JP4189153B2 - フルオレセインイソチオシアネート(fitc)シニストリン、その製造及びその使用 - Google Patents

フルオレセインイソチオシアネート(fitc)シニストリン、その製造及びその使用 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、腎臓の診断においてマーカー物質として使用できる新規化学物質、その製造方法及び使用、並びにこの化合物を含有する腎臓診断用薬剤に関する。
【0002】
例えばフルクタンは、腎臓診断におけるマーカー物質として、特に腎機能の検査の際に糸球体濾過率(GFR)を測定するために使用される。フルクタン(ポリフルクトサンとしても知られている)は、スクロースの基盤となる分子上にグラフトした直鎖の又は分岐したフルクトース鎖からなるオリゴ糖及び多糖である。フルクトース鎖の分岐の程度及び重合の程度に応じて、種々のフルクタンは異なる水溶性などの異なる物理的特性を有することが可能である。炭水化物として植物に生ずる多くのフルクタンは、例えば、キク科植物、キキョウ科植物、イネ科植物及びユリ科植物の地下部分に貯蔵されている。
【0003】
フルクタンであるイヌリン及びシニストリン(sinistrin)は、腎機能の検査におけるマーカー物質として特に使用される。イヌリン及びシニストリンはどちらも約10〜40のフルクトース単位からなっており、約1600〜約6500に相当する分子量を有している。非経口投与後に、イヌリン及びシニストリンは代謝により変換されず、また、該生物中に蓄積されることもなく、腎臓の糸球体により濾過されて取り除かれ、細管において再吸収されることがない。
【0004】
腎機能を評価する目的では、一定用量のマーカー物質を非経口投与した後に、血中でのマーカー物質の濃度の経時変化を測定することが通例である。血中でのマーカー物質の濃度は例えば酵素的方法により測定することができる(例えば、H.F. Kuehnleら, Fully enzymatic inulin determination in small volume samples without deproteinization, Nephron 62 (1992) 104-107を参照のこと)。マーカー物質がイヌリンの場合については特に、フルオレセインイソチオシアネート標識イヌリン(FITC-イヌリン)のような蛍光標識が付与されたイヌリンを使用し、そして、蛍光を測定することによりマーカー物質の濃度を測定する可能性についても記載されている(例えば、M. Sohtellら, FITC-inulin as a kidney tubule marker in the rat, Acta Physiol. Scand. 119 (1983) 313-316; J. N. Lorenz 及びE. Gruenstein, A simple, nonradioactive method for evaluating single-nephron filtration rate usin FITC-inulin, Am. J. Physiol. 276 (Renal Physiol. 45) (1999) F172-F177)。
【0005】
イヌリン及びFITC-イヌリンの日常的な診断業務にとっての欠点は、それらがごく僅かしか水に溶解せず、貯蔵している間に水性製剤中で結晶化してしまうことである。従ってイヌリン含有製剤は、通常、投与する前にイヌリン又はFITC-イヌリンを再度溶解する目的で加熱しなければならない。しかしながら、この操作は、加熱時間の長さに応じてイヌリンを加水分解により攻撃し、イヌリンは部分的にフルクトースへと分解される。更にまた、不完全に溶解された場合はイヌリン粒子の溶解していない残留物は製剤中に残ったままであり、これらの残留物は検知するのが難しく、注射後に深刻な循環系の合併症を引き起こすことがある。イヌリン及びFITC-イヌリンの低い溶解性のために、注射用溶液中でのマーカー物質の規定濃度を達成することが困難となる。そのうえ、イヌリン及びFITC-イヌリンの投与は、実験動物への注射後に血圧の一時的な低下を引き起こす。最大で、この循環の応答は5分間持続する。循環虚脱は測定しようとしている腎機能を特に低下させる。
【0006】
