JP2002069182A - 新規ジアミン及びそれからなるポリイミド、ポリイソイミドならびにその製造方法 - Google Patents

新規ジアミン及びそれからなるポリイミド、ポリイソイミドならびにその製造方法

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JP2002069182A
JP2002069182A JP2000265817A JP2000265817A JP2002069182A JP 2002069182 A JP2002069182 A JP 2002069182A JP 2000265817 A JP2000265817 A JP 2000265817A JP 2000265817 A JP2000265817 A JP 2000265817A JP 2002069182 A JP2002069182 A JP 2002069182A
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Japan
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diamine
carbon
acid
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Application number
JP2000265817A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Okada
好史 岡田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有用なモノマーである多官能性の新規ジアミン
及びそれからなるポリイミド、ポリイソイミドを提供す
ることを目的とする。 すなわち、炭素―炭素二重結合
または炭素―炭素三重結合を含む有機基を有し、それら
の反応基特有の光反応性及び熱反応性を併せ持つ新規ジ
アミン、ポリイミド、ポリイソイミド及びその製造方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、一般式(1)化1で表される新
規ジアミンであり、また、水酸基を有するジアミンのア
ミノ基を保護基で保護した後で、反応基を導入し、保護
基を脱保護することを特徴とするジアミンおよびそれか
らなるポリイミド、ポリイソイミドを提供する。 【化1】 (Rは、炭素―炭素二重結合または炭素―炭素三重結
合を有する1価の有機基、Rは、水素・ハロゲン・メ
トキシ基・炭素数1〜20のアルキル基を、Rは、直
結・−O−・−CH−・−C(CH−・−S−
・−SO−・−C(CF−を、pは1か0を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なジアミン及
びその製造方法またこれより得られるポリイミド、ポリ
イソイミドに関するものである。詳しくは、熱反応性、
光反応性を有する有機基、例えば、桂皮酸・カルコン・
ベンザルアセトフェノン・スチルベン・クマリン・ピロ
ン・アリル・プロパルギル・アセチレン・CH=CH
−・CH=C(CH)−あるいはそれらの誘導体の
骨格を有し、それらの反応基特有の光反応性及び熱反応
性を併せ持つ新規ジアミンに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、種々の有機ポリマ−の中
でも耐熱性に優れているため、宇宙、航空分野から電子
通信分野、OA機器分野など幅広く用いられている。特
に最近では、単に耐熱性に優れているだけでなく、用途
に応じて種々の性能を併せ持つことが望まれている。
【0003】既存の高分子に、高分子反応によって感光
基をペンダントさせることにより感光性高分子を得るこ
とができる。この方法でつくられた感光性高分子の代表
例は、コダック社のMinskら(J.Appl Po
lymer Sci.,2,302(1959)により
発明されたポリビニルシンナマートである。ポリビニル
シンナマートはポリビニルアルコールを桂皮酸クロリド
でエステル化してつくる。このポリマーは光照射を受け
るとシクロブタン環を形成して架橋硬化する。
【0004】しかし、ポリイミドの側鎖に桂皮酸誘導体
骨格が用いられている例は、特開昭55−45747号
が知られているのみである。
【0005】反応基は、2重結合または3重結合を有し
ており、熱硬化性樹脂としての利用も考えられるが、ポ
リイミドに反応基を導入し、熱硬化性樹脂として用いら
れている例はほとんどない。
【0006】また、ポリマーの繰り返し単位当たりの反
応基の数が多くなれば、架橋密度が向上し、物性の向上
が望まれるが、反応基を多く有する多官能性のジアミン
を提供した例は少ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、有用なモノマ
ーである多官能性の新規ジアミンを提供することを目的
とする。
【0008】すなわち、炭素―炭素二重結合、または炭
素―炭素三重結合を有する有機基、例えば、桂皮酸・カ
ルコン・ベンザルアセトフェノン・スチルベン・クマリ
ン・ピロン・アリル・プロパルギル・アセチレン・CH
=CH−・CH=C(CH )−あるいはそれらの
