JPH0827418A - 絶縁用ポリイミド前駆体ワニスおよびこれを用いた電子装置 - Google Patents

絶縁用ポリイミド前駆体ワニスおよびこれを用いた電子装置

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JPH0827418A
JPH0827418A JP15994494A JP15994494A JPH0827418A JP H0827418 A JPH0827418 A JP H0827418A JP 15994494 A JP15994494 A JP 15994494A JP 15994494 A JP15994494 A JP 15994494A JP H0827418 A JPH0827418 A JP H0827418A
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Japan
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polyimide precursor
polyimide
copper
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vanish
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JP15994494A
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Yoshiaki Okabe
義昭 岡部
Mina Ishida
美奈 石田
Takao Miwa
崇夫 三輪
Akio Takahashi
昭雄 高橋
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式〔1〕で表される繰返し単位を有するポ
リイミド前駆体に対し、一般式〔2〕で示される塩基性
物質を0.1〜60重量%含むことを特徴とする絶縁用
ポリイミド前駆体ワニス。 【効果】上記ワニスを直接銅上で熱硬化しても銅原子含
有量が極めて少ないためにポリイミド絶縁層の特性低下
が少なく、銅/ポリイミドを有する電子装置の長期信頼
性を向上することができる。 【化5】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属銅上に直接塗布形
成するポリイミド絶縁層の熱イミド化時に銅との反応が
少ない絶縁用ポリイミド前駆体ワニスおよびこれを用い
た電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大型計算機等の伝送遅延時間を短縮でき
る薄膜多層配線板の開発が期待されている。
【0003】こうした薄膜多層配線板は、例えば、特開
昭63−268295号公報に記載されているように、
まず厚膜多層配線基板の上にポリイミド層を形成し、そ
の後、ホトレジストで形成したエッチングマスクを用い
て、ポリイミド層をO2プラズマなどでパターニングし
た後、エッチングマスクを除去し、パターニングされた
ポリイミド層上に、スパッタ等で銅膜を形成後、ホトエ
ッチングして配線を形成する。これを必要回数繰り返す
ことにより多層配線基板が作製される。
【0004】ここで用いられる絶縁層は、耐絶縁性、耐
熱性、低誘電性、成膜性等からポリイミドが最も適して
いる。また、Proceedings of VMIC
Conference ISMIC,102,15(1
993)に記載されているように、計算速度の向上を目
的とした銅/ポリイミドの配線を有する高速LSIなど
の半導体装置が提案されている。
【0005】しかし、ポリイミド前駆体であるポリアミ
ド酸を銅配線上に塗布し、熱イミド化するとポリイミド
前駆体が銅と反応し、ポリイミド中に酸化銅が拡散する
ことが知られている〔電子情報通信学会論文誌 C V
ol.J71−C No.111516〜1521頁(1
988年)〕。その結果、ポリイミドの耐絶縁性や耐熱
性が大幅に低下し、電子装置の信頼性が低下すると云う
問題がある。
【0006】例えば、n−メチル−2−ピロリドン(以
下、NMPと略称する)中で、3,3',4,4'−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミ
ンから、J.Polymer Sci.,A−1,3,
pp.1373(1965)に記載されている溶液付加
