JPH08272038A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH08272038A
JPH08272038A JP7076097A JP7609795A JPH08272038A JP H08272038 A JPH08272038 A JP H08272038A JP 7076097 A JP7076097 A JP 7076097A JP 7609795 A JP7609795 A JP 7609795A JP H08272038 A JPH08272038 A JP H08272038A
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JP
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silver halide
emulsion
sensitive material
color
sensitizing dye
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JP7076097A
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Mineko Ito
峰子 伊東
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色階調再現性に優れたハロゲン化銀写真感光
材料を提供する。 【構成】 酸化チタンを20重量%以上に含有する支持
体上に、イエローカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層、マ
ゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層、シアンカプラ
ー含有ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも一層有
するハロゲン化銀写真感光材料において、該乳剤層の少
なくとも一層は、ある原色光に感光性を有する分光増感
色素と、残余の原色光の少なくとも一原色光に感光性を
有する分光増感色素とを含有して増感されていることを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関するものであり、詳しくは、色階調再現性に優れ
たハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年カラー印画紙においてはプリント工
程及び処理現像工程の短縮化等が求められている。迅速
処理に対する感光材料側の技術としては、現像速度を高
める必要から実質的にヨウ化銀を含有しない臭化銀もし
くは塩臭化銀が用いられており、ハロゲン化銀乳剤の塩
化銀含有率を高めることにより飛躍的な現像速度の向上
が可能になることが知られて広く用いられている。
【0003】しかしながら塩化銀含有率を高めて設計し
たカラープリント用感光材料を使ってプリントを作成し
た場合に、彩度の高い被写体を撮影した際にネガフィル
ムから作成したプリントでは被写体の調子再現性が低
く、立体感に乏しい画像しか得られなくなってしまう。
これは従来カラープリント用感光材料として用いられて
きた塩臭化銀と近年迅速処理の観点から広く用いられて
きている高塩化銀ハロゲン化銀乳剤の感度分布の差にあ
ることが知られている。
【0004】すなわちこれらのハロゲン化銀乳剤の固有
感度分布は塩化銀乳剤で約400nm、純臭化銀で約500nmが
それぞれ長波端となる。このため塩臭化銀乳剤に比べ、
高塩化銀乳剤を用いた場合には青色に対する感度を有さ
ず、立体感に乏しい画像しか得られなくなる。
【0005】調子再現性を改良する手段として、特公昭
58-10737号には通常の感光性乳剤層に加え、黒色色素画
像形成感光層を設ける方法が知られている。しかしこの
方法では一層余計に感光層を設けなければならず、感光
材料の塗布膜厚が増加するために迅速処理に不利であ
る。そのほかに例えば特開平2-100046号には、乳剤の主
スペクトル感度に対応する色の補色色素を生成するカプ
ラーをそれぞれ含む第一及び第二乳剤層並びに第一乳剤
層の現像作用として、第二乳剤層の主感度に対する補色
色素生成カプラーを含む二種の乳剤層間に非感光性中間
層を設けることにより露光寛容度を拡張する技術が開示
されている。しかしながら、このような非乳剤層にカプ
ラーを含有させることは、感光材料全体としてはカプラ
ー分散のための油剤を増量させることになり、にじみ、
発汗等をおこしやすくなり好ましくない。
【0006】特開平2-129628号においては、シアンカプ
ラー含有感光性ハロゲン化銀乳剤層が赤感光性増感色素
と青感光性増感色素及び/または緑感光性増感色素を含
有して増感された乳剤層をもたせることにより、赤、
黄、マゼンタ等の高濃度部の色階調再現性を向上させる
技術が示されている。
【0007】特開平3-209460号にはシアンカプラー含有
感光性ハロゲン化銀乳剤層が赤感光性増感色素と青感光
性増感色素を含有して増感され、マゼンタカプラー含有
感光性ハロゲン化銀乳剤層が緑感光性増感色素と青感光
性増感色素を含有して増感された乳剤層をもたせること
により、赤と黄色の最大発色濃度付近の色階調性再現性
が改良される技術が開示されている。
【0008】特開平4-204642号には発色色素と補色関係
ある原色光に感光する乳剤と、残りの原色光に感光する
ように分光増感された乳剤の混合比と感度比を一定範囲
内に限定することにより色階調再現性が改良される技術
が示されている。
【0009】特開平4-230743号には590nmから720nmの波
長域に分光感度分布の極大を有するように分光増感する
化合物を、390nmから590nmの波長域に分光感度分布の極
大を有するように分光増感する化合物に先だって、ハロ
ゲン化銀粒子形成工程から化学増感終了までの間に反応
容器に添加する製造法により、赤と黄色の最大発色濃度
付近の色階調性再現性が改良されることが示されてい
る。
【0010】これらの技術によって、色階調再現性改良
効果は得られるが、高画質化への要求が高まる中、更な
る画質向上技術が必要とされている。
【0011】特開平2-293842号にはポリエステルからな
る白色フィルムにおける、酸化チタンの含有量を10重量
%以上に規定する技術が開示されている。また特開平4-
283746号においては支持体上の白色顔料を3.5g/m2
上含有させる技術がしめされている。特開昭64-542号に
は耐水性ポリオレフィン樹脂層を少なくとも2層有し、
最外表面層の酸化チタン量をそれ以外の層よりも高充填
させる技術が開示されている。
【0012】その他に酸化チタンを高充填させる技術と
して、特開昭57-27757号、同57-49946号、同60-144736
号、特開平2-161426号、同2-176648号には電子線照射に
より硬化させた樹脂組成物を、支持体上に含有させる技
術が開示されており、これらの技術により鮮鋭性の向上
が可能であることが示されている。
【0013】上記のいずれの開示された技術もその目的
は鮮鋭性向上にある。これらには、酸化チタン高充填と
色階調再現性向上技術の併用や、またそれによる効果に
ついては述べられていないし、示唆されてもいない。
【0014】本発明者が鋭意検討の結果、前記の色階調
再現性改良技術と支持体中の二酸化チタン高充填の併用
によっての色階調再現性が著しく向上したのは全く予想
外のことであった。
【0015】また、乳剤調製時に添加する増感色素を過
飽和溶液として添加することにより更に優れた色階調再
現性に加え、感材の経時保存安定性も優れた効果が得ら
れたものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明はハロゲン化銀
写真感光材料に関するものであり、色階調再現性に優れ
たハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
ハロゲン化銀写真感光材料により達成されることを見い
だした。
【0018】(1)二酸化チタンを20重量%以上含有す
る樹脂層を有する支持体上に、イエローカプラー含有ハ
ロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀
乳剤層、シアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層をそれ
ぞれ少なくとも一層有するハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、該乳剤層の少なくとも一層は、含有する発色色
素と補色関係にある原色光に感光性を有する分光増感色
素と、残余の原色光の少なくとも一原色光に感光性を有
する分光増感色素とを含有して増感されていることを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0019】(2)イエローカプラー含有ハロゲン化銀
乳剤層、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層、シ
アンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なく
とも一層有するハロゲン化銀写真感光材料において、ハ
ロゲン化銀乳剤調製時に分光増感色素を過飽和溶液とし
て添加されていることを特徴とする前記1項に記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料。
【0020】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、原色光とは、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
中に予め含有されている、イエロー、マゼンタ、シアン
の三種の発色色素と補色関係にある、青、緑、赤のいわ
ゆる光の三原色をさす。
【0021】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