誘導体骨格を有し、それらの反応基特有の光反応性及び
熱反応性を併せ持つ新規ジアミン及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定の構造を有する新規ジアミンによって、所
定の目的が達成できることを見出し、本発明を完成する
に至った。本発明の第1は、構造が一般式(1) 化4
【0010】
【化4】
【0011】(Rは、炭素―炭素二重結合または炭素
―炭素3重結合を有する1価の有機基を、Rは、水素
・ハロゲン・メトキシ基・炭素数1〜20のアルキル基
を、R は、単結合・−O−・−CH−・−C(CH
−・−S−・−SO−・−C(CF
を、pは1か0を示す。)で表わされることを特徴とす
る新規ジアミンを、
【0012】本発明の第2は、一般式(1)において、
が、化5
【0013】
【化5】
【0014】(Rは、水素・ハロゲン・メトキシ基・
炭素数1〜20のアルキル基を示す。)から選ばれる1
価の有機基であることを特徴とする請求項1に記載する
新規ジアミンを、
【0015】本発明の第3は、(a)水酸基を有するジ
アミンのアミノ基を保護基で保護する工程 (b)炭素―炭素二重結合または炭素―炭素3重結合を
有する1価の有機基を1以上導入する工程 (c)保護基を脱保護する工程 を含む、ジアミンの製造方法を、
【0016】本発明の第4は、(a)水酸基を有するジ
アミンのアミノ基を保護基で保護する工程 (b)下記(I)群 化6
【0017】
【化6】
【0018】(Rは、水素・ハロゲン・メトキシ基・
炭素数1〜20のアルキル基を示す。)で表わされる1
価の有機基から選択される1以上の反応基を導入する工
程 (c)保護基を脱保護する工程 を含む、ジアミンの製造方法を、
【0019】本発明の第5は、少なくとも前記記載のジ
アミンを含むジアミンと、酸二無水物を原料として得ら
れる、ポリイミドを、
【0020】本発明の第6は、少なくとも前記記載のジ
アミンを含むジアミンと、酸二無水物を原料として得ら
れる、ポリイソイミドを、それぞれ内容とするものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、一般式(1)化7
【0022】
【化7】
【0023】(Rは、炭素―炭素二重結合または炭素
―炭素三重結合を有する1価の有機基を、Rは、水素
・ハロゲン・メトキシ基・炭素数1〜20のアルキル基
を、R は、単結合・−O−・−CH−・−C(CH
−・−S−・−SO−・−C(CF
を、pは1または0を示す。)で表される新規ジアミン
及びそれを原料とすることにより、炭素―炭素二重結合
または炭素―炭素三重結合を有する有機基特有の光や熱
に対する反応性、及び溶剤可溶性を併せ持つポリイミド
をはじめとする各種耐熱性高分子を提供することができ
る。上記反応基としては、特に、桂皮酸・カルコン・ベ
ンザルアセトフェノン・スチルベン・クマリン・ピロン
・アリル・プロパルギル・アセチレン・CH=CH−
・CH=C(CH)−およびこれらの誘導体骨格か
ら選択される反応基が、挙げられる。
【0024】詳しくは、上記一般式(1)中、R
が、化8
【0025】
【化8】
【0026】(Rは、水素・ハロゲン・メトキシ基・
炭素数1〜20のアルキル基を示す。)から選択される
1価の有機基であることが好ましい。
【0027】このような有機基を有する本発明のジアミ
ンは、光反応性、熱反応性を有する。従って、本発明の
ジアミンを用いて合成される化合物は、これらの光反応
性、熱反応性を併せ有することができる。高分子反応に
よって光反応性、熱反応性を有する有機基を高分子にペ
ンダントさせることができ、例えば、これらのジアミン
と、酸二無水物と反応させてポリイミドまたはポリイソ
イミドを製造することができる。これらのポリイソイミ
ドまたはポリイミドは、光反応性つまり感光性樹脂とし
て用いることができ、しかも、ポリイミド、ポリイソイ
ミド特有の耐熱性を併せ有することが期待できる。同様
に耐熱性の熱硬化性樹脂としても用いることができる。
【0028】次に本発明のジアミンについて、具体的な
合成方法の1例を挙げて説明する。
【0029】最初に下記一般式(A)化9、
【0030】
【化9】
【0031】(式中、Rは、水素・ハロゲン・メトキ
シ基・炭素数1〜20のアルキル基を、Rは、単結合
・−O−・−CH−・−C(CH−・−S−・
−SO −・−C(CF−を、Rは、1価の有
機基を示す。)のように水酸基を有するジアミンのアミ
ノ基を保護する。
【0032】用いられる保護基は、アミノ基の保護に用
いられる保護基であれば、いずれの保護基をも選択する
ことができる。アミノ基の保護基としては、例えば、ベ
ンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシ
カルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、メチルカル
ボニル等を例示することができる。これらの保護基の導
入反応について説明する。
【0033】まず、t−ブトキシカルボニル基の導入条
件について説明する。例えば、ジ−t−ブチルジカルボ
ネート(構造式: ((CH3)3C-O-CO)2O )と水酸基を有
