JP2007212542A - 積層体 - Google Patents

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Masayuki Maruyama
公幸 丸山
Hiroyuki Hanabatake
博之 花畑
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Abstract

【課題】ポリイミド樹脂層と金属層からなり、高い樹脂金属接着性を有する積層体を提供する。
【解決手段】(a)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸エステル100質量部、及び(b)平均粒径が0.1〜200nmの無機微粒子0.01〜50質量部を含む感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化レリーフパターンからなる層、及び該層に接するチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を有することを特徴とする積層体。
【化1】
Figure 2007212542

【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置、または多層配線基板などの電気・電子材料の製造に有用な、耐熱性を有する樹脂層の上に金属層を設けた積層体に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、ポリイミド樹脂からなる層に接してチタンまたはアルミニウムからなる金属層を設けた積層体に関するものである。
ポリイミド樹脂は、その高い熱的及び化学的安定性、低い誘電率、並びに優れた平坦化能のために、マイクロエレクトロニクス関係の材料として注目されており、半導体の表面保護膜、層間絶縁膜、あるいはマルチチップモジュールなどの材料として広く使用されている。
ポリイミド樹脂を用いて半導体装置を製造する場合には、従来、非感光性ポリイミド前駆体を基板上に塗布して塗膜を形成し、加熱してポリイミド樹脂に変換した後に、リソグラフィー技術を利用して所望のパターンを形成する方法が用いられてきた。
具体的には、ポリイミド樹脂膜の上に、フォトレジストとパターンを有するフォトマスクを用いてフォトレジストのレリーフパターンを形成し、その後にエッチングによって該ポリイミド樹脂膜のパターン化を行うという間接的な硬化レリーフパターン形成方法が用いられてきた。
しかしながら、この方法においては、初めに、マスクとなるフォトレジストのレリーフパターンをポリイミド樹脂膜の上に形成し、次に該ポリイミド樹脂膜のエッチングを行い、最後に不要になったフォトレジストの剥離を行わなければならないため、工程が複雑であった。また、間接的なレリーフパターン形成方法であるが故に解像度が低く、エッチングにヒドラジンのような有毒物質を溶剤として用いる必要があるため、安全性の問題もあった。
上記のような問題点を克服する目的で、光重合性の感光基をポリイミド前駆体に導入し、ポリイミド前駆体の塗膜に直接レリーフパターンを形成する方法が開発、実用化されている。例えば、光重合性の二重結合を有する化合物をエステル結合、アミド結合、またはイオン結合などを介してポリアミド酸誘導体に結合してなるポリイミド前駆体(以下、「感光性ポリイミド前駆体」ともいう。)、及び光重合開始剤等を含む感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって塗膜を形成し、該塗膜をパターンを有するフォトマスクを介して露光することによって塗膜の露光された部分のポリイミド前駆体を不溶化させた上で現像処理に付すことによってポリイミド前駆体からなるレリーフパターンを形成し、その後、加熱して感光基成分を除去することによってポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンに変換する方法などが提案されている(非特許文献1参照)。この技術は、一般に感光性ポリイミド技術と呼ばれている。該感光性ポリイミド技術によって、従来の非感光性ポリイミド前駆体を用いるプロセスに伴う問題が克服されるため、近年はポリイミド樹脂からなるレリーフパターンの形成を感光性ポリイミド技術で行うことが多くなっている。
ところで、半導体装置(以下、単に「素子」ともいう。)は目的に併せて、様々な方法でプリント基板に実装される。従来は、素子の外部端子(パッド)からリードフレームまでを細いワイヤで接続するワイヤボンディング法が一般的であったが、素子の高速化が進み、動作周波数がGHz帯域まで到達した今日、実装における各端子間の配線長さの違いが、素子の動作に影響を及ぼすまでに至った。その為に、ハイエンド用途の素子の実装では、実装配線の長さを正確に制御する必要が生じ、上記ワイヤボンディング法ではその要求を満たすことが不可能となった。
そこで、半導体装置のチップの表面に再配線層を形成し、その上にバンプ(電極)を形成し、チップを裏返し(フリップ)て、プリント基板に直接実装するフリップチップ実装が提案されている。フリップチップ実装は配線距離を正確に制御できるため高速な信号を取り扱うハイエンド用途の素子や、実装サイズの小ささから携帯電話等に採用され、需要が急拡大している。そのため、再配線層の材料用としての感光性ポリイミド樹脂は、上述したような優れたパターン形成性や耐熱性に加えて、硬化後のポリイミド樹脂とバンプのバリアメタル、及び配線メタルとの接着性、並びにプロセス過程で使用されるレジスト剥離液への耐薬品性などの性能が重要視されている。
しかしながら、従来の感光性ポリイミド技術においては、耐熱性、メタル接着性、および耐薬品性の3つを同時に満足することは困難であった。たとえば、ポリイミド樹脂中にシリカ粒子を分散させ、無機基板との接着性を改善する方法(特許文献1参照)が提案されているが、該ポリイミド膜上のメタルの接着性に関しては記載がない。また、ポリアミド酸と第3級アミノ基を含む化合物とコロイダルシリカ溶液からなるポリイミド前駆体組成物(特許文献2参照)が提案されており、フッ硝酸処理で基板からの剥離がないことが記載されているが、ポリイミド膜上のメタルの接着性に関しては記載がない。
山岡亜夫、表利彦、株式会社大成社、「ポリファイル」、第27巻、第2号、第14〜18頁(1990年) 特開2005−068347号公報 特開2000−058535号公報
本発明は、ポリイミド樹脂からなる層と該層に接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成した積層体であって、高い樹脂金属間接着性を有する積層体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した従来技術の問題点を検討した結果、ポリイミド前駆体と、平均粒径が0.1〜200nmの無機微粒子とをブレンドした樹脂組成物によって、高い樹脂金属間接着性を発現する硬化レリーフパターンが基材上に形成可能であることを見出し、本発明にいたった。
