JPH0827129B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はオゾスにより室内空気の脱臭を行なう冷蔵庫
に関する。

従来の技術 近年、魚、肉類等の生鮮食品の保鮮を目的として、家
庭用の冷蔵庫に従来の冷蔵室とは別に、独立した扉を有
し、専用のダンパーサーモ等によって独立温度制御を可
能とした低温室を設けるものが主流になりつつある。
又、一方で、オゾン発生装置を冷蔵室内の一画に設置し
て冷蔵庫内の脱臭を行なう冷蔵庫が提案されている。

以下第５図と第６図によりその一例を説明する。１は
冷蔵庫本体で、外箱２、内箱３、及びこれら両箱2,3間
に充填された断熱材４により構成されている。５は第１
の区画壁で、内部に冷却器６、強制通風用の送風機７を
収めており上部に冷凍室８を区画形成している。９は前
記第１の区画壁５の下方に設けた第２の区画壁で下部に
冷蔵室10を区画形成している。11は前記第１の区画壁５
と第２の区画壁９の間に区画形成された低温室である。
12は前記冷却器６で冷却された空気を前記送風機７で前
記冷凍室８、冷蔵室10、低温室11に導くためのダクトで
あり、前記冷蔵室10、低温室11の入口には冷気流入量を
調節するダンパーサーモ13,14が夫々設けられている。1
5は前記冷蔵室のダンパーサーモ13を収めたコントロー
ルパネルであり、断熱材16により内部に前記ダンパーサ
ーモ13を介して前記ダクト12と連通する吐出風路17が形
成されている。18は前記低温室のダンパーサーモ14を収
めたコントロールパネルであり、断熱材19により内部に
前記ダンパーサーモ14を介して前記ダクト12と連通する
吐出風路20が形成されている。21は前記低温室11の天面
に形成された通風路で前記吐出風路20と連通し前記低温
室11の前面に開口している。又、22,23,24は夫々前記冷
凍室８、冷蔵室10、低温室11より前記冷却器６へ冷気を
戻すための冷気吸込口である。そして25は前記冷蔵室10
内に備えられた網棚26の後部に載置された脱臭装置であ
る。又、27は本体１の底部に設けられた冷凍サイクルの
圧縮機である。

次に前記脱臭装置25の構成について説明する。図にお
いて28はケースであり、29は前記ケース28に穿設された
庫内空気（臭気を含む）の流入孔、30は脱臭空気の排出
孔である。また31はオゾン発生装置、32はオゾン反応
室、33はフィルター状のオゾン分解触媒であり、前記し
た順序で前記流入孔29側から配置されている。そして、
前記オゾン発生装置31はステンレススチール系金属34に
硼硅酸ガラス誘電体35がシリコン系接着剤で接合されて
なる平板状高圧電極36とステンレススチール系金属製の
平板状低圧電極37と、これら高圧電極36の誘電体35と低
圧電極37との間に形成されたエアギャップ38と、前記両
電極36,37を支持する支持枠39とから構成されている。

40は前記オゾン発生装置31用の高電圧発生装置であ
り、仕切板41により前記オゾン反応室32とは仕切られた
空間に配置されている。又、42は前記オゾン発生装置31
と前記高電圧発生装置40とを接続する塩ビ被覆電線であ
る。そして、前記オゾン発生装置31は例えば前記送風機
７と同期して作動するように構成されている。

かかる構成において、次にその動作について説明す
る。冷凍室８、冷蔵室10、低温室11内には各種の食品が
収納されそれぞれ適当な温度に維持されているが室内の
温度が上昇するとサーモスイッチ（図示せず）の働きに
より圧縮機27及び送風機７が運転され、送風機７の送風
作用によって冷却器６で冷却された冷気がダクト12を経
て冷凍室８、冷蔵室10、低温室11に送られる。ここで冷
蔵室10内にはダンパーサーモ13を介した後コントロール
パネル15内の吐出風路17を通じて冷気が流入する。この
時、オゾン発生装置31は送風機７の運転と同期して作動
し高電圧発生装置40より高圧電極36と低圧電極37間にパ
ルス状の高電圧を印加すると両電極36,37間で無声放電
を生じる。そして、脱臭装置25の流入孔29より流入する
循環冷気（臭気を含む）が含有している酸素をオゾンに
変化させてオゾン化空気を生成し、オゾン反応室32内で
悪臭成分を分解する。又、ここで米反応のオゾンはオゾ
ン分解触媒33によって大部分が酸素に分解されるが少量
ではあるが分解されないままにオゾン分解触媒33を通過
するオゾンもあり、いづれも排出孔30より冷蔵室10内に
排出される。このため脱臭装置25による脱臭作用に加え
て冷蔵室10に対しては少量の漏出オゾンによる若干の制
菌作用も得られる。又、脱臭装置25は冷蔵室10内に設置
されているが、冷凍室８、冷蔵室10、低温室11の各室の
流通冷気は冷気吸込口22,23,24を経て冷却器６のもとに
集まり、送風機７によって各室8,10,11に分散されるこ
とを繰り返すため、脱臭効果は冷凍室８、低温室11にも
順次広まってゆく。