するジアミンと反応することにより一般式(A)(この
場合、一般式(A)中,Rは、(CH3)3C-O− )が得
られる。反応条件は、テトラヒドロフラン等の非プロト
ン性有機溶媒中反応してもよいし、有機溶媒と水との界
面反応により行なってもよい。反応温度は、ジ−t−ブ
チルジカルボネート(構造式: ((CH3)3C-O-CO)2O)の
分解を防ぐため、50℃以下が好ましく、より好ましく
は0〜40℃で反応させる。上記の反応により、目的の
t−ブトキシカルボニル基(構造式:(CH3)3C-O− )
を導入することができる。
【0034】次に、CHCO−の導入条件について説
明する。例えば、無水酢酸と水酸基を有するジアミンと
反応することにより一般式(A)(この場合、一般式
(A)中,R=CHCO− )が得られる。反応
条件は、テトラヒドロフラン等の非プロトン性有機溶媒
中反応してもよいし、有機溶媒と水との界面反応により
行なってもよい。反応温度は、室温以上無水酢酸の沸点
以下の温度で反応させる。これらの反応により、目的の
CHCO−を導入することができる。
【0035】ベンジルオキシカルボニル基の導入条件に
ついて説明する。例えば、安価な塩化ベンジルオキシカ
ルボニルと水酸基を有するジアミンと反応することによ
り一般式(A)(この場合、一般式(A)中,R
ベンジルオキシカルボニル基)が得られる。反応条件
は、トリエチルアミン等の3級アミンや、塩基の存在下
でテトラヒドロフラン等の非プロトン性有機溶媒中反応
してもよいし、有機溶媒と水との界面反応を用いて行っ
てもよい。
【0036】9−フルオレニルメトキシカルボニル基の
導入条件も、例えば、9−フルオレニルメトキシカルボ
ニルクロライドを用いる以外は、ベンジルオキシカルボ
ニル基の導入条件と同様である。
【0037】次に、炭素―炭素二重結合または炭素―炭
素三重結合を有する有機基の導入方法について説明す
る。
【0038】エステル化触媒の存在下で一般式(A)と
COOHと反応させるか、一般式(A)とRCO
Clと反応させて、一般式(B)化10を得る。
【0039】
【化10】
【0040】(式中、Rは、炭素―炭素二重結合また
は炭素―炭素3重結合を有する1価の有機基を、R
は、1価の有機基を示す。)
【0041】酸クロライドを用いる際には、発生する塩
酸をトラップするための3級アミン等の塩基が必要であ
る。反応条件として、非プロトン性溶媒中3級アミン等
の塩基の存在下で一般式(4)と酸クロライドと反応さ
せることにより容易に一般式(B)を得ることができ
る。また炭酸ナトリウム・水酸化カリウム・トリエチル
アミン等の塩基の存在下で非プロトン溶媒と水の界面反
応の条件で一般式(4)と酸クロライドを反応させても
同様の結果が得られる。
【0042】次に、一般式(B)の保護基を分解するこ
とにより、脱保護して一般式(1)化11
【0043】
【化11】
【0044】(Rは、炭素―炭素二重結合または炭素
―炭素3重結合を有する1価の有機基を、Rは、水素
・ハロゲン・メトキシ基・炭素数1〜20のアルキル基
を、R は、単結合・−O−・−CH−・−C(CH
−・−S−・−SO−・−C(CF−か
ら選択される2価の有機基を、pは1または0を示
す。)を得る条件について説明する。
【0045】t−ブトキシカルボニル基を脱保護する方
法について説明する。t−ブトキシカルボニル基は、酸
により容易に分解され脱保護することができる。例えば
トリフルオロ酢酸と室温で混合すれば、数分〜1時間程
度で分解され、アルカリで中和すれば目的の一般式
(1)を得ることができる。また、塩酸とジオキサン等
の溶媒と混合して加熱し、中和することによっても同様
に一般式(1)を得ることができる。保護基がCH
O−の場合も同様条件により一般式(1)を得ることが
できる。
【0046】次に、ベンジルオキシカルボニル基を脱保
護する方法について説明する。ベンジルオキシカルボニ
ル基は、パラジウムカーボンを触媒とする接触還元や、
トリフルオロメタンスルホン酸やトリフルオロ酢酸等の
酸によって容易に脱保護できる。本発明のジアミンは、
桂皮酸などの2重結合を有する部位を持つため、接触還
元ではなく酸によって脱保護することが好ましい。例え
ば、例えばトリフルオロメタンスルホン酸と室温で混合
すれば、数分〜1時間程度で分解され、アルカリで中和
すれば目的の一般式(1)を得ることができる。また、
塩酸とジオキサン等の溶媒と混合して感熱し、中和する
ことによっても同様に一般式(1)を得ることができ
る。
【0047】用いられる保護基の中では、t−ブトキシ
カルボニル基が最も簡便に脱保護されるため好ましい。
【0048】このジアミンを用いて、ポリイミドまたは
ポリイソイミドを合成する方法を述べる。
【0049】このジアミンと酸二無水物を有機極性溶媒
中で反応させ、ポリアミド酸とし、3級アミンの存在下
で、無水テトラフルオロ酢酸あるいはジシクロヘキサン
カルボジイミドと反応させることにより、桂皮酸・カル
コン・ベンザルアセトフェノン・スチルベン・クマリン
・ピロン・アリル・プロパギル・アセチレン等の反応基
を有するポリイソイミド組成物を得ることができる。
【0050】また、同様にポリアミド酸をピリジン・ピ
コリン・イソキノリン等の3級アミンの存在下で無水酢
