JPH0586154A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0586154A
JPH0586154A JP25237291A JP25237291A JPH0586154A JP H0586154 A JPH0586154 A JP H0586154A JP 25237291 A JP25237291 A JP 25237291A JP 25237291 A JP25237291 A JP 25237291A JP H0586154 A JPH0586154 A JP H0586154A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
photosensitive resin
protective film
acid
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25237291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3137382B2 (ja
Inventor
Masayuki Oba
正幸 大場
Shigeru Matake
茂 真竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP25237291A priority Critical patent/JP3137382B2/ja
Publication of JPH0586154A publication Critical patent/JPH0586154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3137382B2 publication Critical patent/JP3137382B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体素子用保護膜において、レリーフパター
ンの形成プロセスを簡略化し、且つ無機材料、封止樹脂
との密着性、および耐熱性等を向上させることを目的と
する。 【構成】下記化1に示す一般式(1)で表される分子末
端がエンドキャップされたオリゴアミド酸と、エネルギ
ー線により2量化又は重合可能な炭素−炭素二重結合お
よびアミノ基を有する化合物と、増感剤とを含有するこ
とを特徴とする。 【化1】 但し、式中、Ar1 は二価の有機基を、Ar2 は四価の
有機基を、Zは光重合可能な二重結合又は三重結合を有
する二価の有機基を夫々示す。nは数平均重合度であ
り、30以下の正の整数を示す。 【効果】最終的に形成される半導体装置の信頼性が大幅
に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基板および封止
樹脂等に対する密着性に優れたポリイミド膜パターンを
好適に形成することのできる感光性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂封止型半導体装置は、素
子が形成された半導体基板表面に、二酸化ケイ素、窒化
ケイ素、又はアルミナ等の無機材料による保護膜が形成
され、更に該半導体ペレットがエポキシ樹脂組成物等で
封止された構造を有する。しかしながら、この樹脂封止
型半導体装置では、エポキシ樹脂等の封止樹脂を水分が
透過する性質がある。また、封止樹脂と半導体基板との
熱膨脹係数の差異により、前記保護膜にクラックが発生
することがある。このクラックは、特に半導体ペレット
の大型化に伴って発生し易く、クラック中への水分の侵
入等により、前記保護膜の下層に存在するアルミニウム
配線パターンが腐食されるという問題を引起している。
【0003】以上のようなことから、前記無機材料から
なる第一の保護膜表面に、更にポリイミド樹脂からなる
第二の保護膜を形成した半導体ペレットを封止樹脂で封
止してなる樹脂封止型半導体装置が提案されている。
【0004】一方、かかる半導体ペレットでは、通常、
スルーホールのようなパターン加工、或いは外部リード
と導通させるパッド加工を行なう必要があるため、ポリ
イミド樹脂からなる第二の保護膜に、上記パターン、パ
ッド等に対応する穴(レリーフパターン)を形成する必
要がある。このレリーフパターンを有する第二の保護膜
の形成は、通常、フォトレジストを使用したPEP(ph
otoengraving process )によって行われる。即ち、ま
ず、第一の保護膜上にポリイミド膜を形成する。次に、
該ポリイミド膜表面にフォトレジスト膜を設け、該フォ
トレジスト膜を露光および現像処理して、レジストパタ
ーンを形成する。そして、該レジストパターンを耐エッ
チングマスクとして、下地のポリイミド膜の選択エッチ
ングを行うことにより、所望のレリーフパターンを有す
る第二の保護膜としてのポリイミド膜パターンを形成す
る。
【0005】しかしながら、上述したような方法によっ
て、レリーフパターンを有する第二の保護膜(ポリイミ
ド膜パターン)を形成する場合、ポリイミド膜の形成
と、パタ−ン形成のためのPEPとを独立した二つの工
程で行うことが必要となり、多段階工程による作業の煩
雑化が生じていた。
【0006】そこで、前記問題点を解消するために、第
二の保護膜の素材として以下に説明する各種の感光材料
を使用し、膜形成およびパターン形成を一工程で行うこ
とが検討されている。例えば、特開昭 49-115541号に
は、下記化2に示す繰り返し単位を有する感光材料が記
載されている。
【0007】
【化2】
【0008】この感光材料は、組成物自身が光照射によ
って露光部分が現像液に対して不溶化するネガ型の感光
性能を有し、且つポリイミド前駆体であるポリアミド酸
エステルである。従って、ポリイミド膜の形成と同時に
そのパターニングが可能となり、従来のPEPを用いる
ことなく、ポリイミド膜のパタ−ニングを可能にする。
しかし、この感光材料は合成プロセスが非常に煩雑であ
るという問題がある。
【0009】また、特公昭59-52822号には、化学線によ
り2量化又は重合可能な炭素−炭素二重結合およびアミ
ノ基を含む化合物を含有するネガ型の耐熱性感光材料が
記載されている。しかし、この材料は半導体基板表面の
無機材料からなる第一の保護膜、又は半導体ペレットを
封止する封止樹脂との密着性が劣り、形成される半導体
装置の信頼性が損なわれるという問題がある。
【0010】この他、特開昭 62-145240号には、イソイ
ミド構造を有する重合体を含有するポジ型の感光材料が
提案されている。しかし、この重合体は、耐熱性が低
く、露光感度が小さいという欠点を有し、半導体装置に
