JPH08274368A - 半導体光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体光素子およびその製造方法

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JPH08274368A
JPH08274368A JP7294995A JP7294995A JPH08274368A JP H08274368 A JPH08274368 A JP H08274368A JP 7294995 A JP7294995 A JP 7294995A JP 7294995 A JP7294995 A JP 7294995A JP H08274368 A JPH08274368 A JP H08274368A
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JP
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semiconductor
optical device
film
layer
semiconductor optical
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JP7294995A
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English (en)
Inventor
Tatsuro Kanetake
達郎 金武
Makoto Suzuki
鈴木  誠
Shinji Nishimura
信治 西村
Masahiro Aoki
雅博 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】絶縁膜による効果的な電流狭窄構造を有し、か
つ、電極との十分大きな接触面積を確保できる半導体光
素子、およびそのような半導体光素子を容易に形成でき
る製造方法を提供する。 【構成】半導体基板102の表面上に、ストライプ状の
溝を有する誘電体膜112が形成され、このストライプ
状の溝によって露出された上記半導体基板102の表面
上に、半導体バッフア層103、半導体活性層104お
よび半導体クラッド層105が順次積層され、上記半導
体クラッド層105は、逆台形の断面形状を有してい
る。 【効果】半導体クラッド層105の断面形状が逆台形で
あるため、半導体キャップ層との接触面積を十分大きく
なり、また、半導体活性層104の幅が絶縁膜112に
設けられた溝によって規定されるため、半導体活性層1
04以外の部分に漏れる電流は効果的に抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体光素子およびそ
の製造方法に関し、詳しくは、光通信や光情報処理等の
分野で用いられる化合物半導体光素子およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、例えば半導体レーザや半
導体光増幅器など順方向半導体光素子においては、順方
向電流を流すことによって活性層に荷電担体が注入さ
れ、この荷電担体が誘導放射過程を通じて再結合するこ
とによりレーザ光を発生する。半導体光素子の発光効率
を向上させるためには、上記順方向電流の電流使用効率
を高くするのが有効であり、そのための方法として、活
性層の幅を狭めて、活性層に注入される上記順方向電流
の電流密度を高くする第1の方法と、活性層以外に流れ
る漏れ電流を低減して、活性層に閉じこめられる荷電担
体の密度を増大させる第2の方法が行われている。
【0003】上記第1の方法は有効な方法ではあるが、
活性層の幅をどこまで狭くできるかは作製方法に依存
し、制限されるので、活性層の幅をさらに狭くすること
のできる新しい作製方法が必要であり、広く検討されて
いる。
【0004】上記第2の方法は、漏れ電流を低減するた
めに、活性層以外の部分を電流狭窄構造とすることが一
般的に行われている。従来、この電流狭窄構造は半導体
から構成され、例えばpnpn接合を含む電流ブロック
層によって活性層を挟むように設ける構造が用いられて
いる。このような構造は、通常、下記のような方法によ
って形成される。すなわち、半導体基板上に、クラッド
層、活性層および第2のクラッド層を順次成長させて半
導体の多層構造を形成した後、周知の選択エッチングを
行って、導波路パターンをエッチし、さらに、上記導波
路パターン以外の部分の上に、pnpn電流ブロック層
を成長させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法は、
2回以上の結晶成長が必要であるなど、極めて繁雑であ
るため、得られる活性層の最小幅には限界があり、上記
