JPH0827343A - 産業部材用のフッ素ゴム組成物 - Google Patents

産業部材用のフッ素ゴム組成物

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Publication number
JPH0827343A
JPH0827343A JP16149494A JP16149494A JPH0827343A JP H0827343 A JPH0827343 A JP H0827343A JP 16149494 A JP16149494 A JP 16149494A JP 16149494 A JP16149494 A JP 16149494A JP H0827343 A JPH0827343 A JP H0827343A
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JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
trade name
fluororubber
manufactured
Prior art date
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Pending
Application number
JP16149494A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kawasaki
弘志 川崎
Yoshimasa Enoki
祥匡 榎
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Arai Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Arai Seisakusho Co Ltd
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Publication date
Application filed by Arai Seisakusho Co Ltd filed Critical Arai Seisakusho Co Ltd
Priority to JP16149494A priority Critical patent/JPH0827343A/ja
Publication of JPH0827343A publication Critical patent/JPH0827343A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各用途においてそれぞれ適正な機能を発揮す
ることができる産業部材用のフッ素ゴム組成物を提供す
ること。 【構成】 フッ素ゴム100重量部に対して酸化クロム
を3〜120重量部添加したゴム組成物からなることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業部材用のフッ素ゴ
ム組成物に係り、特に、複写機やレーザービームプリン
タの定着部におけるメータリングブレード、クリーニン
グブレードなどのブレード部材や、往復動用オイルシー
ル、バルブステムシール、Oリング、Vパッキンなどの
シール用部材等に好適な産業部材用のフッ素ゴム組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、従来の複写機の定着部の一般的
構成を示している。この定着部においては、加熱用ラン
プ2が内蔵されている定着ローラ1と加圧ローラ3との
間に用紙4を通過させてトナーを用紙4に定着させるよ
うに形成されている。そして、この定着部においては、
離型剤としてシリコーンオイルなどを定着ローラ1の表
面に供給して離型層を形成し、トナーとのオフセットを
防止するシステムとなっており、定着ローラ1の表面に
付着したシリコーンオイルやトナーを除去するために、
メータリングブレード5若しくはクリーニングブレード
(図示せず)が定着ローラ1の表面に配設されている。
定着ローラ1の表面には、更に、クリーナ6および分離
爪7が配設されている。このメータリングブレード5に
は、耐久性、耐候性、耐シリコーンオイル性、耐熱性が
要求されるため、フッ素ゴムが一般的に使用されてい
る。
【0003】最近では離型オイルレスの定着システムが
普及しているけれども、カラー複写機等の極めて高離型
性を要求される定着システムにおいては、図2に示すよ
うに、定着部に離型剤としてシリコーンオイルを供給す
るようにしている。即ち、オイルパン8内のシリコーン
オイル9をオイル巻揚げローラ10によって巻揚げ、そ
の後にメータリングブレード5によりシリコーンオイル
9の供給量を所定量に計量してシリコーンオイル塗布ロ
ーラ11の外周面に付与し、シリコーンオイル塗布ロー
ラ11によりシリコーンオイル9を定着ローラ1に供給
するようにしている。
【0004】また、バルブステムシール装置は内燃機関
の吸・排気弁等に用いられるものであり、図3に示すよ
うに、バルブ13が燃焼室側端部に固設されるバルブス
テム12が摺動自在に遊嵌されたバルブステムガイド1
4の反燃焼室側端部にシール15の基端部を嵌合固定
し、該シール15のリップ部16を前記バルブステム1
2の外周に接触させ、エンジンオイルを掻き取ってバル
ブステム12の周面に所要の厚みの油膜を形成し、前記
のバルブステムガイド14とバルブステム12との焼き
付きを防止するように構成されている。
【0005】また、一般に、車両の懸架用のショックア
ブソーバ等においては、作動油の漏洩を防止する往復動
用オイルシールが内蔵されている。この往復動用オイル
シールは、例えば、図4に示すように形成されている。
すなわち、オイルシール17は断面が略U字形の環状の
シール本体18をもって形成されている。このシール本
体18は、ゴム組成物からなる弾性材料19内に断面略
L字形の金属製の補強環20を一体成型することによっ
て製せられている。そして、オイルシール17はシール
本体18の内周部分であって弾性材料19によって形成
されたリップ部分21をその外周部に装着したスプリン
グ22による緊迫力により往復動軸23の外周面に密着
