプリカを生成するもので
あり、誤差算出部2は、このレプリカ生成部1で得られ
たレプリカとk相PSK無線通信での受信信号との誤差
を算出するものであり、さらにブランチメトリック部3
は、この誤差算出部2で得られた誤差の絶対値を二乗し
てブランチメトリックを得るものである。
【0047】また、加算・比較・選択処理部4は、ブラ
ンチメトリック部3で得られたブランチメトリックに基
づいて得られるパスメトリックについて、加算処理,比
較処理及び選択処理を施すことにより、最も加算結果の
小さい遷移を選択するものであり、インパルス応答演算
部5は、この加算・比較・選択処理部4で得られた処理
結果に基づき、所要のアルゴリズムで、伝送路のインパ
ルス応答を演算して、この演算結果をレプリカ生成用情
報として上述のレプリカ生成部1へ入力するものであ
り、さらにパスメモリ部6は、加算・比較・選択処理部
4で得られた処理結果に基づいて、最も加算結果の小さ
い遷移を記憶しながら、最も確からしいパスを等化出力
とするものである。
【0048】そして、この図1に示すMLSE型等化器
では、上述のレプリカ生成部1,誤差算出部2,ブラン
チメトリック部3,加算・比較・選択処理部4,インパ
ルス応答演算部5,パスメモリ部6が独立した演算器を
有するように構成され、且つ、インパルス応答演算部5
とレプリカ生成部1との間に、データの書き込み及び読
み出しを同時に行なうことができるインパルス応答メモ
リ部7が介装されて、インパルス応答演算部5からの演
算結果の書き込みとレプリカ生成部1へのインパルス応
答演算部5からの演算結果の読み出しとを同時に行なう
ことができるようになっている。
【0049】また、上述の加算・比較・選択処理部4に
は、データの書き込み及び読み出しを同時に行なうこと
のできるパスメトリックメモリ部が設けられて、前時点
のパスメトリックの読み出しと、加算・比較・選択処理
部4で選択された現時点の選択パスメトリックの書き込
みとを同時に行なうことができるようになっている(以
上、請求項1)。
【0050】さらに、具体的に、上述のレプリカ生成部
1は、基準信号点の複素値をkビットアドレスより変換
する第1エンコーダをそなえ、この第1エンコーダから
の情報を用いて、1シンボル毎にk×k種類のレプリカ
を1クロックサイクルで1種生成するように構成され
(請求項2)、インパルス応答演算部5は、基準信号点
に収束係数を掛け合わせた複素値をkビットアドレスよ
り変換する第2エンコーダをそなえて構成される(請求
項3)。
【0051】また、上述のインパルス応答メモリ部7
は、DRAMを用いて構成され(請求項4)、加算・比
較・選択処理部4に設けられるパスメトリックメモリ部
は、2個のメモリで構成され、この場合は、前時点のパ
スメトリックの読み出しと、現時点の選択パスメトリッ
クの書き込みとがこれら2個のメモリの交互切替えによ
って実行されるようになる(請求項5)。
【0052】さらに、この図1に示すMLSE型等化器
には、加算・比較・選択処理部4の出力を誤差アドレス
として、k×k種類の誤差からkクロック周期で所要の
誤差を出力し、この誤差をインパルス応答演算部5へ出
力する誤差レジスタを設けてもよく(請求項6)、誤差
算出部2の入力側に、受信信号を一時的に保存するFI
FOメモリを設けてもよい(請求項7)。
【0053】次に、図2は第2の発明の原理ブロック図
で、この図2において、1A,1Bはそれぞれ第1,第
2レプリカ生成部、2A,2Bはそれぞれ第1,第2誤
差算出部、3A,3Bはそれぞれ第1,第2ランチメト
リック部、4′は加算・比較・選択処理部、5A,5B
はそれぞれ第1,第2インパルス応答演算部、6はパス
メモリ部で、この場合も、これらの各部でMLSE型等
化器が構成されている。
【0054】ここで、第1レプリカ生成部1Aは、k相
PSK無線通信での送信信号推定用レプリカを生成する
ものであり、第1誤差算出部2Aは、この第1レプリカ
生成部1Aで得られたレプリカとk相PSK無線通信で
の第1受信信号との誤差を算出するものであり、さらに
第1ブランチメトリック部3Aは、この第1誤差算出部
2Aで得られた誤差の絶対値を二乗してブランチメトリ
ックを得るものである。
【0055】さらに、第2レプリカ生成部1Bは、上述
の第1レプリカ生成部1Aと同様に、k相PSK無線通
信での送信信号推定用レプリカを生成するものであり、
第2誤差算出部2Bは、この第2レプリカ生成部2Bで
得られたレプリカと該k相PSK無線通信での第2受信
信号との誤差を算出するものであり、さらに第2ブラン
チメトリック部3Bは、この第2誤差算出部2Bで得ら
れた誤差の絶対値を二乗してブランチメトリックを得る
ものである。
【0056】また、加算・比較・選択処理部4′は、上
述の第1ブランチメトリック部3A及び第2ブランチメ
トリック部3Bでそれぞれ得られたブランチメトリック
に基づいて得られるパスメトリックについて、加算処
理,比較処理及び選択処理を施すことにより、最も加算
結果の小さい遷移を選択するものであり、パスメモリ部
6は、この加算・比較・選択処理部4′で得られた処理
結果に基づいて、最も加算結果の小さい遷移を記憶しな
がら、最も確からしいパスを等化出力とするものであ
る。
【0057】さらに、第1インパルス応答演算部5A
は、上述の加算・比較・選択処理部4′で得られた処理
結果に基づき、所要のアルゴリズムで、伝送路のインパ
ルス応答を演算して、この演算結果をレプリカ生成用情
報として第1レプリカ生成部1Aへ入力するものであ
り、第2インパルス応答演算部5Bは、同じく加算・比
較・選択処理部4′で得られた処理結果に基づき、所要
のアルゴリズムで、伝送路のインパルス応答を演算し
て、この演算結果をレプリカ生成用情報として第2レプ
リカ生成部1Bへ入力するものである。
【0058】そして、この図2に示すMLSE型等化器
では、上述の第1レプリカ生成部1A,第2レプリカ生
成部1B,第1誤差算出部2A,第2誤差算出部2B,
第1ブランチメトリック部3A,第2ブランチメトリッ
ク部3B,加算・比較・選択処理部4′,パスメモリ部
6,第1インパルス応答演算部5A,第2インパルス応
答演算部5Bが独立した演算器を有するように構成さ
れ、且つ、第1ブランチメトリック部3A及び第2ブラ
ンチメトリック部3Bのいずれか一方が、ブランチメト
リックを所定値に固定して出力しうるように構成される
(以上、請求項8)。
【0059】次に、図3は第3の発明の原理ブロック図
で、この図3において、8は直交検波部、9は局部発振
器、10はMLSE型等化器、11は周波数弁別器、1
2Aは制御部である。ここで、直交検波部8は、k相P
SK無線通信での受信信号を局部発振器9からのローカ
ル信号を用いて直交検波するものであり、MLSE型等
化器10は、この直交検波部8で得られた復調信号を入
力として、ビタビアルゴリズムを用いて、最尤系列推定
を施すものである。
【0060】そして、周波数弁別器11は、上述のML
SE型等化器10での等化前の時間的に間隔をあけた複
数のデータを用いて、これらのデータのもつ周波数偏差
を検出するものであり、制御部12Aは、この周波数弁
別器11で得られた周波数偏差を最小にするように、直
交検波部8における局部発振器9の発振周波数を制御す
るものである(以上、請求項9)。
【0061】また、上述の制御部12Aは、周波数弁別
器11で得られた周波数偏差に応じて、この周波数偏差
を検出する際の検出データの時間間隔を可変にするよう
構成してもよく(請求項10)、具体的には、周波数弁
別器11で得られた周波数偏差の大きさと、この周波数
偏差を検出する際の検出データの時間間隔とが反比例す
るように、周波数偏差を検出する際の検出データの時間
間隔を可変にするよう構成される(請求項11)。
【0062】また、この制御部12Aは、MLSE型等
化器10内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差
情報に応じ、周波数弁別器11で検出された周波数偏差
または所定の固定周波数偏差のいずれかを選択的に用い
ることにより、局部発振器9の発振周波数を制御するよ
うに構成してもよい(請求項12)。この場合、具体的
に、制御部12Aは、受信信号から初期ユニークワード
情報がとれるまでは、周波数弁別器11で検出された周
波数偏差を用いて、局部発振器9の発振周波数を制御す
るとともに、受信信号から初期ユニークワード情報がと
れると、その後は、MLSE型等化器10内で得られる
先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値以上の場
合は、周波数弁別器11で検出された周波数偏差を用い
て、局部発振器9の発振周波数を制御する一方、MLS
E型等化器10内で得られる先行波情報と遅延波情報と
の偏差情報が所定値より小さい場合は、所定の固定周波
数偏差を用いて、局部発振器9の発振周波数を制御する
ように構成される(請求項13)。
【0063】次に、図4は第4の発明の原理ブロック図
で、この図4においても、8は直交検波部、9は局部発
振器、10はMLSE型等化器、11は周波数弁別器で
あり、それぞれ図3にて前述したものと同様のものであ
る。そして、この図4において、12Bは制御部、13
は識別部、14は位相回転部、15は三角関数発生部で
ある。
【0064】ここで、識別部13は、直交検波部8で得
られた復調信号を所定の識別レベルで識別するものであ
り、位相回転部14は、この識別部13からの出力につ
いて位相回転を施すものであり、三角関数発生部15
は、この位相回転部14に位相回転情報を有する三角関
数情報を出力するものである。そして、制御部12B
は、周波数弁別器11で得られた周波数偏差を最小にす
るように、上述の三角関数発生部15を制御するもので
ある(以上、請求項14)。
【0065】さらに、この場合も、上述の制御部12B
は、周波数弁別器11で得られた周波数偏差に応じて、
この周波数偏差を検出する際の検出データの時間間隔を
可変にするよう構成してもよく(請求項15)、具体的
には、周波数弁別器11で得られた周波数偏差の大きさ
と、この周波数偏差を検出する際の検出データの時間間
隔とが反比例するように、周波数偏差を検出する際の検
出データの時間間隔を可変にするよう構成される(請求
項16)。
【0066】また、この制御部12Bは、MLSE型等
化器10内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差
情報に応じ、周波数弁別器11で検出された周波数偏差
または所定の固定周波数偏差のいずれかを選択的に用い
ることにより、三角関数発生部15を制御するように構
成してもよい(請求項17)。この場合は、具体的に、
制御部12Bは、受信信号から初期ユニークワード情報
がとれるまでは、周波数弁別器11で検出された周波数
偏差を用いて、三角関数発生部15を制御するととも
に、受信信号から初期ユニークワード情報がとれると、
その後は、MLSE型等化器10内で得られる先行波情
報と遅延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、周
波数弁別器11で検出された周波数偏差を用いて、三角
関数発生部15を制御する一方、MLSE型等化器10
内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所
定値より小さい場合は、所定の固定周波数偏差を用い
て、三角関数発生部15を制御するように構成される
(請求項18)。
【0067】次に、図5は第5の発明の原理ブロック図
で、この図5において、8′は直交検波部、9は局部発
振器、10はMLSE型等化器、11は周波数弁別器、
12Cは制御部、16はバースト受信信号開始・終了検
出部である。ここで、直交検波部8′は、k相PSK無
線通信でのバースト受信信号を局部発振器9からのロー
カル信号を用いて直交検波するものであり、MLSE型
等化器10は、図3にて前述したものと同様に、直交検
波部8で得られた復調信号を入力として、ビタビアルゴ
リズムを用いて、最尤系列推定を施すものであり、バー
スト受信信号開始・終了検出部16は、バースト受信信
号の開始情報と終了情報とを検出するものである。
【0068】また、周波数弁別器11は、図3にて前述
したものと同様に、MLSE型等化器10での等化前の
時間的に間隔をあけた複数のデータを用いて、これらの
データのもつ周波数偏差を検出するものであり、制御部
12Cは、上述のバースト受信信号開始・終了検出部1
6でバースト受信信号の開始が検出されると、周波数弁
別器11で得られた周波数偏差を最小にするように、直
交検波部8′における局部発振器9の発振周波数を制御
するとともに、バースト受信信号開始・終了検出部16
でバースト受信信号の終了が検出されると、そのときの
周波数弁別器11の周波数偏差を保持するように、直交
検波部8′における局部発振器9の発振周波数を制御す
るものである(以上、請求項19)。
【0069】さらに、この場合も、上述の制御部12C
は、周波数弁別器11で得られた周波数偏差に応じて、
この周波数偏差を検出する際の検出データの時間間隔を
可変にするよう構成してもよく(請求項20)、具体的
には、周波数弁別器11で得られた周波数偏差の大きさ
と、この周波数偏差を検出する際の検出データの時間間
隔とが反比例するように、周波数偏差を検出する際の検
出データの時間間隔を可変にするよう構成される(請求
項21)。
【0070】また、この場合も、制御部12Cは、ML
SE型等化器10内で得られる先行波情報と遅延波情報
との偏差情報に応じ、周波数弁別器で検出された周波数
偏差または所定の固定周波数偏差のいずれかを選択的に
用いることにより、局部発振器9の発振周波数を制御す
るように構成してもよい(請求項22)。このとき、具
体的に、制御部12Cは、受信信号から初期ユニークワ
ード情報がとれるまでは、周波数弁別器11で検出され
た周波数偏差を用いて、局部発振器9の発振周波数を制
御するとともに、受信信号から初期ユニークワード情報
がとれると、その後は、MLSE型等化器10内で得ら
れる先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値以上
の場合は、周波数弁別器11で検出された周波数偏差を
用いて、局部発振器9の発振周波数を制御する一方、M
LSE型等化器10内で得られる先行波情報と遅延波情
報との偏差情報が所定値より小さい場合は、所定の固定
周波数偏差を用いて、局部発振器9の発振周波数を制御
するように構成される(請求項23)。
【0071】なお、この図5に示すMLSE型等化器1
0を用いた復調装置には、周波数弁別器11の入力情報
または出力情報を複数組記憶しうる記憶部を設けてもよ
い(請求項24)。次に、図6は第6の発明の原理ブロ
ック図で、この図6において、8′は直交検波部、9は
局部発振器、10はMLSE型等化器、11は周波数弁
別器、12Dは制御部、13は識別部、14は位相回転
部、15は三角関数発生部、16はバースト受信信号開
始・終了検出部である。
【0072】ここで、直交検波部8′,局部発振器9,
MLSE型等化器10及び周波数弁別器11は、それぞ
れ図5にて上述したものと同様のものであり、識別部1
3は、直交検波部8′で得られた復調信号を所定の識別
レベルで識別するものであり、位相回転部14は、この
識別部13からの出力について位相回転を施すものであ
り、三角関数発生部15は、位相回転部14に位相回転
情報を有する三角関数情報を出力するものであり、バー
スト受信信号開始・終了検出部16は、バースト受信信
号の開始情報と終了情報とを検出するものである。
【0073】そして、制御部12Dは、上述のバースト
受信信号開始・終了検出部16でバースト受信信号の開
始が検出されると、周波数弁別器11で得られた周波数
偏差を最小にするように、三角関数発生部15を制御す
るとともに、バースト受信信号開始・終了検出部16で
バースト受信信号の終了が検出されると、そのときの周
波数弁別器11の周波数偏差を保持するように、三角関
数発生部15を制御するものである(以上、請求項2
5)。
【0074】さらに、この場合も、制御部12Dは、周
波数弁別器11で得られた周波数偏差に応じて、この周
波数偏差を検出する際の検出データの時間間隔を可変に
するよう構成してもよく(請求項26)、この場合、具
体的には、周波数弁別器11で得られた周波数偏差の大
きさと、周波数偏差を検出する際の検出データの時間間
隔とが反比例するように、周波数偏差を検出する際の検
出データの時間間隔を可変にするよう構成される(請求
項27)。
【0075】また、制御部12Dは、MLSE型等化器
10内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報
に応じ、周波数弁別器11で検出された周波数偏差また
は所定の固定周波数偏差のいずれかを選択的に用いるこ
とにより、三角関数発生部15を制御するように構成し
てもよい(請求項28)。このとき、具体的に、制御部
12Dは、受信信号から初期ユニークワード情報がとれ
るまでは、周波数弁別器11で検出された周波数偏差を
用いて、三角関数発生部15を制御するとともに、受信
信号から初期ユニークワード情報がとれると、その後
は、MLSE型等化器10内で得られる先行波情報と遅
延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、周波数弁
別器11で検出された周波数偏差を用いて、三角関数発
生部15を制御する一方、MLSE型等化器10内で得
られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値よ
り小さい場合は、所定の固定周波数偏差を用いて、三角
関数発生部15を制御するように構成される(請求項2
9)。
【0076】なお、この図6に示すMLSE型等化器1
0が用いられる復調装置にも、図5にて前述したごと
く、周波数弁別器11の入力情報または出力情報を複数
組記憶しうる記憶部を設けてもよい(請求項30)。
【0077】
【作用】図1にて前述した本発明のMLSE型等化器で
は、k相PSK無線通信での送信信号推定用レプリカと
受信信号との誤差の絶対値の2乗であるブランチメトリ
ックを得、このブランチメトリックに基づいて得られる
パスメトリックについて、最も加算結果の小さい遷移を
記憶しながら、最も確からしいパスを受信信号の等化出
力として出力する際、レプリカ生成部1,誤差算出部
2,ブランチメトリック部3,加算・比較・選択処理部
4,インパルス応答演算部5,パスメモリ部6が独立し
た演算器を有するように構成され、且つ、インパルス応
答演算部5とレプリカ生成部1との間に、データの書き
込み及び読み出しを同時に行なうことができるインパル
ス応答メモリ部7が介装されているので、インパルス応
答演算部5からの演算結果の書き込みとレプリカ生成部
1へのインパルス応答演算部5からの演算結果の読み出
しとを同時に行なうことができる。
【0078】また、このとき、加算・比較・選択処理部
4には、データの書き込み及び読み出しを同時に行なう
ことのできるパスメトリックメモリ部が設けられている
ので、前時点のパスメトリックの読み出しと、加算・比
較・選択処理部4で選択された現時点の選択パスメトリ
ックの書き込みとを同時に行なうことができる(以上、
請求項1)。
【0079】さらに、具体的に、上述のレプリカ生成部
1では、第1エンコーダによって、基準信号点の複素値
がkビットアドレスより変換され、この情報を用いて、
1シンボル毎にk×k種類のレプリカが1クロックサイ
クルで1種生成され(請求項2)、インパルス応答演算
部5では、第2エンコーダによって、基準信号点に収束
係数を掛け合わせた複素値がkビットアドレスより変換
される(請求項3)。
【0080】また、上述のインパルス応答メモリ部7
に、DRAMを用いれば、インパルス応答演算部5から
の演算結果の書き込みとレプリカ生成部1へのインパル
ス応答演算部5からの演算結果の読み出しとを同時に行
なうことができ(請求項4)、加算・比較・選択処理部
4に設けられるパスメトリックメモリ部を、2個のメモ
リで構成すれば、前時点のパスメトリックの読み出し
と、現時点の選択パスメトリックの書き込みとをこれら
2個のメモリの交互切替えによって実行することができ
る(請求項5)。