シニストリンはイヌリン様フルクタンであり、フルクタン含有植物の一部から抽出により得ることができる(欧州特許B-0 568 574号明細書を参照)。しかしながら、マーカー物質としてのシニストリンの使用は、対応する製剤中において、検査する個体の体重1kgあたり100mgの範囲の比較的高濃度のシニストリンを必要とする。なぜならば、シニストリン自体は血液試料中でしか測定することができず、この目的に利用できる分析方法は比較的感度が低いからである。更にまた、シニストリンは多段階の酵素反応によってしか検出できない。この方法では、内因性のグルコースを除去した後にまずシニストリンをグルコースに変換し、こうして得られたグルコースをシニストリンの指標として測定する。実験により、かかる多段階反応は複雑であり、非常に不正確であることが多いことが示されている。
【0007】
従って本発明の目的は先行技術の欠点を克服することである。本発明の目的は特に、腎機能の検査においてマーカー物質として使用することができ、かつ、先行技術において既知であるマーカー物質、特にイヌリン、FITC-イヌリン及びシニストリンよりも有利な物質を提供することである。
【0008】
当該目的は、特許請求の範囲に記載した本発明の対象により達成される。
【0009】
本発明はフルオレセインイソチオシアネートにより標識されたシニストリンに関する。以下、それをFITC-シニストリンと呼ぶ。
【0010】
本発明のFITC-シニストリンは、シニストリンをフルオレセインイソチオシアネート(FITC)と反応させることにより得ることができる。この反応においては、まずシニストリンをジメチルホルムアミド(DMF)などの適切な溶媒中で水素化ナトリウム(NaH)と反応させ、続いてFITCを反応混合物中に添加する。生成物であるFITC-シニストリンは、例えば塩化アンモニウム水溶液(NH4Cl)を添加し、続いてジエチルエーテルにより抽出し、そして溶媒を除去し、さらに随意に再結晶化及び/又はゲル濾過により精製する周知の方法により固体として単離できる。FITC-シニストリンの好ましい製造方法を実施例1に記載する。
【0011】
本発明のもう1つの対象は上記のFITC-シニストリンの製造方法である。
【0012】
本発明はまた、診断用薬剤と並んで腎臓の診断に特に適した診断用製剤、特にFITC-シニストリンを含有する診断用製剤の成分としてのFITC-シニストリンの使用に関する。
【0013】
本発明のFITC-シニストリンは好ましくは、非経口投与される腎機能を試験するための製剤の成分として使用する。診断用薬剤を製造する目的で、FITC-シニストリンを注射用水(DAB10に従う注射用途の水)または生理食塩水(等張塩化ナトリウム溶液)に溶解する。診断用製剤中のFITC-シニストリンの濃度は25〜125mg/mlの範囲である。FITC-シニストリンのほかに、非経口投与する診断用薬剤は生理的に許容される緩衝物質も含み得る。
【0014】
FITC-シニストリン中のフルオレセインイソチオシアネート基の存在は蛍光の測定に基づくFITC-シニストリンの測定を可能にする。この測定は例えば血液試料においてin vitroで行うことができる。例えば血液試料においてFITC-シニストリンの蛍光を測定するために、血液試料を酵素により前処理しなくてもよい。そのうえ、蛍光の測定には高感度かつ高速の測定という利点がある。蛍光の測定は従来からある標準的な装置により行うことができる。本発明のFITC-シニストリンの腎臓診断でのマーカー物質としての使用はまたFITC-シニストリンについての非侵襲的検出方法を可能にする。現在の技術用語において用いられる非侵襲的検出方法とは、例えば静脈穿刺後の血液採取による、又は指球若しくは耳朶からの毛管血液の採取による事前サンプリングをせずに、組織又は体液において物質(この場合はFITC-シニストリン)の検出を可能にする方法である。
【0015】
好ましくは蛍光測定の手段は、組織又は体液においてFITC-シニストリンを測定する非侵襲的方法として使用する。この方法では、蛍光を励起するために検査する個体の皮膚に光を照射して皮膚から発光する蛍光を検出する。この方法は非侵襲測定ヘッドの利用により有利に実現できる。この場合、UVの範囲でのレーザー照射のような光源がガラスファイバー光学系を経て皮膚を照射し、皮膚に含まれるFITC-シニストリン分子を励起して蛍光を発光させる。蛍光はガラスファイバー光学系により収集され、CCD分光写真器のような適当な検出器により測定される。光源及び/又は検出器は測定ヘッドに組み込むか測定ヘッドの外側に配置することができる。測定ヘッドを、透明な接着性薄膜などの透明な接着剤の使用などによって測定する個体の皮膚に接着し、測定の全時間の間その場所に取り付けておく。