させて、作動油の漏洩防止を図り、さらに、ダストリッ
プ24を往復動軸23の外周面に密着させて防塵を図る
ように形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のフッ素ゴム
を用いたメータリングブレード5においては、定着ロー
ラ1の表面に付着したトナー等を掻き落とし除去できる
ように、定着ローラ1の表面に圧接されているが、ブレ
ードのエッジ面とローラ表面が摺擦するため、通紙枚数
の増大とともにエッジ面に欠けが生じ、トナーが完全に
除去できなくなって部分的にリークするために画像不良
が生じ、早期にブレードの交換を余儀無くされるという
不具合があった。
【0007】また、自動車エンジン等に使用されるバル
ブステムシール15等のシール部材においては、耐熱
性、耐油性等が要求されるために、従来からその素材と
してフッ素ゴムが使用されているが、耐磨耗性の観点、
特に乾燥磨耗などに対しては必ずしも十分な耐久性を有
していなかった。
【0008】また、前記オイルシール17においては、
往復動シールの耐磨耗性を向上させるために、本出願人
はNBR100重量部に対してカーボンブラックを30
〜100重量部含有させるとともに、前記カーボンブラ
ックに対して5〜150重量部の酸化クロムを含有させ
た組成物を提案している(特開平4−356546号公
報参照)。しかしながら、シール本体の素材をフッ素ゴ
ムとした場合に、前記公報に記載の配合処方を適用しよ
うとすると、フッ素ゴムのベース硬度が高いためにカー
ボンブラックなどの高充填が困難であるという問題点が
あった。
【0009】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、前記問題点を解消し、各用途においてそれぞれ
適正な機能を発揮することができる産業部材用のフッ素
ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0010】更に、本発明は、ブレードに利用した場合
においては、磨耗や欠けを生じさせず、長期にわたって
安定したクリーニング機能を有するメータリングブレー
ドないしクリーニングブレードを得ることができ、往復
動オイルシール、バルブステムシール、Oリング、Vパ
ッキンなどのシール用部材に利用した場合においては、
耐熱性、耐油性、耐磨耗性、接着安定性等に極めて優れ
たシール用部材を得ることができる産業部材用のフッ素
ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明の産業部材用のフッ素ゴム
組成物は、フッ素ゴム100重量部に対して酸化クロム
を3〜120重量部添加したゴム組成物からなることを
特徴とする。
【0012】また、請求項2に記載の本発明の産業部材
用のフッ素ゴム組成物は、フッ素ゴム100重量部に対
して酸化クロムを3〜120重量部添加するとともに、
充填剤を30重量部未満添加したことを特徴とする。
【0013】また、請求項3に記載のメータリングブレ
ード、クリーニングブレードおよび請求項4に記載のシ
ール部材は、それぞれ請求項1または請求項2に記載の
産業部材用のフッ素ゴム組成物により形成したことを特
徴とする。
【0014】
【作用】請求項1および2に記載の本発明によれば、耐
磨耗性が向上し、各用途においてそれぞれ適正な機能を
発揮することができる産業部材用のフッ素ゴム組成物を
得ることができる。
【0015】請求項3および4に記載の本発明によれ
ば、酸化クロムをフッ素ゴムに添加することにより、耐
磨耗性が向上し、特にトナーとシリコーンオイル等が凝
集して発生するスラッジによるリップ部の欠けや異常磨
耗を防ぐことができ、また、潤滑油などから発生するス
ラッジによるリップ部の欠けや異常磨耗を防ぐことがで
きるからである。更に、相手の往復動軸を平滑にする作
用を備えていることからシール安定性に優れたものとな
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0017】本発明者等は、前記目的を達成するため鋭
意研究し、フッ素ゴム100重量部に対して、酸化クロ
ムを3〜120重量部添加してなるフッ素ゴム組成物を
使用することにより、耐磨耗性の良好なブレード部材や
シール部材等の産業部材用のフッ素ゴム組成物が得られ
ることを見出だした。
【0018】本発明において、カーボンブラックのよう
な補強性充填剤を必ずしも添加する必要がないのは、フ
ッ素ゴム自体がNBR等と異なり、ベース硬度が高いう
えに充填剤を含まない純ゴム配合でも十分な機械的強度
を有しているためと考えられる。
【0019】本発明に適用されるフッ素ゴムとしては、
特に限定されるものではないが、例えばフッ化ビニリデ
ン系、テトラフルオロエチレン−プロピレン系、テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル
系、パーフロロエーテル系、フルオロシリコーン系等が
あげられる。
【0020】フッ化ビニリデン系としては、二元系(フ
ッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体)や三
元系(フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、四フッ
化エチレンの三元共重合体)などがあげられ、これらの
フッ素ゴムとしてはフローレルの商品名で知られる住友
3M株式会社製のFC−2120、FC−2121、F
C−2122、FC−2123、FC−2144、FC
−2145、FC−2152、FC−2170、FC−
2174、FC−2176、FC−2177、FC−2
178、FC−2180、FC−2181、FC−22
11、FC−2230、FC−2250、FC−226
0、FC−3009、FLS−2530、FLS−26
50、FLS−2690、FT−2320、FT−23
50、FT−2430、FT−2481、FX−679
2、FX−9038、FX−9143等や、バイトンの
商品名で知られる昭和電工・デュポン株式会社製のA、
A−35、A−100、A−200、A−201C、A
−202C、A−203C、A−401C、A−402