おける保護膜としての使用には問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、露
光感度が高く、フォトレジストを別途使用することなく
簡略なプロセスでシャープなコントラストを有するレリ
ーフパターンを形成することが可能な感光性樹脂組成物
を提供することである。また、本発明の他の課題は、半
導体基板表面の無機材料からなる他の保護膜(第一の保
護膜)および封止樹脂との密着性、並びに耐熱性に優れ
た、保護膜(第二の保護膜)を形成することが可能であ
る感光性樹脂組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の感光性樹脂組成
物は、下記化3に示す一般式(1)で表される分子末端
がエンドキャップされたオリゴアミド酸と、エネルギー
線により2量化又は重合可能な炭素−炭素二重結合およ
びアミノ基を有する化合物と、増感剤とを含有すること
を特徴とする。
【0013】
【化3】
【0014】但し、式中、Ar1 は二価の有機基を、A
2 は四価の有機基を、Zは光重合可能な二重結合又は
三重結合を有する二価の有機基を夫々示す。nは数平均
重合度であり、30以下の正の整数を示す。以下、本発
明の感光性樹脂組成物の詳細を説明する。
【0015】本発明の感光性樹脂組成物において、前記
一般式(1)で表される分子末端がエンドキャップされ
たオリゴアミド酸は、実質的に当該組成物の主成分とな
る樹脂成分に相当する。前記一般式(1)において、A
1 としては下記化4、化5に示す有機基、Ar2 とし
ては下記化6に示す有機基、Zとしては化7に示す有機
基が夫々挙げられる。
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】また、前記一般式(1)で表されるオリゴ
アミド酸の数平均重合度nは、30以下であり、更に4
〜20であることが好ましい。この理由は、nが上記範
囲を逸脱すると、得られるポリイミド膜パターンと半導
体基板表面の無機材料からなる保護膜との密着性が低下
したり、感光性樹脂組成物の露光感度が低下することが
あるためである。具体的には、オリゴアミド酸の合成時
に、例えば、N-メチル-2-ピロリドン 100ml中にオリゴ
アミド酸0.5gを溶解した溶液の30℃における固有粘度
が、 0.2〜1.5dl/gとなるように調整すればよい。
【0021】前記オリゴアミド酸(1)はオリゴイミド
の前駆体であり、以下の方法によって合成される。即
ち、下記一般式(1−a)のジアミンと、下記化8に示
す一般式(1−b)のテトラカルボン酸二無水物と、下
記化9に示す一般式(1−c)の酸無水物とを、有機溶
剤の存在下において溶液重合させることにより合成され
得る。 H2 N−Ar1 −NH2 (1−a) (但し、式中、Ar1 は一般式(1)と同義)
【0022】
【化8】 (但し、式中、Ar2 は一般式(1)と同義)
【0023】
【化9】 (但し、式中、Zは一般式(1)と同義)
【0024】前記一般式(1−a)で表わされるジアミ
ンとしては、例えば、m-フェニレンジアミン、p-フェニ
レンジアミン、2,4-トリレンジアミン、 3,3'-ジアミノ
ジフェニルエーテル、 4,4'-ジアミノジフェニルエーテ
ル、 3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、 3,3'-ジアミ
ノフェニルスルホン、 4,4'-ジアミノジフェニルスルホ
ン、 3,4'-ジアミノジフェニルスルホン、 3,3'-ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタ
ン、 3,4'-ジアミノジフェニルメタン、 4,4'-ジアミノ
ジフェニルスルフィド、 3,3'-ジアミノジフェニルケト
ン、 4,4'-ジアミノジフェニルケトン、 3,4'-ジアミノ
ジフェニルケトン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロ
パン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフロロプロ
パン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-
ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、4-メチル-2,4- ビス(4-ア
ミノフェニル)-1- ペンテン、4-メチル-2,4- ビス(4-
アミノフェニル)-2- ペンテン、1,4-ビス(α,α -ジ
メチル -4-アミノベンジル)ベンゼン、イミノ -ジ -p-
フェニレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジ
アミノナフタレン、4-メチル-2,4- ビス(4-アミノフェ
ニル)ペンタン、5(又は6)- アミノ-1-(4-アミノフェニ
ル)-1,3,3- トリメチルインダン、ビス(4-アミノフェ
ニル)ホスフィンオキシド、4,4'- ジアミノアゾベンゼ
ン、 4,4'-ジアミノジフェニル尿素、 4,4'-ビス(4-ア
ミノフェノキシ)ビフェニル、 2,2- ビス[4-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-
アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、 4,4'-
ビス(4-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、 4,
4'-ビス[4-(α,α -ジメチル-4'-アミノベンジル)
フェノキシ]ベンゾフェノン、 4,4'-ビス[4-(α,α
−ジメチル-4'-アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニ
ルスルホン、ビス(4-アミノフェノキシ)ジメチルシラ
ン、ビス(4-アミノフェニル)テトラメチルジシロキサ
ン等の芳香族ジアミン、これら芳香族ジアミンにおける
芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原
子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、水酸基、および
フェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の置
換基によって置換された化合物、ジメチレンジアミン、
トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタ
メチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレ
ンジアミン、H2 N−(CH2 −)3 −O−(CH2
3 −NH2 、1,2-ビス(3'-アミノプロポキシ)エタン、
1,4- ジアミノシクロヘキサン、 4,4'-ジアミノジシク
ロヘキシルメタン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、1,4-ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3-ジアミ
ノシクロヘキサン、 4,4'-ジアミノジシクロヘキシルイ
ソプロパン、1,4-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピ
リジン、2,4-ジアミノ -S-トリアジン、ビス(γ- アミ
ノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,4-
ビス(γ- アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、
ビス(4-アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビ
ス(γ- アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン
等が挙げられる。以上のジアミンは、1種又は2種以上
の混合系で使用され得る。
【0025】前記一般式(1−b)で表されるテトラカ
ルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無
水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水
物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二
無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサ
フロロプロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェ
ニル)スルホン二無水物、4,4'- オキシフタル酸二無水
物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン
二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)テトラメ
チルジシロキサン二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙
げられる。これらテトラカルボン酸二無水物は、1種又
は2種以上の混合系で使用され得る。
【0026】前記一般式(1−c)で表される酸無水物
としては、例えば、無水マレイン酸、2,3-ジメチル無水
マレイン酸、2-クロロ無水マレイン酸、2,3-ジクロロ無
水マレイン酸、2-フェニル無水マレイン酸、シトラコン
酸無水物、イタコン酸無水物、5-ノルボルネン-2,3-ジ
カルボン酸無水物、エチニルフタル酸無水物、2-プロピ
ニルフタル酸無水物、3,6-エンドメチレン-1,2,3,6- テ
トラヒドロフタル酸無水物、4-トリメトキシシリル-1,
2,3,6- テトラヒドロフタル酸無水酸等が挙げられる。
【0027】前記溶液重合反応に用いられる有機溶剤と
しては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメ
チルアセトアミド、N-メチル-2- ピロリドン、N-メチル
−ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、スルホラ
ン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル
尿素、ヘキサメチルホスホアミド、1,3-ジメチル-2-イ
ミダゾリドン等が挙げられる。この溶液重合反応の反応
温度は、約 -10〜60℃、反応時間は約 0.5〜30時間の範
囲である。
【0028】前記溶液重合反応(オリゴアミド酸(1)
の合成)において、上述したジアミン、テトラカルボン
酸二無水物、および酸無水物の配合量は、−NH2 基と
下記化10に示す酸無水物基とが、当量になるように設
定されることが望ましいが、−NH2 基が当量より5当
量%以下の範囲内になるように設定されてもよい。
【0029】
【化10】 また、テトラカルボン酸二無水物と酸無水物との配合比
は、モル比で90:10〜99.5〜0.5 の範囲内に設定するこ
とが望ましい。
【0030】更に、本発明の感光性樹脂組成物には、樹
脂成分として、上述したオリゴアミド酸(1)に加え、
下記化11に示す一般式(2)の反復単位を有するポリ
アミド酸を配合することが好ましい。
【0031】
【化11】 但し、式中、Ar3 は二価の有機基を、Ar4 は四価の
有機基を夫々示す。
【0032】前記反復単位(2)において、Ar3 とし
ては、前記オリゴアミド酸(1)のAr1 と同様の有機
基、Ar4 としては、前記オリゴアミド酸(1)のAr
2 と同様の有機基が夫々挙げられる。この反復単位
(2)を有するポリアミド酸の数平均重合度は80〜120
、更には約 100程度であることが好ましい。この理由
は、ポリアミド酸の平均重合度が上記範囲を逸脱する
と、得られるポリイミド膜パターンと半導体基板表面の
無機材料からなる保護膜との密着性が低下したり、感光
性樹脂組成物の露光感度が低下することがあるためであ
る。具体的には、ポリアミド酸の合成時に、例えば、N-
メチル -2-ピロリドン 100ml中にポリアミド酸 0.5gを
溶解した溶液の30℃における固有粘度が、 0.4〜 2.0dl
/gとなるように調整すればよい。
【0033】また、前記反復単位(2)を有するポリア
ミド酸は、前記オリゴアミド酸の合成で使用した一般式
(1−a)のジアミン、および同一般式(1−b)のテ
トラカルボン酸二無水物を、有機溶剤の存在下で同様に
重縮合反応させることによって合成され得る。
【0034】本発明の感光性樹脂組成物に、樹脂成分と
して、前記オリゴアミド酸(1)に加えて反復単位
(2)を有するポリアミド酸が含まれる場合、その配合
比率は、好ましくは、両者の合計量に対してオリゴアミ
ド酸(1)の配合量が50重量%以上となるように調整さ
れる。この理由は、オリゴアミド酸(1)の配合量が、
50重量%未満であると、最終的に得られるポリイミド膜
パターンと半導体基板表面の無機材料からなる保護膜と
の密着性が、低下し易くなるためである。
【0035】本発明の感光性樹脂組成物において、前記
エネルギー線により2量化又は重合可能な炭素−炭素二
