JPH05121396A - 半導体装置並びに半導体の多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物 - Google Patents

半導体装置並びに半導体の多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物

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JPH05121396A
JPH05121396A JP3282874A JP28287491A JPH05121396A JP H05121396 A JPH05121396 A JP H05121396A JP 3282874 A JP3282874 A JP 3282874A JP 28287491 A JP28287491 A JP 28287491A JP H05121396 A JPH05121396 A JP H05121396A
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benzene
bis
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雄二 長谷川
Shinji Takeda
信司 武田
Masami Yusa
正己 湯佐
Yasuo Miyadera
康夫 宮寺
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記化1〔一般式(I)〕で表わされる構成
単位を含む含フツ素ポリイミド、例えば、1,3−ジア
ミノ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼンと
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン二無水物の反応によって得られるポリ
イミドを半導体の多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面
保護膜として用いてなる半導体装置。 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、Rはテトラカルボン酸二無
水物の四価の残基、Rfは−Cn2n-1(ここで、nは6
〜12の整数である)を示し、ベンゼン環の水素は置換
されていてもよい〕。 【効果】 上記半導体装置は耐湿性に優れ、低誘電率の
層間絶縁膜及び/又は表面保護膜を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミドを多層配線
用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜として用いた半導体
装置並びにそのための多層配線用層間絶縁膜及び/又は
表面保護膜用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリイミド系樹脂が、化学気相成
長法等で形成した二酸化シリコン等の無機絶縁膜と比べ
て高平坦性を有することから、多層配線構造を有する半
導体素子の配線間の層間絶縁膜及び表面保護膜に広く用
いられている。例えば、特開平1−278561号公報
には、ポリイミドを用いた半導体装置が開示される。
【0003】しかしながら、従来よく知られているポリ
イミドでは、電子機器の高い密度化、高性能化に伴い要
求される耐湿性の向上、低誘電性を十分に満足させるこ
とができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決し、耐熱性とともに耐湿性に優
れ、低誘電性である樹脂膜を半導体の多層配線用層間絶
縁膜及び/又は表面保護膜としてなる半導体装置並びに
多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明における半導体装
置は、化4〔一般式(I)〕
【化4】 〔ただし、一般式(I)中、Rはテトラカルボン酸二無
水物の四価の残基、Rfは、−Cn2n-1(ここでnは6
〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合を1個含
み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水素は、適
宜置換基で置換されていてもよい〕で表される構成単位
を含んでなる含フツ素ポリイミドを含有してなる樹脂膜
を半導体の多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜
として用いてなるものである。
【0006】一般式(I)において、ベンゼン環に結合
していてもよい置換基としては、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素等がある。
【0007】前記含フツ素ポリイミドはさらに化5〔一
般式(I’)〕
【化5】 〔ただし、一般式(I')中、R’はテトラカルボン酸
二無水物の四価の残基、Xは一般式(I)における化6
(一般式(α))
【化6】 (ここで、ベンゼン環の水素は、低級アルキル基,低級
アルコキシ基,フツ素,塩素、臭素等の置換基で適宜置
換されていてもよい)で表される基を除くジアミンの二
価の残基を示す〕で表わされる構成単位を含んでいても
よい。
【0008】前記半導体装置のための多層配線用層間絶
縁膜及び/又は表面保護膜用組成物は、化7〔一般式
(II)〕
【化7】 〔ただし、一般式(II)中、R及びRf は、一般式
(I)に同じであり、ベンゼン環の水素は、適宜置換基
で置換されていてもよい〕で表される構成単位を含む含
フツ素ポリアミド酸含んでなるものである。上記のベン
ゼン環に結合していてもよい置換基としては、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、フツ素、塩素、臭素等があ
る。
【0009】この含フツ素ポリアミド酸は、さらに化8
〔一般式(II')〕
【化8】 〔ただし、一般式(II')中、R’及びXは一般式
(I')に同じである〕で表される構成単位を含んでい
てもよい。
【0010】前記含フツ素ポリイミドは、前記一般式
(I)で表される構成単位と前記一般式(I')で表される
構成単位を後者/前者がモル比で0/100〜95/5
になるように含むのが好ましく、特に0/100〜90
/10になるように含むのが好ましい。また、同様に前
記含フツ素ポリアミド酸は、前記一般式(II)で表される
構成単位と前記一般式(II')で表される構成単位を後者
/前者がモル比で0/100〜95/5になるように含
むのが好ましく、特に0/100〜90/10になるよ
うに含むのが好ましい。前記一般式(I)で表される構成
単位が少ない含フツ素ポリイミド及び前記一般式(II)で
表される構成単位が少ない含フツ素ポリアミド酸から得
られるポリイミドは、耐湿性が低下し、誘電率が高くな
る傾向がある。
【0011】また、前記半導体装置のための多層配線用
層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成物は、 (a) テトラカルボン酸二無水物 及び (b) 化9〔一般式(III)〕
【化9】 〔ただし、一般式(III)中Rf は、一般式(I)に同
じであり、ベンゼン環の水素は、低級アルキル基,低級
アルコキシ基,フツ素,塩素、臭素等の置換基で適宜置
換されていてもよく、2個のアミノ基は、それぞれ芳香
環にエーテル結合に対してオルト位,メタ位またはパラ
位に結合している〕で表される含フツ素芳香族ジアミン
化合物を含むジアミン化合物を反応させることにより得
られるポリイミド系樹脂を含有してなるものである。こ
こで、ポリイミド系樹脂とは、前記含フツ素ポリイミド
及びその前駆体を総称する。前記含フツ素ポリイミドの
前駆体としては前記含フツ素ポリアミド酸及びこの含フ
ツ素ポリアミド酸が部分的にイミド化したものがある。
【0012】前記ポリイミド系樹脂の製造法について、
次に説明する。
【0013】前記テトラカルボン酸二無水物としては、
ピロメリツト酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフエ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−
ジフエニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス
(3,4,−ジカルボキシフエニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフエニル)プロパ
ン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフエ
ニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカル
ボキシフエニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカ
ルボキシフエニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフエニル)メタン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフエニル)スルホン二無水物、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフエニル)エーテル二無水物、
ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水
物、3,4,3′,4′−ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,2′,3−ベンゾフエノンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフ
エノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6,−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,
7,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
4,5−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、
2,6−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラ
カルボン酸二無水物、2,7−ジクロルナフタレン−
1,4,5,8,テトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−テトラクロルナフタレン−1,4,5,8−テ
トラカルボン酸二無水物、フエナンスレン−1,8,
9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフエン−
2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,
3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、
3,4,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,2′,3′−ビフエニルテトラカルボン
酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)ジ
メチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
エニル)メチルフエニルシラン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフエニル)ジフエニルシラン二無水物、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフエニルジメチル
シリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジ
カルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチル
ジシクロヘキサン二無水物、p−フエニルビス(トリメ
リツト酸モノエステル酸無水物)エチレングリコールビ
ス(トリメリツト酸無水物)、プロパンジオールビス(ト
リメリツト酸無水物)、ブタンジオールビス(トリメリ
ツト酸無水物)、ペンタンジオールビス(トリメリツト
酸無水物)、ヘキサンジオールビス(トリメリツト酸無
水物)、オクタンジオールビス(トリメリツト酸無水
物)、デカンジオールビス(トリメリツト酸無水物)、
エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレ
ン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,
8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ
ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水
物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン
酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,
2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物)スル
ホン ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス
(3,4-ジカルボキシフエニル)ヘキサフルオロプロパ
ン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキ
シフエノキシ)フエニル〕ヘキサフルオロプロパン二無
水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフエノキ
シ)ジフエニルスルフイド二無水物、1,4−ビス(2
−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビ
ス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒド
ロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(ト
リメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラ
ヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−
2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、などがあ
り、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0014】前記一般式(III)で表わされる含フツ素
芳香族ジアミン化合物は新規化合物であり、分子中に長
鎖の又は嵩高なパ−フルオロアルケニル基を有してい
る。該含フツ素芳香族ジアミン化合物は、使用するジア
ミン化合物の総量に対して5〜100モル%、特に10
〜100モル%用いるのが好ましい。該含フツ素芳香族
ジアミン化合物が少なすぎると耐湿性改善の効果及び誘
電率低下の効果が小さくなる傾向がある。
【0015】一般式(III)で表わされる含フツ素芳香
族ジアミン化合物としては、1,3−ジアミノ−5−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジ
アミノ−4−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−メトキシ−5−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジ
アミノ−2,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−
クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼ
ン、1,3−ジアミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジ
アミノ−4−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−メトキシ−5−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジ
アミノ−3,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−
クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼ
ン、1,2−ジアミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−3−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジ
アミノ−2−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジ
アミノ−2,3,6−トリフルオロ−5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−
クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ジアミノ−2−ブロモ−5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−
ジアミノ−4−メチル−5−(パーフルオロヘキセニル
オキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−メトキシ−
5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,
3−ジアミノ−2,4,6−トリフルオロ−5−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミ
ノ−4−クロロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−ブロモ−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−
ジアミノ−4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベン
ゼン、1,2−ジアミノ−4−メチル−5−(パーフル
オロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−
4−メトキシ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)
ベンゼン、1,2−ジアミノ−3,4,6−トリフルオ
ロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、
1,2−ジアミノ−4−クロロ−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−ブ
ロモ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ジアミノ−3−(パーフルオロヘキセニル
オキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メチル−5
−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4
−ジアミノ−2−メトキシ−5−(パーフルオロヘキセ
ニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,6
−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−クロロ−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−
ジアミノ−2−ブロモ−5−(パーフルオロヘキセニル
オキシ)ベンゼン等がある。
【0016】これらの化合物において、パーフルオロノ
ネニル基とは、一般式(III)におけるRfが−C917
ものであり、パーフルオロヘキセニル基とは一般式(II
I)におけるRfが−C611のものであり、以下も同様
である。上記に例示した化合物において、パーフルオロ
ノネニル基又はパーフルオロヘキセニル基の代わりに、
基−C1019,基−C1223等を有する化合物も同様に
例示することができる。
【0017】前記一般式(III)で表される含フツ素芳
香族ジアミン化合物は、化10〔一般式(IV)〕
【化10】 (ただし、一般式(IV)中、Rf は、一般式(I)に同
じであり、R1 及びR2はそれぞれ独立に置換されてい
もよいアルキル基又は置換されていてもよいアリール基
を示し、芳香環の水素は、低級アルキル基,低級アルコ
キシ基,フツ素,塩素、臭素等の置換基で適宜置換され
ていてもよく、2個のウレタン基はそれぞれ芳香環にエ
ーテル結合に対してオルト位,メタ位又はパラ位に結合
している)で表される含フツ素芳香族ジウレタン化合物
をウレタン型保護基の脱保護反応に供することにより製
造することができる。
【0018】一般式(IV)で表される化合物としては、
1,3−ビス(N−(メチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(N−(エチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(N−(n−プロピルオキシカルボニル)
アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(N−(i−プロピルオキシカルボニ
ル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(N−(n−ブチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(N−(i−ブチルオキシカル
ボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(t−ブチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ペンチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ヘキシルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ヘプチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(オクチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ベンジルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(フエニルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(メチルオキシカ
ルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(エチルオキシカル
ボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(n−プロピルオキ
シカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(i−プロピル
オキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(n−ブチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(i−ブ
チルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロ
ノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(t−
ブチルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ペ
ンチルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ヘ
キシルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ヘ
プチルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(オ
クチルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ベ
ンジルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(フ
エニルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(メ
チルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロ
ノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(エチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(n−プ
ロピルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(i
−プロピルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフ
ルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−
(n−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パー
フルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N
−(i−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パ
ーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(N−(ペンチルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(N−(ヘキシルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(N−(ヘプチルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(N−(オクチルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(N−(フエニルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ビ
ス(N−(メチルオキシカルボニル)アミノ)−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−
ビス(N−(エチルオキシカルボニル)アミノ)−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−
ビス(N−(n−プロピルオキシカルボニル)アミノ)
−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(N−(i−プロピルオキシカルボニル)
アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(N−(n−ブチルオキシカルボニ
ル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(N−(i−ブチルオキシカル
ボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(t−ブチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニル
オキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ペンチルオキ
シカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニ
ルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ヘキシルオ
キシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキセ
ニルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ヘプチル
オキシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(オクチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ベン
ジルオキシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロ
ノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(フエ
ニルオキシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(メ
チルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(エ
チルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(n
−プロピルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフ
ルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N
−(i−プロピルオキシカルボニル)アミノ)−4−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−
ビス(N−(n−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−
4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,
2−ビス(N−(i−ブチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼ
ン、1,2−ビス(N−(t−ブチルオキシカルボニ
ル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)
ベンゼン、1,2−ビス(N−(ペンチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ヘキシルオキシカ
ルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオ
キシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ヘプチルオキシ
カルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニル
オキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(オクチルオキ
シカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニ
ルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ベンジルオ
キシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセ
ニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(フエニル
オキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(メチル
オキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(エチル
オキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(n−プ
ロピルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオ
ロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−
(i−プロピルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パ
ーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(N−(n−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(N−(i−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−
3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン1,4
−ビス(N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ)
−3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(N−(ペンチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(N−(ヘキシルオキシカルボニル)
アミノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(N−(ヘプチルオキシカルボニ
ル)アミノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)
ベンゼン、1,4−ビス(N−(オクチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(ベンジルオキシカ
ルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(フエニルオキシカ
ルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオ
キシ)ベンゼン等がある。このように例示される化合物
において、パーフルオロノネニル基又はパーフルオロヘ
キセニル基の代わりに、基−C1019,基−C1223
を有する化合物も同様に例示することができる。
【0019】前記ウレタン型保護基とは、具体的には一
般式(IV)中の−COOR1 及び−COOR2 を意味す
る。
【0020】前記脱保護反応は例えば次のような方法で
行うことができる。前記含フツ素芳香族ジウレタン化合
物を酢酸エチル,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセ
トアミド、ベンゼン,キシレン,アセトン,テトラヒド
ロフラン等の有機溶剤に溶解した溶液にパラジウム炭素
等の触媒の存在下、水素ガスを0〜100℃(特に好まし
くは室温付近)で通す方法(水素ガスを通す時間は適宜
決定すればよいが、通常1〜10時間で充分である)、
前記含フツ素芳香族ジウレタン化合物を上記したような
有機溶剤に溶解し、HF,HBr,HCl,H2SO4
の水素酸を加え、反応させる方法(水素酸は、含フツ素
芳香族ジウレタン化合物に対して当量以上で反応させる
のが好ましく、HFを使用するときは、室温以下、特に
0℃以下で反応させるのが好ましく、その他の水素酸で
は0〜100℃、特に室温付近で反応させるのが好まし
い。さらに、反応時間は適宜決定されるが、通常、HF
を使用する場合、0.1 〜1時間、その他の水素酸を使
用する場合1〜10時間で充分である)、前記含フツ素
芳香族ジウレタン化合物を炭酸水素ナトリウム,炭酸水
素カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の塩
基性化合物及び水の存在下に反応させる方法(水は含フ
ツ素芳香族ジウレタン化合物に対して当量以上使用する
のが好ましく、反応は、上記したような有機溶剤の他
に、水,メタノール,エタノール等のアルコール,クレ
ゾール等を溶媒として用いて行なつてもよい)などがあ
る。このようにして得られる一般式(III)で表わされ
る芳香族ジアミン化合物は、アルコールからの再結晶な
どにより精製することができる。
【0021】前記一般式(IV)で示される芳香族ジウレ
タン化合物は、化11〔一般式(V)〕
【化11】 〔ただし、一般式(V)中、Rf は、一般式(I)に同
じであり、芳香環の水素は、低級アルキル基,低級アル
コキシ基,フツ素,塩素、臭素等の置換基で適宜置換さ
れていてもよく、2個のカルボキシル基は、それぞれ芳
香環にエーテル結合に対してオルト位,メタ位又はパラ
位に結合している〕で表される含フツ素芳香族ジカルボ
ン酸化合物、化12〔一般式(VI)〕
【化12】 (ただし、一般式(VI)中、R3 は低級アルキル基又は
アリール基を表わす。)で表わされるアジド化合物及び
化13〔一般式(VII)〕
【化13】R4OH (VII) (ただし、一般式(VII)中、R4 は、置換基を有して
いもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいア
リール基を表わす。)で表わされるアルコールを、溶媒
中もしくは無溶媒で、塩基を存在下、反応させることに
よつて製造することができる。
【0022】一般式(V)で表わされるジカルボン酸化
合物としては、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イ
ソフタル酸、4−(パーフルオロノネニルオキシ)フタ
ル酸、2−(パーフルオロノネニルオキシ)テレフタル
酸、4−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキシ)
イソフタル酸、4−メトキシ−5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸、2,4,6−トリフルオロ
−5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸、
4−クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソ
フタル酸、4−ブロモ−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)イソフタル酸、4−メチル−5−(パーフルオロ
ノネニルオキシ)フタル酸、4−メトキシ−5−(パー
フルオロノネニルオキシ)フタル酸、3,4,6−トリ
フルオロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)フタル
酸、4−クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)
フタル酸、4−ブロモ−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)フタル酸、2−メチル−5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)テレフタル酸、4−メトキシ−5−(パー
フルオロノネニルオキシ)テレフタル酸、2,3,6−
トリフルオロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)テ
レフタル酸、2−クロロ−5−(パーフルオロノネニル
オキシ)テレフタル酸、2−ブロモ−5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)テレフタル酸、5−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)イソフタル酸、4−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)フタル酸、2−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)テレフタル酸、4−メチル−5−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸、4−メトキ
シ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸、2,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)イソフタル酸、4−クロロ−5−(パ
ーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル酸、4−ブロ
モ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソフタル
酸、4−メチル−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)フタル酸、4−メトキシ−5−(パーフルオロヘキ
セニルオキシ)フタル酸、3,4,6−トリフルオロ−
5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)フタル酸、4−
クロロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)フタル
酸、4−ブロモ−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)フタル酸、2−メチル−5−(パーフルオロヘキセ
ニルオキシ)テレフタル酸、4−メトキシ−5−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)テレフタル酸、2,3,6
−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)テレフタル酸、2−クロロ−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)テレフタル酸、2−ブロモ−5−(パ
ーフルオロヘキセニルオキシ)テレフタル酸等がある。
【0023】前記パーフルオロノネニルオキシイソフタ
ル酸及びパーフルオロヘキセニルオキシイソフタル酸
は、例えば、特開昭60−51146 号公報に示される方法に
準じて、ヘキサフルオロプロペンの3量体又は2量体と
ヒドロキシイソフタル酸を非プロトン性極性溶媒中、室
温以下でトリエチルアミン等の塩基触媒の存在下に反応
させて製造することができる。
【0024】上記の方法において、ヘキサフルオロプロ
ペンの3量体及び2量体以外のオリゴマー、その他のフ
ルオロアルケンのオリゴマーを用いて、他のジカルボン
酸を作成することも可能である。
【0025】また、前記した一般式(IV)で表わされる
ジカルボン酸は、例えば、特開昭50−121243号公報に記
載の方法に準じて、ヒドロキシ−ジカルボキシベンゼン
のジフエニルエステル,ジベンジルエステル等のエステ
ルとフルオロプロペン3量体,テトラフルオロエチレン
5量体等のフルオロアルケンのオリゴマーを非プロトン
性有機溶媒中、室温附近又はそれ以下でトリエチルアミ
ン等の塩基触媒の存在下に反応させた後、反応生成物を
単離し、該反応生成物を水酸化ナトリウム,水酸化カリ
ウム等の塩基性化合物の存在下、加水分解し、さらに適
宜塩酸等の酸で処理することにより製造することができ
る。上記反応生成物及び最終生成物は、適宜、洗浄,再
結晶等の手段で精製される。
【0026】一般式(VI)で表される化合物としては、
ジフエニルホスホリルアジド,ジエチルホスホリルアジ
ド,ジ−p−ニトロフエニルホスホリルアジド,ジモル
ホリルホスホリルアジド等がある。
【0027】一般式(V)で表されるアルコールとして
は、メタノール,エタノール,プロパノール,i−プロ
パノール,ブタノール,i−ブタノール、t−ブタノー
ル、ペンタノール,ヘキサノール,ヘプタノール,オク
タノール,フエノール,ベンジルアルコール等がある。
【0028】一般式(IV)で表される含フツ素芳香族ジウ
レタン化合物を得る合成反応には、塩入孝之,山田俊
一,有機合成化学協会誌,第31巻第8号666−67
4頁(1973年)に示されているような、新クルチウ
ス反応を応用することができる。すなわち、一般式
(V)で表されるジカルボン酸化合物と一般式(VI)で
表わされるアジド化合物、一般式(VII)で表わされる
アルコールを塩基の存在下で反応させることにより、目
的の含フツ素芳香族ジウレタン化合物を得ることができ
る。塩基としては、トリメチルアミン,トリエチルアミ
ン,ピリジンなどの三級アミンを用いることが好まし
い。上記反応は、有機溶媒中で行われるか、一般式(VI
I)で表されるアルコールを溶媒兼用で用いて行われ
る。該有機溶媒としては、ベンゼン,トルエン,テトラ
ヒドロフラン,ジオキサン,ジエチルエーテルなどを用
いることが好ましい。これらの溶媒は、互いに相溶すれ
ば2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】上記反応においては、中間に、一般式
(V)で表わされるジカルボン酸化合物と一般式(VI)
で表わされるアジド化合物が反応してカルボン酸アジド
及びこのカルボン酸アジドが熱転位反応してイソシアネ
ート化合物が生成するが、これらの中間体を一たん単離
して又は単離することなく反応を進めることができる。
上記反応の条件は使用する試薬により異なり、特に限定
されるものではないが、次に示す条件が好ましい。
【0030】第1に、一般式(V)で表わされるジカル
ボン酸化合物、一般式(VI)で表わされるアジド化合
物、前記三級アミンおよび一般式(VII)で表わされる
アルコールを一度に反応させて、見かけ上一工程で目的
の含フツ素芳香族ジウレタン化合物を得る場合は、反応
温度は−80〜250℃が好ましく、特に、室温乃至1
50℃が好ましい。上記アジド化合物、上記三級アミン
及び上記アルコールをそれぞれ、上記ジカルボン酸化合
物に対して0.5〜5.0モル当量、0.5〜3.0モル当
量及び0.5 モル当量乃至大過剰用いるのが好ましい。
【0031】第二に、前記カルボン酸アジドを一たん単
離する場合、先ず、上記ジカルボン酸化合物と上記アジ
ド化合物を上記三級アミンの存在下に反応させて、得ら
れるカルボン酸アジドを単離する。このとき、反応温度
は−80〜100℃が好ましく、上記アジド化合物及び
上記三級アミンはそれぞれ上記ジカルボン酸化合物に対
して、0.5〜5.0モル当量及び0.5〜3.0モル当量
用いるのが好ましい。次いで、単離されたカルボン酸ア
ジドをそれに対して0.5モル当量乃至大過剰のアルコ
ール中で反応させて、目的の含フツ素芳香族ジウレタン
化合物を得ることができる。このときの反応温度は−8
0〜250℃が好ましい。
【0032】第三に、イソシアネート化合物を一たん単
離する場合は、先ず、ジカルボン酸化合物と一般式
(V)で表わされるアジド化合物を三級アミンの存在下
に反応させ、得られるイソシアネートを単離する。この
とき、ジカルボン酸化合物に対して上記アジド化合物
0.5〜5.0モル当量および上記三級アミン0.5〜3.
