JPH0827280B2 - 試験組成物およびそれを担持した試験具 - Google Patents

試験組成物およびそれを担持した試験具

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JPH0827280B2
JPH0827280B2 JP62137636A JP13763687A JPH0827280B2 JP H0827280 B2 JPH0827280 B2 JP H0827280B2 JP 62137636 A JP62137636 A JP 62137636A JP 13763687 A JP13763687 A JP 13763687A JP H0827280 B2 JPH0827280 B2 JP H0827280B2
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克也 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は過酸化物活性化物質測定用試験組成物および
それを担持した試験具に関する。さらに詳しくは本発明
は有機ヒドロペルオキシドとしてビス(α−ヒドロペル
オキシイソプロピル)フェニル化合物を使用した上記試
験組成物および試験具に関する。本発明によって提供さ
れる組成物および試験具は過酸化物活性化物質例えば血
液またはヘモグロビンの検出に有効に利用される。
尿、糞便または嘔吐物等の中に血液またはヘモグロビ
ンが含まれている場合には腎臓、胃、腸等泌尿器または
消化器系において炎症、潰瘍等の何らかの疾病が進行し
ているものと推定しうる。従ってこれらの疾病を速やか
に診断、治療するためには上記尿、糞便、嘔吐物等中の
血液またはヘモグロビン(潜血)を正確に検出すること
が重要である。本発明の組成物および試験具はこのよう
な潜血の検査に好適に使用される。
[従来技術およびその問題点] 潜血検出用試験具は、有機ヒドロペルオキシド、呈色
指示薬および必要により緩衝剤、湿潤剤、活性剤および
安定剤を含浸する担体からなり、試料中にヘモグロビン
が存在すると有機ヒドロペルオキシドが活性化されて発
生期の酸素を生じ、これによって指示薬が酸化されて発
色する。有機ヒドロペルオキシドとして従来2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシドおよびクメ
ンヒドロペルオキシドが知られている。これらの過酸化
物は実用化されてはいるが経時的安定性がないため検出
感度の低下が著しいこと、ビタミンCが試料尿中に含ま
れている場合に偽陰性と判断されること、尿中成分検出
用多項目試験片の場合、隣接する他の試験片を変色さ
せ、性能低下をもたらすこと、呈色感度が低いこと等の
欠点がある。これらの欠点を改良したヒドロペルオキシ
ドとして近年クメンヒドロペルオキシドのベンゼン環に
C1-6アルキル基、Cl,Br,I,NO2またはカルボキシル基が
置換した化合物が提案されている(特開昭59-190663号
公報)。この過酸化物は従来のものよりかなり改善され
てはいるが経時的安定性が充分満足できるものではなか
った。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記の欠点のない試験組成物および試験具を
提供せんとするものであり、本発明は下記の試験組成物
および試験具よりなる。
1) 一般式(I) 〔式中、R1およびR2は同一または異なって水素原子、低
級アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基またはニ
トロ基を示し、Xは下記の式で示される鎖中にエーテル
基および(または)フェニレン基を含むことのあるアル
キレン基を示す。〕 で示されるビス(α−ヒドロペルオキシイソプロピルフ
ェニル)化合物および酸化呈色指示薬を含有する過酸化
物活性化物質測定用試験組成物。
−CH2OCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OCH2−, −CH2OCH2CH2OCH2− 2) ビス(α−ヒドロペルオキシイソプロピルフェニ
ル)化合物が1,3−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシ
イソプロピル)フェニル〕プロパン、 2,2−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−3,5,,8−トリオキサノナン、 1,7−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−4−ヒドロキシヘプタン、 4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンジル
エーテル、 1,12−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5,8,11−テトラオキサドデカン、 1,21−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサヘ
ネイコサン、 ポリエチレングチコールビス〔4−(α−ヒドロペル
オキシイソプロピル)ベンジル〕エーテル、 1,14−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,13−ジオキサトラデカン、 1,4−ビス[3−〔4−(α−ヒドロペルオキシイソ
プロピル)フェニル〕−2−オキサプロピル]ベンゼ
ン、 1,13−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−7−ヒドロキシ−4,10−ジオキサトリ
デカン、 1,6−ビス〔3−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5−ジオキサヘプタン、 ビス〔2−クロロ−4(α−ヒドロペルオキシイソプ
ロピル)ベンジル〕エーテル、 1,9−ビス〔2−クロロ−4(α−ヒドロペルオキシ
イソプロピル)フェニル〕−2,5,8−トリオキサノナ
ン、または 1,21−ビス〔4(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)−2−メチルフェニル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘ
プタオキサヘネイコサン である第1項記載の組成物。
3) 酸化呈色指示薬がオルトトリジン、ベンジジンま
たはロイコマラカイドグリーンである第1項または第2
項に記載の組成物。
4) 一般式 〔式中、R1およびR2は同一または異なって水素原子、低
級アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基またはニ
トロ基を示し、Xは前述した式で示される鎖中にエーテ
ル基および(または)フェニレン基を含むことのあるア
ルキレン基を示す。〕 で示されるビス(α−ヒドロペルオキシイソプロピルフ
ェニル)化合物および酸化呈色指示薬を含有する組成物
を担体に担持させた過酸化物活性化物質測定用試験具。
5) 担体が紙、ガラス繊維またはプラスチック素材
からなる不織布である第4項記載の試験具。上記式
(I)において、R1およびR2は同一または異なって水素
原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基
またはニトロ基を示し、Xは前述した式で示される鎖中
にエーテル基および(または)フェニレン基を含むこと
のあるアルキレン基を示す。
アルキレン基は直鎖状または分岐鎖状のいずれでもよ
く、その鎖中に1以上好ましくは1〜7個のエーテル基
を含んでいるのが望ましい。さらに該アルキル基はその
鎖中にフェニレン基を有していてもよい。該アルキレン
基はさらに前記呈色指示薬の発色を阻げない置換基、例
えばハロゲン原子(Cl,Br,I)、ニトロ基、水酸基、ス
ルホン基、カルボキシル基、アミド基、フェニル基、置
換フェニル基等によって置換されていてもよい。
上記アルキレン基の好ましい例としては、 トリメチレン、 2,2−(3,5,8−トリオキサ)ノナニレン、 1,7(4−ヒドロキシ)ペプタニレン、 1,3−(2−オキサ)プロピレン、 1,12−(2,5,8,11−テトラオキサ)デカニレン、 1,21−(2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサ)ヘネイ
コサニレン、 ポリエチレングリコリル(重合度の平均値13)、 1,14−(2,13−ジオキサ)テトラデカニレン、 [1,4−ビス〔1−(2−オキサ−3−プロピレ
ン)〕フェニル]、 1,13−(7−ヒドロキシ−4,10−ジオキサ)トリデカ
ニレン、 1,6−(2,5−ジオキサ)ヘプタニレン等があげられ
る。
本発明において使用されるビス(α−ヒドロペルオキ
シイソプロピル)フェニル化合物の代表的な化合物とし
ては以下のものがあげられる。
1,3−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕プロパン、 2,2−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−3,5,,8−トリオキサノナン、 1,7−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−4−ヒドロキシヘプタン、 4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンジル
エーテル、 1,12−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5,8,11−テトラオキサドデカン、 1,21−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサヘ
ネイコサン、 ポリエチレングリコールビス〔4−(α−ヒドロペル
オキシイソプロピル)ベンジル〕エーテル、 1,14−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,13−ジオキサテトラデカン、 1,4−ビス[3−〔4−(α−ヒドロペルオキシイソ
プロピル)フェニル〕−2−オキサプロピル]ベンゼ
ン、 1,13−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−7−ヒドロキシ−4,10−ジオキサトリ
デカン、 1,6−ビス〔3−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5−ジオキサヘプタン、 ビス〔2−クロロ−4(α−ヒドロペルオキシイソプ
ロピル)ベンジル〕エーテル、 1,9−ビス〔2−クロロ−4(α−ヒドロペルオキシ
イソプロピル)フェニル〕−2,5,8−トリオキサノナ
ン、または 1,21−ビス〔4(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)−2−メチルフェニル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘ
プタオキサヘネイコサン。
前記式(I)で示されるビス(α−ヒドロペルオキシ
イソプロピルフェニル)化合物は新規化合物であって、 一般式 〔式中、R1,R2およびXは前記定義の通りである〕 で示されるビス(α−ヒドロキシイソプロピルフェニ
ル)化合物を酸性条件下で過酸化水素水溶液で酸化する
ことによって製造される。好ましくはビス(α−ヒドロ
キシイソプロピルフェニル)化合物(II)をエーテル等
の適当な有機溶剤にとかし、この溶液に30%過酸化水素
水溶液および少量の鉱酸、例えば硫酸または塩酸を加え
室温で十数時間反応させる。反応終了後所望の生成物は
常法に従って反応混合物中から採取される。例えば反応
混合物に水を加え、酢酸エチル等の適当な有機溶剤で抽
出し、抽出物から溶剤を留去し、残留物をカラムクロマ
トグラフィー等で精製することによって所望の生成物を
得ることができる。
ビス(α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)化合物
(II)は一般式(III) 〔式中、R1,R2およびXは前記定義の通りであり、Yは
ハロゲン原子を示す〕 で示されるビス(フェニル)化合物をn−ブチルリチウ
ム(またはマグネシウム)、次いでアセトンと反応させ
ることによって得られる。この反応は通常のグリニヤ反
応と同様の条件で実施される。例えばテトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル等の適当な有機溶媒中、両化合物
を−78℃(n−ブチルリチウムの場合)または室温ない
し還流下(マグネシウムの場合)で反応させ、次いでア
セトンを加えることによって化合物(II)が得られる。
本発明において使用されるビス(α−ヒドロペルオキ
シイソプロピルフェニル)化合物(I)は前述したよう
に過酸化物活性化物質の測定における過酸化物として使
用され、特に尿、糞便、嘔吐物中の潜血の検出に有利に
使用される。
かかる潜血検出用試験具は、ビス(α−ヒドロペルオ
キシイソプロピルフェニル)化合物(I)および酸化指
示薬ならびに必要により緩衝剤、湿潤剤、活性剤、安定
剤および溶剤からなる組成物を含浸する担体からなる。
指示薬としては酸化されて呈色するいわゆる酸化指示
薬と呼ばれるものが使用され、その例としてオルトトリ
ジン、ベンジジン、ロイコマラカイドグリーン等があげ
られる。
緩衝剤は試験具上のpH値を一定に保つために使用さ
れ、例えばクエン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩のよう
な試験具を試料中に浸漬した際のpH値が4〜8の範囲に
維持できるようなものが好ましい。湿潤剤は試験具を試
料中に浸したとき、試料液が試験具に均一に湿潤するよ
うに使用され、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム等の界面活性剤が好適に使用される。
活性剤は試験具上での呈色反応の感度を高めるために用
いられ、3−アミノキノリン、キニン、イソキノリン等
が好ましい。安定剤は試験具から試験薬の流出を防止す
るために粘稠剤が使用され、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の重合
物あるいはゼラチン、アラビアゴム等が好ましい。溶剤
は上記薬剤の混合物が容易に溶けるものであればよく、
有利にはエチルアルコール、アセトン、ベンゼン、トル
エン、クロロホルム等が使用される。担体としては
紙、ガラス繊維、プラスチック素材からなる不織布が好
適であり、上記溶剤に溶けたり反応したりせず、かつ上
記組成物を吸収するものであればよい。
上記試験組成物および試験具に用いられるビス(α−
ヒドロペルオキシイソプロピルフェニル)化合物および
その他の試薬の量は特に重要ではなく、従来のものに準
じて適宜決定される。即ち、検出対象の過酸化物活性化
物質に対して反応させ、呈色反応を起させるに十分な量
が選択される。
次に参考例、実施例および試験例を示して本発明をさ
らに具体的に説明する。
参考例1 1,3−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕プロパン 4′−ブロモアセトフェノン3.40g(17.1mmol)のエ
タノール(140ml)溶液に4−ブロモベンズアルデヒド
3.80g(20.5mmol)を加え、さらに、水酸化ナトリウム
4.19g(105mmol)の水溶液(14ml)を0℃にて加えた。
室温にて1時間反応させたのち、生成した沈澱を過に
より集め、冷却したジクロロメタンで洗った。得られた
結晶は5.30g(14.5mmol)であった。
上記化合物5.30g(14.5mmol)のトルエン(50ml)溶
液に、パラジウム−炭素1.20gを加え水素雰囲気下で激
しく撹拌した。室温で6時間反応させた後に、不溶物を
過で除き、得られる溶液を、減圧濃縮した。
得られる化合物4.68gにメタノール(100ml)を加え水
素化ホウ素ナトリウム1.53g(40.4mmol)を0℃にて加
え、室温にて3時間反応させた。その溶液に水を加え酢
酸エチルにて抽出をおこない、有機層を水洗した後、減
圧濃縮した。得られる化合物4.51gに再びトルエン(50m
l)を加え、さらに、パラジウム−炭素1.05gを加え水素
雰囲気下で激しく撹拌した。室温で10時間反応させた後
に、不溶物を過で除き得られる溶液を減圧濃縮した。
得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て、分離精製し1,3−ビス(4−ブロモフェニル)プロ
パン692mg(1.95mmol)を得た。
次に上記化合物692mg(1.95mmol)の乾燥テトラヒド
ロフラン(14ml)溶液にn−ブチルリチウムの1.60Mヘ
キサン溶液(3.00ml,4.80mmol)を−78℃にて加えた
後、30分間反応させた。その溶液にアセトン1.50ml(2
0.4mmol)を加え−78℃にて10分間反応させた後、飽和
塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出をお
こなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製
をおこなった。ジクロロメタン−メタノール(25:1)で
溶離することにより1,3−ビス〔4−(α−ヒドロキシ
イソプロピル)フェニル〕プロパン505mg(1.62mmol)
を得た。
そして、上記化合物505mg(1.62mmol)にエーテル5m
l、30%過酸化水素水溶液10mlと濃硫酸0.25mlを加え、
室温にて18時間反応させた後、水を加え酢酸エチルにて
抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し得
られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(1:1)
で溶離することにより1,3−ビス〔4−(α−ヒドロペ
ルオキシイソプロピル)フェニル〕プロパン510mg(1.4
8mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.05(s,2H),7.36〜7.02(m,8H),2.63〜2.31(m,4
H),2.14〜1.86(m,2H),1.53(s.12H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3330 参考例2 2,2−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−3,5,8−トリオキサノナン アルゴン雰囲気下、1,1−ビス(4−ブロモフェニ
ル)エタノール6.43g(18.1mmol)の乾燥ジクロロメタ
ン(50ml)溶液にβ−メトキシエトキシメチルクロライ
ド2.50ml(21.9mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルア
ミン4.8ml(27.6mmol)を加え、15時間還流させた。
その溶液に水を加えジクロロメタンにて抽出をおこな
い、有機層を水洗し減圧濃縮した。得られる残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製し、ジク
ロロメタンで溶離することにより2,2−(4−ブロモフ
ェニル)3,5,8−トリオキサノナン6.55g(14.8mmol)を