重結合およびアミノ基を有する化合物は、感光性を有す
る成分である。該化合物として、具体的には、アクリル
酸N,N-ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N-ジエチル
アミノエチル、メタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸N,N-ジエチルアミノエチル、メタクリ
ル酸N,N-ジメチルアミノプロピル、N,N-ジメチルアミノ
プロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル
メタクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピルアクリ
ルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド、メタクリル酸N-メチル -N-ベンジルアミノエチル、
下記化12に示す化合物(PS−1)および(PS−
2)等が挙げられる。
【0036】
【化12】
【0037】前記エネルギー線により2量化又は重合可
能な炭素−炭素二重結合およびアミノ基を有する化合物
の配合量は、前記オリゴアミド酸(1)、および反復単
位(2)を有するポリアミド酸(樹脂成分に該ポリアミ
ド酸が含まれる場合)中の全カルボキシル基の量に対し
て、 0.5〜 2.0倍当量、好ましくは、 0.8〜 1.5倍当量
に設定され得る。この理由は、上記化合物の配合量が
0.5〜 2.0倍当量の範囲を逸脱すると、感光性樹脂組成
物の露光感度が低下したり、保護膜を形成した場合の耐
熱性や密着性が低下する恐れがあるためである。
【0038】本発明の感光性樹脂組成物において、前記
増感剤は該樹脂組成物の感光性を高める機能を有する。
該増感剤として、具体的には、アセトフェノン、ベンゾ
フェノン、ベンゾイン、2-メチルベンゾイル、アントラ
セン、フェナンスレンキノン、ミヒラ−ケトン、 4,4'-
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジ
メチルケタール、2-メチル -[4-(メチルチオ)フェニ
ル]-2- モルホリノ -1-プロパノン、1-ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、N,N-ジメチルアミノ安息香
酸エチル、2-t-ブチル-9,10-アントラキノン、N-フェニル
マレイミド等が使用され得る。
【0039】前記増感剤の配合量は、オリゴアミド酸
(1)および反復単位(2)を有するポリアミド酸(樹
脂成分に該ポリアミド酸が含まれる場合)の合計量に対
して、1〜30重量%、好ましくは 2〜20重量%である。
この理由は、増感剤の配合量が1〜30重量%の範囲を逸
脱すると、組成物の露光感度が低下したり、保護膜を形
成した時の耐熱性や密着性が低下する恐れがあるためで
ある。
【0040】本発明の感光性樹脂組成物には、上述した
ようなアミド酸類、感光性を有する化合物、および増感
剤の他、例えば、アジド化合物等の反応開始剤、シラン
カップリング剤、および界面活性剤等の改質剤が含有さ
れ得る。
【0041】本発明の感光性樹脂組成物は以下のように
して調製される。即ち、まず上述したように合成された
オリゴアミド酸(1)の溶液および必要に応じて反復単
位(2)を有するポリアミド酸の溶液に、更にこれら化
合物の合成に用いた溶剤等を加えてこれら樹脂成分の濃
度を調整する。次いで、反応系に、所定量のエネルギー
線により2量化又は重合可能な炭素−炭素二重結合およ
びアミノ基を有する化合物と、所定量の増感剤とを均一
に配合して、本発明の感光性樹脂組成物を得る。尚、前
記有機溶剤には、前記オリゴアミド酸(1)の合成に使
用された溶剤の他、例えば、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等を使用することもできる。更に、メチルエチル
ケトン、キシレン、トルエン、メチルセロソルブ、セロ
ソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールメチルエーテル、1-アセトキ
シ-2-エトキシエタン、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等を併用することもできる。以下に、本発明の
感光性樹脂組成物を使用した、半導体基板上でのパター
ンを有する保護膜の形成プロセスの一例について説明す
る。
【0042】まず、半導体基板表面に二酸化ケイ素等の
無機材料による第一の保護膜を形成し、該保護膜表面に
適当な粘度に調整された本発明の感光性樹脂組成物の溶
液(ワニス)をスピンナー等によって塗布した後、好ま
しくは約 120℃以下の温度で乾燥して感光性樹脂組成物
層を形成する。
【0043】次に、該感光性樹脂組成物層に、所望のパ
ターンを有するフォトマスクを介してエネルギー線を照
射し露光を行なう。かかるエネルギー線としては、可視
光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等が挙げられ
る。このとき、露光部分における感光性樹脂組成物層に
おいて、前記エネルギー線により2量化又は重合可能な
炭素−炭素二重結合およびアミノ基を有する化合物が、
オリゴアミド酸(1)中の酸基、即ちカルボキシル基を
キャップし、該オリゴアミド酸(1)の主鎖を架橋す
る。また、オリゴアミド酸(1)の分子末端における光
重合性の二重結合或いは三重結合を有する有機基Zの機
能によっても、オリゴアミド酸(1)の架橋が進行す
る。こうして、露光部分における樹脂成分の分子量が高
くなる。特に本発明では、前記有機基Zを有するオリゴ
アミド酸(1)が高感度であるため、上述したような感
光性樹脂組成物層の露光部分における変化は顕著なもの
となる。
【0044】次に、露光後の感光性樹脂組成物層に対し
て現像処理を行う。該現像処理で使用される現像液に
は、前記オリゴアミド酸(1)の合成に使用される有機
溶剤を適用することができ、更に、これら有機溶剤と、
メタノール、イソプロピルアルコール、トルエン、キシ
レン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等との混合溶剤を適用することもできる。
【0045】ここで、前記感光性樹脂組成物層の未露光
部分においては、オリゴアミド酸(1)は変化しておら
ず、側基であるカルボキシル基が残存して低分子量であ
るため、上述した現像液に溶解する。一方、同露光部分
においては、上述したようにオリゴアミド酸(1)は、
側基であるカルボキシル基がキャップされ架橋され、分