重合法で合成したポリアミド酸ワニスを、銅上にスピン
コートし、熱イミド化したポリイミドフィルム中の銅原
子含有量は、4600ppmと極めて多量の銅の溶込み
が認められた。なお、ポリイミド中の銅原子含有量は、
膜厚10μmのポリイミドフィルムを原子吸光法によっ
て求めたものである。
【0007】また、このポリイミドを石英ガラスやシリ
コンエウハ上で熱イミド化したものの破断伸びは20
%,ガラス転移温度(Tg)が408℃であるのに対
し、Cu上で熱イミド化したものは破断伸び8%、Tg
342℃と、その物性値が低下し、電子装置の信頼性を
低下させる。これは銅と反応したためで、銅と反応しに
くいポリイミド前駆体ワニスが求められる。
【0008】上記に対し、ポリイミドメーカや大学にお
いて銅と反応しにくいポリイミド前駆体ワニスの検討が
なされており、銅との反応に最も寄与すると考えられる
カルボキシル基をエステル化したポリアミド酸エステル
が発表〔J.Adhesion Sci.Techno
l.Vol.2,pp.95〜105(1988)〕され
ているが、これとても十分ではない。
【0009】例えば、3,3',4,4'−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物,メチルアルコール,p−フェニ
レンジアミンを原料とし、高分子論文集、Vol.5
0,No.12,947〜952頁(Dec.,1993
年)の記載に基づき合成したポリアミド酸エステルワニ
ス(NMP溶媒)を用いて、前記ポリアミド酸ワニスの
場合と同じく銅上にポリイミドフィルムを作成したとこ
ろ、銅原子含有量は160ppmと従来のポリアミド酸
ワニスに比べ約1/35に低下し、その破断伸びの低下
は1%、Tgの低下も12℃に留まった。
【0010】しかし、後記の実施例1の方法で、銅/ポ
リイミド薄膜二層配線基板を作成し、ー55〜+155
℃のヒートサイクル(1サイクル1時間)試験を行った
結果では、僅かに5サイクルでポリイミド絶縁層が短絡
してしまい、銅原子含有量160ppmでも依然として
不十分なことが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記銅
原子含有量と電子装置の長期信頼性との関係について検
討したところ、銅原子含有量50ppm以下にする必要
があることが分かった。
【0012】しかし、従来のポリアミド酸エステルのワ
ニス中にも銅は溶解し、銅原子含有量が50ppm以下
のポリイミドを与えるポリイミド前駆体ワニスは見当ら
なかった。従って、これらは高信頼性が要求される銅/
ポリイミド薄膜多層配線板や、銅/ポリイミド配線を有
するLSIなどへの適用には問題がある。
【0013】本発明の目的は、熱イミド化時における銅
との反応を抑制した絶縁用ポリイミド前駆体ワニスの提
供、およびこれを用いた電子装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため検討を重ねた結果、電子供与性を示すドナ
ー数が40〜61の塩基性物質〔“ドナーとアクセプタ
ー”,V.グートマン著・大瀧仁志、岡田勲訳、学会出
版センター、22頁(1986年)〕をポリイミド前駆
体ワニスに添加すると、該ワニスと銅との反応を抑制で
きることを見出し、本発明に到達した。
【0015】即ち、一般式〔1〕
【0016】
【化3】
【0017】(但し、Aは4価の有機基、Bは2価の有
機基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、nは12〜11
50の整数である)で表される繰返し単位を有するポリ
イミド前駆体に対し、電子供与性を示すドナー数が40
〜61の塩基性物質を0.1〜60重量%含むことを特
徴とする絶縁用ポリイミド前駆体ワニス、並びに、これ
を銅配線層と密接して形成した電子装置にある。
【0018】前記において、電子供与性を示すドナー数
が40〜61の塩基性物質としては、一般式〔2〕
【0019】
【化4】
【0020】(但し、R’は水素原子または炭素数1〜
3のアルキル基、R”は一価または二価の脂肪族基、m
は1または2である。)で示されるものがある。
【0021】前記式〔2〕で示す塩基性物質としてはト
リエチルアミン、t−ブチルアミン、エチルアミン、エ
チレンジアミン、ジメチルアミノプロピルメタクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルア
ミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルア
クリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノメチルアクリレート、N−メチルアミノプロ
ピルメタクリレート、N−メチルアミノエチルメタクリ
レート、N−メチルアミノメチルメタクリレート、N−
メチルアミノプロピルアクリレート、N−メチルアミノ
エチルアクリレート、N−メチルアミノメチルアクリレ
ートなどがある。これらの1種以上を、式〔1〕で示さ
れるポリイミド前駆体に対し0.1〜60重量%配合す
る。0.1重量%未満では反応抑制が不十分となり、6
0重量%を超えるとポリイミドの膜特性が低下する。
【0022】前記式〔1〕で示されるポリイミド前駆体
の一つであるポリアミド酸エステルは、工業化学雑誌,
73巻 第8号 1559〜1564頁(1970年)
や特願平4−275777号公報に記載されている方法
で作製できる。
【0023】具体的には、テトラカルボン酸二無水物を
アルコールと反応させハーフエステルを作製し、これを
塩化チオノールでカルボン酸のみをクロル化して酸塩化
物を作り、これとテトラカルボン酸二無水物と当モルの
ジアミンとを極性溶媒中で反応させる。これを水沈さ
せ、水洗、乾燥して前記ポリアミド酸エステルを得る。
【0024】上記テトラカルボン酸二無水物としてはピ
ロメリット酸二無水物、3,3',4,4''−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレ
ンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−スルホニルジフ
タル酸二無水物、3,3”,4,4”−p−ターフェニル
テトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−m−タ
ーフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。こ
れらは1種以上使用することができる。
【0025】テトラカルボン酸二無水物からハーフエス
テルを得るために用いるアルコールとしてはメチルアル
コール、エチルアルコール、iso−プロピルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、
n−ブチルアルコール等がある。これら1種以上用いる
ことができる。
【0026】ハーフエステルを酸塩化物にする塩化剤に
は、塩化チオニルや五塩化リンなどがある。
【0027】酸塩化物と反応するジアミンとしては、p
−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4'−ジアミニジフェニルエーテル、4,4'
−ジアミニジフェニルスルホン、4,4'−ジアミニジフ
ェニルメタン、4,4'−ジアミニジフェニルスルファイ
ド、4,4”−ジアミノターフェニル、4,4”−ジアミ
ノジシクリヘキシルメタン、1,5−ジアミノナフタレ
ン、4,4'−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、
4,4'−ビス(m−アミノフェニキシ)ジフェニルスルホ
ン、2,2−ビス(4−(p−アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジ
フェニルメタン、2,7−ジアミノフルオレン、o−ト
リジン、アセトグアナミン、3,3'−ジメトキシベンジ
ジン、m−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノアン
トラキノン、2,6−アミノトルエン、2,5−ジアミノ
ピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ
トルエン、2,3−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノ
ピリジン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−
ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、ベン
ゾグアナミン、2,7−ジアミノナフタレン、3,4−ジ
アミノトルエン、m−キシレンジアミン、p−キシレン