すなわち本発明の一は、(a)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸エステル100質量部、及び(b)平均粒径が0.1〜200nmの無機微粒子0.01〜50質量部を含む感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化レリーフパターンからなる層、及び該層に接するチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を有することを特徴とする積層体である。
Figure 2007212542
(式(1)中、Xは少なくとも1つの炭素数6〜32の4価の有機基を示し、Yは炭素数4〜30の2価の芳香族基および脂肪族基、並びにケイ素数2〜50の2価のケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を示し、Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基を示す。)
また、本発明の二は、(a)上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸エステル100質量部、(b)平均粒径が0.1〜200nmの無機微粒子0.01〜50質量部、(c)光重合開始剤1〜20質量部、及び(d)溶媒30〜600質量部を含む感光性樹脂組成物を基材に塗布して乾燥することにより該基材上に塗膜を形成する工程、パターンを有するフォトマスクを介して、又は直接に該塗膜に紫外線を照射する工程、現像液で現像することにより該塗膜の露光されなかった部分を除去して該基材上にレリーフパターンを形成する工程、該レリーフパターンを加熱することによりポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンからなる層を該基材上に形成する工程、アルゴン、酸素、及び四フッ化炭素から選択される少なくとも1種のガスで該層の表面をドライエッチング処理する工程、ならびに該層に接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成することを特徴とする上記発明の一に記載の積層体の製造方法である。
本発明の積層体は、ポリイミド樹脂からなる層と該層に接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成した積層体であって、高い樹脂金属間接着性を有する。
本発明について、以下に具体的に説明する。
<感光性樹脂組成物>
本発明に使用する感光性樹脂組成物を構成する成分について、以下に説明する。
(a)ポリアミド酸エステル
本発明に使用する感光性樹脂組成物において、(a)ポリアミド酸エステルに含まれる下記の一般式(1)で表される繰り返し単位は、硬化後のポリイミド樹脂膜に、耐熱性及び耐薬品性を併せ持たせる機能を有する。
Figure 2007212542
(式(1)中、Xは少なくとも1つの炭素数6〜32の4価の有機基を示し、Yは炭素数4〜30の2価の芳香族基および脂肪族基、並びにケイ素数2〜50の2価のケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を示し、Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基を示す。)
上記ポリアミド酸エステルの主原料として好適に用いることができるテトラカルボン酸二無水物は、X基が炭素数6〜32の4価の芳香族基であるテトラカルボン酸二無水物(以下、単に「芳香族テトラカルボン酸二無水物」という。)である。
該芳香族テトラカルボン酸二無水物の好ましい例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、および1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は、単独でも二種以上を同時に用いることも可能である。
本発明に使用する感光性樹脂組成物をi線の照射によりレリーフパターン化する場合には、4,4’−オキシジフタル酸二無水物等のi線透過性の良好な芳香族テトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。また、硬化後のポリイミド樹脂膜をより高い耐熱性を要する用途に使用する場合は、ピロメリット酸二無水物等の剛直構造を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
上述の主原料として用いられる芳香族テトラカルボン酸二無水物に加えて、X基が炭素数4〜32の4価の脂肪族基であるテトラカルボン酸二無水物(以下、単に「脂肪族テトラカルボン酸二無水物」という。)も副原料として使用することができる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物の好ましい例としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、及び5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセンー1,2−ジカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらの脂肪族テトラカルボン酸二無水物は、単独でも二種以上を同時に用いることも可能である。
ポリアミド酸エステルにおいて、上記脂肪族テトラカルボン酸二無水物に由来するX基の全テトラカルボン酸二無水物に由来するX基に対する比は、0〜0.5であることが好ましく、0〜0.2であることがさらに好ましい。
ポリアミド酸エステルにおいて、前記(1)式で示される繰り返し単位中のR基は、上記のテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応に用いるアルコール類に由来する。該アルコール類は、感光性を付与するために、オレフィン性二重結合を有するアルコール類を主成分として用いることが好ましい。
具体的には、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、2−アクリロイルオキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシ−2−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルアルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、及びグリセリンモノアクリレートなどを挙げることができる。これらのオレフィン性二重結合を有するアルコール類は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
また、上述のオレフィン性二重結合を有するアルコール類として、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、及びポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレートなどの長鎖ポリアルキレングリコールアクリレート類も使用することができる。
さらに、分子内に2個以上のオレフィン性二重結合を有するアルコール類も、好適に使用することができる。具体的には、グリセリンジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリメタクリレートなどが挙げられる。