子量我高くなっており、上述した現像液には溶解しな
い。従って、この現像処理によって前記露光部分のみが
残存し、該残存部分によって所望のパターンが形成され
る。即ち、本発明の感光性樹脂組成物は、その感光部分
が現像液に対して不溶化するネガタイプの感光材料とし
て機能する。また、以上の現像処理の前に、必要に応じ
て、感光性樹脂組成物層を温度90〜130℃で、30秒〜 5
分間熱処理してもよい。
【0046】続いて、パターニングされた感光性樹脂組
成物層を 100〜 400℃、好ましくは250〜 400℃以上で
熱処理することにより、オリゴアミド酸が閉環してオリ
ゴイミドとなり、パターンを有する第二の保護膜が形成
される。
【0047】尚、本発明の感光性樹脂組成物に、樹脂成
分として前記反復単位(2)を有するポリアミド酸が含
まれる場合、該ポリアミド酸は露光および現像処理にお
いて上述したようなオリゴアミド酸(1)と同様の変化
をしてパターニングされ、最終的には閉環してポリイミ
ドとなる。
【0048】
【作用】本発明の感光性樹脂組成物は、ネガタイプの感
光材料としておよび半導体装置における保護膜としての
二つの機能を有する。従って、本発明の感光性樹脂組成
物を使用すれば、半導体装置でのパターンを有する保護
膜の形成において、膜形成およびパターン形成のPEP
のための二つのプロセスを、基板上で一物質の塗布およ
び各処理によって連続的に行うことが可能になる。こう
して、簡略なプロセスでパターンを有する保護膜が形成
され得る。
【0049】また、上述したように本発明の感光性樹脂
組成物は高感度であり、特に光重合性の二重結合或るい
は三重結合を有するオリゴアミド酸(1)を含有するこ
とにより、露光部分の変化が著しく、最終的に非常にシ
ャープなコントラストを有するレリーフパターンが形成
される。
【0050】一方、本発明の感光性樹脂組成物は、その
樹脂成分であるオリゴアミド酸(1)が分子末端におい
てエンドキャップされ低分子量であり、また該分子末端
は極性を有するためぬれ性が高い。従って、該感光性樹
脂組成物によれば、半導体基板表面の二酸化ケイ素、窒
化ケイ素、アルミナ又はリンケイ酸ガラス等の無機材料
からなる保護膜、更には配線に用いるアルミニウム、銅
等の金属との密着性に優れると共に、封止樹脂との密着
性、特にエポキシ系封止樹脂との密着性に極めて優れた
保護膜が得られる。更に、かかる保護膜は耐熱性にも優
れている。
【0051】上述したような性能により、本発明の感光
性樹脂組成物を用いて、半導体基板表面の無機材料から
なる第一の保護膜上に第二の保護膜を形成し、得られた
半導体ペレットを封止樹脂で封止することによって、耐
熱性の優れた第二の保護膜を第一の保護膜および封止樹
脂に対して良好に密着することができる。前記第二の保
護膜は、上述した高い密着性により、半導体基板と封止
樹脂との界面からの水分の侵入を阻止すると共に、封止
樹脂と半導体基板との熱膨脹係数の差異を緩衝して、こ
の熱膨脹係数の差異に起因した第一の保護膜のクラック
発生を抑制する。こうして、本発明の感光性樹脂組成物
によれば、LSI回路を形成しているアルミニウム配線
等の金属の腐食が効果的に防止され、耐湿信頼性が大幅
に向上した樹脂封止型半導体装置が得られる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
尚、以下の記載では、実施例で使用された化合物を下記
の略号にて示す。 PMDA:ピロメリット酸二無水物 BTDA:3,3'4,4'- ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物 DSDA:ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン
二無水物 TSL :ビス(γ−アミノプロピル)-1,1,3,3- テト
ラメチルジシロキサン ODA :4,4'- ジアミノジフェニルエーテル BAPS:ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]
スルホン MA :無水マレイン酸 SiPA:4-トリメトキシ−シリル−1,2,3,6-テトラヒ
ドロ無水フタル酸 合成例1(オリゴアミド酸の合成)
【0053】撹拌棒、温度計、および滴下ロートを備え
た反応フラスコ内に、PMDA7.67g(0.035 モル)、
BTDA 33.87g(0.105 モル)、およびN-メチル-2-
ピロリドン 140gを仕込み、充分に撹拌して 0℃まで冷
却した。続いて、前記反応フラスコ内を 0℃に保持しな
がら、ODA 30.16g(0.15モル)およびTSL2.38g
(0.0096モル)をN-メチル-2- ピロリドン 160gに溶解
した溶液を滴下ロートを用いて徐々に滴下した後、反応
フラスコ内を 0〜10℃に保持しながら30分間撹拌した。
次に、この反応溶液に対して、MA3.92g(0.04モル)
をN-メチル-2-ピロリドン12gに溶解した溶液を一度に
供給し、反応フラスコ内を10℃に保持しながら5時間撹
拌して前記一般式(1)で表されるオリゴアミド酸を得
た。得られたオリゴアミド酸 0.5gを 100mlのN-メチル
-2- ピロリドンに溶解して、温度30℃において固有粘度
を測定したところ、0.80dl/gであった。 合成例2,3(オリゴアミド酸の合成)
【0054】下記表1に示すジアミン、テトラカルボン
酸二無水物、および酸無水物の組成で、合成例1と同様
の方法および条件に従ってオリゴアミド酸を合成し、そ
の固有粘度を求めた。結果を下記表1に併記する。
【0055】
【表1】 合成例4(ポリアミド酸の合成)
【0056】撹拌棒、温度計、および滴下ロートを備え
た反応フラスコ内に、PMDA 10.92g(0.05モル)、
BTDA 22.60g(0.07モル)、およびN-メチル-2- ピ
ロリドン 140gを仕込み、充分に撹拌して 0℃まで冷却
した。続いて、前記反応フラスコ内を 0℃に保持しなが
ら、TSL1.79g(0.0072モル)およびODA 22.62g
(0.1128モル)をN-メチル-2- ピロリドン 143gに溶解
した溶液を滴下ロートを用いて徐々に滴下した後、反応
フラスコ内を 0〜10℃に保持しながら 6時間撹拌して、
前記一般式(2)の反復単位を有するポリアミド酸を得
た。得られたポリアミド酸 0.5gを 100mlのN-メチル-2
- ピロリドンに溶解して、温度30℃において固有粘度を
測定したところ、1.67dl/gであった。 合成例5,6(ポリアミド酸の合成)
【0057】下記表2に示すジアミンおよびテトラカル
ボン酸二無水物の組成で、合成例4と同様の方法および
条件に従ってポリアミド酸を合成し、その固有粘度を求