ジアミン、4,4'−ジチオジアニリン、o−フェニレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジ
アミン、4,4'−メチレンビス(2−メチルシクロヘキ
シルアミン)等が挙げられる。これらジアミンは1種以
上使用することができる。
【0028】前記式〔1〕で示される繰返し単位を有す
るポリイミド前駆体の合成に用いる溶媒としてNMP、
ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムア
ミド、ジグライム、フェノール、トルエン、キシレン等
が挙げられ、これらは1種以上用いることができる。
【0029】また、ポリイミド前駆体ワニスの溶媒とし
てはNMP、DMAc、ジグライム、テトラヒドロフラ
ン、フェノール、トルエン、キシレン等があり、これら
は1種以上用いることができる。その配合量はポリイミ
ド前駆体に対し60〜95重量%であるが、塗布などの
作業性の面から40〜90重量%が好ましい。
【0030】ポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)
は、溶解性や機械的特性に影響を与える重要な特性であ
る。具体的にはゲルパーミェイションクロマトグラフィ
(GPC)でのポリスチレン換算値が、10,000〜
400,000が好ましい。10,000未満では機械的
特性が低下し、場合によってはポリイミドフィルムにな
らない。400,000を超えると溶解性が低下するの
で好ましくない。
【0031】
【作用】本発明の前記式〔2〕の塩基性物質は、ポリイ
ミド前駆体ワニスを280℃以上で熱イミド化する際に
分解,昇華あるいは蒸発してポリイミド中には残存しな
い。従ってポリイミドの特性の低下が少ないものと考え
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によリ詳細に説明す
る。なお、実施例および比較例で用いたポリイミド前駆
体ワニスの原料についての略号を下記に示す。
【0033】ピロメリット酸二無水物:PMDA 3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物:BPDA 3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物:BTDA 3,3”,4,4”−p−ターフェニルテトラカルボン酸
二無水物:TPDA メチルアルコール:MeOH エチルアルコール:EtOH iso−プロピルアルコール:i−PrOH p−フェニレンジアミン:PDA p,p'−ジアミニジフェニルエーテル:DDE 2,2−ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパン:DAPP n−メチル−2−ピロリドン:NMP エチレンジアミン:EDA トリエチルアミン:TEA 3−ジメチルアミノエチル−メタクリレート:DMAE
M 3−ジメチルアミノプロピル−メタクリレート:DMA
PM N−メチルアミノエチルメタクリレート:NMAEA ジメチルホルムアミド:DMFA。
【0034】〔実施例1〕 (1) ポリアミド酸エステルの合成 BPDA200g(0.86mol)に乾燥MeOH約
400gを加え窒素雰囲気中で16時間還流する。これ
をろ過した後、50℃/13.3Paで36時間減圧乾
燥して過剰のMeOHを除去しハーフエステルを得た。
続いて、窒素雰囲気中でハーフエステル10g(0.0
28mol)と蒸留した塩化チオニル20g(0.17
mol)、ベンゼン50mlを加え2時間還流する。反
応温度を40℃にし窒素ガスの吹き込み量を増加させて
未反応の塩化チオニルとベンゼンを留去し酸塩化物を得
た。
【0035】この酸塩化物に乾燥NMP83.5gを加
えた後、PDA3.0g(0.028mol)とピリジン
2.5g(0.03mol)を加えて水冷しながら10時
間撹拌する。これを1lのイオン交換水中に投入し、B
PDA,MeOHとPDAからなるポリアミド酸エステ
ルを析出させた。さらにイオン交換水で数回洗浄した
後、減圧乾燥(50℃/13.3Paで72時間)して
精製ポリアミド酸エステルを得た。
【0036】(2) ポリイミド前駆体ワニスの作製 上記ポリアミド酸エステル25gにNMP75gとED
A2.5gを加えて撹拌した後、孔径1μmのフィルタ
を通しポリイミド前駆体ワニスを得た。
【0037】(3) 銅原子含有量の測定 10cm角の石英ガラス板にスパッタ法により銅を膜厚