C、A−500、A−HV、B、B−401、B−5
0、B−600、B−70N、B−910、E−43
0、E−45、E−60、E−60C、GF等や、ダイ
エルの商品名で知られるダイキン工業株式会社製のG−
201、G−501、G−601、G−602、G−6
03、G−621、G−701、G−702、G−70
4、G−751、G−755、G−763、G−80
1、G−901、G−902、G−912等や、テクノ
フロンの商品名で知られるモンテフルオス社(MONTEFLU
OS: イタリア)製のTN、TN50、TN80、N21
5、N535、N605K、N935、FOR421、
FOR423、FOR531、FOR532、FOR7
0、FOR45、FOR70BI、FOR65BI、F
OR45BI、FOR45C1 、FOR45C2 、FO
R60K、FOR60K1 、FOR800HE、FOR
50E、FORLHF、FORTF、FORTF50、
FOR9350、FOR9352、FOR9550、F
ORTHF等や、ミラフロンの商品名で知られる旭化成
工業株式会社製のFR−5311、FR−5311L、
FR−5312、FR−5312N、FR−5313、
FR−5520、FRX−5020、FRX−542
0、FRX−5450、FRX−5720、FRX−5
850等が例示されている。
【0021】テトラフルオロエチレン−プロピレン系と
しては、アフラスの商品名で知られる旭硝子株式会社製
の100H、100S、150E、150L、150
P、200等やフローレルII(住友3M株式会社製商品
名)が例示される。
【0022】テトラフルオロエチレン−パーフルオロメ
チルビニルエーテル系としては、バイトンGLT、バイ
トンGFLT(以上、昭和電工・デュポン株式会社製商
品名)が例示される。
【0023】パーフロロエーテル系としては、SIFE
Lの商品名で知られる信越化学工業株式会社製の20
0、210、400等が例示される。
【0024】フルオロシリコーン系としては、LS−6
3U、LS422U(以上、東レ・ダウコーニング・シ
リコーン株式会社製商品名)やFE251U、FE26
1U、FE271U、FE351U、FE371U(以
上、信越化学工業株式会社製商品名)が例示される。
【0025】本発明における酸化クロムの添加はゴムブ
レードやシール用部材の耐磨耗性を保持する上で必須の
成分であり、フッ素ゴム100重量部に対して3〜12
0重量部、好ましくは3〜100重量部、さらに好まし
くは5〜100重量部の範囲である。3重量部より少な
いと添加による効果がなく、120重量部を越えるとゴ
ムへの充填が困難になるとともにゴム弾性やゴム物性、
特に伸びが落ちるために加工性が悪くなり、クリーニン
グ機能も悪くなる。酸化クロムは化学式、Cr2 3
表される科学的に非常に安定な金属酸化物の一種であ
り、本発明の用途には平均粒径が5μm以下、好ましく
は3μm以下、さらに好ましくは1μm以下のグレード
のものが使用される。酸化クロムの粒径が5μmより大
きいと、例えばゴムブレードでは、エッジ面の欠けが大
きくなり、ブレードエッジ面の欠けた箇所から数μmの
大きさであるトナーがリークしやすくなり、結果として
画像不良を誘発するためである。シール用部材において
もリップ部に欠けが発生しているとオイルリークを誘発
するために平均粒径が5μm以下の酸化クロムが使用さ
れる。粒径の小さい酸化クロムとしては顔料用グレード
がよく、酸化クロムG5、G7、グリーンS(以上、日
本化学工業株式会社製商品名)、酸化クロムグリーンG
N、GN−M、GX(以上、バイエル社製商品名:ドイ
ツ)などが例示されるが、研磨剤用グレード等を使用し
てもよい。酸化クロムをフッ素ゴムに添加することによ
り、ゴムブレードでは耐磨耗性が向上し、特にトナーと
シリコーンオイル等が凝集して発生するスラッジによる
リップ部の欠けや異常磨耗を防ぐことができる。また、
往復動用オイルシールやバブルステムシール等でも同様
に耐磨耗性を向上させ、潤滑油などから発生するスラッ
ジによるリップ部の欠けや異常磨耗を防ぐことができ
る。併せて相手軸を平滑にする作用を備えていることか
らシール安定性に優れる。
【0026】本発明においては1〜30重量部の範囲で
補強性充填剤や増量充填剤を併用使用してもよい。補強
性充填剤としてはカーボンブラックが一般的で、これに
はショウブラックN330(昭和キャボット株式会社製
商品名)のようなHAFカーボン(ASTM N33
0)、シースト116(東海カーボン株式会社製商品
名)のようなMAFカーボン、旭#60(旭カーボン株
式会社製商品名)のようなFEFカーボン(ASTM
N550)、旭#50(旭カーボン株式会社製商品名)
のようなSRFカーボン(ASTM N774)、旭#
55(旭カーボン株式会社製商品名)のようなGPFカ
ーボン(ASTM N660)、旭サーマル(旭カーボ
ン株式会社製商品名)やHTC#20(中部カーボン株
式会社製商品名)のようなFTカーボン(ASTM N
880)、Thanmax N−990(カンカーブ(Cancar
b)社製商品名:カナダ)のようなMTカーボン(AS
TM N990)などが例示される。また、5重量部以
下の少量のカーボンブラックを顔料目的に使用して黒色
にフッ素ゴム組成物を着色してもよい。
【0027】カーボンブラック以外の無機補強剤も適用
でき、これにはアエロジルR−972(日本アエロジル
株式会社製商品名)のような乾式シリカ、カープレック
スCS−5(シオノギ製薬株式会社製商品名)やニップ
シールVN3 (日本シリカ株式会社製商品名)のような
湿式シリカ、シルモスT(白石工業株式会社製商品名)
のようなけい酸カルシウム、ミストロンベーパー(日本
ミストロン株式会社製商品名)のようなマグネシウム・
シリケート、白艶華CC(白石工業株式会社製商品名)
のような活性化炭酸カルシウムが例示される。
【0028】増量充填剤としてはNS#400(日東粉
化工業株式会社製商品名)のような炭酸カルシウム、ハ
ードトップクレー(白石カルシウム株式会社製商品名)
のようなクレー(けい酸アルミニウム)、BurgessKE
(バーゲス(Burgess)社製商品名:米国)のような表
面処理無水けい酸アルミニウム、Nulok321 (ジェイ.