0モル当量用いるのが好ましく、反応温度は−80〜2
50℃が好ましい。次いで、得られたイソシアネートを
それに対して0.5モル当量乃至大過剰のアルコール中
で、反応させることにより、含フツ素芳香族ジウレタン
化合物を得ることができる。このとき、反応温度は−8
0〜250℃が好ましい。
【0033】上記第一乃至第三の方法は、収率等を考
え、適宜選択される。このようにして得られる含フツ素
芳香族ジウレタン化合物は、ヘキサン等からの再結晶に
より精製することができる。
【0034】前記一般式(I)〜(IV)において、Rfは、
直鎖状のものでも分岐状のものでもよいが、分岐状であ
る方が好ましい。分岐状である方が直鎖状であるよりも
立体的構造がコンパクトであるため、ポリイミド系樹脂
のガラス転移温度が高くなりやすい。
【0035】前記一般式(I)〜(IV)において、Rfの具
体例としては、パーフルオロノネニル基として、化14
〔式(A)〕
【化14】 の基、化15〔式(B)〕
【化15】 の基、化16〔式(C)〕
【化16】 の基、化17〔式(D)〕
【化17】 の基、化18〔式(E)〕
【化18】 の基等があり、パーフルオロヘキセニル基としては、化
19〔式(F)〕
【化19】 の基、化20〔式(G)〕
【化20】 の基、化21〔式(H)〕
【化21】 の基等があり、パーフルオロデセニル基としては、化2
2〔式(J)〕
【化22】 の基等がある。
【0036】本発明のポリイミド系樹脂の製造法におい
て、一般式(III)で表される芳香族ジアミン化合物と
併用できるジアミン化合物としては、4−アミノフエニ
ル−3−アミノ安息香酸、2,2−ビス(4−アミノフ
エニル)プロパン、2,6−ジアミノピリジン、ビス
(4−アミノフエニル)ジエチルシラン、ビス−(4−
アミノフエニル)ジフエニルシラン、ビス−(4−アミ
ノフエニル)エチルホスフインオキサイド、ビス−(4
−アミノフエニル)−N−ブチルアミン、ビス−(4−
アミノフエニル)−N−メチルアミン、N−(3−アミ
ノフエニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフ
エニル−3−アミノ安息香酸、3,3′−ジアミノジフ
エニルメタン、3,3′−ジアミノジフエニルエーテ
ル、3,3′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′
−ジアミノジフエニルプロパン、3,3′−ジアミノジ
フエニルスルフイド、p−フエニレンジアミン、m−フ
エニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフエニルプロ
パン、4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′
−ジアミノベンゾフエノン、4,4′−ジアミノジフエ
ニルスルフイド、4,4′−ジアミノジフエニルスルホ
ン、4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,4′
−ジアミノジフエニルエーテル、1,5−ジアミノナフ
タレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トル
エン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチル−フエニル)
エーテル、ビス(p−β−メチル−γ−アミノ−ペンチ
ル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−ア
ミノペンチル)ベンゼン、ヘキサメチレンジアミン、ヘ
プタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、3−メチルヘプタ
メチレンジアミン、4.4′−ジメチルヘプタメチレン
ジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス
(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプ
ロピレンジアミン、3−メトキシ−ヘキサメチレンジア
ミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,
5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナ
メチレンジアミン、2,17−ジアミノアイコサデカ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジア
ミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノ
オクタデカン、2,2−ビス(4−アミノフエニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミ
ノフエノキシ)フエニル)ヘキサフルオロプロパン、
3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルメ
タン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフエ
ニルメタン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミ
ノジフエニルメタン、3,3′ジエトキシ−4,4′−
ジアミノジフエニルメタン、3,3′−ジフルオロ−
4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−ジク
ロロ−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′
−ジブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、
3,3′−ジ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジア
ミノジフエニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′
−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′−ジイソプロ
ピル−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,
3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニルエー
テル、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノジフ
エニルエーテル、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジ
アミノジフエニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,
4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′−ジブロ
モ−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′
−ジ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフ
エニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジア
ミノジフエニルスルホン、3,3′−ジメトキシ−4,
4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′−ジエト
キシ−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,
3′−ジフルオロ−4,4′−ジアミノジフエニルスル
ホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルスルホン、3,3′−ジブロモ−4,4′−ジアミ
ノジフエニルスルホン、3,3′−ジ(トリフルオロメ
チル)−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルプロパ
ン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルプロパン、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジア
ミノジフエニルプロパン、3,3′−ジフルオロ−4,
4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,3′−ジクロ
ロ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,3′
−ジブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、
3,3′−ジ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジア
ミノジフエニルプロパン、3,3′−ジメチル−4,
4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′−ジメ
トキシ−4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、
3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノジフエニル
スルフイド、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジアミ
ノジフエニルスルフイド、3,3′−ジクロロ−4,
4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′−ジブ
ロモ−4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,
3′−ジ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノ
ジフエニルスルフイド、3,3′−ジメチル−4,4′
−ジアミノジフエニルヘキサフルオロプロパン、3,
3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニルヘキ
サフルオロプロパン、3,3′−ジエトキシ−4,4′