また、特開平6−80776号公報に記載のように、上記のオレフィン性二重結合を有するアルコール類に、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、又はイソプロピルアルコールなどのオレフィン性二重結合を有さないアルコール類を一部混合して用いてもよい。
ポリアミド酸エステルにおいて、オレフィン性二重結合を有さないアルコール類に由来するR基は、全アルコール類に由来するR基に対して0〜30モル%の範囲内であることが好ましく、0〜10モル%の範囲内であることがより好ましく、0モル%であることが最も好ましい。オレフィン性二重結合を有さないアルコール類に由来するR基の和が30モル%以下であれば、リソグラフィー性能に優れる。
化学量論的には、テトラカルボン酸二無水物のエステル化に使用するアルコール類の量は、テトラカルボン酸二無水物1.00当量(0.50モル)あたり1.00当量(1価のアルコールの場合は1.00モル)であるが、ポリアミド酸エステルを合成するときには、テトラカルボン酸二無水物1.00当量あたり、1.01〜1.10当量のアルコール類を用いてテトラカルボン酸ジエステルを合成すると、最終的に得られる感光性樹脂組成物の保存安定性が向上するので好ましい。
次に、ポリアミド酸エステルのY基について説明する。
該Y基は炭素数4〜30の2価の芳香族基および脂肪族基、並びにケイ素数2〜50の2価のケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基であって、原料として用いるジアミン類に由来する。上述のテトラカルボン酸二無水物とともにジアミンに芳香族基を導入することにより、硬化後のポリイミド樹脂膜の耐熱性を高めることができる。
芳香族ジアミン類の具体的な例としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1、1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、或いはこれらの芳香族ジアミン類の芳香族環と直接結合した水素原子の一部がメチル基、エチル基、及びハロゲン基からなる群から選択される基で置換された化合物を挙げることができる。
これらの中でポリアミド酸エステルの原料としてより好ましい芳香族ジアミン類として、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)のような芳香環上にアルキル基をもったものが挙げられる。
上記の芳香族ジアミン類はいずれも単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明に使用する感光性樹脂組成物をi線の照射によりレリーフパターン化する場合には、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等のi線透過性の良好な芳香族ジアミン類を使用することが好ましい。
上述の芳香族ジアミン類以外では、炭素数4〜30の2価の脂肪族基およびケイ素数2〜50の2価のケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有するジアミン類が好ましい。
該炭素数4〜30の2価の脂肪族基としては、非環状構造を有する脂肪族ジアミン類(以下、単に「脂肪族ジアミン類」という。)、または脂環式構造を有するジアミン類(以下、単に「脂環式ジアミン類」という。)を好適に用いることができる。
脂肪族ジアミン類の具体例としては、エチレングリコールジアミン類である、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテルなどが挙げられ、メチレンジアミン類である、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、及び1,12−ジアミノドデカン等が挙げられる。これらの脂肪族ジアミン類は、1種でも、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
脂環式ジアミン類の具体例としては、例えば、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,8−ジアミノ−p−メンタン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ジアミノメチル−ビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5−ジアミノメチル−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノメチル−7,7−ジフルオロビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノメチル−7,7,8,8−テトラフルオロビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5−ジアミノメチル−7,7−ビス(ヘキサフルオロメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノメチル−7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノメチル−7−チアビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノメチル−7−オキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノメチル−7−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノメチル−ビシクロ[2,2,2]オクタン、2,6−ジアミノメチル−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノメチル−7,7−ジフルオロビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノメチル−7,7,8,8−テトラフルオロビシクロ[2,2,2]オクタン、2,6−ジアミノメチル−7,7−ビス(ヘキサフルオロメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノメチル−7−オキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノメチル−7−チオビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノメチル−7−オキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノメチル−7−イミノビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−ビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5−ジアミノ−