JPH0827090A - シアノ酢酸アミド誘導体、その用途およびその製造中間体 - Google Patents

シアノ酢酸アミド誘導体、その用途およびその製造中間体

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JPH0827090A
JPH0827090A JP31322494A JP31322494A JPH0827090A JP H0827090 A JPH0827090 A JP H0827090A JP 31322494 A JP31322494 A JP 31322494A JP 31322494 A JP31322494 A JP 31322494A JP H0827090 A JPH0827090 A JP H0827090A
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cyanoacetic acid
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JP31322494A
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Inventor
Noboru Yamamoto
登 山本
Riichiro So
一郎 宗利
Junya Takahashi
淳也 高橋
Tamon Uematsu
多聞 植松
Makoto Fujimura
真 藤村
Kiyoto Maeda
清人 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C255/00Carboxylic acid nitriles
    • C07C255/01Carboxylic acid nitriles having cyano groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C255/19Carboxylic acid nitriles having cyano groups bound to acyclic carbon atoms containing cyano groups and carboxyl groups, other than cyano groups, bound to the same saturated acyclic carbon skeleton

Abstract

(57)【要約】 【構成】 式 化1 【化1】 で示されるシアノ酢酸アミド誘導体、それを有効成分と
する植物病害防除剤およびその製造中間体。 【効果】 式 化1で示されるシアノ酢酸アミド誘
導体は植物病害、特にイネいもち病に対して優れた防除
効果を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明はシアノ酢酸アミド誘導体、それ
を有効成分とする植物病害防除剤およびその製造中間体
に関する。
【発明の構成】本発明者らは、植物病害に対して優れた
防除効力を有する化合物を開発すべく鋭意検討を重ねた
結果、式 化3
【化3】 で示されるシアノ酢酸アミド誘導体が植物病害に対し優
れた茎葉予防病害防除効力および浸透移行的病害防除効
力を有することを見出すと共に、下記式 化4で示され
るシアノ酢酸化合物が製造中間体として有用であること
を見い出し、本発明に至った。
【化4】
【0002】即ち、本発明は式 化3で示されるシアノ
酢酸アミド誘導体(以下、本発明化合物と称す。)、そ
れを有効成分とする植物病害防除剤およびその製造中間
体である式 化4で示されるシアノ酢酸化合物を提供す
る。本発明化合物には、その不斉炭素原子に由来する8
個の立体異性体(光学異性体)が存在するが、本発明
は、植物病害防除効力を有するこれらの任意の異性体及
びそれらの混合物をも含むものである。本発明化合物に
おいて、ベンジル位の炭素原子の立体配置が(R)であ
る光学活性な化合物は特に優れた植物病害防除効力を有
することから、該光学異性体またはその割合を高めた
(例えば光学純度70%ee以上とした)光学活性体を
植物病害防除剤として用いることもできる。
【0003】本発明化合物は、特にイネのいもち病(Pyr
icularia oryzae)に対し、すぐれた防除効力を有する
が、その他に防除できる植物病害として、イネのごま葉
枯病(Cochliobolus miyabeanus) 、リンゴの黒星病(Ven
turia inaequalis) 、ナシの黒星病(Venturia nashicol
a)、カキの炭そ病(Gloeosporium kaki) 、ウリ類の炭そ
病(Colletotrichum lagenarium) 、インゲンの炭そ病(C
olletotrichum lindemuthianum) 、ラッカセイの黒渋病
(Mycosphaerella personatum) 、褐斑病(Cercospora ar
achidicola) 、タバコの炭そ病(Colletotrichum tabacu
m)、テンサイの褐斑病(Cercospora beticola) 等が挙げ
られる。
【0004】本発明化合物は、1−(4−クロロフェニ