めた。結果を下記表2に併記する。 合成例7(ポリアミド酸の合成)
【0058】合成例4に準じて、反応フラスコ内に、P
MDA21.812g(0.10モル)およびジメチルアセトアミ
ド 120gを仕込み、次に、ODA18.321g(0.094 モ
ル)およびTSL1,49g(0.006 モル)をジメチルアセ
トアミド90gに溶解した溶液を加え、 0〜 5℃において
5時間反応させることによって、ポリアミド酸を得た。
得られたポリアミド酸について、合成例1と同様の方法
で固有粘度を測定した。結果を下記表2に併記する。
【0059】
【表2】 実施例1
【0060】合成例1で得られたオリゴアミド酸の濃度
20重量%の溶液10gと、合成例4で得られたポリアミド
酸の濃度17重量%の溶液11gとを混合した。該混合液
に、エネルギー線により2量化または重合可能な炭素−
炭素二重結合およびアミノ基を有する化合物として、メ
タクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル 2.9gを加えて均
一化し、更に、増感剤としてミヒラーケトン0.12gおよ
びベンジルジメチルケタール0.08gをN-メチル-2- ピロ
リドン 2gに溶解した溶液を加えて充分に均一化した
後、 0.5μm のフィルタを通して濾過し、本発明の感光
性樹脂組成物をワニスの形で調製した。
【0061】得られたワニスを、膜厚が 4μm になるよ
うに 5インチのシリコンウェハ上にスピンコートし、90
℃で20分間乾燥して、感光性樹脂組成物層を形成した。
次いで、露光機(PLA501F:キャノン社製)を用
い、前記組成物層の表面上に所定のマスクを介して紫外
線(11.0mW/cm2 、 405nm)を30秒間照射した。紫外線
照射後、ウェハをメチル-2- ピロリドン80mlおよびメタ
ノール20mlの混合溶液で70秒間現像処理したところ、露
光部はほとんど侵蝕されず、 5μm のラインおよびスペ
ースを有する微細で且つ鮮明なレリーフパターンが得ら
れた。更に、90℃で30分間、 150℃で30分間、 250℃で
30分間、および 350℃で30分間熱処理を施し、樹脂成分
をイミド化させたところ、いずれもレリーフパターンの
乱れはなく、前記 5μm のラインおよびスペースは充分
に識別できる状態で維持されていた。 実施例2〜4
【0062】合成例2で得られたオリゴアミド酸の濃度
20重量%の溶液10g、合成例5で得られたポリアミド酸
の濃度17重量%の溶液11g、メタクリル酸N,N-ジメチル
アミノエチル 1.9g、ミヒラーケトン0.15g、2-メチル
-[4-(メチルチオ)フェニル]-2- モルホリノ -1-プ
ロパノン 0.1g、およびN-メチル-2- ピロリドン 2gを
使用し、実施例1と同様の方法および条件で、感光性樹
脂組成物をワニスの形で調製した(実施例2)。
【0063】また、合成例3で得られたオリゴアミド酸
の濃度20重量%の溶液15g、合成例6で得られたポリア
ミド酸の濃度17重量%の溶液 6g、N,N-ジメチルアミノ
プロピルメタクリルアミド 3.0g、4,4'- ビス(ジエチ
ルアミノ)ベンゾフェノン 0.2g、ベンゾインエチルエ
ーテル 0.1g、およびN-メチル-2- ピロリドン 2gを使
用し、実施例1と同様の方法および条件で、感光性樹脂
組成物をワニスの形で調製した(実施例3)。
【0064】更に、合成例1で得られたオリゴアミド酸
の濃度20重量%の溶液20g、N,N-メタクリル酸ジメチル
アミノエチル 2.7g、ミヒラーケトン0.12g、ベンジル
ジメチルケタール0.08g、およびN-メチル -2-ピロリド
ン 2gを使用し、実施例1と同様の方法および条件で、
感光性樹脂組成物をワニスの形で調製した(実施例
4)。
【0065】これら実施例2〜4で得られた感光性樹脂
組成物のワニスを用い、実施例1のワニスの場合と同様
の方法および条件でパターン形成を行ったところ、 5μ
m のラインおよびスペースを有する良好なレリーフパタ
ーンが得られた。また、実施例1と同様の熱処理を施し
てもレリーフパターンの乱れはなく、 5μm のラインお
よびスペースは充分に識別できる状態で維持されてい
た。
【0066】更に、以上の実施例1〜4の感光性樹脂組
成物について、次のようにしてリンケイ酸ガラス(PS
G)膜との密着性を評価した。即ち、まず表面にPSG
膜が形成されたシリコンウェハ上にスピンコート法によ
り感光性樹脂組成物を塗布した。次いで、該感光性樹脂
組成物層の表面に 2mm角のPSG膜を有するシリコンチ
ップを載置して90℃で30分間乾燥し、続いて 150℃で30
分間、250 ℃で30分間、および 350℃で30分間熱処理を
施して、前記PSG膜間に膜厚約 4μm に調整されたイ
ミド膜を有する試料を形成した。作製直後の試料、およ
びプレッシャークッカー内で 120℃の飽和水蒸気中に 2
00時間放置した試料について、夫々 2mm角のPSG膜を
有するシリコンチップの剪断破壊強度を測定した。結果
を下記表3に示す。
【0067】また、実施例1〜4の感光性組成物につい
て、エポキシ系封止樹脂との密着性を調べた。即ち、ま
ず、表面にPSG膜が形成されたシリコンウェハ上に、
スピンコート法により感光性樹脂組成物を塗布した。次
いで、90℃で30分間乾燥し、更に 150℃で30分間、 250
℃で30分間、および 350℃で30分間熱処理を施して、P
SG膜上に保護膜を形成した。この保護膜を有するシリ
コンウェハを10mm×30mmの大きさにダイシングし、半導
体封止用エポキシ樹脂(KE−600JZ:東芝ケミカ
ル社製)を使用し、低圧トランスファー成形機によって
175℃、80kg/cm2 、 3分間の条件により、前記シリコ
ンウエハの保護膜上に 2mm角の封止樹脂を形成して試料
とした。作製直後の試料、およびプレッシャークッカー
内で 120℃の飽和水蒸気中に 200時間放置した試料につ
いて、夫々 2mm角の封止樹脂の剪断破壊強度を測定し
た。結果を下記表3に併記する。 比較例1
【0068】合成例4で得られたポリアミド酸溶液20
g、メタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル 2.3g、ミ
ヒラーケトン0.18g、ベンジルジメチルケタール0.11
g、およびN-メチル -2-ピロリドン 2gを使用し、実施
例1と同様の方法および条件で、本発明の比較例に相当
する感光性樹脂組成物をワニスの形で調製した。このワ
ニスを用いて、実施例1〜4の感光性樹脂組成物の場合
と同様に、PSG膜およびエポキシ系封止樹脂との密着
性の評価を行った。結果を下記表3に併記する。 比較例2