【0016】
高感度の蛍光測定によりFITC-シニストリンを測定することが可能なので、検査する個体に投与するFITC-シニストリンの量は、(誘導体化していない)シニストリンによる場合よりもかなり少ない。シニストリンの場合、検査する個体の体重1kgあたり100mgの物質の用量が必要であるのに対して、FITC-シニストリンは、検査する個体の体重1kgあたり5〜50mgの用量にて、好ましくは5〜20gmの用量においてさえ、既に十分な感度で検出できる。低用量であることは、検査する生物へのストレスをシニストリンに比べて著しく軽減する。
【0017】
更にまたFITC-シニストリンの非侵襲的検出が可能である。このこともまた、FITC-シニストリンの検査及び測定のために血液試料を採取することが不要なために、検査する個体の体にとっての負の効果を低減する。
【0018】
FITC-シニストリン含量の非侵襲的測定は長時間に亘り、例えば腎機能(gFR)をモニターするための臨床的に適切な測定時間である180分間に亘り連続的に行うことができる。このことは正確な診断に寄与する。
【0019】
これまでのところ、腎機能の検査のためのマーカー物質としてFITC-シニストリンを使用した場合に、望ましくない循環系応答は検査する個体において観察されていない。従って糸球体濾過率を腎臓への副作用を伴わずに測定することができる。このことはFITC-イヌリン又はイヌリンの既知の使用よりも顕著に有利である。
【0020】
本発明を以下の実施例により更に説明する。
【0021】
実施例1:
フルオレセインイソチオシアネート - シニストリンの製造
【化1】
Figure 0004189153
【0022】
シニストリン(500mg、3.1mmol/l、Fresenius Kabi、linz、Austria)を窒素雰囲気下で17mlの無水ジメチルホルムアミド(DMF)に添加し、15分間40〜43℃にて攪拌した。氷浴中で冷却し、水素化ナトリウム(500mgの60%油中懸濁液、12.5mmol、Fluka、Buchs、Switzerland)を添加した。室温にて5分間攪拌し、40〜45℃にて30分間攪拌した。その間、反応混合物は徐々に粘凋になったが攪拌することはできた。フルオレセインイソチオシアネート(FITC、350mg、0.9mmol、Sigma、異性体I)を固体として添加した。このことにより反応混合物の粘度は直ちに低下した。40〜45℃にて18時間攪拌した後、0℃に冷却し、10mlの水に塩化アンモニウム(NH4Cl、696mg、13mmol)を溶かした溶液を注意深く添加した。更に20mlの水を添加した後、混濁した溶液をジエチルエーテルで2回抽出して白色の油状物を分離した。溶媒を40℃に満たない温度の水浴にてロータリーエバポレーターで大部分除去し、残留物を高真空中で乾燥させた。残留物をエタノールと水の1:1混合物30ml中に入れ、初めはエタノールにより沈殿させ、続いて全量が1000mlになるまでアセトンを加えた。沈殿物を沈降させ遠心分離した。
【0023】
ゲル濾過(BioRad Biogel, P-2 extra fine, カラム2.5 x 35 cm, 溶出液:完全に脱塩した水)の後、340mgのFITC-シニストリンを、改めて沈殿することにより黄色粉末として得た。
【0024】
生成物は1molのシニストリンあたり約0.14molのFITCを含んでいた。
【0025】
図1は、FITC-シニストリンのUV/VISスペクトルを示す。同図では吸光度Aを波長(λnm)に対してプロットする。
【0026】
実施例2
動物実験での FITC- シニストリンの非侵襲的測定
a) 非侵襲的測定ヘッドの使用
非侵襲的測定ヘッドの機能は皮膚に光を照射して蛍光を励起させること及び皮膚からの蛍光を検出することである。該測定ヘッドを、外付けの光源(UVレーザー)がガラスファイバーを通して皮膚を照らし、そこに含まれるFITC-シニストリン分子を励起するファイバー光学測定ヘッドとして設計した。一方で蛍光(波長529nm)をガラスファイバーにより取り出し、外付けの検出器(CCD分光写真器)において測定した。
【0027】
測定ヘッドを透明な接着性薄膜により実験動物の皮膚に接着し、測定の全時間の間その部位に取り付けておいた。
【0028】
b) 動物実験の手順
実験動物(ウサギ)を専門的な方法で麻酔し、中心動脈カテーテルを取り付けた。カテーテルは動脈血圧をモニターして対照血液試料を取り出すためだけに使用した。