発明が解決しようとする問題点 しかしながらかかる構成においては、オゾン発生装置
31を備えた脱臭装置25は冷蔵庫10内に配置されるため食
品から発生する水分や、扉開閉による外湿気の侵入等に
より比較的湿度が高くオゾンの生成効率があまり良くな
い。このため比較的容量の大きいオゾン発生装置31が必
要となり、その為に高電圧発生装置40まで大きくするこ
とが必要であった。その結果脱臭装置25自体が大型化し
てしまい冷蔵室10の有効内容積を阻害してしまう問題点
があった。又、オゾン分解触媒33も多湿環境にさらされ
て結露すれば分解能力が低下し、オゾン化空気が冷蔵室
10内に流出する量が増大してオゾン濃度が所定濃度以上
となって安全上好ましくないという問題点も有してい
た。

更に、脱臭装置25が冷蔵室10内に設置されていて、冷
気の流入孔29内に取り込む空気量が吐出風路17より冷蔵
室10内へ吐出される冷気層の一部となるため、所定の脱
臭効果を得るまでに相当回数の冷気循環が必要となり時
間も要するが、特に脱臭や制菌作用を必要とする魚、肉
等の生鮮食品を収納する低温室11に対する脱臭効果がす
ぐには現われにくく、制菌効果は期待出来ないという不
都合な点もあった。

本発明は上記した問題点を解消するものであり、有効
内容積を減少させずに、特に魚、肉等の生鮮食品の脱
臭、制菌を効果的に行なわせる安全性の高い脱臭機能を
備えた冷蔵庫を提供することを目的としている。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の冷蔵庫は、低温
室内に設けたコントロールパネル内に形成した吐出風路
内で、且つ冷気量調節のためのダンパーサーモより上流
にオゾン発生装置及びオゾン分解触媒を配置したもので
ある。

作用 本発明は上記した構成によって、低温室へ流入しよう
とする臭気を含んだ冷気は、絶対湿度の低い吐出風路幅
内で効率良く生成されたオゾンによって分解され悪臭が
除去される。又、未反応のオゾンはオゾン分解触媒によ
って大半が酸素に分解されるが、分解されなかった少量
のオゾンは低温室内へ流入し収納食品に制菌作用を施
す。更にオゾン分解触媒も低湿下に置かれるため、結露
による分解能力の大きな低下がなく、多量のオゾン流出
に対する安全性が高まる。

実施例 以下本発明の一実施例を第１図から第４図に従い説明
する。尚、従来と同一構成については同一符号を付し、
その詳細な説明を省略して異なる部分についてのみ述べ
る。図において43は冷蔵庫本体であり、44は冷凍室８、
冷蔵室10、低温室11に冷却器６で冷却した冷気を流通さ
せるダクトである。45は低温室11内の奥面に取り付けら
れたコントロールパネルで、内部に断熱材46と樹脂製の
筒体47によって本体43側のダクト44と連通する吐出風路
48が形成されている。そして前記吐出風路48の途中には
低温室11への冷気量を調節するダンパーサーモ14が設け
られている。49は前記筒体47の内面より支持枠50によっ
て空中に固定された平板状のオゾン発生装置、又51は前
記筒体47内に配設したフィルター状のオゾン分解触媒で
あり、いづれも前記吐出風路48内で且つ前記ダンパーサ
ーモ14より上流側にオゾン発生装置49、オゾン分解触媒
51の順に適当な間隔をおいて配置されている。また、前
記オゾン発生装置49に高周波高電圧を印加する高電圧発
生装置52は冷蔵庫本体43の背面上部に設けた電装品収納
部53内に収められている。

次に前記オゾン発生装置49の構成について説明する。
54はステンレススチール系金属製の平板状の誘導電極で
硼硅酸ガラス誘電体55が周囲に塗布されている。そし
て、前記硼硅酸ガラス誘電体55の片側の表面には細線状
のタングステン金属製の放電電極56が設けられている。
又、前記両電極54,56はハンダ57により前記高電圧発生
装置52からの塩ビ被覆電線58が接続されている。