得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物6.55g(14,8mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(200ml)溶液にn−ブチルリ
チウムの1.60Mヘキサン溶液(23.0ml、36.8mmol)を−7
8℃にて加えた後、30分反応させた。その溶液に、アセ
トン11.0ml(150mmol)を加え−78℃にて10分間反応さ
せた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノー
ル(50:1)で溶離することにより2,2−〔4−(α−ヒ
ドロキシイソプロピル)フェニル〕−3,5,8−トリオキ
サノナン4.67g(11.6mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物4.67g(11.6mmol)にエーテル2
0ml、30%過酸化水素溶液40mlと濃硫酸1.00mlを加え、
室温にて16時間反応させた後、水を加え酢酸エチルにて
抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し得
られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(1:1)
で溶離することにより2,2−〔4−(α−ヒドロペルオ
キシイソプロピル)フェニル〕−3,5,8−トリオキサノ
ナン4.08g(9.40mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.05(s,2H),7.51〜7.22(m,8H),4.68(s,2H),3.83
〜3.33(m,4H),3.32(s,3H),1.92(s,3H),1.51(s,1
2H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3320 参考例3 1,7−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−4−ヒドロキシヘプタン アルゴン雰囲気下、リチウムアルミニウムヒドライド
3.06g(80.5mmol)の乾燥ジエチルエーテル(150ml)溶
液に、ジエチル4−オキソピメレート4.13g(17.9mmo
l)を、0℃にて加え室温でに18時間反応させた。その
反応液を0℃に冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶
液を加え生成した沈澱物を過により除いた。得られる
溶液を減圧濃縮し、その残渣を、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにて分離精製した。
ジクロロメタン−メタノール(5:1)で溶離すること
により1,4,7−ヘプタトリオール1.62g(10.9mmol)を得
た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物1.62g(10.9mmol)の
乾燥ピリジン(100ml)溶液にp−トルエンスルホニル
クロライド4.57g(24.0mmol)を室温にて加えて20時間
反応させた。
その溶液に水を加え、ジクロロメタンで抽出をおこな
い、有機層を水洗し減圧濃縮した。得られる残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製しジクロ
ロメタン−メタノール(100:1)で溶離することにより
1,7−ビス(p−トルエンスルホキシ)−4−ヘプタノ
ール3.58g(7.85mmol)を得た。
上記化合物3.58g(7.85mmol)の乾燥ジメチルホルム
アミド(100ml)溶液にtert−ブチルジフェニルシリル
クロライド2.39g(8.70mmol)とイミダゾール1.42g(2
0.8mmol)を加え、室温で8時間反応させた。その溶液
に水を加え、ベンゼンで抽出をおこない、有機層を水洗
し減圧濃縮した。得られる残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにて分離精製しジクロロメタン−ヘキサ
ン(1:1)溶離液から1,7−ビス(p−トルエンスルホキ
シ)−4−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)ヘプタ
ン4.74g(6.85mmol)を得た。
次に、上記化合物4.74g(6.85mmol)のアセトン(200
ml)溶液にヨウ化ナトリウム4.18g(27.9mmol)を加え1
8時間還流させた。その溶液に水を加えベンゼンにて抽
出をおこない、有機層を水洗し減圧濃縮した。得られる
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精
製し、ジクロロメタン−ヘキサン(1:5)溶離液から1,7
−ジヨード−4−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)
ヘプタン3.44g(5.68mmol)を得た。
アルゴン雰囲気下、1,4−ジ−ブロモベンゼン3.42g
(14.5mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(100ml)溶液
に、n−ブチルリチウムの1.60Mヘキサン溶液(9.10m
l、14.6mmol)を−78℃にて加えたのち、30分間反応さ
せた。その溶液に、先の1,7−ジヨード−4−(tert−
ブチルジフェニルシロキシ)ヘプタン3.44g(5.68mmo
l)の乾燥テトラニドロフラン溶液(35ml)を加え、−7
8℃から室温へと9時間かけて温度をあげ、さらに、室
温にて、15時間反応させた。その反応液に飽和塩化アン
モニウム水溶液を加え、ベンゼンにて抽出をおこなっ
た。有機層を水洗し、減圧濃縮して得られる残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに分離精製し、ジクロ
ロメタン−ヘキサン(1:5)溶離液から1,7−ビス(4−
ブロモフェニル)−4−(tert−ブチルジフェニルシロ
キシ)ヘプタン1.05g(1.58mmol)を得た。
さらに、アルゴン雰囲気下、1,7−ビス(4−ブロモ
フェニル)−4−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)
ヘプタン1.05g(1.58mmol)の乾燥テトラヒドロフラン
(50ml)溶液に、n−ブチルリチウムの1.60Mヘキサン
溶液(2.15ml、3.44mmol)を加え−78℃にて30分間反応
させた。その溶液にアセトン1.20ml(16.3mmol)を加え
−78℃にて、10分間反応させた後、飽和塩化アンモニウ
ム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出をおこなった。有機
層を水洗し、減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにて分離精製し、ジクロロメタ
ン−メタノール(100:1)で溶離することにより1,7−ビ
ス〔4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル〕−
4−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)ヘプタン728m
g(1.23mmol)を得た。
次に、上記化合物728mg(1.23mmol)にエーテル5mlの
30%過酸化水素水素溶液10mlと濃硫酸0.25mlを加え室温
にて16時間反応させた後、水を加え酢酸エチルにて抽出
をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し得られ
る残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離
精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で溶
離することにより1,7−ビス〔4−(α−ヒドロペルオ
キシイソプロピル)フェニル〕−4−(tert−ブチルジ
フェニルシロキシ)ヘプタン658mg(1.06mmol)を得
た。
さらに、アルゴン雰囲気下、上記化合物658mg(1.06m
mol)の乾燥テトラヒドロフラン(20ml)溶液に、テト
ラブチルアンモニウムフルオライドの1.0Mテトラヒドロ
フラン溶液(2.50ml、2.5mmol)を加え、室温にて6時
間反応させた。その溶液に水を加え、酢酸エチルにて抽
出し、有機層を水洗した後、減圧濃縮した。得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製
し、ジクロロメタン−メタノール(50:1)で溶離するこ
とにより1,7−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソ
プロピル)フェニル〕−4−ヒドロキシヘプタン4.06mg
(0.976mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.11(s,2H),7.39〜7.05(m,8H),3.66〜3.28(m,1
H),2.59〜2.24(m,4H),2.11〜1.82(m.8H) IR(νcm-1,CHCl3)3600,3530,3400 参考例4 4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンジル
エーテル アルゴン雰囲気下、4−ブロモベンジルアルコール5.
00g(26.7mmol)の乾燥ベンゼン(50ml)溶液に、濃硫
酸2.5mlを室温にて加え10分間反応させた後、水を加え
酢酸エチルにて抽出をおこなった。有機層を水洗し、減
圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにて分離精製した。ジクロロメタン−ヘキサン
