JP3859909B2 - 交差偏波干渉除去装置及び交差偏波干渉除去用のビットシフト方法 - Google Patents

交差偏波干渉除去装置及び交差偏波干渉除去用のビットシフト方法 Download PDF

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    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/10Polarisation diversity; Directional diversity

Description

【0001】
(目次)
発明の属する技術分野
従来の技術(図14)
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(A)本発明の一実施形態の説明(図1〜図13)
(B)その他
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交差偏波干渉除去装置及び交差偏波干渉除去用のビットシフト方法に関し、特に、ディジタル多重無線伝送方式に用いて好適な、交差偏波干渉除去装置及び交差偏波干渉除去用のビットシフト方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、マイクロ波やサブミリ波等を用いたディジタル多重無線伝送の分野においては、単一偏波で伝送するのに比べて、周波数利用効率に優れ、大容量データを送受信することが可能な交差偏波伝送方式が用いられている。
この交差偏波伝送方式とは、同一周波数帯において、偏波の異なる2種類の電波をそれぞれ、搬送波として使用し、データの送受信を行なう無線伝送方式である。この偏波の異なる2種類の電波とは、垂直偏波及び水平偏波であり、それぞれ、V波(Vertical Polarized Plane Wave) 及びH波(Horizontal Polarized Plane Wave) と称されている。具体的には、次のようになる。
【0004】
まず、送信装置において、送信すべき信号は変調され、その変調信号は、所要の処理がなされてV波とH波とに分波され、そして、送信すべき信号が、V波上の信号1とH波上の信号2とに分けられて、送信される。すなわち、信号1がV波を用いて、また、信号2が同一周波数帯のH波を用いて送信される。これらの直交するV波とH波とは、無線空間上を伝送する際に、それぞれ、相互に干渉を及ぼし合うので、受信装置においては、データが損なわれないように、それぞれの偏波に生じる干渉を除去する必要がある。
【0005】
この干渉除去のための装置は、交差偏波干渉除去装置あるいは交差偏波干渉補償装置と呼ばれ、例えばV波にH波からの干渉成分が重畳している場合に、H波のサンプリングタイミングを、適度にずらす等の最適調整を行なって、最大限、異偏波干渉を除去するものである。
すなわち、これらのV波,H波が、それぞれ、受信装置で受信され、V波,H波は、それぞれ、ダウンコンバートされて、交差偏波干渉除去装置に入力される。また、それぞれの交差偏波干渉除去装置内では、V波,H波のそれぞれが、アナログ・ディジタル変換され、復調されて所望のベースバンド信号が得られ、そして、復調された出力信号は、トランスバーサルイコライザで、フェージング等によって生じる劣化が等化され、その後段に設けられた加算器にて加算されて、所望の信号1と信号2とが得られる。
【0006】
図14は、受信された一方の偏波から交差偏波干渉成分を除去する方法の説明図である。この図14に示す交差偏波伝送システム86は、送信されたV波とH波とのそれぞれが、無線空間を伝搬し、受信装置84にて受信されるようになっている。ここで、送信装置(図示せず)は、V波,H波を送信し、これらV波,H波は、同一周波数帯を使用しているために、送信側のアンテナ(図示せず)、受信側のアンテナ90a,90b又は無線空間において干渉が発生し、受信不良の発生要因となる。
【0007】
この図14に示す受信装置84は、信号復調部91と干渉除去部92とをそなえて構成されており、V波は、アンテナ90aにて受信され、ミキサ82aにおいて、ダウンコンバートされ、アナログ・ディジタル変換器91bにてアナログ・ディジタル変換されて、ディジタル信号が第1復調器91cに入力される。そして、復調されたディジタル信号は、トランスバーサルイコライザ91dにて等化されてから、加算器91fにて、異偏波側の復調信号と加算され、誤差検出部93に入力され、信号が出力される。
【0008】
一方、H波は、アンテナ90bにて受信され、遅延素子83において、そのアナログ信号は遅延を受けて、V波の信号時間と同一になるように調整される。また、アナログ・ディジタル変換器92bにてアナログ・ディジタル変換されて、ディジタル信号が第2復調器92cに入力される。そして、復調されたディジタル信号は、トランスバーサルイコライザ92dにて等化されてから、加算器91fに入力され、復調されたベースバンド信号と加算されて干渉成分が相殺される。
【0009】
また、トランスバーサルイコライザ91d,92dにおける等化とは、トランスバーサルイコライザ91d,92dを構成する遅延タップを用いた信号処理をいう。よく知られているように、トランスバーサルイコライザ91d,92dは、それぞれ、複数の遅延タップを有し、また、これら複数の遅延タップは、例えばフリップフロップが縦列的に接続されて構成され、入力された信号ビットが時間的にシフトされるようになっている。従って、トランスバーサルイコライザ91d,92dは、それぞれ、それらの遅延タップ上でディジタル信号をずらして相互相関演算を行なうことにより、マルチパス成分を除去して等化を行なうことができる。さらに、トランスバーサルイコライザ91d,92dにて、それぞれ、干渉量が抽出され、干渉成分信号として制御部(CONTROL)91e,制御部(CONTROL)92eに入力されて干渉除去動作の保護が行なわれるとともに、その干渉量によって、アナログ・ディジタル変換器91b,92bの動作速度の制御と、遅延素子83の遅延量の制御とが行なわれる。
【0010】
ここで、遅延素子83は、アナログ信号を所定の時間遅延させるものであり、この時間は、制御部92eにより制御され、サンプリングタイミングが最適に設定される。これにより、最終段の誤差検出部93からは、相殺された信号が出力される。また、誤差検出部93から出力される誤差信号は、トランスバーサルイコライザ92dに入力されて、その内部にある遅延タップの係数が変更される。なお、発振器91nは、アナログ・ディジタル変換器91b,92bの変換クロックを入力するものであり、制御部91eにより制御されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この受信装置84においては、信号復調部91へ入力される受信信号と、干渉除去部92に入力される干渉した異偏波信号とが同時入力されなければ干渉成分を十分除去できず、また、正確な相互相関値を求めて干渉量を相殺することができず、その性能を十分に発揮させることができない。
【0012】
さらに、上記の遅延素子83は、遅延量を無瞬断で変更することはできず、また、一度、設定すると、システムの運用中は変更操作ができない課題がある。
そのうえ、遅延素子83は、アナログ素子であるので、温度等の環境変化によって遅延量が変化し、また、受信信号を伝送させるためのケーブルによる影響も受けるため、それらを考慮した遅延量の設定を行なう必要がある。さらに、遅延量の設定は、モニタを観察しながら、操作者の手作業で行なう必要があるので、操作法が非常に煩雑であるという課題がある。すなわち、装置の無調整化、高密度化、安定動作が求められている現代にとって、このようなデメリットを減少する技術が求められている。
【0013】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、システム運用中でも、操作者の手作業を煩わさずに、遅延量を無瞬断で変更でき、また、温度変化等の環境に応じて遅延量を変更でき、かつ、無調整で安定動作するとともに高密度に実装しうるような、交差偏波干渉除去装置及び交差偏波干渉除去用のビットシフト方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の交差偏波干渉除去装置は、同一周波数帯で相互に直交する2種類の偏波のそれぞれを用いて送信された無線信号のうちの一方に起因する第1の信号を受信してから第1の信号をアナログ・ディジタル変換し復調し等化処理して第1ベースバンド信号を出力しうる信号復調部と、送信された無線信号のうちの他方に起因する第2の信号を受信してから第2の信号をアナログ・ディジタル変換し、得られたディジタル信号を所定の時間だけ遅延させて復調し等化処理して第2ベースバンド信号を出力しうる干渉除去部と、信号復調部からの第1ベースバンド信号と干渉除去部からの第2ベースバンド信号とを加算して出力する加算部とをそなえ、その干渉除去部が、第2の信号をアナログ・ディジタル変換してディジタル信号を出力しうるアナログ・ディジタル変換部と、アナログ・ディジタル変換部に接続されて、アナログ・ディジタル変換部からのディジタル信号を所定の時間だけ遅延させて出力しうる復調部と、復調部に接続されて、復調部からのディジタル信号を等化処理して第2ベースバンド信号を出力すべく係数値を可変としうる複数のタップを有する等化部と、等化部に接続されて、等化部内の複数のタップの係数を読み書きするとともに外部に対して制御信号を出力しうる制御部と、制御部と復調部とに接続されて、制御部からの制御信号に応じて復調部での遅延時間を設定するタイミング調整部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項1)。
【0015】
さらに、タイミング調整部は、制御部に接続されて復調された信号のクロック速度のn倍(nは自然数)の速度に等しい高速クロックに同期したn種類の2値状態信号と復調された信号のクロック速度に同期した低速クロックとを出力しうる計数部と、計数部に接続されて出力用のn本の出力線を有し、計数部からのn種類の2値状態信号に対応してn本の出力線のうちの一本の2値状態だけが他の出力線の2値状態と異なるように高速クロックに同期して復調部に2値状態を入力しうる復号部とをそなえ、制御信号が動作命令のときは復号部のn本の出力線の2値状態が更新され、制御信号が非動作命令のときは復号部のn本の出力線の2値状態が更新されないように構成することができる(請求項2)。
【0016】
このタイミング調整部は、n本の出力線のうちの一本の2値状態だけが他の出力線の2値状態と異なるように、復調された信号のクロック速度のn倍(nは自然数)の速度に等しい高速クロックに同期してn本の出力線の2値状態を出力する出力部と、復調された信号のクロック速度に同期した低速クロックを出力しうるクロック発生部とをそなえ、制御信号が動作命令のときは、出力部のn本の出力線の2値状態が更新され、制御信号が非動作命令のときは、出力部のn本の出力線の2値状態が更新されないように構成してもよい(請求項3)。