−ジアミノジフエニルヘキサフルオロプロパン、3,
3′−ジフルオロ−4,4′−ジアミノジフエニルヘキ
サフルオロプロパン、3,3′−ジクロロ−4,4′−
ジアミノジフエニルヘキサフルオロプロパン、3,3′
−ジブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフル
オロプロパン、3,3′−ジ(トリフルオロメチル)−
4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフロオロプロパ
ン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノベンゾフ
エノン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノベ
ンゾフエノン、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジア
ミノベンゾフエノン、3,3′−ジフルオロ−4,4′
−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジクロロ−4,
4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジブロモ−
4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジ(ト
リフルオロメチル)−4,4′−ジアミノベンゾフエノ
ン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′,5,
5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフエニルメ
タン、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,
4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′,5,5′
−テトラメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニルメタ
ン、3,3′,5,5′−テトラエトキシ−4,4′−
ジアミノジフエニルメタン、3,3′,5,5′−テト
ラフルオロ−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、
3,3′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミ
ノジフエニルメタン、3,3′,5,5′−テトラブロ
モ−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′,
5,5′−テトラ(トリフルオロメチル)−4,4′−
ジアミノジフエニルメタン、3,3′,5,5′−テト
ラメチル−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、
3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミ
ノジフエニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラメ
トキシ−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,
3′,5,5′−テトラエトキシ−4,4′−ジアミノ
ジフエニルエーテル、3,3′,5,5′−テトフルオ
ロ−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,
3′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジ
フエニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラブロモ
−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′,
5,5′−テトラ(トリフルオロメチル)−4,4′−
ジアミノジフエニルエーテル、3,3′,5,5′−テ
トラメチル−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、
3,3′,5,5′−テトラメトキシ−4,4′−ジア
ミノジフエニルスルホン、3,3′,5,5′−テトラ
エトキシ−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、
3,3′,5,5′−テトラフルオロ−4,4′−ジア
ミノジフエニルスルホン、3,3′,5,5′−テトラ
クロロ−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,
3′,5,5′−テトラブロモ−4,4′−ジアミノジ
フエニルスルホン、3,3′,5,5′−テトラ(トリ
フルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフエニルスル
ホン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−
ジアミノジフエニルプロパン、3,3′,5,5′−テ
トラメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパ
ン、3,3′,5,5′−テトラエトキシ−4,4′−
ジアミノジフエニルプロパン、3,3′,5,5′−テ
トラフルオロ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパ
ン、3,3′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジ
アミノジフエニルプロパン、3,3′,5,5′−テト
ラブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、
3,3′,5,5′−テトラ(トリフルオロメチル)−
4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフエニ
ルスルフイド、3,3′,5,5′−テトラメトキシ−
4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′,
5,5′−テトラエトキシ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルスルフイド、3,3′,5,5′−テトラフルオロ
−4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,
3′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジ
フエニルスルフイド、3,3′,5,5′−テトラブロ
モ−4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,
3′,5,5′−テトラ(トリフルオロメチル)−4,
4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′,5,
5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフエニルヘ
キサフルオロプロパン、3,3′,5,5′−テトラメ
トキシ−4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフルオロ
プロパン、3,3′,5,5′−テトラエトキシ−4,
4′−ジアミノジフエニルヘキサフルオロプロパン、
3,3′,5,5′−テトラフロオロ−4,4′−ジア
ミノジフエニルヘキサフルオロプロパン、3,3′,
5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルヘキサフルオロプロパン、3,3′,5,5′−テト
ラブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフルオ
ロプロパン、3,3′,5,5′−テトラ(トリフルオ
ロメチル)−4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフル
オロプロパン、3,3′,5,5′−テトラメチル−
4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′,5,
5′−テトラメトキシ−4,4′−ジアミノベンゾフエ
ノン、3,3′,5,5′−テトラエトキシ−4,4′
−ジアミノベンゾフエノン、3,3′,5,5′−テト
ラフロオロ−4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,
3′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノベ
ンゾフエノン、3,3′,5,5′−テトラブロモ−
4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′,5,
5′−テトラ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジア
ミノベンゾフエノン、3,3′,5,5′−テトライソ
プロピル−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,
3′−ジイソプロピル−5,5′−ジメチル−4,4′
−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−ジイソプロピ
ル−5,5′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフエニ
ルメタン、3,3′−ジイソプロピル−5,5′−ジメ
チル−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,
3′−ジイソプロピル−5,5′−ジエチル−4,4′
−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′−ジイソプロ
ピル−5,5′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエ
ニルプロパン、3,3′−ジイソプロピル−5,5′−
ジエチル−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、