(1:1)で溶離することにより4−ブロモベンジルエー
テル4.73g(13.3mmol)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物4.73g(13.3mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(100ml)溶液にn−ブチルリ
チウムの1.60Mヘキサン溶液(21.0ml、33.6mmol)を−7
8℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液に、ア
セトン10.0ml(136mmol)を加え−78℃にて10分間反応
させた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチ
ルにて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃
縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノ
ール(100:1)で溶離することにより4−(α−ヒドロ
キシイソプロピル)ベンジルエーテル3.30g(10.5mmo
l)を得た。
上記ヒドロキシ化合物3.30g(10.5mmol)にエーテル1
5ml、30%過酸化水素水溶液30ml、濃硫酸0.75mlを加
え、室温にて16時間反応させた後、水を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(1:
2)で溶離することにより4−(α−ヒドロペルオキシ
イソプロピル)ベンジルエーテル3.35g(9.67mmol)を
得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.00(s,2H),7.45〜7.13(m,8H),4.47(s,4H),1.53
(s,12H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3330 参考例5 1,12−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5,8,11−テトラオキサデカン アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム355g(8.88mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(60m
l)溶液にトリエチレングリコール851mg(5.67mmol)を
加え40°〜50℃にて30分間反応させた後、4−ブロモベ
ンジルブロマイド3.37g(13.5mmol)を加え室温にて18
時間反応させた。0℃にて反応液に飽和塩化アンモニウ
ム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出をおこなった。有機
層を水洗した後、減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにて分離精製をおこなった。
ジクロロメタンで溶離することにより1,12−ビス(4−
ブロモフェニル)2,5,8,11−テトラオキサデカン2.51g
(5.14mmol)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物2.51g(5.14mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(50ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(8.00ml、12.8mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液に、アセ
トン4.00ml(54.5mmol)を加え−78℃にて10分間反応さ
せた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。
ジクロロメタン−メタノール(25:1)で溶離すること
により1,12−ビス〔4−(α−ヒドロキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5,8,11−テトラオキサデカン1.99g
(4.42mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物1.99g(4.42mmol)にエーテル1
0ml、30%過酸化水素水溶液20mlと濃硫酸0.50mlを加
え、室温にて15時間反応させた後、水を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(2:
1)で溶離することにより1,12−ビス〔4−(α−ヒド
ロペルオキシイソプロピル)フェニル〕−2,5,8,11−テ
トラオキサデカン1.84g(3.82mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 7.93(s,2H),7.47〜7.17(m,8H),4.50(s,4H),3.61
(s,12H),1.53(s.12H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3330 参考例6 1,21−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサヘ
ネイコサン アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム766mg(19.2mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(40m
l)溶液にヘキサエチレングリコール1.80g(6.38mmol)
を加え40°〜50℃にて30分間反応させた後、4−ブロモ
ベンジルブロマイド3.51g(14.0mmol)を加え室温にて1
6時間反応させた。0℃にて反応液に飽和塩化アンモニ
ウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出をおこなった。有
機層を水洗した後、減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにて分離精製をおこなっ
た。ジクロロメタンで溶離することにより1,21−ビス
(4−ブロモフェニル)2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオ
キサヘネイコサン3.64g(5.87mmol)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物3.64g(5.87mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(70ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(9.20ml、14.7mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液に、アセ
トン4.40ml(59.9mmol)を加え−78℃にて10分間反応さ
せた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノー
ル(25:1)で溶離することにより1,21−ビス〔4−(α
−ヒドロキシイソプロピル)フェニル〕−2,5,8,11,14,
17,20−ヘプタオキサヘネイコサン2.82g(4.87mmol)を
得た。
上記ヒドロキシ化合物2.82g(4.87mmol)にエーテル1
0ml、30%過酸化水素水溶液20mlと濃硫酸0.50mlを加
え、室温にて18時間反応させた後、水を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(2:
1)で溶離することにより1,21−ビス〔4−(α−ヒド
ロペルオキシイソプロピル)フェニル〕−2,5,8,11,14,
17,20−ヘプタオキサヘネイコサン2.71g(4.44mmol)を
得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.07(bs,2H),7.50〜7.17(m,8H),4.52(s,4H),3.63
(s,24H),1.57(s.12H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3340 参考例7 ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)フ
ェニル〕ポリエチレングリコール アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム633mg(15.8mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(50m
l)溶液にポリ(エチレングリコール)、平均分子量600
を4.06g(平均して6.76mmol)加え40°〜50℃にて30分
間反応させた後、4−ブロモベンジルブロマイド5.12g
(20.4mmol)を加え室温にて19時間反応させた。0℃に
て反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチ
ルにて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃
縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノ
ール(50:1)で溶離することにより下記の構造を有する
化合物 (nの平均値は13)を2.74g(平均して3.00mmol)を得