酸等の酸無水物と反応させることにより、桂皮酸・カル
コン・ベンザルアセトフェノン・スチルベン・クマリン
・ピロン・アリル・プロパギル・アセチレン等の反応基
を有するポリイミド組成物を得ることができる。
【0051】ポリアミド酸の平均分子量は5,000〜
1,000,000であることが望ましい。平均分子量
が5,000未満では、できあがったポリイミド・ポリ
イソイミド組成物の分子量も低くなり、そのポリイミド
・ポリイソイミド組成物をそのまま光反応性樹脂として
用いても樹脂が脆くなり好ましくない。一方、1,00
0,000を越えるとポリアミド酸ワニスの粘度が高く
なりすぎ取扱いが難しくなって好ましくない。
【0052】また、このポリイミド・ポリイソイミド組
成物に各種の有機添加剤、あるいは無機のフィラー類、
または各種の強化材を複合することも可能である。
【0053】ここで該ポリアミド酸の生成反応に使用さ
れる有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキ
シド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶
媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど
のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、
またはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクト
ンなどをあげることができ、これらを単独または混合物
として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエ
ンのような芳香族炭化水素の一部使用も可能である。
【0054】このポリイミド・ポリイソイミド組成物に
用いられる酸二無水物は、酸二無水物であれば特に限定
されないが、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタン
テトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテ
トラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボ
キシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−
テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−
(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル
−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族また
は脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二
無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルス
ルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェ
ニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフ
ィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−
ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプ
ロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイ
ソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フ
タル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−
フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、
m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェ
ニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)
−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テト
ラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−
ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナ
フト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−
5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、
下記一般式(C)化12
【0055】
【化12】
【0056】(式中Rは芳香環を有する2価の有機基
を示し、RおよびRはそれぞれ水素原子またはアル
キル基を示す。)
【0057】下記一般式(D)化13
【0058】