エム.ヒューバー(J.M.Huber)社製商品名:米
国)のようなアミノシラン改質クレー、Nucap200
(ジェイ.エム.ヒューバー(J.M.Huber)社製商
品名:米国)のようなメルカプトシラン改質クレー、ク
リスタライトVX−S(株式会社龍森製商品名)やMin
−U−Sil5μm(ユー.エス.シリカ(U.S.Sil
ica )社製商品名:米国)のような石英粉、NYAD1
250やウォラストカップ1100(以上、NYCO社
製商品名:米国)のようなウォラストナイト(メタけい
酸カルシウム)やそのアミノシラン改質品、CELIT
E270(ジョンズ・マンビル(Johns Manville )
社製商品名:米国)やラジオライトF(昭和化学株式会
社製商品名)のようなけい藻土、けい砂(土屋カオリン
工業株式会社製)、ハイジライト(昭和軽金属株式会社
製商品名)のような水酸化アルミニウム、アルミナ(酸
化アルミニウム)、沈降性硫酸バリウムたとえば堺化学
工業株式会社製#100、リトポン(堺化学工業株式会
社製商品名、硫酸バリウム70%と硫化亜鉛30%程度
の混合物)、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
亜鉛、酸化チタン、二硫化モリブデン、人造黒鉛、天然
黒鉛、マイカ粉、タルクなどが例示される。
【0029】また、ガラス粉、テフロン粉、カーボンフ
ァイバー、シリコーン樹脂微粉末などを適時添加するこ
とができる。
【0030】本発明において、硬度調整や充填剤の増量
を目的として可塑剤を添加してもよく、これにはバイト
ンLM(昭和電工・デュポン株式会社製商品名)やダイ
エルG−101(ダイキン工業株式会社製商品名)のよ
うな液状フッ素ゴム、FS−1245(ダウコーニング
(Dow Corning )社製商品名:米国)のようなフロ
ロシリコーンオイル、DBS(ジブチルセバケート、株
式会社大八化学工業所製商品名)のような高分子エステ
ル、クライトックスGPL(デュポン(Du Point)社
製商品名:米国)のようなフッ素オイルが例示され1〜
15重量部の範囲で添加される。また、加工助剤として
内部離型剤を添加してもよく、ルナックS−30(花王
株式会社製商品名)のようなステアリン酸、ステアリン
酸ソーダ、ハイワックス110P(三井石油化学工業株
式会社製商品名)のような低分子量ポリエチレン、KF
96(信越化学工業株式会社製商品名)のようなシリコ
ーンオイル、カルナバワックス、LuwaxS(BASF社
製商品名:ドイツ)のようなモンタンワックス、プラス
トロジンS(藤沢薬品工業株式会社製商品名)のような
脂肪酸アミド、Struktol WB280(無機キャリアを
含む有機シリコーン系化合物)やStruktol WB222
(高分子脂肪酸エステルの混合物 以上、(シル アン
ド ザイラハ(Schill &Seilacher)社製商品名:ド
イツ)、VPA−1やVPA−2(以上、昭和電工・デ
ュポン株式会社製商品名)、ダイフリーFB975(ダ
イキン工業株式会社製商品名)、TE58A(テクニカ
ルプロセッシング(TechnicalProcessing Inc.)社
製商品名:米国)等が例示され、0.5〜5重量部の範
囲で1種類ないし数種類が適時添加される。また、内部
離型剤としてフッ素ゴムとのマスターバッチを添加して
もよく、これにはフローレル2171(住友3M株式会
社製商品名)、DPA−120(ダイキン工業株式会社
製商品名)が例示され、1〜5重量部の範囲で添加され
る。また、加硫速度調整のためにフローレル2172
(住友3M株式会社製商品名)、ダイエルP−10(ダ
イキン工業株式会社製商品名)、AC−10(旭化成株
式会社製商品名)のような促進活性剤を0.5〜4重量
部程度添加してもよい。
【0031】本発明におけるフッ素ゴムの加硫剤として
は、従来公知の加硫剤が適用でき、ポリオール加硫系、
アミン加硫系、パーオキサイド加硫系などが例示され
る。
【0032】ポリオール加硫のフッ素ゴムとしては、予
め加硫剤を内添したタイプ、例えば、フローレルFC−
2120、FC−2121、FC−2122、FC−2
123、FC−2144、FC−2152、FC−21
70、FC−2174、FC−2176、FC−217
7、FC−2181、FC−3009、FT−232
0、FT−2350、FX−9143(以上、住友3M
株式会社製商品名)、バイトンE−60C(昭和電工・
デュポン株式会社製商品名)、ダイエルG−602、G
−603、G−607、G−621、G−655、G−
701、G−702、G−704、G−751、G−7
55、G−763(以上、ダイキン工業株式会社製商品
名)、テクノフロンFOR70、FOR70BI、FO
R45、FOR45BI、FOR65BI、FOR45
1 、FOR60K、FOR50E、FORLHF、F
ORTF、FORTHF(以上、モンテフルオス社製商
品名:イタリア)などでは加硫剤や加硫促進剤を特に添
加する必要はないが、加硫剤および加硫促進剤を添加し