た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物2.74g(平均して3.00m
mol)の乾燥テトラヒドロフラン(60ml)溶液にn−ブ
チルリチウムの1.60Mヘキサン溶液(5.70ml、9.12mmo
l)を−78℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶
液に、アセトン2.50ml(34.0mmol)を加え−78℃にて10
分間反応させた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え
酢酸エチルにて抽出をおこなった。有機層を水洗した
後、減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて分離精製をおこなった。ジクロロメタ
ン−メタノール(20:1)で溶離することにより、下記の
構造を有する化合物を、 (nの平均値は13)1.36g(平均して1.56mmol)を得
た。
上記ヒドロキシ化合物1.36g(平均して、1.56mmol)
にエーテル10ml、30%過酸化水素水溶液20mlと濃硫酸0.
50mlを加え、室温にて16時間反応させた後、水を加え酢
酸エチルにて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、
減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−
ヘキサン(20:1)で溶離することにより、下記の構造を
有する化合物を (nの平均値は13)869mg(平均して0.961mmol)を得
た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.09(s,2H),7.48〜7.14(m,8H),4.53(s,4H),3.62
(s,52H),1.53(s,12H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3330 参考例8 1,14−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−2,13−ジオキサテトラデカン アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム851mg(21.3mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(60m
l)溶液に1,10−デカンジオール1.21g(6.94mmol)を加
え40°〜50℃にて30分間反応させた後、4−ブロモベン
ジルブロマイド4.23g(16.9mmol)を加え室温にて18時
間反応させた。0℃にて反応液に飽和塩化アンモニウム
水溶液を加え酢酸エチルにて抽出をおこなった。有機層
を水洗した後、減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにて分離精製をおこなった。ジ
クロロメタン−hexane(1:1)で溶離することにより1,1
4−ビス(4−ブロモフェニル)−2,13−ジオキサテト
ラデカン3.09g(6.04mmol)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物3.09g(6.04mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(80ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(9.40ml、15.0mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液に、アセ
トン5.00ml(68.1mmol)を加え−78℃にて10分間反応さ
せた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノー
ル(50:1)で溶離することにより1,14−ビス〔4−(α
−ヒドロキシイソプロピル)フェニル〕−2,13−ジオキ
サテトラデカン1.10g(2.34mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物1.10g(2.34mmol)にエーテル1
0ml、30%過酸化水素水溶液20mlと濃硫酸0.50mlを加
え、室温にて16時間反応させた後、水を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(1:
1)で溶離することにより1,14−ビス〔4−(α−ヒド
ロペルオキシイソプロピル)フェニル〕−2,13−ジオキ
サテトラデカン1.04g(2.07mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 7.97(bs,2H),7.47〜7.10(m,8H),4.40(s,4H),3.40
(t,4H,J−6Hz),1.5(s,12H),1.23(bs,16H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3230 参考例9 1,4−ビス[3−〔4−(α−ヒドロペルオキシイソ
プロピル)フェニル〕−2−オキサプロピル]ベンゼン アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム951mg(23.8mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(50m
l)溶液に4−ブロモベンジルアルコール2.64g(14.1mm
ol)を加え40°〜50℃にて30分間反応させた後、α,
α′−ジブロモ−p−キシレン1.62g(6.14mmol)を加
え室温にて19時間反応させた。0℃にて反応液に飽和塩
化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出をおこ
なった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し得られる残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製を
おこなった。ジクロロメタン−ヘキサン(4:1)で溶離
することにより1,4−ビス〔3−(4−ブロモフェニ
ル)−2−オキサプロピル〕ベンゼン1.83g(3.84mmo
l)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物1.83g(3.84mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(60ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(6.00ml、9.60mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液に、アセ
トン3.00ml(40.9mmol)を加え−78℃にて10分間反応さ
せた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノー
ル(100:1)で溶離することにより1,4−ビス[3−〔4
−(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル〕−2−オ
キサプロピル]ベンゼン1.22g(2.81mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物1.22g(2.81mmol)にエーテル1
0ml、30%過酸化水素水溶液20mlと濃硫酸0.500mlを加
え、室温にて16時間反応させた後、水を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(1:
3)で溶離することにより1,4−ビス[3−〔4−(α−
ヒドロペルオキシイソプロピル)フェニル〕−2−オキ
サプロピル]ベンゼン1.11g(2.38mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.10(bs,2H),7.48〜7.17(m,8H),4.45(s,8H),1.52
(s,12H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3330 参考例10 1,13−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル〕−7−ヒドロキシ−4,10−ジオキサトリ
デカン アルゴン雰囲気下、ジエチル3−ヒドロキシグルタレ
ート1.22g(5.97mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(3
0ml)溶液にtert−ブチルジフェニルシリルクロライド
1.95g(7.09mmol)とイミダゾール1.41g(20.7mmol)を
加え室温で10時間反応させた。その溶液に水を加え、ベ
ンゼンで抽出をおこない、有機層を水洗し減圧濃縮し
た。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて分離精製し、ジクロロメタン−ヘキサン(1:1)
溶離液からジエジル3−(tert−ブチルジフェニルシロ
キシ)グルタレート2.54g(5.75mmol)を得た。
次に、アルゴン雰囲気下、該化合物2.54g(5.75mmo
l)の乾燥ジエチルエーテル(100ml)溶液にリチウムア
ルミニウムヒドライド562mg(14.8mmol)を0℃に加え
室温にて3時間反応させた。その反応液を0℃に冷却し
た後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え生成した沈澱
物を過により除いた。得られる溶液を減圧濃縮し、そ