ル)エチルアミンと、前記式 化4で示されるシアノ酢
酸化合物あるいはその反応性誘導体とを、必要に応じ反
応助剤の存在下に反応させることにより製造することが
できる。上記反応において、式 化4で示されるシアノ
酢酸化合物の反応性誘導体としては、対応する酸無水
物、酸塩化物、酸臭化物、カルボン酸メチルエステルや
カルボン酸エチルエステルのようなカルボン酸エステル
類等があげられ、反応助剤としては、式 化4で示され
るシアノ酢酸化合物またはその反応性誘導体に応じて、
たとえばジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩、1,1′−カルボニルジイミダゾール、五塩化
リン、三塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、ホ
スゲン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウ
ムメチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミ
ン、ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、N−メチルモルホリン等が
挙げられる。上記反応において、標準的には反応温度は
0〜200℃、反応時間は0.1〜24時間であり、反応
に供せられる試剤の量は、式 化4で示されるシアノ酢
酸化合物またはその反応性誘導体1モルに対して、1−
(4−クロロフェニル)エチルアミンは、通常1〜1.2
モルの割合であり、必要に応じて用いられる反応助剤は
通常1ミリモル〜5モルの割合である。上記反応におい
て、反応溶媒は必ずしも必要ではないが、一般的には溶
媒の存在下に行なわれる。使用しうる溶媒としては、ヘ
キサン、ヘプタン、リグロイン等の脂肪族炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン原子含有溶媒、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水などの
溶媒およびそれを混合したものがあげられる。反応終了
後の反応液は、有機溶媒抽出、濃縮等の通常の後処理を
行ない、必要に応じ、カラムクロマトグラフィー、再結
晶等の操作に付することにより、目的の本発明化合物を
単離することができる。本発明化合物において、ベンジ
ル位の炭素原子が(R)の立体配置である化合物は、例
えば、ベンジル位の炭素原子が(R)の立体配置である
1−(4−クロロフェニル)エチルアミンと、前記式
化4で示されるシアノ酢酸化合物あるいはその反応性誘
導体とを、必要に応じ反応助剤の存在下に前記の要領で
反応させることにより製造することができる。
【0005】本発明化合物を製造する際の一方の原料化
合物である、ラセミの1−(4−クロロフェニル)エチ
ルアミンは、例えば、Organic Reactio
ns,Vol.5,301−330(1949)に記載
されたLeuckart反応に従って4−クロロアセト
フェノンから得ることができる。ベンジル位の炭素原子
が(R)の立体配置である(必ずしも光学純度が100
%eeである必要はなく、例えば70%ee以上である
ものも含む。)光学活性な1−(4−クロロフェニル)
エチルアミンは、例えば、J.Chem.Soc.,
(B),2418(1971)に記載された方法にした
がって対応するラセミ体を光学分割することにより得る
ことができる。
【0006】本発明化合物を製造する際のもう一方の原
料化合物である式 化4で示されるシアノ酢酸化合物ま
たはその反応性誘導体は、通常の誘導体化法、即ち、対
応するカルボン酸エステルを加水分解してカルボン酸を
得、得られたカルボン酸を酸ハライド化してカルボン酸
ハライドを得る方法等により製造することができる。原
料となるカルボン酸エステルは、例えば下記反応式 化
5にしたがって製造することができる。
【化5】 〔式中、RはC1 〜C4 アルキル基(例えば、メチル
基、エチル基等)を表わし、Xは塩素原子、臭素原子ま
たはヨウ素原子を表わす。〕 上記反応式の原料化合物〔I〕は、例えばJ. Org. Che
m.,26, 2738(1961)に記載の方法により製造することが
できる。原料となるカルボン酸エステルのもう一つの製
造方法として、J. Am. Chem. Soc.,59, 2327(1937)に記
載されている方法で得られる、式
【化6】 〔式中、Rは前記と同じ意味を表わす。〕で示される化
合物を還元する方法を挙げることができる。還元の方法
として、貴金属触媒(例えば、palladium on carbon
等)を用いた接触水素添加を挙げることができる。
【0007】本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分
として用いる場合は、他の何らの成分も加えずそのまま
使用してもよいが、通常は、固体担体、液体担体、界面
活性剤その他の製剤用補助剤と混合して、乳剤、水和
剤、懸濁剤、粒剤、粉剤等に製剤して使用する。これら
の製剤には有効成分として本発明化合物を、重量比で0.