ていない生ゴムタイプのフッ素ゴム、例えば、FC−2
145、FC−2178、FC−2230、FT−24
30、FT−2481(以上、住友3M株式会社製商品
名)、バイトンB、B−70、E−45、E−60(以
上、昭和電工・デュポン株式会社製商品名)、ダイエル
G−201、501、801(以上、ダイキン工業株式
会社製商品名)、テクノフロンNH、NM、NMB、N
ML、NMLB、TN、TN50、TH(以上、モンテ
フルオス社製商品名:イタリア)、FR−5311、F
R−5311L、FR−5312、FR−5312N、
FR−5313、FR−5520、FRX−5020、
FRX−5420、FRX−5720、FRX−585
0(以上、旭化成工業株式会社製商品名)ではハイドロ
キノンやビスフェノールのような加硫剤を添加する必要
がある。このポリオール加硫剤は通常は貯蔵安定性や分
散性を考慮して含有量が50%程度のフッ素ゴムマスタ
ーバッチであり、キュラティブ#30(昭和電工・デュ
ポン株式会社製商品名)、加硫剤V−5(ダイキン工業
株式会社製商品名)、テクノフロンM1 (モンテフルオ
ス社製商品名:イタリア)、AC−30(旭化成工業株
式会社製商品名)が例示され、4級フォスフォニウム塩
例えば、フォスフォニウムクロライドのような加硫促進
剤と併用使用される。この加硫促進剤も通常は含有量が
25%程度のフッ素ゴムマスターバッチとなっており、
キュラティブ#20(昭和電工・デュポン株式会社製商
品名)、テクノフロンM2 (モンテフルオス社製商品
名:イタリア)、AC−20(旭化成工業株式会社製商
品名)が例示され、これらの加硫剤が0.2〜6重量
部、加硫促進剤が0.5〜4.5重量部の範囲で添加さ
れる。
【0033】さらに、ポリオール加硫の場合には加硫の
際に生じる酸性物質を中和するための受酸剤と水酸化カ
ルシウムを添加する必要がある。受酸剤としてはキョー
ワマグ150(協和化学工業株式会社製商品名)やスタ
ーマグ−H(神島化学工業株式会社製商品名)やMagli
teD(シー.ピー.ホール(C.P.Hall )社製商品
名:米国)のような高活性酸化マグネシウム、キョーワ
マグ30(協和化学工業株式会社製商品名)やスターマ
グ−L(神島化学工業株式会社製商品名)やMaglite
A(シー.ピー.ホー社製商品名:米国)のような低活
性酸化マグネシウム、リサージY(三井金属鉱業株式会
社製商品名)のような一酸化鉛、酸化カルシウム、酸化
亜鉛−二塩基性亜リン酸鉛などが例示され、フッ素ゴム
100重量部に対して3〜30重量部の範囲で添加され
る。
【0034】また、水酸化カルシウムは加硫をよりタイ
トにするために添加されるポリオール加硫系では必須成
分で、カルビット(近江化学工業株式会社製商品名)や
Rhenofit CF(レイン・ケミー(RHEIN−CHE
MIE)社製商品名)などが例示され、通常フッ素ゴム
100重量部に対して2〜8重量部の範囲で添加され
る。
【0035】アミン加硫系は、加硫剤を含まない生ゴム
タイプのフッ素ゴム、例えば、フローレルFC−214
5、FC−2178、FC−2230、FC−243
0、FC−2481(以上、住友3M株式会社製商品
名)、テクノフロンN、T、TN、TN50(以上、モ
ンテフルオス社製商品名:イタリア)、バイトンA、A
−35、A−HV、B、B−50(以上、昭和電工・デ
ュポン株式会社製商品名)ダイエルG−201、G−5
01(以上、ダイキン工業株式会社製商品名)100重
量部に対しアミン加硫剤1.5〜5重量部と必要に応じ
て受酸剤3〜25重量部にて構成される。アミン加硫剤
としては、Diak No.1(昭和電工・デュポン株式会
社製商品名)や加硫剤V−1(ダイキン工業株式会社製
商品名)やケミノックスAC−6(株式会社NOK製商
品名)等のヘキサメチレンジアミンカルバメート、Dia
k No.3(昭和電工・デュポン株式会社製商品名)や
加硫剤V−3(ダイキン工業株式会社製商品名)等の
N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミ
ン、Diak No.4(昭和電工・デュポン株式会社製商
品名)や加硫剤V−4(ダイキン工業株式会社製商品
名)やケミノックスAC−9(株式会社NOK製商品
名)等の4,4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタ
ンカルバメートなどが例示される。また、受酸剤として
はポリオール加硫系と同様に高活性酸化マグネシウム、
低活性酸化マグネシウム、リサージ(一酸化鉛)、酸化
カルシウムなどが例示される。
【0036】パーオキサイド加硫系は加硫剤の添加され
ていない生ゴムタイプのフッ素ゴム例えば、ダイエルG
−801、G−901、G−902、G−912(以
上、ダイキン工業株式会社製商品名)、フローレルFC
−2260、FC−2690、FLS−2650(以
上、住友3M株式会社製商品名)、バイトンGF、GF
LT、GLT(以上、昭和電工・デュポン株式会社製商
品名)100重量部に対してジ−t−ブチルパーオキシ