【0069】合成例7で得られたポリアミド酸溶液30
g、メタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル 4.4g、ミ
ヒラーケトン 0.6g、ビス(4-N-マレイミドフェニル)
メタン1.0g、およびジメチルアセトアミド20gを使用
し、実施例1と同様の方法および条件で、本発明の比較
例に相当する感光性樹脂組成物をワニスの形で調製し
た。
【0070】比較例2で得られたワニスを用い、実施例
1のワニスの場合と同様の方法および条件でパターン形
成を行ったところ、10μm のラインおよびスペースを有
する良好なレリーフパターンが得られた。また、実施例
1と同様の熱処理を施してもレリーフパターンの乱れは
なく、10μm のラインおよびスペースは充分に識別でき
る状態で維持されていた。
【0071】更に、比較例2で得られたワニスを用い
て、実施例1〜4の感光性樹脂組成物の場合と同様に、
PSG膜およびエポキシ系封止樹脂との密着性の評価を
行った。結果を下記表3に併記する。
【0072】
【表3】
【0073】表3に示す結果より、本発明の感光性樹脂
組成物、即ち、樹脂成分として前記オリゴアミド酸
(1)を含有する感光性樹脂組成物を使用して、半導体
基板上に形成された保護膜は、PSG膜等の無機材料お
よび封止樹脂との密着性に優れることが判る。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
フォトレジストを別途使用することなく簡略なプロセス
でポリイミド膜パターンの形成が可能な感光性樹脂組成
物を提供することができる。また、本発明によれば、半
導体基板表面の無機材料からなる保護膜及び封止樹脂と
の密着性、並びに耐熱性に優れ、しかも露光感度に優
れ、シャープなレリーフパターンを有する保護膜を形成
できる感光性組成物を提供することができる。更に、か
かる感光性組成物を用いて半導体基板表面の無機材料か
らなる第一の保護膜上に第二の保護膜を形成し、封止樹
脂材料で封止することにより、製造が容易で、耐湿信頼
性に優れた高性能の樹脂封止型半導体装置を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/075 511 7124−2H H01L 21/027 21/312 8518−4M

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1に示す一般式(1)で表される
    分子末端がエンドキャップされたオリゴアミド酸と、エ
    ネルギー線により2量化又は重合可能な炭素−炭素二重
    結合およびアミノ基を有する化合物と、増感剤とを含有
    することを特徴とする感光性樹脂組成物。 【化1】 但し、式中、Ar1 は二価の有機基を、Ar2 は四価の
    有機基を、Zは光重合可能な二重結合又は三重結合を有
    する二価の有機基を夫々示す。nは数平均重合度であ
    り、30以下の正の整数を示す。
JP25237291A 1991-09-30 1991-09-30 感光性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3137382B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25237291A JP3137382B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 感光性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25237291A JP3137382B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 感光性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0586154A true JPH0586154A (ja) 1993-04-06
JP3137382B2 JP3137382B2 (ja) 2001-02-19

Family

ID=17236391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25237291A Expired - Fee Related JP3137382B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 感光性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3137382B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0702270A3 (en) * 1994-09-13 1997-10-29 Nippon Zeon Co Photosensitive composition based on polyimide resin
US6403289B1 (en) 1997-10-31 2002-06-11 Nippon Zeon Co., Ltd. Developer for photosensitive polyimide resin composition
JP2003186192A (ja) * 2001-12-19 2003-07-03 Nitto Denko Corp 感光性樹脂組成物およびポリイミド樹脂
JP2008101186A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Choko Kagaku Kogyo Kofun Yugenkoshi アミン酸エステルオリゴマー、それを含有するポリイミド樹脂のための前駆体組成物、及び使用
JP2011068804A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Canon Inc 液体組成物、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2018200470A (ja) * 2016-08-22 2018-12-20 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物及び硬化レリーフパターンの製造方法
CN114891214A (zh) * 2022-06-21 2022-08-12 广东工业大学 一种封端离子型负性光敏聚酰亚胺组合物及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5617235B2 (ja) * 2008-12-12 2014-11-05 Jnc株式会社 インクジェット用インク