【0081】さらに、この図1に示すMLSE型等化器
に、誤差レジスタを設ければ、加算・比較・選択処理部
4の出力を誤差アドレスとして、k×k種類の誤差から
kクロック周期で所要の誤差を出力し、この誤差をイン
パルス応答演算部5へ出力することができ(請求項
6)、誤差算出部2の入力側にFIFOメモリを設けれ
ば、受信信号を一時的に保存することができる(請求項
7)。
【0082】次に、図2にて前述した本発明のMLSE
型等化器では、k相PSK無線通信での送信信号推定用
レプリカと受信信号との誤差の絶対値の2乗であるブラ
ンチメトリックを得、このブランチメトリックに基づい
て得られるパスメトリックについて、最も加算結果の小
さい遷移を記憶しながら、最も確からしいパスを受信信
号の等化出力として出力する際、第1レプリカ生成部1
A,第2レプリカ生成部1B,第1誤差算出部2A,第
2誤差算出部2B,第1ブランチメトリック部3A,第
2ブランチメトリック部3B,加算・比較・選択処理部
4′,パスメモリ部6,第1インパルス応答演算部5
A,第2インパルス応答演算部5Bがそれぞれ独立して
演算を行ない、且つ、第1ブランチメトリック部3A及
び第2ブランチメトリック部3Bのいずれか一方が、ブ
ランチメトリックを所定値に固定して出力する(以上、
請求項8)。
【0083】次に、図3にて前述した本発明のMLSE
型等化器を用いた復調装置では、k相PSK無線通信で
の受信信号が、直交検波部8で局部発振器9からのロー
カル信号を用いて直交検波され、この直交検波部8で得
られた復調信号に対して、MLSE型等化器10によっ
て、ビタビアルゴリズムを用いて、最尤系列推定を施さ
れるが、この際、周波数弁別器11によって、MLSE
型等化器10での等化前の時間的に間隔をあけた複数の
データを用いて、これらのデータのもつ周波数偏差が検
出され、この周波数偏差が最小になるように、直交検波
部8における局部発振器9の発振周波数が制御部12A
によって制御される(請求項9)。
【0084】また、上述の制御部12Aは、周波数弁別
器11で得られた周波数偏差に応じて、この周波数偏差
を検出する際の検出データの時間間隔を可変にすること
もでき(請求項10)、具体的には、周波数弁別器11
で得られた周波数偏差の大きさと、この周波数偏差を検
出する際の検出データの時間間隔とが反比例するよう
に、周波数偏差を検出する際の検出データの時間間隔を
可変にする(請求項11)。
【0085】また、この制御部12Aは、MLSE型等
化器10内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差
情報に応じ、周波数弁別器11で検出された周波数偏差
または所定の固定周波数偏差のいずれかを選択的に用い
ることにより、局部発振器9の発振周波数を制御するこ
ともできる(請求項12)。この場合、具体的に、制御
部12Aは、受信信号から初期ユニークワード情報がと
れるまでは、周波数弁別器11で検出された周波数偏差
を用いて、局部発振器9の発振周波数を制御するととも
に、受信信号から初期ユニークワード情報がとれると、
その後は、MLSE型等化器10内で得られる先行波情
報と遅延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、周
波数弁別器11で検出された周波数偏差を用いて、局部
発振器9の発振周波数を制御する一方、MLSE型等化
器10内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情
報が所定値より小さい場合は、所定の固定周波数偏差を
用いて、局部発振器9の発振周波数を制御する(請求項
13)。
【0086】次に、図4にて前述した本発明のMLSE
型等化器を用いた復調装置では、k相PSK無線通信で
の受信信号が、直交検波部8で局部発振器9からのロー
カル信号を用いて直交検波され、これにより得られた復
調信号は、識別部13で所定の識別レベルで識別され、
位相回転部14で、三角関数発生部15からの位相回転
情報を有する三角関数情報に基づいて、位相回転が施さ
れ、さらに、MLSE型等化器10によって、ビタビア
ルゴリズムを用いて、最尤系列推定を施される。
【0087】そして、このとき、周波数弁別器11で
は、MLSE型等化器10での等化前の時間的に間隔を
あけた複数のデータを用いて、これらのデータのもつ周
波数偏差が検出され、得られた周波数偏差が最小になる
ように、制御部12Bによって三角関数発生部15が制
御される(以上、請求項14)。さらに、この場合も、
上述の制御部12Bは、周波数弁別器11で得られた周
波数偏差に応じて、この周波数偏差を検出する際の検出
データの時間間隔を可変にすることもでき(請求項1
5)、この場合、具体的には、周波数弁別器11で得ら
れた周波数偏差の大きさと、この周波数偏差を検出する
際の検出データの時間間隔とが反比例するように、周波
数偏差を検出する際の検出データの時間間隔を可変にす
る(請求項16)。
【0088】また、この制御部12Bは、MLSE型等
化器10内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差
情報に応じ、周波数弁別器11で検出された周波数偏差
または所定の固定周波数偏差のいずれかを選択的に用い
ることにより、三角関数発生部15を制御することもで
きる(請求項17)。この場合は、具体的に、制御部1
2Bは、受信信号から初期ユニークワード情報がとれる
までは、周波数弁別器11で検出された周波数偏差を用
いて、三角関数発生部15を制御するとともに、受信信
号から初期ユニークワード情報がとれると、その後は、
MLSE型等化器10内で得られる先行波情報と遅延波
情報との偏差情報が所定値以上の場合は、周波数弁別器
11で検出された周波数偏差を用いて、三角関数発生部
15を制御する一方、MLSE型等化器10内で得られ
る先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値より小
さい場合は、所定の固定周波数偏差を用いて、三角関数
発生部15を制御する(請求項18)。
【0089】次に、図5にて前述した本発明のMLSE
型等化器を用いた復調装置でも、k相PSK無線通信で
の受信信号が、直交検波部8で局部発振器9からのロー
カル信号を用いて直交検波され、この直交検波部8で得
られた復調信号に対して、MLSE型等化器10によっ
て、ビタビアルゴリズムを用いて、最尤系列推定を施さ
れる。
【0090】そして、この際、図5に示す復調装置で
は、周波数弁別器11によって、図3にて前述したごと
く、MLSE型等化器10での等化前の時間的に間隔を
あけた複数のデータを用いて、これらのデータのもつ周
波数偏差が検出され、バースト受信信号開始・終了検出
部16でバースト受信信号の開始が検出されると、制御
部12Cによって、周波数弁別器11で得られた周波数
偏差が最小になるように、直交検波部8′における局部
発振器9の発振周波数が制御されるとともに、バースト
受信信号開始・終了検出部16でバースト受信信号の終
了が検出されると、そのときの周波数弁別器11の周波
数偏差を保持するように、直交検波部8′における局部
発振器9の発振周波数が制御される(以上、請求項1
9)。
【0091】さらに、この場合も、上述の制御部12C
は、周波数弁別器11で得られた周波数偏差に応じて、
この周波数偏差を検出する際の検出データの時間間隔を
可変にすることができ(請求項20)、具体的には、周
波数弁別器11で得られた周波数偏差の大きさと、この
周波数偏差を検出する際の検出データの時間間隔とが反
比例するように、周波数偏差を検出する際の検出データ
の時間間隔を可変にする(請求項21)。
【0092】また、この場合も、制御部12Cは、ML
SE型等化器10内で得られる先行波情報と遅延波情報
との偏差情報に応じ、周波数弁別器で検出された周波数
偏差または所定の固定周波数偏差のいずれかを選択的に
用いることにより、局部発振器9の発振周波数を制御す
ることができる(請求項22)。このとき、具体的に、
制御部12Cは、受信信号から初期ユニークワード情報
がとれるまでは、周波数弁別器11で検出された周波数
偏差を用いて、局部発振器9の発振周波数を制御すると
ともに、受信信号から初期ユニークワード情報がとれる
と、その後は、MLSE型等化器10内で得られる先行
波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値以上の場合
は、周波数弁別器11で検出された周波数偏差を用い
て、局部発振器9の発振周波数を制御する一方、MLS
E型等化器10内で得られる先行波情報と遅延波情報と
の偏差情報が所定値より小さい場合は、所定の固定周波
数偏差を用いて、局部発振器9の発振周波数を制御する
(請求項23)。
【0093】なお、この図5に示す復調装置では、記憶
部によって、周波数弁別器11の入力情報または出力情
報を複数組記憶することもできる(請求項24)。次
に、図6にて前述した本発明のMLSE型等化器を用い
た復調装置でも、図4にて前述したごとく、k相PSK
無線通信での受信信号が、直交検波部8で局部発振器9
からのローカル信号を用いて直交検波され、これにより
得られた復調信号は、識別部13で所定の識別レベルで
識別され、位相回転部14で、三角関数発生部15から
の位相回転情報を有する三角関数情報に基づいて、位相
回転が施され、さらに、MLSE型等化器10によっ
て、ビタビアルゴリズムを用いて、最尤系列推定を施さ
れる。
【0094】そして、この際、この図6に示す復調装置
では、バースト受信信号開始・終了検出部16でバース
ト受信信号の開始が検出されると、制御部12Dによっ
て、周波数弁別器11で得られた周波数偏差が最小にな
るように、三角関数発生部15が制御されるとともに、
バースト受信信号開始・終了検出部16でバースト受信
信号の終了が検出されると、そのときの周波数弁別器1
1の周波数偏差を保持するように、三角関数発生部15
が制御される(請求項25)。
【0095】さらに、この場合も、上述の制御部12D
は、周波数弁別器11で得られた周波数偏差に応じて、
この周波数偏差を検出する際の検出データの時間間隔を
可変にすることができ(請求項26)、この場合、具体
的には、周波数弁別器11で得られた周波数偏差の大き
さと、周波数偏差を検出する際の検出データの時間間隔
とが反比例するように、周波数偏差を検出する際の検出
データの時間間隔を可変にする(請求項27)。
【0096】また、制御部12Dは、MLSE型等化器
10内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報
に応じ、周波数弁別器11で検出された周波数偏差また
は所定の固定周波数偏差のいずれかを選択的に用いるこ
とにより、三角関数発生部15を制御することもできる
(請求項28)。このとき、具体的に、制御部12D
は、受信信号から初期ユニークワード情報がとれるまで
は、周波数弁別器11で検出された周波数偏差を用い
て、三角関数発生部15を制御するとともに、受信信号
から初期ユニークワード情報がとれると、その後は、M
LSE型等化器10内で得られる先行波情報と遅延波情
報との偏差情報が所定値以上の場合は、周波数弁別器1
1で検出された周波数偏差を用いて、三角関数発生部1
5を制御する一方、MLSE型等化器10内で得られる
先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値より小さ
い場合は、所定の固定周波数偏差を用いて、三角関数発
生部15を制御する(請求項29)。
【0097】なお、この図6に示す復調装置でも、記憶
部によって、周波数弁別器11の入力情報または出力情
報を複数組記憶することもできる(請求項30)。
【0098】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 (a)第1実施例の説明 図7は本発明の第1実施例としてのMLSE型等化器が
適用される移動体無線通信システムの一例を示すブロッ
ク図で、この図7において、21は送信機、22は受信
機であり、本実施例では、これらの送信機21及び受信
機22との間でk相PSK(Phase Shift Keying)無線通
信(通常、kは2以上の偶数)が行なわれるようになっ
ている。
【0099】このため、送信機21には、変調器23及
び発振器24が設けられ、この送信器からは、送信ビッ
ト列が、発振機24からの所要の発振周波数に応じて変
調器23でk相位相変調が施されて受信器22へ向けて
アンテナ25から送信されるようになっている。一方、
受信機22は、各アンテナ26A,26Bで受信される
k相PSKを施された受信信号を発振機27からの所要
の発振周波数に応じてそれぞれ復調する復調器28A,
28Bが設けられて、いわゆるダイバーシチ受信構成と
なっておいる。そして、この受信機22には、さらに、
本発明の要部であるMLSE型等化器29が設けられて
おり、上述のダイバーシチ構成によってそれぞれ受信・
復調された各受信信号の遅延やフェージングなどの影響
がMLSE型等化器29によって等化されるようになっ
ている。
【0100】そして、図8は本発明の要部であるMLS
E型等化器29の構成を示すブロック図で、この図8に
おいて、31A,31Bはそれぞれレプリカ生成部、3
2A,32Bはそれぞれ誤差計算部、33A,33Bは
それぞれブランチメトリック計算部、34はACS部
(加算・比較・選択処理部)、35A,35Bはそれぞ
れCIR計算部(インパルス応答演算部)、36はパス
メモリ部、37A,37BはそれぞれDPRAM(Dual
-Port RAM :インパルス応答メモリ部)、38A,38
Bはそれぞれ誤差レジスタ、39A,39Bはそれぞれ
FIFO(First-In-First-Out)メモリ、40は制御部で
ある。
【0101】ここで、レプリカ生成部31A(第1レプ
リカ生成部)は、後述するCIR計算部35Aで得られ
る伝送路のCIR(インパルス応答)の演算結果を用い
て、送信機21から送信されるk相PSK無線通信での
送信信号(送信ビット列)を推定したレプリカ信号(R
* X,Y,n )を生成するものである。また、誤差計算部
32A(第1誤差算出部)は、このレプリカ生成部35
Aで得られたレプリカ信号と、アンテナ26Aで受信さ
れるk相PSK無線通信での受信信号(SAn :第1受
信信号)とに対して減算処理を施すことによって、信号
誤差(EA* X,Y,n )を算出するものであり、ブランチ
メトリック計算部33A(第1ブランチメトリック部)
は、誤差計算部32Aで得られた信号誤差(EA*
X,Y,n )の絶対値を2乗してブランチメトリック(|E
* X,Y,n 2 )を得るものである。
【0102】一方、レプリカ生成部31B(第2レプリ
カ生成部)は、上述のレプリカ生成部31Aと同様に、
後述するCIR計算部35Bで得られる伝送路のCIR
(インパルス応答)の演算結果を用いて、送信機21か
ら送信されるk相PSK無線通信での送信信号(送信ビ
ット列)を推定したレプリカ信号(RB* X,Y,n )を生
成するものである。
【0103】また、誤差計算部32B(第2誤差算出
部)は、このレプリカ生成部35Bで得られたレプリカ
信号と、アンテナ26Bで受信されるk相PSK無線通
信での受信信号(SBn :第2受信信号)とに対して減
算処理を施すことによって、信号誤差(EB* X,Y,n
を算出するものであり、ブランチメトリック計算部33
B(第2ブランチメトリック部)は、誤差計算部32B
で得られた信号誤差(EB* X,Y,n )の絶対値を2乗し
てブランチメトリック(|EB* X,Y,n 2 )を得るも
のである。
【0104】さらに、ACS部(Add Compare Select:加
算・比較・選択処理部)34は、上述の各ブランチメト
リック計算部33A,33Bでそれぞれ得られたブラン
チメトリック(|EA* X,Y,n 2 ,|EB* X,Y,n
2 )を、順次、積算してゆくことにより得られるパスメ
トリック(PMX,Y,n )について、加算処理,比較処理
及び選択処理を施すことにより、最も加算結果の小さい
受信信号の信号点の状態遷移を選択するもので、このた
め、このACS部34は、加算部342,比較選択部3
42及びパスメトリックメモリ343を有して構成され
る。
【0105】ここで、加算部342は、各ブランチメト
リック計算部33A,33Bでそれぞれ得られたブラン
チメトリック(|EA* X,Y,n 2 ,|EB* X,Y,n
2 )にその時点までに得られたパスメトリック(PM
X,Y,n-1 )を加算するものであり、比較選択部342
は、この加算部342で得られる現時点でのパスメトリ
ック(PMX,Y,n )と上述の現時点までに得られたパス
メトリック(PMX,Y,n-1)とを比較して、値の小さい
方のパスメトリックを選択して、誤差アドレスとして出
力するものである。
【0106】また、パスメトリックメモリ(パスメトリ
ックメモリ部)343は、データの書き込み及び読み出
しを同時に行なうことのできるメモリで、前時点のパス
メトリック(PMX,Y,n-1 )の読み出しと、比較選択部
342(ACS部34)で選択された現時点の選択パス
メトリック(PMX,Y,n )の書き込みとを同時に行なう
ことができるようになっている。
【0107】さらに、CIR計算部35Aは、後述する
誤差レジスタ38Aから上述のACS部34で得られた
誤差アドレスに基づいてkクロック周期で出力される信
号誤差(EA* (X),Y,n )に基づき、LMS(Least-Mea
n-Square) などの所要のアルゴリズムで、伝送路のCI
R(Channel Impulse Response :インパルス応答) を演
算して、この演算結果〔CA(0)* Y,n ,CA(0)
* X,n-1 ,CA(−1)* Y,n ,CA(−
1)* X,n-1 〕を後述するDPRAM37Aを介してレ
プリカ信号(RA* X,Y,n )生成用の情報として、レプ
リカ生成部31Aへ入力するものである。
【0108】また、CIR計算部35Bは、後述する誤
差レジスタ38Bから同じく上述のACS部34で得ら
れた誤差アドレスに基づいてkクロック周期で出力され
る誤差情報に基づき、CIR計算部35Aと同様に、L
MSなどの所要のアルゴリズムで、伝送路のCIRを演
算して、この演算結果〔CB(0)* Y,n ,CB(0)
* X,n-1 ,CB(−1)* Y,n ,CB(−
1)* X,n-1 〕を各レプリカ信号(RB* X,Y,n )生成
用の情報として、レプリカ生成部31Bへ入力するもの
である。
【0109】さらに、パスメモリ部36は、上述のAC
S部34で得られた誤差アドレス(処理結果)に基づい
て、最もパスメトリック(PMX,Y,n )の加算結果の小
さい遷移を記憶しながら、最終的に、選択された最も確
からしいパス上のデータを再生して等化データとして出
力するものである。このため、このパスメモリ部36
は、図11に示すように、最もパスメトリック(PM
X,Y,n )の加算結果の小さい遷移のデータを記憶するラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)402,このRAM4
02へのデータの書き込み/読み出しを制御するパスメ
モリ制御部401及びこのパスメモリ制御部401から
出力される等化データをデコードして出力するデコーダ
(DEC)403を用いて構成され、さらに、パスメモ
リ制御部(PMEM-CONT) 401,RAM402は、図12
及び図13に示すごとく構成される。
【0110】また、各DPRAM37A,37Bは、デ
ータの書き込み及び読み出しを同時に行なうことができ
るメモリで、この図8に示すごとくそれぞれがインパル
ス応答演算部5とレプリカ生成部1との間に介装される
ことによって、各CIR計算部35A,35Bからの演
算結果の書き込みと、各レプリカ生成部31A,31B
への各CIR計算部35A,35Bからの演算結果の読
み出しとが同時に行なわれるようになっている。
【0111】さらに、各誤差レジスタ38A,38B
は、それぞれk×k種類の信号誤差(レプリカ信号と受
信信号との誤差)からACS部34から受けた誤差アド
レスに対応する信号誤差(EA* (X),Y,n ,EB*
(X),Y,n )を、kクロック周期で出力し、各信号誤差を