の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離
精製した。ジクロロメタン−メタノール(10:1)で溶離
することにより3−(tert−ブチルジフェニルシロキ
シ)1,5−ペンタジオール1.59g(4.44mmol)を得た。さ
らに、上記化合物1.59g(4.44mmol)の乾燥ピリジン(1
00ml)溶液にp−トルエンスルホニルクロライド1.93g
(10.1mmol)を加え室温にて18時間反応させた。その溶
液に水を加えジクロロメタンで抽出をおこない、有機層
を水洗し減圧濃縮した。得られる残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて分離精製しジクロロメタン−
メタノール(100:1)で溶離することにより1,5−ビス
(p−トルエンスルホキシ)−3−(tert−ブチルジフ
ェニルシロキシ)ペンタン2.56g(3.84mmol)を得た。
そして、アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナ
トリウム635mg(15.9mmol)の乾燥ジメチルホルムアミ
ド(50ml)溶液に3−(4−ブロモフェニル)−1−プ
ロパノール2.26g(10.5mmol)を加え100℃にて、30分間
反応させた後、1,5−ビス(p−トルエンスルホキシ)
−3−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)ペンタン2.
56g(3.84mmol)を加え、100℃にて16時間反応させた。
0℃にて反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えベ
ンゼンにて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減
圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて分離精製した。ジクロロメタン−ヘキサン
(1:2)で溶離することにより1,13−ビス(4−ブロモ
フェニル)−7−(tert−ブチルジフェニルシロキシ)
−4,10−ジオキサトリデカン1.27g(1.69mmol)を得
た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物1.27g(1.69mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(50ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(2.30ml、3.68mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液に、アセ
トン1.50ml(20.4mmol)を加え−78℃にて10分間反応さ
せた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノー
ル(50:1)で溶離することにより1,13−ビス〔4−(α
−ヒドロキシイソプロピル)フェニル〕−7−(tert−
ブチルジフェニルシロキシ)−4,10−ジオキサトリデカ
ン1.05g(1.48mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物1.05g(1.48mmol)にエーテル1
0ml30%過酸化水素水素溶液20ml、濃硫酸0.500mlを加
え、室温にて12時間反応させた後、水を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(1:
1)で溶離することにより1,13−ビス〔4−(α−ヒド
ロペルオキシイソプロピル)フェニル〕−7−(tert−
ブチルジフェニルシロキシ)−4,10−ジオキサトリデカ
ン1.04g(1.40mmol)を得た。
次に、アルゴン雰囲気下、上記化合物1.04g(1.40mmo
l)の乾燥テトラヒドロフラン(15ml)溶液に、テトラ
ブチルアンモニウムフルオライドの1.0Mテトラヒドロフ
ラン溶液(2.80ml、2.80mmol)を加え室温にて6時間反
応させた。その溶液に水を加え酢酸エチルにて抽出し有
機層を水洗した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製しジクロ
ロメタン−メタノール(25:1)で溶離することにより1,
13−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)
フェニル〕−7−ヒドロキシ−4,10−ジオキサトリデカ
ン621mg(1.23mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.03(s,2H),7.38〜7.04(m,8H),3.62〜3.31(m,9
H),2.59〜2.30(m,4H),2.06〜1.84(m,8H),1.52(s,
12H) IR(νcm-1,CHCl3)3600,3530,3400 参考例11 1,6−ビス〔3−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)フェニル−2,5−ジオキサヘプタン アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム603mg(15.1mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(50m
l)溶液にエチレングリコール259mg(4.17mmol)を加え
40°〜50℃にて30分間反応させた後、3−ブロモベンジ
ルブロマイド2.69g(10.8mmol)を加え室温にて20時間
反応させた。0℃にて反応液に飽和塩化アンモニウム水
溶液を加え酢酸エチルにて抽出をおこなった。有機層を
水洗した後、減圧濃縮し得られる残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて分離精製をおこなった。ジク
ロロメタンで溶離することにより1,6−ビス(3−ブロ
モフェニル)−2,5−ジオキサヘプタン1.57g(3.93mmo
l)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物1.57g(3.93mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(40ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(6.20ml、9.92mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液に、アセ
トン3.00ml(40.9mmol)を加え−78℃にて10分間反応さ
せた後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノー
ル(25:1)で溶離することにより1,6−ビス〔3−(α
−ヒドロキシイソプロピル)フェニル〕−2,5−ジオキ
サヘプタン1.07g(3.28mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物1.07g(3.28mmol)にエーテル1
0ml、30%過酸化水素水溶液20mlと濃硫酸0.50mlを加
え、室温にて17時間反応させた後、水を加え酢酸エチル
にて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮
し得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(1:
1)で溶離することにより1,6−ビス〔3−(α−ヒドロ
ペルオキシイソプロピル)フェニル〕−2,5−ジオキサ
ヘプタン1.12g(3.13mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.10(bs,2H),7.52〜7.14(m,8H),4.43(s,4H),3.62
(s,4H),1.55(s,12H) IR(νcm-1,CHCl3)3520,3330 参考例12 ビス〔2−クロロ−4−(α−ヒドロペルオキシイソ
プロピル)ベンジル〕エーテル アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム271mg(6.78mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(25m
l)溶液に4−ブロモ−2−クロロベンジルアルコール
1.00g(4.52mmol)を加え40〜50℃にて30分間反応させ
た後4−ブロモ−2−クロロベンジルブロマイド1.54g
(5.42mmol)を加え室温にて18時間反応させた。0℃に
て反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチ
ルにて抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃
縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにて分離精製をした。酢酸エチル−ヘキサン(1:
4)で溶離することによりビス(4−ブロモ−2−クロ
ロベンジル)エーテル1.69g(3.97mmol)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物1.69g(3.97mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(50ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(5.46ml、8.73mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液にアセト