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−7,7−ジフルオロビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,5−ジアミノ−7,7,8,8−テトラフルオロビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5−ジアミノ−7,7−ビス(ヘキサフルオロメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−7−チアビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−7−オキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジアミノ−7−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−ビシクロ[2,2,2]オクタン、2,6−ジアミノ−7,7−ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−7,7−ジフルオロビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−7,7,8,8−テトラフルオロビシクロ[2,2,2]オクタン、2,6−ジアミノ−7,7−ビス(ヘキサフルオロメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−7−オキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ジアミノ−7−チオビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−7−オキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ジアミノ−7−イミノビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタンビスメチルアミン、及び下記構造式で表される化合物が挙げられる。これらの脂環式ジアミン類は、1種でも、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
Figure 2007212542
Figure 2007212542
前述したケイ素数2〜50の2価のケイ素含有基を有するジアミン類(以下、単に「ケイ素含有ジアミン類」という。)としては、例えば、下記一般式で示されるジアミノ(ポリ)シロキサンを好適に用いることができる。
Figure 2007212542
(式中、R1およびR4は二価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R2およびR3は一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1以上の整数を表す。)
1およびR2の好ましい基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、およびフェニレン基などが挙げられる。また、R2およびR3についての好適な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびフェニル基などが挙げられる。
ポリアミド酸エステルの数平均分子量は、3000〜100000であることが好ましく、より好ましくは3000〜50000である。該分子量が3000以上であると耐熱性や強度が向上し、100000以下であると溶媒への溶解性が向上する。
ポリアミド酸エステルの合成は、公知の酸クロライド法、DCC法、イソイミド法のいずれでも合成可能である。
(b)無機微粒子
本発明に使用する感光性樹脂組成物において、無機微粒子は、(a)ポリアミド酸エステルと反応しない、酸化物、窒化物等の無機物からなる微粒子を意味する。具体例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化すず、酸化銅、酸化ホルミウム、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、及び酸化ケイ素などの酸化物が好ましく、表面平滑性の点で酸化チタン、及び酸化ジルコニウムがより好ましい。また、これらの無機微粒子の感光性樹脂組成物内での分散性を向上するために、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエン、γ−ブチロラクトン、エチルアルコールなどの任意の有機溶媒に分散させて、スラリーとして他の成分と混合させても良い。
これらの無機微粒子の平均粒径は、0.1nm〜200nmが好ましく、1〜100nmがより好ましい。平均粒径が0.1nm以上であればメタル接着力が向上する。また、平均粒子200nm以下であれば、光透過性に対する影響が少ない。これらの無機微粒子の添加量は(a)ポリアミド酸エステル100質量部に対して0.01〜50質量部、好ましくは0.1〜10質量部の範囲である。添加量が0.01質量部以上であれば樹脂金属間接着力が向上する。また、添加量が50質量部以下であれば、光透過性に対する影響が少ない。
(c)光重合開始剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)ポリアミド酸エステルが有する二重結合に由来する感光性を有するが、光重合開始剤を添加することによって、より光感度を向上させることが好ましい。
光重合開始剤の具体例として、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のアセトフェノン誘導体、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、2,6−ジ(4’−ジアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6’−ジ(4’−ジアジドベンザル)シクロヘキサノン等のアジド類、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシンなどのN−アリールグリシン類、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物類、芳香族ビスイミダゾール類、チタノセン類などが用いられるが、光感度の点でオキシム類が好ましい。
これらの光重合開始剤の添加量は、(a)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、更に好ましくは2〜15質量部である。
(d)溶媒
(a)ポリアミド酸エステルに対する良溶媒の好ましい例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(以下、NMPともいう。)、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどが挙げられ、これらは単独または二種以上の組合せで用いることができる。