それぞれCIR計算部35A,35Bへ出力するもので
ある。
【0112】また、各FIFOメモリ39A,39B
は、この図8に示すごとく各誤差計算部32A,32B
の入力側に設けられることにより、各アンテナ26A,
26B(図7参照)で受信される各受信信号(SAn
SBn )をそれぞれ一時的に保持する入力バッファで、
これらのFIFOメモリ39A,39Bによって、両受
信信号から得られる誤差やブランチメトリックなどの両
データの同期が取られるようになっている。また、この
ように、FIFOメモリ39A,39Bを用いて受信信
号とMLSE型等化器29内での処理とを非同期にする
ことで、MLSE型等化器29内の高速クロックによる
処理も可能にしている。
【0113】さらに、制御部40は、MLSE型等化器
29を構成する上述の各演算ブロックへ制御データを供
給して演算処理などの動作を統括的に制御するもので、
各演算ブロック間のデータの受渡しタイミング信号の発
生,シンボルアドレスの発生,トレーニング,データ系
列,ターミネーション処理などの各シーケンス制御を行
なうようになっている。
【0114】このような構成により、本実施例における
MLSE型等化器29では、各レプリカ生成部31A,
31B,誤差計算部32A,32B,ブランチメトリッ
ク計算部33A,33B,ACS部34,CIR計算部
35A,35B及びパスメモリ部36で行なわれる演算
処理が、1つのCPUやDSP(Digital Signal Proces
sor)を用いてソフトウェアで処理されるのではなく、そ
れぞれ独立した演算器によって処理されるようになって
いる。
【0115】そして、図9は上述のレプリカ生成部31
A(31B),DPRAM37A(37B)及びCIR
計算部35A(35B)の詳細構成を示すブロック図
で、この図9に示すように、レプリカ生成部31A(3
1B)は、加算器41,複素乗算器42,43及びエン
コーダ(PLD DI/DR) 45,46を有して構成され、CI
R計算部35A(35B)は、加算器47,48,複素
乗算器49,50及びエンコーダ(PLD μDI/μDR) 5
1,52を有して構成される。
【0116】ここで、レプリカ生成部31A(31B)
において、各エンコーダ(第1エンコーダ)45,46
は、それぞれ先行波,遅延波のシンボルアドレス(kビ
ットアドレス)をDPRAM37A(37B)から読み
込んで、このシンボルアドレスに対応する基準信号点の
複素値を量子化するものであり、各複素乗算器42,4
3は、それぞれ各エンコーダ45,46で量子化された
基準信号点の複素値と、DPRAM37A(37B)か
ら読み出されるCIR係数とを用いて複素乗算を施すこ
とによって、先行波,遅延波それぞれのレプリカ信号を
生成するものであり、加算器41は、これらの各複素乗
算器42,43で生成された先行波,遅延波それぞれの
レプリカ信号を加算して出力するものである。
【0117】これにより、このレプリカ生成部31A
(31B)では、各エンコーダ45,46からの情報を
用いて、受信信号1シンボル毎にk×k種類のレプリカ
信号が1クロックサイクルで1種生成される。具体的
に、このレプリカ生成部31A(31B)では、基準と
なる理想信号点にCIR係数を掛け合わせることによっ
て生成されるが、このCIR係数は、ACS部34より
送られる(j)BITのシンボルアドレスによって後述
するDPRAM37A(37B)より呼び出される。
【0118】そして、このとき、(m)BITの量子化
された理想信号点も、シンボルアドレスによって呼び出
されるが、本実施例におけるMLSE型等化器29で
は、エンコーダ45,46によって、(i)BITのシ
ンボルアドレスから(m)BITの量子化された理想信
号点をコード化される。ここで、上述のごとく(m)B
ITの量子化理想信号点を生成するには、他にリードオ
ンリーメモリ(ROM)を用いることも考えられるが、
アクセス速度の速いROMは非常に高価であるととも
に、本実施例に示すMLSE型等化器29のように高速
使用の回路では、アクセス時間に余裕が無くなってしま
うことや、読み出しデータを同期させるためのフリップ
フロップ(FF)が必要になるということから、本実施
例におけるMLSE型等化器29では、前述したごとく
エンコーダ45,46を用いることにより高速動作を可
能としているのである。
【0119】一方、CIR計算部35A(35B)にお
いて、各エンコーダ(第2エンコーダ)51,52は、
それぞれ基準信号点に収束係数を掛け合わせた複素値を
誤差レジスタ38A(38B)からの誤差アドレス(k
ビットアドレス)より変換して量子化するものであり、
各複素乗算器49,50は、それぞれ各エンコーダ5
1,52で得られた複素値(基準信号点×収束係数)
と、誤差計算部32A(32B)から得られる誤差とに
対して複素乗算を施すことによって、先行波,遅延波か
らCIR係数を得るものであり、各加算器47,48
は、それぞれ各複素乗算器49,50で現時点での先行
波,遅延波それぞれから得られた各CIR係数と、現時
点までに得られていた旧CIR係数とを加算して、DP
RAM37A(37B)に書き込むことによって、DP
RAM37A(37B)におけるCIR係数を、順次、
更新してゆくものである。
【0120】つまり、このCIR計算部35A(35
B)では、LMSなどの所定のアルゴリズムでCIR係
数の更新を行なうために、基準信号点と収束係数とが必
要であるので、上述のレプリカ生成部31A(31B)
と同様に、基準信号点と収束係数を掛け合わせた複素値
を、エンコーダ51,52によって、(j)BITのシ
ンボルアドレスから(m)BITの量子化データに変換
することで、高速動作を可能としているのである。な
お、この場合のエンコーダ51,52は、書き換えの可
能なもので、収束係数を変更する場合もエンコーダ5
1,52のデータの書き換えだけで変更できるようにな
っている。
【0121】上述のごとく構成により、レプリカ生成部
31A(31B)でレプリカ信号を全て生成する前に、
現時点までの処理分でCIR係数の更新係数がメモリ
(DPRAM37A,37B)に書き込まれる。そし
て、この際、各CIR計算部35A,35Bと各レプリ
カ生成部31A,31BとでのCIR係数の遣り取りの
際、DPRAM37A,37Bのメモリ領域を、レプリ
カ生成用係数呼び出し領域と更新用係数書き込み領域と
に分割して、相互のメモリ領域を処理シンボル単位で入
れ換えることによって、連続した動作を可能にするとと
もに、CIR係数が上書きされることを防いでいる。
【0122】さらに、図10は上述のACS部34及び
誤差レジスタ38A(38B)の詳細構成を示すブロッ
ク図で、この図10に示すように、まず、ACS部34
は、図8にて前述したごとく加算部341,比較選択部
342及びパスメトリックメモリ343からなってお
り、さらに、加算部341は、フリップフロップ(F
F)回路344,345,347、加算器346,34
8からなり、比較選択部342は、フリップフロップ
(FF)回路349,350,354,セレクタ35
1,352及びコンパレータ353からなり、パスメト
リックメモリ343は、読み出しアドレスカウンタ35
5,書き込みアドレスカウンタ356,RAM切替カウ
ンタ357,書き込みカウンタ358,デコーダ35
9,2つのランダムアクセスメモリ(RAM)361,
362からなっている。
【0123】ここで、まず、加算部341において、各
FF回路344,345は、それぞれ各ブランチメトリ
ック計算部33A,33B(図7参照)で得られるブラ
ンチメトリック(|EA* X,Y,n 2 ,|EB* X,Y,n
2 )を一旦ラッチして、供給されたクロックサイクル
に応じて加算器346へ出力するものであり、加算器3
46は各ブランチメトリック(|EA* X,Y,n 2 ,|
EB* X,Y,n 2 )を合成して加算器348へ出力する
ものである。
【0124】そして、このとき、上述の各FF回路34
4,345へは、この図10に示すごとくそれぞれ「B
RAA」信号,「BRBB」信号が供給されるようなっ
ていおり、これらの「BRAA」信号,「BRBB」信
号によって、加算器346へ入力されるブランチメトリ
ックの制御が行なわれるようになっている。つまり、例
えば、「BRAA」信号によって、一方のブランチメト
リック計算部33Aから出力されるのブランチメトリッ
クを、“ALL LOW”(所定値)に固定してブラン
チメトリックの値を「0」にすることにより、ダイバー
シチ動作から単一受信動作へ切替えられるようになって
いるのである。
【0125】さらに、FF回路347は、後述するパス
メトリックメモリ343のRAM361又は362から
出力される現時点までのパスメトリック(ブランチメト
リックの積算値)を一旦ラッチして、クロックサイクル
に応じて加算器348へ出力するものであり、加算器3
48は、上述の加算器348からの合成ブランチメトリ
ックとFF回路347で一旦ラッチされた現時点までの
パスメトリックを加算することによって、現時点でのパ
スメトリック(PMX,Y,n )を得るものである。
【0126】また、比較選択部342において、各FF
回路349,350は、それぞれ上述の加算部341に
おける加算器348で得られた現時点でのパスメトリッ
ク(PMX,Y,n )を一旦ラッチして、クロックサイクル
に応じてセレクタ351へ出力するものであり、各セレ
クタ351,352及びコンパレータ353は、この現
時点でのパスメトリック(PMX,Y,n )と、この比較選
択部342で前時点に得られFF回路354を通じて出
力されたパスメトリックとを比較して、最も信号点の状
態遷移の小さいパスメトリックを選択的に、パスメトリ
ックメモリ343及び誤差レジスタ38A(38B)へ
出力するものである。
【0127】さらに、パスメトリックメモリ343にお
いて、読み出しアドレスカウンタ355は、前時点に比
較選択部342で選択されたパスメトリックが書き込ま
れたアドレスをクロックサイクルに応じてデコーダ35
9を通じて出力するもので、この読み出しアドレスカウ
ンタ355からのアドレスに対応するパスメトリックが
出力されるようになっている。
【0128】また、書き込みアドレスカウンタ356
は、比較選択部342で選択されたパスメトリックを書
き込むべきRAM361又はRAM362のアドレスを
クロックサイクルに応じてデコーダ359を通じて出力
するものであり、書き込みカウンタ358は、書き込み
アドレスカウンタ356から出力されるRAM361又
はRAM362のアドレスに比較選択部342で選択さ
れたパスメトリックを書き込むカウンタ値を出力するも
のであり、RAM切替カウンタ357は、比較選択部3
42で選択された前時点のパスメトリックの読み出し,
現時点のパスメトリックの書き込みを行なうRAM36
1又はRAM362の切替え信号を出力するものであ
る。
【0129】つまり、このパスメトリックメモリ343
は、前時点のパスメトリックの読み出しと、現時点の選
択パスメトリックの書き込みとを、RAM切替カウンタ
357を用いて、2個のRAM361,362(2個の
メモリ)の交互切替えによって実行するようになってい
るのである。一方、この図10に示すように、誤差レジ
スタ38A(38B)は、k×k個の誤差から選択パス
メトリックに付随する誤差、及びk個の誤差のうち何番
目の誤差であるかを誤差アドレスとして、選択パスメト
リックの出力と同時タイミングで出力するために、アド
レスカウンタ381,シフトレジスタ382,フリップ
フロップ(FF)回路383,386及びセレクタ38
4,385で構成されている。
【0130】ここで、アドレスカウンタ381は、誤差
アドレスを出力するものであり、シフトレジスタ382
は、選択用パスメトリックと選択タイミングを合わせる
ものであり、セレクタ384は、選択する誤差と誤差ア
ドレスを切り換えるものであり、セレクタ385は、誤
差と誤差アドレスを、ACS部34の比較選択部342
におけるコンパレータ353の出力を利用して選択する
ものであり、FF回路386は、選択パスメトリックが
選択されるのと同時に選択パスメトリックに付随した誤
差とその誤差アドレスとを出力するもので、これによ
り、選択パスメトリックに付随した誤差とその誤差アド
レスとをメモリに蓄えることなく出力することができる
ようになっている。
【0131】上述のごとく構成された本実施例における
MLSE型等化器29では、各CIR計算部35A,3
5Bによって、LMSなどのアルゴリズムを用いてCI
R係数の更新が行なわれ、DPRAM37A,37Bに
よって、各CIR計算部35A,35Bと各レプリカ生
成部31A,31Bとの間でCIR係数の保存,受渡し
が行なわれる。
【0132】具体的に、例えば、上述のレプリカ生成部
31A(31B)では、レプリカ生成用に使用されるC
IR係数がDPRAM37A(37B)より読みださ
れ、エンコーダ45,46によって、先行波,遅延波そ
れぞれにおける基準信号点の複素値が量子化データに変
換され、これら先行波,遅延波におけるCIR係数と量
子化データに変換された基準信号点の複素値とが、それ
ぞれ複素乗算器42,43で複素乗算されて、先行波の
レプリカ信号と遅延波のレプリカ信号とが生成される。
【0133】そして、これらの先行波,遅延波の各レプ
リカ信号が、加算器41で加算されてることによって、
1シンボル毎にk×k種類のレプリカ信号が1クロック
サイクルで1種生成される。一方、CIR計算部35A
(35B)では、時点「t」においてレプリカ生成部3
1A(31B)がDPRAM37A(37B)から読み
出したCIR係数の記憶されたメモリ領域から、更新す
る時点「t−1」のCIR係数が読み出され、これによ
り更新されたCIR係数は、時点「t+1」でレプリカ
生成部31A(31B)でCIR係数を読み出すメモリ
領域に書き込まれる。
【0134】さらに、誤差計算部38A(38B)で
は、受信信号とレプリカ生成部31A(31B)で生成
されたレプリカ信号との誤差が算出され、FIFOメモ
リ39A(39B)は、受信信号を内部クロックと非同
期で受け取る。ブランチメトリック計算部33A(33
B)では、誤差の絶対値の2乗が求められる。また、A
CS部34では、ブランチメトリック計算部33A(3
3B)で得られたブランチメトリックと現時点までのパ
スメトリックとの加算、パスメトリックの比較選択、更
新が行なわれ、誤差レジスタ38A(38B)では、k
個の誤差が保存され、ACS部34によるパスメトリッ
クの比較選択結果よりkクロック周期で、k個のうちの
1つの誤差が出力される。
【0135】さらに、ブランチメトリック計算部33A
(33B)から入力されるブランチメトリック(k×k
種のシリアル入力)は、ACS部34の加算部341に
おけるFF回路344,345を通じて加算器346で
加算され合成ブランチメトリックとして加算器348へ
入力される。そして、このとき、パスメトリックメモリ
343におけるRAM361もしくはRAM362か
ら、読み出しアドレスカウンタ355及びRAM切替カ
ウンタ357により、前時点の選択パスメトリックがk
個ずつ、k回連続して、加算器348へ入力され、加算
結果として選択用パスメトリックが現時点に行なわれる
1つの処理サイクルでk×k個シリアルに生成されてゆ
く。
【0136】そして、比較選択部342では、この選択
用パスメトリックメモリk×k個の中からk個単位に1
個ずつ、つまり1クロックサイクルでk個の選択パスメ
トリックが比較選択・選出されてゆく。具体的には、F
F回路349,350,及びセレクタ351によって、
比較選択が「選択用パスメトリックの1番目と2番目、
その後からは1番目と2番目の小さい方の選択用パスメ
トリックと3番目の選択用パスメトリック、次に1番
目,2番目,3番目の内小さい選択用パスメトリックと
4番目の選択用パスメトリックを選択する」と言う具合
に、コンパレータ353に入るデータが切り換えられ、
コンパレータ353によって比較が行なわれる。
【0137】そして、セレクタ352から、このコンパ
レータ353の出力より状態遷移の小さい選択用パスメ
トリックが出力されることにより、最も信号点の状態遷
移の小さいパスが比較・選択される。さらに、この比較
選択部342で選択されたパスメトリック(以下、選択
パスメトリックという)は、書き込みアドレスカウンタ
356が発生するRAM361又は362への書き込み
タイミング及びRAM切替カウンタ357がRAM36
1,362を交互に切り替えることによって実行される
書き込み/読み出しの切替えにより、1処理サイクル単
位で、その選択用パスメトリック生成に用いた前パスメ
トリックの読み出しRAM(例えば、RAM361)と
は違うもう一方のRAM(例えば、RAM362)に、
選択パスメトリックがk個書き込まれてゆく。
【0138】つまり、本実施例におけるMLSE型等化
器29では、前時点での選択パスメトリックの書き込み
に用いていた現時点での読み出し用のRAMと、現時点
で書き込みに用いたRAMとを交互に切り換えて動作さ
せることにより、kクロック周期でACS部の加算、比
較選択パスメトリック更新の処理が行なえるのである。
【0139】さらに、誤差レジスタ38A(38B)で
は、k×k個の誤差から選択パスメトリックに付随する
誤差、及びk個の何番目の誤差であるかが誤差アドレス
として、選択パスメトリックの出力と同時タイミングで
出力される。具体的には、アドレスカウンタ381で誤
差アドレスを発生させ、シフトレジスタ382で選択用
パスメトリックと選択タイミングを合わせ、セレクタ3
84で選択する誤差と誤差アドレスとを切り替え、さら
に、セレクタ385で、誤差と誤差アドレスとを比較選
択部342のコンパレータ353の出力を利用して選択
することにより、比較選択部342で選択パスメトリッ
クが選択されるのと同時に、選択パスメトリックに付随
した誤差とその誤差アドレスをメモリに蓄えることなく
出力することができる。
【0140】以下、上述のMLSE型等化器29での動
作について、さらに具体的に述べる。まず、図14は図
15に示すごとく既知の系列であるトレーニングデータ
を用いてCIR係数を収束させてゆく場合のデータの流
れを示しており、この図14に示すように、まず、各レ
プリカ生成部31A,31Bでは、制御部40(図8参
照)より出力される既知のトレーニングデータ(Sn
を用いてレプリカ信号(RX,Y,n )が生成され、各誤差
計算部32A,32Bでは、受信データ(トレーニング
データSn )とレプリカ信号(RX,Y,n )との誤差(E
X,Y,n )が算出される。
【0141】そして、上述のごとく得られた誤差(E
X,Y,n )は、この段階では、ACS部34による処理は
行なわれず、また各誤差レジスタ38A,38Bによる
処理も行なわれずに〔誤差レジスタ38A,38Bを単
に通過(スルー)〕して、それぞれCIR計算部35
A,35Bへ入力される。さらに、このCIR計算部3
5A,35Bでは、制御部40より出力される既知デー
タ〔DX ,DY ,C(−1)X,n-1 ,C(0)X,n-1
を基にCIR係数の更新処理が行なわれ、更新された各
CIR係数は、それぞれDPRAM37A,37B(図
8参照)に書き込まれる。
【0142】そして、このとき同時に、この更新された
各CIR係数は、各レプリカ計算部31A,31Bが、
再度、次のレプリカ信号を生成するためのCIR係数と
して、それぞれDPRAM37A,37Bから読み出さ
れる。上述のごとく動作を1サイクルとして、トレーニ
ングデータ(Sn )の個数だけ処理を繰り返すことによ
って、CIR係数が更新・収束されてゆく。
【0143】次に、図16は図17に示すごとくデータ
系列の各パスの経路を推定する場合のデータの流れを示
している。なお、この図16では、k相PSKの「k」
を「k=8」とした場合のデータの流れを示している。
そして、この図16に示すように、まず、各レプリカ生
成部31A,31Bでは、時点「t」の8種のシンボル
と時点「t−1」での各シンボルに到達するパスのCI
R係数をもとに8×8=64種のレプリカ信号が1クロ
ック周期に連続して生成され、各誤差計算部32A,3
2Bでは、時点「t」の各FIFOメモリ39A,39
Bからの読み出される受信信号と、8×8=64種のレ
プリカ信号との64種の誤差(EX,Y,n :X=0〜7,