第1の方法と併用することは困難である。また、上記電
流ブロック層の電流狭窄効果は必ずしも十分とは言えな
い。特に、光出力を増大させるために大電流を流すと、
pnpn電流ブロック層がブレークダウンして、使用不
能になってしまうという問題点があった。
【0006】この電流狭窄構造を、半導体ではなく、絶
縁体によって構成した下記構造が提案されている(和田
浩、小川洋、上条健、第55回応用物理学会学術講演会
講演予稿集、第三分冊、964ページ)。この方法は、
まず、二酸化珪素膜が表面上に成長された第1のインジ
ウム燐基板と、インジウム燐クラッド層およびインジウ
ムガリウム砒素層が表面上に積層して成長された第2の
インジウム燐基板を、上記二酸化珪素膜とインジウム燐
クラッド層を互いに対向させて直接接着した後、上記第
2のインジウム燐基板およびインジウムガリウム砒素層
を除去して、上記第1のインジウム燐基板上に上記二酸
化珪素膜およびインジウム燐クラッド層が積層された構
造を形成する。
【0007】次に、周知の選択エッチング法を用いて、
導波路パターンをエッチングし、除去された部分上に、
インジウムガリウム砒素燐からなる活性層を成長させ
る。この方法は、良好な電流狭窄特性が得られたと報告
されているが、上記直接接着および接着後における、上
記インジウム燐基板除去のプロセスが、極めて繁雑であ
る。しかも、厚いインジウム燐クラッド層を選択エッチ
ングして、導波路パターンが形成されるので、活性層の
幅をあまり狭くすることができず、第1の方法と併用す
ることは困難である。
【0008】このように、上記第2の方法にはいくつか
の問題があって実用化が困難であるため、上記第2の方
法ではなく、上記第1の方法を実用化するための第3の
方法として、新しい電流狭窄構造を形成する方法が、北
村、他、アイ・イー・イー・イー・ホトニクス・テクノ
ロジー・レター・第6巻第173頁(K.Kitamura,K.Kom
atsu,K.Kitamura,IEEE Photonics Technology Letters
vol 6,page173)に提案されている。ここで提案されてい
る電流狭窄構造は、(100)インジウム燐基板上に、
結晶方位<011>に沿って二酸化珪素からなるストラ
イプマスクを2本形成し、これら2本のストライプマス
クに挟まれた窓領域(溝)上に、半導体活性層を選択成
長させる。次に選択エッチャントを用いて半導体活性層
付近のストライプマスクを部分的に除去して、マスク間
に挟まれた窓領域を拡大し、半導体活性層を埋め込むよ
うにその拡大された窓領域上に半導体クラッド層を成長
させものである。
【0009】上記第3の方法によれば、活性層の幅を
0.5μmまで狭くすることが可能で、良好な電流狭窄
特性が得られたと報告されているが、この構造において
も、下記のようにいくつかの問題点がある。まず、この
電流狭窄構造を有するデバイスでは、上記ストライプマ
スクである二酸化珪素膜は、半導体活性層の側から除去
されている。そのため、半導体活性層の近傍では、半導
体活性層を埋め込む半導体クラッド層とインジウム燐基
板の間に形成されたpn接合によって、漏れ電流がブロ
ックされる。従って、光出力を増加させるために大電流
を流すと、幅の狭いストライプ領域の電圧降下を介して
両電極間の電圧上昇を招く結果、pn接合のブレークダ
ウンが起こり、使用不能になってしまう。
【0010】また、成長した活性層や半導体クラッド層
が、メサ形状(台形)になるため、エピタキシャル成長
によって形成され上記活性層や半導体クラッド層の、基
板と反対側の面の面積が、基板側の面の面積より小さく
なってしまい、電流注入のために形成される電極との、
十分な接触面積を確保することが困難になる。そのた
め、活性層を成長した後に、選択エッチャントを用いて
マスク間に挟まれた窓領域を拡大し、この拡大された窓
領域上に半導体クラッド層を成長させるという、複雑な
工程を付加しなければならない。
【0011】本発明の目的は、従来の技術の有する上記
問題を解決し、電極との良好な接触を確保できるととも
に、効果的な電流狭窄構造を有する半導体光素子および
そのような電流狭窄構造を有する半導体光素子を、簡便
なプロセスで容易に形成することのできる、半導体光素
子の製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、第1導電型を有する化合物半導体基板の表面
上に形成された、誘電体膜の有するストライプ状の溝内
に、上記第1導電型を有する化合物半導体からなるバッ
フア層および当該バッフア層とは異なる種類の化合物半
導体からなる活性層から構成された積層膜が形成され、
当該積層膜上に、断面形状が逆台形の、上記第1導電型
とは逆の第2導電型を有する化合物半導体からなるクラ
ッド層を形成するものである。上記誘電体膜として、二