また、その他の好ましい例としては、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル類、プロピレングリコール−モノアルキルエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル、ジエチルベンゼン、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、アミルトルエン、p−シメン等の炭化水素、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノールなどのアルコール類、エチルフェニルエーテル、n−ブチルフェニルエーテル等のエーテル類、メチル−n−ヘキシルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類であって、150〜300℃に沸点を有する有機溶媒が挙げられる。
上記150〜300℃に沸点を有する有機溶媒は、溶媒の全質量に対して10〜100質量%であることが好ましく、15〜80質量%が更に好ましい。
さらに、ブロックコポリマー型の界面活性剤を添加剤として溶媒に添加することも好適である。具体的には、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールのような2元ブロックコポリマー、さらにポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールポリエチレングリコールなどの直鎖状の3元ブロックコポリマーのようなポリエーテルブロックコポリマーが挙げられる。
さらに、分岐状のブロックコポリマーとして、グリセロール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、ペントース、ヘキシトール、ヘキソース、ヘプトースなどに代表される糖鎖に含まれるヒドロキシル基のうちの少なくとも3つとポリマー鎖が結合した構造、及び/又は、ヒドロキシル酸に含まれるヒドロキシル基とカルボキシル基のうち少なくとも3つがブロックコポリマー鎖と結合した構造が挙げられる。具体的には、グリセロールの3つの水酸基にポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが結合した化合物、エリスリトールの3つないしは4つの水酸基にポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコールールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが結合した化合物などが挙げられる。
上記の分岐状のブロックコポリマーを得るために用いられる糖鎖の具体的な例としては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、スレイトール、マルチトール、アラビトール、ラクチトール、アドニトール、セロビトール、グルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、エリスロース、キシルロース、アルロース、リボース、ソルボース、キシロース、アラビノース、イソマルトース、デキストロース、グルコヘプトースなどが挙げられる。
また、ヒドロキシル酸の具体的な例としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルコヘプトン酸、グルコオクタン酸、スレオニン酸、サッカリン酸、ガラクトン酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシコハク酸などが挙げられる。
これらの溶媒(上述の添加剤を含む。)は、均一な組成物を得るためだけでなく、塗布膜厚や粘度に応じて、本発明の感光性樹脂組成物に適宜加えることができるが、(a)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、30〜600質量部の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは40〜500質量部の範囲である。
さらに本発明の感光性樹脂組成物の経時的な保存安定性を向上させるために、溶媒には以上に加えて、以下に示すような特定のアルコール類を使用することができる。
上記特定のアルコール類の具体的な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−2−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテル、プロピレングリコール−2−(n−プロピル)エーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル等のモノアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のジアルコール類を挙げることができる。これらの中でも特に乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテルがより好ましい。溶媒中に占める特定のアルコール類の含量は、0.1〜80質量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜70質量%である。該特定のアルコール類の含量が0.1質量%以上の場合に、感光性樹脂組成物の保存安定性が良好であり、80質量%以下の場合に、(a)ポリアミド酸エステルの溶解性が良好である。
(e)その他の成分
本発明に使用する感光性樹脂組成物には、さらなる光感度向上のために、反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物で(a)成分に該当しないものを加えることもできる。このような化合物としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレングリコールモノマー単位のモル数2〜20)、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、及び上記のアクリレート、又はアクリルアミドを、それぞれメタクリレート、又はメタクリルアミドに置換した化合物が挙げられる。このような反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物は、(a)ポリアミド酸エステル100質量部に対して、1〜90質量部の範囲で添加するのが好ましく、更に好ましくは3〜80質量部の範囲である。
本発明に使用する感光性樹脂組成物には、更に光感度を向上させるために、増感剤を添加することもできる。増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、
3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N’−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−d)チアゾール、及び2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられる。