Y=0〜7)が1クロック周期に連続して算出される。
【0144】さらに、これらの誤差信号(EX,Y,n :X
=0〜7,Y=0〜7)は、順次、シリアルに、ブラン
チメトリック計算部33A,33Bと、誤差レジスタ3
8A,38Bに渡されてゆき、ブランチメトリック計算
部33A,33Bでは、誤差(EX,Y,n )の絶対の2乗
を計算して、順に、64種のブランチメトリック(|E
X,Y,n 2 :X=0〜7,Y=0〜7)が生成される。
【0145】そして、上述のごとく各ブランチメトリッ
ク計算部33A,33Bで得られた64種の両ブランチ
メトリック(|EX,Y,n 2 :X=0〜7,Y=0〜
7)は、ACS部34の加算部341(図8,図10参
照)で、前述したごとく前時点のパスメトリック(PM
X,Y,n-1 )と加算され、現時点のパスメトリック(PM
X,Y,n )として比較選択部342(図8,図10参照)
で比較される。
【0146】さらに、比較選択部342では、8種のパ
スメトリックが全て揃った時点でパスメトリック値の最
も小さいものが1つ選択され、1サイクルで8種の選択
パスメトリックが出力される。一方、誤差レジスタ38
A,38Bでは、比較選択部342でトーナメント方式
で選択されるパスメトリックの途中結果を受け取り、レ
ジスタ内の誤差を選択信号通りに切替えることにより、
8種の誤差が入力した後と比較選択部342によって最
終的に選択されたパスメトリックとによって1つの選択
誤差が出力される。
【0147】また、ACS部34での選択結果(誤差ア
ドレス)は、それぞれパスメモリ部36とCIR計算部
35A,35Bに渡され、この誤差アドレスを基に、パ
スメモリ部36では、パスの更新処理が行なわれ、CI
R計算部35A,35Bでは、誤差と誤差アドレスを基
に更新されたCIR係数がDPRAM37A,37Bへ
出力されてDPRAM37A,37Bに書き込まれる。
【0148】さらに、上述のごとく更新されたCIR係
数は、時点「t+1」で、レプリカ生成部31A,31
Bのレプリカ生成用係数として使用される。上述のごと
く処理を1サイクルとして、データ系列の個数回処理が
繰り返されることによって、図17の実線で示すごとく
最もパスメトリックの加算結果の小さい遷移が、順次、
決定されてゆく。
【0149】さらに、図18はトレーニング系列を用い
てレプリカ信号を生成する処理からデータ系列を用いて
レプリカ信号を生成する処理へ移行する際の処理におけ
るデータの流れを示しており、この場合、レプリカ生成
部31A,31Bでは、k(=8)クロック周期毎に、
全部でk種生成されることにより、図19に示すごとく
トレーニング系列の終端(TR23)の信号点「0」か
ら実際の受信データの開始点(D0)における信号点
「0〜7」へのブランチメトリック,パスメトリック演
算されてゆく。なお、この場合、レプリカ生成部31
A,31B以外の各部では、図16及び図17にて前述
した処理と同様の処理が行なわれる。
【0150】また、図20は受信データの終端を示すタ
ーミネーションシンボルに既知のものを用いて、パスメ
モリ部36に記憶されたパスを基に最も確からしいパス
を選択出力する(トレースバックする)際に各部へ供給
されるデータの流れを示しており、この場合も、レプリ
カ生成部31A,31Bでは、k(=8)クロック周期
毎に、全部でk種生成され、これらレプリカ生成部31
A,31B以外の各部では、図16及び図17にて前述
した処理と同様の処理が行なわれる。
【0151】そして、パスメモリ部36では、図21に
示すごとく、ACS部34より出力される受信データの
終端を示すターミネーションシンボル(T)の誤差アド
レスを、トレースバックを開始するデータとして用い
て、トレースバックが行なわれ、各パスに対応するデー
タが等化出力として出力されてゆく。なお、図22〜図
24はそれぞれ図11〜図13に示すごとく構成を有す
る上述のパスメモリ部36での動作タイミングの一例を
示す図で、このうち図23はパスメモリ更新時での動作
を示しており、図24はトレースバック時での動作を示
している。
【0152】また、図25はパスメモリ部36内のRA
M3602(図11参照)に記憶されるシンボルデータ
とアドレスとの対応を示す図である。ここで、この図2
5における各アドレス(000H〜007Hなど)は、
図13に示す各レジスタ(DX REG,DY REG) 3631,3
636によって発生される。そして、例えば、各レジス
タ(DX REG,DY REG) 3631,3636によって、図2
6(a)に示すごとく内容のアドレスが発生されること
により、図25中、星印(★印)で示すデータがアクセ
スされ、この結果、図26(b)に示すごとくパスがト
レースバックされる。
【0153】なお、パスは、現在の書き込みアドレスに
1つ前のシンボルのアドレスをデータとして書き込むこ
とにより生成されるが、この場合、図13に示すレジス
タ(DY REG)3636では、現在更新されるパスが到達す
るシンボル値と1つ前のシンボル情報が格納されるアド
レスとなり、レジスタ(DX REG)3631では、1つ前の
シンボル情報のアドレスになる。
【0154】以上のように本発明の第1実施例としての
MLSE型等化器29によれば、各レプリカ生成部31
A,31B,誤差算出部32A,32B,ブランチメト
リック計算部33A,33B,ACS部34,CIR計
算部35A,35B,パスメモリ部36が独立した演算
器を有するように構成され、且つ、CIR計算部35
A,35Bとレプリカ生成部31A,31Bとの間に、
データの書き込み及び読み出しを同時に行なうことがで
きるDPRAM37A,37Bが介装されているので、
CIR計算部35A,35Bからの演算結果の書き込み
とレプリカ生成部31A,31BへのCIR計算部35
A,35Bからの演算結果の読み出しとを同時に行なう
ことができ、これにより、極めて簡素な構成で、高速に
受信信号の等化処理を行なえるという利点がある。
【0155】また、ACS部34にも、データの書き込
み及び読み出しを同時に行なうことのできるパスメトリ
ックメモリ343が設けられているので、前時点のパス
メトリックの読み出しと、ACS部34で選択された現
時点の選択パスメトリックの書き込みとを同時に行なう
ことができる。従って、全てのパスメトリックが揃わな
くても、連続的にパスメトリックを用いた演算処理が可
能になり、これにより等化処理を極めて高速に行なうこ
とができるようになる。
【0156】さらに、レプリカ生成部31A,31Bで
は、エンコーダ45,46(図9参照)によって、基準
信号点の複素値がkビットアドレスより変換され、この
情報を用いて、1シンボル毎にk×k種類のレプリカ信
号が1クロックサイクルで1種生成されるので、極めて
簡素な構成で、且つ、高速にレプリカ信号を生成するこ
とができる。
【0157】また、CIR計算部35A,35Bでは、
エンコーダ51,52(図9参照)によって、基準信号
点に収束係数を掛け合わせた複素値がkビットアドレス
より変換されるので、極めて簡素な構成で、CIR係数
の更新に必要なデータ(基準信号点×収束係数)得られ
るとともに、高速にCIR係数の更新処理を行なうこと
ができる。
【0158】さらに、ACS部34のパスメトリックメ
モリ343を、図10に前述したごとく2個のRAM3
61,362を用いて構成して、前時点のパスメトリッ
クの読み出しと、現時点の選択パスメトリックの書き込
みとをこれら2個のRAM361,362の交互切替え
によって実行することができるので、極めて高速に、パ
スメトリックの加算・比較・選択処理を行なうことがで
きる。
【0159】また、各誤差レジスタ38A,38Bで
は、ACS部34の出力を誤差アドレスとして、k×k
種類の誤差からkクロック周期で所要の誤差を出力し、
この誤差をCIR計算部35A,35Bへ出力すること
ができるので、誤差をACS部34でのパスメトリック
の選択と同一速度,タイミングで出力することができ、
これにより、極めて高速に誤差を選択して出力すること
ができる。
【0160】さらに、誤差計算部32A,32Bの入力
側に、それぞれFIFOメモリ39A,39Bを設け
て、受信信号を一時的に保存することによって、両受信
信号から得られる誤差やブランチメトリックなどの両デ
ータの同期が取られる。従って、MLSE型等化器29
内での等化処理を受信信号に対して非同期に行なうこと
が可能になり、これにより高速クロックを用いて等化処
理を行なうことができるようになる。
【0161】また、本実施例におけるMLSE型等化器
29によれば、図10にて前述したごとく「BRAA」
信号,「BRBB」信号によって、ブランチメトリック
計算部33A,33Bのいずれか一方のブランチメトリ
ックを“ALL LOW”に固定してブランチメトリッ
クの値を「0」に固定することができるので、図7に示
すごとくダイバーシチ構成の受信機だけでなく、単一受
信構成の受信機にも、極めて容易に適用することができ
るようになる。
【0162】(b)第2実施例の説明 図27は本発明の第2実施例としてのMLSE型等化器
を用いた復調装置の構成を示すブロック図で、この図2
7において、61はRF(高周波)信号用のミキサ、6
2は局部発振器、63はバンドパスフィルタ(BP
F)、64はAGCアンプ(Automatic Gain Control AM
P)、65は直交検波部、68,69はそれぞれベースバ
ンド信号用のアンプ(AMP)、70,71はそれぞれ
ローパスフィルタ(LPF)、72,73はそれぞれA
/D変換器である。
【0163】また、74は複素乗算器、75はMLSE
型等化器、76はクロック再生部、79は遅延回路、8
0は周波数弁別器、81はローパスフィルタ(LP
F)、82は発振器(NCO)である。ここで、ミキサ
61は、局部発振器62からの所定の周波数を受けて、
RF受信信号をIF信号にダウンコンバートするもので
あり、バンドパスフィルタ63は、ミキサ61から出力
されるIF信号の高周波成分などの不要波を除去するも
のであり、AGCアンプ64は、ミキサ61で得られた
IF信号のゲインを自動制御して、直交検波部65への
入力信号を適正に保つものである。
【0164】また、直交検波部65は、ミキサ61でダ
ウンコンバートされることによって得られたIF受信信
号(本実施例でも、第1実施例と同様に、k相PSK無
線通信での受信信号とする)を、後述する局部発振器6
55からのLo信号(ローカル信号)を用いて直交検波
するもので、この図27に示すごとく、ハイブリッド
(H)651,ミキサ652,653,直交ハイブリッ
ド(H)654及び電圧制御型の局部発振器(Lo XO) 6
55を有して構成される。
【0165】ここで、ハイブリッド(H)651は、I
F信号を分波してIch信号,Qch信号として出力す
るものであり、各ミキサ652,653は、局部発振器
655からのLo信号を用いてIch,Qchの各IF
信号をそれぞれベースバンド信号にダウンコンバートす
るものであり、直交ハイブリッド(H)654は、局部
発振器655の出力を互いに90°位相の異なる信号に
分岐するものであり、局部発振器(Lo XO) 655は、各
ミキサ652,653でのダウンコンバート用の発振周
波数信号を供給するものである。
【0166】また、各アンプ68,69は、それぞれ直
交検波部65で得られたIch,Qchの各ベースバン
ド信号を、後述する各A/D変換器72,73でのA/
D変換の際に必要な信号レベルまで増幅するものであ
り、各ローパスフィルタ70,71は、それぞれIc
h,Qchのベースバンド信号の不要成分を除去するも
のであり、各A/D変換器(識別部)72,73は、後
述するクロック再生部76で再生されるA/D変換用ク
ロックに応じて、各Ich,Qchのベースバンド信号
を所要のレベルでA/D変換して、Ich,Qchのデ
ィジタル復調信号を得るものである。
【0167】さらに、複素演算器(位相回転部)74
は、各A/D変換器72,73からの出力について複素
演算処理を施すことによって、ディジタルで位相回転を
施すものであり、MLSE型等化器75は、第1実施例
にて前述したものと同様のもので、各A/D変換器7
2,73で得られたIch,Qchのディジタル復調信
号を入力として、第1実施例にて前述したごとくビタビ
アルゴリズムを用いて、最尤系列推定を施すことによっ
て、受信信号の等化を行なうものである。
【0168】また、クロック再生部76は、各A/D変
換器72,73でのA/D変換タイミングを示すA/D
変換用クロックを、Ich,Qchの各ベースバンド信
号から再生するもので、この図27に示すように、乗算
器761,762,加算器763,位相比較器(P.D:Ph
ase Detector)764,ループフィルタ(Loop Filter)
765及びクロック再生用の電圧制御型の発振器(CLK V
CO) 766を有して構成される。
【0169】ここで、各乗算器761,762は、それ
ぞれIch,Qchベースバンド信号について自乗を施
すものであり、加算器763は、各乗算器761,76
2で自乗を施されたIch,Qchベースバンド信号を
加算するものであり、これらの各乗算器761,762
及び加算器763によって、各Ich,Qchベースバ
ンド信号の位相が検出されるようになっている。
【0170】そして、位相比較器764は、上述の加算
器763で得られたIch,Qchベースバンド信号の
位相と、過去に発振器766から各A/D変換器31
2,313へ供給されたA/D変換用クロックの位相と
を比較して、その位相差分を後述する発振器766の発
振周波数を制御するための位相制御情報として出力する
ものである。
【0171】また、ループフィルタ765は、この位相
比較器764の出力の不要成分を除去するものであり、
発振器766は、ループフィルタ765を介して入力さ
れる位相比較器764で得られた位相制御情報に応じて
発振周波数を調整して、A/D変換用クロックを各A/
D変換器312,313及び位相比較器320へ供給す
るものである。
【0172】すなわち、これら位相比較器764,ルー
プフィルタ765及び発振器766からなる回路は、い
わゆるPLL(Phase-Locked-Loop) 回路であり、このP
LL回路によって、このクロック再生部76で再生され
るA/D変換用クロックが、常に、各A/D変換器7
2,73での最適なA/D変換タイミングに追従できる
ようになっているのである。
【0173】さらに、周波数弁別器80は、遅延回路7
9によって時間的に間隔をあけた、MLSE型等化器7
5での等化前のIch,Qch信号(複数のデータ)を
用いて、各Ich,Qch信号のもつ周波数偏差を検出
するものであり、ローパスフィルタ81は、周波数弁別
器80の出力を積分するものであり、発振器(三角関数
発生部)82は、複素乗算器74に位相回転情報を有す
る三角関数情報を出力するものである。
【0174】そして、図28は上述の周波数弁別器80
の構成を示すブロック図であり、この図28に示すよう
に、周波数弁別器80は、角度偏差算出部801及び周
波数偏差算出部802で構成される。ここで、角度偏差
算出部801は、入力される現時点での最新の各Ic
h,Qch信号の理想信号点からの角度偏差θnew を算
出するもので、本実施例では、この角度偏差θnew は次
式により得られる。
【0175】θnew =tan-1(Q/I)・・・(3) また、周波数偏差算出部802は、この角度偏差算出部
801で最新の各Ich,Qch信号から得られた角度
偏差θnew と、遅延回路(τ)79で遅延された過去の
角度偏差θold とから各Ich,Qch信号の周波数偏
差Δfを算出するもので、本実施例では、遅延回路79
での遅延時間をΔTとして、この周波数偏差Δfが次式
から得られる。
【0176】 Δf=(θold −θnew )/ΔT・・・(4) なお、この図28に示す周波数弁別器80は、図29に
示す周波数弁別器80′のごとく、上述の角度偏差算出
部801と同様の角度偏差算出部801A,801Bを
用いて構成しても、これらの各角度偏差算出部801
A,801Bで、それぞれ最新の角度偏差θnew と過去
の角度偏差θold とを得ることができるので、周波数偏
差算出部802によって、同様に、周波数偏差Δfを式
(4)から得ることができる。
【0177】さらに、図30は上述のローパスフィルタ
81及び発振器(NCO)82の構成を示すブロック図
で、この図30に示すごとくローパスフィルタ81は加
算器811及び遅延素子(T)82で構成され、発振器
82は加算器821,遅延素子(T)822及びサイン
(sin)波,コサイン(cos)波の三角関数情報を
発生する三角関数発生メモリ823で構成される。
【0178】これにより、ローパスフィルタ81では、
周波数弁別器80(80′)で得られた周波数偏差Δf
が遅延素子812で順次遅延され加算器811で加算さ
れることによって積分されて、発振器82へ出力され
る。一方、発振器823でも、同様に加算器821及び
822によってローパスフィルタ81からの出力が積分
され、このように積分された周波数偏差Δfに応じて、
三角関数発生メモリ823からサイン(sin),コサ
イン(cos)の係数が発生されるようになっている。
【0179】さらに、図31は複素演算器74の構成を
示すブロック図であるが、この図31に示すように、本
実施例における複素演算器74は、5つの乗算器741
〜745及び2つの加算器746,747を有して構成
されている。ここで、乗算器741は、A/D変換器7
2(図27参照)からのI(i)ch信号と、図30に
て上述した発振器82で発生したコサイン波(cos
θ)とを乗算するものであり、乗算器741は、A/D
変換器73(図27参照)からのQ(q)ch信号と、
発振器82で発生したサイン波(sinθ)とを乗算す
るものであり、加算器746は、これらの乗算器74
1,742の出力を加算するものである。
【0180】さらに、乗算器743は、A/D変換器7
2からのI(i)ch信号と、乗算器744の出力とを
乗算するものであり、乗算器744は、sinθに「−
1」を乗算した−sinθを乗算器743へ出力するも
のであり、乗算器745は、Q(q)ch信号とcos
θとを乗算するものであり、加算器746は、この乗算
器745の出力と乗算器743の出力とを加算するもの
である。
【0181】つまり、この複素演算器74は、各A/D
変換器72,73で得られたIch,Qchの各ディジ
タル復調信号の入力値をそれぞれ「i」,「q」とし、
発振器82で得られる三角関数情報(sinθ,cos
θ)を用いて、 I=icosθ+qsinθ・・・・(5) Q=−isinθ+qcosθ・・・(6) という演算を行なうことにより、各A/D変換器72,
73からのIch,Qch信号について位相回転を施し
て、周波数弁別器80で得られたIch,Qch信号の
周波数偏差Δfを最小にするようになっているのであ
る。
【0182】さらに、図32は図27にて前述したML
SE型等化器75の構成を示すブロック図で、この図3
2に示すように、本実施例におけるMLSE型等化器7
5は、それぞれ第1実施例にて前述したものと同様のレ
プリカ生成部31A,誤差計算部32A,ブランチメト
リック計算部33A,加算部341,比較選択部342
及びパスメトリックメモリ343からなるACS部3
4,CIR計算部35A,パスメモリ部36,DPRA
M37A,誤差レジスタ38A,FIFOメモリ39
A,制御部40を有して構成される。
【0183】そして、本実施例でも、上述のレプリカ生
成部31Aは、図33に示すように、加算器41,複素
乗算器42,43及びエンコーダ45,46を用いて構
成され、CIR計算部35Aは、加算器47,48,複
素乗算器49,50及びエンコーダ51,52を用いて
構成される。さらに、ACS部34及び誤差レジスタ3
8Aも、第1実施例と同様に、図34に示すごとく構成
されるが、本実施例では、第1実施例にて前述したよう
なダイバーシチ受信は行なわないので、加算部341が
フリップフロップ(FF)回路344,347及び加算
器348のみで構成されている。
【0184】また、上述のパスメモリ部36も、第1実
施例にて前述したもの同様のもので、図35に示すごと
くパスメモリ制御部401,RAM402及びデコーダ
(DEC)403を有して構成される。そして、このM
LSE型等化器75でも、レプリカ生成部31Aで生成