アルカンのような過酸化物0.5〜6重量部程度とトリ
アリルイソシアヌレート(TAIC)のような共架橋剤
2〜8重量部程度との組み合わせで構成される。この加
硫系は熱により過酸化物が分解し、生成したメチルラジ
カルがタイクと反応し、これがフッ素ゴムポリマー中の
ハロゲンを引き抜き架橋点を形成するものである。
【0037】フッ素ゴムに使用される過酸化物としては
パーオキシケタールやジアルキルパーオキサイドが適用
でき、パーオキシケタールとしてはパーヘキサ3Mやそ
の含有量40%品のパーヘキサ3M−40(日本油脂株
式会社製商品名)のようなl,l−(ビスt−ブチルパ
ーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、パ
ーヘキサVやその含有量40%品のパーヘキサV−40
(日本油脂株式会社製商品名)のようなn−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレートが例
示され、ジアルキルパーオキサイドとしてはパークミル
Dやその含有量40%品のパークミルD−40(日本油
脂株式会社製商品名)のようなジクミルパーオキサイ
ド、パーブチルPやその含有量40%品のペロキシモン
F−40(日本油脂株式会社製商品名)のようなα,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、パーヘキサ2.5Bやその含有量40%品のパー
ヘキサ2.5B−40(日本油脂株式会社製商品名)の
ような2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサンなどが例示される。
【0038】最近ではSE級エンジンオイルのようなゴ
ム材料に対し攻撃的な添加剤を使用した潤滑油が使用さ
れつつあり、その対策としてはフッ素含有量が69〜7
1重量%である高フッ素含有量ポリマーを使用する必要
があり、この場合ポリオール加硫系ではフッ素ゴムとし
て、ダイエルG−603(ダイキン工業製商品名)、テ
クノフロンTHF(モンテフルオス社製商品名:イタリ
ア)、フローレルFC−2330(住友3M株式会社製
商品名)などが例示され、パーオキサイド加硫系の高フ
ッ素含有量フッ素ゴムとしてはダイエルG−901、G
−902、G−912(以上、ダイキン工業株式会社製
商品名)、バイトンGF、GFLT(以上、昭和電工・
デュポン株式会社製商品名)、フローレルFC−269
0、FLS−2650(以上、住友3M株式会社製商品
名)が例示される。
【0039】メータリングブレードやオイルシール、バ
ルブステムシールなどでは鉄鋼、ステンレス、りん青銅
などの金属と本発明の組成物を接着させる必要がある
が、これには従来公知のフッ素ゴム用接着剤が適用で
き、例えばケムロックの商品名で知られるロード・ファ
ー・イースト社製の607、5150、AP133、Y
1520、Y1540、Y4310、Y5323や、メ
タロックの商品名で知られる株式会社東洋化学研究所製
のS−2、S−7、S−10Aや、シクソンの商品名で
知られるシクソン社製の300/301、300/31
1、AN−187、ビスロックの商品名で知られる株式
会社日栄化学製の200、180、181、181L
や、モニカスの商品名で知られるCF−5M、D−60
2、QZR−48、VT−100、VT−200、VT
−200HVや、ダイナマーの商品名で知られる住友3
M株式会社製の5150などが例示される。接着工程の
際には被着体の表面をブラストやリン酸被膜処理を施し
た後、メチレンクロライドなどで脱脂し、上記の接着剤
をディッピング、刷毛塗り、スプレー塗布などの各種の
塗布方法により塗布して風乾し、必要に応じて100〜
150℃で30分程度焼成したのち、本発明のフッ素ゴ
ム組成物と加硫接着される。
【0040】本発明の組成物の加硫条件は、その組成お
よび製品形状により異なるが、150〜200℃で2〜
15分であり、通常は180〜230℃で4〜24時間
の条件で接着性や物性向上、特に圧縮永久歪みの向上の
ために二次加硫される。
【0041】なお、本発明の組成物を他の原料ゴム、例
えばNBRやアクリルゴムやシリコーンゴムなどに適用
できることはもちろんである。
【0042】次に、以下の説明および表−1に示す本発
明の実施例1〜11と、比較例1、2と比較して説明す
る。
【0043】実施例1 フッ素ゴム原料として住友3M株式会社製フローレル2
170を100重量部、酸化クロムとして酸化クロムグ
リーンGN−M:平均粒計0.30μm(バイエル(B
ayer)社製商品名:ドイツ)を30重量部、更に受酸剤
としての高活性酸化マグネシウム(キョーワマグ15
0:協和化学工業株式会社製商品名)を3重量部、水酸
化カルシウム(カルビット:近江化学工業株式会社製商
品名)を6重量部の割合で混練りし、JIS K630
1に準拠してテストピースを作成した。
【0044】実施例2 実施例1の素材中、酸化クロムを65重量部に変更し
た。