かかる構成においてその動作を説明する。前記オゾン
発生装置49は沿面放電式（従来例は無声放電式）といわ
れるもので、前記高電圧発生装置49により前記両電極5
4,56に高周波高電圧が印加されると放電電極56より強力
な高周波沿面ストリーマ放電が起こり、周囲にオゾンが
生成される。生成されたオゾンは、送風機７によりダク
ト44を通じてコントロールパネル45内に形成した吐出風
路48内に導かれた冷気の臭気成分をダンパーサーモ14よ
り上流の絶対湿度の低い環境下で強制的に取り込んで効
率よく分解脱臭する。ここで、前記オゾン発生装置49の
オゾン生成能力と絶対湿度の関係は第４図に示すように
絶対湿度が高くなるとオゾンの生成濃度が低くなり、逆
に絶対湿度が低くなるとオゾンの生成濃度は高くなる。
従って、前記オゾン発生装置49は絶対湿度の低い吐出風
路48内に設けられているためオゾン生成能力が高いもの
である。このため従来例の様にオゾンの生成能力を高め
るために装置を大型化して有効内容積を犠牲にする事が
なく、従来より小型の装置にしてオゾン発生装置49の作
動時間を短かくして寿命の延長や消費電力量の低減が図
れる。

又、未反応のオゾンはオゾン分解触媒51により大部分
が酸素に分解されるが、一部少量のオゾンは分解されず
にダンパーサーモ14を介して低温室11内に流出するた
め、収納された魚、肉等の生鮮食品に対して制菌効果が
発揮される。一方、オゾン分解触媒51も絶対湿度の低い
雰囲気中に配置されているため、表面を結露で覆われて
分解能力が大幅に低下し、低温室11内へ必要以上の多量
のオゾンが漏出する事がなく安全性が高まる。

更に、オゾン発生装置49及びオゾン分解触媒51ともに
着脱が可能なコントロールパネル45内に一体に組み込ん
でいるため組立て作業が容易で、又、部品交換時のサー
ビス対応も容易である。尚オゾン発生装置で硼硅酸ガラ
ス誘電体を用いたがアルミナ等の誘電体を用いても同様
の効果が得られる。

発明の効果 以上の説明より明らかな様に本発明によると次のよう
な効果が得られる。

（１）オゾン発生装置が絶対湿度の低いコントロールパ
ネル内のダンパーサーモより上流の吐出風路内に配設さ
れているためオゾンの生成効率が高く、従来より小型の
オゾン発生装置となって内容積を阻害しない。或いは作
動時間を短かくし寿命の延長や消費電力量の低減を図る
ことができる。

（２）オゾン分解触媒で分解しきれない少量のオゾンが
低温室内に送り込まれるため、脱臭や制菌作用を特に必
要とする魚、肉等の生鮮食品に対して制菌効果が発揮出
来るほか、オゾン発生装置が強制通風路内にあるため臭
気成分を含んだ冷気を取込む率も高く、脱臭効果も早期
に発揮される。

（３）オゾン分解触媒も低湿度環境下に配置されている
ため結露により分解能力が大きく低下して冷蔵室内のオ
ゾン濃度が高まる危険性が少ない。

（４）コントロールパネル内に一体に組込まれているた
め組立て作業が容易で部品交換等のサービス性にも優れ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す冷蔵庫の断面図、第２
図は同第１図中のオゾン発生装置の拡大平面図、第３図
は同第２図のオゾン発生装置の断面図、第４図は同第2,
第３図のオゾン発生装置のオゾン生成効率を示す図、第
５図は従来例を示す冷蔵庫の断面図、第６図は同第５図
中の脱臭装置の拡大断面図である。 ６……冷却器、７……送風機、８……冷凍室、10……冷
蔵室、11……低温室、14……ダンパーサーモ、44……ダ
クト、45……コントロールパネル、48……吐出風路、49
……オゾン発生装置、51……オゾン分解触媒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】冷凍室と、冷蔵室と、前記冷凍室、冷蔵室
   とは独立して温度制御される低温室と、冷却器により冷
   却された冷気を前記冷凍室、冷蔵室、低温室に強制通風
   させる送風機及びダクトと、前記ダクトの前記低温室入
   口に設けたコントロールパネルと、前記コントロールパ
   ネル内に形成され前記ダクトと前記低温室内を連通させ
   る吐出風路と、前記吐出風路内に設けて前記低温室への
   必要冷気量を調節するダンパーサーモと、前記吐出風路
   内の前記ダンパーサーモより上流側に設けたオゾン発生
   装置とオゾン分解触媒とより成る冷蔵庫。