されるレプリカ信号と各A/D変換器72,73からの
ディジタル復調信号との誤差を誤差算出部32Aで算出
し、この誤差の絶対値の2乗をブランチメトリック計算
部33Aとってブランチメトリックを得、さらにこのブ
ランチメトリックの積算値であるパスメトリックの加算
結果の最も小さい信号点の遷移をパスメモリ部36に記
憶しながら最も確からしいパスを等化出力として出力す
るようになっている。
【0185】上述のごとく構成された本実施例における
MLSE型等化器を用いた復調装置では、RF受信信号
がミキサ61でIF信号にダウンコンバートされ、直交
検波部65で直交検波を施されることによりIch,Q
chベースバンド信号が得られる。そして、このように
直交検波部65で得られた各Ich,Qchベースバン
ド信号は、各A/D変換器72,73で、クロック再生
部76から供給されるA/D変換用クロックに応じて、
所要のA/D変換レベルでA/D変換されて、それぞれ
ディジタル信号に変換され、複素演算器74へ出力され
る。
【0186】さらに、複素演算器74では、図31にて
前述したごとく、発振器82からの三角関数情報(si
nθ,cosθ)を用いて、式(5),式(6)の演算
を行なうことにより、各A/D変換器72,73からの
Ich,Qchディジタル復調信号について、位相回転
が施される。この結果、各Ich,Qchディジタル復
調信号は、その周波数偏差が最小にされてMLSE型等
化器75へ出力され、MLSE型等化器75では、ビタ
ビアルゴリズムを用いて最尤系列推定が施されて、受信
信号が伝送路(空間)から受けた遅延やフェージングな
どが等化される。
【0187】ところで、上述の複素演算器74へ供給さ
れる三角関数情報(sinθ,cosθ)は、周波数弁
別器80(80′)及び発振器82によって得られるの
だが、以下、この三角関数情報(sinθ,cosθ)
を得る動作について詳述する。まず、周波数弁別器80
では、LMSE型等化器75での等化前のIch,Qc
h信号を、遅延回路79で、ΔTだけ遅延させることに
よって、時間的に間隔をあけたIch,Qch信号のデ
ータを用いて、Ich,Qch信号のもつ周波数偏差が
検出される。
【0188】具体的には、図28(又は図29)に示す
ごとく角度偏差算出部801で、式(3)の演算を行な
うことによって、現時点での最新の角度偏差θnew が得
られ、この最新の角度偏差θnew と、遅延回路79で時
間ΔTだけ遅延させた過去の角度偏差θold とを用い
て、周波数偏差算出部802で、式(4)の演算が行な
われることによって、Ich,Qch信号の周波数偏差
Δfが得られる。
【0189】そして、この周波数偏差Δfは、図30に
て前述したごとくLPF81によって積分されたのち、
発振器82の三角関数発生メモリ823へ入力され、こ
れにより、この周波数偏差Δfに基づいて、三角関数発
生メモリ823からIch,Qch信号の周波数偏差Δ
fを最小にする位相回転情報をもった三角関数情報(s
inθ,cosθ)が発生され、これが複素演算器74
に供給される。
【0190】なお、このとき、周波数弁別器80(8
0′)では、得られた周波数偏差Δfに応じて、遅延回
路79での遅延時間ΔTを可変にすることによって、こ
の周波数偏差Δfを検出する際の角度偏差θnew ,θ
old (検出データ)の時間間隔ΔTを可変にすることが
できる。具体的には、例えば、周波数偏差Δfが大きい
場合は、時間間隔ΔTを短くし、逆に周波数偏差Δfが
小さい場合は、時間間隔ΔTを長くするといった具合
に、得られた周波数偏差Δfの大きさと、この周波数偏
差Δfを検出する際の角度偏差θnew ,θold の時間間
隔ΔTとが反比例するように時間間隔ΔTを可変にす
る。
【0191】これにより、周波数偏差算出部802で得
られた周波数偏差Δfが大きい場合は、より短い時間間
隔ΔTで式(4)による演算が行なわれ、周波数偏差Δ
fが小さい場合は、より長い時間間隔ΔTで式(4)に
よる演算が行なわれ、この結果、常に、正確な位相偏差
Δfを安定して検出することができるようになる。以上
のように、本発明の第2実施例としてのMLSE型等化
器を用いた復調装置によれば、LMSE型等化器75で
の等化前のIch,Qch信号のもつ周波数偏差Δfを
周波数弁別器80で検出し、この周波数偏差Δfに基づ
いて、発振器82の三角関数発生メモリ823が、この
周波数偏差Δfを最小にする位相回転情報をもった三角
関数情報(sinθ,cosθ)を複素演算器74に供
給することにより、複素演算器74でIch,Qch信
号のもつ周波数偏差を最小にすることができるので、受
信信号の受けたフェージングなどの影響によってキャリ
ア同期が外れることを防ぐことができ、これにより、極
めて効果的に、キャリア同期が外れたときのような急峻
な周波数飛びを防止して正確に受信信号を復調すること
ができるようになる。
【0192】また、フェージングがない状態では、着信
レベル対ビットエラーレート(BER)特性を十分に確
保できるとともに、フェージングがある状態でも、ML
SE型等化器75による等化動作により十分な伝送品質
を保つことができる。これは、MLSE型等化器75に
よって、伝送路の状態によってどのような干渉波の影響
が受信データに起こるかを、最尤系列推定を用いて予測
して、その特性を周波数圧縮を行なったベースバンド信
号にトラッキングさせることができるからである。
【0193】なお、本実施例におけるMLSE型等化器
75を用いた復調装置は、いずれも単一のRF信号を受
信してこの受信信号を復調する場合の構成であるが、本
発明のMLSE型等化器を用いた復調装置は、いわゆる
ダイバーシチ受信構成で複数のRF信号を受信して合成
した受信信号を復調する構成としてもよい。そして、こ
の場合は、MLSE型等化器75は、第1実施例にて前
述したごとくブランチメトリックを合成する構成を有す
るMLSE型等化器29が用いられる。
【0194】また、本実施例におけるMLSE型等化器
75を用いた復調装置では、MLSE型等化器75に、
他のMLSE型等化器を用いてもよい。 (b−1)第2実施例の第1変形例の説明 図36は本発明の第2実施例のMLSE型等化器を用い
た復調装置の第1変形例を示すブロック図で、この図3
6において、図27に示す符号と同一符号が指す部分は
それぞれ図27にて前述したものと同様のものである
が、この図36に示す復調装置は、図27にて前述した
復調装置に比して、制御部83と周波数弁別器80Aと
が設けられている点が異なる。
【0195】ここで、制御部83は、MLSE型等化器
75内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報
に応じ、後述する周波数弁別器80Aで検出された周波
数偏差(周波数偏差)Δfまたは周波数偏差無し(Δf
=0:所定の固定周波数偏差)の情報のいずれかを選択
的に用いることにより、発振器(三角関数発生部)82
を制御するものである。
【0196】具体的に、この制御部83は、受信信号か
らMLSE型等化器75のためのトレーニングデータの
開始などを示す初期ユニークワード(UW)情報がとれ
るまでは、周波数弁別器80Aで検出された周波数偏差
Δfを用いて、発振器(三角関数発生部)82を制御す
るとともに、受信信号から初期UW情報がとれると、そ
の後は、MLSE型等化器75内で得られる先行波情報
と遅延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、周波
数弁別器80Aで検出された周波数偏差Δfを用いて、
発振器82を制御する一方、MLSE型等化器75内で
得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値
より小さい場合は、周波数偏差Δf=0という所定の固
定周波数偏差を用いて、発振器82を制御するようにな
っている。
【0197】また、周波数弁別器80Aは、図27にて
前述した周波数弁別器80と同様に、遅延回路79によ
って時間的にΔTだけ間隔をあけた、MLSE型等化器
75での等化前のIch,Qch信号を用いて、各Ic
h,Qch信号のもつ周波数偏差Δfを検出するととも
に、制御部83の制御に応じて、検出した周波数偏差Δ
f又はΔf=0のいずれかを選択的に出力するものであ
る。
【0198】このため、本変形例における周波数弁別器
80Aは、図37に示すように、図28にて前述したも
のとそれぞれ同様の角度偏差算出部801及び周波数偏
差算出部802に加えて、固定周波数偏差部803及び
セレクタ(SEL)804で構成される。ここで、固定
周波数偏差部803は、固定の周波数偏差Δf=0を出
力するものであり、セレクタ(SEL)804は、この
固定周波数偏差部803からの周波数偏差Δf=0と周
波数偏差算出部802で得られる周波数偏差Δfとを制
御部83の制御に応じて選択的に出力するものである。
【0199】なお、本変形例においても、この周波数弁
別器80Aは、図29にて前述したごとく位相偏差算出
部801と同様の位相偏差算出部801A,801Bを
用いて構成しても、周波数偏差Δfを検出することがで
きる。上述のごとく構成された本変形例におけるMLS
E型等化器75を用いた復調装置でも、図27〜図35
を用いて前述したごとく、MLSE型等化器75での等
化前の各Ich,Qch信号から周波数弁別器80Aの
角度偏差算出部801によって、現時点の最新の角度偏
差θnew が算出され、この角度偏差θnew と、遅延回路
79で遅延された過去の角度偏差θold とを用いて、周
波数偏差算出部802によって、Ich,Qch信号の
もつ周波数偏差Δfが検出される。
【0200】そして、本変形例における復調装置では、
受信信号から初期UW情報がとれるまでは、制御部83
によってセレクタ804が制御されて、周波数弁別器8
0Aで検出された周波数偏差Δfが選択され、この周波
数偏差Δfを用いて、各A/D変換器72,73からの
Ich,Qch信号がもつ周波数偏差を最小にする位相
回転情報をもった三角関数情報(sinθ,cosθ)
を複素演算器74に供給するよう発振器82が制御され
る。
【0201】また、受信信号から初期UW情報がとれる
と、その後、MLSE型等化器75内で得られる先行波
情報と遅延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、
同様に、制御部83によってセレクタ804が制御され
て、周波数弁別器80Aで検出された周波数偏差Δfが
選択され、この周波数偏差Δfを用いて、上述のごとく
発振器82が制御される一方、MLSE型等化器75内
で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定
値より小さい場合は、制御部83によってセレクタ80
4が制御されて、固定周波数偏差部803からの周波数
偏差Δf=0という所定の固定周波数偏差が選択され、
この周波数偏差Δf=0を用いて、発振器82が制御さ
れる。
【0202】つまり、MLSE型等化器75による受信
信号の等化が十分でない初期の段階などにおいては、周
波数弁別器80Aで検出される周波数偏差Δfを用い
て、Ich,Qch信号のもつ周波数偏差が最小となる
ように発振器82を制御し、MLSE型等化器75によ
る受信信号の等化が十分な場合には、Ich,Qch信
号のもつ周波数偏差は十分小さく周波数偏差を調整する
必要がないものとして、固定の周波数偏差Δf=0を用
いて発振器82を制御しているのである。
【0203】従って、図28にて前述した周波数弁別器
80(80′)に固定周波数偏差部803及びセレクタ
804を加えるという周波数弁別器80Aの簡素な構成
にもかかわらず、MLSE型等化器75で得られる先行
波情報と遅延波情報との偏差情報に応じて、周波数弁別
器80Aで得られる周波数偏差Δfを最小にするよう制
御することができるので、極めて効果的に、キャリア同
期が外れたときのような急峻な周波数飛びを防止して受
信信号を正確に復調することができるとともに、十分な
伝送品質を保つことができる。
【0204】(b−2)第2実施例の第2変形例の説明 図38は本発明の第2実施例としてのMLSE型等化器
を用いた復調装置の第2変形例を示すブロック図で、こ
の図39においても、図27中に示す符号と同一符号を
付したものはそれぞれ図27にて前述したものと同様の
ものであるが、この図39に示す復調装置は、図27に
て前述した復調装置に比して、直交検波部65の局部発
振器655の代わりに電圧制御型の局部発振器(Lo VCO)
655′が用いられ、複素演算器74が省かれ、積分器
(LPF)84及びD/A変換器85が設けられている
点が異なる。
【0205】すなわち、この図38に示す復調装置は、
MLSE型等化器75の等化前のIch,Qchの各デ
ィジタル復調信号から周波数弁別器80で得られるディ
ジタル量の周波数偏差ΔfをLPF84及びD/A変換
器85によってアナログ量に変換して直交検波部65の
局部発振器655′に供給することにより、直交検波部
65でIch,Qchベースバンド信号を得る際に、I
ch,Qch信号がもつ周波数偏差を、最小となるよう
に制御するようになっているのである。
【0206】これにより、本変形例におけるMLSE型
等化器を用いた復調装置でも、LMSE型等化器75で
の等化前のIch,Qch信号のもつ周波数偏差Δfを
周波数弁別器80で検出し、このディジタル量の周波数
偏差ΔfをD/A変換器85によってD/A変換してア
ナログ量に変換して、直交検波部65の局部発振器65
5′に供給することにより、この周波数偏差Δfを最小
にするように直交検波部65の局部発振器655′の発
振周波数を制御することができるので、受信信号の受け
たフェージングなどの影響によってキャリア同期が外れ
ることを防ぐことができ、これにより、極めて効果的
に、キャリア同期が外れたときのような急峻な周波数飛
びを防止して正確に受信信号を復調することができると
ともに、十分な伝送品質を保つことができる。
【0207】(b−3)第2実施例の第3変形例の説明 図39は本発明の第2実施例としてのMLSE型等化器
を用いた復調装置の第3変形例を示すブロック図である
が、この図39において、図38中に示す符号と同一符
号を付すものはそれぞれ図38にて前述したものと同様
のものであるが、この図39に示す復調装置は、図38
に示す復調装置に比して、第1変形例において図36に
て前述したものと同様の制御部83が設けられている点
が異なる。
【0208】すなわち、この図39に示す復調装置は、
図36にて前述した復調装置を、第2変形例と同様に、
周波数弁別器80Aで得られるIch,Qch信号がも
つディジタル量の周波数偏差Δfを、LPF84及びD
/A変換器85を通じてアナログ量に変換して、直交検
波部65の局部発振器655′へ供給するように構成し
たものである。
【0209】これにより、本変形例におけるMLSE型
等化器を用いた復調装置では、受信信号から初期UW情
報が検出されるまでの間と、初期UW情報が検出されM
LSE型等化器75内で得られる先行波情報と遅延波情
報との偏差情報が所要量以上の間(MLSE型等化器7
5による受信信号の等化が十分でない初期の段階など)
とにおいては、図37にて前述したごとく制御部83に
よってセレクタ804が制御されて、周波数偏差算出部
802で検出されるIch,Qch信号がもつ周波数偏
差(ディジタル量)Δfが選択され、これがD/A変換
器85でアナログ量に変換されて、直交検波部65の局
部発振器655′へ供給されることにより、周波数弁別
器80Aで検出されたIch,Qch信号がもつ周波数
偏差Δfを最小にするように、直交検波部65の局部発
振器655′が制御される。
【0210】一方、初期UW情報が検出された後、ML
SE型等化器75内で得られる先行波情報と遅延波情報
との偏差情報が所要量以下の場合(MLSE型等化器7
5による受信信号の等化が十分な場合など)には、Ic
h,Qch信号のもつ周波数偏差Δfは十分小さく周波
数偏差Δfを調整する必要がないものとして、制御部8
3によってセレクタ804が制御されて、固定周波数偏
差部803からの固定の周波数偏差Δf=0が選択され
る。
【0211】そして、この周波数弁別器80Aの周波数
偏差算出部802で得られた周波数偏差これがD/A変
換器85でアナログ量に変換されて、直交検波部65の
局部発振器655′へ供給されることによって、この所
要量以下の周波数偏差Δfが保持されるように、直交検
波部65の局部発振器655′の発振周波数が制御され
る。
【0212】従って、この場合も、図38に示す周波数
弁別器80に固定周波数偏差部803及びセレクタ80
4を加えたという周波数弁別器80Aの簡素な構成にも
かかわらず、MLSE型等化器75内で得られる先行波
情報と遅延波情報との偏差情報に応じて、Ich,Qc
h信号のもつ周波数偏差を最小にするように制御するこ
とができるので、極めて効果的に、常に、キャリア同期
が外れたときのような急峻な周波数飛びを防止して正確
に受信信号を復調することができるとともに、十分な伝
送品質を保つことができる。
【0213】(c)第3実施例の説明 図40は本発明の第3実施例としてのMLSE型等化器
を用いた復調装置の構成を示すブロック図であるが、こ
の図40に示す復調装置は、図27にて前述したものと
それぞれ同様のAGCアンプ64,直交検波部65,ア
ンプ68,69,ローパスフィルタ(FIL)70,7
1,A/D変換器72,73,複素演算器(位相回転
部)74,MLSE型等化器75,クロック(CLK)
再生部76,ローパスフィルタ(LPF)81及び発振
器(NCO:三角関数発生部)82に加えて、ユニーク
ワード(UW)検出部86,パラレル/シリアルデータ
変換部(P/S変換部)87及び周波数偏差(Δf)検
出部88を用いて構成されている。
【0214】なお、本実施例の復調装置は、k相無線通
信でのバースト受信信号を復調する場合を想定してお
り、このため、本実施例における直交検波部65は、主
に、このバースト受信信号を局部発振器655からのロ
ーカル信号を用いて直交検波を施すようになっている。
ここで、ユニークワード検出部(バースト受信信号開始
・終了検出部)86は、受信信号のデータ中、バースト
受信信号の開始と終了とを示すユニークワード(UW)
を検出して、これに応じてSTART/STOP信号を
出力するものであり、周波数偏差検出部(周波数弁別
器)88は、第2実施例にて前述した周波数弁別器80
と同様に、遅延回路79によって時間的に間隔をあけ
た、MLSE型等化器75での等化前のIch,Qch
信号(複数のデータ)を用いて、各Ich,Qch信号
のもつ周波数偏差を検出するものである。なお、P/S
変換部87は、MLSE型等化器75が各A/D変換器
72,73でそれぞれA/D変換されて得られたIc
h,Qchディジタル復調信号を入力として、ビタビア
ルゴリズムを用いて、最尤系列推定を施すことによって
得られたパラレルデータ(等化データ)をシリアルに変
換して出力するものである。
【0215】そして、図41は上述の周波数偏差検出部
88の構成を示すブロック図であるが、この図41に示
すように、この周波数偏差検出部88は、第2実施例に
おいて図37により前述したものと同様の角度偏差算出
部801,遅延回路79,周波数偏差算出部802,セ
レクタ(SEL)804及び固定周波数偏差部(Δf=
0)を用いて構成される。なお、この場合も、この周波
数偏差検出部88は、第2実施例において図29にて前
述した周波数弁別器80′のごとく、角度偏差算出部8
01A,801Bを用いて構成することができる。
【0216】そして、本実施例における復調装置でも、
第2実施例と同様に、MLSE型等化器75での等化前
のIch,Qch信号を用いて、各Ich,Qch信号
のもつ周波数偏差Δfが周波数偏差検出部88で検出さ
れるが、UW検出部86でバースト受信信号の開始が検
出されると、START信号が周波数偏差検出部88の
セレクタ804へ出力される。
【0217】これにより、周波数偏差検出部88では、
セレクタ804によって周波数偏差算出部802で得ら
れた周波数偏差Δfが選択されて、この周波数偏差検出
部88で得られた周波数偏差Δfが最小になるように、
複素演算器74へ位相回転情報をもった三角関数情報
(sinθ,cosθ)を供給する発振器82が制御さ