【0029】
非侵襲的測定ヘッドを、実験動物の胸郭領域の、毛を剃った皮膚部位に接着した。試験物質であるFITC-シニストリンを30mg/kgの標準的な用量で静脈内投与した。腎機能の検査(gFR)のための臨床的に関連のある全測定時間は180分間であった。
【0030】
c) 動物実験の結果
図2は、(1)FITC-シニストリンの蛍光測定により得られた非侵襲的な方法のクリアランス曲線と(2)実験動物の血液試料における蛍光測定により値を得たFITCクリアランス曲線との比較を示す。規格化したシグナル強度Iを時間t(分)に対して対数プロットした。
【0031】
クリアランスの半減期が同じであることも示されている両曲線における減少の挙動の一致は、2つの方法が等価であることを示している。この場合、非侵襲的方法についての半減期は38分であり、侵襲的な対照方法については43分であることが見出された。
【0032】
実施例3
シニストリン及びイヌリンの侵襲的な測定方法と非侵襲的な測定方法との比較
FITC-シニストリンについて実施例2の動物実験を同一の様式で10回繰り返した。侵襲的測定から得られたクリアランス曲線についての半減期(t1/2 inv.)(分)を、非侵襲的測定から得られた半減期(t1/2 n.i.)に対してプロットした。結果を図3に示す。相関係数は89.9%であった。
【0033】
比較のために、FITC-イヌリン(Sigma(Aldrich)から得た)について実施例2の動物実験を同一の様式で20回繰り返した。侵襲的測定から得られたクリアランス曲線についての半減期(t1/2 inv.)(分)を、非侵襲的測定から得られた半減期(t1/2 n.i.)に対してプロットした。結果を図4に示す。この場合、相関係数はわずか49.2%であった。
【0034】
本発明のFITC-シニストリンを用いた場合、侵襲的測定と非侵襲的測定との間には非常に良好な相関が見られたのに対して、FITC-イヌリンについては殆ど何の相関も観測されなかった。FITC-イヌリンの場合の低い一致性は、適切な測定が不可能なほどFITC-イヌリンにより実験動物の生理が乱されているという事実によるものであると考えられる。この問題は本発明のFITC-シニストリンによれば生じない。
【0035】
実施例4
実験動物の器官での FITC- シニストリンと FITC- イヌリンとの蓄積の差
ラットに体重1kgあたり30mgのFITC-シニストリンを2日間の間隔で投与した。FITC-シニストリンの最後の投与の4時間後に動物を屠殺し、実験動物の肺、肝臓及び腎臓の器官の切片を調製した。該切片を蛍光測定によりFITC-シニストリンの存在について検査した。上記器官の何れにおいても、自己蛍光の範囲を超える蛍光は見出されなかった。このように、全ての器官はFITC-シニストリンを含んでいなかった。
【0036】
同じ実験をFITC-イヌリンを用いて行った。この場合は、強い蛍光が、FITC-イヌリンの存在により上記の器官(肺、肝臓及び腎臓)において観測された。
【0037】
肝臓では、FITC-イヌリンは主に細胞内に見られた。このことは不可逆的な細胞損傷(細胞死)を引き起こし、該器官に長期に亘る損傷をもたらす可能性がある。肺では、FITC-イヌリンは、小さな狭窄及び究極的には塞栓症をもたらす球の状態で見出された。
【0038】
注射の6分後に屠殺し、動物から全ての血液等を除く目的で食塩水で直ちにすすいだラットにおいてさえ、FITC-イヌリンを使用した場合には、この物質が肝臓、肺及び腎臓に蓄積されることが観察された。このように、この実験では多量のFITC-イヌリンが非常に速く器官に蓄積されることが見出された。対照的に、FITC-シニストリンを投与した場合は、上記の器官の何れにおいても蛍光は見られなかった。
【0039】
実施例5
テストストリップによる FITC- シニストリンの検出
以下に記載する被覆用組成物1及び2の二層被覆を、欧州特許出願公開A 0 821 234に記載のようにコロナ処理により前処理した厚さ125μmの透明Pokalon薄膜に施した。それぞれの層を1m/分の速度にて75μmの厚さで連続的に(先に被覆用組成物1を)ナイフコーターにより被覆した。層を、それぞれを被覆した後に30分間50℃にて乾燥させた。こうして得たフィルムを6mm x 6mmの大きさの小片に切り、長さ100mm、幅6mm及び厚さ1mmのポリエステル薄膜に、直径4mmの円形の穴を覆って、両面接着用テープを用いて接着した。これはテストストリップの取り扱いを容易にするという目的に資するものであった。この工程では、被覆したフィルムのPokalon薄膜の面を接着用テープ上に置き、被覆用組成物2からなるフィルム層が試料の適用に接することができるようにした。接着用テープもまた、ポリエステル薄膜が穴を有している部位に4mmの穴を有していた。