3,3′−ジイソプロピル−5,5′−ジメチル−4,
4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′−ジイソ
プロピル−5,5′−ジエチル−4,4′−ジアミノジ
フエニルスルホン、などがあり、2種類以上併用しても
よい。
【0037】また、ジアミンの一部としては、シリコン
ジアミンを使用してもよい。シリコンジアミンとして
は、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,1
−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ビス(3−ア
ミノプロピル)−1,1,1−テトラメチルジシロキサ
ン、1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,1−
テトラメチルジシロキサン等がある。シリコンジアミン
を使用するときは、これらは、ジアミンの総量に対し
て、0.1〜10モル%使用するのが好ましい。シリコ
ンジアミンの使用により、得られるポリイミド系樹脂
は、密着性が向上する。
【0038】前記ポリイミド系樹脂の製造に際しては、
前記テトラカルボン酸二無水物と前記ジアミンを適当な
温度で反応させる。この反応に際し、適当な条件を選定
することにより、イミド化の度合を適宜調整することが
できる。例えば、100℃以上特に120℃以上で、必
要に応じ、トリブチルアミン、トリエチルアミン、亜リ
ン酸トリフエニル等の触媒の存在下に反応させることに
より、完全に又はほとんど完全にイミド化したポリイミ
ドを製造することができ、(触媒は、反応成分の総量に
対して0〜15重量%使用するのが好ましく、特に0.
01 〜15重量%使用するのが好ましい)、80℃以
下、特に50℃以下で反応させるとそのポリイミドの前
駆体であつて全く又はほとんどイミド化されていない、
ポリアミド酸を製造することができる。さらにイミド化
が部分的に進行したポリイミド前駆体を製造することも
できる。
【0039】また、上記、ポリアミド酸又は、イミド化
が部分的に進行したポリイミドの前駆体をさらに100 ℃
以上、特に120℃以上に加熱してイミド化させる方法
又は無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸
無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジ
イミド等の閉環剤、さらに必要に応じてピリジン、イソ
キノリン、トリメチルアミン、アミノピリジン、イミダ
ゾール等の閉環触媒の存在下に、化学閉環(イミド化)
させる(閉環剤及び閉環触媒は、それぞれ酸無水物1モ
ルに対して1〜8モルの範囲内で使用するのが好まし
い)方法によって、イミド化がほとんど又は完全に完結
したポリイミドを製造することができる。これらの反応
は、有機溶剤の存在下で行うことが好ましい。
【0040】上記の反応において使用できる有機極性溶
媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、
フエノール、m−クレゾール、クロルベンゼンなどがあ
り、互いに相溶すれば2種類以上を混合して用いても良
い。また、これらの有機極性溶媒とともに、トルエン、
キシレン、セロソルブアセテート、メチルセロソルブな
どの汎用溶媒をポリイミド樹脂又はその前駆体の溶解性
を低下させない範囲で併用することができる。また、反
応原料を加える順番などに特に制限はない。
【0041】前記ポリアミド酸は、N,N−ジメチルホ
ルムアミドに0.1g/dlの濃度で溶解し、30℃で
測定したときの還元粘度が0.1dl/g以上であるの
が好ましい。
【0042】また、前記ポリイミドは、ガラス転移温度
を150℃〜300℃に容易に調整することができ、熱
分解温度は350℃以上に調整できる。さらに、該ポリ
イミドは、吸水率を1%以下、特に0.5%以下にでき
る。
【0043】本発明における半導体装置は、前記ポリイ
ミドを含有する樹脂膜を多層配線用層間絶縁膜及び/又
は表面保護膜として用いてなるものである。この半導体
装置の製造工程の一例を以下に説明する。
【0044】図1は、多層配線構造の半導体装置の製造
工程図である。図1において、回路素子を有するSi基
板、ガラス板、金属板などの半導体基板1は、回路素子
の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆
され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されて
いる。該半導体基板上に前述したポリアミド酸等のポリ
イミド系樹脂がスピナー法などで塗布され、熱処理によ
り溶媒の除去及びポリアミド酸等のポリイミドの前駆体
の場合は脱水閉環が行われ、層間絶縁膜4としてのポリ
イミドの樹脂膜が形成される(工程(a))。上記のポ
リイミド系樹脂のスピナー法などによる塗布の前に、第
1導体層3が形成されている半導体基板1の表面をAl
キレート化合物、シランカップリング剤等で処理するこ
とは、その表面に形成されるポリイミドの樹脂膜の密着
性を向上させる点で好ましい。
【0045】次に環化ゴム系又はフェノールノボラック
系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピナー法
によって形成され、公知の写真食刻技術によって所定部
分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられる
(工程(b))。
【0046】該窓6Aの層間絶縁膜4は、ヒドラジン、
ヒドラジンとポリアミンの混合液、水酸化テトラメチル
アンモニウム溶液等の有機アルカリ溶液を食刻液とした
化学的エッチング手段によって選択的にエッチングさ
れ、窓6Bがあけられる。次いで窓6Bから露出した第
1導体層3を腐食することなく感光樹脂層5のみを腐食
するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全
に除去される(工程(c))。層間絶縁膜4は、工程
(a)で完全に硬化させることなく、工程(c)の後で
完全に硬化させてもよい。
【0047】さらに公知の金属膜形成法及び写真食刻技
術を用いて第2導体層7を形成させ、第1導体層3との
電気的接続が完全に行われる(工程(d))。3層以上
の多層配線構造体を形成する場合は、上記の工程を繰り
返して行い各層を形成する。すなわち導体層の上に絶縁
層となる層間絶縁膜を形成する工程(a)、この被膜の
所定の場所を選択的に除去し窓を開口して下部に存する
導体層を露出させる工程(b)、(c)、及び上記被膜
上に延在し、下部に存する導体層の所定部分と接続され
た上部の導体を形成する工程(d)を繰り返すことにな
る。
【0048】次に表面保護膜8が形成される。該保護膜
8は、前述のポリイミド系樹脂を多層配線構造の半導体
装置の最上部の導体層上に、層間絶縁膜4の形成と同様
に塗布し、ポリイミドの樹脂膜とした後、所定部分に窓
6Cを形成して作製される(工程(e))。この表面保
護膜8によって導体層を外部からの水分、異物などから
保護することができる。
【0049】なお、本発明の半導体装置においては、前
述のポリイミドの樹脂膜を半導体装置の層間絶縁又は表
面保護のいずれかのみに用いても半導体装置の層間絶縁
及び表面保護の両者に用いてもよい。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるもの
ではない。以下において使用した5−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)イソフタル酸は、下記化23の化合物で
ある。
【化23】
【0051】合成例1 5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸0.
61g(1.0mmol)、ジフエニルホスホリルアジド
0.66g(2.4mmol)、トリエチルアミン0.24g
(2.4mmol)をt−ブタノール10mL中、還流温度
で20時間反応させた。反応終了後、t−ブタノールを
留去し、ここにエーテルを加えて、希塩酸,炭酸水素ナ
トリウム水溶液で洗浄した。エーテルを留去し、ヘキサ
ンから再結晶して目的物である1,3−ビス−N−(t
−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−5−パーフルオ
ロノネニルオキシベンゼンを収率86%で得た。
【0052】この化合物の物性及び元素分析値を次に示
す。 (1)融点 69−71℃ (2)1H−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6,TM
S標準);8.72ppm(2H,NH,s),7.61ppm
(1H,Aromatic,t),7.09ppm(2H,Aromati
c,s),1.49ppm(9H,t−Bu,t)〔()内
は、水素の積分強度比、吸収の基礎となる基及びピ−ク
の種類を順次示し、sは一重線、tは三重線を示す。以
下も同様である。〕 (3)19F−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6,トリ
フルオロトルエン標準);11.32ppm(3F,C
3,d),−3.54ppm(6F,CF3,s),−4.
82ppm(6F,CF3,d),−99.70ppm(1F,
CF,quart.),−101.49ppm(1F,CF,quin
t.)〔()内は、フッ素の積分強度比、吸収の基礎とな
る基及びピ−クの種類を順次示し、sは一重線、dは二
重線、quart.は四重線、quint.は五重線を示す。以下も
同様である。〕 (4)IR吸収スペクトル;3336cm-1(N−H,ウレ
タン),1710cm-1(C=O,ウレタン),1548
cm-1(N−H,ウレタン),1244cm-1(C−F) (5)分素分析値(%):表1のとおり。
【表1】
【0053】以上より、目的物の生成を確認した。これ
の構造式は次の化24とおりである。
【化24】
【0054】合成例2 合成例1で得られた1,3−ビス(N−(t−ブチルオ
キシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)ベンゼン0.200g(0.265mmol)に4
N炭酸水素ナトリウム/メタノール4.0mL を加え、