れる。
【0218】その後、UW検出部86でバースト受信信
号の終了が検出されると(実際には、バースト受信信号
の開始が検出されてからのある所定の時間が経過したと
き)、STOP信号が周波数偏差検出部88のセレクタ
804へ出力され、これにより、セレクタ804では、
そのときの周波数偏差検出部88の周波数偏差を保持す
るように、固定周波数偏差部803からの周波数偏差Δ
f=0が選択されて、次のバースト受信信号が検出され
るまで、発振器82から出力される三角関数情報(si
nθ,cosθ)の値が固定になるよう制御される。
【0219】上述のごとく動作をバースト受信信号毎に
繰り返すことによって、バースト受信信号の復調が行な
われる。また、本実施例でも、周波数偏差検出部88で
は、得られた周波数偏差Δfに応じて、遅延回路79で
の遅延時間ΔTを可変にすることによって、この周波数
偏差Δfを検出する際の角度偏差θnew ,θold (検出
データ)の時間間隔ΔTを可変にすることができる。
【0220】具体的には、例えば、周波数偏差Δfが大
きい場合は、時間間隔ΔTを短くし、逆に周波数偏差Δ
fが小さい場合は、時間間隔ΔTを長くするといった具
合に、得られた周波数偏差Δfの大きさと、この周波数
偏差Δfを検出する際の角度偏差θnew ,θold の時間
間隔ΔTとが反比例するように時間間隔ΔTを可変にし
ている。
【0221】これにより、周波数偏差算出部802で得
られた周波数偏差Δfが大きい場合は、より短い時間間
隔ΔTで式(4)による演算が行なわれ、周波数偏差Δ
fが小さい場合は、より長い時間間隔ΔTで式(4)に
よる演算が行なわれ、この結果、常に、正確な位相ずれ
情報Δfを安定して検出することができるようになる。
【0222】以上のように本発明の第3実施例としての
MLSE型等化器75を用いた復調装置によれば、バー
スト受信信号を復調するに際しても、極めて簡素な構成
で、Ich,Qch信号がもつ周波数偏差Δfを最小に
するように、複素演算器74へ位相回転情報をもった三
角関数情報(sinθ,cosθ)を供給する発振器8
2を制御することができるので、受信信号の受けたフェ
ージングなどの影響によってキャリア同期が外れること
を防ぐことができ、これにより、極めて正確に、バース
ト受信信号の復調を行なうことができる。
【0223】また、符号間干渉の影響に対してすぐれた
特性を持つMLSE型等化器75の使用が可能であるた
め、遅延検波方式を用いた復調装置に比して、大幅に回
線品質を向上させることができるとともに、シンボルの
クロックレートの高速化や多相位変調などの実現にも大
いに寄与する。なお、本実施例におけるMLSE型等化
器75を用いた復調装置は、単一のRF信号を受信して
この受信信号を復調する場合の構成であるが、本発明の
MLSE型等化器を用いた復調装置は、いわゆるダイバ
ーシチ受信構成で複数のRF信号を受信して合成した受
信信号を復調する構成としてもよい。そして、この場合
も、MLSE型等化器75には、第1実施例にて前述し
たごとくブランチメトリックを合成する構成を有するM
LSE型等化器29が用いられる。
【0224】また、本実施例におけるMLSE型等化器
75を用いた復調装置では、MLSE型等化器75に、
他のMLSE型等化器を用いてもよい。また、上述のM
LSE型等化器を用いた復調装置は、基地局で次々に受
信する子局が切り替わり、子局ごとに受信信号のもつ周
波数偏差が異なる場合にも対応できるよう、バースト受
信信号終了時に、周波数偏差検出部88の入力情報また
は出力情報を子局毎に複数組記憶する記憶部を設けて、
それぞれ異なる複数の周波数偏差が複数存在する場合な
どでも、それぞれの周波数偏差を最小にするように制御
して、正確に複数のデータを復調するように構成するこ
ともできる。
【0225】(c−1)第3実施例の第1変形例の説明 図42は本発明の第3実施例としてのMLSE型等化器
を用いた復調装置の第1変形例を示すブロック図で、こ
の図42において、図40中に示す符号と同一符号を付
したものはそれぞれ図40にて前述したものと同様のも
のであるが、この図42示す復調装置は、図40にて前
述した復調装置に比して、制御部89が設けられる点が
異なる。
【0226】ここで、この制御部89は、第2実施例に
おいて図36及び図37にて前述した制御部83と同様
に、MLSE型等化器75内で得られる先行波情報と遅
延波情報との偏差情報に応じ、周波数偏差検出部(周波
数弁別器)88で検出された周波数偏差Δfまたは所定
の固定周波数偏差Δf=0のいずれかを選択的に用いる
ことにより、周波数偏差検出部88を通じて、発振器
(三角関数発生部)82を制御するものである。
【0227】具体的に、この制御部89は、本実施例で
も、受信信号から初期UW情報がとれるまでは、周波数
偏差検出部88で検出された周波数偏差Δfを用いて、
発振器82を制御するとともに、受信信号から初期UW
情報がとれると、その後、MLSE型等化器75内で得
られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値以
上の場合は、周波数偏差検出部88で検出された周波数
偏差Δfを用いて、発振器82を制御する一方、MLS
E型等化器75内で得られる先行波情報と遅延波情報と
の偏差情報が所定値より小さい場合は、所定の固定周波
数偏差Δf=0を用いて、発振器82を制御するように
なっている。
【0228】これにより、この図42に示すMLSE型
等化器を用いた復調装置では、UW検出部86で受信信
号から初期UW情報が検出されると、START信号が
制御部89へ出力され、制御部89はこのSTART信
号を受けると、MLSE型等化器75内で得られる先行
波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値以上の場合
は、周波数偏差検出部88で検出される周波数偏差Δf
を用いて発振器82が制御されるよう周波数偏差検出部
88のセレクタ804を制御する。
【0229】そして、このセレクタ804からは周波数
偏差算出部802で算出された周波数偏差Δfが出力さ
れ、これが、Ich,Qch信号のもつ周波数偏差を最
小にする位相回転情報をもった三角関数情報(sin
θ,cosθ)を複素演算器74に出力する発振器82
へ供給されて、発振器82が制御される。一方、UW検
出部86で受信信号から初期UW情報が検出され、ST
ART信号が制御部89へ出力された後、MLSE型等
化器75内で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差
情報が所定値より小さい場合、制御部83は周波数偏差
検出部88の固定周波数偏差部803からの周波数偏差
Δf=0を用いて発振器82が制御されるようセレクタ
804を制御する。
【0230】これにより、周波数偏差検出部88からは
固定の周波数偏差Δf=0が出力され、これがLPF8
1を通じて発振器82へ供給されることにより、前時点
で周波数偏差検出部88で検出された周波数偏差Δfを
用いての発振器82の制御が維持される。つまり、本変
形例における復調装置でも、第2実施例の第1変形例に
て前述した復調装置と同様に、MLSE型等化器75に
よる受信信号の等化が十分でない初期の段階などにおい
ては、周波数偏差検出部88で検出される周波数偏差Δ
fを用いて、Ich,Qch信号のもつ周波数偏差が最
小となるように発振器82を制御し、MLSE型等化器
75による受信信号の等化が十分な場合には、Ich,
Qch信号のもつ周波数偏差は十分小さく周波数偏差を
調整する必要がないものとして、固定の周波数偏差Δf
=0により前時点での周波数偏差Δfを用いて発振器8
2を制御することができるのである。
【0231】従って、図28にて前述した周波数弁別器
80(80′)に固定周波数偏差部803及びセレクタ
804を加えるという周波数弁別器80Aの簡素な構成
にもかかわらず、MLSE型等化器75内で得られる先
行波情報と遅延波情報との偏差情報に応じて、Ich,
Qch信号のもつ周波数偏差Δfを最小にするように、
発振器82を制御することができるので、より正確に、
バースト受信信号の復調を行なうことができるようにな
る。
【0232】また、符号間干渉の影響に対してすぐれた
特性を持つMLSE型等化器75を用いるため、遅延検
波方式を用いた復調装置に比して、大幅に回線品質を向
上させることができるとともに、シンボルのクロックレ
ートの高速化や多相位変調などの実現にも大いに寄与す
る。 (c−2)第3実施例の第2変形例の説明 図43は本発明の第3実施例としてのMLSE型等化器
を用いた復調装置の第2変形例を示すブロック図で、こ
の図43においても、図40中に示す符号と同一符号付
したものはそれぞれ図40にて前述したものであるが、
この図43に示す復調装置は、図40にて前述した復調
装置に比して、積分器(LPF)84及びD/A変換器
85が設けられ、複素演算器74が省かれる点が異な
る。
【0233】すなわち、この図43に示す復調装置は、
MLSE型等化器75の等化前のIch,Qchの各デ
ィジタル復調信号から周波数偏差検出部(周波数弁別
器)88で得られるディジタル量の周波数偏差ΔfをL
PF84及びD/A変換器85によってアナログ量に変
換して、直交検波部65の局部発振器655に供給する
ことにより、直交検波部65でIch,Qchベースバ
ンド信号を得る際に、Ich,Qch信号がもつ周波数
偏差Δfを、最小にするように制御できるようになって
いるのである。
【0234】これにより、本変形例におけるMLSE型
等化器を用いた復調装置でも、MLSE型等化器75で
の等化前のIch,Qch信号を用いて、各Ich,Q
ch信号のもつ周波数偏差Δfが周波数偏差検出部88
で検出されるが、UW検出部86でバースト受信信号の
開始が検出されると、START信号が周波数偏差検出
部88のセレクタ804へ出力される。
【0235】そして、周波数偏差検出部88では、セレ
クタ804によって周波数偏差算出部802で得られた
周波数偏差Δfが選択されて、これがLPF84及びD
/A変換器85でアナログ量に変換されて、直交検波部
65の局部発振器655へ供給され、この周波数偏差Δ
fに応じて、局部発振器655の発振周波数が制御され
る。
【0236】その後、UW検出部86でバースト受信信
号の終了が検出されると(実際には、バースト受信信号
の開始が検出されてからのある所定の時間が経過したと
き)、STOP信号が周波数偏差検出部88のセレクタ
804へ出力され、これにより、セレクタ804では、
そのときの周波数偏差検出部88の周波数偏差を保持す
るように、固定周波数偏差部803からの周波数偏差Δ
f=0が選択されて、次のバースト受信信号が検出され
るまで、局部発振器655の発振周波数が固定になるよ
う制御される。
【0237】上述のごとく動作をバースト受信信号毎に
繰り返すことによって、バースト受信信号の復調が行な
われる。このように、本変形例におけるMLSE型等化
器75を用いた復調装置でも、LMSE型等化器75で
の等化前のIch,Qch信号のもつ周波数偏差Δfを
周波数偏差検出部88で検出し、UW検出部86でバー
スト受信信号の開始/終了を示すUW情報が検出された
際に出力されるSTART/STOP信号に応じて、こ
の周波数偏差ΔfをD/A変換器85によってD/A変
換してアナログ量に変換して、直交検波部65の局部発
振器655に供給することにより、この周波数偏差Δf
を最小にするように局部発振器655の発振周波数を制
御することができるので、バースト受信信号の受けたフ
ェージングなどの影響によってキャリア同期が外れるこ
とを防ぐことができ、これにより、極めて正確に、バー
スト受信信号の復調を行なうことができるとともに、十
分な伝送品質を保つことができる。
【0238】(c−3)第3実施例の第3変形例の説明 図44は本発明の第3実施例としてのMLSE型等化器
を用いた復調装置の第3変形例を示すブロック図で、こ
の図44において、図43中に示す符号と同一符号を付
したものはそれぞれ図43にて前述したものと同様のも
のであるが、この図44に示す復調装置は、図43にて
前述した復調装置に比して、第1変形例において図42
にて前述したものと同様の制御部89が設けられる点が
異なる。
【0239】すなわち、この図44に示す復調装置は、
本実施例の第1変形例において図42により前述した復
調装置において、周波数弁別器80Aで得られるIc
h,Qch信号がもつディジタル量の周波数偏差Δf
を、LPF84及びD/A変換器85を通じてアナログ
量に変換して、直交検波部65の局部発振器655へ供
給できるように構成したものである。
【0240】これにより、本変形例におけるMLSE型
等化器を用いた復調装置でも、UW検出部86で受信信
号から初期UW情報が検出されると、START信号が
制御部89へ出力され、制御部89はこのSTART信
号を受けると、MLSE型等化器75内で得られる先行
波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値以上の場合
は、周波数偏差検出部88で検出される周波数偏差Δf
を用いて発振器82が制御されるよう周波数偏差検出部
88のセレクタ804(図41参照)を制御する。
【0241】そして、このセレクタ804からは周波数
偏差算出部802で算出された周波数偏差Δfが出力さ
れ、これが、LPF84及びD/A変換器85によって
でディジタル量からアナログ量に変換されて直交検波部
65の局部発振器655に供給され、これに応じて、局
部発振器655の発振周波数が制御されて、Ich,Q
chがもつ周波数偏差Δfが最小となるように制御され
る。
【0242】一方、UW検出部86で受信信号から初期
UW情報が検出され、START信号が制御部89へ出
力された後、MLSE型等化器75内で得られる先行波
情報と遅延波情報との偏差情報が所定値より小さい場
合、制御部83は周波数偏差検出部88の固定周波数偏
差部803からの周波数偏差Δf=0を用いて発振器8
2が制御されるようセレクタ804を制御する。
【0243】これにより、周波数偏差検出部88からは
固定の周波数偏差Δf=0が出力され、これが、同様
に、LPF84及びD/A変換器85によってでディジ
タル量からアナログ量に変換されて直交検波部65の局
部発振器655に供給されることにより、局部発振器6
55の発振周波数が、前時点において周波数偏差検出部
88で検出された周波数偏差Δfを用いて制御された発
振周波数に維持される。
【0244】つまり、本変形例における復調装置でも、
第2実施例の第1変形例にて前述した復調装置と同様
に、MLSE型等化器75による受信信号の等化が十分
でない初期の段階などにおいては、周波数偏差検出部8
8で検出される周波数偏差Δfを用いて、Ich,Qc
h信号のもつ周波数偏差が最小となるように直交検波部
65における局部発振器655の発振周波数を制御し、
MLSE型等化器75による受信信号の等化が十分な場
合には、Ich,Qch信号のもつ周波数偏差Δfは十
分小さくこの偏差を調整する必要がないものとして、固
定の周波数偏差Δf=0により前時点での周波数偏差Δ
fを用いて制御された発振周波数に局部発振器655の
発振周波数が維持することができるのである。
【0245】従って、常に、極めて効果的に、Ich,
Qch信号のもつ周波数偏差Δfを最小にすることがで
き、また、MLSE型等化器75内で得られる先行波情
報と遅延波情報との偏差情報に応じて、Ich,Qch
信号のもつ周波数偏差Δfを最小にするように、発振器
82を制御することができるので、さらに正確に、バー
スト受信信号の復調を行なうことができる。
【0246】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のMLSE
型等化器によれば、レプリカ生成部,誤差算出部,ブラ
ンチメトリック部,加算・比較・選択部,インパルス応
答演算部,パスメモリ部が独立した演算器を有するよう
に構成され、且つ、インパルス応答演算部とレプリカ生
成部との間に、データの書き込み及び読み出しを同時に
行なうことのできるインパルス応答メモリ部が介装され
ているので、インパルス応答演算部からの演算結果の書
き込みとレプリカ生成部へのインパルス応答演算部から
の演算結果の読み出しとを同時に行なうことができ、こ
れにより、極めて簡素な構成で、高速に受信信号の等化
処理を行なえるという利点がある(請求項1)。
【0247】さらに、具体的に、上述のレプリカ生成部
では、第1エンコーダによって、基準信号点の複素値が
kビットアドレスより変換され、この情報を用いて、1
シンボル毎にk×k種類のレプリカが1クロックサイク
ルで1種生成されるので、極めて簡素な構成で、且つ、
高速にレプリカを生成することができるようになる(請
求項2)。
【0248】また、インパルス応答演算部では、第2エ
ンコーダによって、基準信号点に収束係数を掛け合わせ
た複素値がkビットアドレスより変換されるので、極め
て簡素な構成で、インパルス応答演算部での演算に必要
なデータ(基準信号点×収束係数)得られるとともに、
インパルス応答演算部での演算処理を高速に行なうこと
ができるようになる(請求項3)。
【0249】また、上述のインパルス応答メモリ部に、
DRAMを用いれば、極めて簡素な構成で、インパルス
応答演算部からの演算結果の書き込みとレプリカ生成部
へのインパルス応答演算部からの演算結果の読み出しと
を高速に行なうことができる(請求項4)。
【0250】さらに、加算・比較・選択処理部に設けら
れるパスメトリックメモリ部を、2個のメモリで構成す
れば、前時点のパスメトリックの読み出しと、現時点の
選択パスメトリックの書き込みとをこれら2個のメモリ
の交互切替えによって実行することができるので、パス
メトリックについての加算処理・比較処理・選択処理
を、極めて高速に行なうことができる(請求項5)。
【0251】さらに、誤差レジスタにより、加算・比較
・選択処理部の出力を誤差アドレスとして、k×k種類
の誤差からkクロック周期で所要の誤差を出力し、この
誤差をインパルス応答演算部へ出力することができるの
で、誤差算出部で得られた誤差を加算・比較・選択処理
部でのパスメトリックについての加算処理・比較処理・
選択処理と同一速度,タイミングで出力することがで
き、これにより、極めて高速に誤差を選択して出力する
ことができる(請求項6)。
【0252】また、FIFOメモリによって、誤差算出
部の入力側で受信信号を一時的に保存することができる
ので、MLSE型等化器内での処理を受信信号に対して
非同期に行なうことが可能になり、これにより高速クロ
ックを用いて高速処理を行なうことができるようになる
(請求項7)。さらに、本発明のMLSE型等化器によ
れば、第1レプリカ生成部,第2レプリカ生成部,第1
誤差算出部,第2誤差算出部,第1ブランチメトリック
部,第2ブランチメトリック部,加算・比較・選択処理
部,パスメモリ部,第1インパルス応答演算部,第2イ
ンパルス応答演算部がそれぞれ独立して演算を行なうの
で、この場合も、極めて簡素な構成で、高速に受信信号
の等化処理を行なえるという利点があるとともに、第1
ブランチメトリック部及び第2ブランチメトリック部の
いずれか一方のブランチメトリックを所定値に固定して
出力するので、極めて容易に、第1ブランチメトリック
部又は第2ブランチメトリック部のブランチメトリック
のみを用いて処理を行なうこともできるようになる(以
上、請求項8)。
【0253】また、本発明のMLSE型等化器を用いた
復調装置によれば、周波数弁別器によって、MLSE型
等化器での等化前の時間的に間隔をあけた複数のデータ
を用いて、これらのデータのもつ周波数偏差を検出し、
この周波数偏差を最小にするように、直交検波部におけ
る局部発振器の発振周波数を制御することができるの
で、受信信号の受けたフェージングなどの影響によって
周波数偏差が大きくなり過ぎてキャリア同期が外れるこ
とを防ぐことができ、これにより、極めて効果的に、キ
ャリア同期が外れたときのような急峻な周波数飛びを防
止して正確に受信信号を復調することができるという利
点がある(請求項9)。
【0254】また、上述の制御部は、周波数弁別器で得
られた周波数偏差に応じて、この周波数偏差を検出する
際の検出データの時間間隔を可変にすることができる、