【0045】実施例3 実施例1の素材中、酸化クロムを80重量部に変更し
た。
【0046】実施例4 実施例1の素材中、酸化クロムを100重量部に変更し
た。
【0047】実施例5 実施例1の素材中、酸化クロムを3重量部に変更し、充
填剤としてMTカーボン(サーマックスN−990:カ
ンカーブ(Cancarb 社製商品名)を29重量部添加し
た。
【0048】実施例6 実施例5の素材中、酸化クロムを5重量部に、MTカー
ボンを25重量部にそれぞれ変更した。
【0049】実施例7 実施例5の素材中、酸化クロムを10重量部に、MTカ
ーボンを22重量部にそれぞれ変更した。
【0050】実施例8 実施例5の素材中、酸化クロムを15重量部に、MTカ
ーボンを20重量部にそれぞれ変更した。
【0051】実施例9 実施例5の素材中、酸化クロムを30重量部に、MTカ
ーボンを15重量部にそれぞれ変更した。
【0052】実施例10 実施例5の素材中、酸化クロムを50重量部に、MTカ
ーボンを5重量部にそれぞれ変更した。
【0053】実施例11 実施例1の素材中、酸化クロムを120重量部に変更し
た。
【0054】比較例1 実施例5の素材中、酸化クロムを0重量部に、MTカー
ボンを30重量部にそれぞれ変更した。
【0055】比較例2 実施例5の素材中、酸化クロムを1重量部に、MTカー
ボンを20重量部にそれぞれ変更した。
【0056】前記各実施例および比較例のゴム物性すな
わち硬さ(JIS A)、引張り強さ(NPa)、伸び
(%)を表−1に示してある。
【0057】 特性試験1 長さ320mm、厚さ0.2mmのりん青銅からなるブ
レードシムに接着剤を塗布した後、前記各実施例および
比較例からなるフッ素ゴム組成物にて長さ320mm、
エッジ部の肉厚3mmのメータリングブレードを作製
し、このブレードを複写機のNP−150(キャノン株
式会社製商品名)に取付け、金属(りん青銅)との接着
性をA、B、Cの3段階で評価し、表−2に示すととも
に、ブレードの磨耗による画像不良が発生するまでの通
紙枚数、若しくは7万枚までの通紙試験を実施し、表−
2に示した。ここで、Aはゴム残率95%以上、Bはゴ
ム残率90〜95%以上、Cはゴム残率80%前後を示
し、AおよびBが実際の使用に耐え得るものである。
【0058】 特性試験2 直列4気筒OHCガソリンエンジンの直径6mmのバル
ブステムシールを前記各実施例および比較例に基いて作
製し、これらを材質がSUH1、硬さHB 300以上、
粗さ3.2Sの往復動軸に外嵌させ、前記往復動軸をバ
ルブリフト量7mm、カム軸回転数1500rpmで往
復動させ、温度120℃、燃焼室負圧−400mmHg
および作動時間10時間のもとで乾燥摩擦試験を行な
い、往復動軸の外周面の傷の状態を示すシャフト金属へ
の耐傷性、リップ部分の磨耗状態を示すゴムリップの耐
磨耗性、金属(鉄)との接着性およびウイリアム磨耗試
験による磨耗量(cc/1000回転)を調べ、前記シ
ャフト金属への耐傷性およびゴムリップの耐磨耗性は1
〜5の5段階で評価し、前記金属(鉄)との接着性は
A、B、Cの3段階で評価し、表−3に示した。ここ
で、1は極少、2は少、3は中、4は多い、5は非常に
多い示し、1〜3が実際の使用に耐え得るものである。
また、Aはゴム残率95%以上、Bはゴム残率90〜9
5%以上、Cはゴム残率80%前後を示し、AおよびB
が実際の使用に耐え得るものである。
【0059】 結果 1)メータリングブレードについて 表−2に示すように、本発明の全実施例は少なくとも5
万枚の通紙が可能であり、実施例3および5においては
更に6万枚もの通紙が可能であり、実施例2および6〜
10においては更に7万枚以上もの通紙が可能である。
これは、本実施例において、酸化クロムをフッ素ゴムに
添加することにより、耐磨耗性が向上し、特にトナーと
シリコーンオイル等が凝集して発生するスラッジによる
リップ部の欠けや異常磨耗を防ぐことができるからであ
る。また、金属(りん青銅)との接着性についても、全
実施例とも使用に耐え得るAおよびBの評価である。
【0060】これに対し、前記比較例1および2におい
ては、1万枚までしか通紙することができず、早期に磨
耗してしまい全く使用に耐え得ないものであった。ま
た、金属(りん青銅)との接着性についても、両比較例
とも使用に耐え得ないCの評価であった。
【0061】2)バルブステムシールについて 表−3に示すように、本発明の実施例においては、シャ
フト金属への耐傷性およびゴムリップの耐磨耗性につい
ては、実施例5が中の3で、実施例6が少の2である他
は全部極少の1であり、耐傷性および耐磨耗性に優れて
いることがわかった。更に、金属(鉄)との接着性につ
いても、実施例5がBの他は全部Aの評価であり、全実
施例とも使用に耐え得るものである。これは、本実施例
において、酸化クロムをフッ素ゴムに添加することによ
り、耐磨耗性を向上させ、潤滑油などから発生するスラ
ッジによるリップ部の欠けや異常磨耗を防ぐことができ
るからである。更に、相手の往復動軸を平滑にする作用