【化13】
【0059】(式中Rは芳香環を有する2価の有機基
を示し、R10およびR11はそれぞれ水素原子または
アルキル基を示す。)で表わされる化合物等の芳香環を
有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げること
ができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独
でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0060】このポリイミド・ポリイソイミド組成物に
用いられるジアミンは、本発明のジアミンの他に種々ジ
アミンを用いることができる。ジアミンであれば特に限
定されないが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−
フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノフェニルエタン、4,4’−
ジアミノフェニルエーテル、4,4’−ジジアミノフェ
ニルスルフィド、4,4’−ジジアミノフェニルスルフ
ォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル
−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−
(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルイ
ンダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−
1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノ
ベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオ
ロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−ト
リフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、4,4‘−メチレン−ビス(2−クロロアニリ
ン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−
ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−
ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3
‘−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,
4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチ
ル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニ
ル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスア
ニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデ
ン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ
−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミ
ノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフ
ルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラ
フェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミ
ノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有す
る芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、
1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノ
ナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレン
ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォ
ロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレン
ジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレン
ジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,0
2.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−
メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジア
ミンおよび脂環式ジアミン;下記一般式(E) 化14
【0061】
【化14】
【0062】で表わされるモノ置換フェニレンジアミン
類(式中R12は、−O−,−COO−,−OCO−,
−CONH−及び−CO−から選ばれる2価の有機基を
示し、R13はステロイド骨格を有する1価の有機基を
示す。);下記化学式 化15
【0063】
【化15】
【0064】(R14は炭素数1〜12の炭化水素基を
示し、yは1〜3の整数であり、zは1〜20の整数で
ある。)で表わされる化合物等を挙げることができる。
これらのジアミン化合物は単独でまたは2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0065】ポリアミド酸の合成法について説明する。
先ず、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気中において、一
般式(1)化16
【0066】
【化16】
【0067】(Rは、炭素―炭素二重結合または炭素
―炭素3重結合を有する1価の有機基を、Rは、水素
・ハロゲン・メトキシ基・炭素数1〜20のアルキル基
を、R は、単結合・−O−・−CH−・−C(CH
−・−S−・−SO−・−C(CF−か
ら選択される2価の有機基を、pは1または0を示
す。)で表されるジアミン、と、一般式(F) 化17
【0068】
【化17】
【0069】(式中R15は、1種又は2種以上の4価
の有機基である。)で表される酸二無水物を有機溶媒中
に溶解または拡散させる。この場合のジアミンと酸二無
水物が実質上等モルであれば、一般式(2)に示される
ポリイミド・ポリイソイミドの前駆体であるn=0の場
合のポリアミド酸溶液となる。ジアミンと酸二無水物の
モル比が異なる場合、更に上記ポリアミド酸溶液に一般
式(G) HN−R−NH (式中Rは、2価
の有機基を示す。)で表されるジアミン化合物を有機溶
媒にジアミンと酸二無水物のモル比が等量となるように
加え溶解し、スラリー状に拡散させた状態で、または固
体の状態で添加する。
【0070】この溶液に一般式(H)化18
【0071】
【化18】
【0072】(R16は、4価の有機基)で表される酸
二無水物を有機溶媒中に添加し、ポリアミド酸共重合体
溶液を得る。このように、上記の酸二無水物成分及びジ
アミン成分のモル比を調整してポリアミド酸共重合体を
任意に得ることができる。
【0073】各モノマーの添加順序としては、ジアミン
成分である上記一般式(1)及び一般式(G)を有機極
性溶媒中に先に加えておき、ついで酸二無水物成分であ
る一般式(F)を加え、ポリアミド酸重合体の溶液とし
てもよい。また、一般式(G)を有機極性溶媒中に先に
加えておき、酸二無水物成分である一般式(F)を加
え、そのあと一般式(1)を加え、そのあと一般式
(H)を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよ
い。また、ジアミン成分である上記一般式(1)及び一
般式(G)を有機極性溶媒中に先に加えておき、ついで
酸二無水物成分である一般式(F)の数種の酸二無水物
を同時に加え、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよ
い。
【0074】上記の添加方法を逆にし、酸二無水物を先
に加え、ジアミン成分を後に加えるようにしても実質上
は同じである。
【0075】この時の反応温度は、−20℃〜60℃が
望ましい。反応時間は30分から24時間程度である。
【0076】このようにして得たポリアミド酸共重合体
に、3級アミンの存在下で、無水テトラフルオロ酢酸あ
るいはジシクロヘキサンカルボジイミドと反応させるこ
とにより、ポリイソイミドを得ることができる。ここで
いう、3級アミンとは、トリエチルアミン、トリブチル
アミン等のようなアルキルアンモニア誘導体をいう。
【0077】また、同様に、ポリアミド酸をピリジン・
ピコリン・イソキノリン等の3級アミンの存在下で無水
酢酸等の酸無水物と反応させることにより、桂皮酸・カ
ルコン・ベンザルアセトフェノン・スチルベン・クマリ
ン・ピロン・アリル・プロパギル・アセチレン等の反応
基を有するポリイミド組成物を得ることができる。
【0078】本発明のジアミンと、縮合剤とジカルボン
酸と反応させるか、ジ酸クロライドと反応させることに
より、ポリアミドを得ることができる。
【0079】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0080】IRは、PERKIN ELMER製 FT
−IR System 2000を用い、KBr粉末に試
料を入れペレットに加工して、透過光を測定した。
【0081】H−NMRは、試料を重水素化ジメチル
スルフォキシドと重水素化クロロフォルムの混合溶液に
約4%に溶かし、日本電子製PMX60si NMRス
ペクトロメーターにより、テトラメチルシラン基準で測
定した。
【0082】重量平均分子量は、Waters製GPC
を用いて以下条件で測定した。(カラム:Shodex
製 KD−806M 2本、温度60℃、検出器:R
I、流量:1ml/分、展開液:DMF(臭化リチウム
0.03M、リン酸0.03M)、試料濃度:0.2w
t%、注入量:20μl、基準物質:ポリエチレンオキ