感度の点で、メルカプト基を有する増感剤とジアルキルアミノフェニル基を有する増感剤を組み合わせて用いることが好ましい。これらは単独でまたは2〜5種類の組み合わせで用いることができる。光感度を向上させるための増感剤は、(a)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.1〜50質量部を用いるのが好ましく、更に好ましくは1〜40質量部の範囲である。
また、本発明に使用する感光性樹脂組成物には、基材との接着性向上のため接着助剤を添加することもできる。接着助剤としては、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕フタルイミド酸、ベンゾフェノン−3,3’−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−4,4’−ジカルボン酸、及びベンゼン−1,4−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−2,5−ジカルボン酸等のシランカップリング剤、並びにアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、及びエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤が挙げられる。これらの内では接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。接着助剤の添加量は、(a)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.5〜50質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは1〜40質量部の範囲である。
また、本発明に使用する感光性樹脂組成物には、保存時の組成物溶液の粘度や光感度の安定性を向上させるために、熱重合禁止剤を添加することができる。熱重合禁止剤としては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、及びN−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。熱重合禁止剤の量としては、(a)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.005〜30質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは0.01〜20質量部の範囲である。
本発明に使用する感光性樹脂組成物は、上述した各成分を任意の順序で混合して得ることができる。また、(a)ポリアミド酸エステル以外の成分をあらかじめ溶媒に溶解しておいて、その後に(a)ポリアミド酸エステルを溶解させてもよい。
<硬化レリーフパターンの形成方法>
感光性樹脂組成物からポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンを形成する方法の1つの態様としては、以下の工程が好ましい。
(i)感光性樹脂組成物を基材に塗布して乾燥することにより該基材上に塗膜を形成する工程。
(ii)該塗膜を、パターンを有するフォトマスクを介して、又は直接に紫外線を照射する工程。
(iii)現像液で現像することにより該塗膜の露光されなかった部分を除去して、これにより該基材上にレリーフパターンを形成する工程。
(iv)該レリーフパターンを加熱することにより、該パターン中のポリアミド酸エステルをイミド化し、これにより該基材上にポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンを形成する工程。
硬化レリーフパターンの形成方法において使用できる基材としては、シリコンウエハー、金属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素などが挙げられるが、好ましくはシリコンウエハーである。基材の厚みとしては、200μm〜800μmの範囲であることが好ましいが、この範囲に限定されない。
本発明に使用する感光性樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、もしくはスクリーン印刷機等で塗布する方法、またはスプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、組成物中のポリアミド酸エステルのイミド化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾、あるいは加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で行うことが好ましい。
こうして得られた塗膜は、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、またはステッパー等の露光装置を用いて、紫外線光源等によりパターン露光され、次いで現像される。
現像に使用される現像液としては、ポリアミド酸エステルに対する良溶媒、または該良溶媒と貧溶媒との組み合わせが好ましい。良溶媒および貧溶媒の選択はいずれも、ポリアミド酸エステル中の化学構造および該エステルの分子量などに影響される。
好ましい良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、及びα−アセチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。貧溶媒としては、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、及び水等が挙げられる。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、ポリアミド酸エステルの溶解性によって良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整する。また、各溶媒を数種類組み合わせて用いることもできる。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば、回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。
上記のようにして得られたポリアミド酸エステルのレリーフパターンを加熱して、オレフィン性二重結合を有する基が光重合したものを希散させイミド化することで、ポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンに変換する。加熱変換させる方法としては、ホットプレートによる方法、オーブンを用いる方法、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いる方法等、種々の方法を選ぶことができる。加熱は、280℃〜450℃で30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱変換させる際の雰囲気気体としては空気を用いても良く、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
<積層体の製造方法>