ン4.00ml(54.5mmol)を加え−78℃にて10分間反応させ
た後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルに
て抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し
得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノール
(100:1)で溶離することにより、ビス〔2−クロロ−
4−(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンジル〕エーテ
ル1.19g(3.11mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物1.19g(3.11mmol)にエーテル1
0ml、50%過酸化水素水溶液30ml、濃硫酸0.2mlを加え、
室温にて16時間反応させた後、水を加え酢酸エチルにて
抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し得
られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(2:1)
で溶離することによりビス〔2−クロロ−4−(α−ヒ
ドロペルオキシイソプロピル)ベンジル〕エーテル947m
g(2.28mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.03(s,2H),7.47〜7.14(m,6H),4.69(s,4H),1.55
(s,12H) IR(νcm-1,CHCl3)3520,3330 参考例13 1,9−ビス〔2−クロロ−4−(α−ヒドロペルオキ
シイソプロピル)フェニル〕−2,5,8−トリオキサノナ
アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム472mg(11.8mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(50m
l)溶液にジエチレングリコール500mg(4.71mmol)を加
え40〜50℃にて30分間反応させた後4−ブロモ−2−ク
ロロベンジルブロマイド2.96g(10.4mmol)を加え室温
にて16時間反応させた。0℃にて反応溶液に飽和塩化ア
ンモニウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出をおこなっ
た。有機層を水洗した後、減圧濃縮して得られる残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製し
た。酢酸エチル−ヘキサン(1:3)で溶離することによ
り1,9−ビス(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−2,
5,8−トリオキサノナン2.10g(4.09mmol)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物2.10g(4.09mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(40ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(5.63ml、9.00mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液にアセト
ン3.00ml(40.9mmol)を加え−78℃にて10分間反応させ
た後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルに
て抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し
得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノール
(50:1)で溶離することにより、1,9−ビス〔2−クロ
ロ−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル〕−
2,5,8−トリオキサノナン1.44g(3.06mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物1.44g(3.06mmol)にエーテル1
0ml、50%過酸化水素水溶液30ml、濃硫酸0.2mlを加え、
室温にて18時間反応させた後、水を加え酢酸エチルにて
抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し得
られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(2:1)
で溶離することにより1,9−ビス〔2−クロロ−4−
(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)フェニル〕−2,
5,8−トリオキサノナン1.09g(2.17mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 7.98(s,2H),7.45〜7.16(m,6H),4.64(s,4H),3.62
(s,8H),1.53(s,12H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3330 参考例14 1,21−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)−2−メチルフェニル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘ
プタオキサヘネイコサン アルゴン雰囲気下、鉱油中60%含有の水素化ナトリウ
ム354mg(8.85mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(20m
l)溶液にヘキサエチレングリコール1.00g(3.54mmol)
を加え40〜50℃にて30分間反応させた後4−ブロモ−2
−メチルベンジルブロマイド2.06g(7.79mmol)を加え
室温にて17時間反応させた。0℃にて反応溶液に飽和塩
化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出をおこ
なった。有機層を水洗した後、減圧濃縮して得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離精製
した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4)で溶離することに
より1,21−ビス(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−
2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサヘネイコサン2.02g
(3.12mmol)を得た。
アルゴン雰囲気下、上記化合物2.02g(3.12mmol)の
乾燥テトラヒドロフラン(30ml)溶液にn−ブチルリチ
ウムの1.60Mヘキサン溶液(4.29ml、6.86mmol)を−78
℃にて加えた後、30分間反応させた。その溶液にアセト
ン3.00ml(40.9mmol)を加え−78℃にて10分間反応させ
た後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルに
て抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し
得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て分離精製をおこなった。ジクロロメタン−メタノール
(100:1)で溶離することにより、1,21−ビス〔4−
(α−ヒドロキシイソプロピル)〕−2−メチルフェニ
ル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサヘネイコサン
1.37g(2.25mmol)を得た。
上記ヒドロキシ化合物1.37g(2.25mmol)にエーテル1
0ml、50%過酸化水素水溶液30ml、濃硫酸0.2mlを加え、
室温にて18時間反応させた後、水を加え酢酸エチルにて
抽出をおこなった。有機層を水洗した後、減圧濃縮し得
られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
分離精製をおこなった。酢酸エチル−ヘキサン(2:1)
で溶離することにより1,21−ビス〔4−(α−ヒドロペ
ルオキシイソプロピル)−2−メチルフェニル〕−2,5,
8,11,14,17,20−ヘプタオキサヘネイコサン1.07g(1.67
mmol)を得た。
NMR(ppm,CDCl3) 8.07(s,2H),7.42〜7.03(m,6H),4.53(s,4H),3.61
(s,24H),2.24(s,6H),1.56(s,12H) IR(νcm-1,CHCl3)3530,3340 実施例 試験紙の製造法 溶液I ビス(α−ヒドロペルオキシイソプロピルフェニル)
化合物(I) 分子量×2.24×10-3g p−トルエンスルホニル−N−ジエチルアミド 5.0g ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.5g エタノール 100ml 紙を溶液Iに充分湿潤して、40℃の乾燥オーブンで20
分間乾燥する。
溶液II アクリルアミド 10g ポリエチレングリコール 10g クエン酸三ナトリウム・二水和物 9g クエン酸・1水和物 1g サポニン 100mg EDTA-2Na 30mg 水 100ml 溶液Iで乾燥した紙を溶液IIに充分湿潤して40℃の乾