は、該乳剤層の少なくとも一層が、ある原色光に感光性
を有する分光増感色素と、残余の原色の少なくとも一原
色に感光性を有する分光増感色素とを含有して増感され
ていることを特徴としているが、前記の感光波長領域の
異なる複数の分光増感色素を含有して増感されてもよい
し、発色色素と補色関係にある原色光に感光するように
分光増感されたハロゲン化銀乳剤と、残余の原色の少な
くとも一原色に感光するように分光増感されたハロゲン
化銀乳剤を混合して含有してもよい。その場合、ある原
色光に感光するように分光増感されたハロゲン化銀乳剤
に対する、残余の原色の少なくとも一原色光に感光する
ように分光増感されたハロゲン化銀乳剤の混合比は、銀
量比で0.01以上1以下であり、好ましくは0.03以上0.5以
下であり、より好ましくは0.05以上0.2以下である。
【0022】また、該乳剤層における発色色素と補色関
係にない、いわゆる残余の少なくとも一原色光に対する
感度は、その原色光と補色関係にある発色色素を有する
ハロゲン化銀乳剤層の感度に対して1/32以上1/3以下
であることが好ましく、より好ましくは1/20以上1/5
以下である。
【0023】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、イエローカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層、マ
ゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層、シアンカプラ
ーハロゲン化銀乳剤層のいずれの層において、含有する
発色色素と補色関係にある原色光に感光性を有する分光
増感色素と、残余の原色光の少なくとも一原色光に感光
性を有する分光増感色素とを含有して増感せしめても、
本発明の効果を得ることができるが、赤、黄色の色階調
再現性改良の観点から、シアンカプラー含有ハロゲン化
銀乳剤層及び/またはマゼンタカプラー含有ハロゲン化
銀乳剤層において、本発明の構成を適用することが望ま
しい。
【0024】本発明においてハロゲン化銀粒子のハロゲ
ン組成は、ハロゲン化銀粒子を構成する全ハロゲン化銀
粒子の平均塩化銀含有率が95モル%以上であり実質的に
沃化銀を含まない塩臭化銀からなることが好ましい。よ
り好ましくは全ハロゲン化銀の97モル%以上、最も好ま
しくは98〜99.9モル%が塩化銀である。
【0025】本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任
意のものを用いることが出来る。好ましい一つの例は、
(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、
米国特許第4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55-265
89号、特公昭55-42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フ
ォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、
39(1973)等の文献に記載された方法等により、八面
体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつく
り、これを用いることもできる。さらに、双晶面を有す
る粒子を用いてもよい。
【0026】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の
形状からなる粒子を用いてもよいし、種々の形状の粒子
が混合されたものでもよい。
【0027】本発明に係るハロゲン化銀粒子の粒径は特
に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真
性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に
好ましくは、0.2〜1.0μm の範囲である。なお、上記粒
径は当該技術分野において一般に用いられる各種の方法
によって測定することが出来る。代表的な方法として
は、ラブランドの「粒子径分析法」(A.S.T.M.シンポジ
ウム・オン・ライト・マイクロスコピー、94〜122頁、
(1955))または、「写真プロセスの理論 第3版」(ミ
ース及びジェームス共著、第2章、マクミラン社刊、(1
966))に記載されている方法を挙げることができる。
【0028】この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値
を使ってこれを測定することができる。粒子が実質的に
均一形状である場合は、直径か投影面積としてかなり正
確にこれを表すことができる。
【0029】本発明のハロゲン化銀粒子の粒径の分布
は、多分散であっても良いし、単分散であってもよい。
好ましくは変動係数が 0.22 以下、更に好ましくは 0.1
5 以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。ここで変動係
数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって
定義される。
【0030】変動係数=S/R (ここに、S は粒径分布の標準偏差、R は平均粒径を表
す。) ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合は
その直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子の場合
は、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を
表す。
【0031】ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0032】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、酸性
法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであっ
てもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよ
いし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を
作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なって
もよい。
【0033】また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩
を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時
混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時
混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一
形式として特開昭54-48521号等に記載されているpAgコ
ントロールド・ダブルジェット法を用いることもでき
る。
【0034】また、特開昭57-92523号、同57-92524号等
に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀
塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ド
イツ公開特許2,921,164号等に記載された水溶性銀塩及
び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して
添加する装置、特公昭56-501776号等に記載の反応器外
に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによ
りハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形
成を行なう装置などを用いてもよい。
【0035】更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有す
る化合物、含窒素ヘテロ環化合物のような化合物をハロ
ゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添
加して用いてもよい。
【0036】本発明に係わるハロゲン化銀乳剤には重金
属イオンを含有させるのが有利である。このような目的
に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イリ
ジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オス
ミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属
や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属
や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、クロム
の各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジウ
ム、白金、ルテニウム、オスミウムの遷移金属イオンが
好ましい。
【0037】本発明に係るハロゲン化銀乳剤に重金属イ
オンを含有させるためには、該重金属化合物をハロゲン
化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲ
ン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所
で添加すればよい。重金属化合物をハロゲン化物塩と一
緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって
連続的に添加したり、高濃度に臭化銀を局在した部分に
局在させたりしてもよい。
【0038】前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に
添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9
ル以上、1×10-2モル以下がより好ましく、特に1×10-8
モル以上5×10-5モル以下が好ましい。
【0039】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、硫黄化
合物を用いる増感法、そして硫黄及び金化合物を併用す
る増感法を用いることができる。
【0040】本発明に係るハロゲン化銀乳剤に適用する
硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、アリルチオカルバミ
ド尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−ト
ルエンチオスルフォン酸、ローダニン、無機イオウ等が
挙げられる。
【0041】本発明に係るイオウ増感剤の添加量として
は、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果
の大きさなどにより変える事が好ましいが、ハロゲン化
銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好まし
くは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
【0042】本発明に係るハロゲン化銀乳剤に適用する
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯
体及び前記の金化合物を好ましく用いることができる。
金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用す
る化合物の種類、熟成条件などによって一様ではない
が、通常はハロゲン化銀1モル当たり 1×10-4モル〜1
×10-8モルであることが好ましい。更に好ましくは 1×
10-5モル〜1×10-8モルである。
【0043】本発明にかかるハロゲン化銀乳剤には、ハ
ロゲン化銀写真感光材料の調製工程中に生じるカブリを
防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時
に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、
安定剤を用いることが出来る。こうした目的に用いるこ
とのできる化合物の例として、特開平2-146036号公報7
頁下欄に記載された一般式(II)で表される化合物を
挙げることができ、その具体的な化合物としては、同公
報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−
8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、1-
(3-メトキシフェニル)-5-メルカプトテトラゾール、1
-(4-エトキシフェニル)-5-メルカプトテトラゾール等
の化合物を挙げることができる。これらの化合物は、そ
の目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化
学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程な
どの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学
増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5
モル〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化
学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル
当り1×10-6モル〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1
×10-5モル〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製
工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合に
は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-1モル
程度の量が好ましく、1×10-5モル〜1×10-2モルがより
好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する
場合には、塗布被膜中の量が、1平方メートル当たり1×
10-9モル〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
【0044】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
は、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で
種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができ
る。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることが
出来るが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、
特開平3-251840号公報308ページに記載のAI−1〜1
1の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料として
は、特開平1-280750号公報の2ページ左下欄に記載の一
般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が
好ましい分光特性を有し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真
特性への影響もなく、また残色による汚染もなく好まし
い。好ましい化合物の具体例として、同公報3ページ左
下欄〜5ページ左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜
(45)を挙げることができる。
【0045】本発明に用いる分光増感色素としては、公
知の化合物をいずれも用いることができるが、青感光性
増感色素としては、特開平3-251840号公報28ページに記
載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく
用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公
報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられ
る。赤感光性増感色素としては同公報29ページに記載の
RS−1〜8が好ましく用いられる。また、半導体レー
ザーを用いるなどして赤外光により画像露光を行う場合
には、赤外感光性増感色素を用いる必要があるが、赤外
感光性増感色素としては、特開平4-285950号公報6〜8ペ
ージに記載のIRS−1〜11の色素が好ましく用いら
れる。また、同公報8〜9ページに記載の強色増感剤SS
−1〜SS−9をこれらの色素に組み合わせて用いるの
が好ましい。
【0046】本発明に係る分光増感色素の過飽和溶液を
得る方法としては、高速撹拌型分散機を用いて水系媒体
中に機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法
以外に、特開昭58-105141号に記載のようにpH6〜8、60
〜80℃の条件下で水系中において機械的に1μm以下の微
粒子に粉砕・分散する方法、特公昭60-6496号に記載の
表面張力を38dyne/cm以下に抑える界面活性剤の存在下
に分散する方法等を用いることができる。
【0047】分散液を調製するのに用いることのできる
分散装置としては、例えば、特開平4-125631号公報第1
図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミル、サンド
ミル、超音波分散機等を挙げることができる。
【0048】また、これらの分散装置を用いるに当たっ
て、特開平4-125632号に記載のように、あらかじめ乾式
粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う等の方法
をとってもよい。
【0049】本発明に係る分光増感色素の調製のための
分散媒体は分散性を促進するための界面活性剤及び、本
来増感色素の溶解に使用しているメタノール、エタノー
ル等の有機溶媒を水に対して添加して水混和系媒体を調
製することもできる。
【0050】本発明に係る増感色素を過飽和溶液として
添加することにより、色階調再現性を更に向上させ、感
光材料の保存安定性を改良することができる。
【0051】本発明に係る増感色素の添加時期として
は、ハロゲン化銀粒子形成の形成前でも形成中であって
も、形成終了後であってもよい。形成開始前とは、ハロ
ゲン化銀結晶を形成する反応を開始する前に予め反応容
器中に分光増感色素を導入することである。形成中と
は、ハロゲン化銀粒子の結晶成長過程で分光増感色素を
導入することで、粒子形成終了後とは、実質的な粒子形
成過程が終了した後に添加することである。
【0052】本発明に係る、ある原色光に感光性を有す
る分光増感色素と、残余の少なくとも一原色光に感光性
を有する分光増感色素を、混合して同時に添加するか、
別々に添加することによっても分光増感を施すことがで
きるが、その場合該乳剤層の発色色素と補色関係にある
原色光に感光性を有する分光増感色素を、残余の少なく
とも一原色光に感光性を有する分光増感色素に先立って
添加することが好ましい。
【0053】本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光
材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸
化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光
吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得る
いかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代表的
な物としては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を
有するイエローカプラー、波長域500〜600nmに分光吸収
極大波長を有するマゼンタカプラー、波長域600〜750nm
に分光吸収極大波長を有するシアンカプラーとして知ら
れているものが代表的である。
【0054】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
好ましく用いることのできるシアンカプラーとしては、
特開平4-114152号明細書17ページに記載の一般式(C−
I)、(C−II)で表されるカプラーを挙げることが
できる。具体的な化合物は、同明細書18〜21ページにCC
-1〜CC-9として記載されているものを挙げることができ
る。
【0055】本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光
材料に好ましく用いることのできるマゼンタカプラーと
しては、特開平4-114152号明細書12ページに記載の一般
式(M−I)、(M−II)で表されるカプラーを挙げ
ることができる。具体的な化合物は、同明細書13〜16ペ
ージにMC-1〜MC-11として記載されているものを挙げる
ことができる。中でも同明細書 15〜16ページに記載さ
れている MC-8〜MC-11は青から紫、赤に到る色の再現に
優れ、さらにディテールの描写力にも優れており好まし
い。
【0056】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
好ましく用いることのできるイエローカプラーとして
は、特開平4-114152号明細書8ページに記載の一般式
(Y−I)で表されるカプラーを挙げることができる。
具体的な化合物は、同明細書9〜11ページにYC-1〜YC-9
として記載されているものを挙げることができる。中で
も同明細書11ページに記載されているYC-8、YC-9は好ま
しい色調の黄色を再現でき好ましい。
【0057】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いられるカプラーを添加するのに水中油滴型乳化分散
法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性
高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水
溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの
親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散す
る。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロ
イドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を
用いることができる。分散後、または、分散と同時に低
沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。カプラー
を溶解して分散するために用いることの出来る高沸点有
機溶媒としては、ジオクチルフタレート等のフタル酸エ
ステル、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル
類が好ましく用いられる。
【0058】また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代え
て、カプラーと水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー
化合物を、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機
溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー
中に界面活性剤を用いて種々の分散手段により乳化分散
する方法をとることもできる。この時用いられる水不溶
性で有機溶媒可溶性のポリマーとしては、ポリ(N-t-
ブチルアクリルアミド)等を挙げることができる。
【0059】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特開平4-114152号明細書33ページに記載の化合物
(d-11)、同明細書35ページに記載の化合物(A'-1)等
の化合物を用いることができる。また、これ以外にも米
国特許4774187号に記載の蛍光色素放出化合物を用いる
ことも出来る。
【0060】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
は、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であ
るが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼ
ラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外
のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一ある
いは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性
コロイドも用いることができる。
【0061】本発明に係る支持体は、ポリエステル樹脂
からなる白色フィルム、基体上にポリエチレン樹脂層を
2層有する支持体、あるいは基体上に電子線照射により
硬化させた樹脂組成物層を含有することが好ましい。
【0062】電子線照射によって重合硬化する有機化合
物は、1分子中に2個以上の炭素-炭素二重結合を含
む、不飽和化合物、例えば、アクリル系及びメタクリル
系オリゴマー、多官能性アクリル系及びメタクリル系モ
ノマー、並びに1分子中に少なくとも1個の炭素-炭素
二重結合を含む不飽和化合物、例えば、単官能性アクリ
ルモノマー、及びメタアクリルモノマー、並びにビニル
モノマーなどを含有する。
【0063】これらの不飽和有機化合物は、電子線照射
によりラジカルを発生して重合し、かつ分子間、および
分子内架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化
樹脂を生成する。
【0064】アクリル系及びメタクリル系のオリゴマー
としては、ポリウレタンのアクリル酸エステル、または
メタクリル酸エステル、ポリエーテルアルコールのアク
リル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、ビスフェ
ノールAのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テル、ポリエステルのマレイン酸エステルまたはフマル
酸エステルなどをあげることができる。また、多官能性
アクリルモノマー及びメタアクリルモノマーとしては、
1、6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
ブタジエンアクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、エトラエチレングリコールジアクリレー
ト、グリセロールトリメタクリレート、ステアリルアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ブ
トキシエチルアクリレート、1,4-ブタンジオールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、グリ
シルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルア
クリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアク
リレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート、エ
チレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、イソシアヌル
酸ジアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変
性トリメチロールプロパンポリアクリレート、グリシル
メタクリルレート、1,3-ビス(N,N-ジエポキシプロ
ピルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタ
アクリレート、などを挙げることができる。また単官能
性アクリルモノマー及びメタクリルモノマー、並びにビ
ニルモノマーとしては、スチレン、N-ビニルピロリド
ン、ポリオキシエチレンフェニルアルコールのアクリル
酸エステル、2-エチルヘキシルアクリレート、などを挙
げることが出来る。
【0065】本発明の支持体の樹脂層中の二酸化チタン
の含有量は、樹脂層の全固形分重量に対して20重量%以
上になるように設定される。その含有量が20重量%より
少なくなると、得られる印画紙上の写真画像の鮮鋭性が
十分でなくなる。また、この含有量が80重量%を越える
と、得られる硬化樹脂被覆層の柔軟性が低下し、膜割れ
を生ずることがある。二酸化チタンを電子線硬化性不飽
和有機化合物の中に分散するには3本のロールミル(ス
リーロールミル)、2本ロールミル(ツーロールミ
ル)、カウレスディゾルバー、ホモミキサー、サンドグ
ラインダー、及び超音波分散機などを使用することがで
きる。
【0066】有機溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エーテル、グリコ
ールモノエチルエーテル、ジオキサン、ベンゼン、トル
コン、キシレン、エチレンクロライド、四塩化炭素、ク
ロロホルム、ジクロロベンゼン等を用いることができ
る。
【0067】塗布方法としては、ローラーコート法を用
いてもよく、あるいはその代わりにシートの塗布に用い
られる一般的方法、例えばバーコート法、エアードクタ
ーコート法、プレートコート法、スクイズコート法、エ
アーナイフ法、リバースロールコート法、及びトランス
ファーコート法などのいずれを用いてもよい。また、フ
ァウンテンコーターあるいはスリットオリフィスコータ
ー方式を用いることもできる。
【0068】本発明に用いられる電子線照射装置に格別
の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子
線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテ
ンビーム方式のものが、有効に用いられる。電子線照射
の際の加速電圧は100〜300kVであることが好ましく、吸
収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
【0069】塗布層の厚みとしては3〜100μm、好まし
くは5〜50μmが適当である。この範囲をはずれると、
塗布ムラを生じたり、硬化のために多大なエネルギーが
必要とされ、硬化が不十分になって品質上好ましくな
い。
【0070】また必要に応じて塗布後もしくは硬化後に
鏡面ロールによる表面平滑化あるいは絹目ロール等のマ
ットロールによる表面マット化を施してもよい。
【0071】本発明に用いられる基体としては、一般に
写真用支持体に用いられているものであればすべて使用
できるが、通常は紙が用いられる。シート状基体として
用いられる紙としては、例えば天然のパルプ紙、合成パ
ルプ紙、天然パルプ紙と合成パルプ紙の混抄紙、等の他
に各種の抄き合わせ紙を挙げることができる。これらの
紙基体には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力
増強剤、定着剤、帯電防止剤、pH調製剤、顔料、染料
等の添加剤が配合されていてもよい。更に表面サイズ
剤、表面紙力剤、帯電防止剤が表面塗布されていてもよ
い。
【0072】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を
用いて、写真画像を形成するには、ネガ上に記録された
画像を、プリントしようとするハロゲン化銀写真感光材
料上に光学的に結像させて焼き付けてもよいし、画像を
一旦デジタル情報に変換した後その画像をCRT(陰極
線管)上に結像させ、この像をプリントしようとするハ
ロゲン化銀写真感光材料上に結像させて焼き付けてもよ
いし、デジタル情報に基づいてレーザー光の強度を変化
させて走査することによって焼き付けてもよい。
【0073】本発明において用いられる芳香族一級アミ
ン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができ
る。これらの化合物の例として下記の化合物を上げるこ
とができる。
【0074】CD-1) N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミ
ン CD-2) 2-アミノ-5-ジエチルアミノトルエン CD-3) 2-アミノ-5-(N-エチル-N-ラウリルアミノ)ト
ルエン CD-4) 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-ブトキシ
エチル)アニリン CD-5) 2-メチル-4-(N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチ
ル)アミノ)アニリン CD-6) 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-(メタン
スルホンアミド)エチル)-アニリン CD-7) N-(2-アミノ-5-ジエチルアミノフェニルエチ
ル)メタンスルホンアミド CD-8) N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン CD-9) 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-メトキシエチル
アニリン CD-10) 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-エトキシ
エチル)アニリン CD-11) 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(γ-ヒドロキ
シプロピル)アニリン 発色現像主薬は、通常、現像液1リットル当り1×10-2
〜2×10-1モルの範囲で用いられ、迅速処理の観点から
は発色現像液1リットル当り1.5×10-2〜2×10-1モルの
範囲で好ましく用いられる。発色現像主薬は単独でもよ
いし、また、公知の他のp-フェニレンジアミン誘導体と
併用してもよい。
【0075】本発明に係る発色現像液には上記成分の他
に以下の現像液成分を含有させることができる。アルカ
リ剤として、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、メタホウ酸ナトリウム、メタホウ酸カリウム、リン
酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、ホウ砂やケイ酸塩
等を単独でまたは組み合わせて、沈澱の発生がなく、p
H安定化効果を維持する範囲内で併用することができ
る。さらに調剤上の必要性から、あるいはイオン強度を
高くするためなどの目的で、リン酸水素2ナトリウム、
リン酸水素2カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリ
ウム、ホウ酸塩等の各種の塩類を使用することができ
る。
【0076】また、必要に応じて、無機及び有機のかぶ
り防止剤を添加することができる。
【0077】現像抑制の目的には、ハロゲン化物塩イオ
ンが用いられることが多いが、ごく短時間に現像を終了
するためには主に塩化物イオンが用いられ、塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、等が用いられる。塩化物イオンの
量は、おおよそ発色現像液1リットル当り3.0×10-2
ル以上、好ましくは、4.0×10-2〜5.0×10-1モルであ
る。臭化物イオンは、本発明の効果を損なわない範囲に
おいて用いることが出来るが、現像を抑制する効果が大
きく、おおよそ発色現像液1リットル当り1.0×10-3
ル以下、好ましくは、5.0×10-4以下であることが望ま
しい。
【0078】さらにまた、必要に応じて、現像促進剤も
用いることができる。現像促進剤としては、米国特許2,
648,604号、同3,671,247号、特公昭44-9503号公報で代
表される各種のピリジニウム化合物や、その他のカチオ
ン性化合物、フェノサフラニンのようなカチオン性色
素、硝酸タリウムのような中性塩、米国特許2,533,990
号、同2,531,832号、同2,950,970号、同2,577,127号及
び特公昭44-9504号公報記載のポリエチレングリコール
やその誘導体、ポリチオエーテル類等のノニオン性化合
物、特公昭44-9509号公報記載の有機溶剤や有機アミ
ン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等が含まれる。また、
米国特許2,304,925号に記載されているフェネチルアル
コール及びこの他、アセチレングリコール、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、ピリジン、アンモニア、
ヒドラジン、チオエーテル類、アミン類等が挙げられ
る。
【0079】さらに発色現像液には、必要に応じて、エ
チレングリコール、メチルセロソルブ、メタノール、ア
セトン、ジメチルホルムアミド、β-シクロデキストリ
ン、その他特公昭47-33378号、同44-9509号各公報記載
の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶媒と
して使用することができる。
【0080】さらに、現像主薬とともに補助現像剤を使
用することもできる。これらの補助現像剤としては、例
えばN-メチル-p-アミノフェノール硫酸塩、フェニド
ン、N,N′-ジエチル-p-アミノフェノール塩酸塩、N,N,
N′,N′-テトラメチル-p-フェニレンジアミン塩酸塩等
が知られており、その添加量としては、通常、現像液1
リットル当り0.01〜1.0g用いられる。この他にも必要
に応じて競合カプラー、かぶらせ剤、現像抑制剤放出型
カプラー(いわゆるDIRカプラー)、現像抑制剤放出
化合物等を添加することができる。
【0081】さらにまた、その他のステイン防止剤、ス
ラッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いるこ
とができる。
【0082】上記発色現像液の各成分は、一定量の水に
順次添加・撹拌して調製することができる。この場合水
に対する溶解性の低い成分はトリエタノールアミン等の
前記の有機溶媒等と混合して添加することができる。ま
た、より一般的には、それぞれが安定に共存し得る複数
の成分を濃厚水溶液、または、固体状態で小容器に予め
調製したものを水中に添加、撹拌することにより発色現
像液を調製することもできる。
【0083】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を
処理するにあたっては、発色現像液を任意のpH域で使
用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であるこ
とが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用
いられる。
【0084】本発明に係る発色現像の処理温度は、25℃
以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処
理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあま
り高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理する
ことが好ましい。
【0085】発色現像時間は、従来一般には3分30秒程
度で行われているが、本発明では45秒以内とする。さら
に20秒〜3秒の範囲で行うことが好ましい。
【0086】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を
発色現像液を連続的に補充しながらランニング処理をし
ていく場合、発色現像液のオーバーフロー液を低減し、
廃液による環境破壊を軽減するためには、発色現像液の
補充量は感光材料1平方メートル当たり20〜150ミリリ
ットルであることが好ましい。さらに実質的にオーバー
フローによる廃液が発生しないような補充量にすること
がより好ましく、具体的な補充量としては感光材料1平
方メートル当たり20〜60ミリリットルであることがより
好ましい。このような条件の下ではハロゲン化銀写真感
光材料の性能は変化しやすく本発明に係るハロゲン化銀
写真感光材料はこのような条件下で特に有利に用いるこ
とができる。
【0087】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発
色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理
は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、
通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替と
して、安定化処理を行なってもよい。本発明のハロゲン
化銀写真感光材料の現像処理に用いる現像処理装置とし
ては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさん
で搬送するローラートランスポートタイプであっても、
ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト
方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成し
て、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を
搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処
理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘
性処理液による方式なども用いることができる。
【0088】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0089】実施例1 (青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)40℃に保温した2%
ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A液)及び(B
液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ30分かけて同時
添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、p
H=5.5に制御しつつ180分かけて同時添加した。この
時、pAgの制御は特開昭59-45437号記載の方法により行
い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用
いて行った。
【0090】 (A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200cc (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200cc (C液) K2IrCl6 2×10-8モル/モルAg 塩化ナトリウム 102.7g K4Fe(CN)6 1×10-5モル/モルAg 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600cc (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600cc 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った
後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm、粒径
分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散
立方体乳剤EMP−1を得た。
【0091】上記EMP−1に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行い、青感性ハロゲン化銀乳
剤(Em−B)を得た。
【0092】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 安定剤 STAB−3 8×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 尚、増感色素 BS−1は、上記添加量をメタノール溶
液として添加した。
【0093】次に、乳剤(Em−B)とは、増感色素B
S−1が下記の条件で調製した添加液に変更した以外同
様にして、乳剤(Em−BS)を調製した。
【0094】 (青感光性増感色素の添加液の調製) 増感色素BS−1 1.5g 純水 100ml 上記混合液を40℃に温度調整し、特開平4ー125631号第1
図に示された高速撹拌型分散機で5500rpmにて100分間に
わたり分散し分散液を得た。
【0095】(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A
液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添
加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして平均粒
径0.43μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0096】上記EMP−2に対し、下記化合物を用い
55℃にて最適に化学増感を行い、緑感性ハロゲン化銀乳
剤(Em−G)を得た。
【0097】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1は、乳剤Em−Bを調製する際にB
S−1の溶液調製に用いたのと同じメタノールを用いて
溶液を調製し添加した。
【0098】次に、乳剤(Em−G)とは、増感色素G
S−1が下記の条件で調製した添加液に変更した以外同
様にして、乳剤(Em−GS)を調製した。
【0099】 (緑感光性増感色素の添加液の調製) 増感色素GS−1 1.5g 純水 100ml 上記混合液を40℃に温度調整し、特開平4-125631号第1
図に示された高速撹拌型分散機で5500rpmにて100分間に
わたり分散し分散液を得た。
【0100】添加液の調製に媒体として用いた純水は乳
剤Em−BSを調製する際に増感色素BS−1の添加液
を調製する際に用いたのと同じものである。
【0101】(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A
液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添
加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして平均粒
径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−3を得た。
【0102】上記EMP−3に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行い、赤感性ハロゲン化銀乳
剤(101)を得た。
【0103】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX STAB−1:1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカ
プトテトラゾール STAB−2:1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール STAB−3:1-(4-エトキシフェニル)-5-メルカプト
テトラゾール 尚、増感色素RS−1は、メタノール溶液として、添加
した。
【0104】
【化1】
【0105】赤感光性ハロゲン化銀乳剤を調製する際
に、乳剤(101)を調製するための上記添加剤の添加
終了後に緑感光性増感色素GS−1をメタノール溶液
で、8×10-5モル/モルを追加して添加したことのみ異
なる乳剤(102)を調製した。
【0106】赤感光性ハロゲン化銀乳剤を調製する際
に、乳剤(101)を調製するための上記添加剤の添加
終了後に青感光性増感色素BS−1をメタノール溶液
で、3×10-5モル/モルを追加して添加したことのみ異
なる乳剤(103)を調製した。
【0107】次に、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(10
1)と緑感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−G)を10:
1の割合で溶解混合し、乳剤(104)とした。同様
に、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(101)と青感光性ハ
ロゲン化銀乳剤(Em−B)を10:1の割合で混合
し、乳剤(105)とした。
【0108】次に、乳剤(101)において、増感色素
RS−1が下記の条件で調製した添加液に変更した以外
同様にして、乳剤(106)を調製した。
【0109】続いて、乳剤(102)において、使用す
る増感色素RS−1、GS−1が上記の条件で調製した
添加液に変更した以外同様にして、乳剤(107)を調
製した。
【0110】尚、乳剤(102)、(107)の調製に
際しては緑感光性乳剤(Em−G)及び(Em−GS)
の緑色光感度の1/10になるように増感色素GS−1
の添加量を調整した。
【0111】次に、乳剤(103)において、使用する
増感色素RS−1、BS−1が上記の条件で調製した添
加液に変更した以外同様にして、乳剤(108)を調製
した。
【0112】乳剤(103)、(108)の調製に際し
ては青感光性乳剤(Em−B)及び(Em−BS)の青
色光感度の1/10になるように増感色素BS−1の添
加量を調整した。
【0113】次に、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(10
6)と緑感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−GS)を1
0:1の割合で溶解混合し、乳剤(109)とした。同
様に、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(106)と青感光性
ハロゲン化銀乳剤(Em−BS)を10:1の割合で混
合し、乳剤(110)とした。
【0114】 (赤感光性増感色素の添加液の調製) 増感色素RS−1 0.8g 純水 100ml 上記混合液を40℃に温度調整し、特開平4-125631号第1
図に示された高速撹拌型分散機で5500rpmにて100分間に
わたり分散し分散液を得た。
【0115】添加液の調製にあたっては乳剤Em−BS
を調製する際に調製した増感色素BS−1の添加液を調
製する為に用いたのと同じ純水を使用した。
【0116】
【表1】
【0117】調製した乳剤を塗布するために、坪量180
g/m2 の紙パルプの両面に高密度ポリエチレンをラミ
ネートし、紙支持体を作製した。但し、乳剤層を塗布す
る側には、表面処理を施したアナターゼ型二酸化チタン
を13重量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンを
ラミネートし、反射支持体Aを作製した。続いて、以下
に示すように、電子線硬化性塗布液を反射支持体Bを作
製するために、以下のように調製した。
【0118】 エポキシアクリレートオリゴマー 85重量% 二酸化チタン 15重量% 次に反射支持体Cを作製するために二酸化チタン等の含
有量が以下のように異なる電子線硬化性塗布液を調製し
た。
【0119】 エポキシアクリレートオリゴマー 78重量% 二酸化チタン 22重量% 上記成分をカウレスディゾルバーで20分間十分に分
散、混合した。上記塗布液をラインスピード30m/mi
nで回転中の、高光沢鏡面状周面を有する回転ドラムの
上記周面に、スリットオリフィスコーターを用いて塗布
量(固形分)6g/m2となるように塗布し、この塗布
液層上に、ドラム回転速度に連動して移動する坪量17
5g/m2の写真印画紙支持体用原紙を積層押圧し、原
紙背面から電子線を加速電圧175kVで1Mradの吸
収線量となるように照射して、塗布液層を硬化し、引き
続き得られた被覆体をドラム周面から剥離し、支持体
B、Cを作成した。
【0120】次に紙パルプに高密度ポリエチレンと低密
度ポリエチレンの混合樹脂にアナターゼ型二酸化チタン
を組成が5重量%、および13重量%になるようにそれ
ぞれ混合し、予め、コロナ放電を施した坪量180g/m2
の紙パルプの表面上に支持体により近い層の二酸化チタ
ンを5重量%、遠い層の二酸化チタンを13重量%にな
るように多層塗布した。塗布の際に、支持体により近い
層と遠い層の塗布膜厚の比が1:3になるように調整し
た。またその裏面には高密度ポリエチレンからなる樹脂
被膜層を設け、得られた積層体を20℃のクーリングロ
ールに対して20Kg/cmの線圧で押圧し用いる支持体Dを
得た。支持体Dとは遠い層と近い層のポリエチレン層の
二酸化チタン量をそれぞれ25重量%、8重量%にかつ
塗布膜厚の比を3:1になるように調整したことのみ異
なる支持体Eを作成した。
【0121】次に、アナターゼ型二酸化チタンを15重
量%、PET樹脂85重量%と蛍光増白剤リュープゴア
EGM0.05重量%を同方向回転型二軸スクリュー混
練押出機ZCM53/60(オートマチック社製)で溶
融混練した後ペレット化した。得られたペレットを各々
180℃で5時間真空乾燥した後に、押出機にて溶融後
スリットダイより急冷回転ドラム上に押し出して非晶質
のシートとした。ついで、このシートを縦方向に100
℃で3倍にロール延伸し、ついで横方向に110℃で3
倍にテンター延伸した後に230℃で熱固定して冷却
し、白色透明フィルムを得た。フィルムの厚みは非晶質
シートの厚みを延伸倍率に応じて調整することにより、
160μmにそろえた支持体Fを作成した。
【0122】次に支持体Fとはアナターゼ型二酸化チタ
ン、PET樹脂をそれぞれ20重量%、80重量%に調
整したことのみ異なる支持体Gを作成した。
【0123】このようにして、作成した反射支持体A〜
G上に以下に示す構成の各層を塗設し、ハロゲン化銀写
真感光材料を作製した。塗布液は下記のごとく調製し
た。
【0124】第1層塗布液 イエローカプラー(Y−1)23.4g、色素画像安定化剤
(ST−1)3.34g、(ST−2)3.34g、色素画像安
定剤3.34g、ステイン防止剤(HQ−1)0.33g、化合
物A5.0g及び高沸点有機溶媒(DBP)5.0gに酢酸エ
チル60ccを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(S
U−1)7ccを含有する10%ゼラチン水溶液220ccに超
音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカ
プラー分散液を作製した。この分散液を下記条件にて作
製した青感性ハロゲン化銀乳剤と混合し第1層塗布液を
調製した。
【0125】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に表2の塗布量になるように各塗布液を調製し
た。
【0126】
【表2】
【0127】作製した上記反射支持体A〜Eと各ハロゲ
ン化銀乳剤層の乳剤の組み合わせにより試料(201)
〜(235)を作成した。乳剤及び支持体の構成は表4
にまとめた。
【0128】硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添
加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、
(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。また各層
に(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加し
た。
【0129】SU−1:トリ-i-プロピルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2-エチルヘキシル)・ナトリ
ウム塩 SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフ
ルオロペンチル)・ナトリウム塩 DBP :ジブチルフタレート DNP :ジノニルフタレート DOP :ジオクチルフタレート DIDP:ジ-i-デシルフタレート PVP :ポリビニルピロリドン H−1 :テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン H−2 :2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン・
ナトリウム 化合物A:P-t-オクチルフェノール
【0130】
【化2】
【0131】
【化3】
【0132】
【化4】
【0133】
【化5】
【0134】
【化6】
【0135】
【化7】
【0136】<色階調再現性>鮮やかな赤色の毛糸を適
度に丸めてテーブル上に置き、適度な陰影が得られるよ
うにライティングを設定した上で、コニカカラースーパ
ーDD100フィルム(コニカ(株)社製)を用いて撮
影し、コニカ指定処理CNK−4−52現像を施した後
に、このネガを通してコニカCL−PP1721QAプ
リンター(コニカ(株)社製)で前記塗布試料(20
1)〜(235)に焼き付けカラープリントを作成し
た。得られたカラープリントを色階調再現性の見地から
次の4段階に分類する官能評価をおこなった。
【0137】A :毛糸の陰影が忠実に再現され、彩度
及び立体感に非常に優れる B :毛糸の陰影が忠実に再現され、彩度及び立体感に
優れる C :彩度に優れるが、毛糸の陰影の再現性にやや欠け
る D :陰影の再現性、彩度がかなり低下している 評価の結果を表3にまとめた。
【0138】
【表3】
【0139】二酸化チタン量が20重量%以下の支持体
A、B、D、Fにおいては赤感光性乳剤中に感光性の異
なる増感色素を併含しない試料(201)、(20
6)、(216)、(226)での色階調再現性の低下
が大きく、高濃度部の弁別性が著しく劣る。これに対し
て感光性の異なる増感色素を併用して調製した赤感光性
乳剤を用いて作成した試料(202)〜(205)、
(207)〜(210)、(217)〜(220)、
(227)〜(230)では色階調再現性の向上が見ら
れるが、その程度は充分ではない。
【0140】これに対して支持体の二酸化チタン含有率
が20重量%以上であり、かつ赤感光性乳剤調製時に感
光性の異なる増感色素を併用して調製した赤感光性乳剤
を用いた水準(212)〜(215)、(222)〜
(225)、(232)〜(235)では、彩度、立体
感に優れ、陰影の再現性も高く、色階調再現性に優れて
いることがわかる。
【0141】この効果は支持体の種類によらず、二酸化
チタン含有率が20重量%以上の場合に得られる。
【0142】上記の効果は赤感光性乳剤調製の際に感光
性の異なる増感色素を乳剤調製中に添加しても、予め感
光性の異なる増感色素ごとに乳剤調製をおこなった後
に、それらを溶解混合しても本発明の効果が得られるこ
とがわかる。
【0143】実施例2 反射支持体Hを作製するために二酸化チタン等の含有量
が以下のように異なる電子線硬化性塗布液を調製した。
【0144】 エポキシアクリレートオリゴマー 70重量% 二酸化チタン 30重量% 次に反射支持体Iを作製するために二酸化チタン等の含
有量が以下のように異なる電子線硬化性塗布液を調製し
た。
【0145】 ウレタンアクリレート 25重量% エポキシアクリレート 25重量% 二酸化チタン 50重量% 実施例1の支持体B、Cを作成する時と同様に上記成分
をカウレスディゾルバーで20分間十分に分散、混合し
た。上記塗布液をラインスピード30m/minで回転中
の、高光沢鏡面状周面を有する回転ドラムの上記周面
に、スリットオリフィスコーターを用いて塗布量(固形
分)6g/m2となるように塗布し、この塗布液層上に、
ドラム回転速度に連動して移動する坪量175g/m2
の写真印画紙支持体用原紙を積層押圧し、原紙背面から
電子線を加速電圧175kVで1Mradの吸収線量とな
るように照射して、塗布液層を硬化し、引き続き得られ
た被覆体をドラム周面から剥離し、支持体H、Iを作成
した。
【0146】これらの支持体を含め、実施例1の場合と
同様にして、表2の層構成で試料(301)〜(34
5)を作成した。各試料の層構成を表4,5にまとめ
た。
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
【0149】<経時保存安定性>塗布試料作成後の保存
による性能変動を評価するために、塗布試料作成直後と
40℃〜80%RHの条件で1週間保存後の試料につい
て感度評価をおこなった。
【0150】試料に露光を与える際には、光学楔を用い
て、青、緑、及び赤の三色フィルターを介しておこな
い、青感光性、緑感光性、赤感光性の感光性乳剤層のそ
れぞれの感度を評価した。感度は光学楔を用いた露光に
より得られる特性曲線の、カブリ濃度よりも0.75高い発
色濃度を与える露光量の逆数をもって定義した。
【0151】表4、5に試料(301)〜(345)の
それぞれについて試料作製直後の各感光層の感度を10
0とした場合、上記条件で保存した試料について相対感
度を表示した。
【0152】露光後の現像処理工程は以下の如くであ
る。
【0153】 処理工程 処理温度 時間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80cc 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120cc 安定化 30〜34℃ 60秒 150cc 乾 燥 60〜80℃ 30秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0154】 発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800cc 800cc トリエチレンジアミン 2g 3g ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N-エチル-N-(βメタンスルホンアミドエチル) -3-メチル-4-アミノアニリン硫酸塩 6.0g 10.0g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベン ジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.10に、補充液はpH=1 0.60に調整する。
【0155】 漂白定着液タンク液及び補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g ジエチレントリアミン五酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100cc 2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール 2.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5cc 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=6.5に調整 する。
【0156】 安定化液タンク液及び補充液 o-フェニルフェノール 1.0g 5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.02g 2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 1.8g 塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g PVP 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調整す る。
【0157】色階調再現性と以下に示す感材の経時保存
安定性の評価結果を表6にまとめた。
【0158】
【表6】
【0159】ポリエチレンをラミネートした支持体Aを
用いて作成した試料(301)〜(305)について、
赤感光性乳剤に感光性の異なる増感色素を併用した(3
02)〜(305)は併用しない(301)に比べ色階
調再現性は良いが、その程度は不充分であり、経時保存
後の相対感度変動はより大きくなっている。
【0160】この傾向は二酸化チタン含有率15重量%
の電子線硬化樹脂を用いた支持体Bを用いた場合にも同
様の傾向が見られる。
【0161】これに対して同じ電子線硬化樹脂を用いた
支持体でも二酸化チタン含有率が22重量%の支持体C
を用いて作成した試料(311)〜(315)では、赤
感光性乳剤に感光性の異なる増感色素を併用しない(3
11)は、同じ乳剤を用いた(301)、(306)に
比べ色階調再現性が若干向上しているが、依然としてそ
の程度は充分ではない。これに対して(312)〜(3
15)では赤感光性乳剤に併用する増感色素の過飽和溶
液を調製及び添加して乳剤調製を行っているが、色階調
再現性が著しく向上し、同時に感材の経時保存後の感度
安定性も向上していることがわかる。色階調再現性につ
いては実施例1の試料(212)〜(215)に比べそ
の効果が大きくなっている。
【0162】この効果は純水に界面活性剤を添加した、
水系媒体により増感色素の過飽和溶液を調製した場合に
も、同様の効果が得られることを確認した。
【0163】支持体にポリエチレン層2層を有する支持
体D、Eを用いた場合でも、二酸化チタン含有率が30
重量%とより高い支持体Eが、赤感光性乳剤調製に用い
る感光性の異なる増感色素の過飽和溶液を調製及び添加
して乳剤調製をおこなうことにより、試料(322)〜
(325)に見られるように高い色階調再現性と感材の
経時保存安定性を両立できることがわかる。
【0164】この傾向は支持体にポリエステルからなる
白色フィルムを用いた支持体において二酸化チタン含有
率が20重量%の支持体Eを用いた試料(332)〜
(335)でも同様の効果を得られることがわかる。
【0165】また、電子線効果樹脂層を含有する支持体
のうち、二酸化チタン含有率を支持体Cに対して更に高
めたH、Iを用いた試料(337)〜(340)、(3
42)〜(345)においても同様の効果が見られるこ
とがわかる。
【0166】上記の効果は実施例1同様、赤感光性乳剤
調製の際に感光性の異なる増感色素を乳剤調製中に添加
しても、予め感光性の異なる増感色素ごとに乳剤調製を
おこなった後に、それらを溶解混合しても本発明の効果
が得られることがわかる。
【0167】
【発明の効果】本発明により、色階調再現性に優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/26 G03C 7/26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタンを20重量%以上含有する樹
    脂層を有する支持体上に、イエローカプラー含有ハロゲ
    ン化銀乳剤層、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤
    層、シアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ
    少なくとも一層有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、該乳剤層の少なくとも一層は、含有するカプラーの
    発色色素と補色関係にある原色光に感光性を有する分光
    増感色素と、残余の原色光の少なくとも一原色光に感光
    性を有する分光増感色素とを含有して増感されているこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 イエローカプラー含有ハロゲン化銀乳剤
    層、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層、シアン
    カプラー含有ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも
    一層有するハロゲン化銀写真感光材料において、ハロゲ
    ン化銀乳剤調製時に分光増感色素の過飽和溶液として添
    加されていることを特徴とする請求項1に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
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