を備えていることからシール安定性に優れたものとな
る。
【0062】これに対し、前記比較例1および2におい
ては、シャフト金属への耐傷性およびゴムリップの耐磨
耗性については、傷および磨耗の発生が非常に多い5の
評価であり、早期に磨耗してしまい全く使用に耐え得な
いものであった。また、金属(鉄)との接着性について
も、両比較例とも使用に耐え得ないCの評価であった。
【0063】
【発明の効果】このように本発明は構成され作用するも
のであるから、耐磨耗性を向上させて、前記問題点を解
消し、各用途においてそれぞれ適正な機能を発揮するこ
とができる産業部材用のフッ素ゴム組成物を得ることが
でき、磨耗や欠けを生じさせず、長期にわたって安定し
たクリーニング機能を有するメータリングブレードない
しクリーニングブレード等のブレード部材を得ることが
でき、往復動オイルシール、バルブステムシール、Oリ
ング、Vパッキンなどのシール用部材に利用した場合に
おいては、耐熱性、耐油性、耐磨耗性、接着安定性等に
極めて優れたシール用部材を得ることができる等の効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の定着部を示す概略側面図
【図2】シリコーンオイルの塗布方法を示す図1と同様
の図
【図3】バブルステムシール部を示す内燃機関の縦断側
面図
【図4】往復動シールを示す縦断側面図
【符号の説明】
1 定着ローラ 5 メータリングブレード 11 シリコーンオイル塗布ローラ 12 バルブステム 15 シール 16 リップ部 17 オイルシール 21 リップ部分 24 ダストリップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明においては1〜30重量部の範囲で
補強性充填剤や増量充填剤を併用使用してもよい。補強
性充填剤としてはカーボンブラックが一般的で、これに
はショウブラックN330(昭和キャボット株式会社製
商品名)のようなHAFカーボン(ASTM N33
0)、シースト116(東海カーボン株式会社製商品
名)のようなMAFカーボン、旭#60(旭カーボン株
式会社製商品名)のようなFEFカーボン(ASTM
N550)、旭#50(旭カーボン株式会社製商品名)
のようなSRFカーボン(ASTM N774)、旭#
55(旭カーボン株式会社製商品名)のようなGPFカ
ーボン(ASTM N660)、旭サーマル(旭カーボ
ン株式会社製商品名)やHTC#20(中部カーボン株
式会社製商品名)のようなFTカーボン(ASTM N
880)、Tharmax N−990(カンカーブ(Cancar
b)社製商品名:カナダ)のようなMTカーボン(AS
TM N990)などが例示される。また、5重量部以
下の少量のカーボンブラックを顔料目的に使用して黒色
にフッ素ゴム組成物を着色してもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】さらに、ポリオール加硫の場合には加硫の
際に生じる酸性物質を中和するための受酸剤と水酸化カ
ルシウムを添加する必要がある。受酸剤としてはキョー
ワマグ150(協和化学工業株式会社製商品名)やスタ
ーマグ−H(神島化学工業株式会社製商品名)やMagli
teD(シー.ピー.ホール(C.P.Hall )社製商品
名:米国)のような高活性酸化マグネシウム、キョーワ
マグ30(協和化学工業株式会社製商品名)やスターマ
グ−L(神島化学工業株式会社製商品名)やMaglite
A(シー.ピー.ホー社製商品名:米国)のような低
活性酸化マグネシウム、リサージY(三井金属鉱業株式
会社製商品名)のような一酸化鉛、酸化カルシウム、酸
化亜鉛−二塩基性亜リン酸鉛などが例示され、フッ素ゴ
ム100重量部に対して3〜30重量部の範囲で添加さ
れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素ゴム100重量部に対して酸化ク
    ロムを3〜120重量部添加したゴム組成物からなるこ
    とを特徴とする産業部材用のフッ素ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素ゴム100重量部に対して酸化ク
    ロムを3〜120重量部添加するとともに、充填剤を3
    0重量部未満添加したことを特徴とする産業部材用のフ
    ッ素ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 ブレード部材に用いたことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の産業部材用のフッ素ゴ
    ム組成物。
  4. 【請求項4】 シール部材に用いたことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の産業部材用のフッ素ゴム
    組成物。
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