燥オーブンで50分間乾燥する。
溶液III オルトトリジン 1.20g 3−アミノキノリン 0.5 g ベンゼン 100ml 溶液IIで乾燥した紙を溶液IIIに充分湿潤して40℃の
乾燥オーブンで10分間乾燥する。これを、性能評価用の
試験紙として使用する。
試験例1 上記試験紙の製造例で示したようにして得られた試験
片を試料中に1秒間浸漬させる。前記試験片の呈色を時
間の経過につれて所定の色調表と照らし合わせて色調表
に記された判定符号を目視により読みとる。前記色調表
によって呈色の度合から試料中潜血の濃度を判定する。
その判定符号と、ヘモグロビン濃度との相関を下に示
す。
なお、色調表のヘモグロビン濃度と相関する色調は、過
酸化物2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキ
シドを用いて前記製造例で示した方法により作製した試
験片の判定時間60秒後の色を示している。
その結果、ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプ
ロピル)ベンジル〕エーテルは、約10秒の判定時間で色
調表に相当する呈色をしていた。一方、クメンヒドロペ
ルオキシドを用いた試験紙が色調表に相当する呈色をす
るのに約25秒要した。なお色調表を作成するに用いた2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシドは60
秒を要している。
以上のことから、本発明において使用されるビス〔4
−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンジル〕エ
ーテルは、市販されている尿中潜決測定試験紙に用いら
れている過酸化物2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒド
ロペルオキシドとクメンヒドロペルオキシドよりも高い
感度を有していることがわかった。
試験例2 60℃における経時変化試験をおこなった判定結果を表
2および3に示す。
表2および表3から、ビス〔4−(αヒドロペルオキ
シイソプロピル)ベンジル〕エーテルが経時変化安定性
に優れていることがわかる。
試験例3 人尿の中には飲料水やビタミン剤などによりビタミン
Cが含まれている。このビタミンCにより潜血測定用試
験紙は偽陰性反応をうける。本発明のビス(α−ヒドロ
ペルオキシイソプロピルフェニル)化合物(I)を用い
て前記製造例で示した方法によって作製した試験片で尿
中のビタミンC濃度20mg/dlと100mg/dlにおける性能検
査を行なった。結果を表4および5に示す。
表4および5の結果から本発明において使用される過
酸化物ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)ベンジル〕エーテルはクメンヒドロペルオキシドと
同等かそれ以上のビタミンC抑制効果があった。
試験例4 スティック上で、潜血測定用試験片とブドウ糖測定用
試験片が隣接している場合、ブドウ糖試験紙に変色が生
ずることが知られている。
過酸化物としてビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイ
ソプロピル)ベンジル〕エーテルを用いて前記製造例で
示した方法により作製した試験片と2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジヒドロペルオキシドを用いた試験片と
を、別々のスティック上に貼り、その各々のスティック
上の隣接する部位にブドウ糖試験片を貼り、40℃1ヵ月
間保管した。その結果は、前者がブドウ糖試験片に、変
色がないのに対して、後者は変色が生じていた。このこ
とから、本発明の過酸化物は隣接する他の尿中試験項目
への影響が少ない。
[発明の効果] 本発明の試験組成物および試験具は過酸化物活性化物
質、特に血液またはヘモグロビンの検出に有効に利用さ
れる。即ち、有機ヒドロペルオキシド、呈色指示薬から
なる過酸化物活性化物質試験組成物および試験具におい
て有機ヒドロペルオキシドとしてビス(α−ヒドロペル
オキシイソプロピルフェニル)化合物(I)を使用する
と下記の特長を有する該試験組成物が得られる。
(1) 経時的に安定であり、長期間貯蔵しても良好な
検出感度を維持することができる。
(2) 尿のようにビタミンCを含む試料の試験におい
ても偽陰性が発生しにくい。
(3) 尿中成分検出用多項目試験片の場合、ブドウ糖
試験片等隣接する他の試験片を変色させることがなく、
性能低下をもたらさない。
(4) 従来の試験組成物より呈色反応の速度が速く、
呈色感度が高い。
このように本発明の試験組成物および試験具は過酸化
物活性化物質試験に優れた性質を有している。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、R1およびR2は同一または異なって水素原子、低
    級アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基またはニ
    トロ基を示し、Xは下記の式で示される鎖中にエーテル
    基および(または)フェニレン基を含むことのあるアル
    キレン基を示す。〕 で示されるビス(α−ヒドロペルオキシイソプロピルフ
    ェニル)化合物および酸化呈色指示薬を含有する過酸化
    物活性化物質測定用試験組成物。 −CH2OCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OCH2−, −CH2OCH2CH2OCH2
  2. 【請求項2】ビス(α−ヒドロペルオキシイソプロピル
    フェニル)化合物が1,3−ビス〔4−(α−ヒドロペル
    オキシイソプロピル)フェニル〕プロパン、 2,2−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
    ル)フェニル〕−3,5,,8−トリオキサノナン、 1,7−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
    ル)フェニル〕−4−ヒドロキシヘプタン、 4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンジルエ
    ーテル、 1,12−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
    ル)フェニル〕−2,5,8,11−テトラオキサドデカン、 1,21−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
    ル)フェニル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサヘ
    ネイコサン、 ポリエチレングリコールビス〔4−(α−ヒドロペルオ
    キシイソプロピル)ベンジル〕エーテル、 1,14−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
    ル)フェニル〕−2,13−ジオキサトラデカン、 1,4−ビス〔3−〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプ
    ロピル)フェニル〕−2−オキサプロピル〕ベンゼン、 1,13−ビス〔4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
    ル)フェニル〕−7−ヒドロキシ−4,10−ジオキサトリ
    デカン、 1,6−ビス〔3−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
    ル)フェニル〕−2,5−ジオキサヘプタン、 ビス〔2−クロロ−4(α−ヒドロペルオキシイソプロ
    ピル)ベンジル〕エーテル、 1,9−ビス〔2−クロロ−4(α−ヒドロペルオキシイ
    ソプロピル)フェニル〕−2,5,8−トリオキサノナン、
    または 1,21−ビス〔4(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)
    −2−メチルフェニル〕−2,5,8,11,14,17,20−ヘプタ
    オキサヘネイコサン、 である特許請求の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】酸化呈色指示薬がオルトトリジン、ベンジ
    ジンまたはロイコマラカイドグリーンである特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の組成物。
  4. 【請求項4】一般式 〔式中、R1およびR2は同一または異なって水素原子、低
    級アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基またはニ
    トロ基を示し、Xは下記の式で示される鎖中にエーテル
    基および(または)フェニレン基を含むことのあるアル
    キレン基を示す。〕 で示されるビス(α−ヒドロペルオキシイソプロピルフ
    ェニル)化合物および酸化呈色指示薬を含有する組成物
    を担持させた過酸化物活性化物質測定用試験具。 −CH2OCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2OCH2−, −CH2OCH2CH2OCH2
  5. 【請求項5】担体が濾紙、ガラス繊維またはプラスチッ
    ク素材からなる不織布である特許請求の範囲第5項記載
    の試験具。
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