約1μmにコートした評価基板上に、本発明のポリイミ
ド前駆体ワニスを、熱イミド化後の膜厚が10μmとな
るよう回転数を調整しスピンコートした。
【0038】これを下記の条件で熱イミド化し、ポリイ
ミドフィルムを作製した。これを過硫酸アンモニウム水
溶液(50g/水1l)に10分間浸漬してポリイミド
表面に付着した銅をエッチングし、ポリイミドフィルム
(面積81cm2)を得た。
【0039】このフィルムを水洗、減圧乾燥後、原子吸
光法によりポリイミド中の銅原子含有量を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】加熱条件:80℃/30分+120℃/2
0分+180℃/20分+240℃/20分+320℃
/20分(いずれも窒素雰囲気中)。
【0042】(4) ガラス転移温度の測定 耐熱性の評価法の一つであるガラス転移温度(Tg)
は、膜厚10μm×幅6mmの上記のポリイミドフィル
ムを熱物理試験機(真空理工社製、TMA−3000
型)にセットし、0.5g/膜厚1μmの荷重を加え
て、引張りモードでフィルムの伸びを測定した。伸びの
温度曲線の接線の傾きが大きく異なる接線の交点をTg
とした。
【0043】そして、下式のΔTgにより評価した。
【0044】
【数1】ΔTg=(シリコンウエハ上で熱イミド化した
ポリイミドのTg)−(銅上で熱イミド化したポリイミ
ドのTg) 本発明のポリイミド前駆体ワニスを用いた電子装置の一
例として、厚膜基板上に作成する銅/ポリイミド薄膜多
層配線基板の製造工程における模式断面図を図1に示
す。
【0045】図1(a)に示すように厚膜多層配線基板
1上に実施例1のワニスをスピンコートして、熱イミド
化し、膜厚約15μmのポリイミド層2を形成する。次
に、ホトレジストを用いてエッチングマスク3を形成す
る。この際、スルーホール形成個所にマスク開口部4を
形成し、かつ、上記厚膜多層配線基板1の周端部の絶縁
層除去領域5のエッチングマスクを除去する。
【0046】次いで、同図(b)に示すように、エッチ
ングマスク3を用いてポリイミド層2をO2プラズマで
エッチングし、上記レジストを除去する。
【0047】次いで、同図(c)のように半導体などで
用いられる手法により銅を成膜、ホトエッチングで銅配
線6を形成する。
【0048】更に、同図(d)に示すように上記を3回
繰り返して銅/ポリイミド薄膜多層配線基板を作製し
た。
【0049】次に、本発明のポリイミド前駆体ワニスを
用いた半導体装置の一例として、銅/ポリイミド配線を
有するLSIの製造工程の模式断面図を図2に示す。
【0050】図2(a)に示すようにシリコンウエハ8
上に実施例1で用いたポリイミド前駆体ワニスをスピン
コートし、熱イミド化して、膜厚約0.7μmのポリイ
ミド9を形成する。更に、ポリイミド9上にCVDで窒
化物(Si34)を1000Å形成する。
【0051】次いで、同図(b)に示すように、ホトレ
ジストを用いてエッチングマスクを形成する。
【0052】次いで、同図(c)でホトエッチングマス
ク3により所定の個所のポリイミド9をO2プラズマで
幅0.6μmにエッチングし、RIE(Reactiv
e−ion etching)により上記エッチングマ
スク3を除去する。
【0053】次に、同図(d)ではスパッタでタンタル
/銅層13(ポリイミド9の保護膜)を800Å形成
後、その上に約1μmの銅12を形成した。
【0054】同図(e)ではCMP(Chemical
−mechanical polish)で銅12を平
坦に研磨し配線層を得た。
【0055】同図(a)〜(e)を繰り返すことによ
り、同図(f)の銅/ポリイミド配線を有するLSIを
作製した。
【0056】〔実施例2〜18〕表1の原料を用い実施
例1に準じて各ポリイミド前駆逐体ワニスを作成した。
その測定結果を表1に併記した。
【0057】〔比較例1〕実施例1のポリイミド前駆体
ワニスからEDAを除き、ドナー数26.6のジメチル
ホルムアミド(DMFA)を15gを加えたワニスを、
前記評価基板に塗布して熱イミド化後の銅原子含有量を
測定した。その結果を表1に併記した。
【0058】〔比較例2〕DDEとBPDA/NMPか
らなるポリアミド酸ワニスを、前記評価基板に塗布して
熱イミド化後のポリイミド中の銅原子含有量を測定し
た。その結果を表1に併記した。なお、上記ポリアミド
酸ワニスの合成法を次に示す。
【0059】温度計、窒素吹き込み管、塩化カルシウム
管、攪拌装置を付した4つ口フラスコを窒素置換した
後、反応溶媒NMPを加え、次いで、DDEを投入して
攪拌し完全に溶解させた。これにBPDAを加え、水冷
しながら10時間撹拌した。配合量はDDEとBPDA
を合わせて14重量%で当モルである。
【0060】以上の実施例の結果から本発明の一般式
〔2〕で表される塩基性物質を含むポリイミド前駆体ワ
ニスを銅上で熱イミド化したポリイミドは、銅原子含有
量が50ppm以下であり、比較例のものに比べて銅原
子含有量は格段に少なく、ΔTgの低下も極めて少な
い。
【0061】
【発明の効果】本発明が用いた塩基性物質は、ポリイミ
ド前駆体ワニスと銅との反応を抑制する効果があるの
で、銅上において熱イミド化したポリイミドの銅原子含
有量が極めて少ない。そのため該ポリイミドの特性低下
が少なく、これを絶縁層とする銅/ポリイミド薄膜多層
配線や銅/ポリイミド配線を有するLSIなどの電子装
置の長期信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の銅/ポリイミド薄膜多層配線基板の
製造工程における模式断面図である。
【図2】実施例1の銅/ポリイミド配線を有するLSI
の製造工程における模式断面図である。
【符号の説明】
1…厚膜多層配線基板、2…ポリイミド層、3…エッチ
ングマスク、4…マスク開口部、5…絶縁層除去領域、
6…銅配線、7…ポリイミド層の端部、8…シリコンウ
エハ、9…ポリイミド、10…窒化物、12…銅、13
…タンタル/銅層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 崇夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 高橋 昭雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 (但し、Aは4価の有機基、Bは2価の有機基、Rは炭
    素数1〜4のアルキル基、nは12〜1150の整数で
    ある)で表される繰返し単位を有するポリイミド前駆体
    に対し、電子供与性を示すドナー数が40〜61の塩基
    性物質を0.1〜60重量%含むことを特徴とする絶縁
    用ポリイミド前駆体ワニス。
  2. 【請求項2】 前記一般式〔1〕(但し、Aは4価の有
    機基、Bは2価の有機基、Rは炭素数1〜4のアルキル
    基、nは12〜1150の整数である)で表される繰返
    し単位を有するポリイミド前駆体に対し、一般式〔2〕 【化2】 (但し、R’は水素原子または炭素数1〜3のアルキル
    基、R”は一価または二価の脂肪族基、mは1または2
    である。)で示される塩基性物質を0.1〜60重量%
    含むことを特徴とする絶縁用ポリイミド前駆体ワニス。
  3. 【請求項3】 銅配線層上に、前記一般式〔1〕で表さ
    れる繰返し単位を有するポリイミド前駆体に対し、前記
    一般式〔2〕で示される塩基性物質を0.1〜60重量
    %含むポリイミド前駆体ワニスの熱イミド化された絶縁
    層が密接して形成されていることを特徴とする電子装
    置。
  4. 【請求項4】 銅配線層上に、前記一般式〔1〕で表さ
    れる繰返し単位を有するポリイミド前駆体に対し、前記
    一般式〔2〕で示される塩基性物質を0.1〜60重量
    %含むポリイミド前駆体ワニスの熱イミド化された絶縁
    層が密接して形成されていることを特徴とする銅/ポリ
    イミド薄膜多層配線板。
  5. 【請求項5】 銅配線層上に、前記一般式〔1〕で表さ
    れる繰返し単位を有するポリイミド前駆体に対し、前記
    一般式〔2〕で示される塩基性物質を0.1〜60重量
    %含むポリイミド前駆体ワニスの熱イミド化された絶縁
    層が密接して形成されていることを特徴とする銅/ポリ
    イミド配線を有するLSI。
  6. 【請求項6】 銅配線層上に、前記一般式〔1〕で表さ
    れる繰返し単位を有するポリイミド前駆体に対し、前記
    一般式〔2〕で示される塩基性物質を0.1〜60重量
    %含むポリイミド前駆体ワニスを塗布し、熱イミド化す
    ることによりポリイミド絶縁層を密接して形成すること
    を特徴とする電子装置の製法。
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