1〜99%、好ましくは0.2〜95%含有する。固体担
体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイ
トクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライ
ト、タルク、珪藻土、方解石、トウモロコシ穂軸粉、ク
ルミ殻粉、尿素、硫酸アンモニウム、合成含水酸化珪素
等の微粉末あるいは粒状物があげられ、液体担体として
は、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素
類、イソプロパノール、エチレングリコール、セロソル
ブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イ
ソホロン等のケトン類、大豆油、綿実油等の植物油、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリル、水等があげられ
る。乳化、分散、湿展等のために用いられる界面活性剤
としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキル
(アリール)スルホン酸塩、ジアルキルスルホこはく酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルりん
酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステルポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面
活性剤等があげられる。製剤用補助剤としては、例えば
リグニンスルホン酸塩、アルギン酸塩、ポリビニルアル
コール、アラビアガム、CMC(カルボキシメチルセル
ロース)、PAP(酸性りん酸イソプロピル)等があげ
られる。
【0008】これらの製剤は、そのままで使用するか、
あるいは水で希釈して、茎葉散布するか、土壌に散粉、
散粒して混和するかまたは土壌施用等する。また、育苗
箱処理、種子粉衣処理、種子浸漬処理等して用いること
もできる。また、他の植物病害防除剤、殺虫剤、殺ダニ
剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料、土壌改
良剤等と混合して用いることもできる。混合し得る他の
植物病害防除剤としては、たとえば、ジイソプロピル
1,3−ジチオラン−2−イリデンマロネート、5−メ
チル−1,2,4−トリアゾロ〔3,4−b〕ベンゾチ
アゾール、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチア
ゾール−1,1−ジオキシド、1,2,5,6−テトラ
ヒドロ−4H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−
4−オン、(Z)−2’−メチルアセトフェノン4,6
−ジメチルピリミジン−2−イルヒドラゾン、O−エチ
ル S,S−ジフェニル ホスホロジオチエート、4,
5,6,7−テトラクロロフタリド、カスガマイシン、
α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−o
−トルアニリド、1−(4−クロロベンジル)−1−シ
クロペンチル−5−フェニルウレア、バリダマイシン、
3’−イソプロポキシ−o−トルアニリド、6−(3,
5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピ
リダジノン、N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−ト
リメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−
1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸アミド、
メチル (E)−2−{2−〔6−(2−シアノフェノ
キシ)ピリミジン−4−イルオキシ〕フェニル}−3−
メトキシアクリレート等があげられる。混合し得る殺虫
剤としては、たとえば、5−アミノ−1−〔2,6−ジ
クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル〕−4−
(トリフルオロメチル)スルフィニル−1H−ピラゾー
ル−3−カルボニトリル、1−(6−クロロ−3−ピリ
ジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデ
ンアミン、エチル N−〔2,3−ジヒドロ−2,2−
ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メ
チル)アミノチオ〕−N−イソプロピル−β−アラニネ
ート、S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)
ビス(チオカーバメート)、4−(メチルチオ)フェニ
ル ジプロピル ホスフェート、2,3−ジヒドロ−
2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル (ジブチル
アミノチオ)メチルカーバメート、4,5−ジヒドロ−
6−メチル−4−(3−ピリジルメチレンアミノ)−
1,2,4−トリアジン−3(2H)−オン、N−(6
−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N’−
メチル−2−ニトロビニリデンジアミン等があげられ
る。
【0009】本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分
として用いる場合、その処理量は、気象条件、製剤形
態、処理時期、方法、場所、対象病害、対象作物等によ
っても異なるが、通常1アールあたり0.05〜200
g、好ましくは0.1〜100gであり、乳剤、水和剤、
懸濁剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は
0.00005 〜0.5%好ましくは0.0001〜0.2%であり、粒
剤、粉剤等は、なんら希釈することなくそのまま施用す
る。育苗箱処理に際しては、有効成分量として1 箱(3
0cm×60cm×3cm)当り、通常約0.1〜約100g、
好ましくは約1〜約10g使用することができる。種子
処理に際しては、有効成分量として種子1kg当り、通常
約0.001 〜約50g 、好ましくは約0.01〜約10g使
用することができる。
【0010】
【実施例】以下に、本発明を製造例、製剤例および試験
例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例
に限定されるものではない。まず、製造例を示す。 製造例1 2−シアノ−3,4,4−トリメチルペンタン酸0.51
gを無水テトラヒドロフランに溶解して、窒素雰囲気
下、0℃にてカルボニルジイミダゾール0.58gを加え
た。反応温度を室温に戻し、1時間撹拌した。そこに、
1−(4−クロロフェニル)エチルアミン0.47gのテ
トラヒドロフラン溶液を室温にて滴下し、同温度にて3
時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、1N水酸化
ナトリウム水溶液、1N塩酸水溶液及び飽和食塩水で順
次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した
のち、濃縮し、結晶性残渣をヘキサンで洗浄することに
より、N−〔1−(4−クロロフェニル)エチル〕−2
−シアノ−3,4,4−トリメチルペンタンアミド(以
下、「化合物1−a」と記す。)0.61gを得た。m.p.
90.5℃1 H-NMR(CDCl3 , TMS)δ(ppm) :0.98 及び0.99 (各々s,
計9H) 、0.93及び1.07 (各々d,計3H) 、1.52(d, 3H) 、
2.1 〜2.28(m, 1H) 、3.56及び3.57 (各々d,計1H) 、5.
