JP2001323100A - 低誘電率重合体 - Google Patents

低誘電率重合体

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JP2001323100A
JP2001323100A JP2000140445A JP2000140445A JP2001323100A JP 2001323100 A JP2001323100 A JP 2001323100A JP 2000140445 A JP2000140445 A JP 2000140445A JP 2000140445 A JP2000140445 A JP 2000140445A JP 2001323100 A JP2001323100 A JP 2001323100A
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dianhydride
polybenzoxazole
bis
based polymer
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JP2000140445A
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Takenori Fujiwara
健典 藤原
Yoichi Mori
与一 森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は電子部品に使用する孔径の小さ
い多孔質誘電性重合体およびそれを非常に簡便に合成す
ることを提供することである。 【解決手段】(a)ポリベンゾオキサゾ−ル系重合体
と、前記重合体の分解温度よりも低い温度で熱分解する
親水性重合体を用い、両者をミクロ相分離した前駆体組
成物を生成させ、(b)前記前駆体組成物を、含有する
前記親水性重合体の分解温度以上ポリベンゾオキサゾー
ル系重合体の分解温度よりも低い温度で加熱して多孔質
重合体を生成させることを特徴とする多孔質ポリベンゾ
オキサゾール系重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品に使用する
低誘電性層間絶縁体として好適な0.5μmより小さい
孔径を有する多孔質重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューター産業では、コンピュータ
ーの電子部品、例えばマルチチップモジュール、チップ
等の回路密度を電気的性能(例えばクロストーク)を低
下させることなく増加させること及びこれらの部品にお
ける信号伝搬速度を増加させることが望まれている。こ
れらの問題を解決する一つの方法は、誘電率の低い層間
絶縁膜を使用することである。従来、層間絶縁膜として
の要求性能、すなわち耐熱性、機械強度、耐溶剤性を十
分に満たすことから、例えばポリイミドなどの耐熱性重
合体膜の層間絶縁膜としての使用が検討されているが、
耐熱性重合体膜を層間絶縁膜として使用する場合には、
耐熱性重合体の誘電率を低くすることが必要である。耐
熱性重合体の誘電率を低下させる一つの方法は、耐熱性
重合体を多孔質化させることである。特開平5−205
526号公報において、ポリアミド酸と熱分解性重合体
とをブロック共重合し、そのブロック共重合体をイミド
化した後に熱分解性基を熱分解させることでポリイミド
多孔質体を生成させることが開示されている。この方法
では熱分解性基の導入量が制限されるため小孔の導入量
が限られるので誘電率を大きく下げられない等の問題が
ある。また、polymerpreprint (ACS)40(1)(1999)p.494
〜495において、側鎖に熱分解性基を共有結合でポリア
ミド酸に導入した重合体で同様にポリイミド多孔質体を
生成させることが報告されている。この方法では、熱分
解性基の導入量を増やすことが容易になったが、合成方
法が複雑である。
【0003】また、特開2000−44719号公報に
おいて、ポリイミドに親水性重合体を分散させた後に親
水性重合体を熱分解させ、ポリイミド多孔質体を生成さ
せることが開示されている。ただし、ポリイミドはイミ
ド環の分極率が大きいためマトリックスであるポリイミ
ドの誘電率はそれほど低くできない。
【0004】誘電率が一定であるためには、電子部品の
特徴的なサイズ、例えばチップでは一般的に約0.5〜
20μm(500〜20000nm)であるが、孔径は
これよりも実質的に小さくなければならない。それ故コ
ンピューター産業では慣用のマイクロエレクトロニクス
部品製造工程に耐えるための良好な熱及び機械的性質を
共に有する孔径の小さい多孔質重合体が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は電子部
品に使用する孔径の小さい多孔質低誘電性重合体、およ
びそれを非常に簡便に合成することを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
ベンゾオキサゾ−ル系重合体と、前記重合体の分解温度
よりも低い温度で熱分解する親水性重合体を含有し、両
者が、ミクロ相分離したポリベンゾオキサゾ−ル系前駆
体組成物であり、さらに前記前駆体組成物を、含有する
前記親水性重合体の分解温度以上でポリベンゾオキサゾ
ール系重合体の分解温度よりも低い温度で加熱して多孔
質重合体を生成させることを特徴とする多孔質ポリベン
ゾオキサゾール系重合体の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の多孔質重合体を製造する
方法において、前記前駆体重合体は、好ましくはポリベ
ンゾオキサゾール系重合体と親水性重合体との微小相
(microphase)が分離している重合体である。この重合
体は複数の単量体を反応させてマトリックス重合体であ
るポリベンゾオキサゾール系重合体を生成させ、このマ
トリックス重合体と親水性重合体を分散させて微小相を
製造するのが好ましい。このとき、マトリックス重合体
と親水性重合体との間に相互作用があることが好まし
く、その相互作用は共有結合以外の結合であればよく、
好ましくは、イオン結合、水素結合、分子間力相互作用
の少なくとも1つであることがよい。
【0008】本発明の多孔質重合体は、好ましくは平均
孔径が約0.5μmより小さい、さらに好ましくは10
0nmより小さい独立小孔を有することがよい。また多
孔質重合体のガラス転移温度(Tg)は200℃より高
いことが好ましく、300℃より高いのがさらに望まし
く、5%重量減少温度は400℃より高いことが好まし
く、500℃より高いのがさらに望ましい。