具体的には、周波数弁別器で得られた周波数偏差の大き
さと、この周波数偏差を検出する際の検出データの時間
間隔とが反比例するように、周波数偏差を検出する際の
検出データの時間間隔を可変にすることができるので、
常に、正確な位相偏差を安定して検出することができる
ようになる(請求項10,11)。
【0255】また、この制御部は、MLSE型等化器内
で得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報に応
じ、周波数弁別器で検出された周波数偏差または所定の
固定周波数偏差のいずれかを選択的に用いることによ
り、局部発振器の発振周波数を制御することができるの
で、極めて簡素な構成で、且つ、効果的に、急峻な周波
数飛びを防止して受信信号を正確に復調することができ
るとともに、十分な伝送品質を保つことができる(請求
項12,13)。
【0256】さらに、本発明のMLSE型等化器を用い
た復調装置によれば、MLSE型等化器での等化前の複
数のデータのもつ周波数偏差を周波数弁別器で検出し、
この周波数偏差を用いて、この周波数偏差を最小にする
位相回転情報をもった三角関数情報を複素演算器に供給
する三角関数発生部が制御されるので、MLSE型等化
器での等化前の複数のデータのもつ周波数偏差を最小に
することができ、極めて効果的に、急峻な周波数飛びな
どを防止して正確に受信信号を復調することができるよ
うになる(請求項14)。
【0257】さらに、この場合も、上述の制御部は、周
波数弁別器で得られた周波数偏差に応じて、この周波数
偏差を検出する際の検出データの時間間隔を可変にす
る、具体的には、周波数弁別器で得られた周波数偏差の
大きさと、この周波数偏差を検出する際の検出データの
時間間隔とが反比例するように、周波数偏差を検出する
際の検出データの時間間隔を可変にすることができるの
で、常に、正確な位相偏差を安定して検出することがで
きるようになる(請求項15,16)。
【0258】また、MLSE型等化器内で得られる先行
波情報と遅延波情報との偏差情報に応じ、周波数弁別器
で検出された周波数偏差または所定の固定周波数偏差の
いずれかを選択的に用いることにより、三角関数発生部
を制御することもできるので、極めて簡素な構成で、且
つ、効果的にMLSE型等化器内で得られる先行波情報
と遅延波情報との偏差情報に応じて、MLSE型等化器
での等化前の複数のデータのもつ周波数偏差を最小にす
ることができ、これにより、正確に受信信号の復調を行
なうことができるようになる(請求項17,18)。
【0259】さらに、本発明のMLSE型等化器を用い
た復調装置によれば、バースト受信信号開始・終了検出
部でバースト受信信号の終了が検出されると、そのとき
の周波数弁別器の周波数偏差を保持するように、直交検
波部における局部発振器の発振周波数を制御することが
できるので、バースト受信信号を復調するに際しても、
極めて簡素な構成で、MLSE型等化器での等化前の複
数のデータのもつ周波数偏差を最小にするように、直交
検波部における局部発振器を制御することができるの
で、受信信号の受けたフェージングなどの影響によって
周波数偏差が大きくなりキャリア同期が外れることを防
ぎ、極めて正確に、バースト受信信号の復調を行なうこ
とができるようになる。また、先行波,遅延波による符
号間干渉の影響に対してすぐれた特性を持つMLSE型
等化器を使用するため、遅延検波方式を用いた復調装置
に比して、大幅に回線品質を向上させることができると
ともに、受信信号データのクロックレートの高速化や多
相位変調などの実現にも大いに寄与する(請求項1
9)。
【0260】さらに、この場合も、周波数弁別器で得ら
れた周波数偏差に応じて、この周波数偏差を検出する際
の検出データの時間間隔を可変にする、具体的には、周
波数弁別器で得られた周波数偏差の大きさと、この周波
数偏差を検出する際の検出データの時間間隔とが反比例
するように、周波数偏差を検出する際の検出データの時
間間隔を可変にすることができるので、常に、正確な位
相偏差を安定して検出することができるようになる(請
求項20,21)。
【0261】また、この場合も、MLSE型等化器内で
得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報に応じ、
周波数弁別器で検出された周波数偏差または所定の固定
周波数偏差のいずれかを選択的に用いることにより、局
部発振器の発振周波数を制御することができるので、極
めて簡素な構成で、MLSE型等化器内で得られる先行
波情報と遅延波情報との偏差情報に応じて、MLSE型
等化器での等化前の複数のデータのもつ周波数偏差を最
小にして、より正確に受信信号を復調することができる
ようになる(請求項22,23)。
【0262】なお、このとき記憶部によって、周波数弁
別器の入力情報または出力情報を複数組記憶することも
できるので、MLSE型等化器での等化前の複数のデー
タのもつ周波数偏差が複数存在する場合などでも、極め
て容易に、それぞれの周波数偏差を最小にするように制
御して、正確に複数のデータを復調することができる
(請求項24)。
【0263】また、本発明のMLSE型等化器を用いた
復調装置によれば、バースト受信信号開始・終了検出部
でバースト受信信号の開始が検出されると、周波数弁別
器で得られた周波数偏差が最小になるように、三角関数
発生部を制御するとともに、バースト受信信号開始・終
了検出部でバースト受信信号の終了が検出されると、そ
のときの周波数弁別器の周波数偏差を保持するように、
三角関数発生部を制御することができるので、この場合
も、バースト受信信号を復調するに際しても、極めて簡
素な構成で、MLSE型等化器での等化前の複数のデー
タのもつ周波数偏差を最小にするように、直交検波部に
おける局部発振器を制御することができるので、受信信
号の受けたフェージングなどの影響によって周波数偏差
が大きくなりキャリア同期が外れることを防ぎ、極めて
正確に、バースト受信信号の復調を行なうことができる
ようになる。また、先行波,遅延波による符号間干渉の
影響に対してすぐれた特性を持つMLSE型等化器を使
用するため、遅延検波方式を用いた復調装置に比して、
大幅に回線品質を向上させることができるとともに、受
信信号データのクロックレートの高速化や多相位変調な
どの実現にも大いに寄与する(請求項25)。
【0264】さらに、この場合も、周波数弁別器で得ら
れた周波数偏差に応じて、この周波数偏差を検出する際
の検出データの時間間隔を可変にする、具体的には、周
波数弁別器で得られた周波数偏差の大きさと、周波数偏
差を検出する際の検出データの時間間隔とが反比例する
ように、周波数偏差を検出する際の検出データの時間間
隔を可変にすることができるので、常に、正確な位相偏
差を安定して検出することができるようになる(請求項
26,27)。
【0265】また、MLSE型等化器内で得られる先行
波情報と遅延波情報との偏差情報に応じ、周波数弁別器
で検出された周波数偏差または所定の固定周波数偏差の
いずれかを選択的に用いることにより、MLSE型等化
器での等化前の複数のデータのもつ周波数偏差を最小に
するように三角関数発生部を制御することもできるの
で、極めて簡素な構成で、MLSE型等化器内で得られ
る先行波情報と遅延波情報との偏差情報に応じて、ML
SE型等化器での等化前の複数のデータのもつ周波数偏
差を最小にして、より正確に受信信号を復調することが
できるようになる(請求項28,29)。
【0266】なお、このとき記憶部によって、周波数弁
別器の入力情報または出力情報を複数組記憶することも
できるので、MLSE型等化器での等化前の複数のデー
タのもつ周波数偏差が複数存在する場合などでも、極め
て容易に、それぞれの周波数偏差を最小にするように制
御して、正確に複数のデータを復調することができる
(請求項30)。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の原理ブロック図である。
【図2】第2の発明の原理ブロック図である。
【図3】第3の発明の原理ブロック図である。
【図4】第4の発明の原理ブロック図である。
【図5】第5の発明の原理ブロック図である。
【図6】第6の発明の原理ブロック図である。
【図7】本発明の第1実施例としてのMLSE型等化器
が適用される移動体無線通信システムの一例を示すブロ
ック図である。
【図8】第1実施例におけるMLSE型等化器の構成を
示すブロック図である。
【図9】第1実施例のMLSE型等化器におけるレプリ
カ生成部,DPRAM,CIR計算部の構成を示すブロ
ック図である。
【図10】第1実施例のMLSE型等化器におけるAC
S部及び誤差レジスタの構成を示すブロック図である。
【図11】第1実施例のMLSE型等化器におけるパス
メモリ部の構成を示すブロック図である。
【図12】第1実施例のMLSE型等化器におけるパス
メモリ部の構成を示すブロック図である。
【図13】第1実施例のMLSE型等化器におけるパス
メモリ部の構成を示すブロック図である。
【図14】第1実施例のMLSE型等化器の動作を説明
するための図である。
【図15】第1実施例のMLSE型等化器の動作を説明
するための図である。
【図16】第1実施例のMLSE型等化器の動作を説明
するための図である。
【図17】第1実施例のMLSE型等化器の動作を説明
するための図である。
【図18】第1実施例のMLSE型等化器の動作を説明
するための図である。
【図19】第1実施例のMLSE型等化器の動作を説明
するための図である。
【図20】第1実施例のMLSE型等化器の動作を説明
するための図である。
【図21】第1実施例のMLSE型等化器の動作を説明
するための図である。
【図22】第1実施例のMLSE型等化器におけるパス
メモリ部の動作を説明するための図である。
【図23】第1実施例のMLSE型等化器におけるパス
メモリ部の動作を説明するための図である。
【図24】第1実施例のMLSE型等化器におけるパス
メモリ部の動作を説明するための図である。
【図25】第1実施例のMLSE型等化器におけるパス
メモリ部の動作を説明するための図である。
【図26】(a),(b)はそれぞれ第1実施例のML
SE型等化器におけるパスメモリ部の動作を説明するた
めの図である。
【図27】本発明の第2実施例としてのMLSE型等化
器を用いた復調装置の構成を示すブロック図である。
【図28】第2実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置における周波数弁別器の構成を示すブロック図であ
る。
【図29】第2実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置における周波数弁別器の他の構成を示すブロック図
である。
【図30】第2実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置におけるローパスフィルタ及び発振器(NCO)の
構成を示すブロック図である。
【図31】第2実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置における複素演算器の構成を示すブロック図であ
る。
【図32】第2実施例のMLSE型等化器の構成を示す
ブロック図である。
【図33】第2実施例のMLSE型等化器におけるレプ
リカ生成部,DPRAM,CIR計算部の構成を示すブ
ロック図である。
【図34】第2実施例のMLSE型等化器におけるAC
S部及び誤差レジスタの構成を示すブロック図である。
【図35】第2実施例のMLSE型等化器におけるパス
メモリ部の構成を示すブロック図である。
【図36】第2実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置の第1変形例を示すブロック図である。
【図37】第2実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置の第1変形例における周波数弁別器の構成を示すブ
ロック図である。
【図38】第2実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置の第2変形例を示すブロック図である。
【図39】第2実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置の第3変形例を示すブロック図である。
【図40】本発明の第3実施例としてのMLSE型等化
器を用いた復調装置の構成を示すブロック図である。
【図41】第3実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置における周波数偏差検出部の構成を示すブロック図
である。
【図42】第3実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置の第1変形例を示すブロック図である。
【図43】第3実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置の第2変形例を示すブロック図である。
【図44】第3実施例のMLSE型等化器を用いた復調
装置の第3変形例を示すブロック図である。
【図45】一般的なMLSE型等化器の構成を示すブロ
ック図である。
【図46】一般的なMLSE型等化器の構成を示すブロ
ック図である。
【図47】一般的なMLSE型等化器の動作を説明する
ための図である。
【図48】(a),(b)はそれぞれ一般的なMLSE
型等化器の動作を説明するための図である。
【図49】一般的なMLSE型等化器の動作を説明する
ための図である。
【図50】一般的なMLSE型等化器の動作を説明する
ための図である。
【図51】一般的なMLSE型等化器の動作を説明する
ための図である。
【図52】(a)〜(c)はそれぞれ一般的なMLSE
型等化器の動作を説明するための図である。
【図53】(a),(b)はそれぞれ一般的なMLSE
型等化器の動作を説明するための図である。
【図54】一般的なMLSE型等化器の動作を説明する
ための図である。
【図55】一般的なMLSE型等化器を用いた復調装置
の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 レプリカ生成部 1A 第1レプリカ生成部 1B 第2レプリカ生成部 2 誤差算出部 2A 第1誤差算出部 2B 第2誤差算出部 3 ブランチメトリック部 3A 第1ブランチメトリック部 3B 第2ブランチメトリック部 4,4′ 加算・比較・選択処理部 5 インパルス応答演算部 5A 第1インパルス応答演算部 5B 第2インパルス応答演算部 6 パスメモリ部 8 直交検波部 9 局部発振器 10,29 MLSE型等化器 11 周波数弁別器 12A〜12D,40 制御部 13 識別部 14 位相回転部 15 三角関数発生部 16 バースト受信信号開始・終了検出部 21 送信機 22 受信機 23,28A,28B 変調器 24,27 発振器 25,26A,26B アンテナ 31A レプリカ生成部(第1レプリカ生成部) 31B レプリカ生成部(第2レプリカ生成部) 32A 誤差計算部(第1誤差算出部) 32B 誤差計算部(第2誤差算出部) 33A ブランチメトリック計算部(第1ブランチメト
リック部) 33B ブランチメトリック計算部(第2ブランチメト
リック部) 34 ACS(Add Compare Select)部(加算・比較・選
択処理部) 35A CIR(Channel Impulse Response)計算部(第
1インパルス応答演算部) 35B CIR計算部(第2インパルス応答演算部) 36 パスメモリ部 37A,37B DPRAM(Dual-Port RAM:インパル
ス応答メモリ部) 38A,38B 誤差レジスタ 39A,39B FIFO(First-In-First-Out)メモリ 41,47,48,346,348 加算器 42,43,49,50 複素演算器 45,46 エンコーダ(PLD DI,PLD DR: 第1エンコー
ダ) 51,52 エンコーダ(PLD μDI,PLD μDR: 第2エ
ンコーダ) 61,652,653 ミキサ(MIX) 62,655′ 局部発振器(Lo VCO) 63 バンドパスフィルタ(BPF) 64 AGCアンプ(Automatic Gain Control AMP) 65 直交検波部 68,69 アンプ(AMP) 70,71 ローパスフィルタ(LPF) 72,73 A/D変換器 74 複素演算器 75 MLSE型等化器 76 クロック再生部 79 遅延回路(τ) 80,80′,80A 周波数弁別器 81 ローパスフィルタ(LPF) 82 発振器(NCO) 83 制御部 84 積分器(LPF) 85 D/A変換器 86 ユニークワード(UW)検出部 87 パラレル/シリアルデータ変換部(P/S変換
部) 88 周波数偏差検出部(周波数弁別器) 341 加算部 342 比較選択部 343 パスメトリックメモリ 344,345,347,349,350,354,3
83,386 フリップフロップ(FF)回路 351,352,384,385 セレクタ 353 コンパレータ 355 読み出しアドレスカウンタ 356 書き込みアドレスカウンタ 357 RAM切替カウンタ 358 書き込みカウンタ 359,360 デコーダ 361,362 ランダムアクセスメモリ(RAM) 381 アドレスカウンタ 382 シフトレジスタ 401 パスメモリ制御部(PMEM-CONT) 402 ランダムアクセスメモリ(RAM) 403 デコーダ ,404〜408,421,423〜428,430
フリップフロップ回路(DQ) 409,414,418,422,429 インバータ
(INV) 410,411,438 ANDゲート 412,415,419 NANDゲート 413,415,434,437,439 フリップフ
ロップ回路(DFF) 431 レジスタ(DY-REG) 432 カウンタ(10BIT COUNT) 433 多重化回路(2−1MUX) 436 レジスタ(DX-REG) 440 3ステート回路 651,654 ハイブリッド(H,HYB) 655 局部発振器(Lo XO,LOCAL) 761,762,741〜745 乗算器 746,747,763,811,821 加算器 764 位相比較器(P.D:Phase-Locked-Loop) 765 ループフィルタ(Loop Filter) 766 クロック再生用発振器(CLK VCO) 801,801A,801B 角度偏差算出部 802 周波数偏差算出部 803 固定周波数偏差部 804 セレクタ(SEL) 812,822 遅延素子 823 三角関数発生メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 三夫 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内 (72)発明者 箕輪 良一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 鬼柳 広幸 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内 (72)発明者 坂本 真吾 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内 (72)発明者 海野 勇 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内 (72)発明者 古木 健悦 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内 (72)発明者 鈴木 賢治 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内 (72)発明者 鈴木 友幸 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2番25号 富士通東北ディジタル・テクノロジ株式 会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 k相PSK無線通信での送信信号推定用
    レプリカを生成するレプリカ生成部と、 該レプリカ生成部で得られた該レプリカと該k相PSK
    無線通信での受信信号との誤差を算出する誤差算出部