上述の感光性樹脂組成物を用いて、ポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターン層と金属層とを有して成る積層体を製造する方法の1つの態様としては、以下の工程が好ましい。
上述の硬化レリーフパターンの形成方法により基材上に硬化レリーフパターンを形成する工程に続き、該層の表面をアッシング、またはプラズマエッチング等のドライエッチング処理する。硬化レリーフパターン層は、ポリイミド部分と無機微粒子部分という当該処理によるエッチングレートの異なる2つの部分を有するため、ドライエッチング処理によって樹脂金属間接着性の向上につながる表面の微小な凹凸を硬化レリーフパターンの表面に形成することができる。
ドライエッチング処理としては、酸素、アルゴン、四フッ化炭素等のガスを使用して、圧力1〜100Pa、時間1〜30分の条件で行うことが好ましい。
上述のようにして、基材の上に得られたポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンの上に接して、さらにバンプ用または再配線用のメタル層(チタン、アルミニウム、または銅等の金属層)をスパッタリング等の薄膜作成方法によって設けることで本発明の積層体を製造することができる。そして、該積層体の製造方法を公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで、ポリイミド樹脂層の上にチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を有する半導体装置を製造することができる。
以下に、実施例及び比較例などを用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
なお、ポリアミド酸エステル、または塗膜の特性は、以下の方法に従って、測定及び評価した。
(1)ポリアミド酸エステルの数平均分子量(Mn)の測定
ポリアミド酸エステルの数平均分子量(Mn)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。
(2)ポリイミド塗膜のガラス転移温度(Tg)の測定
基板となる厚み625μm±25μmの5インチシリコンウエハー(日本国、フジミ電子工業株式会社製)上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布した後、窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱して熱硬化したポリイミド塗膜を得た。得られたポリイミド塗膜をシリコンウェハーから剥がしてポリイミドテープとした。得られたポリイミドテープを荷重を200g/mm2、昇温速度10℃/分で20〜500℃の範囲で熱機械試験装置(島津製作所製:TMA−50)により測定し、温度を横軸変位量を縦軸にとった測定チャートにおけるポリイミドテープの熱降伏点の接線交点をTgとした。
(3)硬化レリーフパターンの解像度の評価
感光性樹脂組成物を5インチシリコンウエハー上に回転塗布し、乾燥して10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いてi線ステッパーNSR2005i8A(日本国、ニコン社製)により、300mJ/cm2のエネルギーを照射した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、現像液としてシクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスしてレリーフパターンを得た。
該レリーフパターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて350℃で2時間熱処理することにより、約5μm厚のポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンをシリコンウエハー上に得た。
得られた硬化レリーフパターンについて、パターン形状やパターン部の幅を光学顕微鏡下で観察し、解像度を求めた。解像度に関しては、テストパターン付きレチクルを介して露光することにより複数の異なる面積の開口部を有するパターンを上記方法で形成し、得られたポリイミド樹脂のパターン開口部の面積が、対応するパターンレチクル開口面積の1/2以上であれば解像されたものとみなし、解像された開口部のうち最小面積を有するものに対応するレチクルの開口辺の長さを解像度とした。解像度は10μm以下であれば良好とした。
(4)硬化レリーフパターンの耐薬品性の評価
感光性樹脂組成物を5インチシリコンウエハー上に回転塗布し、乾燥して10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いてi線ステッパーNSR2005i8A(日本国、ニコン社製)により、300mJ/cm2のエネルギーを照射した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、現像液としてシクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスしてレリーフパターンを得た。
該レリーフパターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて350℃で2時間熱処理することにより、5μm厚のポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンをシリコンウエハー上に得た。
得られた硬化レリーフパターンについて、スルホラン/NMP/プロパノールアミンの混合液(PRS−3000)に85℃1時間、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)/ジメチルスルホキシド(DMSO)の重量比が6/94の混合溶液に60℃40分浸漬した後、表面パターンを観察し、耐薬品性試験を行った。パターンの溶解、パターンの剥れ、塗膜のひびがなければ合格とした。
<合成例1>(ポリアミド酸エステルAの合成)
ピロメリット酸二無水物(PMDA)109.1gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)130.1gとγ−ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン79.1gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ−ブチロラクトン200mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加えた。この反応液を4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)(MBA)103.7gをγ−ブチロラクトン200mlに懸濁させた5リットル容量のセパラブルフラスコに、氷冷化において攪拌しながら60分かけて加えた。