03〜5.18(m, 1H) 、6.5 〜6.67(br, 1H)、7.23〜7.34
(m, 4H)
【0011】製造例2 2−シアノ−3,4,4−トリメチルペンタン酸1.1
gを無水テトラヒドロフランに溶解して、窒素雰囲気
下、0℃にてカルボニルジイミダゾール1.3gを加え
た。反応温度を室温に戻し、1時間撹拌した。そこに、
(R)−(+)−1−(4−クロロフェニル)エチルア
ミン1.0gのテトラヒドロフラン(3ml)溶液を室
温にて加え、一夜放置した。その後、製造例1と同様の
後処理の操作を行い、N−〔(R)−1−(4−クロロ
フェニル)エチル〕−2−シアノ−3,4,4−トリメ
チルペンタンアミド(以下、「化合物1−b」と記
す。)0.61gを得た。 m.p. 115.8-119.4 ℃ 〔α〕D 25 +38.6°(c=1,CHCl3 1 H-NMR は製造例1で得たものと同一であった。
【0012】次に、一般式 化4で示されるシアノ酢酸
化合物の製造例を示す。 中間体の製造例 2−シアノ−3,4,4−トリメチルペンタン酸メチル
〔これは、以下の方法で製造した: ピバルアルデヒド
17.2g 、シアノ酢酸メチル19.8g 、酢酸1.4ml、ピペリ
ジン0.4ml のトルエン200ml の溶液を、系外に水を除去
しながら4時間加熱還流した。室温に冷却して、反応液
のトルエン層を1N水酸化ナトリウム溶液及び1N塩酸
にて順次洗浄した。トルエン層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に付し、2−
シアノ−4,4−ジメチル−2−ペンテン酸メチル25.
0gを得た。1 H-NMR(CDCl3 , TMS)δ(ppm) :1.32(s, 9H)、3.87(s, 3
H) 、7.66(s, 3H) 2−シアノ−4,4−ジメチル−2−ペンテン酸メチル
25.05gを無水エーテル150mlに溶解し、加熱還流
下、メチルマグネシウムブロミドの3Mエーテル溶液5
5mlを滴下し、さらに同温度にて1時間撹拌した。反応
温度を室温に戻して、10%塩酸50mlを加えて10分
間撹拌した後、飽和食塩水で洗浄した。エーテル層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮して、粗生成物
2−シアノ−3,4,4−トリメチルペンタン酸メチル
23.85gを得た。1H-NMR(CDCl3 , TMS)δ(ppm) :0.99
及び1.00 (各々s,計9H) 、1.11及び1.13 (各々d,計3H)
、2.19〜2.23(m, 1H) 、3.55(d, 1H) 、3.80及び3.82
(各々s,計3H) 〕23.85gをメタノール140mlに溶
解し、40%KOH水溶液50mlを加え、室温で4時間
撹拌した。反応液にクロロホルムおよび水を加え、分液
した。水層に濃塩酸を加えて酸性にした後、クロロホル
ムで抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、濃縮し、結晶性残渣をヘキサンで洗浄し
て、2−シアノ−3,4,4−トリメチルペンタン酸1
7.89gを得た。1 H-NMR(CDCl3 , TMS)δ(ppm) :1.02(s, 9H)、1.16(d, 3
H) 、2.00〜2.19(m, 1H) 、3.79(s, 1H)
【0013】次に製剤例を示す。なお、部は重量部を表
わし、化合物は製造例1および2に記載の化合物記号で
示す。 製剤例1 化合物1−aもしくは化合物1−b 50部、リグニン
スルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2
部および合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合して水
和剤を得る。 製剤例2 化合物1−aもしくは化合物1−b 25部、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノオレエート3部、CMC3部
および水69部を混合し、有効成分の粒度が5ミクロン
以下になるまで湿式粉砕して懸濁剤を得る。 製剤例3 化合物1−aもしくは化合物1−b 2部、カオリンク
レー87部およびタルク10部をよく粉砕混合して粉剤
を得る。 製剤例4 化合物1−aもしくは化合物1−b 20部、ポリオキ
シエチレンスチリルフェニルエーテル14部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸カルシウム6部およびキシレン60
部をよく混合して乳剤を得る。 製剤例5 化合物1−aもしくは化合物1−b 10部、合成含水
酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベ
ントナイト30部およびカオリンクレー73部をよく粉
砕混合し、水を加えてよく練り合わせた後、造粒乾燥し
て粒剤を得る。
【0014】次に、本発明化合物が植物病害防除剤とし
て有用であることを試験例で示す。尚、化合物は製造例
1および2に記載の化合物記号で示す。また、防除効力
は、調査時の供試植物の発病状態すなわち葉、茎等の菌
叢、病斑の程度を肉眼観察し、菌叢、病斑が全く認めら
れなければ「5」、10%程度認められれば「4」、3
0%程度認められれば「3」、50%程度認められれば
「2」、70%程度認められれば「1」、それ以上で化
合物を供試していない場合の発病状態と差が認められな
ければ「0」として、6段階に評価し、それぞれ5、