【0009】本発明のポリベンゾオキサゾール系重合体
は、その前駆体であるポリヒドロキシアミド、ポリヒド
ロキシアミド酸、ポリヒドロキシイミドを含む重合体で
ある。また、オキサゾール環はイミド環より分極率が小
さく、ポリベンゾオキサゾール系重合体の誘電率は、通
常のポリイミドに比べて低いので、多孔質重合体の誘電
率を低くするのに好適である。また、本発明の多孔質重
合体は小孔を導入する量が少なくても誘電率を低くする
ことが可能であるため、膜の機械強度の低下を抑えるこ
とができる。
【0010】本発明で用いる親水性重合体は、膜を形成
する有機溶媒に可溶であることが好ましい。親水性重合
体としては、ポリアルキレングリコール、セルロース系
高分子、ポリビニルアルコール、ポリオキサゾロン、ポ
リビニルピロリドン、ポリ−N,N−ジメチルアクリル
アミド等が好適である。これは、ポリベンゾオキサゾー
ル系重合体溶液中に均一に溶解した原液が容易に調製で
き、その原液の乾燥操作により、容易にポリベンゾオキ
サゾール系重合体と親水性重合体とを相分離させること
ができるからである。特に好適には、ポリエチレングリ
コールである。ポリエチレングリコールは、ポリベンゾ
オキサゾール系重合体の焼成段階で、容易に分解してガ
ス化し、ポリエチレングリコールの除去跡からなり、か
つ互いに独立した(すなわち、不連続な)微小孔が内部
から表面にわたって均一に存在する、多孔質ポリベンゾ
オキサゾール系重合体を形成することができ、この多孔
質体の微小孔の平均孔径は可視光(約0.4〜0.8μ
m)よりも小さく、好ましくは100nm以下であるた
め、可視光が散乱されず、透明な膜が製造できる。ま
た、本発明の効果を損なわない限り、ポリメチルメタク
リレートの様な、ポリベンゾオキサゾール系重合体との
相溶性が比較的に低く、かつポリベンゾオキサゾール系
重合体の焼成操作で、容易に分解、除去できる有機ポリ
マーも併用できる。また、この有機ポリマーは、溶媒抽
出により除去することもできる。抽出溶媒は、水、アル
コール等、ポリベンゾオキサゾール系重合体は溶解しな
いが有機ポリマーは溶解するものを選択する。また、抽
出操作は、焼成前または/および焼成後に行うことがで
きる。
【0011】本発明で用いる親水性重合体は150℃よ
り高い、好ましくは200℃より高い分解温度を有する
ことが望ましい。また親水性重合体はその分解温度で非
毒性のガスに分解するのが好ましい。
【0012】本発明で用いる親水性重合体の分子量は、
200〜4000000、好ましくは10000〜30
00000であることが望ましい。分子量が小さ過ぎる
と、ポリベンゾオキサゾール系重合体を含むマトリック
ス(乾燥後)に対する溶解性が大きくなり、マトリック
スと親水性重合体との相分離が困難になり、反対に大き
過ぎると、除去が困難になりやすく、焼成後のポリベン
ゾオキサゾール系重合体マトリックス中に残留したり、
除去するのに時間を要する傾向がある。
【0013】ポリベンゾオキサゾール系重合体は1個ま
たはそれ以上の単量体から生成されるのが好ましい。ポ
リベンゾオキサゾール系重合体を形成するのに使用され
る単量体は、良好な機械特性を有し、かつ親水性重合体
の分解温度で熱的に安定な重合体を形成しなければなら
ない。ポリベンゾオキサゾール系重合体の分解温度は、
親水性重合体の分解温度よりも一般的に少なくとも25
〜50℃高いことが好ましい。ポリベンゾオキサゾール
系重合体のガラス転移温度は用いる親水性重合体の分解
温度よりも高く、具体的にはより好ましくは200℃よ
り高く、さらに好ましくは300℃より高いガラス転移
温度を有するのが望ましい。
【0014】本発明で用いるポリベンゾオキサゾール系
重合体は、低い誘電率並びに良好な機械的特性、例えば
高い引っ張り弾性率及び高い破断点伸びを有することが
好ましい。またポリベンゾオキサゾール系重合体には、
その特性を損なわない限り他の重合体を共重合または混
合することができる。
【0015】本発明で好ましく用いられるポリベンゾオ
キサゾール系重合体は下記一般式(1)に示された構造
を有するものがよい。
【0016】
【化1】
【0017】一般式(1)において、R5は少なくとも
2個以上の炭素原子を有する3〜8価の有機基、R6
少なくとも2個以上の炭素原子を有する2〜6価の有機
基、R7は水素、または炭素数1から20までの有機基
を示す。nは10から100000までの整数、mは0
から2までの整数、t、uは0から4までの整数を示
す。p+q>0である。
【0018】また、さらに下記一般式(2)で示される
ポリベンゾオキサゾール系重合体が、誘電率をさらに低
くするのに好ましく用いることができる。
【0019】
【化2】
【0020】式中、R1、R2はメチレン、酸素、C(CH
3)2、C(CF3)2、COOのうちのいずれかの基を示す。R3
は水素原子、炭素数1から10までの炭化水素基、(メ
タ)アクリロイルオキシエチル基、(メタ)アクリロイ
ルオキシn−プロピル基、(メタ)アクリロイルオキシ
i−プロピル基、(メタ)アクリロイルオキシn−ブチ
ル基のうちのいずれかの基を示す。R4は水素原子、炭
素数1から4までの炭化水素基、エステル基、カルボキ
シル基、水酸基を示す。p、qは0から2までの整数を
示す。r、sは0または1を示す。
【0021】本発明のポリベンゾオキサゾール系重合体
は、ジカルボン酸及びビス(アミノフェノール)単量体
から形成させることができるし、酸二無水物/ジカルボ
ン酸ジエステル及びビス(アミノフェノール)単量体か
ら形成させることもできる。前者と後者との共重合であ
っても良いし、ブレンドであってもよい。後者の場合、
例えば、酸無水物およびビス(アミノフェノール)単量
体からポリヒドロキシアミド酸が得られる。このポリヒ
ドロキシアミド酸は脱水剤や加熱処理により、初期にイ
ミド化が起こり、ポリヒドロキシイミドとなる。さらに
加熱処理することでイミド環が脱炭酸反応を起こしオキ
サゾール環が形成され、特に誘電率の低いポリべンゾオ
キサゾールが得られる。ここで、定義されるポリベンゾ
オキサゾール系重合体は前記ポリヒドロキシイミドも含
む。
【0022】ポリヒドロキシアミドの合成方法としては
公知の酸クロライドを用いる方法や、活性化エステルを
用いる方法などがありいずれの方法を用いても合成可能
である。例えば、活性化エステルを用いる方法は次のよ
うである。前記の酸成分と1ーヒドロキシベンゾトリア
ゾールを適当な条件で反応させることにより活性化エス
テルを合成し、それとビス(アミノフェノール)化合物
を有機溶媒中、適当な温度、好ましくは50〜100℃
の条件で反応させることによりポリヒドロキシアミドを
合成することができる。これを更に加熱脱水閉環するこ