【0017】
また、上記の復調部は、アナログ・ディジタル変換部とタイミング調整部とに接続され、タイミング調整部からのn本の出力線に対応する保持部を復調された信号の値に書き替えてnビットの2値状態を出力する第1保持部と、第1保持部とタイミング調整部内の計数部とに接続され、計数部からの低速クロックに同期して第1保持部からのnビットの2値状態を記憶する第2保持部と、第2保持部に接続され、第2保持部で記憶されたnビットの2値状態を、外部から入力される上記の復調された信号のクロック速度に同期したクロック速度で記憶する第3保持部とをそなえて構成することができる(請求項4)。
【0018】
さらに、上記の制御部は、等化部内の複数のタップの係数に基づいて交差偏波干渉量を抽出しその大きさを遅延量情報として出力しうるタイミング検出部と、タイミング検出部からの遅延量情報と外部からの干渉成分信号とに基づいて復調部を遅延動作させるべく制御信号を出力しうる制御信号出力部とをそなえて構成することができる(請求項5)。
【0019】
そして、本発明の交差偏波干渉除去用のビットシフト方法は、復調されたベースバンド信号のクロックのn倍(nは自然数)の速度に等しい逓倍クロックに同期して動作する交差偏波干渉除去用のビットシフト方法であって、ディジタル信号を遅延させるか否かを交差偏波干渉量に基づいて判定する判定ステップと、判定ステップにてディジタル信号を遅延させない場合は逓倍クロックに同期したn種類の2値状態信号と復調されたベースバンド信号のクロックに同期した低速クロックとを出力するとともに、判定ステップにて遅延させる場合はn種類の2値状態信号と低速クロックとの出力を停止する通過・遅延ステップと、2値状態を記憶する保持部をn個そなえた第1保持部内の特定の保持部を指定する指定ステップと、指定ステップにて指定された特定の保持部に逓倍クロックに同期したディジタル信号の1ビットの2値状態を書き込む第1書き込みステップと、2値状態を記憶する保持部をn個そなえた第2保持部内の各保持部に、第1保持部を構成する各保持部の2値状態を、低速クロックで書き込む第2書き込みステップと、2値状態を記憶する保持部をn個そなえた第3保持部内の各保持部に、第2保持部を構成する各保持部の2値状態を、ベースバンド信号のクロックで書き込む第3書き込みステップとをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項6)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)本発明の一実施形態の説明
図1は、本発明を適用される交差偏波伝送システムの構成図である。この図1に示す交差偏波伝送システム50は、マイクロ波帯での多重無線伝送システムであって基幹系回線として用いられており、送信装置30と、無線空間31と、受信装置20とをそなえて構成されている。
【0021】
ここで、送信装置30は、送信すべき信号を変調し、その変調信号に所要の処理を施してV波とH波とに分波してから、同一周波数帯で相互に直交する2種類の偏波のそれぞれを用いて送信するものであって、送信すべき信号をV波上の信号1とH波上の信号2とに分けて送信するものである。すなわち、信号1がV波を用いて、また、信号2が同一周波数帯のH波を用いて送信されるようになっている。そして、この送信装置30は、送信部30a,アンテナ40a,送信部30b,アンテナ40dをそなえて構成されている。なお、図1では、送信部30aは送信1と表示され、送信部30bは送信2と表示されている。
【0022】
この送信部30aは、送信すべき信号1をアンテナ40aから同一周波数帯のV波を用いて無線空間31に伝送するものであり、アンテナ40aは送信アンテナである。また、送信部30bは、送信すべき信号2をアンテナ40dから同一周波数帯のH波を用いて無線空間31に伝送するものであり、アンテナ40dは送信アンテナである。
【0023】
また、この送信部30a,30bにおいては、変調方式は、例えばQAM(Quadrature Amplitude Modulation) が用いられている。よく知られているように、このQAMにおいては、変調速度をベースバンド信号速度の4倍にすることにより、変調回路と復調回路とを簡略化できる。
すなわち、送信側は、送信側のIチャネルとQチャネルとにそれぞれ、それらの4倍の速度のディジタルcos信号とディジタルsin信号とを掛け合わせて、変調信号を生成する。例えば、ベースバンド信号速度を有するIチャネルデータは、その4倍の速度のディジタルcos信号を掛け合わせられて、I,0,−I,0,I,0,−I,0,I,0,−I,0,…のようなデータ列が得られ、また、ベースバンド信号速度を有するQチャネルデータは、その4倍の速度のディジタルsin信号を掛け合わせられて、0,Q,0,−Q,0,Q,0,−Q,0,Q,0,−Q,…のようなデータ列が得られ、送信信号は、これらが加算されて、I,Q,−I,−Q,I,Q,−I,−Q,I,Q,−I,−Q,…のような変調速度の逆数の時間間隔を有するシリアルデータ列にされる。そして、受信側は、復調した後、この間隔のデータ列から、I,Q,−I,−Qの各成分を抽出できるのである。
【0024】
そして、無線空間31は、無線伝搬路であり、この無線空間31において、フェージング等により、送信部30aから送出されたV波に、送信部30bから送出されたH波からの干渉成分が重畳しうる。なお、干渉は、送信側のアンテナ40a,40dのほか、受信側のアンテナ(後述するアンテナ40b,40c)においても発生し、以下の説明では、受信側のアンテナで干渉が生じるものとする。
【0025】
一方、受信装置20は、同一周波数帯で相互に直交する2種類の偏波のそれぞれを用いて送信された無線信号を受信するものであって、アンテナ40b,周波数変換部32a,交差偏波干渉除去装置13,アンテナ40c,周波数変換部32c,交差偏波干渉除去装置16,局部発振器32bをそなえて構成されている。
【0026】
ここで、アンテナ40bは、V波を受信する受信アンテナであり、また、アンテナ40cは、H波を受信する受信アンテナである。なお、Aと付した点線が示すように、このアンテナ40bにおいて、V波に、送信部30bから送出されたH波からの干渉成分が重畳する。
さらに、周波数変換部32aは、V波を用いて送信された無線信号をダウンコンバートして中間周波数信号を出力するものであり、この中間周波数信号が無線信号に起因する信号として、交差偏波干渉除去装置13,16に、それぞれ、入力される。また、ここで、交差偏波干渉除去装置13に入力される中間周波数信号は、復調用の信号であって、以下の説明中で、この復調用の信号を第1の信号と称する。一方、交差偏波干渉除去装置16に入力される中間周波数信号は、交差偏波干渉除去用の信号であって、以下の説明中で、この交差偏波干渉除去用の信号を第2の信号と称する。
【0027】
同様に、周波数変換部32cは、H波を用いて送信された無線信号をダウンコンバートして中間周波数信号を出力するものであり、この中間周波数信号が無線信号に起因する信号として、交差偏波干渉除去装置13,16に、それぞれ、入力される。ここで、周波数変換部32cから交差偏波干渉除去装置13に入力される信号は、交差偏波干渉除去用の信号としての第2の信号であり、周波数変換部32cから交差偏波干渉除去装置16に入力される信号は、復調用の信号であって第1の信号である。また、局部発振器32bは、マイクロ波帯の搬送波を出力する発振器である。
【0028】
さらに、交差偏波干渉除去装置13は、周波数変換部32aからの第1の信号と、周波数変換部32cからの第2の信号とを受信し、第1の信号であるV波を復調して信号1を出力するとともに、第2の信号であるH波により交差偏波干渉を除去するものである。具体的には、この交差偏波干渉除去装置13は、異偏波であるH波のサンプリングタイミングを、適度にずらす等の最適調整を行なって、その受信データが損なわれないように、最大限、その干渉分を除去するものである。
【0029】
そして、この交差偏波干渉除去装置13は、信号復調部11と、干渉除去部12と、加算部13aと、誤差検出部13bとをそなえて構成されている。なお、この図1に示す交差偏波干渉除去装置13は、図2を用いてその詳細を説明するために、後述する制御部11f,12d,発振部11e及び位相処理部12fを省略してある。
【0030】
同様に、交差偏波干渉除去装置16は、周波数変換部32cからの第1の信号と、周波数変換部32aからの第2の信号とを受信し、第1の信号であるH波を復調して信号2を出力するとともに、第2の信号であるV波により交差偏波干渉を除去するものである。具体的には、この交差偏波干渉除去装置16は、異偏波であるV波のサンプリングタイミングを、適度にずらす等の最適調整を行なって、その受信データが損なわれないように、最大限、その干渉分を除去するものである。
【0031】
そして、この交差偏波干渉除去装置16は、信号復調部15と、干渉除去部14と、加算部16aと、誤差検出部16bとをそなえて構成されている。なお、この図1に示す交差偏波干渉除去装置16は、交差偏波干渉除去装置13と同一のものであるので、図2を用いて交差偏波干渉除去装置16の詳細を説明した後に対応を説明する。
【0032】
次に、この図1に示す交差偏波干渉除去装置13のより詳細なブロック構成を図2を用いて説明する。図2は、本発明を適用される交差偏波干渉除去装置13のブロック図である。なお、交差偏波干渉除去装置16もこの交差偏波干渉除去装置13と同一のブロック構成となっているので、交差偏波干渉除去装置16に関しては、重複した説明を省略する。
【0033】
この図2に示す交差偏波干渉除去装置13は、信号復調部11と、干渉除去部(交差偏波干渉除去部)12と、加算部13aと、誤差検出部13bとをそなえて構成されている。
ここで、信号復調部11は、同一周波数帯で相互に直交する2種類の偏波のそれぞれを用いて送信された無線信号のうちの一方に起因する第1の信号を受信してから第1の信号をアナログ・ディジタル変換し復調し等化処理して第1ベースバンド信号を出力しうるものであって、発振部11e,アナログ・ディジタル変換部(アナログ・ディジタル変換器)11a,復調部(復調器)11b,トランスバーサルイコライザ(等化部)11c,制御部(CONTROL)11fをそなえて構成されている。なお、以下の説明中では、この第1ベースバンド信号を、復調された信号という意味で使用する。
【0034】
この発振部11eは、所定の速度のクロック(4FCLK)を出力するものであり、この4FCLKは、ベースバンド信号速度の4倍の速度を有する。