サイド)
【0083】(実施例1)4,4‘−ビス{2−ヒドロ
キシ(フェニル−t−ブトキシウレタン)}(下記構造
式 化19)の合成
【0084】
【化19】
【0085】3,3‘−ジヒドロキシ−4,4’−ジア
ミノベンジジン43.25g(200ミリモル)、テト
ラヒドロフラン(以下THF)1000ミリリットル、2
wt%塩化ナトリウム水溶液500ミリリットルを反応
容器にとり、激しく攪拌を行った。そこにジ−t−ブト
キシカルボネート98.2g(450ミリモル)をTH
F300ミリリットルに溶かし、滴下した。以後8時間
室温で攪拌を続けた。塩化メチレン500ミリリットル
を反応溶液に足し、油層を分液漏斗で分け、無水硫酸マ
グネシウムで脱水後、濃縮乾燥して、80.8g(収率
97.0%)の表記物質を得た。IR(KBr):29
79(CH),1697cm−1(C=O),H−
NMR:δ9.75(s,Ph−OH,2H),7.6
0(s,NHCO,2H),7.70〜6.80(m,
Ph−H,6H),1.47(s,CH,18H)
【0086】4,4‘−ビス{2−(フェニル−t−ブ
トキシウレタン)4−フルオロシンナメート}(下記構
造式 化20)の合成
【0087】
【化20】
【0088】4,4‘−ビス{2−ヒドロキシ(フェニ
ル−t−ブトキシウレタン)}79.13g(0.19
モル)、ピリジン59.25g(0.75モル)、メチ
ルエチルケトン(以下MEK)700ミリリットルを反
応溶液にとり、4−フルオロ桂皮酸クロライド72g
(0.39モル)をMEK300ミリリットルに溶かし
たものを滴下し、2時間還流攪拌を窒素気流下で行っ
た。
【0089】反応終了後、濾別・水洗し、乾燥して、表
記目的物、125g(収率92.3%)を得た。IR
(KBr):3365(NH),2982(CH),
1746(C=O),1714cm−1(C=O)
【0090】4、4−ジアミノビフェニル−2,2‘−
ビス4−フルオロシンナメート(下記構造式 化21)
の合成
【0091】
【化21】
【0092】4,4‘−ビス{2−(フェニル−t−ブ
トキシウレタン)4−フルオロシナメート} 96.2g
(135ミリモル)をトリフルオロ酢酸150gに加
え、室温で20分間攪拌した。本溶液を水1000ミリ
リットルに投入し、炭酸ナトリウムにて中和し、沈殿を
濾別水で洗浄乾燥して、69gの黄色の固体を得た。こ
の固体を、N,N−ジメチルフォルムアミド(以下DM
F)−エタノール混合液にて再結晶して、表記の4、4
−ジアミノビフェニル−2,2‘−ビス4−フルオロシ
ンナメート50g(収率72.3%)を得た。IR(K
Br):3411(NH),3329(NH),171
8cm−1(C=O),H−NMR:δ8.02〜
6.73(m,Ph−H,14H),6.93(s,C
H=CH,2H),6.67(s,CH=CH,2
H),4.97(s,NH,4H)
【0093】(実施例2)2,2−ビス{3−t−ブト
キシウレタン‐4−ヒドロキシフェニル}ヘキサフルオ
ロプロパン(下記構造式 化22)の合成
【0094】
【化22】
【0095】2,2−ビス{3−アミノ−4−ヒドロキ
シフェニル}ヘキサフルオロプロパン18.31g(5
0ミリモル)、THF200ミリリットル、2wt%塩
化ナトリウム水溶液200ミリリットルを反応容器にと
り、激しく攪拌を行った。そこにジ−t−ブトキシカル
ボネート26.19g(120ミリモル)をTHF10
0ミリリットルに溶かし、滴下した。以後8時間室温で
攪拌を続けた。塩化メチレン200ミリリットルを反応
溶液に足し、油層を分液漏斗で分け、無水硫酸マグネシ
ウムで脱水後、濃縮乾燥して、21.5g(収率92
%)の表記物質を得た。IRおよびH−NMRは、実
施例1と同様にして測定した。
【0096】2,2−ビス{3−t−ブトキシウレタン
−4−(4−フルオロ桂皮酸)フェニル}ヘキサフルオ
ロプロパン(下記構造式 化23)の合成
【0097】
【化23】
【0098】2,2−ビス{3−t−ブトキシウレタン
‐4−ヒドロキシフェニル}ヘキサフルオロプロパン1
8.65g(40ミリモル)、ピリジン7.9g(10
0ミリモル)、MEK300ミリリットルを反応溶液に
とり、4−フルオロ桂皮酸クロライド18.4g(0.
1モル)をMEK100ミリリットルに溶かしたものを
滴下し、2時間還流攪拌を窒素気流下で行った。
【0099】反応終了後、濾別・水洗し、乾燥して、表
記目的物、26.7g(収率87.5%)を得た。IR
およびH−NMRは、実施例1と同様にして測定し
た。
【0100】2,2−ビス{3−アミノ−4−(4−フ
ルオロ桂皮酸)フェニル}ヘキサフルオロプロパン(下
記構造式 化24)の合成
【0101】
【化24】
【0102】2,2−ビス{3−t−ブトキシウレタン
−4−(4−フルオロ桂皮酸)フェニル}ヘキサフルオ
ロプロパン22.87g(30ミリモル)をトリフルオ
ロ酢酸100gに加え、室温で20分間攪拌した。本溶
液を水1000ミリリットルに投入し、炭酸ナトリウム
にて中和し、沈殿を濾別水で洗浄乾燥して、16.5g
の固体を得た。この固体を、エタノールにて再結晶し
て、表記の2,2−ビス{3−アミノ−4−(4−フル
オロ桂皮酸)フェニル}ヘキサフルオロプロパン12.