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0702270A3 (en) * 1994-09-13 1997-10-29 Nippon Zeon Co Photosensitive composition based on polyimide resin
US6403289B1 (en) 1997-10-31 2002-06-11 Nippon Zeon Co., Ltd. Developer for photosensitive polyimide resin composition
JP2003186192A (ja) * 2001-12-19 2003-07-03 Nitto Denko Corp 感光性樹脂組成物およびポリイミド樹脂
JP2008101186A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Choko Kagaku Kogyo Kofun Yugenkoshi アミン酸エステルオリゴマー、それを含有するポリイミド樹脂のための前駆体組成物、及び使用
JP4498382B2 (ja) * 2006-10-18 2010-07-07 長興化學工業股▲ふん▼有限公司 アミン酸エステルオリゴマー、それを含有するポリイミド樹脂のための前駆体組成物、及び使用
JP2011068804A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Canon Inc 液体組成物、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2018200470A (ja) * 2016-08-22 2018-12-20 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物及び硬化レリーフパターンの製造方法
US11163234B2 (en) 2016-08-22 2021-11-02 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Photosensitive resin composition and method for producing cured relief pattern
US11640112B2 (en) 2016-08-22 2023-05-02 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Photosensitive resin composition and method for producing cured relief pattern
CN114891214A (zh) * 2022-06-21 2022-08-12 广东工业大学 一种封端离子型负性光敏聚酰亚胺组合物及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3137382B2 (ja) 2001-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5125747B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP3526829B2 (ja) ポリアミド酸エステル
EP2492331B1 (en) Photosensitive adhesive composition, photosensitive adhesive sheet, and semiconductor devices using same
EP0601203B1 (en) Photosensitive resin composition
JPWO2018087990A1 (ja) ジアミン化合物、それを用いた耐熱性樹脂および樹脂組成物
JP2018123103A (ja) ジアミン化合物、それを用いた耐熱性樹脂および樹脂組成物
US5587275A (en) Photosensitive resin composition and a process for forming a patterned polyimide film using the same
JP3537907B2 (ja) ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド樹脂および電子部品
JP3137382B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2826979B2 (ja) i線用感光性組成物
US5616448A (en) Photosensitive resin composition and a process for forming a patterned polyimide film using the same
JP5875209B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2004091572A (ja) ポリアミド酸エステル組成物
JPH1192660A (ja) 感光性樹脂組成物
JP4329182B2 (ja) アルカリネガ現像型感光性樹脂組成物、パターンの製造法及び電子部品
JP2826978B2 (ja) i線露光用組成物
JPH11271973A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた半導体素子
JPH11282160A (ja) 感光性ポリイミド組成物、これを用いたパターン製造法及び半導体装置
JP2009227697A (ja) 架橋剤およびそれを用いた感光性樹脂組成物
JP2003121997A (ja) ネガ型感光性樹脂組成物
JP2986970B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JPH0990629A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置の製造法
JP3921734B2 (ja) 高解像度感光性ポリイミド前駆体組成物
JP7471480B2 (ja) 樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置
JPH10195294A (ja) 感光性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071208

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees