JPH0827208A - エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

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JPH0827208A
JPH0827208A JP18511694A JP18511694A JPH0827208A JP H0827208 A JPH0827208 A JP H0827208A JP 18511694 A JP18511694 A JP 18511694A JP 18511694 A JP18511694 A JP 18511694A JP H0827208 A JPH0827208 A JP H0827208A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】相容性、保存安定性が良好で、透明で硬化性に
優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、臭気が小さい優れた物
性の硬化物を得ることができる新規なエネルギー線硬化
性組成物の提供。 【構成】カチオン重合性物質(A)と特定のスルホニウ
ム塩(B)の有効量とからなるエネルギー線硬化性組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエネルギー線の照射によ
り硬化が可能な組成物に関する。詳しくはカチオン重合
性物質と本発明に使用する特定のスルホニウム塩との相
容性に優れ、塗料などの用途に使用された際、透明で硬
化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好で臭気の少ない硬化
塗膜を与える樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コ
ーティング、液状レジストインキ等の分野において、省
エネルギー、省スペース、無公害性等の要請から盛んに
研究され、実用化が検討されてきた。しかしこれらの研
究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づくもの
であった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹脂
は、物性的には優れた材料であるが光重合をさせること
は困難で、今までアクリル変性することにより二重結合
を導入した材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光によりエポキシ樹脂
を硬化されるのに、例えば米国特許第3794576号
には感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として
使用し光照射により光重合開始剤を分解し、ルイス酸を
放出することによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案
されている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は光分
解によりルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そのため
にエポキシ樹脂の膜厚が15μ以上になると塗膜が発泡
し、厚塗りの用途には適さない。更に、又、エポキシ樹
脂との混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進
行する等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物と
はなりえない。上記のジアゾニウム塩系開始剤の欠点を
克服すべく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定
性の改良された技術として芳香族スルホニウム塩系や芳
香族ヨードニウム塩系開始剤及びそられを含有する硬化
性樹脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭
52−14277号公報、特開昭54−53181号公
報、特公昭59−19581号公報等に開示されてい
る。しかしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有す
る組成物はジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいとい
う欠点を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬化
物の臭気が問題となっていた。かかる欠点を克服するべ
く、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を有
する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、
上記の欠点は、いくらか解消されるものの十分ではな
い。又、光重合性組成物の使用される分野が拡大するに
つれて、市場の要求に対応するために、新規な組成物の
提供は重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、保存安定性、相容
性、硬化性に優れ、その硬化物は臭気が少ないエネルギ
ー線硬化性組成物を提供することに成功した。すなわ
ち、本発明は、カチオン重合性物質(A)と一般式
(1)で示されるスルホニウム塩(B)の有効量とから
なるエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関す
る。
【0005】
【化4】
【0006】〔式中、Xは1価以上の有機基、R1 及び
2 は、それぞれ1価の芳香族残基、R3 は水素原子、
ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C10の脂肪族基、フェ
ニル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基のいずれかか
ら選択された基である。aは1以上であり、bは0また
は1以上であり、a+bは1以上である。Zは式(2)
または式(3)で示される。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】(式中Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ素
原子またはアンチモン原子であり、Qはハロゲン原子で
あり、mは4〜6の整数である。)〕 本発明で用いるカチオン重合性物質(A)としては、例
えばエポキシ樹脂、スチレン、ビニルエーテル等のカチ
オン重合性ビニル化合物、更にはスピロオルソエステ
ル、ビシクロオルソエステル、スピロオルソカーボナー
トのような環状エーテル類が挙げられる。エポキシ樹脂
としては、従来、公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エ
ポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更にはエポキシド単
量体類、エピサルファイド単量体類が挙げられる。ここ
で、芳香族エポキシ樹脂として例示すれば、少なくとも
1個の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアル
キレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルであ
って、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
スフェノールS等のビスフェノール化合物またはビスフ
ェノール化合物のアルキレンオキサイド(例えば、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド等)付加体とエピクロロヒドリンとの反応によっ
て製造されるグリシジルエーテル類、ノボラック型エポ
キシ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素
化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等)、トリス
フェノールメタントリグリシジルエーテル等が挙げられ
る。また、脂環式エポキシ樹脂として、具体的な例とし
ては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4
−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペー
ト、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−
スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−
ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)
エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業株式
会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点71℃)等が挙げ
られる。更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂肪族
多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物
のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例として
は、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グ
リセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールの
ジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに
1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド)を付加することに
より得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジル
エーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類の例と
しては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテ
ルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたは
これらにアルキレンオキサイドを付加することにより得
られるポリエーテル等が挙げられる。カチオン重合性ビ
ニル化合物としては、例えば、トリエチレングリコール
ジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニル
エーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビ
ニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテ
ル、
【0010】
【化7】
【0011】及び
【0012】
【化8】
【0013】等が挙げられる。また、これらカチオン重
合性有機材料は単独でも2種以上の混合物でもかまわな
い。
【0014】本発明で用いる一般式(1)で表されるス
ルホニウム塩としては、例えば、分子中に少なくとも1
個の水酸基を有する化合物(a)と下記一般式(4)で
表されるスルホニウム塩(b)を反応させることにより
得られるスルホニウム塩等を挙げることができる。
【0015】
【化9】
【0016】(式中、Yは、ハロゲン原子、R1
2 、R3 及びZは一般式(1)中のR1、R2 、R3
及びZと同一である。) 分子中に少なくとも1個の水酸基を有する化合物(a)
の具体例としては、例えば、ビフェノール、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールZ、ビスフェノールI、トリスフェノールメタ
ン、ポリ(4−ビニルフェノール)、フェノールノボラ
ック、クレゾールノボラック、2,6−ナフタリン−ジ
オール、
【0017】
【化10】
【0018】テトラブロムビスフェノールA、テトラメ
チルビスフェノールA等の水酸基含有芳香族化合物、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジ
オール、グリセリン、1,4ブタンジオール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリエ
ステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等の
多価アルコール類、グリシドール、アリルアルコール、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールモノ(メタ)アクリレート、ビスェノールA型
エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ(株)製、
エピコート1001、1002、1004等)等の水酸
基及び重合性基を含有する化合物等を挙げることができ
る。
【0019】一般式(4)で表されるスルホニウム塩
(b)としては、例えば、一般式(5)で表されるジフ
ェニルスルフィド系化合物、
【0020】
【化11】
【0021】(但し、式中、Y及びR3 は、一般式
(4)中のY及びR3 と同一である。)と置換または非
置換ジフェニルスルホキシド化合物を公知のスルホニウ
ム塩の生成反応を利用することによって得られるスルホ
ニウム塩等を挙げることができる。すなわち、式(5)
で表されるジフェニルスルフィド系化合物、(例えば安
息香酸、o−クロル安息香酸、m−クロル安息香酸、p
−クロル安息香酸、o−フルオロ安息香酸、m−フルオ
ロ安息香酸、p−フルオロ安息香酸、2−メチル−4−
フルオロ安息香酸、2−メトキシ−4−クロル安息香
酸、2−フェニル−4−フルオロ安息香酸、3−フルオ
ロ−5−メチル安息香酸、3−ブロモ−6−エチル安息
香酸、等の安息香酸誘導体とジフェニルスルフィドを反
応することにより得ることができる。反応溶媒としてア
ルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸等)に無
水リン酸を溶解させたものを用いるのが好ましく、反応
温度は、常温〜130℃が好ましい。反応時は0.5〜
15時間が好ましい。前記安息香酸誘導体中のカルボン
酸1当量に対して、ジフェニルフィルィドを約1モル反
応させるのが好ましい。)と置換または非置換ジフェニ
ルスルホキシド化合物(例えば、ジフェニルスルホキシ
ド、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジエチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ
メトキシジフェニルスルホキシド、4−メチルチオジフ
ェニルスルホキシド、4−フェニルチオジフェニルスル
ホキシド、3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシ
ド、4−フェニルカルボニルジフェニルスルホキシド、
4−ベンゾイルオキシジフェニルスルホキシド等)を公
知の方法、例えば、脱水剤(例えば、五酸化リン、濃硫
酸、無水酢酸等)中で、常温〜150℃で縮合反応を行
ない、NaSbF6 、NaPF6 、NaAsF6 、Na
BF4 、NaSbF5 OH、KSbF6 、KPF6 、K
AsF6 、KSbF5 OH等)の水溶液に滴下し、スル
ホニウム塩を得ることができる。
【0022】前記、化合物(a)とハロゲン原子を有す
るスルホニウム塩(b)の反応は、公知の方法、例え
は、塩基性化合物(例えば、水酸ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸カリウム等)の存在下、必要に応じてジメ
チルスルホキシド等の有機溶剤を使用して、室温〜15
0℃で反応させることにより、前記、化合物(a)の水
酸基とハロゲン原子を有するスルホニウム塩(b)のハ
ライド部との脱ハロゲン化水素反応により反応する。前
記、化合物(a)の水酸基1当量に対して、スルホニウ
ム塩(b)を0.1〜1モルの範囲で用いるのが好まし
く、特に好ましくは0.3〜0.7モルである。
【0023】本発明の硬化性組成物は、100重量部の
カチオン重合性物質(A)に対して0.01〜20重量
部、より好ましくは0.1〜10重量部の前記の式
(1)で示されるスルホニウム塩(B)を必須の成分と
するが、適当な割合は、カチオン重合性物質の性質やエ
ネルギー線の種類、照射量、所望の硬化時間、温度、湿
度、塗膜厚などさまざまな要因を考慮することによって
決定される。カチオン重合性物質へのスルホニウム塩の
溶解を容易にするため、あらじめスルホニウム塩を溶剤
類(例えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、
カルビトールアセテート、ブチロラクトン等)に溶解し
使用することができる。
【0024】本発明の硬化性組成物は、カチオン重合性
物質及びスルホニウム塩を混合、溶解あるいは、混練等
の方法により調製することができる。
【0025】本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネ
ルギー線、殺菌灯、レーザー光などから得られる200
0オングストローム〜7000オングストロームの波長
を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の
高エネルギー線を使用する。エネルギー線への暴露は,
エネルギー線の強度によるが、通常は0.1秒〜10秒
程度で十分である。しかし比較的厚い塗装物については
それ以上の時間をかけるのが好ましい。エネルギー線照
射後0.1秒〜数分後には、ほとんどの組成物はカチオ
ン重合により指触乾燥するが、カチオン重合反応を促進
するために加熱を併用することも場合によっては好まし
い。
【0026】本発明の組成物には、さらにカチオン重合
を損わない範囲で希釈のための溶剤や、改質のための非
反応性の樹脂や(メタ)アクリル酸エステル化合物(例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の
反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アク
リレート等のオリゴマーや、2−ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
のモノマー等)を配合することができる。(メタ)アク
リル酸エステル化合物を使用する場合には、光ラジカル
重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、アセトフェノンジメチルケタール、ベン
ゾイルメチルエーテル等)を使用するのが好ましい。ま
た例えば、電気特性を改良する目的などのため有機カル
ボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴム弾性をも
たせるなどの目的でポリマールその他の可とう性プレポ
リマーを混合することができる。
【0027】本発明の組成物は、通常透明な液状として
使用されるものであるが、用途によっては不活性な顔
料、染料、充填剤、静電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動
調整剤、増感剤、促進剤、光安定剤等を混合して用いら
れる。本発明の組成物は金属、木材、ゴム、プラスチッ
ク、ガラス、セラミック製品等に使用することができ
る。さらに本発明の具体的な用途としては、塗料、コー
ティング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着
剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目
止め剤等が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお合成例及び実施例中の部は、重量部である。
【0029】(式(4)で表されるスルホニウム塩の合
成例) 合成例1.メタンスルホン酸161.7部、五酸化リン
16.2部を完全に溶解し、これにジフェニルスルフィ
ド18.6部及びp−フルオロ安息香酸15.4部を仕
込み、80℃で1時間反応を行ない、液体クロマトグラ
フィーにて反応が終了していることを確認し、この反応
混合物を水酸化カリウム水溶液1000部(水800部
に水酸化カリウム200部を溶解させたもの。)に滴下
し、沈澱物をろ別、乾燥し、生成物を得た。生成物の一
部29.2部、ジフェニルスルホキシド20.2部、濃
硫酸179.8部を仕込み、室温で24時間反応を行な
い、次いでこの反応混合物を攪拌しながら、NaSbF6の水
溶液431.1部(水405.3部にNaSbF6を25.8
部を溶解したもの。)に少しずつ滴下し、析出した白色
の固体をろ過、水とエチルエーテルで洗浄し、白色の固
体63部を得た。生成物の融点は、105〜115℃で
あり、生成物の構造式は、下記のものである。
【0030】
【化12】
【0031】(式(1)で表されるスルホニウム塩の合
成例) 合成例2.ポリ(4−ビニルフェノール)1.68部
(OH当量120、平均分子量5000)、合成例1で
得たスルホニウム塩5.1部、炭酸カリウム2.88部
をジメチルスルホキシド90部中で90℃で18時間反
応する。次いで反応混合物を冷却し、水200部に注入
し、得られた固体をろ過、水及びエチルエーテルで洗
浄、乾燥し淡褐色固体6.1部を得た。融点は194〜
215℃であった。
【0032】この製造方法に基づいて、構造式
【0033】
【化13】
【0034】(m=平均20.8、n=平均20.8)
のスルホニウム塩を得た。
【0035】合成例3.ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(軟化点83℃、エポキシ当量650、OH当量38
4)5.4部、合成例1で得たスルホニウム塩5.1
部、炭酸カリウム2.88部をジメチルスルホキシド9
0部中で90℃で18時間反応する。次いで反応混合物
を冷却し、水200部に注入し、得られた固体をろ過、
水及びエチルエーテルで洗浄、乾燥し、淡黄色固体9.
5部を得た。融点は、85〜94℃であった。この製造
方法に基づいて、構造式
【0036】
【化14】
【0037】(a=平均;1.7、b=平均1.7)の
スルホニウム塩を得た。
【0038】合成例4.トリメチロールプロパン0.9
4部、合成例1で得たスルホニウム塩5.1、炭酸カリ
ウム2.88部をジメチルスルホキシド90部中で90
℃で18時間反応する。次いで反応混合物を冷却し、水
200部に注入し、得られた固体をろ過、水及びエチル
エーテルで洗浄、乾燥し、淡褐色固体5.5部を得た。
生成物は、ロウ状のものであった。この構造方法に基づ
いて、構造式
【0039】
【化15】
【0040】のスルホニウム塩を得た。 合成例5.フェノールノボラック1.4部(OH当量1
04)、合成例1で得たスルホニウム塩5.1部、炭酸
カリウム2.88部をジメチルスルホキシド90部中で
90℃で18時間反応する。次いで反応混合物を冷却
し、水200部に注入し、得られた固体をろ過、水及び
エチルエーテルで洗浄、乾燥し淡黄色固体6.1部を得
た。融点は110〜125℃であった。この製造方法に
基づいて、構造式
【0041】
【化16】
【0042】のスルホニウム塩を得た。
【0043】(組成物の実施例) 実施例1〜4、比較例1、2 表1に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って
エネルギー線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。こ
れを、アルミテストパネル上に5μの厚さに塗布し高圧
水銀灯(80w/cm) で8cmの路離から紫外線を照射し、硬
化させた。調製された組成物を透明性、保存安定性、指
触乾燥性、硬化塗膜の光沢、臭気について試験した。そ
れらの結果を表1に示す。
【0044】透明性:組成物の透明性を目視判定した。 ○・・・・完全に透明である △・・・・わずかににごりあり ×・・・・白ダクしている ××・・・・すぐに分離する 保存安定性:組成物を40℃で3ケ月間保存し、安定性
を調査した。 ○・・・・全く変化していない △・・・・やや増粘している ×・・・・ゲル化している 指触乾燥性:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2) を測
定した。 光沢:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2) を照射した
後、硬化塗膜の表面を目視判定した。 ○・・・・光沢が良好である △・・・・ややくもりがある ×・・・・全く光沢がない
【0045】臭気:塗布面に1000mJ/cm2照射した
後、硬化塗膜の表面の臭気を観察した。 ○・・・・全く臭気がない △・・・・わずかに臭気がある ×・・・・臭気がある ××・・・・臭気が強い
【0046】
【表1】 表1 実 施 例 比較例 1 2 3 4 1 2 合成例2で得たスルホニウム塩 3 合成例3で得たスルホニウム塩 3 合成例4で得たスルホニウム塩 3 合成例5で得たスルホニウム塩 3 化合物1 *1 3 化合物2 *2 3 セロキサイド2021*3 80 80 80 80 80 80 EHPE−3150 *4 20 20 20 20 20 20 透明性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 保存安定性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 指触乾燥性(mJ/cm2) 23 23 23 23 69 28 光 沢 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 臭 気 ○ ○ ○ ○ △ ×
【0047】注 *1 化合物1:ジフェニル−
4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオ
ロホスフェート *2 化合物2:4,4′−ビス〔ビスフェニルス
ルホニオ〕フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホス
フェート *3 セロキサイド2021:ダイセル化学工業
(株)製、脂環式エポキシ樹脂 *4 EHPE−3150:ダイセル化学工業
(株)製、脂環式エポキシ樹脂 表1の結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物
は、相容性、保存安定性に優れ、透明で硬化性に優れ硬
化塗膜の光沢が良好であり、硬化塗膜の臭気も小さい。
【0048】
【発明の効果】本発明の新規なエネルギー線硬化性組成
物は、相容性、保存安定性に優れ、透明で硬化性に優
れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜の臭気も小さ
く、優れた物性の硬化物をあたえる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 59/68 NKL 65/02 NQE 85/00 NUY

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン重合性物質(A)と一般式(1)
    で示されるスルホニウム塩(B)の有効量とからなるエ
    ネルギー線硬化性組成物。 【化1】 〔式中Xは1価以上の有機基、R1 及びR2 はそれぞれ
    1価の芳香族残基、R3は水素原子、ニトロ基、アルコ
    キシ基、C1 〜C10の脂肪族基、フェニル基、フェノキ
    シ基、チオフェノキシ基のいずれかから選択された基で
    ある。aは1以上であり、bは0または1以上であり、
    a+bは1以上である。Zは式(2)または式(3)で
    示され、 【化2】 【化3】 (式中Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子またはア
    ンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、mは4
    〜6の整数である。)〕
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成物の硬化物。
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WO2002018313A1 (fr) * 2000-08-30 2002-03-07 Kanagawa University Composes modifies a l'oxetane et composes de photopolymerisation issus de ces composes, leur methodes de preparation, et compositions de polymerisation contenant les composes de photopolymerisation
WO2011040531A1 (ja) 2009-10-01 2011-04-07 日立化成工業株式会社 有機エレクトロニクス用材料、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、及びそれを用いた表示素子、照明装置、表示装置
WO2011132702A1 (ja) 2010-04-22 2011-10-27 日立化成工業株式会社 有機エレクトロニクス材料、重合開始剤及び熱重合開始剤、インク組成物、有機薄膜及びその製造方法、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、照明装置、表示素子、並びに表示装置
WO2014136900A1 (ja) 2013-03-08 2014-09-12 日立化成株式会社 イオン性化合物を含有する処理液、有機エレクトロニクス素子、及び有機エレクトロニクス素子の製造方法

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