室温で4時間かくはんした。次に、メタノールを留去
し、エーテルで抽出した。エーテル溶液を水で洗浄した
後、エーテルを留去し、エーテル/ヘキサンでカラム分
離を行い、目的物である1,3−ジアミノ−5−(パー
フルオロノネニルオキシ)ベンゼンを収率65%で得
た。
【0055】得られた1,3−ジアミノ−5−(パーフ
ルオロノネニルオキシ)ベンゼンの分析データを次に示
す。 (1)融点 105.5−106.9℃ (2)1H−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6, T
MS標準); 5.87(1H,Aromatic,t) 5.63(2H,Aromatic,t) 4.75(4H,NH2,s) (3)19F−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6, ト
リフルオロトルエン標準); 11.03(3F,CF3,d) −3.68(6F,CF3,s) −4.98(6F,CF3,d) −99.71(1F,CF,quart.) −101.67(1F,CF,quint.) (4)IR吸収スペクトル;3452cm-1,3380c
m-1,1628cm-1(N−H,アミン),1298cm-1
1238cm-1,1190cm-1(C−F) (5)元素分析値(%):表2のとおり。
【表2】
【0056】以上より、目的化合物であることを確認し
た。この化合物の構造式は次の化25〔構造式(a)〕
とおりである。
【化25】
【0057】実施例1 温度計,かくはん装置,乾燥管,窒素導入管を備えた4
つ口フラスコに乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド
8g、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン〔構造式(a)〕1.1g(2ミリモ
ル)を入れ、かくはんした。ジアミンが溶解した後、氷
浴で冷却しながら、2,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シフエニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物0.89
g(2ミリモル)を少量づつ添加した。添加終了後氷浴
で冷却しながら5時間反応させ、ポリアミド酸の溶液を
得た。
【0058】上記ポリアミド酸の溶液を水又はメタノー
ルに投入し、沈殿したポリアミド酸をろ別し、乾燥し
た。また、このポリアミド酸をN,N−ジメチルアセト
アミドに0.1g/dlの濃度で溶解し、30℃で還元
粘度を測定した。この結果を表3に示す。
【0059】さらに、上記ポリアミド酸の溶液をガラス
基板上にスピンコートにより塗布し、150℃,200
℃,250℃及び300℃で順次それぞれ30分間ずつ
加熱することによりポリイミドの皮膜を得た。得られた
ポリイミドの皮膜を用いて、ガラス転移温度、熱分解温
度、吸水率及び誘電率を測定した結果を表3に示す。
【0060】前記で得られたポリアミド酸の溶液を図1
の工程(a)においてシリコン酸化膜2と第1導体層3
としてアルミニウムを用いたガラス板の半導体基板1上
に回転数4000rpmでスピナー塗布した後、次いで
熱風循環式オーブンにて130〜140℃で30分熱処
理を行い層間絶縁膜層4を形成した。次に該絶縁膜層4
の所定部分のみを選択的に除去するため、該層4上にフ
ェノールボラック樹脂系の感光性樹脂(ポジ型ホトレジ
スト、OFPR−800、東京応化工業株式会社商品
名)層5を回転数3000rpmのスピナー塗布して形
成し、公知の写真食刻技術によって露光した後、水酸化
テトラメチルアンモニウム水溶液系の現像液(NMD−
3、東京応化工業株式会社製)でレジストを現像し、窓
6Aをあけ、さらに引き続いてこの溶液を食刻液に用い
て25℃で2分間エッチング処理し、前記絶縁膜層4を
選択的にエッチングし、窓6Bをあけ、第1導体層3を
この部分で露出させた。しかるのち第1導体層3を腐食
することなく感光樹脂層5のみを食刻するレジスト剥離
液(アセトン)を用いて室温下で2分間浸漬処理し、感
光樹脂層5を完全に除去した。
【0061】次に層間絶縁層4を後熱処理として150
℃、200℃、250℃及び300℃で順次それぞれ3
0分加熱して完全に硬化した膜厚約3μmのポリイミド
系樹脂膜を得た。さらに公知の真空蒸着法、スパッタ法
及び写真食刻技術を用いてアルミニウムの第2導体層7
を形成し、第1導体層3との電気的接続を完全に行っ
た。さらに得られた多層配線構造体上にポリアミド酸溶
液を第2導体層7の上に回転数4000rpmでスピナ
ー塗布し、層間絶縁膜層4を形成したと同じ方法で表面
保護膜層8を形成し、半導体装置を作製した。なお、表
面保護層8は、図1の工程(e)に示すような窓あけ
(ポリイミド系樹脂膜の選択的エッチング)処理はして
いないため、第2導体層7は露出していない。また、そ
の後に半導体基板の封止(パッケージ)処理も行ってい
ない。
【0062】実施例2 温度計,かくはん装置,乾燥管,窒素導入管を備えた4
つ口フラスコに乾燥したN−メチル−2−ピロリドン8
gを入れ、次いで、1,3−ジアミノ−5−(パーフル
オロノネニルオキシ)ベンゼン〔構造式(a)〕1.1
g(2ミリモル)を入れ、かくはんした。ジアミンが溶
解した後、3,4,3´,4´−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物0.64g(2ミリモル)を少量づ
つ添加した。添加終了後、室温で5時間反応させ、ポリ
アミド酸の溶液を得た。この後、実施例1に準じてポリ
アミド酸を単離し、還元粘度を測定した。さらに、実施
例1に準じてポリイミドの皮膜を作製し、ガラス転移温
度、熱分解温度、吸水率及び誘電率を測定した。これら
の測定結果を表3に示す。また、上記ポリアミド酸の溶
液を用いて実施例1に準じて半導体装置を作製した。
【0063】実施例3 温度計,かくはん装置,乾燥管,窒素導入管を備えた4
つ口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド8gを入
れ、次いで1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)ベンゼン〔構造式(a)〕0.55g(1
ミリモル)及び4,4′−ジアミノジフエニルエーテル
0.2g(1ミリモル)を入れ均一溶液になるまでかく
はんした。次に室温で3,4,3´,4´−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物0.58g(2ミリモル)を
少量づつ添加した。添加終了後、室温で5時間反応さ
せ、ポリアミド酸を得た。この後、実施例1に準じてポ
リアミド酸を単離し、還元粘度を測定した。さらに、実
施例1に準じてポリイミドの皮膜を作製し、ガラス転移
温度、熱分解温度、吸水率及び誘電率を測定した。これ
らの測定結果を表3に示す。
【0064】前記で得られたポリアミド酸の溶液を図1
の工程(a)においてシリコン酸化膜2と第1導体層3
としてアルミニウムを用いたガラス板の半導体基板1上
に回転数4000rpmでスピナー塗布した後、次いで
熱風循環式オーブンにて150℃、200℃、250
℃、300℃及び350℃で順次それぞれ30分熱処理
を行い層間絶縁膜層4を形成した。次に該絶縁膜層4の
所定部分のみを選択的に除去するため、該層4上に感光
性樹脂(ネガ型ホトレジスト、OMR−85、東京応化
工業株式会社商品名)層5を回転数3000rpmのス
ピナー塗布して形成し、公知の写真食刻技術によって露
光した後、現像液(OMR現像液、東京応化工業株式会
社製)でレジストを現像し、窓6Aをあけ、次いでヒド
ラジン/エチレンジアミン溶液を食刻液に用いて50℃
で2分間エッチング処理し、前記絶縁膜層4を選択的に
エッチングし、窓6Bをあけ、第1導体層3をこの部分
で露出させた。しかるのち第1導体層3を腐食すること
なく感光樹脂層5のみを食刻するレジスト剥離液(ジク
ロロベンゼン)を用いて100℃で2分間浸漬処理し、
感光樹脂層5を完全に除去した。層間絶縁層4の膜厚は
約3μmであった。さらに公知の真空蒸着法、スパッタ
法及び写真食刻技術を用いてアルミニウムの第2導体層
7を形成し、第1導体層3との電気的接続を完全に行っ
た。さらに得られた多層配線構造体上にポリアミド酸溶
液を第2導体層7の上に回転数4000rpmでスピナ
ー塗布し、層間絶縁膜層4を形成したと同じ方法で表面
保護膜層8を形成し、半導体装置を作製した。なお、表
面保護層8は、図1の工程(e)に示すような窓あけ
(ポリイミド系樹脂膜の選択的エッチング)処理はして
いないため、第2導体層7は露出していない。また、そ
の後に半導体基板の封止(パッケージ)処理も行ってい
ない。
【0065】実施例4 温度計,かくはん装置,乾燥管,窒素導入管を備えた4
つ口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド8gを入
れ、次いで1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)ベンゼン〔構造式(a)〕0.06g
(0.1ミリモル)及び4,4′−ジアミノジフエニル
メタン0.38g(1.9ミリモル)を入れ均一溶液に
なるまでかくはんした。次に氷浴で冷却しながら、エチ
レングリコールビス(トリメリット酸無水物)0.82
g(2ミリモル)を少量づつ添加した。添加終了後、氷
浴で冷却しながら3時間、ついで室温で2時間反応さ
せ、ポリアミド酸を得た。この後、実施例1に準じてポ
リアミド酸を単離し、還元粘度を測定した。さらに、実
施例1に準じてポリイミドの皮膜を作製し、ガラス転移
温度、熱分解温度、吸水率及び誘電率を測定した。これ
らの測定結果を表3に示す。また、上記ポリアミド酸の
溶液を用いて実施例3に準じて半導体装置を作製した。
【0066】実施例5 温度計,かくはん装置,乾燥管,窒素導入管を備えた4
つ口フラスコに乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド
8g、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン〔構造式(a)〕1.1g(2ミリモ
ル)を入れ、かくはんした。ジアミンが溶解した後、氷
浴で冷却しながら、1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物0.392g(2ミリモル)を少