酸化硅素、四窒化三硅素、ほう珪酸ガラス、アモルファ
スシリコン、三酸化二アルミニウムのいずれかを組成に
含む誘電体を使用できる。
【0013】本発明において、上記ストライプ状の溝
は、上記半導体基板の結晶方位〈110〉から、0.1
度〜14度、好ましくは、0.5度〜10度の範囲内の
角度に形成される。
【0014】本発明の半導体光素子は、(001)面と
なす角度が2度以下である第1導電型半導体基板表面上
に、結晶方位〈110〉からの角度が、0.1度〜14
度、好ましくは、0.5度〜10度の範囲内にあるスト
ライプ状の溝(開口部)を有する誘電体膜を形成した
後、上記溝の上に順次エピタキシャル成長を行って、バ
ッフア層、活性層およびクラッド層を形成することによ
って形成され、上記エピタキシャル成長には、有機金属
気相成長法または有機金属分子線エピタキシー法を用い
ることができる。
【0015】特に、該ストライプ構造の長さ方向が半導
体基板の結晶方位<110>より測って0.1度から1
4度好ましくは0.5度から10度の間の角度をなすこ
とを特徴とする。
【0016】
【作用】上記のように、本発明においては第1導電型半
導体基板上には、ストライプ状の溝を有する誘電体膜が
形成され、このストライプ状の溝を介して露出された上
記半導体基板の表面上に、上記第1導電型半導体膜およ
びこの半導体膜とは異なる種類の半導体からなる膜の積
層膜が形成され、上記ストライプ状の溝は、結晶方位<
110>との角度が0.1度から14度、好ましくは
0.5度から10度の間の方向に形成されており、この
溝内に形成された上記積層膜の表面が露出されている。
【0017】上記従来技術では、<110>と平行な方
向に溝が形成されていたが、本発明では、これとは全く
異なる方向に溝が形成される。このように、溝の方向を
<110>から傾けることによって、下記のように、エ
ピタキシャル結晶成長によって形成された活性層および
導電型半導体クラッド層の断面形状は、上記従来技術と
は反対の逆台形になって、上面の面積が下面の面積より
大きくくなる。
【0018】すなわち、第2導電型半導体からなるクラ
ッド層の、ストライプと垂直に切った断面における形状
は、上記活性層と上記第2導電型半導体からなるクラッ
ド層との間のヘテロ界面に平行な二辺を有する逆台形を
含む形状となり、しかもこの逆台形の活性層に近い側の
下辺の寸法は、活性層より遠い側の上辺の寸法より小さ
くなる。第2導電型電極は、クラッド層の上辺に接して
設けられるから、このような逆台形状の導電型半導体ク
ラッド層が得られることによって、電極との接触面積を
確保することが極めて容易となる。
【0019】活性層、クラッド層およびキャップ層は、
有機金属気相成長法によって、順次、エピタキシャル結
晶成長される。周知のように、二酸化硅素膜、四窒化三
硅素膜、ほう珪酸ガラス膜、又はアモルファスシリコン
膜、三酸化二アルミニウム膜など各種誘電体膜上では、
半導体結晶の成長は起こらず、露出された化合物半導体
上のみに、エピタキシャル結晶成長が起こる。従って、
活性層、クラッド層およびキャップ層は、誘電体膜に形
成された上記ストライプ状の溝の底の部分から、順次成
長する。
【0020】その結果、活性層は誘電体膜の溝内に、誘
電体膜に両端を接して形成される。誘電体膜と化合物半
導体は、屈折率が著しく異なるので、最終的に得られる
光導波路は、横方向に関する強い光閉じこめ効果を有し
ている。また、これら誘電体膜は良好な絶縁膜であるた
め、活性層以外に漏れる電流は効果的は抑制され、半導
体を用いた上記従来技術よりも、はるかに良好な電流狭
窄構造が構成される。
【0021】さらに、活性層の幅は、誘電体膜にエッチ
ングによって形成された上記ストラオイプ状の溝の幅に
よって定まるので、膜厚の小さい誘電体膜を用いること
により、溝の幅をフォトリソグラフィの限界まで狭くす
ことができ、これによって、一層良好な電流狭窄効果が
得られる。
【0022】しかも、本発明の半導体光素子の形成は、
上記のように、誘電体膜にストライプ状の溝を形成し、
この溝内に順次エピタキシャル成長を行えばよいのであ
るから、従来の半導体光素子よりも、はるかに簡単な工
程によって、容易に形成することができる。
【0023】
【実施例】
〈実施例1〉図1は、本発明の半導体光素子の一例を示
す断面図である。図1に示したように、n型インジウム
燐(100)基板102の表面上に、周知の熱化学気相
成長法によって膜厚250nmの二酸化珪素膜112が
形成されている。
【0024】上記二酸化珪素膜112には、上記インジ
ウム燐基板102に達する溝(幅1.7μm)が、周知
の選択エッチングによって形成されており、この溝の方
向は、インジウム燐基板102の<011>方向に対し
て3度傾いている。
【0025】上記溝内には、インジウム燐バッファ層1
03およびアンドープのインジウムガリウム砒素燐活性
層104が積層して形成され、さらにその上には、p型
インジウム燐クラッド層105が形成されている。上記
溝の方向が、上記インジウム燐基板102の<011>
方向に対して3度傾いているため、クラッド層105の
断面形状は、図1に示したように逆メサ状の形状を有し
ている。
【0026】そのため、クラッド層105とp型インジ
ウムガリウム砒素からなるキャップ層106の間には、
十分大きな接触面積が確保することができ、しかも、活
性層104の幅は十分狭い。上記キャップ層106の上
に設けられたp電極107とインジウム燐基板102の
の裏面上に設けられたn電極101との間に順方向電圧
を印加して、活性層104にキャリアを注入すると、活
性層104以外の部分を流れる漏れ電流は、絶縁体でも
ある誘電体膜112によって効果的にブロックされ、半
導体レーザーダイオードとして使用したとき、高い内部
量子効率が得られた。
【0027】なお、図1において、記号111は、パッ
シベーション膜を表わし、本実施例では二酸化珪素膜を
用いた。記号121は表面を平坦化するのための樹脂膜
を表わし、本実施例ではポリイミド膜を使用した。
【0028】〈実施例2〉図2は、本発明の半導体光素
子を用いて形成された半導体光増幅器の一例を示す。図
2に示したように、n型インジウム燐(100)基板1
02の表面上には、熱化学気相成長法によって形成され
た膜厚250nmの二酸化珪素膜112が設けられてい
る。この二酸化珪素膜112には、上記インジウム燐基
板102の表面に達する溝(幅1.7μm)が周知の選
択エッチングによって形成され、この溝の方向は、基板
の<011>方向に対して3度傾けられている。
【0029】上記溝によって露出された上記インジウム
燐基板102の表面上には、n型インジウム燐バッファ
層103、アンドープのインジウムガリウム燐砒素活性
層104、p型インジウム燐クラッド層105およびp
型インジウムガリウム砒素キャップ層106が、順次積
層して形成されている。
【0030】上記のように、誘電体膜112に形成され
た溝の方向は、基板102の<011>方向に対して3
度傾いているため、再成長されたクラッド層105の断
面形状は逆台形になり、キャップ層106を介してp電
極107と、十分大きな接触面積を得ることができた。
そのため、n電極101とp電極107の間に順方向電
圧を印加して活性層104にキャリアを注入すると、活
性層104以外の部分を流れる漏れ電流は、絶縁体でも
ある誘電体膜112により効果的にブロックされ、半導
体増幅器として使用したとき、高い電流効率を得ること
ができた。さらに、光導波路の方向を劈開面より傾ける
ことによって、端面からの反射がさらに低減され、高い
特性を有する光増幅器を得ることができた。
【0031】なお、図2において、記号121は表面を
平坦化するのための樹脂膜を表わし、本実施例ではポイ
リミド膜を使用した。101および107は、それぞれ
n電極およびp電極、201は誘電体多層膜からなる無
反射化膜を表わす。
【0032】〈実施例3〉図3は、本発明により構成さ
れた半導体レーザの一例を示す。図3に示したように、
n型インジウム燐(100)基板102の表面には、導
波路方向と垂直なグレーティング401が刻印されてい
る。上記基板102の上には、熱化学気相成長法によっ
て形成された膜厚250nmの二酸化珪素膜112が設
けられ、この二酸化珪素膜112には、図3に示したよ
うに、上記インジウム燐基板102の表面に達する溝
(幅1.7μm)が、周知の選択エッチング法によって
形成されている。この溝の方向は、基板の<011>方
向に対して3度傾けられている。
【0033】この溝によって露出された上記インジウム
燐基板102の表面上には、インジウム燐バッファ層1
03、アンドープのインジウムガリウム燐砒素活性層1
04、p型インジウム燐クラッド層105が順次積層し
て形成され、さらにその上に、p型インジウムガリウム
砒素キャップ層106およびp電極107が形成されて
いる。
【0034】上記二酸化珪素膜112に形成された溝の
方向が、基板102の<011>方向に対して3度傾い
ているため、再成長されたクラッド層105の断面形状
は逆台形となり、キャップ層106を介してp電極10
7と、十分大きな接触面積を得ることができた。そのた
め、n電極101とp電極107の間に順方向電圧を印
加して活性層104にキャリアを注入すると、活性層1
04以外の部分を流れる漏れ電流は、絶縁体でもある誘
電体膜112により効果的にブロックされ、半導体増幅
器として使用したとき、高い電流効率を得ることができ
た。さらに、光導波路の方向が劈開面より傾けることに
よって、端面からの反射がさらに低減され、高い特性を
有する光増幅器を得ることができた。
【0035】なお、図3において記号121は表面を平
坦化するのための樹脂膜を表わし、本実施例ではポリイ
ミド膜を使用した。101および107は、それぞれn
電極およびp電極、201は誘電体多層膜からなる無反
射化膜を表わす。
【0036】〈実施例4〉図4は、本発明による半導体
光素子の製造法を示す工程図である。まず、図4(1)
に示したように、モノシランガスおよび酸素ガスを用い
た周知の熱化学気相成長法を用いて、膜厚が0.2μmの
二酸化硅素膜112を、n型(001)インジウム燐基
板102上に形成した。
【0037】次に、この二酸化硅素膜112上に有機レ
ジストを回転塗布して、膜厚が0.5μmのレジスト膜
(図示せず)を形成した後、結晶方位<110>から1
度傾いたストライプパターンを有するマスクを用いて、
露光および現像を行い、結晶方位<110>から1度傾
いたストライプ状のレジストパターンを形成した。
【0038】フッ化水素酸緩衝溶液エッチ液として用い
た化学エッチングによって、露出された部分の上記二酸
化硅素膜112を、インジウム燐基板102の表面が露
出するまでエッチングした後、残ったレジストを除去し
て、図4(2)に示したように、結晶方位<110>か
ら1度傾いた溝を、二酸化硅素膜112に形成した。
【0039】図4(3)に示したように、上記溝によっ
て露出されたインジウム燐基板102の表面を、硫酸、
過酸化水素水および水の混合液(体積比4:1:1)に
よってエッチングして前処理した。次に、トリエチルイ
ンジウムガス、トリエチルガリウムガス、アルシンガ
ス、フォスフィンガスを用いた有機金属気相成長法によ
り、n型インジウム燐バッファ層103、アンドープの
インジウムガリウム燐砒素活性層104、P型インジウ
ム燐クラッド層105およびP型インジウムガリウム砒
素キャップ層を、順次エピタキシャル結晶成長させた。
【0040】このエピタキシャル結晶成長は、二酸化硅
素膜112上では起こらず、露出されたインジウム燐基
板102の表面上のみに、バッファ層103、活性層1
04、クラッド層105、キャップ層106が、上記誘
電体膜112に形成された溝の底部から、順次成長し
た。また、上記溝の方向が結晶方位<110>から1度
傾いているので、各層の断面形状を逆台形になったた。
【0041】なお、上記実施例1〜4では、上記溝と結
晶方位<110>との間の角度が、3度および1度の場
合を示したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、0.1度から14度の範囲内で実施することがで
き、0.5度〜10度の範囲ならば、極めて好ましい結
果が得られる。上記角度が0.1度より小さいと、断面
が逆台形にならず、14度より大きいと、結晶欠陥や偏
析など、好ましくない現象が起こるので、上記角度は、
0.1度から14度、好ましくは0.5度〜10度の範
囲内にする必要がある。上記角度が、0.5度〜10度
の範囲内であれば、上記結晶欠陥や偏析など、好ましく
ない現象を起こすことなしに、クラッド層の下面の面積
に対する上面の面積の比を、ほぼ1.5〜3とすること
ができ、実用上極めて好ましい結果が得られた。
【0042】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば、結晶方位<110>から0.1度から14度好
ましくは0.5度から10度の間の角度をなす溝を有す
る誘電体膜を基板上に形成し、この溝によって露出され
た上記基板上に、バッフア層、活性層および半導体クラ
ッド層を順次エピタキシャル結晶成長させることによっ
て、断面形状が逆台形の半導体クラッド層が得られる。
【0043】そのため、上記半導体クラッド層の、活性
層に接する下面の面積が、活性層とは遠い側の上面の面
積より小さくなり、活性層の幅が極めて小さく、かつ、
電極との接触面積が十分大きい半導体光素子が得られ
る。
【0044】また、良好な絶縁膜でもある誘電体膜によ
って活性領域の幅が規定されているため、活性層以外に
漏れる電流は効果的に抑制され、良好な電流狭窄構造が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体光素子の一例を示す断面図、
【図2】本発明の半導体光増幅器の一例を示す図、
【図3】本発明のレーザーの一例を示す図、
【図4】本発明の半導体光素子の製造方法の一例を示す
工程図。
【符号の説明】
101……n電極、 102……化合物半導体基板、1
03……化合物半導体バッファ層、 104……化合物
半導体活性層、105……化合物半導体クラッド層、
106……化合物半導体キャップ層、107……p電
極、 112……誘電体膜、 111……パッシベーシ
ョン膜、121……樹脂膜、 201……無反射化膜、