とによりポリベンゾオキサゾールを得ることができる。
【0023】ポリヒドロキシアミド酸の合成方法として
は、公知の酸クロライドを用いる方法や、活性エステル
を用いる方法、特に簡便には、酸無水物を用いる方法等
がある。例えば、酸無水物を用いる方法は次のようであ
る。酸無水物とビス(アミノフェノール)化合物を有機
溶媒中、適当な温度、好ましくは50〜100℃の条件
で反応させることによりポリヒドロキシアミド酸を合成
することができる。これを更に加熱し脱水や脱炭酸して
閉環することによりポリベンゾオキサゾール系重合体を
得ることができる。
【0024】本発明のポリベンゾオキサゾール系前駆体
を得るための、ジカルボン酸の好ましい具体例としては
イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、3,4’−ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、3,3’−ジフェニルエーテルジカルボン
酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボ
キシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパン,2,2−ビス(4−カルボキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−カルボキシフ
ェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロプロパン,2,2−ビス(4−(4−カルボ
キシフェノキシ)フェニル)プロパンや4,4’−2−
フルオロイソフタル酸、4−フルオロイソフタル酸、5
−フルオロイソフタル酸、3−フルオロフタル酸、4−
フルオロフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,
4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、3,4,
5,6−テトラフルオロフタル酸、2,3,5,6−テ
トラフルオロテレフタル酸とパーフルオロエチルアルコ
ール、パーフルオロプロピルアルコール、パーフルオロ
ブチルアルコール、パーフルオロペンチルアルコール、
2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,
3,4,4,4,−ヘプタフルオロブタノール、2−ヘ
キサフルオロ−2−プロパノール、2,6−ジフルオロ
フェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,3−
ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノー
ル、2,3,4−トリフルオロフェノール、2,4,6
−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノー
ル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フ
ェニル−2−プロパノールとを反応させて得られるジカ
ルボン酸を挙げることができる。ビス(アミノフェノー
ル)化合物の好ましい具体例としては3,3' −ジアミ
ノ−4,4' −ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−ア
ミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン等が挙げられるが、特に2,2−ビス(3−ア
ミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパンが好ましい。酸二無水
物/ジエステルの好ましい具体例としては、ピロメリッ
ト酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、
3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−
ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、
1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−テル
フェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”’,4,
4”’−クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、
3,3””,4,4””−キンクフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、メチレン−4,4’−ジフタル酸
二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ジフタル
酸二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタ
ル酸二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ジフタル
酸二無水物、1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタ
ル酸二無水物、1,4−テトラメチレン−4,4’−ジ
フタル酸二無水物、1,5−ペンタメチレン−4,4’
−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロプロパン二無水物、ジフルオロメチレン−4,
4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2−テトラフ
ルオロ−1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無
水物、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,
3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−
1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水
物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフ
ルオロ−1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル
酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、
チオ−4,4’−ジフタル酸二無水物、スルホニル−
4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメ
チルシロキサン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、
1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベン
ゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3−ビス[2−
(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル]ベ
ンゼン二無水物、1,4−ビス[2−(3,4−ジカル
ボキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン二無水物、
ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル]メタン二無水物、ビス[4−(3,4−ジカルボキ
シフェノキシ)フェニル]メタン二無水物、2,2−ビ
ス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−
ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水
物、2,2−ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4
−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジメチル
シラン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン二無水物、2,3,6,7,−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,5,6,−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナン
トレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,
4−ジイカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテ
トラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,3,4−テト
ラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,
5−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニ
ル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカル
ボン酸)二無水物、メチレン−4,4’−ビス(シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,2−
エチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−
ジカルボン酸)二無水物、1,1エチニリデン−4,
4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)
二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シ
クロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピ
リデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジ
カルボン酸)二無水物、オキシ−4,4’−ビス(シク
ロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、チオ−
4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン
酸)二無水物、スルホニル−4,4’−ビス(シクロヘ
キサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2’−
ジフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’
−ジフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘ
キサフルオロ−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチ
ル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−
3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−
3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメ
チル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフ
ルオロメチル)−3,3’4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−
ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ジ
フルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,
5’−ジフルオロオキシ)−4,4’−ジフタル酸二無
水物、6,6’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタ
ル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサ
フルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−
ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメ
チル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,
6’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−
ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス
(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸
二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフル
オロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、
5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチ
ル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロ
メチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二
無水物、5,5’−ジフルオロスルホニル−4,4’−
ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロスルホニル
−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,
5’,6,6’−ヘキサフルオロスルホニル−4,4’
−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロ
メチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−
4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリ
フルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二
無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオ
ロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)ス
ルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,
6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニ
ル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,
6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−
4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,
6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニ
ル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフル
オロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−
ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−2,2−
パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無
水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプ
ロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−2,2−
パーフルオロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水
物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−
パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無
水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2
−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二
無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロ
プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,
3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−
2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタ
ル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリ
フルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン
−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’
−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフ
ルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、
3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフル
オロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−
4,4’−ジフタル酸二無水物9−フェニル−9−(ト
リフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テト
ラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメ
チル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸
二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、9,9−
ビス〔4−(3,4−ジカルボキシ)フェニル〕フルオ
レン二無水物および、 9,9−ビス〔4−(2,3−
ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物等やこれ
らから誘導されるジエステルが挙げられる。
【0025】本発明の多孔質重合体を形成する第1の工
程には、ポリベンゾオキサゾール系重合体と親水性重合
体を微小相に相分離させることで、前駆体組成物を形成
する。このとき前駆体組成物は反応容器中で1個または
それ以上の単量体を反応させてポリベンゾオキサゾール