4、3、2、1、0で示す。薬害については、薬害が認
められたものを+、薬害が認められなかったものを−で
示す。 試験例1 イネいもち病防除試験(茎葉散布) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で20日間育成した。製剤例1に
準じて水和剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度に
し、それをそのイネの幼苗の葉面に充分付着するように
茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、いもち病菌の胞
子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、28℃、暗黒、多
湿下で4日間生育し、防除効力を調査した。その結果を
表1に示す。
【表1】
【0015】試験例2 イネいもち病防除試験(浸透移
行効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で14日間育成した。そのイネの
幼苗に、製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希
釈して、その所定量を土壌に灌注した。灌注後、14日
間温室内で育成し、いもち病菌の胞子懸濁液を噴霧、接
種した。接種後、23℃、暗黒、多湿下で4日間置いた
後、防除効力及び薬害を調査した。その結果を表2に示
す。
【表2】
【0016】試験例3 イネいもち病防除試験(育苗箱
処理) イネ用の育苗箱(30cm×60cm×3cm)に人工培土
(ボンソル2号:小浦産業株式会社製)を詰め、1箱あ
たりイネ(日本晴)の乾もみ約200gを播種した。播
種20日後に、製剤例5に準じて製剤した粒剤を育苗箱
の土壌表面に均一に散布した。その後軽く灌水した後、
イネの幼苗5本を、砂壌土を詰め水をはった1/5000ア
ールのワグネルポットに移植した。ワグネルポットの下
部から1日あたり3cmの割合で漏水処理を続けながら、
温室内で栽培を続けた。移植4週間後に、いもち病が発
病した別のイネ苗とともにビニールハウスに入れ、加湿
状態に保っていもち病菌を感染させた。菌接種11日後
に以下の基準により葉いもちの発病指数を調査し、数1
および数2から防除値を求めた。尚、無処理区の発病度
は80%であった。 発病指数 病斑面積歩合 0 0 1 1〜 5% 2 6〜25% 4 26〜50% 8 51%以上
【数1】 N:調査葉数 n1〜n4:それぞれ発病指数1、2、4、8の葉数
【数2】 結果を表3に示す。
【表3】
【0017】試験例4 イネいもち病防除試験(育苗箱
処理) イネ用の育苗箱(30cm×60cm×3cm)に人工培土
(ボンソル2号:小浦産業株式会社製)を詰め、1箱あ
たりイネ(日本晴)の乾もみ約200gを播種した。播
種20日後に、製剤例5に準じて製剤した粒剤を育苗箱
の土壌表面に均一に散布した。その後軽く灌水した後、
イネの幼苗5本を、砂壌土を詰め水をはった1/5000ア
ールのワグネルポットに移植した。ワグネルポットの下
部から1日あたり3cmの割合で漏水処理を続けながら、
温室内で栽培を続けた。移植3週間後に、いもち病が発
病した別のイネ苗とともにビニールハウスに入れ、加湿
状態に保っていもち病菌を感染させた。菌接種11日後
に葉いもちの発病指数を調査し、試験例3に記載の方法
にしたがって防除値を求めた。尚、無処理区の発病度は
86%であった。結果を表4に示す。
【表4】
【0018】
【発明の効果】本発明化合物は優れた植物病害防除効果
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植松 多聞 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 藤村 真 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 前田 清人 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 化1 【化1】 で示されるシアノ酢酸アミド誘導体。
  2. 【請求項2】 ベンジル位の炭素原子が(R)の立
    体配置を有する請求項1に記載のシアノ酢酸アミド誘導
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のシアノ酢酸アミド
    誘導体を有効成分として含有することを特徴とする植物
    病害防除剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のシアノ酢酸アミド
    誘導体を有効成分として含有することを特徴とするイネ
    いもち病防除剤。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のシアノ酢酸アミド
    誘導体を有効成分として含有することを特徴とする植物
    病害防除剤。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のシアノ酢酸アミド
    誘導体を有効成分として含有することを特徴とするイネ
    いもち病防除剤。
  7. 【請求項7】 式 化2 【化2】 で示されるシアノ酢酸化合物。
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