量づつ添加した。添加終了後氷浴で冷却しながら5時間
反応させ、ポリアミド酸の溶液を得た。この後、実施例
1に準じてポリアミド酸を単離し、還元粘度を測定し
た。さらに、実施例1に準じてポリイミドの皮膜を作製
し、ガラス転移温度、熱分解温度、吸水率及び誘電率を
測定した。これらの測定結果を表3に示す。また、上記
ポリアミド酸の溶液を用いて実施例3に準じて半導体装
置を作製した。
【0067】実施例6 温度計,かくはん装置,乾燥管,窒素導入管を備えた4
つ口フラスコに乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド
8g、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン〔構造式(a)〕1.1g(2ミリモ
ル)を入れ、かくはんした。ジアミンが溶解した後、氷
浴で冷却しながら、ブタンテトラカルボン酸二無水物
0.396g(2ミリモル)を少量づつ添加した。添加
終了後氷浴で冷却しながら5時間反応させ、ポリアミド
酸の溶液を得た。この後、実施例1に準じてポリアミド
酸を単離し、還元粘度を測定した。さらに、実施例1に
準じてポリイミドの皮膜を作製し、ガラス転移温度、熱
分解温度、吸水率及び誘電率を測定した。これらの測定
結果を表3に示す。また、上記ポリアミド酸の溶液を用
いて実施例3に準じて半導体装置を作製した。
【0068】実施例7 温度計,かくはん装置,乾燥管,窒素導入管を備えた4
つ口フラスコに乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド
8g、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン〔構造式(a)〕1.1g(2ミリモ
ル)を入れ、かくはんした。ジアミンが溶解した後、氷
浴で冷却しながら、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,
1〕ヘプタ−2,3−ジカルボン酸無水物)スルホン
0.788g(2ミリモル)を少量づつ添加した。添加
終了後氷浴で冷却しながら5時間反応させ、ポリアミド
酸の溶液を得た。この後、実施例1に準じてポリアミド
酸を単離し、還元粘度を測定した。さらに、実施例1に
準じてポリイミドの皮膜を作製し、ガラス転移温度、熱
分解温度、吸水率及び誘電率を測定した。これらの測定
結果を表3に示す。また、上記ポリアミド酸の溶液を用
いて実施例3に準じて半導体装置を作製した。
【0069】比較例1 温度計,かくはん装置,乾燥管,窒素導入管を備えた4
つ口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド8g、
4,4′−ジアミノジフエニルエーテル0.4g(2ミ
リモル)を入れ均一溶液になるまでかくはんした。ジア
ミンが溶解した後、氷浴で冷却しながら、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフエニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物0.89g(2ミリモル)を少量づつ添加
した。添加終了後氷浴で冷却しながら5時間反応させ、
ポリアミド酸を得た。この後、実施例1に準じてポリア
ミド酸を単離し、還元粘度を測定した。さらに、実施例
1に準じてポリイミドの皮膜を作製し、ガラス転移温
度、熱分解温度、吸水率及び誘電率を測定した。これら
の測定結果を表3に示す。また、上記ポリアミド酸の溶
液を用いて実施例1に準じて半導体装置を作製した。
【0070】比較例2 比較例1において2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フエニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物0.89g
(2ミリモル)の代わりにベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸二無水物0.64g(2ミリモル)を用いること以
外は、比較例1に準じてポリアミド酸を得た。この後、
実施例1に準じてポリアミド酸を単離し、還元粘度を測
定した。さらに、実施例1に準じてポリイミドの皮膜を
作製し、ガラス転移温度、熱分解温度、吸水率及び誘電
率を測定した。これらの測定結果を表3に示す。また、
上記ポリアミド酸の溶液を用いて実施例1に準じて半導
体装置を作製した。
【0071】なお、以上において、ガラス転移温度、熱
分解温度、吸水率及び誘電率の測定条件は以下に示す通
りである。 1)ガラス転移温度 パーキンエルマ社製DSC−7型を用い昇温速度10℃
/min 試料量約10mgで測定した。 2)熱分解温度 示差熱天秤(真空理工(株)製TG−7000型)を用
い昇温速度10℃/min で測定した。 3)吸水率 ポリイミドフイルムを室温で24時間水に浸漬し、その
前後の重量変化より求めた。 4)誘電率 周波数10kHz、室温の条件で誘電率測定装置を用い
て測定した。
【0072】
【表3】
【0073】試験例1 実施例1〜7及び比較例1〜2で作製した半導体装置を
試料として耐湿試験を行った。この試験は、試料を12
1℃、蒸気圧2気圧の状態下で2時間放置した後、各々
の試料について導体層であるアルミニウム配線層の腐食
進行状況を顕微鏡で観察して行った。その結果を表4に
示す。
【表4】
【0074】これらの結果から、実施例1〜7における
本発明の半導体装置は、比較例1〜2の半導体装置と比
較して優れた耐湿性を有することが示される。
【0075】
【発明の効果】請求項1又は請求項4における半導体装
置は、耐湿性に優れ、低誘電率の層間絶縁膜又は表面保
護膜を有する。請求項2又は請求項3における組成物
は、耐湿性に優れ、低誘電率の半導体用層間絶縁膜又は
表面保護膜を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線構造の半導体装置の製造工程図であ
る。
【符号の説明】
1…半導体基板 2…保護膜 3…第1導体層 4…層間絶縁膜層 5…感光樹脂層 6A,6B,6C…窓 7…第2導体層 8…表面保護膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08G 73/10 NTF 9285−4J (72)発明者 宮寺 康夫 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業株 式会社筑波開発研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化1〔一般式(I)〕 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、Rはテトラカルボン酸二無
    水物の四価の残基、Rfは、−Cn2n-1(ここでnは6
    〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合を1個含
    み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水素は、適
    宜置換基で置換されていてもよい〕で表される構成単位
    を含んでなる含フツ素ポリイミドを含有してなる樹脂膜
    を半導体の多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜
    として用いてなる半導体装置。
  2. 【請求項2】化2〔一般式(II)〕 【化2】 〔ただし、一般式(II)中、Rはテトラカルボン酸二無
    水物の四価の残基、Rfは、−Cn2n-1(ここでnは6
    〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合を1個含
    み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水素は、適
    宜置換基で置換されていてもよい〕で表される構成単位
    を含んでなる含フツ素ポリアミド酸を含有してなる半導
    体の多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組成
    物。
  3. 【請求項3】 (a) テトラカルボン酸二無水物を含む酸
    無水物 及び (b) 化3〔一般式(III)〕 【化3】 〔ただし、一般式(III)中Rf は、−Cn2n-1(ここ
    でnは6〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合
    を1個含み、適宜分岐していてもよく、ベンゼン環の水
    素は、適宜置換基で置換されていてもよく、2個のアミ
    ノ基は、それぞれ芳香環にエーテル結合に対してオルト
    位,メタ位またはパラ位に結合している〕で表される含
    フツ素芳香族ジアミン化合物を含むジアミンを反応させ
    て得られる含フッ素ポリイミド系樹脂を含有してなる半
    導体の多層配線用層間絶縁膜及び/又は表面保護膜用組
    成物。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の組成物を加熱乾燥させて
    得られる樹脂膜を半導体の多層配線用層間絶縁膜及び/
    又は表面保護膜として用いてなる半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069182A (ja) * 2000-09-01 2002-03-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 新規ジアミン及びそれからなるポリイミド、ポリイソイミドならびにその製造方法
JP2007176805A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd アミノフェノール化合物
WO2008105551A1 (ja) 2007-02-28 2008-09-04 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. 有機絶縁材料、それを用いた有機絶縁膜用ワニス、有機絶縁膜及び半導体装置

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