また、アナログ・ディジタル変換部11aは、第1の信号をアナログ・ディジタル変換してディジタル信号を出力しうるものであり、その動作速度は、ベースバンド信号速度の4倍の速度に等しく、この図2に示す発振部11eからの4FCLKが入力されるようになっている。そして、この図2の左側から入力される第1の信号は、ベースバンド信号速度の4倍の速度のクロックでサンプリングされて、ディジタル信号に変換される。すなわち、このベースバンド信号速度は、アナログ信号の変調速度の1/4に設定されており、アナログ信号は、変調速度で、I,Q,−I,−Q,I,Q,−I,−Q,I,Q,−I,−Q,…と切り替わる。
【0035】
さらに、復調部11bはアナログ・ディジタル変換部11aに接続されて、アナログ・ディジタル変換部11aからのディジタル信号を復調して出力するものである。具体的には、この復調部11bは、アナログ・ディジタル変換部11aから出力されるディジタル信号と、発振部11eからのクロック(4FCLK)とが入力され、4種類のディジタル信号が出力されるようになっている。また、4FCLKは、復調部11b内にて、1/4分周されて、ベースバンド信号のタイミングクロックとして用いられている。
【0036】
また、トランスバーサルイコライザ11cは、復調部11bに接続されて、復調部11bからのディジタル信号を等化処理して第1ベースバンド信号を出力するものであり、その第1ベースバンド信号を出力すべく係数値を可変としうる複数のタップを有する。具体的には、トランスバーサルイコライザ11cは干渉による劣化を等化し、IチャネルとQチャネルとの双方の信号を出力するようになっている。なお、このトランスバーサルイコライザ11cについての詳細は、後述する。
【0037】
次に、制御部11fは、トランスバーサルイコライザ11cに接続されて、トランスバーサルイコライザ11c内の複数のタップの係数を読み書きするとともに外部に対して制御信号(CONT信号)を出力しうるものである。このCONT信号は、例えば正論理(H)で動作命令を表し、負論理(L)で非動作命令を表すようになっており、制御部11fは、このCONT信号を用いて、ディジタル信号のビットの並び替えを行なう。なお、このビットの並び替えに関しても、その詳細は後述する。
【0038】
これにより、信号復調部11に入力される第1の信号は、アナログ・ディジタル変換部11aにて、アナログ・ディジタル変換され、復調部11bにて、そのディジタル信号が復調されて出力され、トランスバーサルイコライザ11cにて、その出力信号は等化処理され、Iチャネル,Qチャネルとして第1ベースバンド信号が出力される。また、制御部11fでは、トランスバーサルイコライザ11c内の複数のタップの係数が読み込まれ、CONT信号が、発振部11eに出力されて、アナログ・ディジタル変換部11aの変換速度が調節されるようになっている。
【0039】
次に、図2に示す干渉除去部12は、送信された無線信号のうちの他方に起因する第2の信号を受信してから第2の信号をアナログ・ディジタル変換し、得られたディジタル信号を所定の時間だけ遅延させて復調し等化処理して第2ベースバンド信号を出力しうるものであって、アナログ・ディジタル変換部(アナログ・ディジタル変換器)12a,復調部(復調器)12b,トランスバーサルイコライザ(等化部)12c,制御部(CONTROL)12d,タイミング調整部(タイミング調整回路)12e,位相処理部12fをそなえて構成されている。なお、以下の説明中では、この第2ベースバンド信号を、交差偏波の干渉を除去するための信号という意味で使用する。
【0040】
このアナログ・ディジタル変換部12aは、第2の信号をアナログ・ディジタル変換してディジタル信号を出力しうるものであり、具体的には、信号復調部11内の発振部11eからの4FCLKで動作し、シリアル列のディジタル信号である4FDATAが出力される。
そして、復調部12bはアナログ・ディジタル変換部12aに接続されて、アナログ・ディジタル変換部12aからのディジタル信号を所定の時間だけ遅延させて出力しうるものである。具体的には、4種類の信号が出力される。なお、このビット遅延時間の制御については、後述する。
【0041】
また、トランスバーサルイコライザ12cは、復調部12bに接続されて、復調部12bからのディジタル信号を等化処理して第2ベースバンド信号を出力するものであり、その第2ベースバンド信号を出力すべく係数値を可変としうる複数のタップを有する。具体的には、トランスバーサルイコライザ12cは、干渉による劣化を等化し、IチャネルとQチャネルとの双方の信号を出力する。
【0042】
次に、制御部12dは、トランスバーサルイコライザ12cに接続されて、トランスバーサルイコライザ12c内の複数のタップ係数を読み書きするとともに外部に対して制御信号(CONT信号)を出力しうるものである。このCONT信号も、上述したものと同様な信号であって、同様に、例えば正論理で動作命令を表し、負論理で非動作命令を表す。また、特に断らない限り、同一の名称を使用する。
【0043】
さらに、タイミング調整部12eは、制御部12dと復調部12bとに接続されて、制御部12dからのCONT信号に応じて復調部12bでの遅延時間を設定するものである。
また、位相処理部12fは、トランスバーサルイコライザ12cから出力されたディジタル信号の位相を反転させるものであり、加算部13aに入力するようになっている。
【0044】
続けて、図2に示す加算部13aは、信号復調部11からの第1ベースバンド信号と干渉除去部12からの第2ベースバンド信号とを加算して出力するものである。また、誤差検出部13bは、この加算部13aから出力される信号と、トランスバーサルイコライザ11c,12c内の相関値とを比較して、出力信号の誤差分を検出するものである。この誤差検出部13bにより、トランスバーサルイコライザ11c,12c内の相関演算にて、ビット欠落があったことが検出される。
【0045】
これにより、干渉除去部12に入力される第2の信号は、アナログ・ディジタル変換部12aにて、アナログ・ディジタル変換され、復調部12bにて、そのディジタル信号は復調されるとともに、所定の時間だけ遅延させられて出力され、トランスバーサルイコライザ12cにて、そのディジタル信号は等化処理され、Iチャネル,Qチャネルとして第2ベースバンド信号が出力される。そして、それらの信号は、それぞれ、位相処理部12fにて、反転されて、加算部13aにて、干渉成分が相殺されるようになっている。さらに、その相殺された信号は、誤差検出部13bにおいて、出力信号の誤差分が検出され、復調された信号1が出力される。
【0046】
また、制御部12dでは、トランスバーサルイコライザ12c内の複数のタップの係数が読み込まれてCONT信号が、タイミング調整部12eに出力されて、復調部12bでのビット遅延時間が制御される。このように、この図2に示す信号復調部11と干渉除去部12との対により、干渉成分が相殺される。
また、図1において、交差偏波干渉除去装置16内の干渉除去部14にある、発振部14e,アナログ・ディジタル変換部14a,復調部14b,トランスバーサルイコライザ14cは、それぞれ、交差偏波干渉除去装置13内の干渉除去部12にある、発振部12e,アナログ・ディジタル変換部12a,復調部12b,トランスバーサルイコライザ12cと同一のものである。また、干渉除去部12は、この他図示はしないが、制御部,タイミング調整部,位相処理部を有し、これらは、それぞれ、図2に示す干渉除去部12内の制御部12d,タイミング調整部12e,位相処理部12fと同一のものである。従って、これらの重複した説明を省略する。
【0047】
同様に、図1において、交差偏波干渉除去装置16内の信号復調部15にある、アナログ・ディジタル変換部15a,復調部15b,トランスバーサルイコライザ15cは、それぞれ、交差偏波干渉除去装置13内の信号復調部11にある、アナログ・ディジタル変換部11a,復調部11b,トランスバーサルイコライザ11cと同一のものである。また、信号復調部15は、信号復調部11内の制御部11fと同一の制御部(図示せず)を有する。従って、これらの重複した説明を省略する。
【0048】
さらに、交差偏波干渉除去装置16内の加算部16a,誤差検出部16bは、それぞれ、交差偏波干渉除去装置13内の加算部13a,誤差検出部13bと同一であるので、重複した説明を省略する。
これにより、交差偏波干渉除去装置16内においての信号の流れは、次のようになる。すなわち、干渉除去部14に入力される第2の信号は、アナログ・ディジタル変換部14aにて、アナログ・ディジタル変換され、復調部14bにて、そのディジタル信号は復調されるとともに、所定の時間だけ遅延させられて出力され、トランスバーサルイコライザ14cにて、そのディジタル信号は等化処理され、Iチャネル,Qチャネルとして第2ベースバンド信号が出力される。そして、それらの信号は、それぞれ、位相反転されて、加算部16aにて、干渉成分が相殺される。さらに、その相殺された信号は、誤差検出部16bにおいて、出力信号の誤差分が検出されて、復調された信号2が出力される。また、干渉除去部14内の制御部(図示せず)では、トランスバーサルイコライザ14c内の複数のタップの係数が読み込まれてCONT信号が、タイミング調整部14eに出力されて、復調部14bでのビット遅延時間が制御される。
【0049】
さらに、この図1に示す交差偏波伝送システム50において、まず、信号1及び信号2が、それぞれ、送信装置30に入力され、それぞれが、同一周波数帯でのV波,H波を用いて無線伝送され、アンテナ40bにおいて、V波は、図1のAと付した点線で示すようにH波の干渉を受け、干渉を受けたV波とH波とは、それぞれ、受信装置20内のアンテナ40b,40cにて、受信される。
【0050】
そして、V波は周波数変換部32aにて、ダウンコンバートされて、第1の信号として、交差偏波干渉除去装置13内の信号復調部11に入力されるとともに、第2の信号として交差偏波干渉除去装置16内の干渉除去部14に入力される。また、H波は周波数変換部32cにて、ダウンコンバートされて、第2の信号として、交差偏波干渉除去装置13内の干渉除去部12に入力されるとともに、第1の信号として交差偏波干渉除去装置16内の信号復調部15に入力される。
【0051】
そして、交差偏波干渉除去装置13内の信号復調部11では、第1の信号が復調されてから、トランスバーサルイコライザ11cで干渉による劣化が等化され、所望の第1ベースバンド信号が得られる。一方、交差偏波干渉除去装置13内の干渉除去部12では、異偏波(H波)側の受信信号が入力され、所定の時間遅延を受けた後、交差偏波干渉除去装置13内の信号復調部11と同様に復調され、トランスバーサルイコライザ12cで干渉量が抽出され、その出力の第2ベースバンド信号は、位相反転されてから加算部13aに入力されて、干渉成分が相殺される。そして、送信された信号1が再生される。
【0052】
同様に、交差偏波干渉除去装置16内の信号復調部15では、第1の信号が復調されてから、トランスバーサルイコライザ15cで干渉による劣化が等化され、所望の第1ベースバンド信号が得られる。一方、交差偏波干渉除去装置16内の干渉除去部14では、異偏波(V波)側の受信信号が入力され、所定の時間遅延を受けた後、交差偏波干渉除去装置16内の信号復調部15と同様に復調され、トランスバーサルイコライザ14cで干渉量が抽出され、その出力の第2ベースバンド信号は、位相反転されてから加算部16aに入力されて、干渉成分が相殺される。そして、送信された信号2が再生される。
【0053】
次に、上記の干渉除去部12,14内における、ビット遅延について図3を用いて説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るタイミング調整部12eと復調部12bとのブロック図である。なお、図1を用いて説明したように、タイミング調整部14eは、このタイミング調整部12eと同一の構成をとり、また、復調部11b,復調部14b,復調部15bもそれぞれ、この復調部12bと同一の構成をとる。
【0054】
図3に示すように、タイミング調整部12eは、計数部(COUNTER)21aと、復号部(DECODE)21bと、4分周器21cとをそなえて構成されている。この計数部21aは、制御部12dに接続されて復調された信号のクロック速度の4倍の速度に等しい高速クロックに同期した4種類の2値状態信号と復調された信号のクロック速度に同期した低速クロックとを出力しうるものであって、入力ポートEn,クロックポートCK,出力ポート1,2を有する。
【0055】
この入力ポートEnは、制御部12dからのCONT信号がイネーブル信号として入力されており、また、クロックポートCKは、高速クロック(4FCLK)が入力されている。そして、CONT信号が例えば正論理のときは、4FCLKに同期した4種類の2値状態信号が、出力ポート1,2から、“00”,“01”,“10”,“11”と出力される。
【0056】
また、出力ポート2の出力信号から、復調された信号のクロック速度に同期した低速クロック(FCK)が生成出力され、このFCKは、復調部12b内に入力されるようになっている。このFCKは、高速クロックを分周することで得られ、また、このFCKの立ち上がりは、4FCLKの立ち上がりと一致している。なお、図3においては、その分周回路の図示を省略してある。
【0057】
さらに、復号部21bは、計数部21aに接続されて出力用の4本の出力線を有し、計数部21aからの4種類の2値状態信号に対応して4本の出力線のうちの一本の2値状態だけが他の出力線の2値状態と異なるように、4FCLKに同期して復調部12bに2値状態を入力しうるものであり、入力ポート1,2と、出力ポート1,2,3,4とを有する。なお、以下の説明において、これらの出力ポート1,2,3,4を、それぞれ、DECODE OUT1,DECODEOUT2,DECODE OUT3,DECODE OUT4と称することがある。
【0058】
この入力ポート1,2は、計数部21aから出力される4種類の2値状態信号(“00”,“01”,“10”,“11”)が入力される。ここで、出力ポート1,2,3,4における4本のうちの一本の2値状態だけが他の2値状態と異なるように切り替わるという意味は、例えば、計数部21a出力が00のときは、出力ポート1のみ正論理で残りの出力ポート2,3,4は全て負論理となった状態を意味する。また、同様に、計数部21a出力が01のときは、出力ポート2のみ正論理で残りの出力ポート1,3,4は負論理となり、同様に、計数部21a出力が10のときは、出力ポート3のみ正論理で残りの出力ポート1,2,4は負論理となり、計数部21a出力が11のときは、出力ポート4のみ正論理で残りの出力ポート1,2,3は負論理となった状態を意味する。
【0059】
そして、計数部21aは、CONT信号が動作命令のときは復号部21bの4本の出力線の2値状態が更新され、CONT信号が非動作命令のときは復号部21bの4本の出力線の2値状態が更新されないようになっている。すなわち、高速クロックの1信号クロック時間内では、これらの4種類のうちの一つだけが指定されるようになっている。
【0060】
また、4分周器21cは、高速クロックを4分周して、低速クロック(XPICCK)を出力するものであり、この4分周器21cは、常時XPICCKを出力し続けており、計数部21aのCONT信号のような制御信号による動作制御はされない。
次に、この図3に示す復調部12bは、第1保持部22と、第2保持部23と、第3保持部24とをそなえて構成されている。
【0061】
この第1保持部22は、アナログ・ディジタル変換部12aとタイミング調整部12eとに接続され、タイミング調整部12eからの4本の出力線に対応する保持部22a,22b,22c,22dを復調された信号の値に書き替えて4ビットの2値状態を出力するものであり、保持部22a,22b,22c,22dを有する。これらの保持部22a,22b,22c,22dは、それぞれ、例えばフリップフロップであり、1ビットの2値状態を保持できるものからなる。そして、これら保持部22a,22b,22c,22dは、それぞれ、データ入力ポートDI,イネーブル信号ポートEn,クロックポートCK,データ出力ポートDoを有する。
【0062】
ここで、4FDATA信号が復調された信号の値が、例えば“FF(HEX) ”のとき、保持部22a,22b,22c,22dのうちの1つが、その復調された信号の値に更新される。なお、ここで、HEX は、16進数を表し、この信号が4倍の速さでサンプリングされた値もやはり、FF(HEX) である。また、以下の説明において、保持部22a,22b,22c,22dの出力を、それぞれ、FF1 OUT1,FF1 OUT2,FF1 OUT3,FF1 OUT4と称することがある。
【0063】
また、第2保持部23は、第1保持部22とタイミング調整部12e内の計数部21aとに接続され、計数部21aからの低速クロックに同期して第1保持部22からの4ビットの2値状態を記憶するものであり、保持部23a,23b,23c,23dを有する。これらの保持部23a,23b,23c,23dは、それぞれ、例えばフリップフロップであり、1ビットの2値状態を保持できるものからなる。そして、これら保持部23a,23b,23c,23dは、それぞれ、データ入力ポートDI,クロックポートCK,データ出力ポートDoを有し、保持部22a,22b,22c,22dの出力ポートDoの内容が書き込まれる。なお、以下の説明において、保持部23a,23b,23c,23dの出力を、それぞれ、FF2 OUT1,FF2 OUT2,FF2 OUT3,FF2 OUT4と称することがある。
【0064】
さらに、第3保持部24は、第2保持部23に接続され、第2保持部23で記憶された4ビットの2値状態を、外部から入力される上記の復調された信号のクロック速度に同期したクロック速度で記憶するものであり、保持部24a,24b,24c,24dを有する。これらの保持部24a,24b,24c,24dは、それぞれ、例えばフリップフロップであり、1ビットの2値状態を保持できるものからなる。そして、これら保持部24a,24b,24c,24dは、それぞれ、データ入力ポートDI,クロックポートCK,データ出力ポートDoを有し、保持部24a,24b,24c,24dの出力ポートDoの内容が書き込まれる。なお、以下の説明において、保持部24a,24b,24c,24dの出力を、それぞれ、FF3 OUT1,FF3 OUT2,FF3 OUT3,FF3 OUT4と称することがある。
【0065】
これにより、アナログ・ディジタル変換部12aから出力される4FDATAは、ある時刻において、保持部22a,22b,22c,22dのうち、イネーブル信号が正論理になっているものに書き込まれて、1−4のシリアル・パラレル変換される。そして、保持部22a,22b,22c,22dにおいて、保持部22a,22b,22c,22dのうちの1つの出力だけが、4FCLKで更新されて、第2保持部23内の保持部23a,23b,23c,23dにおいて、保持部22a,22b,22c,22dの全出力が、FCKで更新される。すなわち、保持部22a,22b,22c,22dの出力データが異なるクロックの保持部23a,23b,23c,23dに、あたかも乗せ替えられたように、データが移動するのである。
【0066】
さらに、保持部24a,24b,24c,24dにおいて、保持部23a,23b,23c,23dの全出力が、XPICCKで更新され、保持部23a,23b,23c,23dの出力データがリタイミングされ、そしてこのリタイミングされた出力データが、それぞれ、Out1,Out2,Out3,Out4として出力されるのである。また、上述したように、この第3保持部は、復調された信号クロックの4倍の速度のクロックで動作するので、これらOut1,Out2,Out3,Out4がそれぞれ、I,Q,−I,−Qに対応し、復調用の4種類の信号が得られる。
【0067】
なお、この図3におけるタイミング調整部12eを、計数部21aと復号部21bとを一体として機能させることもできる。この場合、タイミング調整部12eは、計数部21aと復号部21bとを合わせたものとして機能し、4本の出力線を有する出力部と、FCKクロックを出力しうるクロック発生部とによって、その機能を発揮させることができる。
【0068】
すなわち、出力部は、計数部21aと復号部21bとを合わせたものとして、4本の出力線のうちの一本の2値状態だけが他の出力線の2値状態と異なるように、復調された信号のクロック速度の4倍の速度に等しい高速クロックに同期して4本の出力線の2値状態を出力するものであり、また、そのクロック発生部は、復調された信号のクロック速度に同期した低速クロックを出力し、そして、CONT信号が動作命令のときは、出力部の4本の出力線の2値状態が更新され、CONT信号が非動作命令のときは、出力部の4本の出力線の2値状態が更新されないようにするものである。
【0069】
次に、図7から図9を用いてCONT信号が常に正論理(H固定)の場合のタイミング調整部12eの動作を説明する。
図7から図9は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るタイミング調整部12eのタイムチャートである。また、タイミング調整部14eもこれらのタイムチャートと同様に動作する。この図7に示すタイムチャートは、左側が時刻開始点であり、4FCLK毎のビットの値を参照できるようになっている。この図7に示すタイムチャートの左端には、5種類の欄が設けられており、クロックと入力信号欄,DECODE動作欄,4FCLK動作欄,FCK動作欄,XPICCK動作欄がある。
【0070】
まず、クロックと入力信号欄は、4FCLK,CONT信号,FCK,XPICCK,4FDATAの各信号の論理又は値が記載されている。ここで、4FCLKは、信号クロックの4倍の速さに等しいクロックであり、また、CONT信号は、通常、正論理であり、FCKは信号クロックの速さに等しいクロックであり、XPICCKは、信号クロックの速さに等しいクロックである。さらに、4FDATAは、入力される信号を4倍の速さでサンプリングした値であって、“A1”,“A2”,“A3”,“A4”,“B1”,“B2”,…と表示されている。なお、これらの“A1”等は、データ値を識別するための記号を表す。
【0071】
次に、DECODE動作欄は、復号部21bのそれぞれの出力であり、DECODE OUT1,DECODE OUT2,DECODE OUT3,DECODE OUT4の各欄を有する。また、4FCLK動作欄は、保持部22a,22b,22c,22dのそれぞれの出力であり、FF1 OUT1,FF1 OUT2,FF1 OUT3,FF1 OUT4の各欄を有する。さらに、FCK動作欄は、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれの出力であり、FF2 OUT1,FF2 OUT2,FF2 OUT3,FF2 OUT4の各欄を有する。加えて、XPICCK動作欄は、保持部24a,24b,24c,24dのそれぞれの出力であり、FF3 OUT1,FF3 OUT2,FF3 OUT3,FF3 OUT4の各欄を有する。
【0072】
以下の説明においては、この4FCLKを時刻のサンプル点として、例えばクロック20等と称して説明を行なうこととする。なお、各保持部の初期値は、いずれも0であるとする。
最初のクロック1にて、4FDATAの値は“A1”であり、復号部21bの出力は、H,L,L,Lであり、保持部22a用のDECODE OUT1が正論理になって選択され、保持部22aは、“A1”を格納して表示している。ここで、Hは正論理であり、Lは負論理である。
【0073】
次に、クロック2にて、4FDATAの値は“A2”となり、復号部21bの出力は、L,H,L,Lとなり、保持部22b用のDECODE OUT2が正論理になって選択され、保持部22bは、“A2”を格納して表示する。ここで、保持部22aは、選択されず更新されないので“A1”を表示し続けている。
続けて、クロック3にて、4FDATAの値はA3となり、復号部21bの出力は、L,L,H,Lとなり、保持部22c用のDECODE OUT3が正論理になって選択され、保持部22cは、“A3”を格納して表示する。ここで、保持部22a,22bは、それぞれ、選択されず更新されないので“A1”,“A2”を、それぞれ表示し続けている。
【0074】
さらに、クロック4にて、4FDATAの値は“A3”となり、復号部21bの出力は、L,L,L,Hとなり、保持部22d用のDECODE OUT4が正論理になって選択され、保持部22dは、“A4”を格納して表示する。ここで、保持部22a,22b,22cは、それぞれ、選択されず更新されないので“A1”,“A2”,“A3”を、それぞれ表示し続けている。
【0075】
そして、クロック5においては、復号部21bの動作と、保持部22a,22b,22c,22dの動作は、同様であるが、FCKとXPICCKとが入力される。すなわち、FCKによって、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれに、保持部22a,22b,22c,22dのそれぞれの値が書き込まれ、“A1”,“A2”,“A3”,“A4”のように表示されている。ここで、異なるクロックの速度にデータが乗り替えられている。
【0076】
また、クロック6からクロック8を経て、クロック9において、FCKにより、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれに、保持部22a,22b,22c,22dのそれぞれの値が書き込まれ、“B1”,“B2”,“B3”,“B4”のように表示される。加えて、XPICCKによって、保持部24a,24b,24c,24dのそれぞれに、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれの値が書き込まれ、“A1”,“A2”,“A3”,“A4”のように表示される。
【0077】
同様な書き替え動作が続けられて、図8に示すクロック13からクロック26の期間と、また、図9に示すクロック27からクロック40の期間とにおいて、データが更新される。
このように、CONT信号が常時正論理(H固定)であれば、規則正しく信号の伝達がなされ、4FCLK,CONT信号,FCK,XPICCKの各クロックにより4FDATAが伝達されて、復号部21bの動作により、信号が規則正しく更新される。
【0078】
これに対して、CONT信号が負論理になって、信号伝達に遅延が生ずる場合を、図10から図12を用いて説明する。
図10から図12は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るビット遅延が行なわれる場合のタイミング調整部12eのタイムチャートである。例として3ビット遅延する場合を示している。なお、タイミング調整部14eもこれらのタイムチャートと同様な動作を行なう。
【0079】
また、図10に示すタイムチャートに関する信号名は、図7から図9を用いて説明したタイムチャート内の信号名と同一であり、また、各欄に記述されている内容は、図7から図9を用いて説明したタイムチャート内の信号名と同一であるので、それらに関する更なる説明を省略する。さらに、この図10において、CONT信号が負論理になって影響を受けるのは、DECODE動作欄,4FCLK動作欄,FCK動作欄である一方、最下部のXPICCK動作欄は、CONT信号による影響がなく、図7から図9までに説明したものと、同様に動作する。
【0080】
まず、この図10に示すクロック1からクロック7までの間は、図7から図9で説明した内容と同様な動作が行なわれ、4FDATAの値が“A1”から“B3”まで更新される。
そして、クロック8にて、4FDATAの値が“B4”となったときに、CONT信号が負論理となる。このCONT信号が負論理になると、計数部21aの動作は停止するので、復号部21bの動作も停止する。すなわち、復号部21bの出力は、クロック7におけるL,L,H,Lと同様であって、保持部22c用のDECODE OUT3が選択されたままとなり、保持部22cが再度、更新されて“B4”を格納して表示する。ここで、保持部22a,22b,22dは、それぞれ、選択されず更新されないので“B1”,“B2”,“A4”を、それぞれ表示し続けている。そして、FCKクロックも入力されないので、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれの値は、更新されずに、クロック7における“A1”,“A2”,“A3”,“A4”のそれぞれの値が表示された状態が保持されている。
【0081】
さらに、クロック9においては、CONT信号が正論理に戻るので、復号部21bの出力は、L,L,L,Hとなり、保持部21a,21b,21c,21dの出力は、それぞれ、“B1”,“B2”,“B4”,“C1”となって、保持部21dが更新される。また、XPICCKによって、保持部24a,24b,24c,24dのそれぞれに、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれの値が書き込まれ、“A1”,“A2”,“A3”,“A4”のように表示されている。ここで、異なるクロックの速度にデータが乗り替えられている。このように、特定の位置にある復号部21bの内容のみを変更できる。
【0082】
また、クロック10において、保持部21a,21b,21c,21dの内容がそれぞれ、更新され、さらに、FCKによって、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれに、保持部22a,22b,22c,22dのそれぞれの値が書き込まれ、“B1”,“B2”,“B4”,“C1”のように表示されている。
【0083】
さらに、この図10に示すクロック12において、CONT信号は2回目の負論理となり、復号部21bの出力は、L,H,L,Lを表示したままとなる。ここで、保持部21a,21b,21c,21dの出力は、それぞれ、“C2”,“C4”,“B4”,“C1”となり、保持部21bのみ更新される。
続けて、図11に示すクロック13において、再度、CONT信号が正論理となる。また、XPICCKは、規則正しく入力されるクロックであるので、このXPICCKによって、保持部24a,24b,24c,24dのそれぞれに、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれの値が書き込まれ、“B1”,“B2”,“B4”,“C1”のように表示されている。そして、クロック14,クロック15において、通常のデータ書き込みが行なわれ、クロック15において、更新が遅延している保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれに、保持部22a,22b,22c,22dのそれぞれの値が書き込まれ、“C2”,“C4”,“D1”,“D2”のように表示される。
【0084】
さらに、クロック16において、CONT信号は3回目の負論理となり、このとき、保持部21a,21b,21c,21dのうち21aのみが更新されて、その出力が、“D4”,“C4”,“D1”,“D2”となる。
続けて、クロック17において、CONT信号が正論理となり、保持部21a,21b,21c,21dの出力は、“D4”,“E1”,“D1”,“D2”となる一方、規則正しく入力されるXPICCKによって、保持部24a,24b,24c,24dのそれぞれに、保持部23a,23b,23c,23dのそれぞれの値が書き込まれ、“C2”,“C4”,“D1”,“D2”のように表示される。
【0085】
そして、クロック18の後のクロック19において、保持部22a,22b,22c,22dの出力が、“D4”,“E1”,“E2”,“E3”となり、クロック20において、これらの出力が、保持部23a,23b,23c,23dに、書き込まれて、“D4”,“E1”,“E2”,“E3”のように表示される。
【0086】
また、クロック21において、XPICCKによって、保持部23a,23b,23c,23dの出力が、それぞれ、保持部24a,24b,24c,24dに書き込まれる。ここで、図8のクロック21と図11のクロック21とを比較すると、図8の“D1”,“D2”,“D3”,“D4”は、本来出力されているはずの“D1”,“D2”,“D3”が出力されない。すなわち、“D1”,“D2”,“D3”の3ビットが遅延して、図11の“D4”,“E1”,“E2”,“E3”が出力されているのである。
【0087】
このように、CONT信号を3回負論理にすることにより、3ビットだけ遅延させることができるようになり、また、CONT信号を複数回負論理にすると、その回数に等しいビット数だけ遅延が行なわれる。
さらに、クロック22から続けて、図12のクロック27の動作が行なわれ、図12のクロック28において、CONT信号が4回目の負論理にされ、ビット遅延量は、4ビットとなる。また、クロック29において、XPICCKによって、保持部23a,23b,23c,23dの出力が、それぞれ、保持部24a,24b,24c,24dに書き込まれ、また、FCKによって、保持部22a,22b,22c,22dの出力が、それぞれ、保持部23a,23b,23c,23dに書き込まれる。
【0088】
そして、クロック37において、XPICCKによって、保持部23a,23b,23c,23dの出力が、それぞれ、保持部24a,24b,24c,24dに書き込まれ、“H1”,“H2”,“H3”,“H4”と表示され、4ビット遅延することで、元のデータに戻るのである。すなわち、図9のクロック37における値と比較すると、同一の“H1”,“H2”,“H3”,“H4”が格納されている。
【0089】
このように、CONT信号を4回負論理にすることにより、4ビット遅延させて元のビット並びに戻すことができて、ビットシフト量を調整できる。また、このように、タイミング調整部12eを設けることで、遅延時間を自動的に調整することができるので、最適なタイミングでのサンプリングが可能となる。そして、信号復調部11へ入力される異偏波信号が同一時刻に干渉除去部12に入力されるので、干渉成分を十分除去できるようになる。
【0090】
さらに、このように、遅延素子のようなアナログ素子を用いずに、遅延回路を構成できるので、システムの運用中でも、自動的に、遅延量を無瞬断で変更することができるのである。
次に、トランスバーサルイコライザ12cと制御部12dとの詳細を説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るトランスバーサルイコライザ12cの構成図である。この図4に示すトランスバーサルイコライザ12cは、相関値計算部27a,27b,27c,27dと、加算部27e,27fとを有する。なお、この図4に示すトランスバーサルイコライザ12cの構成は、トランスバーサルイコライザ11c,14c,15cの構成と同一である。
【0091】
ここで、相関値計算部27aは、IチャネルとIチャネルとの相関値を計算するものであり、この機能は、例えば縦列接続されたタップ(図示せず)によって実現され、また、これらの複数のタップは、タップ係数を有し、外部からその係数値を変更できるようになっている。さらに、相関値計算部27aは、縦列接続されたタップの中央部に位置するセンタタップのほか、このセンタタップに隣接するエコータップを有し、このセンタタップの係数と、エコータップの係数とは、後述するように、遅延量の計算に使用されるようになっている。
【0092】
同様に、相関値計算部27bは、IチャネルとQチャネルとの相関値を計算するものであり、相関値計算部27cは、QチャネルとQチャネルとの相関値を計算するものであり、相関値計算部27dは、QチャネルとIチャネルとの相関値を計算するものである。そして、これら相関値計算部27b,27c,27dの機能は、相関値計算部27aと同様に、縦列接続されたタップ(図示せず)によって実現されている。また、同様に、各センタタップの係数と、エコータップの係数とは、後述するように、遅延量の計算に使用されるようになっている。
【0093】
すなわち、そのタップ群の中央タップが、主信号を表しており、また、その中央タップ以外のタップは、マルチパス信号を表すものであって、主信号に対して遅延又は進みがある信号を表す。そして、マルチパス信号を表す中央タップ以外のタップでの重み付けを変化させることにより、マルチパス信号の雑音を取り除けるようになっている。この重み付けとは、各タップの係数を変更することであって、この値は適切な値を設定するために可変となっている。
【0094】
また、加算部27eは、相関値計算部27aと相関値計算部27bとの出力を加算するものであって、具体的には、マルチパス信号成分の雑音を除去することにより等化し、Iチャネル信号を出力する。また、同様に、加算部27fは、相関値計算部27cと相関値計算部27dとの出力を加算するものであって、具体的には、マルチパス信号成分の雑音を除去することにより等化し、Qチャネル信号を出力する。
【0095】
これにより、復調されたOut1,Out2,Out3,Out4の4種類の信号は、それぞれ、相関値計算部27a,27b,27c,27dに入力され、これらの相関値計算部27a,27b,27c,27d内部の各タップ係数は、受信状況に応じて、適切な値に変更される。そして、相関値計算部27a,27bからの出力は、それぞれ、加算部27eにおいて、加算され、等化されたIチャネル信号が出力される。また、一方、相関値計算部27c,27dからの出力は、それぞれ、加算部27fにおいて、加算されて、等化されたQチャネル信号が出力される。
【0096】
図5は、本発明の一実施形態に係る制御部12dの機能ブロック図である。この図5に示す制御部12dは、交差偏波干渉量に基づいたCONT信号を出力するものであって、タイミング検出部25と、制御信号出力部26′とをそなえて構成されている。
また、このタイミング検出部25,制御信号出力部26′は、Iチャネルについてのものであって、Qチャネルについても、図示はしないが、同一のタイミング検出部,制御信号出力部が設けられている。なお、信号復調部11内に設けられた制御部11f(図1参照)と、交差偏波干渉除去装置16内の信号復調部15内の制御部(図示せず)と、干渉除去部14内の制御部(図示せず)とは、それぞれ、この制御部12dと同一の構成をとる。これらの違いは、出力されるCONT信号の使用され方の違いである。
【0097】
まず、タイミング検出部25は、トランスバーサルイコライザ12c内の複数のタップの係数に基づいて交差偏波干渉量を抽出しその大きさを遅延量情報として出力しうるものであって、具体的には、このタイミング検出部25は、トランスバーサルイコライザ12cから、タップ係数情報(タップ係数)を入力され、そのタップ係数情報を復号して交差偏波干渉除去装置側の遅延量又は進み量を出力するものである。この量は、例えば3ビットで表され、+3が最も遅れた状態を意味し、−3が最も進んだ状態を意味している。この+3から−3の値の割り振り方は、次のようになる。すなわち、011が+3,010が+2,001が+1,000が0,111が−1,110が−2,101が−3を表している。
【0098】
そして、制御信号出力部26′は、タイミング検出部25からの遅延量情報と外部からの干渉成分信号とに基づいて復調部12bを遅延動作させるべく制御信号を出力しうるものであって、具体的には、この制御信号出力部26′は、タイミング検出部25から出力される遅延量又は進み量と、外部から入力される干渉成分信号とによって、遅延が必要な場合は、正論理の制御信号(CONT信号)の論理を負論理に変化させて出力させるものである。そして、この制御信号出力部26′は、CPU26とメモリ(図示せず)とが協働することにより実現される。なお、CPU26自体については、公知のものであるので、これについての詳細な説明を省略する。
【0099】
この干渉成分信号とは、干渉除去動作を保護するために用いられるものである。すなわち、干渉量がない場合か、あるいは、小さい場合には、タップ係数値の誤差の大きさが目立つので、遅延量を正確に制御できなくなる。そのために、上記の3ビットを読み込んで、その値を復号し、必要な遅延量を、CONT信号を負論理にする回数で後段に通知するようになっている。具体的には、制御信号出力部26′は、干渉量が000,111の場合には、CONT信号を負論理にせず、検出動作の保護を行ない、上述したように、負論理にした回数によって、調整されるのである。
【0100】
また、この干渉が生じたことは、トランスバーサルイコライザ12cから出力されたタップ係数情報と干渉成分信号とによって、通知されることにより行なわれる。従って、制御信号出力部26′に干渉成分信号が入力され、この制御信号出力部26′によって、干渉が発生しているか否かが監視され、干渉が発生していないときには、CONT信号は正論理が出力され続け、また、干渉が生じてタイミングを調整する必要が生じた場合は、制御信号出力部26′により、負論理となり、この負論理によって、ビット遅延がなされる。
【0101】
このように、干渉除去部12(図2参照)においては、CONT信号によって、交差偏波干渉が生じていない場合は、通常のタイミングで干渉除去を行なえる一方、交差偏波干渉が生じた場合は、所定の遅延量を発生させて干渉除去を行なえるようになる。また、タイミング検出部25にてトランスバーサルイコライザ12cからのタップ係数を基にしなくても検出ができるようになる。
【0102】
また、信号復調部11(図2参照)においては、制御部11fから出力されるCONT信号が、アナログ・ディジタル変換部11aのサンプリングタイミングの調整に使用される。すなわち、制御部11f内のタイミング検出部25の検出結果は、3ビットで表され、最適の時に“0”、遅い時“3”、早い時“−3”をそれぞれ出力して、その3ビットデータが、制御信号出力部26′に取り込まれて、最適となるように、CONT信号が生成されるのである。
【0103】
図6は、本発明の一実施形態に係る制御部12dのブロック図であり、図5に示すタイミング検出部25のIチャネルについての一例を示している。この図6に示す制御部12d内のタイミング検出部25は、大小比較器25aと、セレクター25b,25eと、加算器25c,25dと、EXOR演算器25fと、3値レベル変換器25gとをそなえて構成されている。
【0104】
ここで、大小比較器25aは、Iチャネルについての同相センタタップ係数とIチャネルについての直交センタタップ係数とを比較して、その係数値の大きい方のタップ係数とその比較結果とをそれぞれ、切り替え信号として、後段に出力するものである。このIチャネルについての同相センタタップ係数とは、トランスバーサルイコライザ12cの相関値計算部27a内の中央に位置するタップの係数をいい、また、Iチャネルについての直交センタタップ係数とは、トランスバーサルイコライザ12cの相関値計算部27b内の中央に位置するタップの係数をいう。
また、セレクター25bは、大小比較器25aからの切り替え信号によって、Iチャネルについての同相センタタップ係数とIチャネルについての直交センタタップ係数とのいずれかの係数を選択して後段に出力するものである。
【0105】
さらに、加算器25cは、Iチャネルについての複数の同相エコータップ係数を加算して出力するものである。このIチャネルについての複数の同相エコータップ係数とは、トランスバーサルイコライザ12cの相関値計算部27a内のセンタタップに隣接する前後のタップの係数をいう。すなわち、センタタップ以外のタップについて、所定の個数のタップの係数を全て加算するようになっている。なお、所定の個数のタップは任意に選択することができ、センタタップに隣接する前後のタップの2個に限らずに、それ以上の個数のタップを選択してもよい。
【0106】
また、加算器25dは、Iチャネルについての複数の直交エコータップ係数を加算して出力するものである。このIチャネルについての複数の直交エコータップ係数とは、トランスバーサルイコライザ12cの相関値計算部27b内のセンタタップに隣接する前後のタップ係数をいい、センタタップ以外のタップについて、所定の個数のタップ係数を全て加算するようになっている。なお、所定の個数のタップは任意に選択することができ、センタタップに隣接する前後のタップの2個に限らずに、それ以上の個数のタップを選択してもよい。そして、セレクター25eは、大小比較器25aからの切り替え信号によって、加算器25cの出力と加算器25dの出力とのいずれかの係数を選択して後段に出力するものである。
【0107】
また、EXOR演算器25fは、セレクター25bの出力とセレクター25eの出力との排他的論理和を出力するものであり、相関値計算部27a,相関値計算部27bのいずれかを選択するようになっている。すなわち、相関値計算部27aを選択する場合は、Iチャネルについての同相センタタップ係数と、Iチャネルについての複数の同相エコータップ係数を全て加算したものとが加算されて出力され、そして、相関値計算部27bを選択する場合は、Iチャネルについての直交センタタップ係数と、Iチャネルについての複数の直交エコータップ係数を全て加算したものとが加算されて出力されるようになっている。
【0108】
そして、3値レベル変換器25gは、EXOR演算器25fから出力される信号を3値変換して、000から111までの8種類の信号として出力するものである。
なお、これらの大小比較器25aと、セレクター25b,25eと、加算器25c,25dと、EXOR演算器25fと、3値レベル変換器25gとは、それぞれ、論理回路によって、その機能が実現される。また、Qチャネルについても、Iチャネルと同様に動作する。
【0109】
そして、これにより、大小比較器25aにおいて、Iチャネルについての同相センタタップ係数とIチャネルについての直交センタタップ係数とが比較されて切り替え信号が出力され、そして、セレクター25bにおいて、その切り替え信号によって、Iチャネルについての同相センタタップ係数とIチャネルについての直交センタタップ係数とのいずれかの係数が出力される。さらに、同じ切り替え信号によって、加算器25cと加算器25dとのいずれか一方が出力される。
【0110】
そして、切り替え信号により、Iチャネルについての同相センタタップ係数及びIチャネルについての直交エコータップ係数が選択されたときは、EXOR演算器25fにおいて、セレクター25bの出力とセレクター25eの出力との排他的論理和が計算されてその結果が出力され、また、Iチャネルについての直交センタタップ係数及びIチャネルについての直交エコータップ係数が選択されたときは、EXOR演算器25fにおいて、セレクター25bの出力とセレクター25eの出力との排他的論理和が計算されてその結果が出力されるのである。
【0111】
そして、この値は、3値レベル変換器25gにおいて、000から111までの7種類の信号として出力され、CPU26において、その7種類の信号は、干渉成分信号とともに検証されて、CONT信号が制御されるのである。なお、Qチャネルについても、全く同一であるので、更なる説明を省略する。
そして、このような構成によって、ディジタル信号のビットシフトが行なわれて、信号復調部11と干渉除去部12とによる交差偏波干渉分が除去される。
【0112】
図13は、本発明の一実施形態に係る制御信号出力部26′のフローチャートであり、CPU26の動作を表示している。ステップA1から開始されるこのフローは、まず、ステップA2において、CPU26は、干渉成分信号が、“000”,“111”以外であるか否かを判定し、それら以外の場合は、YESルートをとり、ステップA3において、タイミング検出信号が“0”以外か否かを判定する。また、このステップA3において、タイミング検出信号が“0”以外であると、YESルートをとり、ステップA4において、CONT信号(CONTROL信号)が送出され、干渉量が無くなる方向に制御される。
【0113】
加えて、このステップA4に続けて、CONT信号による所定時間のビット遅延操作が行なわれ、復調されたベースバンド信号のクロックの4倍の速度に等しい逓倍クロックに同期して動作する交差偏波干渉除去用のビットシフトが行なわれる。
まず、上記のステップA4がディジタル信号を遅延させるか否かを交差偏波干渉量に基づいて判定する判定ステップに相当し、この判定ステップにてディジタル信号を遅延させない場合は、CPU26は、逓倍クロックに同期した4種類の2値状態信号と復調されたベースバンド信号のクロックに同期した低速クロックとを出力するとともに、判定ステップにて遅延させる場合は4種類の2値状態信号と低速クロックとの出力を停止する(通過・遅延ステップ)。
【0114】
さらに、CPU26は、2値状態を記憶する保持部22a,22b,22c,22dを4個そなえた第1保持部22内の特定の保持部を指定し(指定ステップ)、CPU26はこの指定ステップにて指定された特定の保持部に逓倍クロックに同期したディジタル信号の1ビットの2値状態を書き込む(第1書き込みステップ)。なお、ここでのディジタル信号とは、復調された4FDATAを意味する。
【0115】
続けて、CPU26は、2値状態を記憶する保持部23a,23b,23c,23dを4個そなえた第2保持部23内の各保持部に、第1保持部22を構成する各保持部の2値状態を、低速クロックで書き込み(第2書き込みステップ)、CPU26は、2値状態を記憶する保持部24a,24b,24c,24dを4個そなえた第3保持部24内の各保持部に、第2保持部23を構成する各保持部の2値状態を、ベースバンド信号のクロックで書き込む(第3書き込みステップ)。
【0116】
このように、CONT信号のパルスを制御することで、データを選択してビットの並び替えができ、CPU26がCONT信号を負論理にする回数を制御することによって、所定時間のビット遅延を起こさせることが可能となり、ディジタル信号を遅延させられるようになる。
また、このように、ディジタル信号の遅延量に対応して、遅延量または進み量を調整できるので、信号復調部11(15)における干渉量にリアルタイムで、追随できるようになり、システム運用中でも遅延量を無瞬断で変更できるようになる。その上、操作者の操作が不要となり、システム運用中でも、変更操作ができるので、きめ細やかな制御が可能となる。また、温度等の環境変化によらず、遅延量を設定できるようになる。
【0117】
また、このようにして、信号復調部11(15)に入力されるディジタル信号と交差偏波干渉除去部12(14)に入力されるディジタル信号との間で、同期をとるように調整できるようになるので、干渉成分を容易に除去できるようになる。
さらに、このようにして、簡易なディジタル装置を用いることによって、遅延量を制御することができるようになるので、装置の無調整化、高密度化、安定動作ができるようになる。加えて、また、安価に設備投資を行なえるので、本システムの導入が促進されるようになる。
【0118】
(B)その他
本発明は上述した実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
上述した実施形態では、送信装置30と受信装置20とが別々が設けられているが、対向して無線送受信を行なえるように、送信側と受信側とが、それぞれ、送信装置30と受信装置20とをそなえて構成されるようにもできる。
【0119】
また、上述した実施形態の説明中で使用した論理は、例示したものであるので、その論理値は、設計によって、変更してもよい。
さらに、上述した説明では、クロック速度のnは4としていたが、これは、変調方式の変更等により、8や16等に変更できる。さらに、ビット遅延量は、3ビットに限らずに、1,2ビット及びそれ以上でも可能である。
【0120】
なお、上述の制御信号は、CONT信号と称されたり、図13でCONTROL信号と表示されているが、同一のものである。
【0121】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の交差偏波干渉除去装置によれば、同一周波数帯で相互に直交する2種類の偏波のそれぞれを用いて送信された無線信号のうちの一方に起因する第1の信号を受信してから第1の信号をアナログ・ディジタル変換し復調し等化処理して第1ベースバンド信号を出力しうる信号復調部と、送信された無線信号のうちの他方に起因する第2の信号を受信してから第2の信号をアナログ・ディジタル変換し、得られたディジタル信号を所定の時間だけ遅延させて復調し等化処理して第2ベースバンド信号を出力しうる干渉除去部と、信号復調部からの第1ベースバンド信号と干渉除去部からの第2ベースバンド信号とを加算して出力する加算部とをそなえ、この干渉除去部が、アナログ・ディジタル変換部と、復調部と、複数のタップを有する等化部と、制御部と、タイミング調整部とをそなえて構成されているので、遅延時間を自動的に調整できるようになって、最適なタイミングでのサンプリングが可能となり、また、ディジタル信号の遅延を制御でき、干渉成分を十分除去できる利点がある。そして、交差偏波干渉が生じていない場合は、通常のタイミングで干渉除去を行なえる一方、交差偏波干渉が生じた場合は、所定の遅延量を発生させて干渉除去を行なえる利点がある(請求項1)。
【0122】
さらに、タイミング調整部は、計数部と、復号部とをそなえ、制御信号が動作命令のときは復号部のn本の出力線の2値状態が更新され、制御信号が非動作命令のときは復号部のn本の出力線の2値状態が更新されないように構成することができ、このようにすれば、制御信号のパルスを制御して所定時間のビット遅延を起こさせて、ディジタル信号を遅延させることができるようになる(請求項2)。
【0123】
そして、このタイミング調整部は、n本の出力線のうちの一本の2値状態だけが他の出力線の2値状態と異なるように、n本の出力線の2値状態を出力する出力部と、低速クロックを出力しうるクロック線とをそなえ、制御信号が動作命令のときは、出力部のn本の出力線の2値状態が更新され、制御信号が非動作命令のときは、出力部のn本の出力線の2値状態が更新されないように構成してもよく、このようにすれば、ディジタル信号の遅延量に対応して、遅延量または進み量を調整できるので、復調部における干渉量にリアルタイムで、追随できるようになり、遅延量を無瞬断で変更できるようになる(請求項3)。
【0124】
また、上記の復調部は、nビットの2値状態を出力する第1保持部と、計数部からの低速クロックに同期して第1保持部からのnビットの2値状態を記憶する第2保持部と、第2保持部で記憶されたnビットの2値状態を、復調された信号のクロック速度に同期したクロック速度で記憶する第3保持部とをそなえて構成することができ、このようにすれば、操作者の操作が不要となり、システム運用中でも、変更操作ができるので、きめ細やかな制御が可能となる。また、温度等の環境変化によらず、遅延量を設定できるようになる(請求項4)。
【0125】
さらに、上記の制御部は、複数のタップの係数に基づいて交差偏波干渉量を抽出しその大きさを遅延量情報として出力しうるタイミング検出部と、その遅延量情報と外部からの干渉成分信号とに基づいて制御信号を出力しうる制御信号出力部とをそなえて構成することができ、このようにすれば、復調部に入力されるディジタル信号と交差偏波干渉除去部に入力されるディジタル信号との間で、同期をとるように調整できるようになるので、干渉成分を容易に除去できる利点がある(請求項5)。
【0126】
さらに、本発明の交差偏波干渉除去用のビットシフト方法は、ディジタル信号を遅延させるか否かを交差偏波干渉量に基づいて判定する判定ステップと、判定ステップにてディジタル信号を遅延させない場合は逓倍クロックに同期したn種類の2値状態信号と復調されたベースバンド信号のクロックに同期した低速クロックとを出力する通過・遅延ステップと、第1保持部内の特定の保持部を指定する指定ステップと、特定の保持部に逓倍クロックに同期したディジタル信号の1ビットの2値状態を書き込む第1書き込みステップと、第2保持部内の各保持部に第1保持部内の各保持部の2値状態を低速クロックで書き込む第2書き込みステップと、第3保持部内の各保持部に第2保持部内の各保持部の2値状態をベースバンド信号のクロックで書き込む第3書き込みステップとをそなえて構成されているので、アナログ信号のサンプリングタイミングを自動的にタイミング調整部によって最適調整し、最大限の異偏波干渉除去性能を発揮できる利点がある。また、簡易なディジタル装置を用いることによって、遅延量を制御することができるようになり、安価で設備投資を行なえるようになり、システム導入が促進できるようになるうえ、装置の無調整化、高密度化、安定動作ができる利点がある(請求項6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用される交差偏波伝送システムの構成図である。
【図2】本発明を適用される交差偏波干渉除去装置のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るタイミング調整部と復調部とのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るトランスバーサルイコライザの構成図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る制御部の機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る制御部のブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るタイミング調整部のタイムチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るタイミング調整部のタイムチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係るタイミング調整部のタイムチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係るビット遅延が行なわれる場合のタイミング調整部のタイムチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係るビット遅延が行なわれる場合のタイミング調整部のタイムチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係るビット遅延が行なわれる場合のタイミング調整部のタイムチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係る制御信号出力部のフローチャートである。
【図14】受信された一方の偏波から交差偏波干渉成分を除去する方法の説明図である。
【符号の説明】
11,15 信号復調部
11a,12a,14a,15a アナログ・ディジタル変換部
11b,12b,14b,15b 復調部
11c,12c,14c,15c トランスバーサルイコライザ
11f,12d 制御部
11e 発振部
12,14 干渉除去部
12e タイミング調整部
12f 位相処理部
13,16 交差偏波干渉除去装置
13a,16a 加算部
13b,16b 誤差検出部
20 受信装置
21a 計数部
21b 復号部
21c 4分周器
22 第1保持部
23 第2保持部
24 第3保持部
22a,22b,22c,22d,23a,23b,23c,23d,24a,24b,24c,24d 保持部
25 タイミング検出部
25a 大小比較器
25b,25e セレクター
25c,25d,27e,27f 加算器
25f EXOR演算器
25g 3値レベル変換部
26 CPU
26′ 制御信号出力部
27a,27b,27c,27d 相関値計算部
30 送信装置
30a,30b 送信部
31 無線空間
32a,32c 周波数変換部
32b 局部発振器
40a,40b,40c,40d アンテナ
50 交差偏波伝送システム

Claims (6)

  1. 同一周波数帯で相互に直交する2種類の偏波のそれぞれを用いて送信された無線信号のうちの一方に起因する第1の信号を受信してから該第1の信号をアナログ・ディジタル変換し復調し等化処理して第1ベースバンド信号を出力しうる信号復調部と、
    該送信された無線信号のうちの他方に起因する第2の信号を受信してから該第2の信号をアナログ・ディジタル変換し、得られたディジタル信号を所定の時間だけ遅延させて復調し等化処理して第2ベースバンド信号を出力しうる干渉除去部と、
    該信号復調部からの該第1ベースバンド信号と該干渉除去部からの該第2ベースバンド信号とを加算して出力する加算部とをそなえ、
    該干渉除去部が、
    該第2の信号をアナログ・ディジタル変換してディジタル信号を出力しうるアナログ・ディジタル変換部と、
    該アナログ・ディジタル変換部に接続されて、該アナログ・ディジタル変換部からの該ディジタル信号を所定の時間だけ遅延させて出力しうる復調部と、
    該復調部に接続されて、該復調部からの該ディジタル信号を等化処理して該第2ベースバンド信号を出力すべく係数値を可変としうる複数のタップを有する等化部と、
    該等化部に接続されて、該等化部内の該複数のタップの係数を読み書きするとともに外部に対して制御信号を出力しうる制御部と、
    該制御部と該復調部とに接続されて、該制御部からの該制御信号に応じて該復調部での遅延時間を設定するタイミング調整部とをそなえて構成されたことを特徴とする、交差偏波干渉除去装置。
  2. 該タイミング調整部が、
    該制御部に接続されて復調された信号のクロック速度のn倍(nは自然数)の速度に等しい高速クロックに同期したn種類の2値状態信号と該復調された信号のクロック速度に同期した低速クロックとを出力しうる計数部と、
    該計数部に接続されて出力用のn本の出力線を有し、該計数部からの該n種類の2値状態信号に対応して該n本の出力線のうちの一本の2値状態だけが他の出力線の2値状態と異なるように該高速クロックに同期して該復調部に該2値状態を入力しうる復号部とをそなえ、
    該制御信号が動作命令のときは該復号部の該n本の出力線の2値状態が更新され、該制御信号が非動作命令のときは該復号部の該n本の出力線の2値状態が更新されないように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の交差偏波干渉除去装置。
  3. 該タイミング調整部が、
    n本の出力線のうちの一本の2値状態だけが他の出力線の2値状態と異なるように、復調された信号のクロック速度のn倍(nは自然数)の速度に等しい高速クロックに同期してn本の出力線の2値状態を出力する出力部と、
    該復調された信号のクロック速度に同期した低速クロックを出力しうるクロック発生部とをそなえ、
    該制御信号が動作命令のときは、該出力部の該n本の出力線の2値状態が更新され、制御信号が非動作命令のときは、該出力部の該n本の出力線の2値状態が更新されないように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の交差偏波干渉除去装置。
  4. 該復調部が、
    該アナログ・ディジタル変換部と該タイミング調整部とに接続され、該タイミング調整部からの該n本の出力線に対応する保持部を復調された信号の値に書き替えてnビットの2値状態を出力する第1保持部と、
    該第1保持部と該タイミング調整部内の該計数部とに接続され、該計数部からの該低速クロックに同期して該第1保持部からのnビットの2値状態を記憶する第2保持部と、
    該第2保持部に接続され、該第2保持部で記憶されたnビットの2値状態を、外部から入力される該復調された信号のクロック速度に同期したクロック速度で記憶する第3保持部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項2または請求項3のいずれか一項記載の交差偏波干渉除去装置。
  5. 該制御部が、
    該等化部内の該複数のタップの係数に基づいて交差偏波干渉量を抽出しその大きさを遅延量情報として出力しうるタイミング検出部と、
    該タイミング検出部からの該遅延量情報と外部からの干渉成分信号とに基づいて該復調部を遅延動作させるべく該制御信号を出力しうる制御信号出力部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1記載の交差偏波干渉除去装置。
  6. 復調されたベースバンド信号のクロックのn倍(nは自然数)の速度に等しい逓倍クロックに同期して動作する交差偏波干渉除去用のビットシフト方法であって、
    ディジタル信号を遅延させるか否かを交差偏波干渉量に基づいて判定する判定ステップと、
    該判定ステップにて該ディジタル信号を遅延させない場合は該逓倍クロックに同期したn種類の2値状態信号と該復調されたベースバンド信号のクロックに同期した低速クロックとを出力するとともに、該判定ステップにて遅延させる場合は該n種類の2値状態信号と該低速クロックとの出力を停止する通過・遅延ステップと、
    2値状態を記憶する保持部をn個そなえた第1保持部内の特定の保持部を指定する指定ステップと、
    該指定ステップにて指定された該特定の保持部に該逓倍クロックに同期したディジタル信号の1ビットの2値状態を書き込む第1書き込みステップと、
    2値状態を記憶する保持部をn個そなえた第2保持部内の各保持部に、該第1保持部を構成する各保持部の2値状態を、該低速クロックで書き込む第2書き込みステップと、
    2値状態を記憶する保持部をn個そなえた第3保持部内の各保持部に、該第2保持部を構成する各保持部の2値状態を、該ベースバンド信号のクロックで書き込む第3書き込みステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、交差偏波干渉除去用のビットシフト方法。
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