【0040】
こうして作成したテストストリップに10μlの試料溶液を(覆われていない二層フィルムの面に)適用し、従来からの蛍光検出装置を用いて下面(Pokalon薄膜)から測定した。520nmで測定された蛍光は試料中のFITC-シニストリンの量と良く相関していた。
【0041】
【表1】
Figure 0004189153
【0042】
【表2】
Figure 0004189153
【0043】
一般的には、テストストリップ(又は実質的に長方形のスライドのような、テストストリップの形状ではないテストエレメント(test element))によるFITC-シニストリンの検出のためには、例えば(上記の例におけるような)セルロース又は吸収性のポリマー若しくはポリマー混合物からなる吸収性マトリックスが好ましくは存在すべきであるということに注目すべきである。フィルムのマトリックスは、例えばポリマー成分と有機成分とからなる、単層または多層であり得る。フィルムは好ましくは(従来からのテストストリップの場合のようには)通常の検出用酵素及び検出用試薬を含まない。なぜならば該フィルムは試料の蛍光を測定することのみを意図するものだからである。この点で、蛍光を利用してFITC-シニストリンを検査するためのテストエレメントの作成に用いる基礎物質が自己蛍光を全く示さない又はそれが最小限であることが重要である。
【0044】
蛍光は試料のタンパク質濃度に依存するので、尿テストストリップで解るように1つのテストストリップ上において、FITC-シニストリンを測定するための蛍光測定とタンパク質測定とを組み合わせることが有利であり得る。溶血試料を廃棄しなければならないため、随意、排除基準としてヘモグロビンの検査を代替的又は追加的に行うべきである。テストストリップを用いるヘモグロビンの測定は、例えば尿テストストリップから知ることもできる。上記パラメーターの測定は、好ましくは各パラメーターについて複数の特異的なテストの範囲があるテストストリップを用いて行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 FITC-シニストリンのUV/VISスペクトルを示す図である。
【図2】 (1)FITC-シニストリンの蛍光測定により得られた非侵襲的な方法のクリアランス曲線と(2)実験動物の血液試料における蛍光測定により値を得たFITCクリアランス曲線との比較を示す図である。
【図3】 実施例3のFITC-シニストリンについての動物実験に関して、侵襲的測定から得られたクリアランス曲線についての半減期(t1/2 inv.)(分)を、非侵襲的測定から得られた半減期(t1/2 n.i.)に対してプロットしたグラフを示す図である。
【図4】 実施例3において比較のために行ったFITC-イヌリンについての動物実験に関して、侵襲的測定から得られたクリアランス曲線についての半減期(t1/2 inv.)(分)を、非侵襲的測定から得られた半減期(t1/2 n.i.)に対してプロットしたグラフを示す図である。

Claims (4)

  1. 次のステップ、
    i) 最初にシニストリンを適切な溶媒中で水素化ナトリウムと共に反応させるステップ、
    ii) 続いてFITCを反応混合物中に添加するステップ、及び、
    iii) FITC-シニストリンを固体として単離するステップ、
    を含むフルオレセインイソチオシアネート-シニストリン(FITC-シニストリン)の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法により得ることができる、フルオレセインイソチオシアネート-シニストリン(FITC-シニストリン)。
  3. 請求項2に記載のフルオレセインイソチオシアネート-シニストリン(FITC-シニストリン)の、腎臓診断のための診断用製剤の製造のための使用。
  4. フルオレセインイソチオシアネート-シニストリン(FITC-シニストリン)を含有する診断用製剤。
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