系重合体を生成させ、生成されたポリベンゾオキサゾー
ル系重合体を親水性重合体と混合し、イオン結合、水素
結合、分子間力相互作用の少なくとも1つを生成させる
ことが好ましい。イオン結合、水素結合、分子間力相互
作用はポリベンゾオキサゾール系重合体と親水性重合体
を混合するだけで生成させることが可能であるので、こ
の前駆体組成物を製造することはきわめて容易である。
【0026】ポリベンゾオキサゾール系重合体に対する
親水性ポリマーの含有量は、通常0.01〜300重量
%、好適には0.1〜100重量%である。含有量が多
すぎると、焼成後のポリベンゾオキサゾール系重合体の
機械的強度や透明性が低下するおそれがあり、反対に少
なすぎると、誘電率を低くすることが困難になるおそれ
がある。
【0027】上記前駆体組成物をチップまたは集積回路
等の電子部品に形成する場合、前駆体組成物は有機溶媒
に溶解されて用いられる。通常、普通の有機のキャステ
ィング溶媒が挙げられるが、好ましくはテトラクロロエ
タン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセト
アミドまたはガンマ−ブチロラクトンが挙げられる。
【0028】得られた前駆体組成物はスピンコーティン
グ、スプレーコーティング、ドクターブレーディング、
ロールコーティング等により、場合によっては回路構成
要素等を用いて、シリコンウエハー、セラミックス類、
ガラス基板、石英、ガリウムヒ素、アルミ、重合体等の
基板上に膜として塗布する。また、塗布膜厚は、塗布手
法、組成物の固形分濃度、粘度等によって異なるが通
常、乾燥後の膜厚が、0.1〜50μmになるように塗
布される。
【0029】次の第2の工程には前駆体組成物を、上記
に挙げられた好ましい温度に加熱し親水性重合体を分解
する。前駆体組成物を親水性重合体の熱分解温度以上の
温度で約15分〜24時間加熱する。このとき親水性重
合体はガスに分解し、親水性重合体の残った空隙から外
へ拡散する。多孔質重合体の孔径は一般的に親水性重合
体のドメインと同じ大きさであるが、さらに孔径は親水
性重合体の分子量を変えることにより変化させることが
できる。また加熱工程により重合体から用いた有機溶媒
が除去され重合体は硬化される。このときの温度設定の
一態様として、最初に加熱する温度(初期温度)を親水
性重合体の分解温度よりも低い温度に設定し、溶媒を除
去して前駆体組成物を硬化させる。次いで硬化した前駆
体組成物を親水性重合体の分解温度よりも高い温度に設
定して多孔質重合体を生成させることが好ましい。
【0030】本発明の多孔質重合体は、半導体の多層配
線の層間絶縁膜、多層プリント基板のリジット板やフレ
キソ印刷等の層間絶縁膜、パッケージやMCM基板等の
層間絶縁膜等の電子部品を構成するものとして使用する
ことができる。また半導体のパッシベーション膜(スト
レスバッファー膜)、α線遮断膜等として使用すること
もできる。
【0031】
【実施例】以下本発明をより詳細に説明するために、実
施例および比較例をあげて説明するが、本発明はこれら
の例によって限定されるものではない。
【0032】特性の測定方法 比誘電率の測定 アルミ基板に製膜した多孔質重合体に上部電極を日本真
空技術(株)製真空蒸着機EBH−6を用いて蒸着し
た。多孔質重合体の膜厚は、アルミ基板に多孔質重合体
を製膜した条件と同じ条件でシリコンウエハーに製膜し
た膜に傷を付け、その傷の深さを測定し、その深さを膜
の厚さとした。次いで多孔質重合体の1kHzにおける
静電容量を(株)横川ヒューレットパッカード製のLC
Rメーター4284Aを用いて測定し、下記式により比
誘電率(ε)を求めた。 ε=C・d/ε0・S(但し、Cは静電容量(単位:
F)、dは試料膜厚(単位:m)、ε0は真空中の誘電
率、Sは上部電極面積(単位:m2)である。)。
【0033】赤外吸収スペクトル(IR)測定 シリコンウエハー上に製膜したものをそのまま測定し
た。(装置:堀場製作所(株)製FT−720)。 小孔の観察 小孔の観察は、日立製作所(株)H−9000UHRを
用いて、加速電圧300KVで行った。
【0034】密度の測定 スライドガラス(40mm×50mm、厚み0.12〜
0.17mm(No.1))をイソプロピルアルコール
で表面を洗浄した。ヤマト科学(株)製通風オーブンD
T−42で100℃で4時間乾燥させ、シリカゲルを入
れたガラス製のデシケーターで冷却した。室温まで冷却
された後、AD社製精密天秤ER−182Aでこのガラ
ス板の重量を測定した。この重量を測定したガラス板上
に、多孔質前駆体組成物の溶液をミカサ(株)製スピン
ナー1H−DSを用いてスピン塗布し、熱処理後の膜厚
が約5μmになるようにした。
【0035】このスピンコートしたガラス板を大日本ス
クリーン製造(株)製コーターデベロッパーSKW−6
36のホットプレート部分を用いて80℃で5分、12
0℃で5分プリベークした。さらに、ヤマト科学(株)
製イナートオーブンDT−42を用いて、140℃で3
0分、その後350℃に昇温して1時間窒素中で熱処理
した(酸素濃度20ppm以下)。その後、オーブンの
温度が200℃以下になったところで、オーブン内より
取り出した。
【0036】オーブンより取り出したサンプルは、デシ
ケーター内に入れ放冷して、室温になった後にAD社製
精密天秤ER−182Aを用いて重量を測定した。この
重量とガラス板のみの重量より、塗布された膜の重量を
求めた。次いで膜厚を、塗布した面の一部に片歯カミソ
リで傷を入れ、この傷のあるところと無いところを
(株)東京精密製”サーフコム”1500を用いて測定
して段差を膜厚とした。密度は、この膜の重量(g単
位)を体積である面積(4.0cm×5.0cm)と膜
厚(cm単位)を乗じたもので除することで得られた。
【0037】合成例1 ポリベンゾオキサゾール系重合
体Aの製造 窒素気流下、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)
−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン
(BCPF)15.7g(40mmol)にN,N−ジ
メチルアセトアミド(DMAc)47gピリジン6.3
gを加え、溶解した。さらに、ヒドロキシベンズトリア
ゾール16.2g加えた後、−5℃まで冷却した。この
溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1
6.7gのDMAc8.4g溶液を滴下後、3,3’−
ジヒドロキシベンジジン8.6g(40mmol)を加
えた。反応溶液を室温に戻した後2時間攪拌しエタノー
ル5ml加えた。重合で生成した沈澱物(副生成物:ジ