    と、 該誤差算出部で得られた該誤差の絶対値を二乗してブラ
    ンチメトリックを得るブランチメトリック部と、 該ブランチメトリック部で得られた該ブランチメトリッ
    クに基づいて得られるパスメトリックについて、加算処
    理,比較処理及び選択処理を施すことにより、最も加算
    結果の小さい遷移を選択する加算・比較・選択処理部
    と、 該加算・比較・選択処理部で得られた処理結果に基づ
    き、所要のアルゴリズムで、伝送路のインパルス応答を
    演算して、この演算結果をレプリカ生成用情報として該
    レプリカ生成部へ入力するインパルス応答演算部と、 該加算・比較・選択処理部で得られた処理結果に基づい
    て、最も加算結果の小さい遷移を記憶しながら、最も確
    からしいパスを等化出力とするパスメモリ部とをそなえ
    たMLSE型等化器において、 該レプリカ生成部,該誤差算出部,該ブランチメトリッ
    ク部,該加算・比較・選択処理部,該インパルス応答演
    算部,該パスメモリ部が独立した演算器を有するように
    構成され、且つ、 該インパルス応答演算部からの演算結果の書き込みと該
    レプリカ生成部への該インパルス応答演算部からの演算
    結果の読み出しとを同時に行なうべく、該インパルス応
    答演算部と該レプリカ生成部との間に介装されて、デー
    タの書き込み及び読み出しを同時に行なうことのできる
    インパルス応答メモリ部が設けられるとともに、 前時点のパスメトリックの読み出しと、該加算・比較・
    選択処理部で選択された現時点の選択パスメトリックの
    書き込みとを同時に行なうべく、該加算・比較・選択処
    理部に、データの書き込み及び読み出しを同時に行なう
    ことのできるパスメトリックメモリ部が設けられたこと
    を特徴とする、MLSE型等化器。
  2. 【請求項2】 該レプリカ生成部が、基準信号点の複素
    値をkビットアドレスより変換する第1エンコーダをそ
    なえ、この第1エンコーダからの情報を用いて、1シン
    ボル毎にk×k種類のレプリカを1クロックサイクルで
    1種生成するように構成されたことを特徴とする請求項
    1記載のMLSE型等化器。
  3. 【請求項3】 該インパルス応答演算部が、基準信号点
    に収束係数を掛け合わせた複素値をkビットアドレスよ
    り変換する第2エンコーダをそなえて構成されたことを
    特徴とする請求項1記載のMLSE型等化器。
  4. 【請求項4】 該インパルス応答メモリ部がDRAMで
    あることを特徴とする請求項1記載のMLSE型等化
    器。
  5. 【請求項5】 該パスメトリックメモリ部が、2個のメ
    モリで構成され、前時点のパスメトリックの読み出し
    と、現時点の選択パスメトリックの書き込みとを該2個
    のメモリの交互切替えによって実行することを特徴とす
    る請求項1記載のMLSE型等化器。
  6. 【請求項6】 該加算・比較・選択処理部の出力を誤差
    アドレスとして、k×k種類の誤差からkクロック周期
    で所要の誤差を出力して、この誤差を該インパルス応答
    演算部へ出力する誤差レジスタが設けられていることを
    特徴とする請求項1記載のMLSE型等化器。
  7. 【請求項7】 該誤差算出部の入力側に、該受信信号を
    一時的に保存するFIFOメモリが設けられていること
    を特徴とする請求項1記載のMLSE型等化器。
  8. 【請求項8】 k相PSK無線通信での送信信号推定用
    レプリカを生成する第1レプリカ生成部と、 該第1レプリカ生成部で得られた該レプリカと該k相P
    SK無線通信での第1受信信号との誤差を算出する第1
    誤差算出部と、 該第1誤差算出部で得られた該誤差の絶対値を二乗して
    ブランチメトリックを得る第1ブランチメトリック部と
    をそなえるとともに、 該k相PSK無線通信での送信信号推定用レプリカを生
    成する第2レプリカ生成部と、 該第2レプリカ生成部で得られた該レプリカと該k相P
    SK無線通信での第2受信信号との誤差を算出する第2
    誤差算出部と、 該第2誤差算出部で得られた該誤差の絶対値を二乗して
    ブランチメトリックを得る第2ブランチメトリック部と
    をそなえるとともに、 上記の第1ブランチメトリック部及び第2ブランチメト
    リック部でそれぞれ得られた該ブランチメトリックに基
    づいて得られるパスメトリックについて、加算処理,比
    較処理及び選択処理を施すことにより、最も加算結果の
    小さい遷移を選択する加算・比較・選択処理部と、 該加算・比較・選択処理部で得られた処理結果に基づい
    て、最も加算結果の小さい遷移を記憶しながら、最も確
    からしいパスを等化出力とするパスメモリ部とをそな
    え、 該加算・比較・選択処理部で得られた処理結果に基づ
    き、所要のアルゴリズムで、伝送路のインパルス応答を
    演算して、この演算結果をレプリカ生成用情報として該
    第1レプリカ生成部へ入力する第1インパルス応答演算
    部と、 該加算・比較・選択処理部で得られた処理結果に基づ
    き、所要のアルゴリズムで、伝送路のインパルス応答を
    演算して、この演算結果をレプリカ生成用情報として該
    第2レプリカ生成部へ入力する第2インパルス応答演算
    部とをそなえたMLSE型等化器において、 上記の第1レプリカ生成部,第2レプリカ生成部,第1
    誤差算出部,第2誤差算出部,該第1ブランチメトリッ
    ク部,該第2ブランチメトリック部,該加算・比較・選
    択処理部,該パスメモリ部,該第1インパルス応答演算
    部,該第2インパルス応答演算部が独立した演算器を有
    するように構成され、且つ、 上記の第1ブランチメトリック部及び第2ブランチメト
    リック部のいずれか一方が、該ブランチメトリックを所
    定値に固定して出力しうるように構成されていることを
    特徴とする、MLSE型等化器。
  9. 【請求項9】 k相PSK無線通信での受信信号を局部
    発振器からのローカル信号を用いて直交検波する直交検
    波部と、 該直交検波部で得られた復調信号を入力として、ビタビ
    アルゴリズムを用いて、最尤系列推定を施すMLSE型
    等化器とをそなえ、 該MLSE型等化器での等化前の時間的に間隔をあけた
    複数のデータを用いて、該データのもつ周波数偏差を検
    出する周波数弁別器と、 該周波数弁別器で得られた周波数偏差を最小にするよう
    に、該直交検波部における該局部発振器の発振周波数を
    制御する制御部とが設けられたことを特徴とする、ML
    SE型等化器を用いた復調装置。
  10. 【請求項10】 該制御部が、該周波数弁別器で得られ
    た周波数偏差に応じて、該周波数偏差を検出する際の検
    出データの時間間隔を可変にするよう構成されているこ
    とを特徴とする請求項9記載のMLSE型等化器を用い
    た復調装置。
  11. 【請求項11】 該制御部が、該周波数弁別器で得られ
    た周波数偏差の大きさと、該周波数偏差を検出する際の
    検出データの時間間隔とが反比例するように、該周波数
    偏差を検出する際の検出データの時間間隔を可変にする
    よう構成されていることを特徴とする請求項10記載の
    MLSE型等化器を用いた復調装置。
  12. 【請求項12】 該制御部が、該MLSE型等化器内で
    得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報に応じ、
    該周波数弁別器で検出された周波数偏差または所定の固
    定周波数偏差のいずれかを選択的に用いることにより、
    該局部発振器の発振周波数を制御するように構成されて
    いることを特徴とする請求項9記載のMLSE型等化器
    を用いた復調装置。
  13. 【請求項13】 該制御部が、 受信信号から初期ユニークワード情報がとれるまでは、
    該周波数弁別器で検出された周波数偏差を用いて、該局
    部発振器の発振周波数を制御するとともに、 受信信号から初期ユニークワード情報がとれると、その
    後は、該MLSE型等化器内で得られる先行波情報と遅
    延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、該周波数
    弁別器で検出された周波数偏差を用いて、該局部発振器
    の発振周波数を制御する一方、該MLSE型等化器内で
    得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値
    より小さい場合は、所定の固定周波数偏差を用いて、該
    局部発振器の発振周波数を制御するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項12記載のMLSE型等化器
    を用いた復調装置。
  14. 【請求項14】 k相PSK無線通信での受信信号を局
    部発振器からのローカル信号を用いて直交検波する直交
    検波部と、 該直交検波部で得られた復調信号を所定の識別レベルで
    識別する識別部と、 該識別部からの出力について、位相回転を施す位相回転
    部と、 該位相回転部に位相回転情報を有する三角関数情報を出
    力する三角関数発生部と、 該識別部後の復調信号を入力として、ビタビアルゴリズ
    ムを用いて、最尤系列推定を施すMLSE型等化器とを
    そなえ、 該MLSE型等化器での等化前の時間的に間隔をあけた
    複数のデータを用いて、該データのもつ周波数偏差を検
    出する周波数弁別器と、 該周波数弁別器で得られた周波数偏差を最小にするよう
    に、該三角関数発生部を制御する制御部とが設けられた
    ことを特徴とする、MLSE型等化器を用いた復調装
    置。
  15. 【請求項15】 該制御部が、該周波数弁別器で得られ
    た周波数偏差に応じて、該周波数偏差を検出する際の検
    出データの時間間隔を可変にするよう構成されているこ
    とを特徴とする請求項14記載のMLSE型等化器を用
    いた復調装置。
  16. 【請求項16】 該制御部が、該周波数弁別器で得られ
    た周波数偏差の大きさと、該周波数偏差を検出する際の
    検出データの時間間隔とが反比例するように、該周波数
    偏差を検出する際の検出データの時間間隔を可変にする
    よう構成されていることを特徴とする請求項15記載の
    MLSE型等化器を用いた復調装置。
  17. 【請求項17】 該制御部が、該MLSE型等化器内で
    得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報に応じ、
    該周波数弁別器で検出された周波数偏差または所定の固
    定周波数偏差のいずれかを選択的に用いることにより、
    該三角関数発生部を制御するように構成されていること
    を特徴とする請求項14記載のMLSE型等化器を用い
    た復調装置。
  18. 【請求項18】 該制御部が、 受信信号から初期ユニークワード情報がとれるまでは、
    該周波数弁別器で検出された周波数偏差を用いて、該三
    角関数発生部を制御するとともに、 受信信号から初期ユニークワード情報がとれると、その
    後は、該MLSE型等化器内で得られる先行波情報と遅
    延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、該周波数
    弁別器で検出された周波数偏差を用いて、該三角関数発
    生部を制御する一方、該MLSE型等化器内で得られる
    先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値より小さ
    い場合は、所定の固定周波数偏差を用いて、該三角関数
    発生部を制御するように構成されていることを特徴とす
    る請求項17記載のMLSE型等化器を用いた復調装
    置。
  19. 【請求項19】 k相PSK無線通信でのバースト受信
    信号を局部発振器からのローカル信号を用いて直交検波
    する直交検波部と、 該直交検波部で得られた復調信号を入力として、ビタビ
    アルゴリズムを用いて、最尤系列推定を施すMLSE型
    等化器とをそなえ、 該バースト受信信号の開始情報と終了情報とを検出する
    バースト受信信号開始・終了検出部と、 該MLSE型等化器での等化前の時間的に間隔をあけた
    複数のデータを用いて、該データのもつ周波数偏差を検
    出する周波数弁別器と、 該バースト受信信号開始・終了検出部で該バースト受信
    信号の開始が検出されると、該周波数弁別器で得られた
    周波数偏差を最小にするように、該直交検波部における
    該局部発振器の発振周波数を制御するとともに、該バー
    スト受信信号開始・終了検出部で該バースト受信信号の
    終了が検出されると、そのときの該周波数弁別器の周波
    数偏差を保持するように、該直交検波部における該局部
    発振器の発振周波数を制御する制御部とが設けられたこ
    とを特徴とする、MLSE型等化器を用いた復調装置。
  20. 【請求項20】 該制御部が、該周波数弁別器で得られ
    た周波数偏差に応じて、該周波数偏差を検出する際の検
    出データの時間間隔を可変にするよう構成されているこ
    とを特徴とする請求項19記載のMLSE型等化器を用
    いた復調装置。
  21. 【請求項21】 該制御部が、該周波数弁別器で得られ
    た周波数偏差の大きさと、該周波数偏差を検出する際の
    検出データの時間間隔とが反比例するように、該周波数
    偏差を検出する際の検出データの時間間隔を可変にする
    よう構成されていることを特徴とする請求項20記載の
    MLSE型等化器を用いた復調装置。
  22. 【請求項22】 該制御部が、該MLSE型等化器内で
    得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報に応じ、
    該周波数弁別器で検出された周波数偏差または所定の固
    定周波数偏差のいずれかを選択的に用いることにより、
    該局部発振器の発振周波数を制御するように構成されて
    いることを特徴とする請求項19記載のMLSE型等化
    器を用いた復調装置。
  23. 【請求項23】 該制御部が、 受信信号から初期ユニークワード情報がとれるまでは、
    該周波数弁別器で検出された周波数偏差を用いて、該局
    部発振器の発振周波数を制御するとともに、 受信信号から初期ユニークワード情報がとれると、その
    後は、該MLSE型等化器内で得られる先行波情報と遅
    延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、該周波数
    弁別器で検出された周波数偏差を用いて、該局部発振器
    の発振周波数を制御する一方、該MLSE型等化器内で
    得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値
    より小さい場合は、所定の固定周波数偏差を用いて、該
    局部発振器の発振周波数を制御するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項22記載のMLSE型等化器
    を用いた復調装置。
  24. 【請求項24】 該周波数弁別器の入力情報または出力
    情報を複数組記憶しうる記憶部が設けられていることを
    特徴とする請求項19記載のMLSE型等化器を用いた
    復調装置。
  25. 【請求項25】 k相PSK無線通信でのバースト受信
    信号を局部発振器からのローカル信号を用いて直交検波
    する直交検波部と、 該直交検波部で得られた復調信号を所定の識別レベルで
    識別する識別部と、 該識別部からの出力について、位相回転を施す位相回転
    部と、 該位相回転部に位相回転情報を有する三角関数情報を出
    力する三角関数発生部と、 該識別部後の復調信号を入力として、ビタビアルゴリズ
    ムを用いて、最尤系列推定を施すMLSE型等化器とを
    そなえ、 該バースト受信信号の開始情報と終了情報とを検出する
    バースト受信信号開始・終了検出部と、 該MLSE型等化器での等化前の時間的に間隔をあけた
    複数のデータを用いて、該データのもつ周波数偏差を検
    出する周波数弁別器と、 該バースト受信信号開始・終了検出部で該バースト受信
    信号の開始が検出されると、該周波数弁別器で得られた
    周波数偏差を最小にするように、該三角関数発生部を制
    御するとともに、該バースト受信信号開始・終了検出部
    で該バースト受信信号の終了が検出されると、そのとき
    の該周波数弁別器の周波数偏差を保持するように、該三
    角関数発生部を制御する制御部とが設けられたことを特
    徴とする、MLSE型等化器を用いた復調装置。
  26. 【請求項26】 該制御部が、該周波数弁別器で得られ
    た周波数偏差に応じて、該周波数偏差を検出する際の検
    出データの時間間隔を可変にするよう構成されているこ
    とを特徴とする請求項25記載のMLSE型等化器を用
    いた復調装置。
  27. 【請求項27】 該制御部が、該周波数弁別器で得られ
    た周波数偏差の大きさと、該周波数偏差を検出する際の
    検出データの時間間隔とが反比例するように、該周波数
    偏差を検出する際の検出データの時間間隔を可変にする
    よう構成されていることを特徴とする請求項26記載の
    MLSE型等化器を用いた復調装置。
  28. 【請求項28】 該制御部が、該MLSE型等化器内で
    得られる先行波情報と遅延波情報との偏差情報に応じ、
    該周波数弁別器で検出された周波数偏差または所定の固
    定周波数偏差のいずれかを選択的に用いることにより、
    該三角関数発生部を制御するように構成されていること
    を特徴とする請求項25記載のMLSE型等化器を用い
    た復調装置。
  29. 【請求項29】 該制御部が、 受信信号から初期ユニークワード情報がとれるまでは、
    該周波数弁別器で検出された周波数偏差を用いて、該三
    角関数発生部を制御するとともに、 受信信号から初期ユニークワード情報がとれると、その
    後は、該MLSE型等化器内で得られる先行波情報と遅
    延波情報との偏差情報が所定値以上の場合は、該周波数
    弁別器で検出された周波数偏差を用いて、該三角関数発
    生部を制御する一方、該MLSE型等化器内で得られる
    先行波情報と遅延波情報との偏差情報が所定値より小さ
    い場合は、所定の固定周波数偏差を用いて、該三角関数
    発生部を制御するように構成されていることを特徴とす
    る請求項28記載のMLSE型等化器を用いた復調装
    置。
  30. 【請求項30】 該周波数弁別器の入力情報または出力
    情報を複数組記憶しうる記憶部が設けられていることを
    特徴とする請求項25記載のMLSE型等化器を用いた
    復調装置。
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WO2002025835A1 (fr) * 2000-09-21 2002-03-28 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Recepteur et procede d'egalisation adaptative
WO2019171655A1 (ja) * 2018-03-08 2019-09-12 三菱電機株式会社 受信装置および受信信号処理方法

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