更に室温で4時間撹拌した後、エチルアルコール240mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン7000mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。得られた反応液を10リットルのエチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、NMP1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。該粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリアミド酸エステルA)を得た。ポリアミド酸エステルの数平均分子量(Mn)をゲルパーミェーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、16000だった。
<実施例1>
合成例1で得られたポリアミド酸エステルAを用いて、以下の方法でポリアミド酸エステル組成物を調整し、調整した組成物の物性の測定及び評価を行った。
ポリアミド酸エステルA100g、シーアイ化成社製:NanoTek酸化チタン(平均粒径36nm)15質量%メチルイソブチルケトン溶液2.0g、ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム4g、テトラエチレングリコールジメタクリレート4g、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール2g、N−フェニルジエタノールアミン4g、N−[η3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸3g、及び2−ニトロソ−1−ナフトール0.02gを、NMP150gに溶解したのち、1μmのテフロンフィルターで濾過して感光性樹脂組成物(A−1)を調整した。
基板となる厚み625μm±25μmの5インチシリコンウエハー(日本国、フジミ電子工業株式会社製)上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布した後、窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱して熱硬化したポリイミド塗膜を得た。
前述した方法によって、該ポリイミド塗膜のTgを測定したところ、下記の表1に示すように300℃以上の良好な値を示した。また、前述した方法によって解像度を測定したところ、解像度は良好であった。また、前述した方法によって耐薬品性を評価したところ、合格であった。
このポリイミド塗膜に低圧プラズマ処理をアッシング装置(神港精機社製:EXAM)を用いて酸素:四フッ化炭素の流量が40ml/分:1ml/分、50Pa、133Wの条件でプラズマアッシングを行った。このポリイミド塗膜に対し、スパッタ装置(アネルバ社製、L−430S−FH)を用いてアルゴンの流量が50sccm(standard cm/min)、1Pa、400Wの条件でアルゴンプラズマエッチングを行った。さらにこのポリイミド塗膜上にスパッタ装置(アネルバ社製:L−430S−FH)を用いて200nmの厚さでAl、またはTiの膜を形成し積層体を作成した。該積層体のAlまたはTi膜上にエポキシ接着剤(昭和高分子社製:アラルダイトスタンダード)を用いて直径2mmのピンを接着し、これを引張り試験機(クワッドグループ社製、セバスチャン5型)を用いて引き剥がし試験を行い樹脂金属間接着性を評価したところ、下記の表1に示すように合格であった。なお、引き剥がしに要する力が60Mpa以上であれば合格とした。
<実施例2>
シーアイ化成社製:NanoTek酸化チタン15質量%メチルイソブチルケトン溶液をシーアイ化成社製:NanoTek酸化ジルコニウム(平均粒径34nm)15質量%メチルイソブチルケトン溶液に変更した以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物(A−2)を調整し、積層体を作成した。実施例1と同様にして引き剥がし試験を行い樹脂金属間接着性を評価したところ合格であった。
<比較例1>
実施例1のシーアイ化成社製:NanoTek酸化チタン15質量%メチルイソブチルケトン溶液を0gに変更した以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物(B−1)を調整し、積層体を作成した。実施例1と同様にして引き剥がし試験を行ったところ20MPaで剥離した。
Figure 2007212542
本発明の積層体は、半導体装置の製造の分野で好適に利用できる。

Claims (2)

  1. (a)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸エステル100質量部、及び(b)平均粒径が0.1〜200nmの無機微粒子0.01〜50質量部を含む感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化レリーフパターンからなる層、及び該層に接するチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を有することを特徴とする積層体。
    Figure 2007212542
    (式(1)中、Xは少なくとも1つの炭素数6〜32の4価の有機基を示し、Yは炭素数4〜30の2価の芳香族基および脂肪族基、並びにケイ素数2〜50の2価のケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を示し、Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基を示す。)
  2. (a)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸エステル100質量部、(b)平均粒径が0.1〜200nmの無機微粒子0.01〜50質量部、(c)光重合開始剤1〜20質量部、及び(d)溶媒30〜600質量部を含む感光性樹脂組成物を基材に塗布して乾燥することにより該基材上に塗膜を形成する工程、パターンを有するフォトマスクを介して、又は直接に該塗膜に紫外線を照射する工程、現像液で現像することにより該塗膜の露光されなかった部分を除去して該基材上にレリーフパターンを形成する工程、該レリーフパターンを加熱することによりポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンからなる層を該基材上に形成する工程、アルゴン、酸素、及び四フッ化炭素から選択される少なくとも1種のガスで該層の表面をドライエッチング処理する工程、ならびに該層に接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
    Figure 2007212542
    (式(1)中、Xは少なくとも1つの炭素数6〜32の4価の有機基を示し、Yは炭素数4〜30の2価の芳香族基および脂肪族基、並びにケイ素数2〜50の2価のケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を示し、Rはオレフィン性二重結合を有する1価の基を示す。)
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