401……グレーティング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 雅博 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型を有する半導体基板と、当該半
    導体基板の表面上に形成されたストライプ状の開口部を
    有する誘電体膜と、上記開口部を介して露出された上記
    半導体基板上に順次積層して形成された、上記第1導電
    型を有する化合物半導体からなるバッフア層,当該バッ
    フア層とは異なる化合物半導体からなる活性層および上
    記第1導電型とは逆の第2導電型を有する化合物半導体
    からなるクラッド層を少なくとも具備し、上記クラッド
    層の上辺の幅は上記開口部の下端部の幅より大きいこと
    を特徴とする半導体光素子。
  2. 【請求項2】上記ストライプ状の溝の長さ方向は、上記
    半導体基板の結晶方位<110>より0.1度から14
    度の間の角度だけ傾いていることを特徴とする請求項1
    に記載の半導体光素子。
  3. 【請求項3】上記ストライプ状の溝の長さ方向は、上記
    半導体基板の結晶方位<110>より0.5度から10
    度の間の角度だけ傾いていることを特徴とする請求項2
    に記載の半導体光素子。
  4. 【請求項4】上記誘電体膜は、二酸化珪素、四窒化珪
    素、ほう珪酸ガラス、アモルフアスシリコンおよび三酸
    化二アルミニウムからなる群から選択された材料からな
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれ一に記載の
    半導体光素子。
  5. 【請求項5】上記クラッド層の上には、化合物半導体か
    らなるキャップ層が形成されていることを特徴とする請
    求項1から4のいずれ一に記載の半導体光素子。
  6. 【請求項6】上記誘電体膜上には、第2の開口部を有す
    る平坦化膜が形成されており、当該平坦化膜と上記クラ
    ッド膜の上面はほぼ平坦であることを特徴とする請求項
    1から5のいずれ一に記載の半導体光素子。
  7. 【請求項7】上記平坦化膜は有機樹脂からなることを特
    徴とする請求項6に記載の半導体光素子。
  8. 【請求項8】上記平坦化膜と上記クラッド層の間にはパ
    ッシベーション層が介在していることを特徴とする請求
    項6若しくは7に記載の半導体光素子。
  9. 【請求項9】上記半導体基板はn型インジウム燐からな
    ることを特徴とする請求項1から8のいずれか一に記載
    の半導体光素子。
  10. 【請求項10】上記バッフア層はn型インジウム燐から
    なることを特徴とする請求項1から9のいずれか一に記
    載の半導体光素子。
  11. 【請求項11】上記活性層はアンドープのインジウムガ
    リウム砒素燐からなることを特徴とする請求項1から1
    0のいずれか一に記載の半導体光素子。
  12. 【請求項12】上記クラッド層はp型インジウ燐からな
    ることを特徴とする請求項1から10のいずれか一に記
    載の半導体光素子。
  13. 【請求項13】請求項1から12のいずれか一に記載の
    半導体光素子を用いて形成されたことを特徴とする半導
    体光増幅器。
  14. 【請求項14】第1導電型を有する半導体基板の表面上
    に誘電体膜を形成する工程と、当該誘電体膜に、結晶方
    位<110>となす角度が0.1度から14度好ましく
    は0.5度から10度の間であるストライプ状の溝を形
    成する工程と、当該溝によって露出された上記半導体基
    板の表面上に、上記第1導電型を有する第1の化合物半
    導体膜、当該第1の化合物半導体膜とは異なる組成を有
    する第2の化合物半導体膜および上記第1導電型とは逆
    の第2導電型を有する第3の化合物半導体膜を順次積層
    して成長させることにより、断面形状が逆台形である上
    記第3の化合物半導体膜を形成することを特徴とする半
    導体光素子の製造方法。
  15. 【請求項15】上記第1、第2および第3の化合物半導
    体膜は、有機金属気相成長法若しくは有機金属分子線エ
    ピタキシー法によって成長されることを特徴とする請求
    項14に記載の半導体光素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012524421A (ja) * 2009-04-20 2012-10-11 コーニング インコーポレイテッド 半導体レーザ用耐破損金属膜パターン

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