66g(収率75%)を得た。IRおよびH−NMR
は、実施例1と同様にして測定した。
【0103】
【参考例】ポリイミドの合成 攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコに
BAPS−M21.52g(0.05モル)、DMF3
00gをとり、ESDAg57.65(0.10モル)
を一気に激しく攪拌しながら加え、このまま30分間攪
拌を続けた。次いで、4、4−ジアミノビフェニル−
2,2‘−ビス4−フルオロシンナメート25.63g
(0.05モル)を加えて、30分間攪拌してポリアミ
ド酸溶液を得た。このポリアミド酸の重量平均分子量
(以後Mwと表す)は、3.8万であった。この際氷水
で冷却して反応を行った。
【0104】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかるジアミン
は、その構造中に、炭素―炭素二重結合、または炭素―
炭素三重結合を有する有機基、例えば、桂皮酸・カルコ
ン・ベンザルアセトフェノン・スチルベン・クマリン・
ピロン・アリル・プロパルギル・アセチレン・CH
CH−・CH=C(CH)−あるいはそれらの誘導
体骨格から選択される反応基を2個以上有する新規なジ
アミンである。このような有機基を有するため、本発明
のジアミンは、光反応性、熱反応性を有する。従って、
本発明のジアミンを用いて合成される化合物は、これら
の光反応性、熱反応性を併せ有することができる。高分
子反応によって光反応性、熱反応性を有する有機基を高
分子にペンダントさせることができ、例えば、これらの
ジアミンと、酸二無水物と反応させてポリイミドまたは
ポリイソイミドを製造することができる。これらのポリ
イソイミドまたはポリイミドは、光反応性つまり感光性
樹脂として用いることができ、しかも、ポリイミド、ポ
リイソイミド特有の耐熱性を併せ有することが期待でき
る。同様に耐熱性の熱硬化性樹脂としても用いることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB46 BJ50 BM30 BM71 BT16 BU46 4J043 PA02 PC016 PC036 PC046 PC086 PC116 PC136 QB26 QB31 RA34 RA35 RA64 SA06 SA47 SA49 SA51 SA63 SA64 SA72 SB01 TA14 TA78 TB01 UA042 UA052 UA082 UA121 UA122 UA131 UA132 UA262 UB011 UB021 UB121 UB122 UB272 UB281 UB301 UB302 UB401 VA011 VA051 VA091 XA13 XA19 ZA12 ZB47

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造が一般式(1) 化1 【化1】 (Rは、炭素―炭素二重結合または炭素―炭素3重結
    合を有する1価の有機基を、Rは、水素・ハロゲン・
    メトキシ基・炭素数1〜20のアルキル基を、Rは、
    単結合・−O−・−CH−・−C(CH−・−
    S−・−SO −・−C(CF−から選択される
    2価の有機基を、pは1または0を示す。)で表わされ
    ることを特徴とする新規ジアミン。
  2. 【請求項2】一般式(1)において、Rが、化2 【化2】 (Rは、水素・ハロゲン・メトキシ基・炭素数1〜2
    0のアルキル基を示す。)から選択される1価の有機基
    であることを特徴とする請求項1に記載する新規ジアミ
    ン。
  3. 【請求項3】(a)水酸基を有するジアミンのアミノ基
    を保護基で保護する工程 (b)炭素―炭素二重結合または炭素―炭素3重結合を
    有する1価の有機基を1以上導入する工程 (c)保護基を脱保護する工程 を含む、ジアミンの製造方法。
  4. 【請求項4】(a)水酸基を有するジアミンのアミノ基
    を保護基で保護する工程 (b)化3 【化3】 (Rは、水素・ハロゲン・メトキシ基・炭素数1〜2
    0のアルキル基を示す。)で表わされる1価の有機基か
    ら選択される1以上の反応基を導入する工程 (c)保護基を脱保護する工程 を含む、ジアミンの製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも、請求項1または2に記載す
    るジアミンを含むジアミンと、酸二無水物を原料として
    得られる、ポリイミド。
  6. 【請求項6】 少なくとも、請求項1または2に記載す
    るジアミンを含むジアミンと、酸二無水物を原料として
    得られる、ポリイソイミド。
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