シクロヘキシルウレア)を濾過で取り除き、濾液を4l
のエタノールに投入し、ポリマーを析出させた。このポ
リマーを濾取して減圧乾燥して、ポリベンゾオキサゾー
ル系重合体Aを得た。
【0038】合成例2 ポリベンゾオキサゾール系重合
体Bの製造 窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパン(BAHF)3.66g(10mmol)を
N−メチルピロリドン(NMP)20gに溶解した。次
に、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
−,1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン
二無水物(6FDA)4.44g(10mmol)をN
MP40.5gとともに加え、50℃で4時間攪拌し
た。反応溶液を冷却し、2Lの精製水に投入し、ポリマ
ーを析出させた。このポリマーを濾取して減圧乾燥し
て、ポリベンゾオキサゾール系重合体Bを得た。
【0039】実施例1、比較例1 多孔質ポリベンズオ
キサゾールの製造 合成例1のポリベンゾオキサゾール系重合体Aを固体濃
度15%でシクロヘキサノン(CHN)、ガンマーブチ
ロラクトン(1/1重量比)に溶解した。この溶液にポ
リエチレングリコール(分子量500000)をオキサ
ゾール系重合体Aに対して10重量%添加、1時間攪拌
して前駆体溶液を得た。スピンコーティングして4イン
チ径のSiウエハーおよびアルミ基板上に薄膜(10μ
m)を形成させた。次いでこの膜を窒素中で5℃/分の
速度で150℃に加熱し、180℃で2時間維持して溶
媒を除去した。これによってポリエチレングリコールの
分解は引き起こされなかった。次いで膜を窒素中5℃/
分の速度で330℃に加熱し、330℃で1時間維持し
た。さらに、空気中で240℃12時間加熱した。IR
からこの膜は、2900〜3000cm-1に吸収はな
く、ポリエチレングリコールは消失していることを確認
した。重合体生成物の密度は1.23g/cm3であり誘
電率は2.44であった。多孔質ポリベンゾオキサゾー
ル膜の小孔の平均孔径は50nmであった。上記ポリエ
チレングリコールを含有していない合成例1で得られた
ポリベンゾオキサゾール系重合体の無多孔質重合体は誘
電率が2.80、密度が1.35g/cm3であった。
【0040】実施例2、比較例2 多孔質ポリベンゾオ
キサゾール系重合体の製造 合成例2のポリベンゾオキサゾール系重合体B、ポリエ
チレングリコール(重合体Bに対して20重量%)を用
いて、実施例1と同様に薄膜10μmを形成した。次い
でこの膜を窒素中で5℃/分の速度で150℃に加熱
し、150℃で2時間維持して溶媒を除去した。これに
よってポリエチレングリコールの分解は引き起こされな
かった。次いで膜を5℃/分の速度で365℃に加熱
し、365℃で9時間維持した。IRからこの膜は、2
900〜3000cm-1に吸収はなく、ポリエチレング
リコールは消失していることを確認した。重合体生成物
の密度は1.10g/cm3であり誘電率は2.08であ
った。多孔質ポリベンゾオキサゾール膜の小孔の平均孔
径は80nmであった。上記ポリエチレングリコールを
含有していない合成例2で得られたポリベンゾオキサゾ
ール系重合体Bの無多孔質重合体は誘電率が2.60、
密度が1.30g/cm3であった。
【0041】比較例3 窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
(DAE)2.00g(10mmol)をN−メチルピ
ロリドン(NMP)20gに溶解した。次に、2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−,1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6
FDA)4.44g(10mmol)をNMP40.5
gとともに加え、50℃で4時間攪拌した。反応溶液を
冷却し、2Lの精製水に投入し、ポリマーを析出させ
た。このポリマーを濾取して減圧乾燥して、ポリイミド
を得た。このポリイミドとポリエチレングリコールを用
いて、実施例1と同様に薄膜10μmを形成した。次い
でこの膜を窒素中で5℃/分の速度で150℃に加熱
し、150℃で2時間維持して溶媒を除去した。これに
よってポリエチレングリコールの分解は引き起こされな
かった。次いで膜を5℃/分の速度で365℃に加熱
し、365℃で9時間維持した。IRからこの膜は、2
900〜3000cm-1に吸収はなく、ポリエチレング
リコールは消失していることを確認した。重合体生成物
の密度は1.26g/cm3であり誘電率は2.70であ
った。本ポリイミド膜の小孔の平均孔径は110nmで
あった。
【0042】
【発明の効果】本発明の多孔質重合体は非常に簡便に合
成することができ、また、低誘電率でかつ耐熱性に優れ
ており、プリント基板やLSI用の層間絶縁膜として極
めて良好に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリベンゾオキサゾ−ル系重合体と、前記
    重合体の分解温度よりも低い温度で熱分解する親水性重
    合体を含有し、両者が、ミクロ相分離したポリベンゾオ
    キサゾ−ル系前駆体組成物。
  2. 【請求項2】前記前駆体組成物を、含有する前記親水性
    重合体の分解温度以上であって、ポリベンゾオキサゾー
    ル系重合体の分解温度よりも低い温度で加熱して多孔質
    重合体を生成させることを特徴とする請求項1記載の多
    孔質ポリベンゾオキサゾール系重合体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001354852A (ja) * 2000-06-15 2001-12-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd 絶縁膜用樹脂組成物およびこれを用いた絶縁膜
JP2007514557A (ja) * 2003-12-19 2007-06-07 コミサリア、ア、レネルジ、アトミク 密封されたキャビティおよびプラグを備えるマイクロ部品及びそのようなマイクロ部品の製造方法
WO2009101938A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Nissan Chemical Industries, Ltd. 半導体素子保護膜用塗布組成物

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